JP5157546B2 - プラスチック基板を有する窓用基板の製造方法 - Google Patents

プラスチック基板を有する窓用基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、プラスチック基板を窓用基板に適用させる技術に関する。
ポリカーボネート基板、アクリル基板等の可視光透過性を有するプラスチック基板は、ガラス基板よりも軽量なので、窓の使用部材に軽量性が要求される場合に用いられることがある。
しかしながら、プラスチック基板の表面は、ガラス基板よりも耐擦傷性が低いので、表面硬度を高めるために所謂ハードコートと呼ばれる酸化ケイ素系被膜をプラスチック基板上に形成させることが必要である。
酸化ケイ素は、プラスチック基板との密着性が低いので、酸化ケイ素系被膜を2層構造のものとし、プラスチック基板と接する層をプラスチック基板と酸化ケイ素の両方と密着性を有する緩衝層とすることで、酸化ケイ素系被膜とプラスチック基板との密着性の向上が図られている。
例えば、特許文献1は、エチレン性不飽和結合を有する単量体とメタアクリロキシプロピル基を有するアルコキシシランとのアクリル系共重合体とエポキシ変性シリコーン樹脂との混合物からなる緩衝層と酸化ケイ素からなる層とを有する二層構造の酸化ケイ素系被膜が形成されたプラスチック基板を開示している。
特開平6−73329号公報
プラスチック基板は、ガラス基板よりも柔らかいので、これを窓とした場合、風圧を受けたとき、ガラス基板を窓とした場合よりも、撓み量が大きくなる。酸化ケイ素からなる層とプラスチック基板とは本質的に硬度、柔軟性が異なるので、窓が撓む度に、酸化ケイ素系被膜をプラスチック基板から、又は酸化ケイ素からなる層を緩衝層から剥離させようとする応力が生じることとなる。本発明は、酸化ケイ素系被膜をプラスチック基板に残存しやすくさせることで、窓用に適したプラスチック基板を有する基板を提供することを課題とする。
本発明の窓用基板は、プラスチック基板と該プラスチック基板表面を保護するための酸化ケイ素系被膜を有しており、該酸化ケイ素系被膜は第一層と該第一層とプラスチック基板間の第二層とからなる二層構造を有しており、第一層は、一般式(1)で表される酸化ケイ素モノマー1から形成される酸化ケイ素を主成分として有し、
(R)Si(OR (1)
(式中 Rは、エポキシ基を有する有機基、Rは炭素数1〜3のアルキル基)
第二層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が10万〜300万の加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーと、ポリスチレン換算の数平均分子量が1000〜1万のエポキシ変性シリコーン樹脂とから形成されることを特徴とする。
第一層が基板の表面硬度を高める機能を奏し、第二層が第一層とプラスチック基板とを連結させる緩衝層の機能を奏している。第二層は、加水分解性シリル基を含む酸化ケイ素を有するプラスチック過多な層であるので、プラスチック基板の撓みへの追随が容易である。加えて、アクリルポリマー、エポキシ変性シリコーン樹脂、及びシリル基の混在により酸化ケイ素とプラスチック基板の双方との密着性も保たれる。
また、酸化ケイ素モノマー1のようなトリアルコキシシランから形成される酸化ケイ素は、ケイ素の結合手の一つが架橋を形成しないので、第一層の可撓性を向上させることができ、プラスチック基板の撓みへの追随が向上される。さらに、酸化ケイ素モノマー1のRを、エポキシ基を有する有機基としていること、第二層にエポキシ変性シリコーン樹脂を含有させることにより、第一層と第二層との密着性が向上する。
本発明のプラスチック基板を有する窓用基板は、以上の要因が絡み合って、酸化ケイ素系被膜がプラスチック基板に残存しやすくさせることで、窓用に適したプラスチック基板を有する基板を達成せしめる。
そして、プラスチック基板と該プラスチック基板表面に二層構造を有する酸化ケイ素系被膜とを有する窓用基板の製造方法は、
該方法は、第二層を形成する第二層形成工程、及び第二層上に第一層を形成する第一層形成工程を有したものとし、
第二層形成工程は、プラスチック基板表面に加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマー及びエポキシ変性シリコーン樹脂が添加されてなる塗布液2をプラスチック基板に塗布する工程を有し、
第一層は、第二層上に前記酸化ケイ素モノマー1から形成される加水分解重縮合物を有する塗布液1を塗布する工程を有するものとし、第二層形成後に該層表面にプラズマを照射する工程を有するものとすることが好ましい。
第二層形成後に該表面にプラズマを照射することで、第二層表面上に含まれる加水分解性シリル基が活性化することで、第一層との密着性の向上に寄与するとともに、第二層表面に吸着された主に大気中を由来とする有機物系汚染物が除去され、塗布液1の第二層表面への濡れ性が向上し、結果、第一層と第二層との密着性を容易に向上させることができ好ましい。
本発明のプラスチック基板を有する窓用基板は、酸化ケイ素系被膜がプラスチック基板に残存しやすく、酸化ケイ素を主成分とする層が長期に保持されやすいので、結果、プラスチック基板の耐擦傷性を長期に高いものとすることができ、窓としての使用に好適である。
本発明の窓用基板は、プラスチック基板と該プラスチック基板表面を保護するための酸化ケイ素系被膜を有しており、該酸化ケイ素系被膜は第一層と該第一層とプラスチック基板間の第二層とからなる二層構造を有しており、第一層は、一般式(1)で表される酸化ケイ素モノマー1から形成される酸化ケイ素を主成分として有し、
(R)Si(OR (1)
(式中Rは、エポキシ基を有する有機基、Rは炭素数1〜3のアルキル基)
第二層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が10万〜300万の加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーと、ポリスチレン換算の数平均分子量が1000〜1万のエポキシ変性シリコーン樹脂とから形成されることを特徴とする。
ここで、第一層の膜厚を0.5〜20μm、好ましくは、0.8〜10μm、より好ましくは1〜5μm、第二層の膜厚を0.1〜2μm、好ましくは、0.2〜1μmとすることが好ましい。第一層の膜厚は0.5μm未満であるとハードコート膜としての性能が低下することがあり、20μm超とすると成膜後の乾燥、成膜後の熱処理時や窓として取り付けた後、風圧を受けて基板が撓んだ場合に第一層にクラックが生じやすくなることがある。また、第二層の膜厚は、0.1μm未満とすると、均一に成膜することが難しくなることがあり、他方、2μm超とすると、第2層中に結合に関与しないシリル基の数が多くなり、経時変化によって、被膜内の構造変化が生じることがある。
前記プラスチック基板の例としては、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの平面、及び曲面の板、シート、フィルム等が挙げられる。
一般式(1)で表される酸化ケイ素モノマー1の例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、5、6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5、6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーは、例えば、メタアクリル酸エステル又はアクリル酸エステルと、これらと反応活性な基を有するアルコキシシランとを共重合させることで得られることができ、反応の容易性や入手しやすさ等から、一般式(2)で表される酸化ケイ素モノマー2と、
(R)Si(OR (2)
(式中 Rは、メタアクリロキシ基又はアクリロキシ基を有する有機基、Rは炭素数1〜3のアルキル基)
メタクリル酸メチル又はアクリル酸エステルとを反応させて得られるものとすることが好ましい。
一般式(2)で表される酸化ケイ素モノマー2の例としては、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量は10万〜300万、好ましく12万〜200万、より好ましくは15万〜150万とすることが好ましい。加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量が、300万を超えると塗布液の粘度が高くなり塗布液の塗布が難しくなる傾向があり、10万未満では、被膜の硬度が低下する傾向がある。
また、メタアクリル酸エステル又はアクリル酸エステルと、アルコキシシランとを共重合させる際には、該エステルをA、該アルコキシシランをBとしたときに、質量比において、A/Bが0.5〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜5となるように調整されることが好ましい。A/Bが0.5よりも小さいとプラスチック基板と第二層の密着性が低下するため望ましくなく、またA/Bが20よりも大きくなると第二層が脆くなるため望ましくない。
エポキシ変性シリコーン樹脂は、例えばエポキシ樹脂と酸触媒を加えて、200℃以上で加熱した後に、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどを、有機溶媒中で撹拌して、重合反応させたシリコーン樹脂を加え、さらに加熱、撹拌することにより得ることができる。
エポキシ変性シリコーン樹脂の数平均分子量は1000〜1万、好ましくは1200〜8000、より好ましくは1500〜5000とすることが好ましい。エポキシ変性シリコーン樹脂の数平均分子量が1000よりも低いと、第二層の膜を形成するときにプラスチック基板が膜をはじくために成膜することが困難となり、一方、1万よりも高いと塗布液の粘度が高くなるため、成膜することが困難となる。
また、加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーと、エポキシ変性シリコーン樹脂の混合割合は、加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーをC、エポキシ変性シリコーン樹脂をDとしたときに、質量比において、C/Dが0.1〜10、好ましくは0.2〜5、より好ましくは0.5〜3となるように調整されることが好ましい。C/Dが0.1よりも小さくなると第一層と第二層の密着性の低下につながることがある。また、C/Dが10よりも大きいと第二層とプラスチック基板との密着性の低下につながることがある。
さらに第一層が、テトラアルコキシシランから形成される酸化ケイ素を有することが好ましい。該酸化ケイ素を含有することで、第一層の硬度をより高いものとできるからである。そして、一般式(1)で表される酸化ケイ素モノマー1から形成される酸化ケイ素をE、テトラアルコキシシランから形成される酸化ケイ素をFとしたときに、質量比において、E/Fが1.5〜40、好ましくは2〜20、より好ましくは4〜10となるように調整されることが好ましい。E/Fが1.5よりも小さいと、成膜後の熱処理時や窓として取り付けた後、風圧を受けて基板が撓んだ場合に第一層にクラックが生じやすくなる、第二層との密着性が低下するため望ましくない。一方、E/Fを40以下とすれば、該ハードコート膜の膜硬度を高くすることが可能である。
前記テトラアルコキシシランの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン等が挙げられる。
本発明の窓用基板の好適な製造方法は、第二層を形成する第二層形成工程、及び第二層上に第一層を形成する第一層形成工程を有したものとし、
第二層形成工程は、プラスチック基板表面に加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマー及びエポキシ変性シリコーン樹脂が添加されてなる塗布液2をプラスチック基板に塗布する工程を有し、
第一層は、第二層上に前記酸化ケイ素モノマー1から形成される加水分解重縮合物を有する塗布液1を塗布する工程を有するものとし、第二層形成後に該層表面にプラズマを照射する工程を有するものである。
塗布液1は、例えば、下記ようにして調製される。アルコキシシラン、水、有機溶媒、酸触媒を混合して撹拌する。アルコキシシランの加水分解は、十分な量の水と酸触媒を添加し行うことができ、その反応は十分に進行させる必要がある。一方、加水分解反応が起こると同時に、加水分解物は脱水反応である重縮合反応を起こす。塗布液の粘度や膜の硬度の観点から、重縮合反応が進行し過ぎることは好ましくなく、重合度は適切なレベルにしたいため、加水分解反応は進行するが、重縮合反応は進行しにくいように、反応開始前に水をアルコキシシランの5モル倍以上、好ましくは7モル倍以上とすることが望ましい。
ここで、2種以上のアルコキシシランを用いた場合、加水分解反応は別々に行い、後で混合しても良いし、一緒に行っても良い。なお、他の加水分解反応を行う方法としては、上記のようなアルコキシシランを溶媒で希釈したものと、溶媒で希釈した酸性水溶液を徐々に混合する方法がある。この例は、急激な反応を避けることができ、より均質な反応が得られやすい。
これらシリカ系処理剤の反応には、反応を穏やかに進めるために、有機溶媒が含まれていることが好ましい。特に、アルコール系などの水酸基を含む有機溶媒は、他の成分との相溶性に優れる。そのような例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオール系溶剤、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
塗布液2は、例えば、下記ようにして調製されたアクリル系ポリマーとエポキシ変性シリコーン樹脂を混合することにより得ることが可能である。アクリル系ポリマーは、メタクリル酸エステル、メタクリロキシ基含有アルコキシシラン、アゾビスイソブチロニトリル、有機溶媒を混合し、加熱して重合を促すことで得られる。また、エポキシ変性シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂、無水の酸触媒、有機溶媒を混合、撹拌、加熱して重合させた後、シリコーン樹脂を加えることで得る事ができる。
第二層は、塗布液2を用いてプラスチック基板に成膜することで形成される。この場合に用いられる成膜方法は、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、手塗りコーティング法など公知の手段を用いることができる。成膜した後、被膜を乾燥させて膜を固化する。固化する手段については、室温での自然乾燥後、必要であれば焼成炉内での加熱や紫外線照射などの硬化手段をとることができる。
第二層の形成後、プラズマ照射をすることで第二層と第一層の密着性をより向上させることが可能である。プラズマ照射は、例えば、既製のプラズマシャワーを用いて、プラスチック基材を30秒以上照射するなどの手段を用いることができる。
第一層は、第二層を形成し、必要に応じてプラズマ照射した後のプラスチック基板に塗布液1を成膜することで形成される。この場合に用いられる成膜方法は、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、手塗りコーティング法など公知の手段を用いることができる。成膜した後、被膜を乾燥させて膜を固化する。固化する手段については、室温での自然乾燥後、必要であれば焼成炉内での加熱や紫外線照射などの硬化手段をとることができる。
以下に本発明の実施例について説明する。本実施例で得られた窓用基板は以下の評価方法にて評価された。
(1)酸化ケイ素系被膜の密着性評価
JIS R3212(1998年)に示されたテーバー磨耗試験を応用して被膜の密着性を評価した。荷重500gの磨耗輪を被膜上に配置し、該磨耗輪を回転させ、第一層が剥離するまでの磨耗輪の回転数を計測した。この回数が100回以上のものを可品、200回以上のものを良品とした。
(2)膜厚の測定
被膜形成の際にプラスチック基板の一部をマスキングすることで、プラスチック基板上に第一層の無い箇所、第一層及び第二層の無い箇所を形成せしめ、小阪研究所製サーフコーダET4000Aを用いて、段差を測定することで、膜厚を計測した。
実施例1
1.塗布液1の調製
テトラエトキシシラン(TEOS)1.04g、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)3.82g、イソプロピルアルコール(iPA)10.49g、1N酢酸4.04g(水分量がTEOS+GPTMSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌した。その後、iPAを30g加えることで、塗布液1とした。
2.塗布液2の調製
メタクリル酸メチル30g、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン8.4g、アゾビスイソブチロニトリル0.1g、及びトルエン38.5gを混合し、60℃に加熱し、16時間撹拌を行うことで重合を行った。結果、加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーを有する無色透明の粘性溶液Aを得た。この過程で得られた加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーを東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)を求めたところ、248400であった。
エポキシ当量が170〜220のビスフェノールAエピクロルヒドリン型エポキシ樹脂13g、無水フタル酸0.5g、トルエン20gを混合し、40℃に加熱して40時間攪拌した。その後、10gのトルエンを含むメチルフェニル系シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング製、SH840RESIN)25g加え、さらに常温で16時間撹拌し、エポキシ変性シリコーン樹脂を有する無色透明の粘性溶液Bを得た。この過程で得られたエポキシ変性シリコーン樹脂を東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)を求めたところ、1740であった。
その後、溶液Aを18g、溶液Bを2g、硬化触媒としてジブチルスズジラウレート0.1g、及びトルエン10gを加え、塗布液2とした。
3.第2層の形成
ポリカーボネート基板(日本ポリエステル製、200mm×200mm×3mm(厚))を水洗、乾燥し、プラズマシャワー(春日電機製;PS601C)を用いて、その表面を1分間プラズマ照射した。
その後、塗布液2を15g量スピンコートで塗布し、120℃雰囲気下で30分間加熱することで、第二層を形成した。形成された第二層の膜厚は、0.6μmであった。
4.第一層の形成
前記した過程で得られた第二層表面を、プラズマシャワー(春日電機製;PS601C)を用いて10分間プラズマ照射した。その後、塗布液1を15g量スピンコートで塗布し、120℃雰囲気下で30分間加熱することで第一層を形成した。第一層の膜厚は、1.0μmであった。
5.窓用基板の評価結果
以上の手順を経て得られた基板は、無色透明で良好な外観を有するものであった。表1に、得られた基板の評価結果を示す。酸化ケイ素系被膜の密着性評価にて第一層の剥離が生じ難い良品であり、窓用基板として適したものであった。
Figure 0005157546
実施例2
基板種をアクリル基板(200mm×200mm×3mm(厚))とした以外は、実施例1と同じ手順にて窓用基板を得た。得られた基板は、無色透明で良好な外観を有するものであった。表1に、得られた基板の評価結果を示す。酸化ケイ素系被膜の密着性評価にて第一層の剥離が生じ難い良品であり、窓用基板として適したものであった。
実施例3
第二層にプラズマ処理を実施しなかった以外は、実施例1と同じ手順にて窓用基板を得た。得られた基板は、無色透明で良好な外観を有するものであった。表1に、得られた基板の評価結果を示す。酸化ケイ素系被膜の密着性評価にて第一層の剥離が生じ難い可品であり、窓用基板として適したものであった。
実施例4
第二層にプラズマ処理を実施しなかった以外は、実施2と同じ手順にて窓用基板を得た。得られた基板は、無色透明で良好な外観を有するものであった。表1に、得られた基板の評価結果を示す。酸化ケイ素系被膜の密着性評価にて第一層の剥離が生じ難い可品であり、窓用基板として適したものであった。
比較例1
第二層を形成しなかった以外は、実施例1と同じ手順にて窓用基板を得た。表1に、得られた基板の評価結果を示す。酸化ケイ素系被膜の密着性評価にて第一層の剥離がすぐに生じ、窓用基板として適さないものであった。
比較例2
塗布液1を、テトラエトキシシラン(TEOS)2.08g、メチルトリエトキシシラン(MTES)6.38g、イソプロピルアルコール(iPA)4.95g、1N酢酸6.60g(水分量がTEOS+MTESの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌した後、iPAを30g加えて得られたものとした以外は、実施例1と同じ手順にて窓用基板を得た。表1に、得られた基板の評価結果を示す。酸化ケイ素系被膜の密着性評価にて第一層の剥離がすぐに生じ、窓用基板として適さないものであった。

Claims (4)

  1. プラスチック基板と該プラスチック基板表面に第一層と該第一層とプラスチック基板間の第二層とからなる二層構造を有する酸化ケイ素系被膜とを有する窓用基板の製造方法であり、
    該方法は、膜厚が0.1〜2μmの第二層を形成する第二層形成工程、及び第二層上に膜厚が0.5〜20μmの第一層を形成する第一層形成工程を有しており、
    第二層形成工程は、プラスチック基板表面にポリスチレン換算の数平均分子量が10万〜300万の加水分解性シリル基を有するアクリル系ポリマーと、ポリスチレン換算の数平均分子量が1000〜1万のエポキシ変性シリコーン樹脂が添加されてなる塗布液2をプラスチック基板に塗布して成膜した後、被膜を乾燥させて膜を固化する工程であり
    第一層形成工程は、第二層上に一般式(1)で表される酸化ケイ素モノマー1から形成される加水分解重縮合物を有する塗布液1を塗布して成膜した後、被膜を乾燥させて膜を固化する工程であり
    第二層形成後、第一層形成前第二層表面にプラズマを照射することにより該層の表面に含まれる加水分解性シリル基を活性化し塗布液1の第二層表面への濡れ性を向上する工程を有することを特徴とする窓用基板の製造方法。
    (R )Si(OR (1)
    (式中R は、エポキシ基を有する有機基、R は炭素数1〜3のアルキル基)
  2. さらにテトラアルコキシシランを混合した塗布液1を用いることを特徴とする請求項1に記載の窓用基板の製造方法。
  3. 一般式(1)で表される酸化ケイ素モノマー1から形成される酸化ケイ素をE、テトラアルコキシシランから形成される酸化ケイ素をFとしたときに、質量比において、E/Fが1.5〜40である第一層を形成することを特徴とする請求項2に記載の窓用基板の製造方法。
  4. 加水分解性シリル基を有するアクリルポリマーが、一般式(2)で表される酸化ケイ素モノマー2と、
    (R )Si(OR (2)
    (式中 R は、メタアクリロキシ基又はアクリロキシ基を有する有機基、R は炭素数1〜3のアルキル基)
    メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルとを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の窓用基板の製造方法
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