JP4085618B2 - 硬化被膜を有する透明基材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に硬化被膜を有する透明基材、特に、表面に反射防止膜を有する透明基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラスや樹脂等の透明基材の表面には、耐摩耗性被膜や、帯電防止膜、反射防止膜などの機能性被膜が形成され、利用されてきた。特に樹脂表面は傷が付きやすいことから、表面保護のために、アクリレート系化合物やエポキシ系化合物、有機ケイ素化合物など、紫外線硬化性又は熱硬化性の化合物がハードコート膜として用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来用いられているアクリル系等のハードコート被膜は、基材となる樹脂によって、その密着性が異なり、特に基材としてメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂を用いた場合には、その密着性が大きく低下する。また、反射防止膜を形成する場合には、その被膜の膜厚が1μm 以下と薄いため、通常の紫外線による硬化では、酸素による重合阻害のため、十分に硬化させることができなかった。さらにまた、エポキシ化合物や一般の有機ケイ素化合物からなるハードコート膜は通常、高温で長時間の加熱を必要とするため、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂には、十分な硬度と密着性を与えることができなかった。
【0004】
そこで本発明者は、基材、特にメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂に対して、十分な密着性を有し、1μm 以下の薄膜でも硬化する材料を開発すべく、鋭意研究を行った結果、特定の組成物を硬化して得られる被膜が、基材に対して十分な密着性を有し、1μm 以下の薄膜でも容易に硬化することを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、基材表面に、シリカ微粒子とオキセタン化合物を含む組成物からの硬化被膜が形成されている透明基材を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の透明基材では、シリカ微粒子とオキセタン化合物とを含む組成物からの硬化被膜が基材の表面に形成されており、この硬化被膜が、表面機能層ないしは反射防止層を形成している。
【0007】
硬化被膜を形成するために用いるシリカ微粒子は特に限定されないが、平均粒径が5nm〜10μm の範囲にあるものが好ましく用いられる。特に反射防止膜として被膜を形成する場合には、平均粒径が5nm〜100nmの範囲にある微粒子がより好ましい。また、多孔質シリカ微粒子を用いてもよい。多孔質シリカは屈折率が1.2〜1.4程度であり、通常のシリカ微粒子の屈折率1.46 に比べて屈折率が低く、反射防止材料を形成するうえで、より好ましい。多孔質シリカは、アルコキシシランをアルカリの存在下で加水分解することにより得られる、高度に絡み合って枝分かれし、ポリマー状に生成したシリカであってもよいし、特開平 7-133105 号公報に示される方法などで製造された、表面が被覆された多孔質シリカであってもよい。
【0008】
オキセタン化合物は、分子中に少なくとも1個のオキセタン環を有する化合物である。このようなオキセタン化合物としては、種々のものが使用できるが、好ましい化合物として、下記式(I)〜(III) で示されるものを挙げることができる。
【0009】
Figure 0004085618
【0010】
式中、R1 は、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基又はフリル基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは酸素又は硫黄を表し、R2 はmの値に応じて1〜4価の有機基を表し、nは1〜5の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、R3 は水素又は不活性な1価の有機基を表し、R4 は加水分解可能な官能基を表す。
【0011】
式(I)〜(III) において、R1 がアルキル基の場合、その炭素数は1〜6程度であることができ、具体的には、メチル、エチル、プロキル、ブチルなどが挙げられる。またフルオロアルキル基も、炭素数1〜6程度であることができる。さらにアリール基は、典型的にはフェニル又はナフチルであり、これらは他の基で置換されていてもよい。
【0012】
また、式(I)においてR2 で表される有機基は、特に限定されないが、例えば、mが1の場合は、アルキル基、フェニル基などが、mが2の場合は、炭素数1〜12の直鎖又は分枝状アルキレン基、直鎖又は分枝状のポリ(アルキレンオキシ)基などが、mが3又は4の場合は、類似の多価官能基が挙げられる。
【0013】
式(III) においてR3 で表される不活性な1価の有機基として、典型的には炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、またR4 で表される加水分解可能な官能基としては、例えば、メトキシやエトキシなどを包含する炭素数1〜5のアルコキシ基、塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子などが挙げられる。
【0014】
オキセタン化合物としては特に、分子内にシリル基を有する化合物又はその加水分解縮合物が好ましく用いられる。なかでも、式(III) の化合物をアルカリと水の存在下で加水分解縮合させることによって得られる、オキセタニル基を複数有するシルセスキオキサン化合物(ネットワーク状ポリシロキサン化合物)は、硬い被膜を与えるため、本発明に用いる材料として好適である。
【0015】
シリカ微粒子とオキセタン化合物の両方が存在することで、基材に対する密着性が向上する。特に、基材としてメチルメタクリレート−スチレン共重合体を用いたときにはその効果が大きい。シリカ微粒子だけでは被膜は形成されないし、オキセタン化合物だけからなる被膜は、基材に対する密着性が不十分な場合がある。シリカ微粒子の量は特に限定されないが、シリカ微粒子とオキセタン化合物の合計量を基準に、通常10〜90重量%の範囲である。シリカ微粒子の量があまり少ないと、基材に対する密着性が低下する場合があり、またその量があまり多いと、膜としての強度が低下する。
【0016】
多孔質シリカ微粒子を用いる場合も、その添加量は通常、多孔質シリカ微粒子とオキセタン化合物の合計量を基準に、10〜90重量%である。反射防止膜として被膜を形成する場合には、被膜の屈折率が、好ましくは1.20〜1.45、より好ましくは1.25〜1.41となるよう、多孔質シリカの添加量を選択するのが好ましい。その際の添加量は、多孔質シリカの屈折率によっても異なるが、通常は、多孔質シリカ微粒子とオキセタン化合物の合計量を基準に、15〜70重量%である。
【0017】
本発明に用いる基材は、透明なものであれば特に限定されないが、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、トリアセチルセルロース樹脂のような樹脂基材、また無機ガラスのような無機基材などが挙げられる。特に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体は、吸湿による伸縮が小さく、反射防止板の基材として適している。
【0018】
基材は、板(シート)やフィルムなどのように、表面が平面のものであってもよいし、凸レンズや凹レンズなどのように、表面が曲面になっている基材であってもよい。また、表面に細かな凹凸が設けられていてもよい。基材が樹脂基材である場合には、その表面にハードコート層などの他の被膜が形成されていてもよい。
【0019】
シリカ微粒子とオキセタン化合物を含む組成物を基材上に塗布するためには、この組成物を塗料として構成する必要がある。塗料には通常、シリカ微粒子とオキセタン化合物の他に、重合開始剤や溶剤、また必要により各種添加剤が含まれる。
【0020】
重合開始剤は、硬化被膜を形成するために必要である。オキセタン化合物はカチオン重合性の化合物であり、紫外線を照射することでカチオンを発生させる開始剤が好ましく用いられる。かかる開始剤としては、例えば、次の各式で示されるジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩が好適に使用される。
【0021】
ArN2 +-
(R)3+-
(R)2+-
【0022】
式中、Arはアリール基を表し、Rはアリール基又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、一分子内にRが複数回現れる場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Z- は非塩基性でかつ非求核性の陰イオンを表す。
【0023】
上記各式において、Ar又はRで表されるアリール基も、典型的にはフェニルやナフチルであり、これらは適当な基で置換されていてもよい。また、Z- で表される陰イオンとして具体的には、テトラフルオロボレートイオン(BF4 -)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン(B(C65)4 -)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -)、ヘキサフルオロアーセネートイオン(AsF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF6 -)、ヘキサクロロアンチモネートイオン(SbCl6 -)、硫酸水素イオン(HSO4 -)、過塩素酸イオン(ClO4 -)などが挙げられる。
【0024】
これら各種の開始剤の多くは市販されているので、そのような市販品を用いることができる。市販の開始剤としては、例えば、ダウケミカル日本(株)から販売されている“サイラキュア UVI-6990”、各々 旭電化工業(株)から販売されている“アデカオプトマー SP-150”及び“アデカオプトマー SP-170”、ローディアジャパン(株)から販売されている“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074”などが挙げられる。
【0025】
開始剤は通常、オキセタン化合物100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部程度の割合で添加される。開始剤の量があまり少ないと、オキセタン化合物の紫外線重合性が十分に発揮されず、またその量があまり多くなっても、増量効果が認められず、経済的に不利であるとともに、被膜の光学特性の低下をきたす可能性があるので、好ましくない。
【0026】
溶剤は、塗料の濃度や粘度、硬化後の膜厚などを調整するために使用される。用いる溶剤は、適宜選択すればよいが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールのようなアルコール類、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類、ジアセトンアルコールのようなケトール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類などが挙げられる。溶剤の使用量は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする被膜の膜厚などに応じて適宜選択されるが、通常は、シリカ微粒子とオキセタン化合物の合計量100重量部当たり20〜10,000重量部程度の範囲である。
【0027】
また、塗料中には、安定化剤、酸化防止剤、着色剤などの添加剤が含有されていてもよい。
【0028】
かかる塗料を基材の表面に塗布することにより、シリカ微粒子とオキセタン化合物からなる被膜が形成される。基材の表面に塗料を塗布するには、通常と同様の方法、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、フローコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、スプレーコート法などの方法により塗布すればよい。
【0029】
次いで、この被膜に紫外線を照射する。紫外線の照射時間は特に限定されないが、通常は0.1〜60秒程度の範囲である。紫外線は通常、10〜40℃程度の雰囲気下で照射することができる。照射する紫外線の照射エネルギーは、通常50〜3,000mJ/cm2程度である。紫外線の照射量があまり少ないと、硬化が不十分となり、膜の強度が低下する。また紫外線の照射量があまり多くなると、被膜や基材が劣化し、光学特性や機械物性の低下をきたす可能性があるので、好ましくない。
【0030】
塗料が溶剤を含有する場合、紫外線は、被膜が溶剤を含有した状態のまま照射してもよいし、溶剤を揮発させた後に照射してもよい。溶剤を揮発させる場合には、室温で放置してもよいし、30〜100℃程度で加熱乾燥してもよい。乾燥時間は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする被膜の膜厚などに応じて適宜選択される。紫外線照射によって硬化被膜を形成した後、硬化被膜をより強固なものとするために、さらに加熱処理を施してもよい。加熱温度と時間は適宜選択されるが、通常50〜120℃で30分〜24時間程度である。
【0031】
形成された硬化被膜は、膜厚が通常0.01〜20μmであり、より好ましくは0.01〜10μm である。膜厚が0.01μm に満たないと、硬化被膜としての特性を示しにくく、20μm より大きいと、密着性が低下したり、ひび割れ等の不良が発生する可能性があるので、好ましくない。特に反射防止膜として被膜を形成させる場合には、膜厚を0.01〜1μmの範囲とするのが好ましい。膜厚が0.01μmに満たなくても1μm を超えても、反射防止膜としての機能が低下しやすい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。また、実施例で得た基材は、以下の方法で評価した。
【0033】
(1)反射率
基材の測定面側とは反対側の面をスチールウールで粗面化し、黒色ペンキを塗って乾燥し、次いで測定面の入射角度5°における絶対鏡面反射スペクトルを紫外線可視分光光度計〔“UV-3100”、(株)島津製作所製〕を用いて測定し、反射率が最小値を示す波長とその反射率の最小値を求めた。
【0034】
(2)密着性
JIS K 5400 に規定される「碁盤目テープ法」に従って、反射防止層側の表面に設けた碁盤目100個当たりの剥離数で評価した。
【0035】
(3)耐擦傷性
ガーゼを用いて表面を手で数往復擦り、目視で表面に傷がつくか否かを評価した。
【0036】
実施例1
表面がエチルシリケートの加水分解重縮合物で被覆された粒径20〜70nmの多孔質シリカ微粒子をイソプロピルアルコール中に20%濃度で分散させたゾルを100部、3−エチル−3−〔{3−(トリエトキシシリル)プロポキシ}メチル〕オキセタン〔式(III) において、R1=エチル、R4=エトキシ、n=3、p=0の化合物〕の加水分解縮合物であるオキセタニルシルセスキオキサン〔東亞合成(株)から入手〕を80部、開始剤“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074”〔化学名:p−クミル−p−トリルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ローディアジャパン(株)から入手〕を2.4部、イソプロピルアルコールを4,320部、及び2−ブトキシエタノールを500部混合し、分散させて塗料を得た。
【0037】
この塗料に、スチレン単位を約40%含むメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂板〔日本アクリエース(株)製の“アクリエースMS”〕を浸漬し、引上速度18cm/min でディップ塗布して、室温で1分以上乾燥させた後、60℃で10分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ〔ウシオ電機(株)製の“UVC-3533”〕により約2,000mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射して、反射防止性能を有する透明基材を得た。この透明基材の評価結果を表1に示した。また、この基材の反射スペクトルを図1に示した。この基材の被膜について、反射スペクトルから屈折率を計算すると、1.42 であり、同じく反射スペクトルから計算した膜厚は97nmであった。
【0038】
実施例2
塗料の組成を次のように変えた以外は、実施例1と同様にして、反射防止性能を有する透明基材を作製した。
【0039】
実施例1で用いたのと同じ多孔質シリカ微粒子の20%ゾル 175部
実施例1で用いたのと同じオキセタニルシルセスキオキサン 65部
開始剤“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074” 1.9部
イソプロピルアルコール 4,260部
2−ブトキシエタノール 500部
【0040】
得られた透明基材の評価結果を表1に示した。また、この基材の反射スペクトルを図2に示した。この基材の被膜について、反射スペクトルから屈折率を計算すると、1.40 であり、同じく反射スペクトルから計算した膜厚は93nmであった。
【0041】
実施例3
塗料の組成を次のように変えた以外は、実施例1と同様にして、反射防止性能を有する透明基材を作製した。
【0042】
実施例1で用いたのと同じ多孔質シリカ微粒子の20%ゾル 250部
実施例1で用いたのと同じオキセタニルシルセスキオキサン 50部
開始剤“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074” 1.5部
イソプロピルアルコール 4,200部
2−ブトキシエタノール 500部
【0043】
得られた透明基材の評価結果を表1に示した。また、この基材の反射スペクトルを図3に示した。この基材の被膜について、反射スペクトルから屈折率を計算すると、1.37 であり、同じく反射スペクトルから計算した膜厚は91nmであった。
【0044】
比較例1
実施例1で用いたのと同じオキセタニルシルセスキオキサンを100部、開始剤“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074”を3部、イソプロピルアルコールを 4,400部、及び2−ブトキシエタノールを500部混合し、分散させて塗料を得た。この塗料を用いて、実施例1と同じ方法で反射防止性能を有する透明基材を作製した。この透明基材の評価結果を表1に示した。この基材の被膜について、反射スペクトルから屈折率を計算すると、1.47 であり、同じく反射スペクトルから計算した膜厚は119nmであった。
【0045】
比較例2
表面がエチルシリケートの加水分解重縮合物で被覆された粒径20〜70nmの多孔質シリカ微粒子をイソプロピルアルコール中に20%濃度で分散させたゾルを200部、ウレタンアクリレート化合物を含有するハードコート剤〔新中村化学(株)製の“NKハード M-101”〕を75部、イソプロピルアルコールを4,225部、及び2−ブトキシエタノールを500部混合し、分散させて塗料を得た。この塗料を用いて、実施例1と同じ方法で反射防止性能を有する透明基材を作製した。この透明基材の評価結果を表1に示した。この基材の被膜について、反射スペクトルから屈折率を計算すると、1.41 であり、同じく反射スペクトルから計算した膜厚は89nmであった。
【0046】
【表1】
Figure 0004085618
【0047】
【発明の効果】
本発明の硬化被膜を有する透明基材は、被膜の密着性に優れ、十分な硬度を備えている。また、その被膜は反射防止層としての機能も有するため、ディスプレイ等の保護板として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた透明基材の反射スペクトルを表す。
【図2】実施例2で得られた透明基材の反射スペクトルを表す。
【図3】実施例3で得られた透明基材の反射スペクトルを表す。

Claims (3)

  1. 基材表面に、多孔質シリカ微粒子とオキセタン化合物を含む組成物からの硬化被膜が形成されていることを特徴とする透明基材。
  2. オキセタン化合物が分子内にシリル基を有する化合物又はその加水分解縮合物である請求項1に記載の透明基材。
  3. 硬化被膜が、1.20〜1.45の屈折率及び0.01〜1μmの膜厚を有し、反射防止機能を有する被膜である請求項1又は2に記載の透明基材。
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