JP4081929B2 - 光硬化性樹脂組成物および硬化膜 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物および硬化膜 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂組成物およびその光硬化性樹脂組成物から得られた硬化膜(以下、単に硬化膜と称する場合がある。)に関する。より詳細には、下地に対する密着力に優れ、良好な防汚性を有し、しかも広範囲に屈折率等の調整が可能な光硬化性樹脂組成物およびその硬化膜に関する。
【0002】
したがって、本発明の光硬化性樹脂組成物およびその光硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜(硬化物を含む。)は、金属用塗料、スレート材等のサイジング剤、プラスチックフィルムのハードコーテイング、印刷紙のハードコーテイング、床、壁タイルの汚染防止膜、光学レンズのハードコーティング、表示素子の保護膜、反射防止膜、高反射膜、選択透過膜、繊維の被覆強化材料、光学的立体造形用樹脂、光学レンズ、半導体用封止剤、半導体用絶縁膜、半導体用接着剤、光学用接着剤、印刷板材料、光導波路材料および光スイッチング材料等の用途に好適である。
【0003】
【従来の技術】
透明硬化膜の形成材料として、熱硬化型ポリシロキサン組成物が知られており、例えば、特開昭53−12952号公報、特開昭55−25432号公報、特開昭50−28092号公報に開示されている。
しかしながら、かかる熱硬化型ポリシロキサン組成物から得られる硬化膜は、耐候性や耐擦傷性に優れている反面、高温で、長時間にわたって加熱処理をする必要があり、生産性が低かったり、あるいは適用基材の種類が限定されるという問題が見られた。また、かかる熱硬化型ポリシロキサン組成物は、常温での保管では性能が低下するため、厳格な温度管理の下、低温状態に保管する必要がある等の問題点を有していた。
【0004】
そこで、耐候性と耐擦傷性の改良を目的として、シラン化合物からなる光硬化性樹脂組成物が提案されている。例えば、特公表昭57−500247号公報においては、非重合性のアルコキシシランの加水分解物と、アクリロイル基もしくはグリシジル基を有するアルコキシシランの加水分解物と、光酸発生剤とから構成される光硬化性樹脂組成物が開示されている。また、特公表昭57−500984号公報においては、アクリロイル基もしくはグリシジル基を有するアルコキシシランの加水分解物と、コロイダルシリカと、非シリルの有機アクリレートと、光酸発生剤とから構成される光硬化性樹脂組成物が開示されている。また、特開平2−187176号公報においては、25モル%以上の有機重合性アルコキシシランと、金属アルコキシド縮合物と、光酸発生剤とから構成される光硬化性樹脂組成物が開示されている。また、米国特許5385955号においては、エポキシ基含有アルコキシシランと、アルキルアルコキシシランの加水分解物と、コロイダルシリカと、光酸発生剤とからなる光硬化性樹脂組成物が開示されている。さらに、特開昭60−186570号公報においては、防曇膜の形成を目的として、強酸性触媒を用いて合成したアルコキシシランの加水分解物と、光酸発生剤とを含有してなる光硬化性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、これらの光硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜は、下地に対する密着力が乏しく、さらには、屈折率の値を広範囲に変化させることが困難であった。また、これらの光硬化性樹脂組成物における光硬化速度は一般に乏しく、そのため光硬化速度を速めようとすると、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下しやすいという問題が見られた。
【0005】
そこで、フッ素化合物やシラン化合物等を含有する組成物や、シラン化合物を構成する分子内にフッ素原子を導入した化合物が提案されている。
例えば、特開昭61−258852号公報には、フルオロオレフィンと、ビニルエーテルと、ビニルアルコキシシランとを共重合させることにより、下地に対する接着性を改良したフッ素系重合体が開示されている。
また、特開昭62−185740号公報には、アミノ基およびカルボキシ基含有フルオロオレフィン系共重合体と、エポキシ基含有アルコキシシランと、シラノール基含有化合物とからなる組成物が開示されている。
また、特開平4−275379号公報には、ヒドロキシ基およびカルボキシ基含有フッ素系重合体と、金属アルコキシドの加水分解縮合物とからなる自動車用上塗り塗料が開示されている。
しかしながら、いずれの組成物等も使用するに当たって、高温で、長時間にわたって加熱処理をする必要があり、生産性が低かったり、あるいは適用基材の種類が限定されるという問題が見られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、特定の加水分解性シラン化合物(加水分解物および縮合物を含む。)と、フッ素含有重合体と、光酸発生剤とを組み合わせることにより、上述した問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、光硬化速度が速く、保存安定性に優れ、さらにはプラスチック等の耐熱性の低い基材にも適用できる光硬化性樹脂組成物、およびそれから得られる硬化膜であって、下地に対する優れた密着力を有し、屈折率の値を広範囲に変化させることが容易で、防汚性、耐熱性、耐候性、耐擦傷性等の特性にも優れた硬化膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(A)〜(C)成分を含有する光硬化性樹脂組成物に関する。
(A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物、その加水分解物、その縮合物、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選択される少なくとも一つのシラン化合物
(R1pSi(X)4-p (1)
[一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜3の整数である。]
(Y)(R1qSi(X)3-q (2)
[一般式(2)中、R1およびXは一般式(1)の内容と同様であり、Yはイソシアネート基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタン基またはアクリロイル基であり、qは0〜2の整数である。]
(B)フッ素含有重合体
(C)光酸発生剤
【0008】
このように光硬化性樹脂組成物を構成することにより、下地に対する密着力等を向上させることができ、また、屈折率の値を広範囲に変化させることが容易である。
また、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物を使用することにより、加水分解性シラン化合物と、フッ素含有重合体との相溶性をさらに向上させることができる。
【0009】
なお、本発明に使用する一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物および一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物は、それぞれ加水分解せずに使用することもできるし、あるいは、それぞれ予め加水分解しておくこともできる。
加水分解性シラン化合物を加水分解せずに使用した場合には、光硬化させる前に光硬化性樹脂組成物に水を添加して加水分解する必要があるが、このようにして使用すると、光硬化性樹脂組成物の保存安定性を向上させることができる。
また、予め加水分解した加水分解性シラン化合物を使用する場合には、より速い光硬化速度を得ることができる。
【0010】
また、本発明の別の態様は、上述した光硬化性樹脂組成物を光硬化してなる硬化膜である。かかる硬化膜は、下地に対する優れた密着力を保持したまま優れた防汚性を示し、幅広い範囲において屈折率の値を変化させることが容易であり、さらには、優れた硬度(耐擦傷性)、透明性、耐候性、および耐熱性等の特性を有している。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物における縮合物(A成分)、フッ素含有重合体(B成分)および光酸発生剤(C成分)を含有する光硬化性樹脂組成物である。以下、本発明の光硬化性樹脂組成物やその硬化膜における実施の形態を、構成成分や光硬化性樹脂組成物の性状等の観点から、具体的に説明する。
なお、本発明の光硬化性樹脂組成物は、後述するように、D成分として脱水剤や、E成分として無機フィラーや、F成分として、カチオン重合性モノマーを添加することも好ましい。
【0012】
(1)加水分解性シラン化合物の加水分解物における縮合物
本発明で使用する加水分解物における縮合物は、下記一般式(1)または一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物を加水分解し、縮合した化合物等である。
【0013】
(R1PSi(X)4-P (1)
[一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜3の整数である。]
【0014】
(Y)(R1qSi(X)3-q (2)
[一般式(2)中、R1およびXは一般式(1)の内容と同様であり、Yはイソシアネート基、メルカプト基、エポキシ基またはアクリロイル基であり、qは0〜2の整数である。]
【0015】
▲1▼有機基R1
一般式(1)および一般式(2)における有機基R1は、非加水分解性である1価の有機基の中から選ぶことができる。このような非加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶことができる。なお、有機基R1における非加水分解性とは、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そのまま安定に存在する性質であることを意味する。
【0016】
ここで、非重合性の有機基R1としては、アルキル基、アリ−ル基、アラルキル基等が挙げられる。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであっても良い。
また、より具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、および重水素化アルキル基もしくはハロゲン化アルキル基が挙げられる。これらのアルキル基のうち、より好ましくはメチル基である。
【0017】
また、非重合性の有機基R1における具体的なアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、および重水素化アリール基もしくはハロゲン化アリール基が挙げられる。これらのうち、より好ましくはフェニル基である。
さらに、非重合性の有機基R1における具体的なアラルキル基としては、ベンジル基およびフェニルエチル基が挙げられる。これらのうち、より好ましくはベンジル基である。
【0018】
さらに、非重合性の有機基R1は、ヘテロ原子を含む構造単位とすることも好ましい。そのような構造単位としては、エーテル結合、エステル結合、スルフィド結合等を例示することができる。また、ヘテロ原子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。
【0019】
また、重合性の有機基R1は、分子中にラジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基あるいはいずれか一方の官能基を有する有機基であることが好ましい。このような官能基を導入することにより、ラジカル重合やカチオン重合を併用して、光硬化性樹脂組成物をより有効に硬化させることができる。
【0020】
また、重合性の有機基R1におけるラジカル重合性の官能基、およびカチオン重合性の官能基のうち、より好ましいのはカチオン重合性の官能基である。光酸発生剤により、シラノール基における硬化反応のみならず、カチオン重合性の官能基における硬化反応を同時に生じさせることができるためである。
【0021】
次に、ラジカル重合性の官能基を有する有機基R1の具体例について説明する。このような有機基R1としては、不飽和炭化水素を有する有機基、(メタ)アクリロキシ基を有する有機基、スチリル基を有する有機基、ビニルエーテルを有する有機基等が挙げられる。
そして、より具体的な不飽和炭化水素基を有する有機基としてはビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基等が挙げられる。これらのうち、より好ましくはビニル基である。
また、(メタ)アクリロイル基を有する有機基の例を示すと、(メタ)アクリロキシメチル基や(メタ)アクリロキシプロピル基等が挙げられる。
また、スチリル基を有する有機基の例を示すと、スチリル基、スチリルエチル基、スチリルプロピル基等が挙げられる。
さらに、ビニルオキシ基を有する有機基の例を示すと、ビニロキシエチル基、ビニロキシプロピル基、ビニロキシブチル基、ビニロキシオクチル基、ビニロキシシクロヘキシル基、ビニロキシフェニル基等を挙げることができる。なお、ビニルオキシ基を有する有機基は、後述するカチオン重合性の官能基を有する有機基としての機能も有している。
【0022】
また、カチオン重合性の官能基を有する有機基R1としては、環状エーテル構造を有する有機基、ビニルオキシ基を有する有機基等が挙げられる。
そして、より好ましくは、環状エーテル構造を有する有機基である。かかる環状エーテル基としては、直鎖や環状構造を有する3〜6員環の環状エーテル構造、より具体的にはグリシジル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラン構造を含む基、及びピラン構造を含む基を挙げることができる。また、これらの環状エーテル基のうち、より好ましいものはグリシジル基、オキセタニル基等の4員環以下の環状エーテル構造である。
【0023】
また、環状エーテル構造を有する有機基の具体例を示すと、グリシジルプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、メチルオキセタニルメトキシプロピル基、エチルオキセタニルメトキシプロピル基等を挙げることができる。
【0024】
▲2▼加水分解性基X
次に、一般式(1)および一般式(2)における加水分解性基Xについて説明する。Xで表される加水分解性基は、通常、無触媒、過剰の水の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合物を形成することができる基を指す。
また、加水分解性基Xに関する一般式(1)中の添え字pは、0〜3の整数であるが、より好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましくは1であり、同様に、一般式(2)中の添え字qは、0〜2の整数であるが、より好ましくは0〜1の整数であり、特に好ましくは1である。
【0025】
ただし、一般式(1)および一般式(2)で表わされる加水分解性シラン化合物の加水分解物における縮合物中に、一部未加水分解の加水分解性基が残っていても良く、その場合、加水分解性シラン化合物と縮合物等との混合物となる。
【0026】
さらに、加水分解性シラン化合物は、光硬化性樹脂組成物を配合する時点で加水分解されている必要は必ずしもなく、光照射する段階で、少なくとも一部の加水分解性基が加水分解されていれば良い。すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成物において、加水分解性シラン化合物を予め加水分解せずに使用した場合には、事前に水を添加して、加水分解性基を加水分解させシラノール基を生成することにより、光硬化性樹脂組成物を光硬化させることができる。
【0027】
そして、本発明において加水分解性基Xとして、水素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子およびアミノ基等が挙げられる。
ここで、好ましい炭素数1〜12のアルコキシ基の具体例を挙げると、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシベンジロキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシエトキシ基、2−(メタ)アクリロキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロキシブトキシ基、あるいは、グリシジロキシ基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシ基等のエポキシ基含有アルコキシ基、メチルオキセタニルメトキシ基、エチルオキセタニルメトキシ基等のオキセタニル基含有アルコキシ基、オキサシクロヘキシロキシ等の6員環エーテル基を有するアルコキシ基等を挙げることができる。
【0028】
また、好ましいハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
ただし、このように加水分解性基としてハロゲン原子を含む加水分解性シラン化合物を用いる場合、光硬化性樹脂組成物の保存安定性を低下させないように注意を払う必要がある。すなわち、加水分解により生成するハロゲン化水素の量にもよるが、かかるハロゲン化水素を、中和、蒸留等の操作により除去して、光硬化性樹脂組成物の保存安定性に影響を及ぼさないようにすることが好ましい。
【0029】
また、好ましいアミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。
ただし、このように加水分解性基としてアミノ基を用いた場合、加水分解によりアミン類が生成する。したがって、光硬化性樹脂組成物の保存安定性に影響を及ぼさないように、光硬化性樹脂組成物を最終的に調製する前に、かかる副生アミン類を除去することが好ましい。
【0030】
▲3▼官能基Y
一般式(2)中の、官能基Yは、前述したとおりイソシアネート基、メルカプト基、エポキシ基またはアクリロイル基であるが、これらの種類を選択するにあたり、フッ素含有重合体における官能基の種類を考慮することが好ましい。すなわち、フッ素含有重合体における官能基との反応性を考慮して、官能基Yの種類を選択することが好ましい。したがって、フッ素含有重合体における官能基がヒドロキシ基の場合、加水分解性シラン化合物における官能基Yは、イソシアネート基であることが好ましい。
【0031】
▲4▼加水分解性シラン化合物の具体例1
次に、本発明に使用される一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物(単に、シラン化合物と称する場合がある。)における具体例を説明する。
【0032】
まず、一般式(1)におけるpが0であるシラン化合物としては、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等が挙げられる。
【0033】
また、同様に、一般式(1)におけるpが1であるシラン化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、重水素化メチルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0034】
また、同様に、一般式(1)におけるpが2であるシラン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等が挙げられる。
さらに、一般式(1)におけるpが3であるシラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリブチルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン等を挙げることができる。
【0035】
また、重合性の有機基R1を有するシラン化合物としては、Xにおける非加水分解性の有機基に重合性の有機基R1を含むシラン化合物、Xにおける加水分解性の有機基に重合性の有機基R1を有するシラン化合物のいずれかを用いることができる。
【0036】
また、光重合性組成物を光硬化させて得られた硬化膜において、使用するシラン化合物の種類により、屈折率の値を幅広く変化させることができる。したがって、比較的高い屈折率の値(1.50以上)を得たい場合には、上述したシラン化合物のうち、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等を使用することが好ましい。
一方、光重合性組成物を光硬化させて得られた硬化膜において、比較的低い屈折率の値(1.50未満)を得たい場合には、上述したシラン化合物のうち、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等を使用することが好ましい。
【0037】
▲5▼加水分解性シラン化合物の具体例2
一般式(2)で表わされる加水分解性シラン化合物のうち、イソシアネート基を有する加水分解性シラン化合物の具体例としては、γ−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−トリエトキシシリルイソシアネート等が挙げられる。
【0038】
また、フッ素含有重合体における官能基がエポキシ基あるいはオキセタン基の場合、加水分解性シラン化合物における官能基Yは、メルカプト基、エポキシ基またはアミノ基であることが好ましい。
このようなメルカプト基を有する加水分解性シラン化合物の具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルベンジルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0039】
また、一般式(2)で表わされる加水分解性シラン化合物のうち、エポキシ基を有する具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0040】
また、一般式(2)で表わされる加水分解性シラン化合物のうち、アミノ基を有する具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0041】
なお、上述した組み合わせのうち、フッ素含有重合体における官能基がエポキシ基であり、シラン化合物における官能基Yがメルカプト基である組合わせと、フッ素含有重合体における官能基がヒドロキシ基であり、シラン化合物における官能基Yがイソシアネート基である組合わせが、本発明において最も好ましい。
【0042】
▲6▼加水分解条件および縮合条件
次に、上述したシラン化合物を加水分解条件や縮合する条件について説明する。これらの加水分解条件等は、特に制限されるものではないが、一例として、以下に示す1)〜3)の工程で以て実施するのが好ましい。
【0043】
1)一般式(1)および一般式(2)あるいはいずれか一方の加水分解性シラン化合物と、所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容する。
2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容器内にさらに収容し、混合溶液とする。
3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度で、1〜24時間の間加熱撹拌することにより縮合する。なお、加熱撹拌中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、あるいは溶剤を置換することも好ましい。
【0044】
ここで、加水分解性シラン化合物の加水分解に用いられる水(精製水)は、逆浸透膜処理、イオン交換処理、蒸留等の方法により精製された水を使用することが好ましい。具体的には電気伝導率が1×10-2S・cm-1以下の値である水を使用することが好ましい。加水分解に用いられる水の電気伝導率が1×10-2S・cm-1を超えると、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向がある。
したがって、光硬化性樹脂組成物の保存安定性がより良好な観点から、加水分解に用いられる水の電気伝導率を1.0×10-4S・cm-1以下の値とするのがより好ましい。
【0045】
▲7▼分子量
次に、加水分解性シラン化合物の加水分解物における縮合物の分子量について説明する。かかる分子量は、移動相にテトラヒドロフランを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量として測定することができる。
そして、縮合物の重量平均分子量を、通常500〜10,000の範囲内の値とするのが好ましい。加水分解物における重量平均分子量の値が500未満の場合、塗膜の製膜性が低下する傾向があり、一方、10,000を越えると光硬化性が低下する傾向がある。したがって、より好ましくは縮合物の重量平均分子量を、1,000〜5,000の範囲内の値とすることである。
【0046】
(2)フッ素含有重合体
▲1▼種類
フッ素含有重合体の種類は、フッ素原子を分子内に有する重合体であれば特に制限されるものではないが、例えば、フルオロオレフィン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルコキシアルキルビニルエーテル類、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類等のフッ素含有単量体を重合して得られる重合体であるのが好ましい。
【0047】
このようなフッ素含有単量体におけるフルオロオレフィン類としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。
また、同様に、パーフルオロアルキルビニルエーテルまたはパーフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル類としては、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロブチルビニルエーテル、パーフルオロイソブチルビニルエーテル、パーフルオロプロポキシプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
【0048】
また、同様に、フルオロアルキルビニルエーテルまたはフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル類としては、一般式(CH2=CH−O−Rf)(式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコキシアルキル基を示す。)で表される化合物が挙げられる。
また、同様に、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレートを挙げられる。
なお、これらのフッ素含有単量体は、単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合せて使用してもよい。
【0049】
また、これらのフッ素含有単量体のうち、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのフルオロオレフィン類、フルオロアルキルビニルエーテル類、フルオロアルコキシアルキルビニルエーテル類がより好ましく、特に、ヘキサフルオロプロピレンが本発明に使用するフッ素含有単量体として好ましい。
【0050】
▲2▼共重合成分1(反応性基含有単量体)
また、フッ素含有重合体を重合するに当たり、加水分解性シリル基含有単量体、エポキシ基含有単量体、オキセタン基含有単量体、水酸基(ヒドロキシ基)含有単量体およびカルボキシル基含有単量体からなる群から選択される少なくとも一つの共重合成分1(反応性基含有単量体)を共重合することが好ましい。
このような反応性基含有単量体を共重合することにより、官能基として、加水分解性シリル基、エポキシ基、オキセタン基、水酸基およびカルボキシル基を分子内に容易に導入することができる。したがって、フッ素含有重合体と、加水分解性シラン化合物との相溶性が向上し、さらには、フッ素含有重合体を加水分解性シラン化合物と反応させることもできる。
【0051】
このような加水分解性シリル基含有単量体の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルジメチルブトトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルメチルジフェノキシシラン、ビニルジメチルフェノキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルジメチルアセトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシランなどのビニルシラン類;メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどのメタクリルシラン類;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどのアクリルシラン類等が挙げられる。
【0052】
また、好ましいエポキシ基含有単量体の具体例としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、3−グリシジロキシビニルジメトキシシラン、3−グリシジロキシビニルジエトキシシラン、クロトン酸グリシジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0053】
また、好ましいオキセタン基含有単量体としては、下記一般式(4)で表されるオキセタン化合物が挙げられる。
【0054】
【化2】
Figure 0004081929
【0055】
[一般式(4)中、置換基R2は、水素原子、アルキル基、フッ素原子、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基であり、置換基R3、R4およびR5は、それぞれ水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基であり、mおよびnは、それぞれ1〜10の整数である。]
【0056】
また、好ましい水酸基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどのヒドロキシ基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどのヒドロキシ基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
【0057】
また、好ましいカルボキシル基含有単量体としては、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸類、フマル酸ビニル、マレイン酸ビニル、コハク酸ビニル、フタル酸ビニルなどの多価カルボン酸ビニルエステル類、フマル酸メチル、マレイン酸エチルなどの多価不飽和カルボン酸モノエステル類等が挙げられる。
【0058】
なお、上述したカルボキシル基含有単量体を用いて、カルボキシル基を有するフッ素含有重合体を共重合しておき、次いで、このフッ素含有重合体におけるカルボキシル基と、ジエポキシ化合物とを反応させることにより、官能基(カルボキシル基)の一部または全部をエポキシ基に置換することも好ましい。このように構成すると、エポキシ基含有単量体を用いることなく、フッ素含有重合体中に、エポキシ基を定量的に導入することができる。
【0059】
また、上述した水酸基含有単量体を用いて、水酸基を有するフッ素含有重合体を共重合しておき、次いで、このフッ素含有重合体における水酸基と、多価カルボン酸無水物(例えば無水マレイン酸、無水トリメリット酸)とを反応させることにより、官能基(ヒドロキシ基)の一部または全部をカルボキシル基に置換することも好ましい。このように構成すると、カルボキシル基含有単量体を用いることなく、フッ素含有重合体中に、カルボキシル基を定量的に導入することができる。
【0060】
また、上述した共重合性成分(共重合成分1)の使用量についても特に制限されるものではないが、例えば、共重合成分の全体量を100モル%としたときに、共重合成分1の使用量を1〜70モル%の範囲内の値とするのが好ましい。その理由は、共重合成分1の使用量が1モル%未満となると、添加効果が乏しい傾向があり、一方、70モル%を超えると、得られたフッ素含有重合体がゲル化しやすい傾向があるためである。
したがって、添加効果とゲル化防止とのバランスがより良好な観点から、共重合成分1の使用量を3〜50モル%の範囲内の値とするのがより好ましい。
【0061】
▲3▼共重合成分2
また、フッ素含有重合体を重合するに当たり、収率をより向上させたり、フッ素含有量を容易に調節できる観点から、上述した以外の共重合成分(共重合成分2)を併用することも好ましい。
このような共重合成分としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルまたはシクロアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブテンなどのα−オレフィン類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。
なお、これらの共重合性成分は、単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を組み合せて使用してもよい。
【0062】
また、これらの共重合性成分2のうち、フッ素含有重合体の収率をより高める観点から、アルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類およびカルボン酸ビニルエステル類を使用することが好ましい。
また、フッ素含有重合体におけるフッ素含量をより高める観点から、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの低分子量単量体を使用することが好ましい。
【0063】
また、上述した共重合性成分(共重合成分2)の使用量についても特に制限されるものではないが、例えば、共重合成分の全体量を100モル%としたときに、共重合成分2の使用量を10〜70モル%の範囲内の値とするのが好ましい。その理由は、共重合成分2の使用量が10モル%未満となると、添加効果が乏しい傾向があり、一方、70モル%を超えると、相対的にフッ素含有単量体の使用量が減少し、幅広い範囲で、屈折率の値を調節することが困難となったり、あるいは有機溶媒への溶解性が低下する傾向があるためである。
したがって、添加効果と屈折率等の調節の容易性とのバランスがより良好な観点から、共重合成分2の使用量を3〜50モル%の範囲内の値とするのがより好ましい。
【0064】
▲4▼組み合わせ
フッ素含有重合体を構成する共重合性成分の組み合わせとして、以下のようなものが好ましい。なお、例示する共重合性成分の組み合わせには、後述するように、シロキサン結合を分子内に導入することができるラジカル重合開始剤を使用した組み合わせも含んでいる。
すなわち、このような組み合わせとして、フロロオレフィン/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、
フロロオレフィン/パーフロロアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、
フロロオレフィン/パーフロロアルコキシアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテルル/ポリジメチルシロキサン単位、
フロロオレフィン/パーフロロアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、
フロロオレフィン/パーフロロアルコキシアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位等が挙げられる。
【0065】
また、光硬化性樹脂組成物を、光学材料として用いる際には、より均一な塗布性および高い透明性が得られることから、上述したノニオン性反応性乳化剤を共重合させることが好ましい。
このような共重合性成分の組み合わせとして、フロロオレフィン/アルキルビニルエーテル/ヒドロキシ基あるいはエポキシ基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、
フロロオレフィン/パーフロロアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ヒドロキシ基あるいはエポキシ基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、
フロロオレフィン/パーフロロアルコキシアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ヒドロキシ基あるいはエポキシ基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、
フロロオレフィン/パーフロロアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ヒドロキシ基あるいはエポキシ基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、
フロロオレフィン/パーフロロアルコキシアルキルビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ヒドロキシ基あるいはエポキシ基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤等が挙げられる。
【0066】
▲5▼フッ素含有重合体と加水分解性シラン化合物との予備反応
本発明において、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物(以下、単に加水分解物と称する場合がある。)(A成分)と、フッ素含有重合体(B成分)とを予備反応させておくことも好ましい。
また、加水分解物とフッ素含有重合体とを予備反応させるに際して、一般式(1)または(2)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物における縮合物を添加することも、光硬化速度をきめ細かく調節することができることから好ましい。
【0067】
このような予備反応に使用する加水分解物やフッ素含有重合体としては、上述した種類のものがそれぞれ使用できるが、後述する共重合法を用いる場合には、加水分解性シリル基と、ビニル基や(メタ)アクリロイル基などの重合反応性不飽和基とを分子内に有するシラン化合物(重合性シラン化合物と称する場合がある。)の加水分解物を使用することが好ましい。
このような重合性シラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルジメチルブトトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルメチルジフェノキシシラン、ビニルジメチルフェノキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルジメチルアセトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシランなどのビニルシラン類;メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどのメタクリルシラン類;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどのアクリルシラン類などを挙げることができる。
【0068】
また、これらの重合性シラン化合物のうち、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルジメチルブトトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルメチルジフェノキシシラン、ビニルジメチルフェノキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルジメチルアセトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシランなどのビニルシラン類を使用することがより好ましく、さらには、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシランを使用することが特に好ましい。
【0069】
また、加水分解物とフッ素含有重合体とを予備反応させるにあたり、シラン変性法や共重合法を採ることが好ましい。ここで、シラン変性法は、加水分解物の有する官能基とフッ素含有重合体の有する官能基とをそれぞれ利用して反応させる方法である。一方、共重合法は、上述した重合性シラン化合物と、フッ素含有単量体とを共重合させて、得られた共重合体を必要に応じて、さらに加水分解する方法である。
【0070】
(シリル基変性法)
まず、シリル基変性法における加水分解物と、フッ素含有重合体との反応割合について説明する。かかる反応割合は、特に制限されるものではないが、例えば、フッ素含有重合体100重量部に対し、加水分解物の反応量を、1〜50重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、加水分解物の反応量が1重量部未満となると添加効果に乏しく、硬化後に添加する加水分解物との相溶性が改良されなかったり、あるいは得られた硬化膜における耐擦過傷性が改良されない傾向があるためである。一方、加水分解物の反応量が50重量部を超えると、得られた硬化膜における屈折率の値の調節が困難となり、良好な反射防止効果を発揮することができない傾向がある。
したがって、添加効果と、得られた硬化膜における屈折率の値の調節とのバランスがより良好な観点から、フッ素含有重合体100重量部に対し、加水分解物の反応量を、5〜40重量部の範囲内の値とするのがより好ましい。
【0071】
次に、加水分解物と、フッ素含有重合体との反応条件について説明する。かかる反応条件は特に制限されるものではないが、例えば、これらの反応成分を有機溶媒中に添加した後、凝固点ないし沸点の範囲内の温度、より具体的には0〜100℃の温度条件下に、撹拌しながら、30分間〜72時間にわたって反応させることが好ましい。
【0072】
また、加水分解物と、フッ素含有重合体とを反応させる際に、反応促進剤を添加することも好ましい。このように反応促進剤を使用することにより、反応時間の短縮を図ることができる。
ここに、好ましい反応促進剤としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、オクチルスズトリラウレート等の有機スズ化合物;亜鉛ジラウレート等のルイス酸;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等の第3級アミン等のルイス塩基を挙げられる。
また、反応促進剤の添加量も特に制限されるものではないが、例えば、フッ素含有共重合体100重量部に対して、反応促進剤の添加量を0.001〜1.0重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
【0073】
なお、反応性フッ素含有共重合体と、反応性シラン化合物とを反応させるにあたり、例えば、各種ミキサー、ロール、ニーダー等を使用することが好ましい。また、さらに均一に反応させることができる観点から、これらの反応成分を有機溶媒中に予め添加した後、混合することも好ましい。
【0074】
(共重合法)
共重合法における重合性シラン化合物と、フッ素含有重合体との反応割合については、特に制限されるものではないが、例えば、フッ素含有重合体100重量部に対し、重合性シラン化合物の反応量を、1〜50重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、重合性シラン化合物の反応量が1重量部未満となると添加効果に乏しく、硬化後に添加する加水分解物との相溶性が改良されなかったり、あるいは得られた硬化膜における耐擦過傷性が改良されない傾向があるためである。一方、重合性シラン化合物の反応量が50重量部を超えると、得られた硬化膜におけ屈折率の値の調節が困難となり、良好な反射防止効果を発揮することができない傾向がある。
したがって、添加効果と、得られた硬化膜における屈折率の値の調節とのバランスがより良好な観点から、フッ素含有重合体100重量部に対し、重合性シラン化合物の反応量を、5〜40重量部の範囲内の値とするのがより好ましい。
【0075】
また、重合性シラン化合物と、フッ素含有重合体との重合条件についても特に制限されるものではないが、例えば、これらの反応成分を有機溶媒に溶解させた後、撹拌機で撹拌しながら、ラジカル重合開始剤の存在下に温度50〜100℃、30分間〜72時間の条件でラジカル重合反応させることが好ましい。
また、使用する有機溶媒の種類や使用量等についても特に限定されるものではなく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等を使用することができる。
さらに、使用するラジカル重合開始剤の種類や使用量等についても特に限定されるものではなく、上述したものと同様のラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
【0076】
▲6▼フッ素含量
フッ素含有重合体中のフッ素含量は特に制限されるものではないが、例えば、3重量%以上の値、より好ましくは5〜60重量%の範囲内の値とすることである。フッ素含有重合体中のフッ素含量が3重量%未満である場合には、光に対する反射防止性が低下したり、幅広い範囲において屈折率の値を変化させることが困難となる傾向があるためである。
また、フッ素含有重合体中のフッ素含量は、重合時におけるフッ素含有単量体の使用量(含有割合)や種類を調整することにより、容易に制御することができる。
なお、フッ素含有重合体中のフッ素含量は、アリザリンコンプレクソン法を用いて測定することができる。
【0077】
▲7▼固有粘度および重量平均分子量
フッ素含有重合体における固有粘度(N,N−ジメチルアセトアミド中において、温度25℃で測定される固有粘度をいう。以下、同様である。)についても特に制限されるものではないが、例えば、0.05〜2.5dl/gの範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、フッ素含有重合体の固有粘度が0.05dl/g未満の場合には、得られる硬化膜の機械的強度が十分なものとならない傾向があるためである。一方、固有粘度が2.5dl/gを超える場合には、光硬化性樹脂組成物の塗布性が低下し、均一な厚さの薄膜を形成することが困難となる傾向があるためである。
したがって、フッ素含有重合体の機械的強度と薄膜形成性等とのバランスがより良好な観点から、フッ素含有重合体における固有粘度を0.1〜2.0dl/gの範囲内の値とするのがより好ましい。
【0078】
また、フッ素含有重合体の重量平均分子量は特に制限されるものではないが、例えば、1,000〜1,000,000の範囲内の値であることが好ましい。この理由は、フッ素含有重合体の重量平均分子量が1,000未満となると、下地に対する密着力が低下する傾向があるためである。一方、重量平均分子量が1,000,000を超えると、フッ素含有重合体と加水分解性シラン化合物との相溶性が乏しくなる傾向がある。
したがって、下地に対する密着力の向上と、加水分解性シラン化合物との相溶性とのバランスがより良好な観点から、フッ素含有重合体の重量平均分子量を3,000〜500,000の範囲内の値とするのがより好ましく、5,000〜300、000の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
なお、フッ素含有重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)装置を用いて、ポリスチレン換算分子量として、測定することができる。
【0079】
▲8▼ガラス転移温度
フッ素含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されるものではないが、例えば、−100〜120℃の範囲内の値であることが好ましい。この理由は、フッ素含有重合体のガラス転移温度が−100℃未満となると、フッ素含有重合体の凝集力が低下し、下地に対する密着力が低下する傾向があるためである。一方、ガラス転移温度が120℃を超えると、下地に対する密着力が低下する傾向にある。
したがって、フッ素含有重合体の凝集力や下地に対する密着力の向上とのバランスがより良好な観点から、フッ素含有重合体のガラス転移温度を−80〜100℃の範囲内の値とするのがより好ましく、−40〜50℃の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
なお、フッ素含有重合体のガラス転移温度は、示差熱走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素気流中、昇温速度10℃/分の条件で測定することができる。
【0080】
▲9▼フッ素含有重合体のラジカル重合
上述したフッ素含有重合体は、ラジカル重合開始剤(ラジカル発生剤)の存在下にフッ素含有単量体等をラジカル重合することにより得ることができる。このようなラジカル重合法としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液重合法等を採用することができる。また、ラジカル重合法における重合操作についても、回分式、半連続式、連続式など目的に応じて適宜選択することができる。
【0081】
ここで、好ましいラジカル重合開始剤としては、例えばアセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;パーフルオロエチルアイオダイド、パーフルオロプロピルアイオダイド、パーフルオロブチルアイオダイド、(パーフルオロブチル)エチルアイオダイド、パーフルオロヘキシルアイオダイド、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフルオロヘプチルアイオダイド、パーフルオロオクチルアイオダイド、2−(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイド、パーフルオロデシルアイオダイド、2−(パーフルオロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン、パーフルオロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフルオロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフルオロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフルオロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアイオダイド、1H,H,5H−オクタフルオロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアイオダイド、テトラフルオロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフルオロ−1,6−ジヨードヘキサンなどのヨウ素含有フッ素化合物が挙げられる。
【0082】
また、ラジカル重合開始剤として、下記一般式(5)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物を使用することも好ましい。このようなラジカル重合開始剤を使用することにより、ラジカル重合反応を生じさせるとともに、得られる含フッ素重合体中にシロキサン結合を容易に導入することができる。
【0083】
【化3】
Figure 0004081929
【0084】
[一般式(5)中、R、R、R10〜R13は炭素数1〜6のアルキル基、RおよびRは−CNまたは−COOCHであり、p、q、s、y、tは1〜6の整数であり、zは1〜20の整数である。]
【0085】
また、一般式(5)で表される化合物として、具体的に下記式(6)で表される化合物がより好ましい。
【0086】
【化4】
Figure 0004081929
【0087】
[式(6)中、yおよびzは、一般式(5)おける内容と同様である。]
【0088】
なお、上述したラジカル重合開始剤は、単独で使用することも、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、ラジカル重合速度を調節する観点から、上述したラジカル重合開始剤とともに、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムなどの無機還元剤や、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの有機還元剤を使用することも好ましい。
【0089】
(3)光酸発生剤
▲1▼光酸発生剤の定義
光硬化性樹脂組成物に使用する光酸発生剤(C成分)は、光等のエネルギー線を照射することにより、(A)成分である加水分解性シラン化合物を光硬化(架橋)可能な酸性活性物質を放出することができる化合物と定義される。
なお、光酸発生剤を分解させて、酸性活性物質を発生するするために照射する光エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を挙げることができる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が大(速く)であり、しかも照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
【0090】
▲2▼光酸発生剤の種類
次に、光酸発生剤の種類を説明する。かかる光酸発生剤としては、一般式(7)で表される構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一般式(8)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体(第2群の化合物)を挙げることができる。
【0091】
[R14 a15 b16 c17 dW]+m [MZm+n] -m (7)
[一般式(7)中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、Br、Clまたは−N≡Nであり、R14、R15、R16およびR17は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯体[MXm+n]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。]
【0092】
s−〔S(=O)2−R18t (8)
[一般式(8)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R18は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は1、添え字tは1又は2である。]
【0093】
まず、第1群の化合物であるオニウム塩は、光を受けることにより酸性活性物質を放出することができる化合物である。
ここで、一般式(7)におけるアニオン[MZm+n]の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl6 -)、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0094】
また、一般式(7)におけるアニオン[MZm+n]の代わりに、一般式[MZnOH-]で表されるアニオンを使用することも好ましい。さらに、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
【0095】
また、上述した第1群の化合物のうち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好ましくは下記一般式(9)で表されるジアリールヨードニウム塩あるいはトリアリールヨードニウム塩である。
[R19−Ar1−I+−Ar2−R20][Y-] (9)
[一般式(9)中、R19およびR20は、それぞれ1価の有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R19およびR20はの少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基を有しており、Ar1およびAr2はそれぞれ芳香族基であり、同一でも異なっていてもよく、Y-は1価の陰イオンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオンもしくは、ClO4 -、CF3−SO3 -から選ばれる陰イオンである。]
【0096】
このようなジアリールヨードニウム塩としては、具体的に、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウム トリフルオロスルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメチルスルフォネート等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0097】
なお、上述した第1群の化合物の市販品例を示すと、サンエイドSI−60、SI−80、SI−100、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−L145、SI−L150、SI−L160、SI−L110、SI−L147(以上、三新化学工業(株)製)、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DS−100、DS−101、DAM−101、DAM−102、DAM−105、DAM−201、DSM−301、NAI−100、NAI−101、NAI−105、NAI−106、SI−100、SI−101、SI−105、SI−106、PI−105、NDI−105、BENZOIN TOSYLATE、MBZ−101、MBZ−301、PYR−100、PYR−200、DNB−101、NB−101、NB−201、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−109(以上、ミドリ化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)、IBPF、IBCF(三和ケミカル(株)製)等を挙げることができる。
【0098】
次に、第2群の化合物について説明する。一般式(8)で表されるスルフォン酸誘導体の例を示すと、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホネート類を挙げることができる。
また、一般式(8)で表されるスルフォン酸誘導体の中でより好ましくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくはイミドスルホネートのうち、トリフルオロメチルスルホネート誘導体である。
【0099】
また、このようなスルホネート類の具体例を挙げると、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド メチルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド トシルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド トリフルオロメチルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド カンファースルホネート、コハク酸イミド フェニルスルホネート、コハク酸イミド トシルスルホネート、コハク酸イミド トリフルオロメチルスルホネート、コハク酸イミド カンファースルフォネート、フタル酸イミド トリフルオロスルホネート、シス−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボン酸イミド トリフルオロメチルスルホネート、ベンゾイントシラート、1,2−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピル トシラート、1,2−ジ(4−メチルメルカプトフェニル)−2−ヒドロキシプロピル トシラート、ピロガロール メチルスルホネート、ピロガロール エチルスルホネート、2,6−ジニトロフェニルメチル トシラート、オルト−ニトロフェニルメチル トシラート、パラ−ニトロフェニル トシラートを挙げることができる。
【0100】
▲3▼光酸発生剤の添加量
次に、光酸発生剤の添加量(含有割合)について説明する。かかる光酸発生剤の添加量は特に制限されるものではないが、(A)成分100重量部に対して、通常0.1〜15重量部の範囲内の値とするのが好ましい。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となると、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない傾向がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する傾向がある。
したがって、光硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスがより良好な観点から、光酸発生剤の添加量を、(A)成分100重量部に対して1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、(A)成分の重量は、完全加水分解縮合物(加水分解性基が100%加水分解してOH基となり、完全に縮合したもの)に換算したものであり、以下(A)成分の重量が問題となる場合には、同様に完全加水分解縮合物換算である。
【0101】
(4)脱水剤
▲1▼脱水剤の定義
本発明で使用される脱水剤は、化学反応により水以外の物質に変換する化合物、物理吸着または包接により、光硬化性および保存安定性に影響を与えなくする化合物と定義される。
すなわち、このような脱水剤を含有することにより、光硬化性樹脂組成物の耐候性や耐熱性を損なうことなく、保存安定性や光硬化性という相反する特性を向上させることができる。この理由としては、外部から侵入してくる水を、脱水剤が有効に吸収するために光硬化性樹脂組成物の保存安定性が向上するものと考えられる。また、光硬化反応である縮合反応においては、脱水剤が生成した水を順次に吸収するために光硬化性樹脂組成物の光硬化性が向上するものと考えられる。
【0102】
▲2▼脱水剤の種類
脱水剤の種類は特に制限されるものでないが、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセタール類(ケタール類を含む。)、およびカルボン酸無水物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。また、無機化合物として、脱水機能を有するセラミック粉体の使用も好ましい。これらの脱水剤は、優れた脱水効果を示し、少量の添加で脱水剤の機能を効率的に発揮することができる。
【0103】
また、脱水剤としてのカルボン酸エステルは、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエステル等の中から選ばれる。
ここで、好ましいカルボン酸オルトエステルとしては、オルト炭酸メチル、オルト炭酸エチル、オルト炭酸プロピル、オルト炭酸ブチル、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト蟻酸プロピル、オルト蟻酸ブチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルおよびオルトプロピオン酸エチル等が挙げられる。また、これらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優れた脱水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上させることができる観点から、オルト蟻酸エステルが、本発明における脱水剤として特に好ましい。
また、好ましいカルボン酸シリルエステルとしては、酢酸トリメチルシリル、酢酸トリブチルシリル、蟻酸トリメチルシリル、シュウ酸トリメチルシリル等が挙げられる。
【0104】
なお、カルボン酸エステルのうち、カルボン酸オルトエステルを使用することがより好ましい。カルボン酸オルトエステルは、効率的に水を吸収し、自身で加水分解することができる。また、カルボン酸オルトエステルは加水分解して生成する化合物は中性である。したがって、カルボン酸オルトエステルは、優れた脱水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上させることができる。
【0105】
また、好ましいアセタール類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のケトン類と、1価アルコールとの反応物であるジメチルアセタール、ジエチルアセタールおよびジプロピルアセタール、あるいは、エチレングリコール等の2価アルコールとケトン類とからなるアセタールおよびカルボン酸エステルのシリル化反応により製造されるケテンシリルアセタール類を挙げることができる。
【0106】
そして、これらのアセタール類のうち、アセトンジメチルアセタール、アセトンジエチルアセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、シクロヘキサノンジメチルアセタールおよびシクロヘキサノンジエチルアセタールは、特に優れた脱水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上させることができる観点から本発明における脱水剤としての使用に好ましい。
【0107】
また、好ましいカルボン酸無水物としては、例えば、蟻酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安息香酸無水物等が挙げられる。特に、無水酢酸および無水コハク酸は、脱水効果に特に優れており好ましい。
【0108】
また、好ましい脱水機能を有するセラミック粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリカアルミナ粒子、活性白土、ゼオライト等が挙げられる。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができる。
【0109】
▲3▼脱水剤の性状
脱水剤は、常温、常圧条件において、固体もしくは液体であり、光硬化性樹脂組成物中に溶解または分散して、脱水効果を発揮する化合物から選ばれる。
また、脱水剤が有機化合物から選ばれる場合、その沸点(常圧条件下)を、40〜200℃の範囲内の値とすることが好ましい。沸点がこのような範囲内の値であれば、室温(25℃)〜200℃の乾燥条件で効率的に揮発させることができる。したがって、脱水剤を除去することが容易である。
一方、脱水剤が無機化合物から選ばれる場合、光硬化性樹脂組成物の塗布性、透明性を損なわないように、均一に分散して用いられる。
【0110】
▲4▼脱水剤の添加量
脱水剤の添加量についても特に制限されるものではないが、(A)成分100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部の範囲内の値とするのが好ましい。脱水剤の添加量が0.1重量部未満となると、添加効果の発現に乏しい傾向があり、また、保存安定性や光硬化性の向上効果が低い傾向がある。一方、脱水剤の添加量が100重量部を越えると、保存安定性や光硬化性の向上効果が飽和する傾向がある。
したがって、より好ましくは、(A)成分を100重量部としたときに、脱水剤の添加量を0.5〜50重量部の範囲内の値とすることであり、さらに好ましくは、1〜10重量部の範囲内の値とすることである。
【0111】
(5)無機フィラー
本発明の光硬化性樹脂組成物は、無機フィラー(E成分)を含有することが好ましい。このように無機フィラーを含有することにより、得られる硬化膜の硬化収縮を低減することができる。また、硬化膜の機械的強度、例えば、ヤング率の値を高くして、耐擦傷性を向上させることもがきる。
【0112】
▲1▼無機フィラーの添加量
無機フィラーの添加量は、特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分100重量部に対して、10〜250重量部の範囲内の値とするのが好ましい。無機フィラーの添加量が10重量部未満となると、添加効果が軽微となる傾向があり、一方、250重量部を超えると保存安定性や塗装性、あるいは光硬化性が低下する傾向がある。
したがって、確実に添加効果が得られ、またより保存安定性が優れている観点から、無機フィラーの添加量を、(A)成分100重量部に対して、20〜200重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、30〜150重量部の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0113】
▲2▼無機フィラーの種類等
無機フィラー形状は特に制限されるものではなく、例えば、球状、板状、繊維状、不定形、中空等のいずれのものでも良い。
また、無機フィラーの種類についても特に制限されるものではなく、例えば、シリカ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、チタン酸化物、亜鉛酸化物、アルミニウム酸化物、硼素酸化物、スズ酸化物、リン酸化物、インジウムスズ酸化物、金属、金属窒化物、炭素同位体等が挙げられる。
これのうち、好ましいスズ酸化物の具体例として、アニチモンドープスズ酸化物が、好ましいインジウムスズ酸化物の具体例として、アニチモンドープインジウムスズ酸化物が、好ましい金属の具体例として、Al、Ni、Cu、Si、Sn、Au、Agが、好ましい金属窒化物の具体例として、TiC、SiC、AlC、WC、BCが、好ましい炭素同位体の具体例として、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンがそれぞれ挙げられる。
また、特に、コロイダルシリカ粒子は、硬化膜の機械的強度をより向上させたり、硬化膜の硬化収縮を低減することができることから、好適に使用することができる。
【0114】
また、無機フィラーの平均粒子径を、0.001〜20μmの範囲内の値とするのが好ましい。なお、無機フィラーを用いて透明な光硬化性樹脂組成物あるいは硬化膜を形成することを目的とする場合には、平均粒子径を0.001〜0.2μmの範囲内の値とするのが好ましく、より好ましくは0.001〜0.01μmの範囲内の値とすることである。
【0115】
また、無機フィラーの屈折率(温度25℃、Na−D線、以下、同様)と、光硬化性樹脂組成物の屈折率との差を、0.02(−)以下とするように、無機フィラーの種類を選択することが好ましい。屈折率差を、このような値とすることにより、硬化膜の透明性をより高めることができる。
【0116】
また、無機フィラーの比表面積を、0.1〜3000m2/gの範囲内の値とするのが好ましく、より好ましくは10〜1500m2/gの範囲内の値とすることである。
また、無機フィラーの形状も特に制限されるものではないが、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状もしくは不定形状の群から選ばれる少なくとも一つの形状であることが好ましい。ただし、分散性がより良好な観点から、球状のシリカ粒子を使用することがより好ましい。
【0117】
▲3▼無機フィラーの使用方法および入手
無機フィラーの使用方法は特に制限されるものではないが、例えば、乾燥状態で使用することができるし、あるいは水もしくは有機溶媒に分散した状態で使用することもできる。
【0118】
また、無機フィラーとして、微粒子状のシリカ粒子分散液であるコロイダルシリカを直接用いることもできる。そして、特に透明性を追求する目的においてはこのようなコロイダルシリカの使用が好ましい。
ここで、コロイダルシリカの分散溶媒が水の場合、その水素イオン濃度はpH値として2〜13の範囲内の値であることが好ましく、3〜7の範囲内の値であることがより好ましい。
また、コロイダルシリカの分散溶媒が有機溶媒の場合、有機溶媒としてメタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ルモノプロピルエ−テル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等を使用することができ、もしくくはこれらと相溶する有機溶媒または水との混合物として用いてもよい。好ましい分散溶剤としてはメタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、メチルエチルケトン、キシレン等である。
【0119】
▲4▼無機フィラーの分散安定化剤
また、使用する無機フィラーの凝集、沈降を抑制する目的で、分散安定化剤を併用することが好ましい。このような無機フィラーの分散安定化剤としては、加水分解性シラン化合物を使用することができる。ただし、これに限られるものではなく、例えば、アミノシラン、メルカプトシランとアクリルシラン類とのマイケル反応付加体、メルカプトシラン、ポリイソシアネート、水酸基含有有機化合物とのウレタン化物、イソシアネートシランと水酸基含有有機化合物とのウレタン化物等を挙げることができる。
【0120】
また、分散安定化剤としての加水分解性シラン化合物の添加量は特に制限されるものではないが、例えば、無機フィラー100重量部に対して、1重量部以上の値とするのが好ましい。
また、無機フィラーを分散安定化する他の方法として、塗料分野において公知のオリゴマー、高分子状の有機分散剤を配合する方法を挙げることができる。その場合、かかる有機分散剤は無機フィラー100重量部に対して通常0.1〜100重量部の範囲内で配合することが好ましい。
すなわち、これらの加水分解性シラン化合物や有機分散剤は、光硬化性樹脂組成物の特性を低下しない範囲内で添加することが好ましい。
【0121】
また、分散安定化剤の添加方法も特に制限されるものではないが、予め加水分解したものを添加することもできるし、あるいは、分散安定化剤であるシラン化合物とシリカ粒子とを混合後、さらに加水分解および縮合する方法を採ることができるが、後者の方が好ましい。
【0122】
(6)カチオン重合性モノマー
本発明の光硬化性樹脂組成物は、カチオン重合性モノマー(F成分)を含有することも好ましい。このようにカチオン重合性モノマーを含有することにより、硬化膜の硬度や比重、あるいは光硬化性を容易に調整することができる。得られる硬化膜の硬化収縮を低減することができる。また、硬化膜の機械的強度、例えば、ヤング率の値を高くして、耐擦傷性を向上させることもがきる。
【0123】
▲1▼カチオン重合性モノマーの種類
カチオン重合性モノマーは、光酸発生剤の存在下で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こす有機化合物と定義される。したがって、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合部とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエステル化合物、エチレン性不飽和化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル化合物、ビニル化合物等を挙げることができる。これらのカチオン重合性モノマーは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0124】
また、カチオン重合性モノマーにおけるエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシルレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等を例示することができる。
【0125】
また、エポキシ化合物以外のカチオン重合性モノマーとしては、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル−3−メチルオキシ)ブタン等のオキセタン類;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン類;トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセタール類;β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン類;エチレンスルフィド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロロヒドリン等のチイラン類;3,3−ジメチルチエタン等のチエタン類;エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル類;エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるスピロオルソエステル類;ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物類;上記の各化合物の誘導体等を例示することができる。
【0126】
また、上述したカチオン重合性モノマーのうち、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
【0127】
また、特に好ましいカチオン重合性モノマーは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等、1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物である。カチオン重合性モノマーの全体量を100重量%としたときに、これらのエポキシ化合物を50重量%以上の割合で含むことにより、光硬化速度がより速くなり、硬化時間の短縮化を図ることができる。
【0128】
▲2▼カチオン重合性モノマーの添加量
カチオン重合性モノマーの添加量(配合量)についても特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲内の値とするのが好ましい。カチオン重合性モノマーの添加量が0.1重量部未満となると、添加効果が発現しない傾向があり、一方、50重量部を超えると、得られる硬化膜の耐候性が低下する傾向がある。したがって、カチオン重合性モノマーの添加量を、(A)成分100重量部に対して1〜40重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、2〜30重量部の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0129】
(7)添加剤
本発明の光硬化性樹脂組成物において、さらに必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。
このような添加剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリスルフィド系ポリマー等の有機樹脂(ポリマーあるいはオリゴマー)、もしくはこれらの有機樹脂が加水分解性シリル基で置換された化合物が挙げられる。
また、その他の好ましい添加剤として、フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;帯電防止剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料等を挙げることもできる。
【0130】
(8)製造方法
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上述した加水分解性シラン化合物やフッ素含有重合体等を、常法にしたがって混合撹拌することにより、製造することができる。ただし、高粘度の光硬化性樹脂組成物の製造においては、例えば、プロペラミキサー、プラネタリーミキサー、Vブレンダ、三本ロール、ハイシェアミキサー等の混合機を使用することが好ましい。
【0131】
(9)光硬化性樹脂組成物
▲1▼性状
光硬化性樹脂組成物の粘度を、1〜10000cps(25℃)の範囲内の値とするのが好ましい。粘度がこれらの範囲を超えると、均一な塗膜を形成することが困難となる傾向がある。なお、光硬化性樹脂組成物の粘度は、有機溶媒や反応性希釈剤の種類、あるいは有機溶媒等の配合量を変更することにより、適宜調製することができる。このような有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等の1種単独あるいは2種以上の組合わせを挙げることができる。
【0132】
▲2▼コーティング方法
光硬化性樹脂組成物を使用する場合、まず、基材(適用部材)にコーテイングする方法が一般に採られる。
ここで、光硬化性樹脂組成物のコーテイング方法としては、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェット法等の方法を用いることができる。
また、各種コーテイング方法に適したレオロジー特性に調製するため、必要に応じて、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラー、有機溶媒、界面活性剤等を配合することも好ましい。
【0133】
▲3▼光照射
光硬化性樹脂組成物に光を照射する手段としては、特に制限されるものではなく、種々の手段を採用することができる。
例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の光源を用いて、塗膜全面に光照射することができる。また、レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等を用いて得られた収束光等を走査させながら光硬化性樹脂組成物に照射することもできる。
さらに、所定のパターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に照射したり、あるいは、多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を組成物に照射することもできる。
【0134】
また、光硬化させて得られた硬化膜は必要に応じて、さらに加熱することができる。その場合、通常、室温から基材もしくは塗膜の分解開始温度以下で、5分〜72時間、加熱するのが好ましい。このように光硬化後に加熱することにより、より耐熱性や耐候性に優れた硬化膜を得ることができる。
【0135】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。また、以下の説明中、各成分の配合量は特に記載のない限り重量部を意味している。
なお、実施例の説明に先立ち、実施例で使用するフッ素含有共重合体の重合例1〜6やフッ素含有共重合体の変性例1〜2あるいは加水分解性シラン化合物の縮合例1〜8についても説明する。
【0136】
[重合例1]
内容積1.0リットルの電磁撹拌機を備えたステンレス製のオートクレーブを窒素ガスを用いて十分に置換した。次いで、このオートクレーブ内に、酢酸エチル(重合溶剤)300gと、エチルビニルエーテル24.0gと、ヒドロキシブチルビニルエーテル25.8gと、ノニオン性反応性乳化剤NE−30(旭電化工業(株)製)10.0gと、ラジカル発生剤としてアゾ基含有ポリジメチルシロキサンVPS−1001(和光純薬工業(株)製)1.0gと、過酸化ラウロイル0.5gとを収容した。そして、共重合成分等を十分に撹拌した後、ドライアイスおよびメタノールを用いて−50℃まで冷却し、再度窒素ガスを用いて系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(ガス)99.9gをオートクレーブ内に導入した後、オートクレーブ内の温度を70℃に昇温した。なお、70℃に達した時点での、オートクレーブ内の圧力は5.9kgf/cm2であった。
【0137】
次いで、オートクレーブ内の共重合成分等を撹拌しながら、温度を70℃に保持したまま20時間かけてラジカル重合反応を行った。そして、オートクレーブ内の圧力が2.5kgf/cm2まで低下した時点で、オートクレーブを水冷して反応を停止させた。オートクレーブ内の温度が室温まで降下したのを確認した後、オートクレーブを開放し、未反応モノマーを系外に放出させるとともに、フッ素含有共重合体溶液(ポリマー溶液)を取り出した。
得られたフッ素含有共重合体溶液を、多量のメタノールに投入し、フッ素含有共重合体を析出させた。その後、多量のメタノールを用いてフッ素含有共重合体を洗浄し、さらに温度50℃の真空乾燥を行い、水酸基を有するフッ素含有重合体の精製物(以下、共重合体1と称する。)を得た。得られた共重合体1について、以下のような評価項目をそれぞれ5回測定し平均した。評価結果を表1に示す。
【0138】
(1)数平均分子量の測定
得られたフッ素含有共重合体を、濃度0.5重量%となるようにTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させた。次いで、GPC装置HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて、フッ素含有共重合体のGPCカラムからの溶出時間を屈折率計(RI)で検出し、得られた溶出時間から、ポリスチレン換算分子量として、フッ素含有共重合体の数平均分子量を算出した。その結果、得られたフッ素含有共重合体の数平均分子量は、42,000であった。
【0139】
(2)フッ素含量の測定
得られたフッ素含有共重合体のフッ素含量を、アリザリンコンプレクソン法に準拠して測定した。その結果、得られたフッ素含有共重合体のフッ素含量は、46.1重量%であった。
【0140】
(3)ガラス転移温度の測定
得られたフッ素含有共重合体のガラス転移温度を、DSC装置910(デュポン社製)を用いて、昇温速度10℃/分、窒素気流使用の条件で測定した。その結果、得られたフッ素含有共重合体のガラス転移温度は、21℃であった。
【0141】
[重合例2〜5]
表1に示す配合に従って反応溶液の組成(単量体の種類および使用量)を変更したこと以外は、重合例1と同様にしてフッ素含有共重合体(以下、共重合体2〜5)をそれぞれ得た。得られた共重合体2〜5について、重合例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0142】
[重合例6]
冷却管、撹拌装置、温度計および三方コックが取り付けられた内容積1.0リットルのガラス製セパラブルフラスコ内を窒素ガスで十分に置換した後、このセパラブルフラスコ内に、酢酸エチル(溶剤)300gと、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート110.9gと、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン22.2gと、ノニオン性反応性乳化剤NE−30(旭電化工業(株)製)10.0gと、ラジカル発生剤としてアゾ基含有ポリジメチルシロキサンVPS−1001(和光純薬工業(株)製)1.0gと、過酸化ラウロイル0.5gとを収容した。この反応系を窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら、温度50℃、4時間の条件で重合した。次いで、得られたフッ素含有共重合体溶液を、多量のメタノール中に投入し、フッ素含有共重合体を析出させた。その後、多量のメタノールを用いて、フッ素含有共重合体を洗浄し、さらに温度50℃の真空乾燥を行い、フッ素含有重合体の精製物(以下、共重合体6と称する。)を得た。得られた共重合体6について、重合例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0143】
【表1】
Figure 0004081929
【0144】
[変性例1]
重合例1で得られた水酸基を有するフッ素含有共重合体である共重合体1 100gと、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン20gと、メチルイソブチルケトン500gと、ジブチルスズジラウレート0.01gとを撹拌機付きの反応容器内に収容した。次いで、撹拌しながら、窒素ガス雰囲気下、温度20℃、12時間の条件で、共重合体1とγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランとを反応させた。
【0145】
次いで、得られた反応液の一部を取り出し、これに所定量のジブチルアミンを添加して、反応液中の未反応のγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランと反応させた。そして、反応しなかったジブチルアミン量を、0.1Nの塩酸を用いて滴定し、未反応のγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン量を求めた。その結果、反応液中において、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランは完全に消費されており、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランと共重合体1とが十分に反応していることが確認された。
また、反応溶液の一部をNaCl板上に塗布し、窒素雰囲気下で乾燥することにより塗膜を形成した。この塗膜について赤外線スペクトルを測定したところ、イソシアネート基に由来したピークは観察されず、一方で、イソシアネート基が反応した生成したウレタン基に由来する新たなピークが観察された。
したがって、以上の滴定および赤外線スペクトルの結果から、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランと共重合体1との反応は完結し、シラン変性されたフッ素含有共重合体が得られたことが確認された。
【0146】
さらに、このようにしてシラン変性されたフッ素含有共重合体を含むことが確認された反応液の一部を取り出し、これを多量のメタノール中に投入し、シラン変性されたフッ素含有共重合体を析出させた。その後、多量のメタノールを用いて、シラン変性されたフッ素含有共重合体を洗浄し、さらに温度50℃の真空乾燥を行い、シラン変性されたフッ素含有重合体の精製物(以下、共重合体1−aと称する。)を得た。
【0147】
[変性例2]
重合例2で得られたエポキシ基を有するフッ素含有共重合体である共重合体2100gと、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン25gと、メチルイソブチルケトン500gと、トリエチルアミン0.1gとを撹拌機付きの反応容器内に収容した。次いで、撹拌しながら、窒素ガス雰囲気下、温度20℃、12時間の条件で、共重合体2と、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランとを反応させた。
得られた反応液の一部を取り出し、これを多量のメタノール中に投入し、シラン変性されたフッ素含有共重合体を析出させた。その後、多量のメタノールを用いて、シラン変性されたフッ素含有共重合体を洗浄し、さらに温度50℃の真空乾燥を行い、シラン変性されたフッ素含有重合体の精製物(以下、共重合体2−aと称する。)を得た。
なお、変性例2においても、変性例1と同様に、滴定および赤外線スペクトルを測定し、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランと共重合体2との反応が完結し、シラン変性されたフッ素含有共重合体が得られたことが別途確認された。
【0148】
[縮合例1]
撹拌機付き容器内に、メチルトリメトキシシラン(MTMS)80gと、電気電導率が8×10-5s・cm-1のイオン交換水16gとを収容した後、温度60℃、6時間の条件で加熱撹拌することにより、MTMSの加水分解を行った。
次いで、メチルイソブチルケトンを滴下しながら、加水分解により副生したメタノールを蒸留除去し、最終的に固形分濃度が22重量%のMTMS縮合物溶液(縮合体1)を得た。
【0149】
[縮合例2]
撹拌機付き容器内に、メチルイソブチルケトン30gと、共重合体4 30gとを収容した後、均一になるまで撹拌し、固形分濃度が50重量%の溶液とした。これに、メチルトリメトキシシラン(MTMS)140gと、電気電導率が8×10-5s・cm-1のイオン交換水28gとを加えた後、温度60℃、6時間の条件で加熱撹拌することにより、共重合体4とMTMSの共縮合物を得た。
次いで、メチルイソブチルケトンを滴下しながら、加水分解により副生したメタノールを蒸留除去し、最終的に固形分濃度が22重量%の共縮合物溶液(縮合体2)を得た。
【0150】
[縮合例3〜8]
表2に示す配合にしたがって、縮合例1と同様に共縮合し、最終的に固形分濃度が22重量%である共縮合物のメチルイソブチルケトン溶液(縮合体3〜8)を得た。
【0151】
【表2】
Figure 0004081929
【0152】
[実施例1]
(光硬化性樹脂組成物の調整)
重合例1で得られた水酸基を有する共重合体1を、メチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解させて、固形分濃度が22重量%の共重合体溶液とした。この共重合体溶液30gと、縮合例1で得られた固形分濃度が22重量%のMTMS縮合物溶液(縮合体1)70gと、光酸発生剤として、芳香族スルホニウム塩であるサンエイドSI―100(三新化学(株)製)0.66gとを撹拌機付きの容器内に収容後、均一に混合撹拌して光硬化性樹脂組成物を得た。
【0153】
(光硬化性樹脂組成物の評価)
(1)製膜性
得られた光硬化性樹脂組成物を大気条件下、バーコータを用いて、石英板上に厚さが3μmとなるように塗膜を形成した。次いで、光硬化性樹脂組成物の製膜性を、以下の基準に依って目視にて評価した。結果を表3に示す。
○:均一な厚さの塗膜が得られ、はじきも観察されない。
△:塗膜の厚さは不均一であるが、はじきは観察されない。。
×:はじきが観察され、均一な塗膜が得られない。
【0154】
(2)光硬化性
得られた光硬化性樹脂組成物を大気条件下、バーコータを用いて、石英板上に厚さが3μmとなるように塗膜を形成した。
形成した塗膜に対して、大気下、温度25℃で、それぞれ露光量が100mJ/cm2(照射時間1秒)、200mJ/cm2(照射時間2秒)、および300mJ/cm2(照射時間3秒)となるように、オーク製作所(株)製のコンベア式高圧水銀ランプ(2kW)を用いて紫外線を照射し、硬化膜を形成した。
得られた硬化膜につき、指触で表面タックを測定し、以下の基準で光硬化性を評価した。結果を表3に示す。
○:200mJ/cm2露光後、硬化膜に表面タックがない。
△:300mJ/cm2露光後、硬化膜に表面タックがない。
×:300mJ/cm2露光後、硬化膜に表面タックがある。
【0155】
(3)透明性
光硬化性樹脂組成物を石英板上に回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ10μmの硬化膜を形成した。次いで、分光光度計を用いて、波長550nmにおける光透過率(T/%)を測定し、得られた光透過率から以下の基準で透明性を評価した。結果を表3に示す。
○:光透過率が95%以上の値である。
△:光透過率が80〜95%未満の値である。
×:光透過率が80%未満の値である。
【0156】
(4)密着性
得られた光硬化性樹脂組成物をポリカーボネート板、アクリル板(ポリメチルメタクリレート)およびPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにそれぞれ回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ10μmの硬化膜を形成した。次いで、JIS K5400に準拠した碁盤目試験により、各基板への密着性を、以下の基準に基づいて評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:碁盤目100個中、全く剥がれが観察されなかった。
○:碁盤目100個中、1〜10個の剥がれが観察された。
△:碁盤目100個中、11〜20個の剥がれが観察された。
×:碁盤目100個中、20個超の剥がれが観察された。
【0157】
(5)耐擦傷性
得られた光硬化性樹脂組成物を石英板上に回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ約2μmの硬化膜を形成した。この硬化膜の表面をキムワイプ紙(十条キンバリー(株)社製)を用い、荷重1kg/cm2の条件で、50回繰り返し擦過し、硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視により、以下の基準で評価した。得られた結果を表3に示す。
○:硬化膜の剥離や傷の発生が認められない。
△:硬化膜の表面に、10本以下の筋状の傷が観察される。
×:硬化膜の表面に、10本を超える筋状の傷が観察される。
【0158】
(6)耐候性
光硬化性樹脂組成物を石英板上に回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ5μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜についてJIS D0205に準拠して(湿度50%、温度63℃、降雨18分/120分照射の条件)、サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機(スガ試験機(株)製)を用い、促進耐候試験を実施した。そして、促進耐候試験1000時間後における硬化膜の外観を目視で観察し、以下の基準で以て耐候性を評価した。また、同時に、JIS K7103に準拠した黄変度を△YI値で以て測定し、同様に耐候性を評価した。得られた結果を表3に示す。
○:外観変化(クラック等)が無く、また△YI値が2以下である。
×:外観変化(クラック等)が認められるか、△YI値が2を超えている。
【0159】
(7)マッジク拭き取り性
光硬化性樹脂組成物を石英板上に回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ約2μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜の表面を、油性マジック(ぺんてる(株)製)で1cm角に塗りつぶし、24時間静置した。その後、キムワイプ紙(十条キンバリー(株)社製)を用いて拭き取り、マッジク拭き取り性を目視により、以下の基準で評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:マジックが完全に拭き取れ、痕跡も認められない。
○:マジックは拭き取れるが、痕跡が認められる。
△:マジックは完全に拭き取れず、痕跡も認められる。
×:明らかにマジックが残る。
【0160】
(8)屈折率
光硬化性樹脂組成物をシリコンウエファー上に回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ0.12μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜につき、エリプソメーターを用いて、温度25℃における屈折率(n25)を測定した。得られた結果を表3に示す。
【0161】
(9)反射防止性
光硬化性樹脂組成物をポリカーボネート板(厚さ4mm)上に回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ0.12μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜の反射率を、直径60mmの積分球付き分光光度計U−3410型(日立製作所(株)製)を用いて測定した。得られた反射率の値から、反射防止効果を以下の基準に拠って評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:反射率が2%未満の値である。
○:反射率が2%以上〜3%未満の値である。
△:反射率が3%以上〜5%未満の値である。
×:反射率が5%以上の値である。
【0162】
(10)保存安定性
光硬化性樹脂組成物を温度40℃で1ヶ月間および3ヶ月間保管した後、目視で外観変化(粘度増加)を測定し、さらに上記(1)の光硬化性を測定して、以下の基準で保存安定性を評価した。得られた結果を表3に示す。
○:3ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察されない。
△:1ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察されない。
×:1ヶ月経過後に、外観変化あるいは光硬化性の低下が観察される。
【0163】
【表3】
Figure 0004081929
【0164】
[実施例2〜4]
共重合体2、3および5を、それぞれメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解させて、固形分濃度が22重量%の共重合体溶液とした。次いで、表3に示す配合例に従い、実施例1と同様に光硬化性樹脂組成物を得た。なお、表3中の共重合体および縮合体1の数値は、それぞれ固形分濃度が22重量%のMIBK溶液の重量(g)を示している。
次いで、得られた光硬化性樹脂組成物について、実施例1と同様に光硬化性等を評価した。得られた結果を表3に示す。表3の結果から理解されるように、いずれの光硬化性樹脂組成物も優れた光硬化性、保存安定性および製膜性を有することが確認された。また、得られた硬化膜は、屈折率として1.402〜1.418という比較的低い値を有しており、優れた反射防止性を有することが確認された。さらに、得られた硬化膜は、優れたプラスチックに対する密着性を示し、その他、優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、マッジク拭き取り性を有していることも確認された。
【0165】
[実施例5]
脱水剤として、オルト蟻酸メチルを添加した他は、実施例3と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。すなわち、撹拌機付の容器内に、共重合体3のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)30gと、縮合例1で得られた縮合体1のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)70gと、光酸発生剤として、実施例1で使用したサンエイドSI―100 0.66gと、脱水剤としてオルト蟻酸メチル3.0gとを収容後、均一に混合撹拌して光硬化性樹脂組成物を得た。得られた光硬化性樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表3に示す。
【0166】
[実施例6]
無機フィラーとして、コロイダルシリカを添加した他は、実施例3と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。すなわち、撹拌機付の容器内に、共重合体3のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)30gと、縮合例1で得られた縮合体1のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)70gと、光酸発生剤として、実施例1で使用したサンエイドSI―100 0.66gと、脱水剤としてオルト蟻酸メチル3.0gと、メタノール分散コロイダルシリカ(日産化学(株)製)35gとを収容後、均一に混合撹拌して光硬化性樹脂組成物を得た。得られた光硬化性樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0167】
[実施例7]
カチオン重合性モノマーとして、エポキシ化合物を添加した他は、実施例3と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。すなわち、撹拌機付の容器内に、共重合体3のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)30gと、縮合例1で得られた縮合体1のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)70gと、光酸発生剤として、実施例1で使用したサンエイドSI―100 0.66gと、脱水剤としてのオルト蟻酸メチル3.0gと、エポキシ化合物であるKRM2110(旭電化(株)製)10gとを収容後、均一に混合撹拌して光硬化性樹脂組成物を得た。得られた光硬化性樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表3に示す。
【0168】
[実施例8]
撹拌機付の容器内に、縮合例2で得られた縮合体2のメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度22重量%)100gと、光酸発生剤として、実施例1で使用したサンエイドSI―100 0.66gと、脱水剤としてのオルト蟻酸メチル3.0gとを収容後、均一に混合撹拌して光硬化性樹脂組成物を得た。次いで、得られた光硬化性樹脂組成物を実施例1と同様に評価した。得られた結果を表4に示す。なお、表4中の縮合体および共重合体4の数値は、それぞれ固形分濃度が22重量%のMIBK溶液の重量(g)を示している。
【0169】
【表4】
Figure 0004081929
【0170】
[実施例9〜13]
縮合体2の代わりに、縮合体3〜7を用いた他は、実施例8と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。次いで、光硬化性樹脂組成物を実施例1と同様に評価し、得られた結果を表4に示す。
【0171】
[実施例14]
無機フィラーとして、メタノール分散コロイダルシリカ(日産化学(株)製)を添加した他は、実施例8と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。光硬化性樹脂組成物を、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表4に示す。
【0172】
[実施例15]
カチオン重合性モノマーとして、エポキシ化合物であるKRM2110(旭電化(株)製)を添加した他は、実施例8と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。次いで、得られた光硬化性樹脂組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0173】
[比較例1〜3]
比較例1においては、フッ素含有共重合体(B成分)を用いず、実施例8における縮合体2の代わりに縮合体1を用いた他は、実施例8と同様に光硬化性樹脂組成物を作製した。
また、比較例2においては、光酸発生剤(C成分)を用いず、実施例8における光酸発生剤を除いた他は、実施例8と同様に組成物を作製した。
また、比較例3においては、加水分解性シラン化合物(A成分)を用いず、実施例8における縮合体2の代わりに共重合体4を用いた他は、実施例8と同様に組成物を作製した。
次いで、それぞれの光硬化性樹脂組成物等を実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0174】
【発明の効果】
本発明の光硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜によれば、屈折率として比較的低い値を有しており、優れた反射防止性を有することが確認された。さらに、得られた硬化膜は、優れたプラスチックに対する密着性を示し、その他、優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、マッジク拭き取り性を有していることも確認されたよって、本発明の硬化膜は、塗料、サイジング材、ハードコーテイング剤、汚染防止膜、保護膜、繊維の被覆強化材料、光学的立体造形用樹脂、半導体用封止剤、半導体用絶縁膜、接着剤、印刷板材料、反射防止膜、高反射膜、選択透過膜、光導波路、光スイッチング、光学レンズ等の用途に好適に使用することができる。
【0175】
また、本発明の光硬化性樹脂組成物によれば、光硬化性に優れ、短時間かつ常温で光硬化させることができるため、プラスチック等の耐熱性の低い基材に対しても適用できるようになった。さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物は保存安定性や製膜性に優れており、極めて使い勝手が良好になった。
【0176】
また、本発明の光硬化性樹脂組成物において、脱水剤を添加することにより、光硬化速度がさらに速くなるばかりか、より優れた保存安定性(例えば、温度40℃の条件に、3ヶ月間以上放置した場合でも、光硬化性が変化しない。)が得られるようになった。
【0177】
さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物において、無機フィラーを添加することにより、硬化膜の硬度や比重、あるいは反射防止性を容易に調整することができるようになった。

Claims (10)

  1. 下記(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
    (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物、その加水分解物、その縮合物、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選択される少なくとも一つのシラン化合物
    (RSi(X)4−p (1)
    [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜3の整数である。]
    (Y)(RSi(X)3−q (2)
    [一般式(2)中、RおよびXは一般式(1)の内容と同様であり、Yはイソシアネート基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタン基またはアクリロイル基であり、qは0〜2の整数である。]
    (B)フルオロオレフィン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル及びフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される1種以上の含フッ素単量体(b−1)、加水分解性シリル基、エポキシ基、オキセタン基、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択される1以上の反応性基を含有する1種以上の単量体(b−2)、アルキルビニルエーテル、シクロアルキルビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、α−オレフィン及び(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される1種以上の単量体(b−3)、下記一般式(3)で表されるノニオン性反応性乳化剤、及び下記一般式(5)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物を共重合させて得られる、加水分解性シリル基、エポキシ基、オキセタン基、水酸基及びカルボキシル基からなる群から選択される1以上の反応性基を有するフッ素含有重合体
    (C)光酸発生剤
    Figure 0004081929
    [一般式(3)中、nは1〜20の整数であり、mは1〜10の整数であり、uは1〜50の整数である。]
    Figure 0004081929
    [一般式(5)中、R 、R 、R 10 〜R 13 は炭素数1〜6のアルキル基であり、R およびR は−CNまたは−COOCH3であり、p、q、s、yおよびtは1〜6の整数であり、zは1〜20の整数である。]
  2. 前記(A)成分のシラン化合物が、前記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物の縮合物、及び前記一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物の縮合物からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分の加水分解性シラン化合物の加水分解物の縮合物の重量平均分子量が500〜10,000の範囲内の値であることを特徴とする請求項2のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. (D)成分として、カルボン酸エステル、アセタール類(ケタール類を含む。)、カルボン酸無水物及び脱水機能を有するセラミック粉体からなる群から選択される1種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(D)成分の添加量を、前記(A)成分100重量部あたり0.1〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項4に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(B)成分のフッ素含有重合体の添加量を、前記(A)成分100重量部あたり、1〜400重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(B)成分のフッ素含有重合体と、前記(A)成分とを反応させてなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. (E)成分として、無機フィラーをさらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. (F)成分として、カチオン重合性モノマーをさらに含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を光硬化してなる硬化膜。
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