JP2016094009A - 自動車用防曇性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】防曇性に優れるとともに、耐摩耗性、耐剥離性等の耐久性、および外観に優れた自動車用防曇性物品を提供する。
【解決手段】基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、前記吸水性樹脂層は第一の硬化エポキシ樹脂を主体とし、前記下地樹脂層は第二の硬化エポキシ樹脂を主体とし、20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した前記防曇膜の表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇るまでの防曇時間が30秒以上であり、前記防曇膜の表面に、Taber社製5130型摩耗試験機の摩耗輪CS−10Fを接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転する試験を行ったときの、曇価変化ΔH(%)が5%以下である自動車用防曇性物品。
【選択図】なし
【解決手段】基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、前記吸水性樹脂層は第一の硬化エポキシ樹脂を主体とし、前記下地樹脂層は第二の硬化エポキシ樹脂を主体とし、20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した前記防曇膜の表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇るまでの防曇時間が30秒以上であり、前記防曇膜の表面に、Taber社製5130型摩耗試験機の摩耗輪CS−10Fを接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転する試験を行ったときの、曇価変化ΔH(%)が5%以下である自動車用防曇性物品。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車用防曇性物品に関する。
ガラスやプラスチック等の透明基体は、基体表面が露点温度以下になった場合、表面に微細な水滴が付着して透過光を散乱するため、透明性が損なわれ、いわゆる「曇り」の状態となる。曇りを防ぐ手段として、これまで種々の提案がなされてきた。
具体的には、(1)基体表面を界面活性剤で処理して付着した水滴の表面張力を下げる方法、(2)基体表面に親水性樹脂や親水性無機化合物を用いて親水性基を付与し、基体表面を親水性にする方法、(3)基体にヒーター等を設置して加温することにより、基体表面を露点温度以上に維持する方法(4)基体表面に吸水性樹脂層を設け、基体表面に形成された微小水滴を吸水して除去、およびまたは基体表面の雰囲気湿度を低減する方法、等が知られている。
しかしながら、上記(1)や(2)の方法では、形成した膜表面に水膜が形成されるため、高湿度環境に長期間保持されると、歪みの発生や水滴化等により外観に変化が起きやすく、べたべたした使用感もやや不快に感じられる場合があった。また、(3)の方法では、防曇性能は半永久的に持続できるものの、通電に伴うエネルギーを常に必要とするため非常に高コストとなってしまう。一方、上記(4)の方法は、表面に水が存在しないことから、外観に変化はなく使用感も好評である場合が多いのに加えて、ランニングコストを必要とせずに優れた防曇性を発現できることから、曇りを防ぐ手段として特に優れた方法とされている。
このような(4)の吸水性化合物層を利用する防曇の技術として、具体的には、ポリエポキシド類から得られる吸水性の架橋樹脂層を含む防曇性物品(特許文献1参照)、基体表面に低吸湿性架橋樹脂層と高吸湿性架橋樹脂層とを順次積層した防曇膜を有する防曇性物品(特許文献2参照)、等が提案されている。
しかし、特許文献1に記載された防曇性物品における吸水性の架橋樹脂層では、防曇性には優れるものの耐摩耗性や耐剥離性等の耐久性に問題があった。特許文献2に記載された防曇膜では優れた防曇性をもちながら耐久性もある程度改善されているが、耐久性を高めようとすると外観を損ねる点で問題であった。そこで、防曇性に優れ、耐摩耗性や耐剥離性等の耐久性と良好な外観を兼ね備えた防曇膜を有する防曇性物品が望まれていた。
本発明は、防曇性に優れるとともに、耐摩耗性、耐剥離性等の耐久性、および外観に優れた防曇性物品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決すべくなされた発明であり、以下の構成よりなる。
[1]基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、
前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、
前記吸水性樹脂層は第一の硬化エポキシ樹脂を主体とし、前記下地樹脂層は第二の硬化エポキシ樹脂を主体とし、
20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した前記防曇膜の表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇るまでの防曇時間が30秒以上であり、
前記防曇膜の表面に、Taber社製5130型摩耗試験機の摩耗輪CS−10Fを接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転する試験を行ったときの、曇価変化ΔH(%)が5%以下である自動車用防曇性物品。
[2]前記第一の硬化エポキシ樹脂は、前記第二の硬化エポキシ樹脂より吸水性が高いことを特徴とする[1]記載の自動車用防曇性物品。
[1]基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、
前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、
前記吸水性樹脂層は第一の硬化エポキシ樹脂を主体とし、前記下地樹脂層は第二の硬化エポキシ樹脂を主体とし、
20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した前記防曇膜の表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇るまでの防曇時間が30秒以上であり、
前記防曇膜の表面に、Taber社製5130型摩耗試験機の摩耗輪CS−10Fを接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転する試験を行ったときの、曇価変化ΔH(%)が5%以下である自動車用防曇性物品。
[2]前記第一の硬化エポキシ樹脂は、前記第二の硬化エポキシ樹脂より吸水性が高いことを特徴とする[1]記載の自動車用防曇性物品。
[3]前記防曇膜の表面を90℃の温水浴上に100時間翳した後、エタノールにより前記膜表面を洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない[1]または[2]に記載の自動車用防曇性物品。
[4]サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機社製)を用いて、非膜面側から160時間光照射した後、85℃90%RHに設定された恒温恒湿槽内に30時間保持後、前記防曇膜の表面をエタノールにより洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない[1]〜[3]のいずれかに記載の自動車用防曇性物品。
[5]前記防曇膜の表面に酢酸を0.3mL滴下した後、50℃恒温槽にて1時間放置し、エタノールにより前記膜表面を洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない[1]〜[4]のいずれかに記載の自動車用防曇性物品。
[4]サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機社製)を用いて、非膜面側から160時間光照射した後、85℃90%RHに設定された恒温恒湿槽内に30時間保持後、前記防曇膜の表面をエタノールにより洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない[1]〜[3]のいずれかに記載の自動車用防曇性物品。
[5]前記防曇膜の表面に酢酸を0.3mL滴下した後、50℃恒温槽にて1時間放置し、エタノールにより前記膜表面を洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない[1]〜[4]のいずれかに記載の自動車用防曇性物品。
本発明の自動車用防曇性物品は、防曇性に優れるとともに、耐摩耗性、耐剥離性等の耐久性、および外観に優れる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、下記説明に限定して解釈されるものではない。
<防曇性物品>
本発明の防曇性物品は、基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、前記吸水性樹脂層は、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり前記低分子量ポリエポキシド:前記高分子量ポリエポキシドで示される質量比が30:70〜70:30である第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層であり、前記下地樹脂層は、第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする前記吸水性樹脂層より低い吸水性を有する下地樹脂層であることを特徴とする。
<防曇性物品>
本発明の防曇性物品は、基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、前記吸水性樹脂層は、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり前記低分子量ポリエポキシド:前記高分子量ポリエポキシドで示される質量比が30:70〜70:30である第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層であり、前記下地樹脂層は、第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする前記吸水性樹脂層より低い吸水性を有する下地樹脂層であることを特徴とする。
本発明の防曇性物品においては、吸水性樹脂層を主として構成する硬化エポキシ樹脂の原料成分であるポリエポキシドについて、上記高分子量のポリエポキシドは耐摩耗性等の耐久性の向上に寄与し、上記低分子量のポリエポキシドは高分子量ポリエポキシドから得られる硬化エポキシ樹脂の外観を改善する作用を有する、という仮説の下、前記低分子量ポリエポキシド:前記高分子量ポリエポキシドで示される質量比を30:70〜70:30とすることで、防曇性に優れるとともに、耐摩耗性等の耐久性、および外観に優れる防曇性物品が得られることが見出された。
また、本発明の防曇性物品は、ともに硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層と下地樹脂層であって吸水性が吸水性樹脂層>下地樹脂層の関係にある2層を組合せて防曇膜を構成することにより、耐剥離性に優れる防曇性物品を得ることを可能とした。
すなわち、吸水性の高い吸水性樹脂層は、高い吸水性に付随して大きな膨張・収縮を繰り返すことで接着界面に界面応力が蓄積する、水と共に取り込まれた各種イオン成分が接着界面に到達する、さらには、接着界面に到達した水分の影響により基体等の被接着層から界面にイオン成分が溶出する等の要因で、接着界面での密着性が低下する傾向がある。
そこで、基体と吸水性樹脂層の間に、吸水性樹脂層より低い吸水性を有し、かつ吸水性樹脂層と同種の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層を設けると、吸水性樹脂層と下地樹脂層の間は同種の樹脂で構成されることで高い密着性を有し、さらに、下地樹脂層は低い吸水性ゆえに膨張・収縮の程度が小さいため上記基体との接着界面に蓄積する界面応力が緩和されるとともに、水分やイオン成分が基体との接着界面まで到達するのを抑制する作用を有することで基体界面との密着性が改善され、全体としての耐剥離性が向上し優れた耐久性を有するものである。
そこで、基体と吸水性樹脂層の間に、吸水性樹脂層より低い吸水性を有し、かつ吸水性樹脂層と同種の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層を設けると、吸水性樹脂層と下地樹脂層の間は同種の樹脂で構成されることで高い密着性を有し、さらに、下地樹脂層は低い吸水性ゆえに膨張・収縮の程度が小さいため上記基体との接着界面に蓄積する界面応力が緩和されるとともに、水分やイオン成分が基体との接着界面まで到達するのを抑制する作用を有することで基体界面との密着性が改善され、全体としての耐剥離性が向上し優れた耐久性を有するものである。
[1]基体
本発明の防曇性物品に用いられる基体としては、一般に防曇性の付与が求められている材質からなる基体であれば特に制限されないが、好適には、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス、またはこれらの組み合わせ(複合材料、積層材料等)からなる基体が挙げられ、より好適にはガラスもしくはプラスチックからなる透明基体、および鏡等が挙げられる。ガラスとしては、通常のソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられ、これらのうちでもソーダライムガラスが特に好ましい。また、プラスチックとしては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂やポリフェニレンカーボネート等の芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられ、これらのうちでもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンカーボネート等が好ましい。
本発明の防曇性物品に用いられる基体としては、一般に防曇性の付与が求められている材質からなる基体であれば特に制限されないが、好適には、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス、またはこれらの組み合わせ(複合材料、積層材料等)からなる基体が挙げられ、より好適にはガラスもしくはプラスチックからなる透明基体、および鏡等が挙げられる。ガラスとしては、通常のソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられ、これらのうちでもソーダライムガラスが特に好ましい。また、プラスチックとしては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂やポリフェニレンカーボネート等の芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられ、これらのうちでもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンカーボネート等が好ましい。
基体の形状は平板でもよく、全面または一部が曲率を有していてもよい。基体の厚さは防曇性物品の用途により適宜選択できるが、一般的には1〜10mmであることが好ましい。
また、基体は、表面に反応性基を有することが好ましい。反応性基としては、親水性基が好ましく、親水性基としては水酸基が好ましい。また、基体に酸素プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン処理等を施し、表面に付着した有機物を分解除去したり、表面に微細な凹凸構造を形成させたりすることにより、基体表面を親水性としてもよい。なお、ガラスや金属酸化物は通常、表面に水酸基を有している。
また、基体は、本発明の防曇性物品においてその表面に形成される下地樹脂層との密着性を高める目的で、ガラス等の基体の表面にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物薄膜や有機基含有金属酸化物薄膜が設けられたものでもよい。
上記金属酸化物薄膜は、加水分解性基を有する金属化合物を用い、ゾルゲル法等公知の方法で形成することができる。金属化合物としては、テトラアルコキシシラン、テトライソシアネートシラン、またそのオリゴマー(すなわち、その部分加水分解縮合物)等が好ましい。
また、有機基含有金属酸化物薄膜は、有機金属系カップリング剤で基体表面を処理することにより得られる。有機金属系カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が使用でき、シラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。以下、基体表面をあらかじめ処理するためのカップリング剤を「表面処理用カップリング剤」という。
[2]防曇膜
本発明の防曇性物品において、上記基体の少なくとも一部の表面に形成される防曇膜は、基体側から下地樹脂層、吸水性樹脂層の順に構成される。
本発明の防曇性物品において、上記基体の少なくとも一部の表面に形成される防曇膜は、基体側から下地樹脂層、吸水性樹脂層の順に構成される。
[2−1]吸水性樹脂層
上記防曇膜を構成する吸水性樹脂層は、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり前記低分子量ポリエポキシド:前記高分子量ポリエポキシドで示される質量比が30:70〜70:30である第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層である。
上記防曇膜を構成する吸水性樹脂層は、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり前記低分子量ポリエポキシド:前記高分子量ポリエポキシドで示される質量比が30:70〜70:30である第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層である。
本発明の防曇性物品における上記吸水性樹脂層は、また、防曇膜とした際に十分な防曇性を発揮するにたる吸水性を有し、その吸水性は基体と吸水性樹脂層との間に設けられる下地樹脂層の吸水性に比べて高いものである。なお、吸水性樹脂と下地樹脂の吸水性は相対的なものであり、以下、吸水性樹脂層を構成する上記第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂を高吸水性樹脂、下地樹脂層における後述の第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする樹脂を低吸水性樹脂ともいう。両樹脂の吸水性は相対的なものであるので、これら樹脂における「高吸水性」および「低吸水性」は、閾値をもって高・低をいうものではない。
ここで上記吸水性樹脂層を構成する高吸水性樹脂の吸水性を具体的に示せば、以下の方法で測定される飽和吸水量が、200mg/cm3以上であることが好ましく、300mg/cm3以上であることがより好ましい。吸水性樹脂層を構成する高吸水性樹脂の飽和吸水量が、上記の値をとることにより、十分な防曇性を確保することが可能となる。一方、防曇膜の耐久性が低くなるのを防ぐ観点から、吸水性樹脂層の飽和吸水量は、900mg/cm3以下であるのが好ましく、500mg/cm3以下であるのがより好ましい。
(飽和吸水量の測定方法)
3cm×4cm×厚さ2mmのソーダライムガラス基体に検体となる樹脂層を設け、これを25℃恒温水槽に1時間浸漬し、取り出し後、表面上の水分をウエスで拭取り、微量水分計を用いて樹脂層付き基体全体の水分量(I)を測定する。さらに、上記基体のみについて同様の手順で水分量(II)を測定する。上記水分量(I)から水分量(II)を引いた値を吸水前の樹脂層の体積で除した値を飽和吸水量とする。なお、水分量の測定は、微量水分計FM−300(ケット科学研究所社製)によって次のようにして行う。測定サンプルを120℃で加熱し、サンプルから放出された水分を微量水分計内のモレキュラーシーブスに吸着させ、モレキュラーシーブスの質量変化を水分量として測定する。また、測定の終点は、25秒間当たりの質量変化が0.05mg以下となった時点とする。
3cm×4cm×厚さ2mmのソーダライムガラス基体に検体となる樹脂層を設け、これを25℃恒温水槽に1時間浸漬し、取り出し後、表面上の水分をウエスで拭取り、微量水分計を用いて樹脂層付き基体全体の水分量(I)を測定する。さらに、上記基体のみについて同様の手順で水分量(II)を測定する。上記水分量(I)から水分量(II)を引いた値を吸水前の樹脂層の体積で除した値を飽和吸水量とする。なお、水分量の測定は、微量水分計FM−300(ケット科学研究所社製)によって次のようにして行う。測定サンプルを120℃で加熱し、サンプルから放出された水分を微量水分計内のモレキュラーシーブスに吸着させ、モレキュラーシーブスの質量変化を水分量として測定する。また、測定の終点は、25秒間当たりの質量変化が0.05mg以下となった時点とする。
なお、飽和吸水量は吸水性樹脂層を構成する樹脂の吸水性を示す指標であるが、吸水性樹脂層を構成する樹脂と層の厚さによる吸水性樹脂層自体の吸水性を示す指標として、本明細書においては、必要に応じて、以下に定義する「吸水防曇性」を用いるものである。
吸水防曇性は、20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した防曇性物品の防曇膜表面を、40℃の温水浴上に翳し、目視において曇りが認められるまでの防曇時間(秒)で示される。
本発明の防曇性物品に設けられる吸水性樹脂層の吸水性について、上記吸水防曇性を指標として示せば、該吸水防曇性を30秒以上とすることができ、さらに好ましい態様では50秒以上とすることができ、特に好ましい態様では、100秒以上とすることができる。
吸水防曇性は、20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した防曇性物品の防曇膜表面を、40℃の温水浴上に翳し、目視において曇りが認められるまでの防曇時間(秒)で示される。
本発明の防曇性物品に設けられる吸水性樹脂層の吸水性について、上記吸水防曇性を指標として示せば、該吸水防曇性を30秒以上とすることができ、さらに好ましい態様では50秒以上とすることができ、特に好ましい態様では、100秒以上とすることができる。
上記吸水性樹脂層を構成する高吸水性樹脂の飽和吸水量と吸水性樹脂層の吸水防曇性との関係から、本発明の防曇性物品に係る吸水性樹脂層の膜厚は、3μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。これにより、防曇膜全体として必要な飽和吸水量が確保し易くなる。一方、防曇膜の耐久性が低くなるのを防ぐ観点から、吸水性樹脂層の膜厚は、50μm以下であるのが好ましく、30μm以下であるのがより好ましい。
ここで、防曇性物品の求められる防曇性能は用途により異なるため、求められる性能に即して適宜設計を変更すればよい。
ここで、防曇性物品の求められる防曇性能は用途により異なるため、求められる性能に即して適宜設計を変更すればよい。
吸水性樹脂層を主として構成する硬化エポキシ樹脂は、上記第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂であり、吸水性樹脂層を上記吸水性に設計するための主成分である。
本明細書において、ポリエポキシドとは、2個以上のエポキシ基を有する化合物をいう。ポリエポキシドは低分子化合物、オリゴマー、ポリマーを含む。ポリエポキシド成分は少なくとも1種のポリエポキシドから構成される成分であり、以下必要に応じてこれを主剤と呼ぶこともある。また、硬化剤とは、ポリエポキシドの有するエポキシ基と反応する反応性基を2個以上有する化合物であって、反応によりポリエポキシドに重付加するタイプの重付加型硬化剤、反応によりポリエポキシドと重縮合するタイプの縮合型硬化剤、および、ルイス酸等の反応触媒であって、ポリエポキシド同士の重合反応を触媒する触媒型硬化剤を包含する用語として用いる。なお、触媒型硬化剤には熱硬化型と光硬化型があるがこれらを合わせて触媒型硬化剤という。
さらに、硬化エポキシ樹脂とは、上記主剤と硬化剤が反応して得られる、ポリエポキシドが重付加型硬化剤等により架橋し3次元化した構造、および/または、ポリエポキシド同士が線状または3次元的に重合した構造を有する硬化物をいう。なお、硬化エポキシ樹脂の吸水性は、主として主剤に由来する水酸基等の親水基や親水性連鎖(ポリオキシエチレン基等)の存在量による。
また、吸水性は硬化エポキシ樹脂中の架橋度にも依存する。ある単位量当たりの硬化エポキシ樹脂に含まれる架橋点の数が多ければ、硬化エポキシ樹脂が緻密な3次元網目構造となり、保水のための空間が小さくなるため吸水性が低くなると考えられる。一方、単位量当たりに含まれる架橋点が少なければ、保水のための空間が大きくなり、吸水性が高くなると考えられる。硬化エポキシ樹脂のガラス転移点は、硬化エポキシ樹脂中の架橋点の数と関連が深く、一般に、ガラス転移点が高い樹脂は、ある単位量当たりに含まれる架橋点の数が多いと考えられる。
したがって、一般的に防曇性能を高くするには、硬化エポキシ樹脂のガラス転移点を低く制御し、耐久性を高めるには、硬化エポキシ樹脂のガラス転移点を高く制御することが好ましい。これらを考慮すると、吸水性樹脂層を主として形成する高吸水性の第1の硬化エポキシ樹脂のガラス転移点は、硬化エポキシ樹脂の種類にもよるが、−20〜60℃であることが好ましく、−5〜40℃であることがより好ましい。
なお、ガラス転移点は、JIS K 7121に準拠して測定した値である。具体的には、基体上に検体となる樹脂層を設け、これを20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、示差走査熱量計を用いて測定した値である。ただし、測定時の加熱速度は10℃/分とする。
以下、吸水性樹脂層を主として構成する、上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤とを反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂について説明する。
(第1のポリエポキシド成分)
第1の硬化エポキシ樹脂の原料成分である第1のポリエポキシド成分は、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり、低分子量ポリエポキシド:高分子量ポリエポキシドで示される質量比が30:70〜70:30であることを特徴とする。
(第1のポリエポキシド成分)
第1の硬化エポキシ樹脂の原料成分である第1のポリエポキシド成分は、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり、低分子量ポリエポキシド:高分子量ポリエポキシドで示される質量比が30:70〜70:30であることを特徴とする。
本発明に用いる高分子量ポリエポキシドの分子量は900〜2000であるが、好ましくは900〜1500、より好ましくは900〜1450である。高分子量ポリエポキシドは、上記の通り得られる第1の硬化エポキシ樹脂に高吸水性と耐摩耗性等の耐久性を付与していると考えられる。上記本発明における割合で低分子量ポリエポキシドと組合せて用いた際に、高分子量ポリエポキシドの分子量を上記範囲とすることで、第1の硬化エポキシ樹脂は十分な耐摩耗性等の耐久性を確保できる。本発明において、高分子量ポリエポキシドは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる低分子量ポリエポキシドの分子量は200〜800であるが、好ましくは300〜700、より好ましくは300〜650である。低分子量ポリエポキシドは、上記の通り上記高分子量ポリエポキシドと組合せて用いて得られる第1の硬化エポキシ樹脂の外観を良好に保持する役割を有する。上記本発明における割合で上記高分子量ポリエポキシドと組合せて用いた際に、低分子量ポリエポキシドの分子量を上記範囲とすることで、第1の硬化エポキシ樹脂は、溶液塗布時の塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化などが発生せずに良好な外観を確保できる。本発明において、低分子量ポリエポキシドは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において分子量は、特に断りのある場合を除いて、質量平均分子量(Mw)をいう。また、本明細書における質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレンを標準とする質量平均分子量をいう。
上記第1のポリエポキシド成分を構成する高分子量ポリエポキシドおよび低分子量ポリエポキシドは、分子量の違いを除いて同分類の化合物を用いることができる。以下、高分子量ポリエポキシドおよび低分子量ポリエポキシドとして用いられる具体的な化合物について説明する。
第1のポリエポキシド成分を構成するポリエポキシドとしては、通常の硬化エポキシ樹脂の原料成分として用いられる、グリシジルエーテル系ポリエポキシド、グリシジルエステル系ポリエポキシド、グリシジルアミン系ポリエポキシド、環式脂肪族ポリエポキシド等を、分子量を上記範囲となるように調整して用いることができる。また、第1のポリエポキシド成分におけるポリエポキシドの1分子当たりのエポキシ基の数は、平均して2個以上であれば特に制限されないが、2〜10個であることが好ましく、高分子量ポリエポキシドにおいては、3〜8個がより好ましく、3〜7個がさらに好ましく、低分子量ポリエポキシドにおいては2〜8個がより好ましく、2〜5個がさらに好ましい。
上記グリシジルエーテル系ポリエポキシドは、フェノール性水酸基を2個以上有するポリフェノール類のフェノール性水酸基やアルコール性水酸基を2個以上有するポリオール類のアルコール性水酸基をグリシジルオキシ基に置換した構造を有するポリエポキシド(またはそのポリエポキシドのオリゴマー)である。グリシジルエステル系ポリエポキシドは、カルボキシル基を2個以上有するポリカルボン酸のカルボキシル基をグリシジルオキシカルボニル基に置換した構造を有するポリエポキシドである。グリシジルアミン系ポリエポキシドは、窒素原子に結合した水素原子を2個以上有するアミンの窒素原子に結合した水素原子をグリシジル基に置換した構造を有するポリエポキシドである。また、環式脂肪族ポリエポキシドは、環の隣接した炭素原子間に酸素原子が結合した脂環族炭化水素基(2,3−エポキシシクロヘキシル基等)を有するポリエポキシドである。
このような各種ポリエポキシドのうちでも、第1のポリエポキシド成分を構成するポリエポキシドとしては、芳香核を有しないポリエポキシドが、得られる硬化エポキシ樹脂において高い吸水性が得られる点から好ましい。芳香核を有するポリエポキシド、たとえば、ポリフェノール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドを用いて得られる硬化エポキシ樹脂は、芳香核が硬質であることに起因して、3次元網目構造中に水分が取り込まれにくく、吸水性が低くなっていると考えられる。
芳香核を有しないポリエポキシドとして具体的には、ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシド、グリシジルエステル系ポリエポキシド、グリシジルアミン系ポリエポキシド、および環式脂肪族ポリエポキシドのうち芳香核を有しないポリエポキシドが挙げられるが、本発明においてはこれらのうちでも特に、芳香核を有しないポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドが好ましい。
芳香核を有しないポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドの原料ポリオールとしては、脂肪族ポリオールや脂環族ポリオール等の芳香核を有しないポリオールがあり、その1分子当たりの水酸基の数は2〜10個が好ましく、より好ましい水酸基数は、上記高分子量ポリエポキシドおよび低分子量ポリエポキシドにおいてそれぞれ好ましいエポキシ基の数として挙げた数である。以下このような芳香核を有しないポリオールを脂肪族/脂環族ポリオールという。脂肪族/脂環族ポリオールとしては、アルカンポリオール、エーテル性酸素原子含有ポリオール、糖アルコール、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール等がある。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、アルカンポリオール、エーテル性酸素原子含有ポリオール、糖アルコール等の比較的低分子量のポリオールに、プロピレンオキシド、エチレンオキシド等のモノエポキシドを開環付加重合して得られる。ポリエステルポリオールは、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸が縮合した構造を有する化合物や環状エステルが開環重合した構造を有する化合物等がある。
上記本発明に好ましく用いられる脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドとして、具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレンジオールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレントリオールトリグリシジルエーテル、ポリ(オキシプロピレン・オキシエチレン)トリオールトリグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらのうちでも、さらに好ましく用いられる脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドは、1分子当たり平均のグリシジルオキシ基の数が好ましくは2〜10個の、より好ましくは、上記高分子量ポリエポキシドおよび低分子量ポリエポキシドにおいてそれぞれ好ましいエポキシ基の数として挙げた数のポリエポキシドである。
このようなポリエポキシドとしては、たとえば、トリオールのトリグリシジルエーテル、テトラオールのテトラグリシジルエーテル、トリオールのトリグリシジルエーテルと同じトリオールのジグリシジルエーテルとの混合物、テトラオールのテトラグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテルおよびジグリシジルエーテルの混合物、トリオールのトリグリシジルエーテルとジオールのジグリシジルエーテルとの混合物等が挙げられる。より具体的には、1分子当たり平均のグリシジルオキシ基の数が、好ましくは2〜10個の、より好ましくは、上記高分子量ポリエポキシドおよび低分子量ポリエポキシドにおいてそれぞれ好ましいエポキシ基の数として挙げた数の、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシド以外の芳香核を有しないポリエポキシドとしては、環式脂肪族ポリエポキシドである、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。
これらのうちでも、低分子量ポリエポキシドとしては、脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドであるグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が本発明において特に好ましく用いられる。さらに、低分子量ポリエポキシドにおける1分子当たり平均のグリシジルオキシ基の数は2〜8であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。上記低分子量ポリエポキシドとして好ましい分子量とこの1分子当たりの平均エポキシ基数との関係を示す、低分子量ポリエポキシドのエポキシ当量(1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数[g/eq])としては、120〜200g/eqであることが好ましく、120〜180g/eqであることがより好ましい。
また、高分子量ポリエポキシドとしては、脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドであるポリエチレングリコールポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールソルビトールポリグリシジルエーテル等が本発明において特に好ましく用いられる。さらに、高分子量ポリエポキシドにおける1分子当たり平均のグリシジルオキシ基の数は3〜8であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。また、上記低分子量ポリエポキシドと同様に算出される高分子量ポリエポキシドのエポキシ当量としては、140〜200g/eqであることが好ましく、150〜190g/eqであることがより好ましい。
本発明に用いる第1の硬化エポキシ樹脂の原料成分である上記第1のポリエポキシド成分は、上記高分子量ポリエポキシドの少なくとも1種と、上記低分子量ポリエポキシドの少なくとも1種とから構成される。第1のポリエポキシド成分における低分子量ポリエポキシド:高分子量ポリエポキシドで示される質量比は、30:70〜70:30であるが、好ましくは40:60〜70:30、より好ましくは40:60〜60:40である。上記第1のポリエポキシド成分を構成する両ポリエポキシドの質量比を上記範囲とすることで、第1の硬化エポキシ樹脂は十分な耐摩耗性等の耐久性と良好な外観をともに確保することが可能となる。
ここで、本発明に用いる上記第1のポリエポキシド成分を構成する低分子量ポリエポキシドと高分子量ポリエポキシドの好ましい組合せとして、具体的には、低分子量ポリエポキシドが分子量200〜800であり、1分子当たり平均のエポキシ基の個数が2〜4である、エポキシ当量120〜180g/eqの、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルおよびソルビトールポリグリシジルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種と、高分子量ポリエポキシドが分子量900〜2000であり、1分子当たり平均のエポキシ基の個数が3〜6である、エポキシ当量150〜190g/eqの、ポリエチレングリコールポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルおよび、ポリエチレングリコールソルビトールポリグリシジルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種との組合せであって、低分子量ポリエポキシド:高分子量ポリエポキシドの質量比が40:60〜60:40である組合せが挙げられる。
なお、上記第1のポリエポキシド成分を構成する低分子量ポリエポキシドおよび高分子量ポリエポキシドはともに市販品を用いることが可能である。このような市販品として、具体的には、ナガセケムテックス社製のいずれも商品名で、低分子量ポリエポキシドとして、グリセリンポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−313(Mw:383、平均エポキシ基数:2.0個/分子)、デナコールEX−314(Mw:454、平均エポキシ基数:2.3個/分子)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−512(Mw:630、平均エポキシ基数:4.1個/分子)等が挙げられる。
また、同様にナガセケムテックス社製のいずれも商品名で、高分子量ポリエポキシドとして、脂肪族ポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−1410(Mw:988、平均エポキシ基数:3.5個/分子)、デナコールEX−1610(Mw:1130、平均エポキシ基数:4.5個/分子)、デナコールEX−610U(Mw:1408、平均エポキシ基数:4.5個/分子)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−521(Mw:1294、平均エポキシ基数:6.3個/分子)等が挙げられる。
ソルビトールポリグリシジルエーテルとして、デナコールEX−622(Mw:930、平均エポキシ基数:4.9個/分子)等が挙げられる。
ソルビトールポリグリシジルエーテルとして、デナコールEX−622(Mw:930、平均エポキシ基数:4.9個/分子)等が挙げられる。
(第1の硬化剤)
吸水性樹脂層を主として構成する第1の硬化エポキシ樹脂は、上記第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂である。
第1の硬化剤としては、ポリエポキシドが有するエポキシ基と反応する反応性基を2個以上有する化合物であって、反応によりポリエポキシドに重付加するタイプの重付加型硬化剤を用いることが好ましい。また、この重付加型硬化剤に加えて、ルイス酸等の反応触媒であって、ポリエポキシド同士の重合反応を触媒する触媒型硬化剤を併用することがより好ましい。
一部の触媒型硬化剤には、重付加型硬化剤の架橋進行を加速する効果があることと、一部の重付加型硬化剤で形成される架橋部位における不具合を低減することが、期待されるためである。不具合の一例としては、熱負荷による架橋部位の変質で、硬化エポキシ樹脂の発色が挙げられる。
吸水性樹脂層を主として構成する第1の硬化エポキシ樹脂は、上記第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂である。
第1の硬化剤としては、ポリエポキシドが有するエポキシ基と反応する反応性基を2個以上有する化合物であって、反応によりポリエポキシドに重付加するタイプの重付加型硬化剤を用いることが好ましい。また、この重付加型硬化剤に加えて、ルイス酸等の反応触媒であって、ポリエポキシド同士の重合反応を触媒する触媒型硬化剤を併用することがより好ましい。
一部の触媒型硬化剤には、重付加型硬化剤の架橋進行を加速する効果があることと、一部の重付加型硬化剤で形成される架橋部位における不具合を低減することが、期待されるためである。不具合の一例としては、熱負荷による架橋部位の変質で、硬化エポキシ樹脂の発色が挙げられる。
重付加型硬化剤における、上記エポキシ基と反応する反応性基としては、活性水素を有するアミノ基、カルボキシル基、チオール基等が挙げられる。すなわち、重付加型硬化剤としては、活性水素を有する2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、または2個以上のチオール基を有する化合物が好ましく、より好ましくは上記活性水素を有するアミノ化合物が用いられる。このような反応基を2個以上有する化合物として、具体的には、ポリアミン類、ポリカルボン酸無水物、ポリアミド類、ポリチオール類等が挙げられるが、本発明においては、ポリアミン類またはポリカルボン酸無水物が好ましく用いられる。
上記の通り、本発明における吸水性樹脂層の主体である第1の硬化エポキシ樹脂に用いる、第1のポリエポキシド成分は、高い吸水性が得られる観点から、芳香核を有しない上記2種の分子量のポリエポキシドからなることが好ましい。これと同じ理由で、第1の硬化エポキシ樹脂の反応性原料のひとつである重付加型硬化剤もまた芳香核を有しない化合物であることが好ましい。すなわち、上記第1のポリエポキシド成分が芳香核を有しない化合物で構成されていても、用いる重付加型硬化剤が芳香核を有していれば、その重付加型硬化剤からなる第1の硬化剤との組み合わせから得られる硬化エポキシ樹脂は、比較的多くの芳香核を有する硬化エポキシ樹脂となり、それにより吸水性が不十分となるおそれがある。
したがって、第1の硬化剤として用いる重付加型硬化剤は、芳香核を有しないポリアミン類またはポリカルボン酸無水物が好ましく、特に芳香核を有しないポリアミン類が好ましい。ポリアミン類としては活性水素を有するアミノ基を2〜4個有するポリアミン類が好ましく、ポリカルボン酸無水物としては、ジカルボン酸無水物、トリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸無水物が好ましい。
芳香核を有しないポリアミン類としては、脂肪族ポリアミン化合物や脂環式ポリアミン化合物が挙げられる。これらのポリアミン類として、具体的には、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンポリアミンは、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基がアミノ基に置換された構造を有するポリアミンであり、たとえば、2〜4個の水酸基を有するポリオキシプロピレンポリオールの水酸基を、活性水素を有するアミノ基に置換した構造を有する2〜4個のアミノ基を有する化合物がある。そのアミノ基1個当たりの分子量は1000以下が好ましく、特に500以下が好ましい。
芳香核を有しないポリカルボン酸無水物としては、たとえば、無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
芳香核を有しないポリカルボン酸無水物としては、たとえば、無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
また、第1の硬化剤において、上記重付加型硬化剤とともに用いることが好ましい触媒型硬化剤としては、3級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸類、オニウム塩類、ジシアンジアミド類、有機酸ジヒドラジド類、ホスフィン類等の硬化触媒が挙げられる。このような触媒型硬化剤として、具体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
ここで、上記第1の硬化剤が含有する触媒型硬化剤は、以下に説明する通り、第1のポリエポキシド成分に対する使用量が少ないことにより、芳香核を有する化合物であっても得られる硬化エポキシ樹脂の吸水性に与える影響はほとんどないことから、芳香核を有する化合物であってもよい。なお、上記触媒型硬化剤として例示した、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のオニウム塩は、紫外線等の光により分解してルイス酸触媒を発生する触媒型硬化剤であり、通常、光硬化性の硬化エポキシ樹脂を与える触媒型硬化剤として用いられる。
これらのうちでも、本発明において上記重付加型硬化剤、好ましくは芳香核を有しないポリアミン類、とともに用いる触媒型硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が好ましい。
本発明に用いる第1の硬化エポキシ樹脂の原料成分である上記第1のポリエポキシド成分と上記第1の硬化剤の配合割合は、第1の硬化剤として重付加型硬化剤を用いる場合、第1のポリエポキシド成分由来のエポキシ基に対する重付加型硬化剤の反応性基の当量比が0.8〜1.2程度になる割合であることが好ましく、1.0〜1.1程度がより好ましい。エポキシ基に対する重付加型硬化剤の反応性基の当量比が上記範囲であれば、耐摩耗性などの耐久性が低下することなしに上記吸水性を有するように適度に架橋した3次元網目構造を有する硬化エポキシ樹脂が得られる。
また、本発明において上記第1の硬化剤として重付加型硬化剤である活性水素を有するアミノ化合物を用いる場合には、第1のポリエポキシド成分由来のエポキシ基に対するアミン活性水素の当量比が0.5〜1.5になる割合となるように用いることが好ましく、0.6〜0.8になる割合となるように用いることがより好ましい。上記同様、エポキシ基に対するアミン活性水素の当量比が上記範囲であれば、著しく黄変することなしに上記吸水性を有するように適度に架橋した3次元網目構造を有する硬化エポキシ樹脂が得られる。
ここで、第1のポリエポキシド成分に対する第1の硬化剤として用いる重付加型硬化剤の質量割合が多くなりすぎると得られる第1の硬化エポキシ樹脂の物性が不十分となるおそれがあることから、第1のポリエポキシド成分に対する重付加型硬化剤の割合は40質量%以下であることが好ましい。
第1の硬化剤として重付加型硬化剤に加えてイミダゾール化合物等の触媒型硬化剤を用いる場合の触媒型硬化剤の使用量は、第1のポリエポキシド成分に対して1.0〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。第1のポリエポキシド成分に対する触媒型硬化剤の使用量を1.0質量%以上とすれば、反応が十分に進行し、得られる第1の硬化エポキシ樹脂において十分な吸水性や耐久性が実現できる。また、第1のポリエポキシド成分に対する触媒型硬化剤の使用量が20質量%以下であれば、得られる第1の硬化エポキシ樹脂中に触媒型硬化剤の残渣が存在して硬化エポキシ樹脂が黄変する等の外観上の問題の発生を抑制しやすい。
なお、第1の硬化剤として重付加型硬化剤に加えて触媒型硬化剤を用いる場合には、重付加型硬化剤の第1のポリエポキシド成分に対する使用割合は、触媒型硬化剤を上記の割合で用いた場合に、エポキシ基に対する重付加型硬化剤の反応性基の当量比を上記0.5〜1.0よりも10〜50%程度少なくしてよい。
上記のような第1の硬化剤は市販品を用いることも可能である。第1の硬化剤の市販品として、具体的には、重付加型硬化剤であるポリオキシアルキレントリアミンとして、ジェファーミンT403(商品名、ハンツマン社製)等が挙げられる。また、光硬化型の触媒型硬化剤であるトリアリールスルホニウム塩として、アデカオプトマーSP152(商品名、ADEKA社製)等が挙げられる。
(吸水性樹脂層形成用組成物)
本発明の防曇性物品の防曇膜における吸水性樹脂層は、上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層である。
本発明の防曇性物品の防曇膜における吸水性樹脂層は、上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層である。
吸水性樹脂層形成用組成物が含有する上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤については、用いられる化合物および組合せる際の割合等、好ましい態様を含めて上記の通りである。吸水性樹脂層形成用組成物は、上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤の他に、通常、溶剤を含有する。また、必要に応じて、これら以外の反応性添加剤、非反応性添加剤を含有する。
通常、上記第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂を得るための上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤の反応は、吸水性樹脂層形成用組成物として塗布面(下地樹脂層上)に塗布後行われるが、上記組成物が溶剤を含む場合には、塗布面に塗布する前の組成物中でこれら成分を予めある程度反応させ、その後塗布面に塗布し、乾燥後、さらに反応させてもよい。このように吸水性樹脂層形成用組成物として溶剤中で、第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤とを予めある程度反応させる場合には、予め反応させるときの反応温度は、30℃以上とすれば硬化反応が確実に進行するため好ましい。
上記吸水性樹脂層形成用組成物に用いる溶剤としては、第1のポリエポキシド成分、第1の硬化剤、その他任意成分を含む配合成分についての溶解性が良好な溶剤であり、かつこれらの配合成分に対して不活性な溶剤であれば特に限定されず、具体的には、アルコール類、酢酸エステル類、エーテル類、ケトン類、水等が挙げられる。
なお、溶剤としてプロトン性溶剤を用いると、第1のポリエポキシド成分の種類によっては溶剤とエポキシ基とが反応して硬化エポキシ樹脂が形成されにくい場合がある。したがって、プロトン性溶剤を使用する場合は、第1のポリエポキシド成分と反応し難い溶剤を選択することが好ましい。使用可能なプロトン性溶剤としてはエタノール、イソプロパノール等が挙げられる。また、それ以外の溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましい。
これら溶剤は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、第1のポリエポキシド成分や第1の硬化剤等の配合成分は溶剤との混合物として用意される場合がある。このような場合には、該混合物中に含まれる溶剤をそのまま、吸水性樹脂層形成用組成物における溶剤として用いてもよく、さらに吸水性樹脂層形成用組成物にはそれ以外に同種のあるいは他の溶剤を加えてもよい。
また、吸水性樹脂層形成用組成物における溶剤の量は、第1のポリエポキシド成分や第1の硬化剤、その他任意に配合される各種配合成分における全固形分の合計質量100質量部に対して100〜500質量部であることが好ましく、200〜350質量部がより好ましい。
ここで、吸水性樹脂層形成用組成物における第1のポリエポキシド成分および第1の硬化剤の配合量は、第1のポリエポキシド成分については組成物全量に対して15〜30質量%であることが好ましく、第1の硬化剤については組成物全量に対して3〜20質量%であることが好ましい。なお、第1の硬化剤として、重付加型硬化剤と触媒型硬化剤を用いる場合にはその合計量が組成物全量に対して3〜16質量%であることが好ましい。
第1の硬化剤における重付加型硬化剤と触媒型硬化剤の配合割合は、用いる硬化剤の種類による。たとえば、上記第1の硬化剤として、活性水素を有するアミン化合物(重付加型硬化剤)とイミダゾール化合物(触媒型硬化剤)を組合せて用いる場合には、吸水性樹脂層形成用組成物全量に対して、活性水素を有するアミン化合物を3〜15質量%の割合で、イミダゾール化合物を0.1〜1.0質量%の割合で配合することが好ましい。このような配合割合とすることで、上記重付加型硬化剤と触媒型硬化剤のもつ利点がともに効果的に発揮されうる。
吸水性樹脂層形成用組成物が任意に含有する添加剤のうち反応性添加剤としては、アルキルモノアミン等のエポキシ基と反応性の反応性基を1個有する化合物、エポキシ基やアミノ基を有するカップリング剤等が挙げられる。吸水性樹脂層形成用組成物においてカップリング剤は、吸水性樹脂層と下地樹脂層との密着性、あるいは、吸水性樹脂層とその上に必要に応じて積層される後述の機能層との密着性を向上させる目的で配合される成分であり、配合することが好ましい成分のひとつである。
用いるカップリング剤としては、有機金属系カップリング剤または多官能の有機化合物が好ましい。有機金属系カップリング剤としては、たとえば、シラン系カップリング剤(以下、シランカップリング剤という。)、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤が挙げられ、シランカップリング剤が好ましい。これらカップリング剤は、第1のポリエポキシド成分や第1の硬化剤が有する反応性基および後述の下地樹脂層の表面に残存する反応性基と反応し得る反応性基を有することが好ましい。なお、このような反応性基を有することで各層間の密着性を向上させる目的以外に、吸水性樹脂層の物性を調整する目的でも使用できる。ここで、カップリング剤は金属原子−炭素原子間の結合を1個以上(好ましくは、1個または2個)有する化合物であることが好ましい。有機金属系カップリング剤としては、特にシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤は、ケイ素原子に1個以上の加水分解性基および1個以上の1価有機基(ただし、ケイ素原子に結合する末端は炭素原子である。)が結合している化合物であり、1価有機基の1個は機能性有機基(反応性基を有する有機基や疎水性等の特性を示す有機基)である。機能性有機基以外の有機基としては、炭素数4以下のアルキル基が好ましい。ケイ素原子に結合する加水分解性基は2個または3個であることが好ましい。シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
R3R4 cSiX2 3−c ……(1)
上記式(1)において、R3は1価の機能性有機基、R4は炭素数4以下のアルキル基、cは0または1の整数を表す。R4はメチル基またはエチル基であることが好ましく、特にメチル基が好ましい。X2は塩素原子、アルコキシ基、アシル基、アミノ基等の加水分解性基であり、特に炭素数4以下のアルコキシ基が好ましい。
上記式(1)において、R3は1価の機能性有機基、R4は炭素数4以下のアルキル基、cは0または1の整数を表す。R4はメチル基またはエチル基であることが好ましく、特にメチル基が好ましい。X2は塩素原子、アルコキシ基、アシル基、アミノ基等の加水分解性基であり、特に炭素数4以下のアルコキシ基が好ましい。
機能性有機基としてはポリフルオロアルキル基や炭素数6〜22の長鎖アルキル基等の疎水性を示す有機基であってもよい。機能性有機基としては好ましくは、付加重合性の不飽和基を有するアルケニル基または反応性基を有するアルキル基である。反応性基を有するアルキル基としては、反応性基を有する有機基で置換されたアルキル基であってもよい。このようなアルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基、水酸基、カルボキシル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。また、このような反応性基を有する有機基としては、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、N−アミノアルキル置換アミノ基等が挙げられる。これらのうちでも、反応性基がエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、またはウレイド基であるシランカップリング剤が好ましい。
このようなシランカップリング剤としては、たとえば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
これらのなかでも、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
本発明においては、これらのなかでも特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく用いられる。
吸水性樹脂層形成用組成物におけるカップリング剤の配合量は、必須の成分でないことから下限はない。しかし、カップリング剤配合の効果を十分に発揮させるためには、吸水性樹脂層形成用組成物における第1のポリエポキシド成分および第1の硬化剤の合計質量に対して、カップリング剤の質量割合が5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%がより好ましい。カップリング剤の配合量の上限は、カップリング剤の物性や機能によって制限される。上記第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層の密着性向上の目的で使用する場合は、第1のポリエポキシド成分および第1の硬化剤の合計質量に対するカップリング剤の質量割合が、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下がより好ましい。カップリング剤の使用量が過剰にならないようにすれば、高温に曝されたときに酸化等により第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂が着色するのを防ぐことができる。
なお、吸水性樹脂層形成用組成物全量に対するカップリング剤の配合量としては、たとえば、シランカップリング剤を用いた場合には、2〜10質量%であることが好ましく、3〜7質量%であることがより好ましい。
また、シランカップリング剤を含有する上記吸水性樹脂層形成用組成物における、特に好ましい組成について言えば、組成物全量に対して、第1のポリエポキシド成分を15〜30質量%、活性水素を有するアミン化合物を3〜15質量%、イミダゾール化合物を0.1〜1.0質量%、シランカップリング剤を2〜10質量%、および溶媒を50〜75質量%含む組成が挙げられる。
また、シランカップリング剤を含有する上記吸水性樹脂層形成用組成物における、特に好ましい組成について言えば、組成物全量に対して、第1のポリエポキシド成分を15〜30質量%、活性水素を有するアミン化合物を3〜15質量%、イミダゾール化合物を0.1〜1.0質量%、シランカップリング剤を2〜10質量%、および溶媒を50〜75質量%含む組成が挙げられる。
ここで、吸水性樹脂層形成用組成物がカップリング剤として、アミノ基を有するカップリング剤を含有する場合には、上記エポキシ基に対するアミン活性水素の当量比は、上記第1の硬化剤におけるアミン活性水素とカップリング剤が有するアミン活性水素を合わせて、上記第1のポリエポキシド成分の有するエポキシ基との当量比を算出し、上記好ましい範囲となるようにする。
同様に、吸水性樹脂層形成用組成物がカップリング剤として、エポキシ基を有するカップリング剤を含有する場合には、上記エポキシ基に対するアミン活性水素の当量比は、上記第1のポリエポキシド成分の有するエポキシ基とカップリング剤が有するエポキシ基を合わせて、上記第1の硬化剤におけるアミン活性水素との当量比を算出し、上記好ましい範囲となるようにする。
吸水性樹脂層形成用組成物は、さらに任意成分としてフィラーを含んでいることが好ましい。フィラーを含むことによって、形成される吸水性樹脂層の機械的強度、耐熱性を高めることができ、また硬化反応時の樹脂の硬化収縮を低減できる。このようなフィラーとしては、金属酸化物からなるフィラーが好ましい。金属酸化物としては、たとえば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアが挙げられ、なかでもシリカが好ましい。
また、上記のフィラーのほかに、ITO(Indium Tin Oxide)からなるフィラーも使用できる。ITOは赤外線吸収性を有するため、吸水性樹脂に熱線吸収性を付与できる。よって、ITOからなるフィラーを使用すれば、吸水性に加えて熱線吸収による防曇効果も期待できる。
吸水性樹脂層形成用組成物が含有するこれらフィラーは粒子状であることが好ましく、その平均粒子径は0.01〜0.3μmであり、0.01〜0.1μmであることが好ましい。また、フィラーの配合量は、第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤との合計質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましく、1〜3質量%がより好ましい。上記フィラーの配合量を0.5質量%以上とすれば、第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂の硬化収縮の低減効果の低下を抑え易い。また、フィラーの配合量を5質量%以下とすれば、吸水するための空間が十分に確保でき、防曇性能を高くし易い。
上記フィラーとして好ましく用いられるシリカ、より好ましくは、シリカ微粒子は、水またはメタノール、エタノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル等の有機溶媒中に分散されたコロイダルシリカとして吸水性樹脂層形成用組成物に配合することができる。コロイダルシリカとしては、水に分散されたシリカヒドロゾル、水が有機溶媒に置換されたオルガノシリカゾルがあるが、吸水性樹脂層形成用組成物に配合する場合には、この組成物に好ましく用いられる有機溶剤と同様の有機溶媒を分散媒として用いたオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。
このようなオルガノシリカゾルとしては、市販品を用いることが可能である。市販品としては、たとえば、粒子径10〜15nmのシリカ微粒子がイソプロパノールに、オルガノシリカゾル全体量に対するSiO2含有量として30質量%の割合で分散したオルガノシリカゾルIPA−ST(商品名、日産化学工業社製)、粒子径10〜15nmのシリカ微粒子が酢酸ブチルにオルガノシリカゾル全体量に対するSiO2含有量として30質量%の割合で分散したオルガノシリカゾルNBAC−ST(商品名、日産化学工業社製)等を挙げることができる。なお、シリカ微粒子としてコロイダルシリカを用いる場合には、吸水性樹脂層形成用組成物に配合する溶媒の量を、コロイダルシリカに含まれる溶媒量を勘案して、適宜調整する。
吸水性樹脂層形成用組成物は、さらに任意成分として、得られる吸水性樹脂層の耐候性を高めるために酸化防止剤を含むことが好ましい。熱や光に晒されて吸水性樹脂層を主として構成する第2の硬化エポキシ樹脂が酸化し変質がおこれば吸水性樹脂層に応力蓄積が発生しやすくなり、それにより容易に防曇膜の剥離がおこる。酸化防止剤を添加することにより、このような現象を抑制することが可能となる。
酸化防止剤としては、ペルオキシラジカルを捕捉、分解することで樹脂の酸化を抑制するタイプのフェノール系酸化防止剤、過酸化物を分解することで樹脂の酸化を抑制するタイプのリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられるが、本発明においてはフェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。
酸化防止剤としては、ペルオキシラジカルを捕捉、分解することで樹脂の酸化を抑制するタイプのフェノール系酸化防止剤、過酸化物を分解することで樹脂の酸化を抑制するタイプのリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられるが、本発明においてはフェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、通常、硬化エポキシ樹脂に配合される以下のフェノール系酸化防止剤が特に制限なく使用可能である。これらは、1種が単独で用いられてもよく、2種が併用されてもよい。
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−4−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等。
上記フェノール系酸化防止剤の市販品としては、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1135(商品名、チバ・ジャパン社製)、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−90(商品名、ADEKA社製)、SumilizerGA−80、SumilizerMDP−S、SumilizerBBM−S、SumilizerGM、SumilizerGS(F)、SumilizerGP(商品名、住友化学工業社製)等が挙げられる。
また、吸水性樹脂層形成用組成物に配合される酸化防止剤の量については、第1のポリエポキシド成分および第1の硬化剤の合計質量に対して、0.5〜2質量%が好ましく、1〜2質量%がより好ましい。
吸水性樹脂層形成用組成物には、必要に応じて、さらに、レベリング剤、消泡剤、粘性調整剤、光安定剤等を添加することができる。
上記レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサン系表面調整剤、アクリル系共重合物表面調整剤、フッ素変性ポリマー系表面調整剤等が、消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、界面活性剤,ポリエーテル,高級アルコール等の有機系消泡剤等が、粘性調整剤としては、アクリルコポリマー、ポリカルボン酸アマイド、変性ウレア化合物等が、光安定剤としては、ヒンダードアミン類、;ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、ニッケルコンプレクス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル錯体等が挙げられる。各成分はそれぞれに、例示した化合物の2種以上を併用してもよい。吸水性樹脂層形成用組成物中の各種成分の含有量は、それぞれの成分について、第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤との合計質量に対して、0.001〜10質量%とすることができる。
(吸水性樹脂層)
本発明の防曇性物品における吸水性樹脂層は、上記吸水性樹脂層形成用組成物が含有する上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤が反応して得られる、3次元網目構造を有する第1の硬化エポキシ樹脂を主体として構成され、上記説明した第1の硬化エポキシ樹脂の性質により、高吸水性を有するとともに耐摩耗性等の耐久性と良好な外観とを併せ持つ樹脂層である。なお、上記反応の条件については、後述の製造方法において説明する。
本発明の防曇性物品における吸水性樹脂層は、上記吸水性樹脂層形成用組成物が含有する上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤が反応して得られる、3次元網目構造を有する第1の硬化エポキシ樹脂を主体として構成され、上記説明した第1の硬化エポキシ樹脂の性質により、高吸水性を有するとともに耐摩耗性等の耐久性と良好な外観とを併せ持つ樹脂層である。なお、上記反応の条件については、後述の製造方法において説明する。
また、任意に添加されるシランカップリング剤等の反応性添加剤は、この第1の硬化エポキシ樹脂の3次元網目構造の一部に結合する形で吸水性樹脂層に存在し、さらに、それ以外に任意に添加される非反応性の添加剤は、上記第1の硬化エポキシ樹脂の3次元網目構造中に均一に分散・包含されて吸水性樹脂層に存在するものである。
[2−2]下地樹脂層
本発明の防曇性物品において上記基体の少なくとも一部の表面に形成される防曇膜を上記吸水性樹脂層とともに構成する下地樹脂層は、上記基体と吸水性樹脂層の間に形成される層であり、第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする上記吸水性樹脂層より低い吸水性を有する層である。以下、下地樹脂層における第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする樹脂を低吸水性樹脂ともいう。
本発明の防曇性物品において上記基体の少なくとも一部の表面に形成される防曇膜を上記吸水性樹脂層とともに構成する下地樹脂層は、上記基体と吸水性樹脂層の間に形成される層であり、第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする上記吸水性樹脂層より低い吸水性を有する層である。以下、下地樹脂層における第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする樹脂を低吸水性樹脂ともいう。
ここで、上記吸水性樹脂層において説明した通り、本明細書において、吸水性樹脂(高吸水性樹脂)と下地樹脂(低吸水性樹脂)の吸水性は相対的なものであり、これら樹脂における「高吸水性」および「低吸水性」は、閾値をもって高・低をいうものではない。
本発明の防曇性物品に設けられる下地樹脂層を構成する低吸水性樹脂の吸水性を具体的に示せば、上記吸水性樹脂層で説明した方法で測定される飽和吸水量が、20mg/cm3以下であることが好ましく、10mg/cm3以下であることがより好ましい。低吸水性樹脂の飽和吸水量を20mg/cm3以下とすることにより、上記説明した通り、基体と防曇膜、実際には基体と下地樹脂層との接着界面において膨張・収縮の程度差が小さくなり、基体から防曇膜が剥離するのを防ぐことが可能となる。その結果として、耐酸性・耐アルカリ性に優れる防曇性物品が得られる。一方、防曇膜内で下地樹脂層と吸水性樹脂層との膨張・収縮の程度差を小さくする観点から、下地樹脂層を構成する低吸水性樹脂の飽和吸水量は、1mg/cm3以上であるのが好ましく、3mg/cm3以上であるのがより好ましい。
本発明の防曇性物品に設けられる下地樹脂層の吸水性について、上記吸水性樹脂層で説明した吸水防曇性を指標として示せば、該吸水防曇性を10秒以下とすることができ、さらに好ましい態様では7秒以下とすることができ、特に好ましい態様では、3秒以下とすることができる。なお、上記飽和吸水量と同様、防曇膜内で下地樹脂層と吸水性樹脂層との膨張・収縮の程度差を小さくする観点から、吸水防曇性は1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましい。
上記下地樹脂層を構成する低吸水性樹脂の飽和吸水量と下地樹脂層の吸水防曇性との関係から、本発明の防曇性物品に係る下地樹脂層の膜厚は、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは3μm以上であり、さらに5μm以上が特に好ましい。下地樹脂層の膜厚が1μm以上であれば、基体から防曇膜が剥離するのを防ぐことが可能となり、結果として、耐酸性・耐アルカリ性に優れる防曇性物品が得られる。また、吸水性樹脂層の膨張・収縮に起因して界面に発生する応力を緩和するという理由からも、下地樹脂層の膜厚は、より好ましくは3μm以上であり、さらに5μm以上であることが特に好ましい。また、下地樹脂層の膜厚は、材料コスト低減と良品率向上の観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、さらに8μm以下が特に好ましい。
ここで、防曇性物品において下地樹脂層に求められる耐剥離性は用途により異なるため、求められる性能に即して適宜設計を変更すればよい。
ここで、防曇性物品において下地樹脂層に求められる耐剥離性は用途により異なるため、求められる性能に即して適宜設計を変更すればよい。
下地樹脂層を主として構成する硬化エポキシ樹脂は、第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂であり、下地樹脂層を上記吸水性に設計するための主成分である。
上記の通り、一般的に防曇性能を高くするには、硬化エポキシ樹脂のガラス転移点を低く制御し、耐久性を高めるには、硬化エポキシ樹脂のガラス転移点を高く制御することが好ましい。これらを考慮すると、低吸水性樹脂を主として構成する第2の硬化エポキシ樹脂のガラス転移点は、硬化エポキシ樹脂の種類にもよるが、40〜150℃であることが好ましく、40〜120℃であることがより好ましい。
上記吸水性樹脂層を主として構成する高吸水性の第1の硬化エポキシ樹脂のガラス転移点を上記範囲(−20〜60℃、好ましくは−5〜40℃)とし、さらに下地樹脂層を主として構成する低吸水性の第2の硬化エポキシ樹脂のガラス転移点を上記範囲で、かつ上記第1の硬化エポキシ樹脂のガラス転移点よりも高い温度とすれば、防曇性能と耐久性とを高いレベルで両立させ易い。下地樹脂層における第2の硬化エポキシ樹脂と吸水性樹脂における第1の硬化エポキシ樹脂のガラス転移点の差は10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
以下、下地樹脂層を主として構成する第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂について説明する。
(第2のポリエポキシド成分)
第2の硬化エポキシ樹脂の原料成分である第2のポリエポキシド成分としては、吸水性が上記好ましい範囲となるように、通常、硬化エポキシ樹脂の原料成分として用いられる上記第1のポリエポキシド成分で説明したグリシジルエーテル系ポリエポキシド、グリシジルエステル系ポリエポキシド、グリシジルアミン系ポリエポキシド、環式脂肪族ポリエポキシド等から適宜選択したポリエポキシドを用いることが可能である。上記第2のポリエポキシド成分として用いるポリエポキシドについて、その分子量は特に制限されないが、溶液塗布時の塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化などの外観不良回避の観点から、概ね500〜1000程度の分子量のポリエポキシドが好ましい。また、第2のポリエポキシド成分におけるポリエポキシドの1分子当たりのエポキシ基の数は、平均して2個以上であれば特に制限されないが、2〜10個であることが好ましく、2〜8個がより好ましく、2〜4個がさらに好ましい。
(第2のポリエポキシド成分)
第2の硬化エポキシ樹脂の原料成分である第2のポリエポキシド成分としては、吸水性が上記好ましい範囲となるように、通常、硬化エポキシ樹脂の原料成分として用いられる上記第1のポリエポキシド成分で説明したグリシジルエーテル系ポリエポキシド、グリシジルエステル系ポリエポキシド、グリシジルアミン系ポリエポキシド、環式脂肪族ポリエポキシド等から適宜選択したポリエポキシドを用いることが可能である。上記第2のポリエポキシド成分として用いるポリエポキシドについて、その分子量は特に制限されないが、溶液塗布時の塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化などの外観不良回避の観点から、概ね500〜1000程度の分子量のポリエポキシドが好ましい。また、第2のポリエポキシド成分におけるポリエポキシドの1分子当たりのエポキシ基の数は、平均して2個以上であれば特に制限されないが、2〜10個であることが好ましく、2〜8個がより好ましく、2〜4個がさらに好ましい。
第2のポリエポキシド成分としては、たとえば、上記第1のポリエポキシド成分において、好ましいポリエポキシドとして選択されていない、芳香核を有するポリエポキシドを選択することにより、得られる硬化エポキシ樹脂の吸水性を低くすることが可能である。
上記第2のポリエポキシド成分として使用可能な芳香核を有するポリエポキシドとして、好ましくは、フェノール性水酸基がグリシジルオキシ基に置換した構造のポリエポキシドが挙げられる。具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビス(4−グリシジルオキシフェニル)等のビスフェノール型ジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック型ジグリシジルエーテル類、クレゾールノボラック型ジグリシジルエーテル類、フタル酸ジグリシジルエステル等の芳香族ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル類等が挙げられる。これらの芳香核を有するポリエポキシドのうちでは、第2のポリエポキシド成分として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、またはビスフェノールFジグリシジルエーテルが好ましく用いられる。
また、芳香核を有しないポリエポキシドであっても架橋点の数を多くすれば、得られる硬化エポキシ樹脂が緻密な3次元網目構造となり、保水のための空間が小さくなるため吸水性が低くなると考えられる。
したがって、第2の硬化剤の種類や配合量を適宜選択することにより、上記第1のポリエポキシド成分において例示した芳香核を有しないポリエポキシドをそのまま第2のポリエポキシド成分として用いることが可能であり、第1のポリエポキシド成分として好ましいポリエポキシドが、第2のポリエポキシド成分としても好ましく用いられる。
なお、第2のポリエポキシド成分として特に好ましいポリエポキシドは、脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドに分類される、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等である。
なお、第2のポリエポキシド成分として特に好ましいポリエポキシドは、脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドに分類される、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等である。
なお、第2のポリエポキシド成分において、得られる第2の硬化エポキシ樹脂の架橋点の数を多くして吸水性を低く制御するためには、たとえば、第2のポリエポキシド成分が脂肪族/脂環族ポリオール類由来のグリシジルエーテル系ポリエポキシドである場合には、そのエポキシ当量は、100〜200g/eqであることが好ましく、100〜150g/eqであることがより好ましい。
なお、上記第2のポリエポキシド成分を構成するポリエポキシドについても、上記第1のポリエポキシド成分を構成するポリエポキシドと同様に市販品を用いることが可能である。このような市販品として、上記第1のポリエポキシド成分において記載した市販品以外に、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとして、jER828(商品名、三菱化学社製)、ビスフェノールFジグリシジルエーテルとして、アデカレジンEP4901(商品名、ADEKA社製)等が挙げられる。
(第2の硬化剤)
下地樹脂層を主として構成する第2の硬化エポキシ樹脂は、上記第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂である。
第2の硬化剤としては、上記第1の硬化剤と同様に重付加型硬化剤を用いることが好ましい。また、この重付加型硬化剤に触媒型硬化剤を併用することも可能である。
下地樹脂層を主として構成する第2の硬化エポキシ樹脂は、上記第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂である。
第2の硬化剤としては、上記第1の硬化剤と同様に重付加型硬化剤を用いることが好ましい。また、この重付加型硬化剤に触媒型硬化剤を併用することも可能である。
使用可能な重付加型硬化剤の種類は上記第1の硬化剤と同様である。すなわち、重付加型硬化剤としては、活性水素を有する2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、または2個以上のチオール基を有する化合物が好ましく、より好ましくは上記活性水素を有するアミノ化合物が用いられる。
ここで、第2の硬化剤としては、たとえば、上記第1の硬化剤において、好ましい硬化剤として選択されていない、芳香核を有する重付加型硬化剤を選択することにより、得られる硬化エポキシ樹脂の吸水性を低くすることが可能である。下地樹脂層に求められる吸水性の程度によるが、上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤のうち少なくともどちらか一方に芳香核を有する化合物を用いれば、得られる第2の硬化エポキシ樹脂の吸水性を上記所望の範囲とすることができる。
また、第2のポリエポキシド成分として芳香核を有しないポリエポキシドを用い、さらに第2の硬化剤として芳香核を有しない重付加型硬化剤を用いた場合であっても、上記通り架橋点が多くなるように組合せる等により、得られる第2の硬化エポキシ樹脂の吸水性を上記所望の範囲とすることができる。さらに、このようにして得られる芳香核を有しない第2の硬化エポキシ樹脂においては、芳香核を有する第2の硬化エポキシ樹脂に比べて耐候性の点で優れている。
上記芳香核を有しない重付加型硬化剤としては、上記第1の硬化剤において説明した芳香核を有しない重付加型硬化剤と同様な硬化剤を使用できる。また、芳香核を有する重付加型硬化剤としては、芳香核を有するポリアミン、芳香族ポリカルボン酸無水物等が挙げられる。具体的な芳香核を有するポリアミンとしては、たとえば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられ、芳香族ポリカルボン酸無水物としては、たとえば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
第2の硬化剤において必要に応じて使用可能な触媒型硬化剤についても、上記第1の硬化剤において説明した触媒型硬化剤と同様な硬化剤を使用できる。
第2の硬化剤において必要に応じて使用可能な触媒型硬化剤についても、上記第1の硬化剤において説明した触媒型硬化剤と同様な硬化剤を使用できる。
本発明に用いる第2の硬化エポキシ樹脂の原料成分である上記第2のポリエポキシド成分と上記第2の硬化剤の配合割合は、第2の硬化剤として重付加型硬化剤を用いる場合、第2のポリエポキシド成分由来のエポキシ基に対する重付加型硬化剤の反応性基の当量比が0.8〜1.5程度になる割合であることが好ましく、1.0〜1.5程度がより好ましい。エポキシ基に対する重付加型硬化剤の反応性基の当量比が上記範囲であれば、反応温度を上げて重付加反応を加速することなしに室温にて十分に多くの架橋点で架橋して緻密な3次元網目構造を有する上記第1の硬化エポキシ樹脂と比較して吸水性の低い第2の硬化エポキシ樹脂が得られる。
また、本発明において上記第2の硬化剤として重付加型硬化剤である活性水素を有するアミノ化合物を用いる場合には、第2のポリエポキシド成分由来のエポキシ基に対するアミン活性水素の当量比が0.5〜1.5になる割合となるように用いることが好ましく、1.2〜1.5になる割合となるように用いることがより好ましい。上記同様、エポキシ基に対するアミン活性水素の当量比が上記範囲であれば、反応温度を上げて重付加反応を加速することなしに十分に多くの架橋点で架橋して緻密な3次元網目構造を有する上記第1の硬化エポキシ樹脂と比較して吸水性の低い第2の硬化エポキシ樹脂が得られる。
また、第2のポリエポキシド成分に対する第2の硬化剤として用いる重付加型硬化剤の質量割合が多くなりすぎると、得られる第2の硬化エポキシ樹脂の物性が不十分となるおそれがあるので、第2のポリエポキシド成分に対する重付加型硬化剤の割合は40質量%以下であることが好ましい。
(下地樹脂層形成用組成物)
本発明の防曇性物品の防曇膜における下地樹脂層は、上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層である。
本発明の防曇性物品の防曇膜における下地樹脂層は、上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を反応させて得られる第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層である。
下地樹脂層形成用組成物が含有する上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤については、用いられる化合物および組合せる際の割合等、好ましい態様を含めて上記の通りである。下地樹脂層形成用組成物は、上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤の他に、通常、溶剤を含有する。また、必要に応じて、これら以外の反応性添加剤、非反応性添加剤を含有する。
ここで、下地樹脂層形成用組成物は上記吸水性樹脂層形成用組成物と同様、溶媒を含む組成物として塗布面に塗布する前の組成物中で上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤を予めある程度反応させ、その後塗布面に塗布し、乾燥後、さらに反応させてもよい。予め反応させる際の条件は上記吸水性樹脂層形成用組成物の場合と同様とできる。
上記下地樹脂層形成用組成物に用いる溶剤としては、第2のポリエポキシド成分、第2の硬化剤、その他任意成分を含む配合成分についての溶解性が良好な溶剤であり、かつこれらの配合成分に対して不活性な溶剤であれば特に限定されず、具体的には、上記吸水性樹脂層形成用組成物と同様の溶媒が挙げられる。溶媒の好ましい態様についても上記吸水性樹脂層形成用組成物と同様である。
また、下地樹脂層形成用組成物における溶剤の量は、第2のポリエポキシド成分や第2の硬化剤、その他任意に配合される各種配合成分における全固形分の合計質量100質量部に対して200〜950質量部であることが好ましく、400〜950質量部がより好ましい。
ここで、下地樹脂層形成用組成物における第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の配合量は、第2のポリエポキシド成分については組成物全量に対して4〜10質量%であることが好ましく、第2の硬化剤については組成物全量に対して0.1〜4.0質量%であることが好ましい。なお、第2の硬化剤として、重付加型硬化剤と触媒型硬化剤を用いる場合にはその合計量が組成物全量に対して0.1〜4.0質量%であることが好ましい。
下地樹脂層形成用組成物が任意に含有する反応性添加剤としては、上記吸水性樹脂層形成用組成物が任意に含有する反応性添加剤と同様の添加剤が挙げられる。反応性添加剤のうちでもカップリング剤は下地樹脂層形成用組成物において、下地樹脂層と基体との密着性および下地樹脂層と吸水性樹脂層との密着性を向上させる目的で配合される成分であり、配合することが好ましい成分のひとつである。
下地樹脂層形成用組成物に任意に配合されるカップリング剤については、用いられる化合物および好ましい態様を含めて、上記吸水性樹脂層形成用組成物に用いるカップリング剤と同様とすることができる。
また、下地樹脂層形成用組成物に配合されるカップリング剤の量については、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対して、カップリング剤の質量割合が5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
また、下地樹脂層形成用組成物に配合されるカップリング剤の量については、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対して、カップリング剤の質量割合が5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
カップリング剤の配合量の上限は、カップリング剤の物性や機能によって制限される。上記第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層の密着性向上の目的で使用する場合は、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対するカップリング剤の質量割合が、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましい。
一方、カップリング剤によって、または、第2の硬化剤とカップリング剤によって第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂の吸水性等の物性を調整する場合は、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対するカップリング剤の質量割合は、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。カップリング剤の使用量が過剰にならないようにすれば、高温に曝されたときに酸化等により第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂が着色するのを防ぐことができる。
一方、カップリング剤によって、または、第2の硬化剤とカップリング剤によって第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂の吸水性等の物性を調整する場合は、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対するカップリング剤の質量割合は、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。カップリング剤の使用量が過剰にならないようにすれば、高温に曝されたときに酸化等により第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂が着色するのを防ぐことができる。
なお、下地樹脂層形成用組成物全量に対するカップリング剤の配合量としては、たとえば、シランカップリング剤を用いた場合には、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、1〜2質量%であることがより好ましい。
ここで、シランカップリング剤を含有する上記下地樹脂層形成用組成物における、特に好ましい組成について言えば、組成物全量に対して、第2のポリエポキシド成分を4〜10質量%、活性水素を有するアミン化合物を0.1〜4.0質量%、シランカップリング剤を0.1〜4.0質量%、および溶媒を70〜95質量%含む組成が挙げられる。
ここで、シランカップリング剤を含有する上記下地樹脂層形成用組成物における、特に好ましい組成について言えば、組成物全量に対して、第2のポリエポキシド成分を4〜10質量%、活性水素を有するアミン化合物を0.1〜4.0質量%、シランカップリング剤を0.1〜4.0質量%、および溶媒を70〜95質量%含む組成が挙げられる。
また、下地樹脂層形成用組成物がカップリング剤として、アミノ基を有するカップリング剤やエポキシ基を有するカップリング剤を含有する場合には、上記エポキシ基に対するアミン活性水素の当量比は、これらを含めて算出したものを用い、これが上記範囲となるように各成分の配合量を調整することが好ましい。
下地樹脂層形成用組成物は、さらに任意成分として、テトラアルコキシシランおよび/またはそのオリゴマー(すなわち、その部分加水分解縮合物)を含有することが好ましい。テトラアルコキシシランおよび/またはそのオリゴマー(以下、テトラアルコキシシラン化合物という)を配合することにより、下地樹脂層形成用組成物の粘度が低下し、第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤との架橋反応が均一に行われる。また、基体および吸水性樹脂層との反応点が増えて、密着性が一層向上する。これにより、得られる下地性樹脂層の耐候性を高めることができる。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシシラン等が挙げられる。これらのうちでも、テトラメトキシシラン、またはテトラエトキシシランが好ましい。これらは、1種が単独で用いられてもよく、2種が併用されてもよい。さらに上記テトラアルコキシシランは、その2〜3個程度が部分加水分解(共)縮合して得られるオリゴマーとして下地樹脂層形成用組成物に配合してもよく、テトラアルコキシシランとそのオリゴマーの混合物として下地樹脂層形成用組成物に配合してもよい。
下地樹脂層形成用組成物に配合されるテトラアルコキシシランおよび/またはそのオリゴマーの量については、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対して、10〜40質量%が好ましく、25〜35質量%がより好ましい。
下地樹脂層形成用組成物は、さらに任意成分として、得られる下地樹脂層の耐候性を高めるために酸化防止剤を含むことが、上記吸水性樹脂層形成用組成物と同様の理由により好ましい。
下地樹脂層形成用組成物に任意に配合される酸化防止剤については、用いられる化合物および好ましい態様を含めて、上記吸水性樹脂層形成用組成物に用いる酸化防止剤と同様とすることができる。
また、下地樹脂層形成用組成物に配合される酸化防止剤の量については、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対して、0.5〜3質量%であることが好ましく、1〜2質量%がより好ましい。
下地樹脂層形成用組成物に任意に配合される酸化防止剤については、用いられる化合物および好ましい態様を含めて、上記吸水性樹脂層形成用組成物に用いる酸化防止剤と同様とすることができる。
また、下地樹脂層形成用組成物に配合される酸化防止剤の量については、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤の合計質量に対して、0.5〜3質量%であることが好ましく、1〜2質量%がより好ましい。
また、下地樹脂層形成用組成物についても、必要に応じて、さらに、上記吸水性樹脂層形成用組成物が含有するのと同様の、フィラー、レベリング剤、消泡剤、粘性調整剤、光安定剤等を同様の量添加することができる。
(下地樹脂層)
本発明の防曇性物品における下地樹脂層は、上記下地樹脂層形成用組成物が含有する上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤が反応して得られる、3次元網目構造を有する第2の硬化エポキシ樹脂を主体として構成され、上記説明した第2の硬化エポキシ樹脂の性質により、吸水性樹脂層よりも低い吸水性を有するとともに基体との密着性および吸水性樹脂層との密着性が十分確保され耐剥離性に優れる樹脂層である。なお、上記反応の条件については、後述の製造方法において説明する。
本発明の防曇性物品における下地樹脂層は、上記下地樹脂層形成用組成物が含有する上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤が反応して得られる、3次元網目構造を有する第2の硬化エポキシ樹脂を主体として構成され、上記説明した第2の硬化エポキシ樹脂の性質により、吸水性樹脂層よりも低い吸水性を有するとともに基体との密着性および吸水性樹脂層との密着性が十分確保され耐剥離性に優れる樹脂層である。なお、上記反応の条件については、後述の製造方法において説明する。
また、任意に添加されるシランカップリング剤等の反応性添加剤は、この第2の硬化エポキシ樹脂の3次元網目構造の一部に結合する形で下地樹脂層に存在し、さらに、それ以外に任意に添加される非反応性の添加剤は、上記第2の硬化エポキシ樹脂の3次元網目構造中に均一に分散・包含されて下地樹脂層に存在するものである。
(防曇膜)
本発明の防曇性物品における防曇膜は、基体側から順に上記下地樹脂層と吸水性樹脂層を積層した構成を有する。上記構成を有することで基体上に形成された防曇膜は、優れた防曇性、耐摩耗性、耐剥離性等の耐久性に加えて外観にも優れる。
本発明の防曇性物品における防曇膜の吸水性を具体的に示せば、上記吸水性樹脂層で説明した方法で測定される飽和吸水量を200mg/cm3以上とすることができ、さらに好ましい態様では300mg/cm3以上とすることができる。
本発明の防曇性物品における防曇膜は、基体側から順に上記下地樹脂層と吸水性樹脂層を積層した構成を有する。上記構成を有することで基体上に形成された防曇膜は、優れた防曇性、耐摩耗性、耐剥離性等の耐久性に加えて外観にも優れる。
本発明の防曇性物品における防曇膜の吸水性を具体的に示せば、上記吸水性樹脂層で説明した方法で測定される飽和吸水量を200mg/cm3以上とすることができ、さらに好ましい態様では300mg/cm3以上とすることができる。
さらに、本発明の防曇性物品における防曇膜の吸水性については、20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した防曇性物品の防曇膜表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇りが認められるまでの防曇時間(秒)を測定した際の時間、すなわち吸水防曇性として、30秒以上とすることができ、さらに好ましい態様では50秒以上とすることができ、特に好ましい態様では、100秒以上とすることができる。ここで、防曇性物品の求められる防曇性能は用途により異なるため、求められる性能に即して適宜設計を変更すればよい。
なお、防曇加工を行っていないソーダライムガラスは、通常、上記試験で概ね1〜3秒で曇りを生じる。
なお、防曇加工を行っていないソーダライムガラスは、通常、上記試験で概ね1〜3秒で曇りを生じる。
また、上記防曇膜の耐候試験による耐剥離性については、2mm厚のガラス基板の片面上に形成され、JIS D0205(WAL−1H)に準拠して、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機を用いて、前記ガラス基板の防曇膜を有しない非膜面側からガラス基材を介して160時間の光照射が施された後、さらに85℃90%RHの恒温恒湿槽内に500時間保持された後の該防曇膜表面をエタノールにより洗浄した際に、剥離、クラックおよび白化を生じることがないようにすることができる。
また、本発明の防曇性物品における防曇膜は、基体側から積層された下地樹脂層、吸水性樹脂層の上にさらに、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、各種機能膜を有してもよい。このような機能膜として、具体的には、防曇膜に耐汚染性を付与する防汚層、紫外線遮蔽層、赤外線吸収層等が挙げられる。
<防曇性物品の製造方法>
本発明の防曇性物品の防曇膜は、基体側から下地樹脂層および吸水性樹脂層が順に積層された構成を有する。このような防曇膜は、具体的には以下の(1)または(2)の方法で形成することができる。
本発明の防曇性物品の防曇膜は、基体側から下地樹脂層および吸水性樹脂層が順に積層された構成を有する。このような防曇膜は、具体的には以下の(1)または(2)の方法で形成することができる。
(1)基体表面に下地樹脂層形成用組成物を塗布、反応させて下地樹脂層を形成し、ついで、下地樹脂層表面に吸水性樹脂層形成用組成物を塗布、反応させて吸水性樹脂層を形成させて防曇膜を得る方法
(2)吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて吸水性樹脂とする際に、フィルム状、すなわち吸水性樹脂層の形に成形し、基体表面と該フィルム(吸水性樹脂層)とを、下地樹脂層形成用組成物を接着剤として用いて、両者の間に接着層である下地樹脂層を形成することで結合させて、基体表面側から下地樹脂層と吸水性樹脂層が積層された防曇膜を得る方法
(2)吸水性樹脂層形成用組成物を反応させて吸水性樹脂とする際に、フィルム状、すなわち吸水性樹脂層の形に成形し、基体表面と該フィルム(吸水性樹脂層)とを、下地樹脂層形成用組成物を接着剤として用いて、両者の間に接着層である下地樹脂層を形成することで結合させて、基体表面側から下地樹脂層と吸水性樹脂層が積層された防曇膜を得る方法
なお、(2)の方法においては、フィルム状の吸水性樹脂(吸水性樹脂層)を離型性のある支持体上に形成し、これを支持体から離して基体表面に下地樹脂層形成用組成物を接着剤として用いて貼り合わせることも可能であるが、フィルム状の吸水性樹脂(吸水性樹脂層)をこの支持体とともに基体表面に下地樹脂層形成用組成物を接着剤として用いて貼り付ける方法が好ましい。用いる支持体としては、本発明の効果を損ねないものであれば特に制限されないが、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂のフィルム等が好ましく用いられる。
本発明においてはこれらの防曇膜の形成方法のなかでも、大面積の基体表面に下地樹脂層や吸水性樹脂層を設ける場合や工業的量産の際に良好な外観を維持できることから(1)の方法がより好ましい。
以下(1)の方法による本発明の防曇性物品の製造方法について説明する。
以下(1)の方法による本発明の防曇性物品の製造方法について説明する。
本発明の防曇性物品の製造方法は、(A)第2のポリエポキシド成分と、第2の硬化剤とを含む下地樹脂層形成用組成物を基体表面に塗布し反応させることにより第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層を形成する工程と、(B)前記下地樹脂層の表面に、分子量200〜800の低分子量ポリエポキシドと分子量900〜2000の高分子量ポリエポキシドからなり前記低分子量ポリエポキシド:前記高分子量ポリエポキシドの質量比が30:70〜70:30である第1のポリエポキシド成分と、第1の硬化剤とを含む吸水性樹脂層形成用組成物を塗布し反応させることにより第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
下地樹脂層形成用組成物および吸水性樹脂層形成用組成物がそれぞれ含有する成分については上述の通りであり、これら成分を通常の方法でそれぞれ混合することで上記2種の組成物が得られる。
上記工程(A)において、基体上に下地樹脂層を形成するために、上記で得られた下地樹脂層形成用組成物を基体の塗布面に塗布する方法としては、特に限定されないが、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、ダイコート法、ワイプ法等の公知の方法が挙げられる。下地樹脂層形成用組成物の塗布厚は、該組成物中の反応成分が反応して最終的に得られる下地樹脂層の厚さが上記範囲となるような厚さとする。
上記工程(A)において、基体上に下地樹脂層を形成するために、上記で得られた下地樹脂層形成用組成物を基体の塗布面に塗布する方法としては、特に限定されないが、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、ダイコート法、ワイプ法等の公知の方法が挙げられる。下地樹脂層形成用組成物の塗布厚は、該組成物中の反応成分が反応して最終的に得られる下地樹脂層の厚さが上記範囲となるような厚さとする。
基体上に下地樹脂層形成用組成物を塗布した後は、必要に応じて乾燥により溶媒を除去し、用いる反応成分に合わせた条件で硬化処理を行い第2の硬化エポキシ樹脂を主体とする下地樹脂層とする。乾燥により溶媒を除去する条件として、具体的には、50〜90℃、5〜15分間が挙げられる。また、下地樹脂層形成用組成物における反応成分、すなわち、上記第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤の反応条件として、具体的には、70〜150℃、1〜60分間程度の熱処理が挙げられる。また、UV硬化性の光硬化性樹脂を用いた場合には、UV硬化装置等で100〜500mJ/cm2のUV照射を1〜5秒間行う等の処理が挙げられる。
ここで、本発明の製造方法においては、上記下地樹脂層形成用組成物の反応を、一定の加湿条件下で行うことが好ましい。上記反応を加湿条件下で行うことにより、同じ温度条件下で行う反応では、加湿しない場合に比べて反応時間を短縮させることができる。また同じ反応時間であれば、加湿することにより反応温度を低く設定しても反応を十分に実行することが可能となる。いずれの場合も、加湿条件下で上記反応を行うことは経済的に有利である。さらに、加湿条件下で上記反応を行うことで反応を層全体で均一に行うことが可能となり、下地樹脂層内における品質のばらつきが抑えられる。
加湿条件として、具体的には40〜80%RHが挙げられるが、50〜80%RHの条件がより好ましい。温度条件と合わせてより好ましい反応条件を示せば、50〜80%RH、70〜100℃、5〜30分間程度の反応条件が挙げられる。さらに好ましい条件として、50〜80%RH、80〜100℃、10〜30分間程度の反応条件が挙げられる。
上記工程(A)により基体上に形成された下地樹脂層の表面に、工程(B)において吸水性樹脂層形成用組成物を塗布する方法としては、上記下地樹脂層形成用組成物の塗布方法と同様とできる。吸水性樹脂層形成用組成物の塗布厚は、該組成物中の反応成分が反応して最終的に得られる吸水性樹脂層の厚さが上記範囲となるような厚さとする。
下地樹脂層上に吸水性樹脂層形成用組成物を塗布した後は、必要に応じて乾燥により溶媒を除去し、用いる反応成分に合わせた条件で硬化処理を行い第1の硬化エポキシ樹脂を主体とする吸水性樹脂層とする。乾燥により溶媒を除去する条件として、具体的には、50〜90℃、5〜15分間が挙げられる。また、吸水性樹脂層形成用組成物における反応成分、すなわち、上記第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤の反応条件として、具体的には、50〜120℃、10〜60分間程度の熱処理が挙げられる。また、UV硬化性の光硬化性樹脂を用いた場合には、UV硬化装置等で50〜1000mJ/cm2のUV照射を5〜10秒間行う等の処理が挙げられる。
ここで、本発明の製造方法においては、上記吸水性樹脂層形成用組成物の反応を、上記下地樹脂層形成用組成物の場合と同様に一定の加湿条件下で行うことが、上記理由により好ましい。加湿条件として、具体的には40〜80%RHが挙げられるが、50〜80%RHの条件がより好ましい。温度条件と合わせてより好ましい反応条件を示せば、50〜80%RH、70〜100℃、5〜30分間程度の反応条件が挙げられる。さらに好ましい条件として、50〜80%RH、80〜100℃、10〜30分間程度の反応条件が挙げられる。
このようにして上記工程(A)、工程(B)を経ることで、基体上に上記防曇膜が形成された本発明の防曇性物品が得られる。本発明の製造方法においては、上記工程(B)の後に、(C)得られた下地樹脂層および吸水性樹脂層付きの基体を温水に浸漬する工程をさらに有することが好ましい。浸漬の条件としては、下地樹脂層および吸水性樹脂層付きの基体に対して十分な量の40〜90℃の温水に、1〜20分間程度浸漬することが好ましく、50〜70℃の温水に、3〜5分間程度浸漬することがより好ましい。
この温水浸漬処理により、下地樹脂層および吸水性樹脂層に残存する余剰の反応性成分の除去が可能となり、これらが残存することにより発生する吸水防曇性低減等の問題や、ブリードアウトすることに起因する白化、表面凹凸化等の問題を解消することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、例1〜25が実施例であり、例26〜28が比較例である。
製造例に用いたポリエポキシドの物性について以下にまとめた。なお、デナコールはナガセケムテックス社の商品名である。
(1)低分子量ポリエポキシド
(1−1)グリセリンポリグリシジルエーテル
デナコールEX−313(Mw:383、平均エポキシ基数:2.0個/分子)、
デナコールEX−314(Mw:454、平均エポキシ基数:2.3個/分子)、
(1−2)ポリグリセリンポリグリシジルエーテル
デナコールEX−512(Mw:630、平均エポキシ基数:4.1個/分子)
(1)低分子量ポリエポキシド
(1−1)グリセリンポリグリシジルエーテル
デナコールEX−313(Mw:383、平均エポキシ基数:2.0個/分子)、
デナコールEX−314(Mw:454、平均エポキシ基数:2.3個/分子)、
(1−2)ポリグリセリンポリグリシジルエーテル
デナコールEX−512(Mw:630、平均エポキシ基数:4.1個/分子)
(2)高分子量ポリエポキシド
(2−1)脂肪族ポリグリシジルエーテル
デナコールEX−1410(Mw:988、平均エポキシ基数:3.5個/分子)、
デナコールEX−1610(Mw:1130、平均エポキシ基数:4.5個/分子)、
デナコールEX−610U(Mw:1408、平均エポキシ基数:4.5個/分子)、
(2−2)ポリグリセリンポリグリシジルエーテル
デナコールEX−521(Mw:1294、平均エポキシ基数:6.3個/分子)
(2−1)脂肪族ポリグリシジルエーテル
デナコールEX−1410(Mw:988、平均エポキシ基数:3.5個/分子)、
デナコールEX−1610(Mw:1130、平均エポキシ基数:4.5個/分子)、
デナコールEX−610U(Mw:1408、平均エポキシ基数:4.5個/分子)、
(2−2)ポリグリセリンポリグリシジルエーテル
デナコールEX−521(Mw:1294、平均エポキシ基数:6.3個/分子)
(3)第2のポリエポキシド成分として用いたポリエポキシド
(3−1)ソルビトールポリグリシジルエーテル
デナコールEX622(Mw:930、平均エポキシ基数:4.9個/分子)
(3−2)ビスフェノールAジグリシジルエーテル
jER828(商品名、三菱化学社製、Mw:340、平均エポキシ基数:約2個/分子)、
(3−3)ビスフェノールFジグリシジルエーテル
アデカレジンEP4901(商品名、ADEKA社製、Mw:320、平均エポキシ基数:約2個/分子)
(3−1)ソルビトールポリグリシジルエーテル
デナコールEX622(Mw:930、平均エポキシ基数:4.9個/分子)
(3−2)ビスフェノールAジグリシジルエーテル
jER828(商品名、三菱化学社製、Mw:340、平均エポキシ基数:約2個/分子)、
(3−3)ビスフェノールFジグリシジルエーテル
アデカレジンEP4901(商品名、ADEKA社製、Mw:320、平均エポキシ基数:約2個/分子)
各例における防曇性物品の評価は以下のように行った。
[膜厚の測定]
防曇性物品の断面像を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S4300)で撮影し、下地樹脂層および吸水性樹脂層の各層膜厚を測定した。
[膜厚の測定]
防曇性物品の断面像を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S4300)で撮影し、下地樹脂層および吸水性樹脂層の各層膜厚を測定した。
[吸水防曇性の評価]
20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した防曇性物品の防曇膜表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇りが認められるまでの防曇時間(秒)を測定した。通常の、防曇加工を行っていないソーダライムガラスは1〜2秒で曇りを生じた。求められる防曇性能は用途により異なる。本実施例では、実用上30秒以上の吸水防曇性が必要であり、50秒以上が好ましく、100秒以上がより好ましいものとする。
20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した防曇性物品の防曇膜表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇りが認められるまでの防曇時間(秒)を測定した。通常の、防曇加工を行っていないソーダライムガラスは1〜2秒で曇りを生じた。求められる防曇性能は用途により異なる。本実施例では、実用上30秒以上の吸水防曇性が必要であり、50秒以上が好ましく、100秒以上がより好ましいものとする。
[外観の評価]
防曇膜の外観について、以下の評価基準に基づき評価した。
○:塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化、塗膜にシワ発生、いずれの外観欠点も見られない。
×:塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化、塗膜にシワ発生、少なくともいずれかの外観欠点が見られた。
防曇膜の外観について、以下の評価基準に基づき評価した。
○:塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化、塗膜にシワ発生、いずれの外観欠点も見られない。
×:塗布液の濡れ広がりの不足、塗膜の凹凸化、塗膜にシワ発生、少なくともいずれかの外観欠点が見られた。
[耐剥離性の評価]
(1)蒸気暴露
防曇膜表面を、90℃の温水浴上に一定時間翳した後、エタノールにより膜表面を洗浄し、以下の評価基準に基づき評価した。
◎:1000時間の暴露で、膜の外観変化がみられなかった。
○:100時間の暴露で、膜の外観変化がみられなかった。
×:100時間の暴露で、膜の剥離・クラック・白化等の外観変化がみられた。
(1)蒸気暴露
防曇膜表面を、90℃の温水浴上に一定時間翳した後、エタノールにより膜表面を洗浄し、以下の評価基準に基づき評価した。
◎:1000時間の暴露で、膜の外観変化がみられなかった。
○:100時間の暴露で、膜の外観変化がみられなかった。
×:100時間の暴露で、膜の剥離・クラック・白化等の外観変化がみられた。
(2)耐候性
防曇性物品(単板ガラス:2mm厚)を、JISD0205(WAL-1H)に準拠して、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機社製)を用いて、非膜面側から160時間光照射した後、85℃90%RHに設定された恒温恒湿槽内に500時間保持し、膜表面をエタノールにより洗浄し、以下の評価基準に基づき評価した。
輸送機器用物品(合わせガラス:2mm厚単板ガラス/PVBフィルム/2mm厚単板ガラス)の場合、上記耐候性試験機の暴露条件を2000時間に延長した以外は、同様に試験して評価を行った。
◎:恒温恒湿槽内に500時間保持後、膜に外観変化がみられなかった。
○:恒温恒湿槽内に30時間保持後、膜に外観変化がみられなかった。
×:恒温恒湿槽内に30時間保持後、膜に膜の剥離・クラック・白化等の外観変化がみられた。
防曇性物品(単板ガラス:2mm厚)を、JISD0205(WAL-1H)に準拠して、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機社製)を用いて、非膜面側から160時間光照射した後、85℃90%RHに設定された恒温恒湿槽内に500時間保持し、膜表面をエタノールにより洗浄し、以下の評価基準に基づき評価した。
輸送機器用物品(合わせガラス:2mm厚単板ガラス/PVBフィルム/2mm厚単板ガラス)の場合、上記耐候性試験機の暴露条件を2000時間に延長した以外は、同様に試験して評価を行った。
◎:恒温恒湿槽内に500時間保持後、膜に外観変化がみられなかった。
○:恒温恒湿槽内に30時間保持後、膜に外観変化がみられなかった。
×:恒温恒湿槽内に30時間保持後、膜に膜の剥離・クラック・白化等の外観変化がみられた。
(3)耐酸性
防曇膜表面に、酢酸(純正化学社製)を0.3mL滴下した後、50℃恒温槽にて1時間放置し、エタノールにより膜表面を洗浄し、以下の評価基準に基づき評価した。
○:膜に、外観変化がみられなかった。
×:膜に、膜の剥離・クラック・白化等の外観変化がみられた。
防曇膜表面に、酢酸(純正化学社製)を0.3mL滴下した後、50℃恒温槽にて1時間放置し、エタノールにより膜表面を洗浄し、以下の評価基準に基づき評価した。
○:膜に、外観変化がみられなかった。
×:膜に、膜の剥離・クラック・白化等の外観変化がみられた。
[耐摩耗性の評価]
JIS R 3212(車内側)に準拠して行った。Taber社製5130型摩耗試験機で、摩耗輪CS−10Fを用いた。防曇性物品の防曇膜表面に摩耗輪を接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転し、曇価変化ΔH(%)を測定し、以下の評価基準に基づき評価した。
○:ΔHが5%以下であった。
×:ΔHが5%超、または、防曇膜の一部剥離、の少なくとも一方が生じた。
JIS R 3212(車内側)に準拠して行った。Taber社製5130型摩耗試験機で、摩耗輪CS−10Fを用いた。防曇性物品の防曇膜表面に摩耗輪を接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転し、曇価変化ΔH(%)を測定し、以下の評価基準に基づき評価した。
○:ΔHが5%以下であった。
×:ΔHが5%超、または、防曇膜の一部剥離、の少なくとも一方が生じた。
<1>下地樹脂層形成用組成物の調製
[製造例A−1]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(8.07g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(1.01g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で7倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−1)を得た。
[製造例A−1]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(8.07g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(1.01g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で7倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−1)を得た。
[製造例A−2]
ジアセトンアルコールによる希釈倍率を6倍とした以外は、製造例(A−1)と同様の方法で、下地樹脂層形成用組成物(A−2)を得た。
[製造例A−3]
ジアセトンアルコールによる希釈倍率を5倍とした以外は、製造例(A−1)と同様の方法で、下地樹脂層形成用組成物(A−3)を得た。
ジアセトンアルコールによる希釈倍率を6倍とした以外は、製造例(A−1)と同様の方法で、下地樹脂層形成用組成物(A−2)を得た。
[製造例A−3]
ジアセトンアルコールによる希釈倍率を5倍とした以外は、製造例(A−1)と同様の方法で、下地樹脂層形成用組成物(A−3)を得た。
[製造例A−4]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.12g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.64g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−4)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.12g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.64g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−4)を得た。
[製造例A−5]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(6.74g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.03g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.71g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−5)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(6.74g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.03g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.71g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−5)を得た。
[製造例A−6]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(6.09g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(0.62g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−6)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(6.09g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(0.62g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−6)を得た。
[製造例A−7]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(9.34g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(3.34g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびエポキシシラン(1.00g、KBM403,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−7)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(9.34g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(3.34g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびエポキシシラン(1.00g、KBM403,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で6倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−7)を得た。
[製造例A−8]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.11g、純正化学社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(5.00g、デナコールEX622、ナガセケムテックス社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.64g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−8)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.11g、純正化学社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(5.00g、デナコールEX622、ナガセケムテックス社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.64g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびアミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−8)を得た。
[製造例A−9]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.59g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(1.01g、KBM903,信越化学工業社製)、およびテトラアルコキシシラン(2.27g、正珪酸メチル、多摩化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−9)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.59g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(1.01g、KBM903,信越化学工業社製)、およびテトラアルコキシシラン(2.27g、正珪酸メチル、多摩化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−9)を得た。
[製造例A−10]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(6.73g、純正化学社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(5.00g、デナコールEX622、ナガセケムテックス社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.23g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)、およびテトラアルコキシシラン(1.88g、正珪酸メチル、多摩化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−10)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(6.73g、純正化学社製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(5.00g、デナコールEX622、ナガセケムテックス社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(1.23g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(0.47g、KBM903,信越化学工業社製)、およびテトラアルコキシシラン(1.88g、正珪酸メチル、多摩化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−10)を得た。
[製造例A−11]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.93g、純正化学社製)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(5.00g、アデカレジンEP4901、ADEKA社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.30g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(1.13g、KBM903,信越化学工業社製)、およびテトラアルコキシシラン(2.37g、正珪酸メチル、多摩化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−11)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(7.93g、純正化学社製)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(5.00g、アデカレジンEP4901、ADEKA社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.30g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(1.13g、KBM903,信越化学工業社製)、およびテトラアルコキシシラン(2.37g、正珪酸メチル、多摩化学工業社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−11)を得た。
[製造例A−12]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(8.07g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(1.01g、KBM903,信越化学工業社製)、および酸化防止剤(0.08g、アデカスタブAO−50、ADEKA社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−12)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、ジアセトンアルコール(8.07g、純正化学社製)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(5.00g、jER828、三菱化学社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、アミノシラン(1.01g、KBM903,信越化学工業社製)、および酸化防止剤(0.08g、アデカスタブAO−50、ADEKA社製)を入れ、25℃にて30分間撹拌した。次いで、ジアセトンアルコール(純正化学社製)で5倍に希釈して、下地樹脂層形成用組成物(A−12)を得た。
上記得られた下地樹脂層形成用組成物A−1〜A−12の組成およびエポキシ基に対するアミン活性水素の比率を表1に示す。なお、表1において、第2のポリエポキシド成分および第2の硬化剤(アミン化合物)の配合量は、下地樹脂層形成用組成物全量に対する各成分の配合量(質量%)を示し、シランカップリング剤および添加剤の配合量は、下地樹脂層形成用組成物が含有する第2のポリエポキシド成分と第2の硬化剤(アミン化合物)の合計質量に対する質量百分率(%)を示す。
<2>吸水性樹脂層形成用組成物の調製
[製造例B−1]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.94g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(0.77g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.40g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.83g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.41g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.15g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.23g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.27g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(10.00g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−1)を得た。
[製造例B−1]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.94g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(0.77g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.40g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.83g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.41g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.15g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.23g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.27g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(10.00g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−1)を得た。
[製造例B−2]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.32g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.77g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.78g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.42g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.27g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.40g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(20.77g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−2)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.32g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.77g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.78g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.42g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.27g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.40g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(20.77g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−2)を得た。
[製造例B−3]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(8.46g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(5.83g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(4.53g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(3.77g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.55g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.19g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.65g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.69g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(3.33g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−3)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(8.46g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(5.83g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(4.53g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(3.77g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.55g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.19g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.65g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.69g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(3.33g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−3)を得た。
[製造例B−4]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.27g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(1.98g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.57g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.97g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.43g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.15g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.66g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.91g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(8.07g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−4)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.27g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(1.98g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.57g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.97g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.43g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.15g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.66g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.91g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(8.07g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−4)を得た。
[製造例B−5]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.24g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(4.38g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(4.32g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(3.59g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.52g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.19g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.21g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(0.92g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(5.63g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−5)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.24g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(4.38g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(4.32g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(3.59g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.52g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.19g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(1.21g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(0.92g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(5.63g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−5)を得た。
[製造例B−6]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.28g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(1.07g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.29g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.73g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.40g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.14g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(3.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.05g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(8.99g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−6)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.28g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(1.07g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.29g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.73g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.40g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.14g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(3.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(1.05g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、メチルエチルケトン(8.99g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−6)を得た。
[製造例B−7]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.28g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(1.54g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.43g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.85g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.41g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.15g、四国化成社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.54g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびエポキシシラン(1.29g、KBM403、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて4時間撹拌した。次いで、メチルエチルケトン(8.51g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−7)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(9.28g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(1.54g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(3.43g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(2.85g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(0.41g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.15g、四国化成社製)、ポリオキシアルキレントリアミン(2.54g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)、およびエポキシシラン(1.29g、KBM403、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて4時間撹拌した。次いで、メチルエチルケトン(8.51g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.02g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−7)を得た。
[製造例B−8]
メチルエチルケトンを全てアセトンに置き換えた以外は、製造例(B−2)と同様の方法で、吸水性樹脂層形成用組成物(B−8)を得た。
メチルエチルケトンを全てアセトンに置き換えた以外は、製造例(B−2)と同様の方法で、吸水性樹脂層形成用組成物(B−8)を得た。
[製造例B−9]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.32g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.77g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.78g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.42g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.27g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.40g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.77g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−9)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.32g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.77g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.78g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.42g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.27g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.40g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.77g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−9)を得た。
[製造例B−10]
吸水性樹脂層形成用組成物(B−2)に、酸化防止剤(0.31g、アデカスタブAO−50、ADEKA社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−10)を得た。
吸水性樹脂層形成用組成物(B−2)に、酸化防止剤(0.31g、アデカスタブAO−50、ADEKA社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−10)を得た。
[製造例B−11]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.76g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(10.04g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(21.97g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.44g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.18g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.03g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−11)を得た。なお、得られた吸水性樹脂層形成用組成物(B−11)は、本発明の範囲外の組成を有する比較例用の吸水性樹脂層形成用組成物である。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.76g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(10.04g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(21.97g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.44g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.06g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.18g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.03g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−11)を得た。なお、得られた吸水性樹脂層形成用組成物(B−11)は、本発明の範囲外の組成を有する比較例用の吸水性樹脂層形成用組成物である。
[製造例B−12]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.78g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(8.47g、純正化学社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(21.07g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.38g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.49g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.52g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.65g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(21.62g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−12)を得た。なお、得られた吸水性樹脂層形成用組成物(B−12)は、本発明の範囲外の組成を有する比較例用の吸水性樹脂層形成用組成物である。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.78g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(8.47g、純正化学社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(21.07g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.38g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.49g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.52g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.65g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(21.62g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−12)を得た。なお、得られた吸水性樹脂層形成用組成物(B−12)は、本発明の範囲外の組成を有する比較例用の吸水性樹脂層形成用組成物である。
[製造例B−13]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.79g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(7.86g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(18.08g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(3.74g、デナコールEX−314、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.36g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.14g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.27g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(22.24g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−13)を得た。なお、得られた吸水性樹脂層形成用組成物(B−13)は、本発明の範囲外の組成を有する比較例用の吸水性樹脂層形成用組成物である。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.79g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(7.86g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(18.08g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(3.74g、デナコールEX−314、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.36g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.14g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.27g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(22.24g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−13)を得た。なお、得られた吸水性樹脂層形成用組成物(B−13)は、本発明の範囲外の組成を有する比較例用の吸水性樹脂層形成用組成物である。
[製造例B−14]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.39g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.80g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.80g、デナコールEX−314、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.42g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.25g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.38g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.70g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−14)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.39g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.80g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.80g、デナコールEX−314、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.42g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.25g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.38g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.70g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−14)を得た。
[製造例B−15]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.76g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(10.13g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(12.03g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(9.99g、デナコールEX−512、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.45g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.52g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.03g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.15g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.70g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−15)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.76g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(10.13g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(12.03g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(9.99g、デナコールEX−512、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.45g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.52g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.03g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.15g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.70g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−15)を得た。
[製造例B−16]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.78g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(8.94g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.66g、デナコールEX−1410、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.68g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.40g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.38g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.51g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(21.15g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−16)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.78g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(8.94g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(11.66g、デナコールEX−1410、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.68g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.40g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.38g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.51g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(21.15g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−16)を得た。
[製造例B−17]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.76g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.85g、純正化学社製)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(11.94g、デナコールEX−521、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.92g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.44g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.11g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.24g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.23g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−17)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.76g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.85g、純正化学社製)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(11.94g、デナコールEX−521、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(9.92g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.44g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.11g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.24g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.23g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−17)を得た。
[製造例B−18]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.75g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(10.58g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(12.17g、デナコールEX−610U、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(10.11g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.46g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.52g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(3.90g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.02g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(19.49g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−18)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.75g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(10.58g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(12.17g、デナコールEX−610U、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(10.11g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.46g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.52g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(3.90g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.02g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(19.49g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−18)を得た。
[製造例B−19]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.09g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(8.57g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(12.85g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.41g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.34g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.47g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(21.00g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−19)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.09g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(8.57g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(12.85g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.41g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.50g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.34g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.47g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(21.00g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−19)を得た。
[製造例B−20]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.56g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(15.19g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(6.51g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.43g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.20g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.33g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.52g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−20)を得た。
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に、エタノール(27.77g、純正化学社製)、メチルエチルケトン(9.56g、純正化学社製)、脂肪族ポリグリシジルエーテル(15.19g、デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)、グリセリンポリグリシジルエーテル(6.51g、デナコールEX−313、ナガセケムテックス社製)、オルガノシリカゾル(1.43g、NBAC−ST、日産化学工業社製、SiO2含有量30質量%)、2−メチルイミダゾール(0.51g、四国化成社製)、およびポリオキシアルキレントリアミン(4.20g、ジェファーミンT403、ハンツマン社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて1時間撹拌した。次いで、アミノシラン(4.33g、KBM903、信越化学工業社製)を攪拌しながら添加し、25℃にて3時間撹拌した。さらに、アセトン(20.52g、純正化学社製)、およびレベリング剤(0.05g、BYK307、ビックケミー社製)を攪拌しながら添加し、吸水性樹脂層形成用組成物(B−20)を得た。
上記得られた吸水性樹脂層形成用組成物B−1〜B−20の組成およびエポキシ基に対するアミン活性水素の当量比を表2に示す。なお、表2において第1のポリエポキシド成分および第1の硬化剤(アミン化合物)の配合量は、吸水性樹脂層形成用組成物全量に対する各成分の配合量(質量%)を示し、シランカップリング剤および添加剤の配合量は、吸水性樹脂層形成用組成物が含有する第1のポリエポキシド成分と第1の硬化剤(アミン化合物)の合計質量に対する質量百分率(%)を示す。また、イミダゾール化合物の配合量は、第1のポリエポキシド成分の合計質量に対する質量百分率(%)を示す。
<3>防曇性物品の製造および評価
上記製造例で得られた各種組成物を用いて、以下のように各種基体に防曇膜を形成し、上記の評価方法により評価を行った。得られた結果を表3〜表5に示す。
上記製造例で得られた各種組成物を用いて、以下のように各種基体に防曇膜を形成し、上記の評価方法により評価を行った。得られた結果を表3〜表5に示す。
[例1]
基体として、表面汚染物をアセトンで除去し、UVオゾンガス処理を行った清浄なポリカーボネート基板(水接触角16°、200mm×200mm×厚さ2mm、パンライトPC−1151、帝人化成社製)を用い、該基板の表面に前記製造例A−1で得た下地樹脂層形成用組成物(A−1)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で30分間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、前記製造例B−1で得た吸水性樹脂層形成用組成物(B−1)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で30分間保持し、吸水性樹脂層を形成し、下地樹脂層、吸水性樹脂層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表3に示す。
基体として、表面汚染物をアセトンで除去し、UVオゾンガス処理を行った清浄なポリカーボネート基板(水接触角16°、200mm×200mm×厚さ2mm、パンライトPC−1151、帝人化成社製)を用い、該基板の表面に前記製造例A−1で得た下地樹脂層形成用組成物(A−1)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で30分間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、前記製造例B−1で得た吸水性樹脂層形成用組成物(B−1)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で30分間保持し、吸水性樹脂層を形成し、下地樹脂層、吸水性樹脂層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表3に示す。
[例2〜11、26〜28]
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角3°、200mm×200mm×厚さ2mm)を用い、該ガラス基板の表面に、表3(例2〜11)または表4(例26〜28)に示す通り製造例A(A−1〜A−3、A−11のいずれか)で得た下地樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、表3(例2〜11)または表4(例26〜28)に示す通り製造例B(B−1〜B−3、B−11〜B−20のいずれか)で得た吸水性樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、吸水性樹脂層を形成し、2層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表3(例2〜11)および表4(例26〜28)に示す。
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角3°、200mm×200mm×厚さ2mm)を用い、該ガラス基板の表面に、表3(例2〜11)または表4(例26〜28)に示す通り製造例A(A−1〜A−3、A−11のいずれか)で得た下地樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、表3(例2〜11)または表4(例26〜28)に示す通り製造例B(B−1〜B−3、B−11〜B−20のいずれか)で得た吸水性樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、吸水性樹脂層を形成し、2層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表3(例2〜11)および表4(例26〜28)に示す。
[例12]
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角3°、200mm×200mm×厚さ2mm)を用い、該ガラス基板の表面に、製造例A−3で得た下地樹脂層形成用組成物(A−3)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、製造例B−3で得た吸水性樹脂層形成用組成物(B−3)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、さらに50℃温水に5分浸漬して、吸水性樹脂層を形成し、2層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表3に示す。
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角3°、200mm×200mm×厚さ2mm)を用い、該ガラス基板の表面に、製造例A−3で得た下地樹脂層形成用組成物(A−3)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、製造例B−3で得た吸水性樹脂層形成用組成物(B−3)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、さらに50℃温水に5分浸漬して、吸水性樹脂層を形成し、2層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表3に示す。
[例13〜24]
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角3°、200mm×200mm×厚さ2mm)を用い、該ガラス基板の表面に、表5に示す通り製造例A(A−1〜A−12のいずれか)で得た下地樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、90℃の電気炉で10分間保持し、続いて90℃70%RHの恒温恒湿槽に20分間保持して、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、表5に示す通り製造例B(B−1〜B−10のいずれか)で得た吸水性樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、90℃の電気炉で10分間保持し、続いて90℃70%RHの恒温恒湿槽に20分間保持して、さらに50℃温水に5分浸漬して、吸水性樹脂層を形成し、2層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表5に示す。
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄なソーダライムガラス基板(水接触角3°、200mm×200mm×厚さ2mm)を用い、該ガラス基板の表面に、表5に示す通り製造例A(A−1〜A−12のいずれか)で得た下地樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、90℃の電気炉で10分間保持し、続いて90℃70%RHの恒温恒湿槽に20分間保持して、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、表5に示す通り製造例B(B−1〜B−10のいずれか)で得た吸水性樹脂層形成用組成物をフローコートによって塗布して、90℃の電気炉で10分間保持し、続いて90℃70%RHの恒温恒湿槽に20分間保持して、さらに50℃温水に5分浸漬して、吸水性樹脂層を形成し、2層からなる防曇膜を有する防曇性物品を得た。評価結果を表5に示す。
[例25]
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄な自動車用フロント合わせガラス基板(水接触角5°)を用い、該ガラス基板の表面に、製造例A−11で得た下地樹脂層形成用組成物(A−11)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、製造例B−9で得た吸水性樹脂層形成用組成物(B−9)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持して、吸水性樹脂層を形成し、自動車のフロント部位に装着できるようモジュール化を行い、2層からなる防曇膜を有する輸送機器用物品を得た。評価結果を表5に示す。
基体として、酸化セリウムで表面を研磨洗浄し、乾燥した清浄な自動車用フロント合わせガラス基板(水接触角5°)を用い、該ガラス基板の表面に、製造例A−11で得た下地樹脂層形成用組成物(A−11)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持し、下地樹脂層を形成した。次いで、形成した下地樹脂層表面に、製造例B−9で得た吸水性樹脂層形成用組成物(B−9)をフローコートによって塗布して、100℃の電気炉で1時間保持して、吸水性樹脂層を形成し、自動車のフロント部位に装着できるようモジュール化を行い、2層からなる防曇膜を有する輸送機器用物品を得た。評価結果を表5に示す。
表3〜表5に示される評価結果から、実施例である例1〜25において得られた防曇性物品は、優れた防曇性と外観・耐剥離性・耐摩耗性を有するものであるのに対し、比較例である例26〜28において得られた防曇性物品は、外観または耐摩耗性のいずれかが十分でないことがわかる。
なお、上記吸水防曇性の評価は、下地樹脂層を形成した段階で下地樹脂層表面に対して行い、さらに下地樹脂層の表面に吸水性樹脂層を形成し防曇性物品とした段階で防曇膜表面、すなわち、下地樹脂層上に吸水性樹脂層が積層された吸水性樹脂層の表面に対して行った。ここで、吸水性樹脂層のみの吸水防曇性の評価結果は得られていないが、各例において 吸水性樹脂層の膜厚は下地樹脂層の膜厚に比べ、少なくとも2.5倍以上厚く、吸水防曇性を支配するのは吸水性樹脂層の吸水速度と考えられるので、防曇膜表面における吸水防曇性と吸水性樹脂層の吸水防曇性はほぼ同等とみなしてよい。
なお、上記吸水防曇性の評価は、下地樹脂層を形成した段階で下地樹脂層表面に対して行い、さらに下地樹脂層の表面に吸水性樹脂層を形成し防曇性物品とした段階で防曇膜表面、すなわち、下地樹脂層上に吸水性樹脂層が積層された吸水性樹脂層の表面に対して行った。ここで、吸水性樹脂層のみの吸水防曇性の評価結果は得られていないが、各例において 吸水性樹脂層の膜厚は下地樹脂層の膜厚に比べ、少なくとも2.5倍以上厚く、吸水防曇性を支配するのは吸水性樹脂層の吸水速度と考えられるので、防曇膜表面における吸水防曇性と吸水性樹脂層の吸水防曇性はほぼ同等とみなしてよい。
本発明の防曇性物品は、優れた防曇性、耐摩耗性、耐剥離性等の耐久性に加えて外観にも優れることから自動車や建築用の防曇ガラスとして有用である。
なお、2010年12月7日に出願された日本特許出願2010−272791号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
なお、2010年12月7日に出願された日本特許出願2010−272791号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (5)
- 基体と、前記基体の少なくとも一部の表面に防曇膜とを有する防曇性物品であって、
前記防曇膜は、前記基体表面に順次積層された下地樹脂層と吸水性樹脂層とを有しており、
前記吸水性樹脂層は第一の硬化エポキシ樹脂を主体とし、前記下地樹脂層は第二の硬化エポキシ樹脂を主体とし、
20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した前記防曇膜の表面を、40℃の温水浴上に翳し、曇るまでの防曇時間が30秒以上であり、
前記防曇膜の表面に、Taber社製5130型摩耗試験機の摩耗輪CS−10Fを接触させ、4.90Nの荷重をかけて100回転する試験を行ったときの、曇価変化ΔH(%)が5%以下である自動車用防曇性物品。 - 前記第一の硬化エポキシ樹脂は、前記第二の硬化エポキシ樹脂より吸水性が高いことを特徴とする請求項1記載の自動車用防曇性物品。
- 前記防曇膜の表面を90℃の温水浴上に100時間翳した後、エタノールにより前記膜表面を洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない請求項1または2に記載の自動車用防曇性物品。
- サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機社製)を用いて、非膜面側から160時間光照射した後、85℃90%RHに設定された恒温恒湿槽内に30時間保持後、前記防曇膜の表面をエタノールにより洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用防曇性物品。
- 前記防曇膜の表面に酢酸を0.3mL滴下した後、50℃恒温槽にて1時間放置し、エタノールにより前記膜表面を洗浄する試験を行った後に、前記防曇膜に剥離・クラック・白化がない請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車用防曇性物品。
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