JP7463963B2 - 光学部材、その製造方法、および光学部材用硬化性組成物 - Google Patents

光学部材、その製造方法、および光学部材用硬化性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材及びその製造方法、ならびに光学部材用硬化性組成物に関する。
硬化性組成物を硬化した硬化物は、インプリント法、注型成形法等によって硬化性組成物から様々な形状の硬化物を短時間で形成できる、ガラスに比べて割れにくく、軽量である、等の利点を有することから、ガラスに代わる光学部材用材料として注目されている。
光学部材用材料には、透明性が高いことが求められ、特にレンズ用材料には、色収差を低減することが求められることがあるため、アッベ数が高いことが求められることがある。
光学部材用材料として用いられる硬化性組成物には、硬化物と基材(ガラス、石英ガラス等)との密着性に優れることが求められる場合がある。また、光学部材用材料として用いられる硬化性組成物には、硬化物と、インプリント法、注型成形法等に用いたモールドとの離型性に優れることが求められる。
離型性、光学特性(透明性等)等に優れる硬化物を形成できる硬化性組成物としては、下記のものが提案されている。
(1)フッ素原子を含まないモノマーを50~98質量%、含フッ素モノマーを0.1~45質量%、及び含フッ素ポリマーを0.1超~20質量%、ならびに光重合開始剤を1~10質量%含む光硬化性組成物(特許文献1)。
(2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を主成分とし、特定の含フッ素(メタ)アクリレートに由来する単位と、特定のポリ(オキシアルキレン)鎖を有する(メタ)アクリレートに由来する単位と、特定の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートに由来する単位とを有するコポリマーを含む光硬化性組成物(特許文献2)。
国際公開第2006/114958号 日本特許第5315263号公報
しかし、(1)、(2)の光硬化性組成物を硬化した硬化物は、モールドとの離型性に優れるものの、基材(ガラス、石英等)との密着性が不充分である。
本発明は、透明性及びアッベ数が高く、硬化物と基材との密着性及び硬化物とモールドとの離型性に優れる光学部材、およびその製造方法、ならびに透明性及びアッベ数が高く、基材との密着性及びモールドとの離型性に優れる硬化物を形成できる光学部材用硬化性組成物を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位aを有する含フッ素ポリマーと、光酸発生剤とを含み、前記含フッ素ポリマーの割合が硬化性組成物の100質量%のうち11質量%以上である硬化性組成物を硬化した硬化物を含む、光学部材。
酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位aを有する含フッ素ポリマーと、光酸発生剤とを含み、前記含フッ素ポリマーの割合が光学部材用硬化性組成物の100質量%のうち11質量%以上である、光学部材用硬化性組成物。
基材と、前記基材の表面に設けられた硬化物の層とを有する光学部材を製造する方法であり、モールドと前記基材との間に、前記光学部材用硬化性組成物を挟持し、前記光学部材用硬化性組成物を硬化させて前記硬化物の層を形成し、前記硬化物の層と前記モールドとを分離する、光学部材の製造方法。
本発明の光学部材は、透明性及びアッベ数が高く、硬化物と基材との密着性及び硬化物とモールドとの離型性に優れる。
本発明の光学部材の製造方法によれば、透明性及びアッベ数が高く、硬化物と基材との密着性及び硬化物とモールドとの離型性に優れる光学部材を製造できる。
本発明の光学部材用硬化性組成物によれば、透明性及びアッベ数が高く、基材との密着性及びモールドとの離型性に優れる硬化物を形成できる。
本発明の光学部材の一例を示す模式断面図である。 本発明の光学部材の製造方法の一例を示す模式説明図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「モノマー」とは、ポリマーの構成単位となり得る化合物を意味する。モノマーとしては、エチレン性二重結合を有する化合物、エチレン性二重結合と反応し得る基(チオール基等)を有する化合物が挙げられる。
「単位」とは、モノマーに由来する原子団を意味する。単位は、モノマーの重合によって直接形成された原子団であってもよく、ポリマーを処理することによって前記原子団の一部が別の構造に変換された原子団であってもよい。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシ及びメタクリロイルオキシの総称であり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタクリルアミド酸の総称である。
「光」は、紫外線、可視光線、赤外線、電子線及び放射線の総称である。
「硬化物の厚さ1mmあたりの波長400nmの光の透過率」は、硬化物の厚さが1mm以外の場合、下式IIから求める。なお、硬化物の厚さが1mmの場合、厚さ1mmの硬化物の波長400nmの光の透過率である。
硬化物の・・・nmの光の透過率=T×(1-r) ・・・式II
ただし、Tは、硬化物の厚さ1mmあたりの波長400nmの光の内部透過率(%)であり、下式IIIから求める。r={(n-1)/(n+1)}であり、nは、硬化物の25℃における波長400nmの光に対する屈折率である。
=(T/100)1/Y×100 ・・・式III
ただし、Yは、硬化物の厚さ(mm)であり、Tは、硬化物の厚さYmmあたりの波長400nmの光の内部透過率(%)であり、下式IVから求める。
(厚さYmmの硬化物の波長400nmの光の透過率)/(1-r)・・・式IV
「厚さYmmの硬化物の波長400nmの光の透過率」は、JIS K 7361:1997(ISO 13468-1:1996)に記載された方法によって波長400nmの光を用いて25℃で測定された値である。
「硬化物のアッベ数ν」は、下式Vから求められる。
ν=(n-1)/(n-n) ・・・式V
ただし、式V中、nは、硬化物の25℃における波長589nmの光に対する屈折率であり、nは、硬化物の25℃における波長486nmの光に対する屈折率であり、nは、硬化物の25℃における波長656nmの光に対する屈折率である。
数値範囲を表す「~」は、特段の定めがない限り、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含むことを示す。また、単位を有する場合は、簡潔化のため、
下限値の単位を省略する場合がある。
図1、図2は模式図であり、寸法比は、便宜上、実際のものとは異なるものである。
<光学部材用硬化性組成物>
本発明の光学部材用硬化性組成物(以下、硬化性組成物とも記す。)は、特定の含フッ素ポリマー(以下、含フッ素ポリマーAとも記す。)と光酸発生剤とを含む。硬化性組成物は、硬化性モノマーをさらに含んでもよい。硬化性組成物は、光ラジカル重合開始剤をさらに含んでもよい。硬化性組成物は、必要に応じて他の成分を含んでもよい。
硬化性組成物の粘度は、0.1Pa・s以上が好ましく、0.2Pa・s以上がより好ましく、1.0Pa・s以上がさらに好ましい。硬化性組成物の粘度は15Pa・s以下が好ましく、12Pa・s以下がより好ましい。硬化性組成物の粘度が0.1~15Pa・sの範囲内であれば、特別な操作(例えば、硬化性組成物を高温に加熱して低粘度にする操作等)を行うことなく、硬化性組成物をモールドに容易に接触させることができる。また、硬化性組成物を基材の表面から流れ出させることなく、簡便に基材の表面に塗布できる。
特に、厚さ3mm以上の硬化物の層を形成する場合、基材から硬化性組成物が流れ出ないように粘度が高い方が望ましく、硬化性組成物の粘度は、1.0Pa・s以上が好ましく、2.0Pa・s以上がより好ましい。厚さ3mm以上の硬化物の層を形成する場合、特別な操作を行うことなく、硬化性組成物をモールドに容易に接触させることができるため、硬化性組成物の粘度は、1.0~15Pa・sの範囲が好ましい。
硬化性組成物のフッ素含有率は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。フッ素含有率が前記下限値以上であれば、硬化性組成物を硬化した硬化物とモールドとの離型性を充分に発揮できる。フッ素含有率は80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。フッ素含有率が前記上限値以下であれば、硬化性組成物を硬化した硬化物と基材との密着性の低下を充分に抑えることができる。硬化組成物のフッ素含有率は、5~80質量%の範囲が好ましい。
(含フッ素ポリマーA)
含フッ素ポリマーAは、特定の単位aを有する。含フッ素ポリマーAは、特定の単位b及び特定の単位cのいずれか一方又は両方をさらに有することが好ましい。含フッ素ポリマーAは、必要に応じて単位a、単位b及び単位c以外の単位dをさらに有していてもよい。
単位aは、酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位である。
含フッ素ポリマーAが単位aを有することによって、含フッ素ポリマーAを含む硬化物が、基材との密着性を発揮できる。
すなわち、露光によって光酸発生剤から発生した酸によって、単位aにおける酸素原子を有するカチオン重合性反応基と、基材の表面の反応性基(水酸基等)とが反応し、含フッ素ポリマーAを含む硬化物とモールド基材とが化学的に結合する。
酸素原子を有するカチオン重合性反応基としては、環状エーテル、ビニルエーテル、アリルエーテル等が挙げられ、反応性が高く、速やかに結合を形成する点から、環状エーテルが好ましい。
環状エーテルとしては、エポキシ基、オキセタン基、3,4-エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。ビニルエーテルとしては、ビニルオキシ基等が挙げられる。アリルエーテルとしては、アリルオキシ基等が挙げられる。
単位aの具体例としては、酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有するモノマーm1に由来する単位が挙げられる。
モノマーm1としては、グリシジル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。モノマーm1は、1種を単独でも2種以上を併用してもよい。
単位bは、下式Iで表されるモノマーm2に由来する単位(ただし、単位bを除く。)である。含フッ素ポリマーAが単位bを有することによって、含フッ素ポリマーAを含む硬化物が、モールドとの離型性を発揮できる。
CH=C(R)C(O)OR ・・・式I
ただし、式I中、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)であり、Rは、フッ素原子を有さない2価の連結基であり、Rは、炭素数2~6のフルオロアルキル基又は炭素数2~6のフルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Rは、Rに結合する炭素原子が少なくとも1つのフッ素原子を有する。
としては、モノマーm2の入手のしやすさの点から、アルキレン基が好ましく、炭素数1~3のアルキレン基がより好ましい。
としては、離型性の点から、炭素数2~6のペルフルオロアルキル基又は炭素数2~6のペルフルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基が好ましい。Rの炭素数は、離型性の点から、4~6が好ましく、6が特に好ましく、環境負荷を抑える点から、6以下である。Rが有するエーテル性酸素原子の数は、1であってもよく、複数であってもよい。
モノマーm2としては、下記の化合物が挙げられる。
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(CF)OCFCFCF
CH=C(CH)C(O)OCHCFOCFCFOCF
CH=C(CH)C(O)OCHCFOCFCFOCFCF
CH=C(CH)C(O)OCHCFOCFCFOCFCFOCF
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)OCHCF(CF)OCFCFCF
CH=CHC(O)OCHCFOCFCFOCF
CH=CHC(O)OCHCFOCFCFOCFCF
CH=CHC(O)OCHCFOCFCFOCFCFOCF
CH=C(Cl)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(Cl)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(Cl)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(Cl)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(Cl)C(O)O(CH(CFF等。
モノマーm2は、1種を単独でも用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単位cは、ペンダント基にエチレン性二重結合を有する構成単位である。
含フッ素ポリマーAが単位cを有することによって、含フッ素ポリマーAを含む硬化性組成物の硬化性が良くなる。
単位cは、例えば、第1の反応性基を有するモノマーm3に由来する単位c’に、第1の反応性基と反応し得る第2の反応性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーXを反応させることによって形成できる。
第1の反応性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。
第2の反応性基としては、イソシアネート基、カルボキシル基、酸クロライド基等が挙げられる。
モノマーm3としては、水酸基を有する(メタ)アクリレート、水酸基及びエチレン性二重結合を有する化合物(ただし、(メタ)アクリレートを除く。)、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基及びエチレン性二重結合を有する化合物(ただし、(メタ)アクリレートを除く。)、水酸基及びチオール基を有する化合物、カルボキシル基及びチオール基を有する化合物、アミノ基及びエチレン性二重結合を有する化合物、チオール基、アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基及びエチレン性二重結合を有する化合物としては、N-(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N-(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
カルボキシル基及びエチレン性二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、6-アクリルアミドヘキサン酸等が挙げられる。
水酸基及びチオール基を有する化合物としては、2-メルカプトエタノール、3-メルカプト-1-プロパノール、α-チオグリセロール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、6-メルカプト-1-ヘキサノール等が挙げられる。
カルボキシル基及びチオール基を有する化合物としては、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオりんご酸、3-メルカプトイソ酪酸、1-(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸、3-メルカプト安息香酸、4-メルカプト安息香酸等が挙げられる。
アミノ基及びエチレン性二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
チオール基、アミノ基及びカルボキシル基を有する化合物としては、L-システイン等が挙げられる。
モノマーm3は、1種を単独でも用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマーXとしては、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有するモノマー、酸クロライド基を有するモノマー等が挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI(商品名))、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズAOI(商品名))、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI-BEI(商品名))、メタクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI-EG(商品名))等が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
酸クロライド基を有するモノマーとしては、アクリロイルクロライド、メタクリロイルクロライド等が挙げられる。
モノマーXは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単位dは、単位a、単位b及び単位c以外の単位である。モノマーXと反応せずに残存する単位c’は、単位dに含まれる。
単位dとしては、モノマーm1及びモノマーm2以外のモノマーm4に由来する構成単位が挙げられる。
モノマーm4としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマーm4は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含フッ素ポリマーAのフッ素含有率は、22質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。フッ素含有率が前記下限値以上であれば、含フッ素ポリマーAを含む硬化物が、モールドとの離型性を充分に発揮できる。含フッ素ポリマーAのフッ素含有率は、75質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。フッ素含有率が上限値以下であれば、硬化性組成物における含フッ素ポリマーAと含フッ素ポリマーA以外の成分との相溶性がよい。含フッ素モノマーAのフッ素含有率は、22~75質量%の範囲が好ましい。
含フッ素ポリマーAの全単位中の単位bの割合は、含フッ素ポリマーAのフッ素含有率が前記範囲内となるように適宜調整する。
単位aの含有量は、単位bの100質量部に対して、10~150質量部が好ましい。単位aの含有量が10質量部以上であれば、含フッ素ポリマーAを含む硬化物が、基材との密着性を充分に発揮できる。また、含フッ素ポリマーAと含フッ素ポリマーA以外の成分との相溶性がよい。単位aの含有量は、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましい。単位aの含有量が150質量部以下であれば、他の単位による効果を損ないにくい。単位aの含有量は、120質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
含フッ素ポリマーAが単位cを含む場合、単位cの含有量は、単位bの100質量部に対して、10~200質量部が好ましい。単位cの含有量が10質量部以上であれば、含フッ素ポリマーAを含む硬化性組成物の硬化性がさらによくなる。単位cの含有量は、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、60質量部以上がさらに好ましい。単位cの含有量は、180質量部以下がより好ましく、150質量部以下がさらに好ましく、120質量部以下がさらに好ましい。
単位dの含有量は、単位bの100質量部に対して、0~30質量部が好ましく、0~20質量部がより好ましく、0~10質量部がさらに好ましい。単位dの割合が前記範囲の上限値以下であれば、他の単位による効果を損ないにくい。
含フッ素ポリマーAにおける各単位の割合は、例えば、含フッ素ポリマーAを製造する際に用いた各モノマーの質量比から求めることができる。
含フッ素ポリマーAの質量平均分子量(Mw)は、1,000~50,000が好ましい。Mwは、1,500以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましい。Mwは、40,000以下がより好ましく、30,000以下がさらに好ましい。含フッ素ポリマーAのMwが前記範囲内であれば、含フッ素ポリマーAが硬化物の表面に偏在しやすい。その結果、硬化物が、モールドとの離型性を充分に発揮できる。
含フッ素ポリマーAは、溶液重合法、バルク重合法、乳化重合法等の公知の重合法によって製造できる。重合法としては、溶液重合法が好ましい。
(光酸発生剤)
光酸発生剤は、光を照射することによって酸を発生する化合物であればよい。
光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
トリアリールスルホニウム塩又はジアリールヨードニウム塩のカチオン部分の具体例としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル-4-メチルフェニルスルホニウム、トリス(4-メチルフェニル)スルホニウム、ジフェニル-2,4,6-トリメチルフェニルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、4-イソプロピル-4’-メチルジフェニルヨードニウム、4-メチル-4’-メチルプロピルジフェニルヨードニウム、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム、4-メトキシフェニルフェニルヨードニウム等が挙げられる。
トリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩のアニオン部分の具体例としては、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスフェート、トリス(ノナフルオロイソブチル)トリフルオロホスフェート、ビス(ノナフルオロイソブチル)テトラフルオロホスフェート等が挙げられる。
スルホニルジアゾメタンの具体例としては、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
(硬化性モノマー)
硬化性モノマーは、エチレン性二重結合を1つ以上有する化合物である。
硬化性組成物が硬化性モノマーを含むことによって、硬化性組成物の硬化性が良くなる。
硬化性モノマーは、硬化性組成物を硬化した硬化物が、モールドとの離型性を充分に発揮できる点、及び硬化性モノマーと含フッ素ポリマーAとの相溶性がよくなる点から、含フッ素モノマーを含むことが好ましい。硬化性モノマーは、フッ素原子を有さない非フッ素系モノマーを含んでいてもよい。
含フッ素モノマーとしては、相溶性の点から、フルオロ(メタ)アクリレートが好ましい。フルオロ(メタ)アクリレートとしては、下記の化合物が挙げられる。
CH=CHC(O)OCH(CF
CH=C(CH)C(O)OCH(CF
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF、
CH=CHC(O)OCH(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCH(CFF、
CH=CHC(O)OCHCFCFH、
CH=CHC(O)OCH(CFCFH、
CH=C(CH)C(O)OCHCFCFH、
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCFH、
CH=CHC(O)OCHCFOCFCFOCF
CH=CHC(O)OCHCFO(CFCFO)CF
CH=C(CH)C(O)OCHCFOCFCFOCF
CH=C(CH)C(O)OCHCFO(CFCFO)CF
CH=CHC(O)OCHCF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、
CH=CHC(O)OCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、
CH=CHC(O)OCHCH(OH)CHCFCFCF(CF
CH=C(CH)C(O)OCHCH(OH)CHCFCFCF(CF
CH=CHC(O)OCHCF(OCFCFOCFCHOC(O)CH=CH(ただし、pは1~20の整数である。)、
CH=C(CH)C(O)OCHCF(OCFCFOCFCHOC(O)C(CH)=CH(ただし、pは1~20の整数である。)、
CH=CHC(O)OCH(CFCHOC(O)CH=CH
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCHOC(O)C(CH)=CH
CH=CHC(O)OCH(CFCHOC(O)CH=CH
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCHOC(O)C(CH)=CH
CH=CHC(O)OCH(CFCHOC(O)CH=CH
CH=C(CH)C(O)OCH(CFCHOC(O)C(CH)=CH
CH=CHC(O)O(CH(CF(CHOC(O)CH=CH
CH=C(CH)C(O)O(CH(CF(CHOC(O)C(CH)=CH等。
含フッ素モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非フッ素系モノマーとしては、下記の化合物が挙げられる。
2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(tert-ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシピロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、9-アントラセニル(メタ)アクリレート、フルオレセインo-(メタ)アクリレート、2-(9H-カルバゾール-9-イル)エチル(メタ)アクリレート、ジルコニウム(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールエトキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオネートジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3-ビス(3-メタクリロイロキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアリル酸、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート、ペンタリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、各種ウレタンアクリレート等。
非フッ素系モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化性モノマーのフッ素含有率は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらにより好ましい。フッ素含有率が前記下限値以上であれば、硬化性組成物を硬化した硬化物が、モールドとの離型性を充分に発揮でき、硬化性組成物における硬化性モノマーと含フッ素ポリマーAとの相溶性がよい。硬化性モノマーのフッ素含有率は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。フッ素含有率が前記上限値以下であれば、硬化性組成物における硬化性モノマーと含フッ素ポリマーA以外の成分との相溶性がよい。硬化性モノマーのフッ素含有率は、1~80質量%の範囲が好ましい。
硬化性モノマーのフッ素含有率が前記下限値以上であれば、同じくフッ素原子を有する含フッ素ポリマーAとの相溶性がよくなる。硬化性モノマーと含フッ素ポリマーAとの相溶性がよければ、硬化性組成物中の含フッ素ポリマーAの割合を増やすことができる(11質量%以上にできる)ため、基材との密着性及びモールドとの離型性がさらに優れる硬化物を形成できる。
一方、硬化性モノマーが非フッ素系モノマーのみの場合、硬化性モノマーと含フッ素ポリマーAとの相溶性が悪い。そのため、含フッ素ポリマーAの割合を増やすことができない(10質量%以下にする必要がある)。そのため、硬化性モノマーが非フッ素系モノマーのみの場合、硬化物と基材との密着性及び硬化物とモールドとの離型性ともに不充分である。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、光を吸収することによってラジカルを発生する化合物である。硬化性組成物が光ラジカル重合開始剤を含むことによって、光照射により容易に硬化物を与える。
光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキシド系、チタノセン系、オキシムエステル系、オキシフェニル酢酸エステル系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系又はチオキサントン系の光重合開始剤、ベンジル-(o-エトキシカルボニル)-α-モノオキシム、グリオキシエステル、3-ケトクマリン、2-エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。感度及び相溶性の点から、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキシド系、ベンゾイン系又はベンゾフェノン系の光重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(他の成分)
他の成分としては、界面活性剤、酸化防止剤(耐熱安定剤)、チクソトロピック剤、消泡剤、耐光安定剤、ゲル化防止剤、光増感剤、樹脂、樹脂オリゴマー、炭素化合物、金属微粒子、金属酸化物粒子、シランカップリング剤、他の有機化合物等が挙げられる。
硬化性組成物は、溶剤を含んでいてもよい。ただし、硬化性組成物を硬化する前には、溶剤を除去することが好ましい。
溶剤としては、含フッ素ポリマーA、光酸発生剤、硬化性モノマー、光ラジカル重合開始剤を溶解可能な溶剤であればいずれも用いることができる。なかでも、エステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれか1つ以上を有する溶剤が好ましい。
溶剤を用いる場合、硬化性組成物中の溶剤の含有量は、目的の粘度、塗布性、目的とする膜厚等によって適宜調整すればよい。
(硬化性組成物の各成分の割合)
含フッ素ポリマーAの割合は、硬化性組成物(溶剤を除く。)の100質量%のうち、11質量%以上である。含フッ素ポリマーAの割合が11質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは19質量%以上であれば、基材との密着性及びモールドとの離型性に優れる硬化物を形成できる。含フッ素ポリマーAの割合が99質量%以下、好ましくは94質量%以下、さらに好ましくは89質量%以下であれば、含フッ素ポリマーA以外の成分との相溶性が良く、また含フッ素ポリマーA以外の成分による効果を損ないにくい。
光酸発生剤の割合は、硬化性組成物(溶剤を除く。)の100質量%のうち、0.01~7質量%が好ましい。光酸発生剤の割合が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であれば、基材との密着性がさらに優れる硬化物を形成できる。光酸発生剤の割合が、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下であれば、硬化物に残存する光酸発生剤が少なくなり、硬化物の物性の低下が抑えられる。
硬化性モノマーの割合は、硬化性組成物(溶剤を除く。)の100質量%のうち、0~88質量%が好ましい。硬化性モノマーの割合が、好ましくは0質量%超、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上であれば、硬化性組成物の硬化性がさらによくなる。硬化性モノマーの割合が88質量%以下、より好ましくは84質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下であれば、硬化性モノマー以外の成分による効果を損ないにくい。
光ラジカル重合開始剤の割合は、硬化性組成物(溶剤を除く。)の100質量%のうち、0.01~7質量%が好ましい。光ラジカル重合開始剤の割合が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であれば、硬化性組成物の硬化性がさらによくなる。光ラジカル重合開始剤の割合が7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下であれば、硬化物に残存する光ラジカル重合開始剤が少なくなり、硬化物の物性の低下が抑えられる。
他の成分の合計の割合は、硬化性組成物(溶剤を除く。)の100質量%のうち、0~10質量%が好ましく、0~7質量%がより好ましく、0~5質量%がさらに好ましい。
以上説明した本発明の光学部材用硬化性組成物にあっては、酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位aを有する含フッ素ポリマーAを11質量%以上含み、かつ光酸発生剤を含むため、基材との密着性に優れる硬化物を形成できる。すなわち、露光によって光酸発生剤から発生した酸によって、単位aにおける酸素原子を有するカチオン重合性反応基と、基材の表面の反応性基とが反応し、含フッ素ポリマーAを含む硬化物と基材とが化学的に結合する。その結果、硬化物と基材と密着性が発揮される。
また、本発明の光学部材用硬化性組成物にあっては、フッ素原子を有する含フッ素ポリマーAを11質量%以上含むため、モールドとの離型性に優れる硬化物を形成できる。
また、本発明の光学部材用硬化性組成物にあっては、酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位aを有する含フッ素ポリマーAを含むため、含フッ素ポリマーAと含フッ素ポリマーA以外の成分との相溶性がよい。その結果、透明性が高い硬化物を形成できる。
また、本発明の光学部材用硬化性組成物にあっては、フッ素原子を有する含フッ素ポリマーAを11質量%以上含むため、アッベ数が高い硬化物を形成できる。
<光学部材>
本発明の光学部材は、本発明の光学部材用硬化性組成物を硬化した硬化物を含む。本発明の光学部材は、基材と、基材の表面に設けられた硬化物層とを有するものでもよい。
図1は、本発明の光学部材の一例を示す模式断面図である。光学部材40は、基材30と、基材30の表面に最表層として設けられた、微細パターン44を表面に有する硬化物層42とを有する。
(基材)
基材としては、無機材料製基材又は有機材料製基材が挙げられる。
無機材料としては、ガラス(強化されたガラス、結晶化ガラス、石英ガラスも含む。)、シリコンウェハ、金属(アルミニウム、ニッケル、銅等)、金属酸化物(サファイア、酸化インジウムスズ(ITO)等)、窒化珪素、窒化アルミニウム、ニオブ酸リチウム等が挙げられる。有機材料としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン樹脂、ポリフェニレンサルファイド、トリアセチルセルロース、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
基材としては、透明性、表面平坦性及び光学的等方性の点から、ガラスが好ましく、硬化物の層との密着性に優れる点から、表面処理された基材を用いてもよい。表面処理としては、UVオゾン処理、プラズマエッチング処理等が挙げられる。
(硬化物)
硬化物層は、硬化性組成物を硬化した硬化物の層である。
硬化物層は、複数の凸部及び複数の凹部のいずれか一方又は両方を有する微細パターンを表面に有してもよい。微細パターンは、後述するモールドの微細パターンに対応した反転パターンである。
凸部としては、硬化物層の表面に延在する長尺の凸条、表面に点在する突起等が挙げられる。凹部としては、硬化物層の表面に延在する長尺の溝、表面に点在する孔等が挙げられる。
凸条又は溝の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり形状等が挙げられる。凸条又は溝は、複数が平行に、又は交差することなく存在して縞状をなしていてもよい。
凸条又は溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。
突起又は孔の形状としては、三角柱、四角柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角錐、円錐、半球、多面体等が挙げられる。
凸条又は溝の幅は、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、15nm~10μmがさらに好ましい。凸条の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味する。溝の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味する。
突起又は孔の幅は、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、15nm~10μmがさらに好ましい。突起の幅とは、底面が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味し、そうでない場合、突起の底面における最大長さを意味する。孔の幅とは、開口部が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味し、そうでない場合、孔の開口部における最大長さを意味する。
凸部の高さは、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、15nm~10μmがさらに好ましい。凹部の深さは、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、15nm~10μmがさらに好ましい。
微細パターンが密集している領域において、隣接する凸部(又は凹部)間のピッチ(中心間距離)は、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、15nm~10μmがさらに好ましい。
硬化物のフッ素含有率は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。フッ素含有率が前記下限値以上であれば、モールドとの離型性を充分に発揮できる。かかるフッ素含有率は80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。フッ素含有率が前記上限値以下であれば、基材との密着性の低下を抑えることができる。硬化物のフッ素含有率は、硬化前の硬化性組成物のフッ素含有率と同じになる。硬化物のフッ素含有率は、5~80質量%の範囲が好ましい。
硬化物の厚さ1mmあたりの波長400nmの光の透過率は、88%以上が好ましく、89%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。かかる透過率が前記下限値以上であれば、硬化物の透明性がさらに優れる。
硬化物のアッベ数は、54以上が好ましく、56以上がより好ましく、58以上がさらに好ましい。アッベ数が前記範囲の下限値以上であれば、色収差が発生しにくい。アッベ数は高ければ高いほどよく、上限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると70程度である。
硬化物の波長589nmの光に対する屈折率は、1.45以上が好ましく、1.48~1.53がより好ましい。屈折率が前記範囲内であれば、ガラス等の基材と組み合せた場合であってもフレネル反射が起こりにくく、透過率の損失が少ない。
以上説明した本発明の光学部材にあっては、本発明の光学部材用硬化性組成物を硬化した硬化物を含むため、透明性及びアッベ数が高く、硬化物と基材との密着性及び硬化物とモールドとの離型性に優れる。
<光学部材の製造方法>
本発明の光学部材の製造方法は、例えば、下記の工程(a)~(c)を有する。
工程(a):図2に示すように、微細パターン12を表面に有するモールド10と基材30との間に、モールド10の微細パターン12が硬化性組成物20に接するように、硬化性組成物20を挟持する工程。
工程(b):硬化性組成物20を硬化させて硬化物層を形成する工程。
工程(c):硬化物層とモールドとを分離する工程。
(モールド)
モールドは、表面に微細パターンを有してもよい。微細パターンは、光学部材の微細パターンに対応した反転パターンである。
モールドとしては、微細パターンを表面に有するマスターモールドを用いたインプリント法によって、微細パターンの反転パターンが表面に転写された硬化物の層を有するレプリカモールドを用いてもよい。
モールドとしては、非透光材料製モールド又は透光材料製モールドが挙げられる。
非透光材料製モールドとしては、シリコンウェハ、ニッケル、銅、ステンレス、チタン、SiC、マイカ等が挙げられる。
透光材料製モールドとしては、石英ガラス等のガラス、ポリジメチルシロキサン、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、透明フッ素樹脂等が挙げられる。透光材料製モールドは、複数の材料から構成されてもよい。
基材及びモールドのうち少なくとも一方は、光酸発生剤及び光ラジカル重合開始剤が作用する波長の光を40%以上透過する材料であることが好ましい。
(工程(a))
基材の表面に硬化性組成物を配置する方法としては、インクジェット法、ポッティング法(ディスペンス法)、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、ラングミュラープロジェット法、真空蒸着法等が挙げられる。
硬化性組成物は、基材の表面の全体に配置してもよく、基材の表面の一部に配置してもよい。
モールドを硬化性組成物に押しつける際のプレス圧力(ゲージ圧)は、0超~10MPa以下が好ましく、0.1~5MPaがより好ましい。
モールドを硬化性組成物に押しつける際の温度は、0~110℃が好ましく、10~80℃がより好ましい。
工程(a)においては、アライメントマークによってモールドと基材との位置調整を行ってもよい。
(工程(b))
硬化性組成物に光を照射して硬化性組成物を硬化させる。
光を照射する方法としては、透光材料製モールドを用いてモールド側から光照射する方法、透光材料製基材を用いて基材側から光照射する方法、モールド及び基材の隙間から光照射する方法が挙げられる。光の波長は、200~500nmが好ましい。光を照射する際には、硬化性組成物を加熱して硬化を促進してもよい。
光を照射する際の温度は、0~110℃が好ましく、10~80℃がより好ましい。
(工程(c))
硬化物層とモールドとを分離する際の温度は、0~110℃が好ましく、10~80℃がより好ましい。
以上説明した本発明の光学部材の製造方法にあっては、本発明の光学部材用硬化性組成物を硬化させて硬化物を形成しているため、透明性及びアッベ数が高く、硬化物と基材との密着性及び硬化物とモールドとの離型性に優れる光学部材を製造できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によっては限定されない。なお、例1~7、13は実施例であり、例8~12は比較例である。
<物性、評価>
(ポリマーの質量平均分子量:Mw)
下記装置を用い、下記条件にて測定して求めた。
GPCシステム:HLC-8220GPC(東ソー社製)、
カラム:TSK guard Column Super MZ-L、TSK gel HZ4000、TSK gel HZ3000、TSK gel HZ2500、TSK gel HZ2000(この順に連結して使用した)、
カラムオーブン温度:40℃、
溶媒:テトラヒドロフラン、流量:0.35mL/分、標準サンプル:ポリスチレン。
(硬化性組成物の粘度)
硬化性組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置(Anton Paar社製、Physica MCR301)を用いて、10s-1の剪断速度における動的粘弾性を25℃で測定して求めた。
(剥離強度測定用の試験体の作製)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA-DCP)の100質量部に、光ラジカル重合開始剤(BASFジャパン社製、Irgacure(商品名)1173)の3質量部を添加してレプリカモールド用材料を調製した。
離型処理を施した石英ガラス基板(マスターモールドに相当)の表面にレプリカモールド用材料を塗布し、レプリカモールド用材料が塗布されていない部分に厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムをスペーサーとして設置した。硬化物との密着性を向上させるためにプライマー処理したスライドガラス基板(モールド基材に相当)をレプリカモールド用材料の表面に重ね、スライドガラス基板側の高圧水銀ランプから紫外線を露光量:1000mJ/cmで照射し、硬化物層を形成した後、石英ガラス基板を硬化物層から剥離した。硬化物層の表面をエタノールで洗浄し、乾燥させた後、125℃で15分間ベークすることで、表面が平坦な硬化物層(厚さ:100μm)付きのスライドガラス基板(レプリカモールドに相当)を得た。
レプリカモールドの硬化物層の表面に光学部材用硬化性組成物を塗布した。離型処理を施した石英ガラス基板を、厚さ50μmのPETフィルムのスペーサーを介して硬化性組成物の表面に重ね、石英ガラス基板側の高圧水銀ランプから紫外線を露光量:1000mJ/cmで照射し、硬化性組成物の硬化物を形成した後、石英ガラス基板を硬化性組成物の硬化物から剥離した。被転写材料の硬化物の表面をエタノールで洗浄し、乾燥させた後、125℃で15分間ベークすることで、レプリカモールドの硬化物層の表面に厚さ:50μmの硬化性組成物の硬化物(光学部材に相当)を有する試験体を得た。
(PosiTest試験機による剥離強度の測定)
二液混合型のエポキシ系急速硬化接着剤(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ・ジャパン社製、アラルダイト(商品名)ラピッド)を介して試験体の光学部材の表面に剥離強度測定密着子(ドリー)を接合し、接合面からはみ出した余分な接着剤を掻き取り、24時間養生して試験体の光学部材とドリーとを接着させた。接着剤が固化した後、専用カッターを用いて試験体のスライドガラス基板に到達するまでドリーに沿って光学部材及び硬化物層に刃を入れ、ドリーと光学部材の硬化物との接合面が3.14cmになるように切れ目を入れた。
ドリーを接着した試験体について、PosiTest試験機(DeFelsko社製)を用い、ASTM D4541(ISO 4624)の試験法に準拠して、試験体の光学部材と硬化物層との界面、又は硬化物層とスライドガラス基板との界面の剥離強度を測定した。PosiTest試験機のアクチュエーターに、ドリー用固定治具を介して、試験体のドリーを連結した後、ポンプで圧力をかけてドリー部分の試験体の光学部材又は硬化物層が引き剥がされるまでの剥離荷重を測定した(ドリーサイズ:20mmφ、分解能:±0.01MPa、精度:±1%、測定範囲:0~20MPa)。その後、引き剥がれ後の試験体の光学部材及び硬化物層の剥離状態を調べ、下記基準にて評価した。
良好(○):スライドガラス基板の表面に硬化物層が浮きもなく全面にわたって残存し、かつ硬化物層の表面に光学部材がまったく残存していない。
不良(×):硬化物層の表面に光学部材が一部でも残っている;スライドガラス基板の表面から硬化物層に浮きが発生した;スライドガラス基板の表面に何も残存しない;又は、スライドガラス基板が破損した。
(評価用硬化物の作製)
離型処理した石英ガラス基板の表面に光学部材用硬化性組成物を塗布した。離型処理を施していないスライドガラス基板を用意し、1mmのスペーサーを介して石英ガラス基板とスライドガラス基板との間に硬化性組成物を挟み込み、高圧水銀ランプから紫外線を露光量:3000mJ/cmで硬化性組成物に照射した。離型処理した石英ガラス基板を剥がすことによって、スライドガラス基板の表面に密着した硬化物を得た。得られた硬化物に、180℃で15分間熱処理を施し、厚さ:1mmの評価用硬化物を得た。
(硬化物の透過率)
評価用硬化物について、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所社製、Solid Spec-3700)を用いて透過率を測定した。
(硬化物の屈折率)
屈折率測定装置(米国メトリコン社製プリズムカプラ:2010/M)を用いて、温度:25℃で、評価用硬化物の波長473nm、594nm及び658nmの光に対する屈折率を測定し、装置付属のMetricon Fitを用いて波長400nm及び589nmの光に対する屈折率を算出した。
(硬化物のアッベ数)
前記屈折率測定装置付属のMetricon Fitを用いて各波長における評価用硬化物の屈折率を算出し、上式Vからアッベ数を算出した。
(耐湿熱試験)
評価用硬化物を温度:85℃、相対湿度:85%の雰囲気下で1000時間保持する試験(耐湿熱試験)に付した。試験後の硬化物とガラス基材との密着状態を調べ、下記基準にて評価した。
良好(○):ガラス基板の表面からの硬化物の剥がれ及び浮きが発生しなかった。
不良(×):ガラス基板の表面からの硬化物の剥がれ又は浮きが発生した。
<原料>
(モノマーm1)
モノマーm1-1:(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート(大阪有機化学工業社製、OXE-30)。
モノマーm1-2:3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート(ダイセル社製、サイクロマーM100)。
Figure 0007463963000001
モノマーm1-3:4-ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテルの合成。
Figure 0007463963000002
1Lの3つ口フラスコに、1,4-ブタンジオールの123.0g、エピクロロヒドリンの500.0gを仕込み、撹拌しながら150mmHgに減圧した。内温を61~65℃に保ちながら、48%水酸化ナトリウム水溶液の120gを4時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹拌した。その間、1時間ごとに留出した水層を除去し、有機層を反応液に戻して反応を続けた。室温に戻し、イオン交換水の300gを加えて30分間撹拌した後、水層を抽出した。ロータリーエバポレーターで未反応のエピクロロヒドリンを除去した後、トルエンで1回、酢酸エチルで2回抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製を行い、4-(2,3-エポキシプロポキシ)ブタノールの75.7gを得た。
500mLの3つ口フラスコに、4-(2,3-エポキシプロポキシ)ブタノールの30.0g、トリエチルアミンの31.3g、およびテトラヒドロフランの100mLを仕込み、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。メタクリル酸無水物の38.2gを5分かけて滴下した後、10℃以下で1時間撹拌し、室温に戻しさらに1晩撹拌した。ジエチルエーテルの100mLおよび飽和塩化アンモニウム水溶液の100mLを加え、30分間撹拌した。その後、有機層を抽出し、飽和食塩水、飽和重層水、飽和食塩水の順番で洗浄した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)で精製を行い、モノマーm1-3の20.3gを得た。得られたモノマーm1-3についてH-NMRで同定を行った。
H-NMR(アセトン-d6、テトラメチルシラン(TMS)、300MHz):6.05(s、1H of C(CH)=CH)、5.59(s、1H of C(CH)=CH)、4.14(t、2H of CH-O-CO)、3.68(dd、1H of O-CH-CH(O)CH)、3.50(q、2H of CH-CH-O-CH)、3.28(dd、1H of O-CH-CH(O)CH)、3.05(m、1H of CH(O)CH)、2.69(dd、1H of CH(O)CH)、2.51(dd、1H of CH(O)CH)、1.90(s、3H of C(CH)=CH)、1.70(m、4H of CH-CH-CH-CH
(モノマーm2)
モノマーm2-1:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルメタクリレート。
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF ・・・m2-1
(モノマーm3)
モノマーm3-1:2―ヒドロキシエチルメタクリレート。
CH=C(CH)C(O)O(CHOH ・・・m3-1
モノマーm3-2:α-チオグリセロール。
HSCHCH(OH)CHOH ・・・m3-2
(モノマー(X))
モノマーX-1:メタクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI-EG(商品名))。
CH=C(CH)C(O)O(CHO(CHNCO ・・・X-1
(熱重合開始剤)
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)。
(含フッ素モノマー)
モノマーF-1:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチルメタクリレート((モノマーm2-1と同じ)。
CH=C(CH)C(O)O(CH(CFF ・・・F-1
モノマーF-2:1H,1H,8H,8H-ドデカフルオロ-1,8-オクタンジオールジアクリレートの合成。
Figure 0007463963000003
1Lの3つ口フラスコに、1H,1H,8H,8H-ドデカフルオロ-1,8―オクタンジオールの90.0g、トリエチルアミンの55.3g、およびテトラヒドロフランの1200mLを仕込み、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。アクリロイルクロライドの49.5gを2時間かけて滴下した後、10℃以下で5時間撹拌し、室温に戻しさらに1晩撹拌した。テトラヒドロフランを留去した後、塩酸(1M)の300mL、および酢酸エチルの300mLを加え、30分間撹拌した。その後、有機層を抽出し、飽和食塩水、飽和重層水、飽和食塩水の順番で洗浄した。有機層から酢酸エチルを留去し、残った液体にシリカゲルカラム精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)を行い、無色透明のモノマーF-2の95.9gを得た。収率は82%であった。得られたモノマーF-2についてH-NMRで同定を行った。
H-NMR(クロロホルム-d1、テトラメチルシラン(TMS)、300MHz):6.52(d、2H of CH=CH)、6.17(dd、2H of CH=CH)、5.98(d、2H of CH=CH)、4.66(t、4H of CH)。
モノマーF-3:1H,1H,10H,10H-ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジオールジアクリレートの合成。
Figure 0007463963000004
1Lの3つ口フラスコに、1H,1H,10H,10H-ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジオールの20.0g、トリエチルアミンの9.6g、およびテトラヒドロフランの100mLを仕込み、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。アクリロイルクロライドの8.0gを30分間かけて滴下した後、10℃以下で3時間撹拌し、室温に戻しさらに1晩撹拌した。塩酸(1M)の200mL、および酢酸エチルの100mLを加え、さらに30分間撹拌した。その後、有機層を抽出し、飽和食塩水、飽和重層水、飽和食塩水の順番で洗浄した。有機層から、酢酸エチルを留去し、残った液体にシリカゲルカラム精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)を行い、無色透明のモノマーF-3の21.9gを得た。収率は89%であった。得られたモノマーF-3についてH-NMRで同定を行った。
H-NMR(クロロホルム-d1、テトラメチルシラン(TMS)、300MHz):6.51(d、2H of CH=CH)、6.16(dd、2H of CH=CH)、5.96(d、2H of CH=CH)、4.65(t、4H of CH)。
(非フッ素系モノマー)
モノマーM-1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA-DCP)。
モノマーM-2:イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製、ライトアクリレートIB-XA)。
モノマーM-3:ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA-200)。
Figure 0007463963000005
(光酸発生剤)
トリアリールスルホニウム塩系光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI―100P)。
(光ラジカル重合開始剤)
2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン(BASFジャパン社製、Irgacure(商品名)1173)。
<含フッ素ポリマーAの製造>
(製造例1)
含フッ素ポリマーA-1の製造:
還流冷却管、窒素導入管を備えた二つ口フラスコ中に、モノマーm1-1の11.2g、モノマーm2-1の28.9g、熱重合開始剤の0.48g及び2-ブタノン(MEK)の361gを仕込み、窒素置換した後、50℃に加熱し、24時間撹拌した。薄層クロマトグラフィ(TLC)によりモノマーが消費されていることを確認した後、70℃まで昇温し、30分間撹拌した。全量がおよそ100gになるまで濃縮した後、室温まで冷却し、得られた反応液をメタノールの1Lに加え、固体を析出させて回収した。さらに、得られた固体をMEKの15gに溶解し、メタノールの1Lに加え、再度固体を析出させて回収し、真空乾燥して含フッ素ポリマーA-1を得た。結果を表1及び表2に示す。
(製造例2)
含フッ素ポリマーA-2の製造:
モノマーm1-1の代わりにモノマーm1-2の15.0gを用い、モノマーm2-1の量を37.0gに変更し、熱重合開始剤の量を0.60gに変更した以外は、製造例1と同様にして、含フッ素ポリマーA-2を得た。結果を表1及び表2に示す。
(製造例3)
含フッ素ポリマーA-3の製造:
還流冷却管、窒素導入管を備えた二つ口フラスコ中に、モノマーm1-2の10.8g、モノマーm2-1の18.0g、モノマーm3-1の2.9g、モノマーm3-2の3.2g、熱重合開始剤の0.37g及びMEKの81.5gを仕込み、窒素置換した後、50℃に加熱し、24時間撹拌した。薄層クロマトグラフィ(TLC)によりモノマーが消費されていることを確認した後、70℃まで昇温し、30分間撹拌した。全量がおよそ100gになるまで濃縮した後、室温まで冷却し、得られた反応液をヘキサンの1Lに加え、粘稠体を析出させて回収した。さらに、得られた粘稠体をMEKの15gに溶解し、ヘキサンの1Lに加え、再度粘稠体を析出させて回収し、真空乾燥して含フッ素ポリマーA-3の前駆体(Mw:2,300)を得た。
還流冷却管、窒素導入管を備えた二つ口フラスコ中に、含フッ素ポリマーA-3の前駆体の28.0g、ジラウリル酸ジブチル錫(DBTDL)の4.1mg、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)の116mg、モノマーX-1の13.1g、MEKの159gを仕込み、窒素置換した後、40℃に加熱し、24時間撹拌した。FT-IRによってイソシアネート由来ピーク(2250cm-1付近)が消失していることを目安とし、モノマーX-1が消費されていることを確認した後、70℃まで昇温し、30分間撹拌した。全量がおよそ100gになるまで濃縮した後、室温まで冷却し、得られた反応液をヘキサン1Lに加え、粘稠体を析出させて回収した。さらに、得られた粘稠体をMEKの15gに溶解し、ヘキサンの1Lに加え、再度粘稠体を析出させて回収し、真空乾燥して含フッ素ポリマーA-3を得た。結果を表1及び表2に示す。
(製造例4)
含フッ素ポリマーA-4の製造:
モノマーm-1の量を8.0gに変更し、モノマーm2-1の量を32.0gに変更し、かつ熱重合開始剤の量を0.29gに変更した以外は、製造例1と同様にして、含フッ素ポリマーA-4を得た。結果を表1及び表2に示す。
(製造例5)
含フッ素ポリマーA-5の製造:
モノマーm1-2の量を10.4gに変更し、モノマーm2-1の量を21.5gに変更し、モノマーm3-1の量を4.0gに変更し、モノマーm3-2の量を5.9gに変更し、かつ熱重合開始剤の量を0.47gに変更した以外は、製造例3と同様にして、含フッ素ポリマーA-5の前駆体(Mw:3,300)を得た。
含フッ素ポリマーA-3の前駆体の代わりに含フッ素ポリマーA-5の前駆体の32.0gを用い、DBTDLの量を5.4mgに変更し、BHTの量を150mgに変更し、モノマーX-1の量を16.9gに変更した以外は、製造例3と同様にして、含フッ素ポリマーA-5を得た。結果を表1及び表2に示す。
(製造例6)
含フッ素ポリマーA-6の製造:
モノマーm1-1をモノマーm1-3の27.0gに変更し、モノマーm2-1の量を21.0gに変更し、かつ熱重合開始剤の量を0.43gに変更した以外は、製造例1と同様にして、含フッ素ポリマーA-6を得た。結果を表1及び表2に示す。
(製造例7)
含フッ素ポリマーA-7の製造:
モノマーm1-2を使用せず、モノマーm2-1の量を19.0gに変更し、モノマーm3-1の量を5.7gに変更し、モノマーm3-2の量を2.7gに変更し、かつ熱重合開始剤の量を0.28gに変更した以外は、製造例3と同様にして、含フッ素ポリマーA-7の前駆体(Mw:3,400)を得た。
含フッ素ポリマーA-3の前駆体の代わりに含フッ素ポリマーA-7の前駆体の22.0gを用い、DBTDLの量を4.7mgに変更し、BHTの量を132mgに変更し、モノマーX-1の量を15.0gに変更した以外は、製造例3と同様にして、含フッ素ポリマーA-7を得た。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0007463963000006
Figure 0007463963000007
(例1~13)
表3に記載の各成分を、表3に記載の配合組成にしたがって配合し、ミックスローターで撹拌、混合することで均一で透明な硬化性組成物を得た。評価結果を表4に示す。
Figure 0007463963000008
Figure 0007463963000009
例1~7、13の硬化物は、その硬化用組成物が含フッ素ポリマーAを11質量%以上含むため、ガラス基材との密着性が高く、またレプリカモールドとの離型性にも優れていた。一方、例8、9の硬化物は、その硬化用組成物が含フッ素ポリマーAの含有量が10質量%以下であるため、ガラス基材との密着性に劣り、耐湿熱試験後に剥がれが発生した。
例10の硬化物は、その硬化用組成物のフッ素含有率が3.4質量%であるため、レプリカモールドとの離型性に劣り、剥離強度の測定の際にモールド基材が割れた。また、その硬化用組成物の含フッ素ポリマーAの含有量が10質量%以下であるため、耐湿熱試験後に剥がれが発生した。
例11、12の硬化物は、含フッ素ポリマーAの代わりに、酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有さない含フッ素ポリマーを用いたため、ガラス基材との密着性に劣り、耐湿熱試験後に剥がれが発生した。
本発明の光学部材は、光学素子(マイクロレンズアレイ、光導波路素子、光スイッチング素子(グリッド偏光素子、波長板等)、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶)、ディスプレイ用光学部材(反射防止部材、指紋付着抑止部材等)等として有用である。
なお、2018年8月8日に出願された日本特許出願2018-149650号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
10:モールド、12:微細パターン、20:硬化性組成物、30:基材、40:光学部材、42:硬化物層、44:微細パターン。

Claims (12)

  1. 酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位a及び下式Iで表されるモノマーに由来する単位b(ただし、前記単位aを除く。)を有する含フッ素ポリマーと、光酸発生剤と、光ラジカル重合開始剤とを含み、前記含フッ素ポリマーの割合が硬化性組成物の100質量%のうち11質量%以上である硬化性組成物を硬化した硬化物を含み、前記酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位aが、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、および3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来
    前記含フッ素ポリマーはペンダント基にエチレン性二重結合を有する単位cをさらに有する、又は前記硬化性組成物は硬化性モノマーをさらに含む、光学部材。
    CH=C(R)C(O)OR ・・・式I
    ただし、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、Rは、炭素数1~3のアルキレン基であり、Rは、炭素数2~6のフルオロアルキル基、又は炭素数2~6のフルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Rは、Rに結合する炭素原子が少なくとも1つのフッ素原子を有する。
  2. 前記含フッ素ポリマーのフッ素含有率が、22~75質量%である、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記硬化物が、前記含フッ素ポリマーの割合が硬化性組成物の100質量%のうち11~89質量%である硬化性組成物を硬化した硬化物である、請求項1又は2に記載の光学部材。
  4. 基材と、前記基材の表面に設けられた前記硬化物の層とを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記含フッ素ポリマーが、前記単位cを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記硬化物のフッ素含有率が、5質量%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 前記硬化性組成物が、前記硬化性モノマーを含み、
    前記硬化性モノマーが、含フッ素モノマーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学部材。
  8. 前記硬化物の厚さ1mmあたりの波長400nmの光の透過率が、88%以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学部材。
  9. 前記硬化物のアッベ数が、54以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の光学部材。
  10. 酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位a及び下式IIで表されるモノマーに由来する単位b(ただし、前記単位aを除く。)を有する含フッ素ポリマーと、光酸発生剤と、光ラジカル重合開始剤とを含み、前記含フッ素ポリマーの割合が光学部材用硬化性組成物の100質量%のうち11質量%以上であり、前記酸素原子を有するカチオン重合性反応基を有する単位aが、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、および3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来
    前記含フッ素ポリマーはペンダント基にエチレン性二重結合を有する単位cをさらに有する、又は前記光学部材用硬化性組成物は硬化性モノマーをさらに含む、光学部材用硬化性組成物。
    CH=C(R)C(O)OR ・・・式II
    ただし、Rは、水素原子、メチル基又はハロゲン原子であり、Rは、炭素数1~3のアルキレン基であり、Rは、炭素数2~6のフルオロアルキル基、又は炭素数2~6のフルオロアルキル基の炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Rは、Rに結合する炭素原子が少なくとも1つのフッ素原子を有する。
  11. 前記光学部材用硬化性組成物のフッ素含有率が、5質量%以上である、請求項10に記載の光学部材用硬化性組成物。
  12. 基材と、前記基材の表面に設けられた硬化物の層とを有する光学部材を製造する方法であり、
    モールドと前記基材との間に、請求項10又は11に記載の光学部材用硬化性組成物を挟持し、前記光学部材用硬化性組成物を硬化させて前記硬化物の層を形成し、前記硬化物の層と前記モールドとを分離する、光学部材の製造方法。
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