JP2001083710A - 電子部品用材料およびそれを硬化してなる電子部品 - Google Patents

電子部品用材料およびそれを硬化してなる電子部品

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JP2001083710A JP25528599A JP25528599A JP2001083710A JP 2001083710 A JP2001083710 A JP 2001083710A JP 25528599 A JP25528599 A JP 25528599A JP 25528599 A JP25528599 A JP 25528599A JP 2001083710 A JP2001083710 A JP 2001083710A
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Hozumi Sato
穂積 佐藤
Motoki Okaniwa
求樹 岡庭
Tomohiro Uko
友広 宇高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた保存安定性や光硬化性を示す電子部品
用材料およびそれを硬化してなる電子部品を提供する。 【解決手段】 下記(A)〜(C)成分を含有して電子
部品用材料を構成するか、さらにその電子部品用材料を
放射線硬化する。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物
およびその加水分解物あるいはいずれか一方の化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶媒

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品用材料お
よびそれを硬化してなる電子部品に関する。より詳細に
は、保存安定性に優れた電子部品用材料およびそれを放
射線硬化してなる電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、下地に対する密着性に優れ、しか
も耐熱性、電気絶縁性、透明性等に優れた光硬化物が得
られることから、アクリル系光硬化性材料やエポキシ系
光硬化性材料に代わる光硬化性材料として、ポリシロキ
サン系組成物を含む光硬化性材料が提案されている。例
えば、米国特許5,385,955号には、エポキシ基
含有アルコキシシランと、アルキルアルコキシシランの
加水分解物と、コロイダルシリカと、光開始剤とからな
る光硬化性材料が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特
許5385955号に開示された光硬化性材料は、保存
安定性に乏しいとともに、光硬化速度が遅いという問題
が見られた。したがって、電子部品用材料に使用した場
合に、均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難で
あり、また、硬化不良が生じやすく、電子部品とした場
合に耐熱性等の特性がばらつきやすいという問題が見ら
れた。一方、光硬化性材料に有機溶媒を添加することに
より、塗布性等を改良することが考えられる。しかしな
がら、特開平7−159630号公報に記載されている
ように、従来のエポキシ系紫外線硬化樹脂では、有機溶
媒を添加すると、得られる電子部品等の性能を低下させ
るため、有機溶媒の添加が制限されるという問題が見ら
れた。
【0004】そこで、本発明の発明者らは鋭意検討した
結果、特定の加水分解性シラン化合物と、光酸発生剤
と、有機溶媒とを組み合わせることにより、上述した問
題を解決できることを見出した。よって、本発明は、保
存安定性に優れた電子部品用材料およびそれを放射線硬
化してなる電子部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)〜
(C)成分を含有する電子部品用材料に関する。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物
およびその加水分解物あるいはいずれか一方の化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶媒 このように有機溶媒を含んで電子部品用材料を構成する
ことにより、保存安定性を高めることができる一方、容
易に塗布して、均一な厚さを有する薄膜を得ることがで
きる。また、かかる電子部品用材料は、酸素阻害されな
い放射線硬化性を有しており、パターン露光することも
可能である。さらに、かかる電子部品用材料は、放射線
硬化性であるばかりか、熱硬化性も有しているため、放
射線処理および加熱処理を併用等することにより、より
確実に硬化させることができる。
【0006】また、本発明の別の態様は、上述した電子
部品用材料を放射線硬化してなる電子部品であり、例え
ば、半導体封止用材料(ポッティング用材料)、半導体
アンダーフィル用材料、半導体実装用材料、半導体保護
膜用材料、層間絶縁膜用材料、回路基材用材料、平坦化
材料、回路基板保護用材料、ソルダーレジスト用材料、
エッチングレジスト用材料、または液晶封止用材料から
なる電子部品が挙げられる。すなわち、これらの電子部
品用材料を放射線硬化させて電子部品を構成することに
より、優れた耐熱性や、比誘電率や、体積抵抗率や、熱
膨張係数や、透明性等の特性を容易に得ることができ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の電子部品用材料やそれを
硬化してなる電子部品に関する実施の形態を、電子部品
用材料の構成成分や、電子部品の形態等の観点から、具
体的に説明する。
【0008】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態は、加水分解性シラン化合物の加水分解物(A成
分)、光酸発生剤(B成分)、有機溶媒(C成分)およ
び脱水剤(D成分)を含有する電子部品用材料である。
したがって、紫外線等の放射線を、かかる電子部品用材
料に含まれる光酸発生剤に対して照射することにより、
酸(酸性活性種)を発生させ、次いで発生した酸を利用
して、(A)成分を迅速に光硬化させることができる。
また、かかる電子部品用材料は、有機溶媒を含んでいる
ことから、容易に塗布することが可能であり、しかも有
機溶媒の種類を適宜選択することにより、電子部品用材
料の保存安定性をより向上させることができる。
【0009】(1)(A)成分 (A)成分は、当該電子部品用材料の主成分であって、
一般式(1)で表わされる加水分解性シラン化合物、そ
の加水分解物およびその縮合物からなる群から選ばれる
少なくとも1つの化合物であり、有機基R1、加水分解
性基Xを有している。
【0010】有機基R1 一般式(1)における有機基R1は、非加水分解性であ
る1価の有機基の中から選ぶことができる。このような
非加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および
重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶこ
とができる。なお、有機基R1における非加水分解性と
は、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そ
のまま安定に存在する性質であることを意味する。
【0011】ここで、非重合性の有機基R1としては、
アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ
る。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの
組み合わせであってもよい。また、より具体的なアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、お
よび重水素化アルキル基もしくはハロゲン化アルキル基
が挙げられる。これらのアルキル基のうち、より好まし
くはメチル基である。
【0012】また、非重合性の有機基R1における具体
的なアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、ビフェニル基、および重水素化ア
リール基もしくはハロゲン化アリール基が挙げられる。
これらのうち、より好ましくはフェニル基である。さら
に、非重合性の有機基R1における具体的なアラルキル
基としては、ベンジル基およびフェニルエチル基が挙げ
られる。これらのうち、より好ましくはベンジル基であ
る。
【0013】さらに、非重合性の有機基R1は、ヘテロ
原子を含む構造単位とすることも好ましい。そのような
構造単位としては、エーテル結合、エステル結合、スル
フィド結合等を例示することができる。また、ヘテロ原
子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。
【0014】また、重合性の有機基R1は、分子中にラ
ジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基あ
るいはいずれか一方の官能基を有する有機基であること
が好ましい。このような官能基を導入することにより、
ラジカル重合やカチオン重合を併用して、電子部品用材
料をより有効に硬化させることができる。
【0015】また、重合性の有機基R1におけるラジカ
ル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基のう
ち、より好ましいのはカチオン重合性の官能基である。
光酸発生剤により、シラノール基における硬化反応のみ
ならず、カチオン重合性の官能基における硬化反応を同
時に生じさせることができるためである。
【0016】次に、ラジカル重合性の官能基を有する有
機基R1の具体例について説明する。このような有機基
1としては、不飽和炭化水素基を有する有機基、(メ
タ)アクリロキシ基を有する有機基、スチリル基を有す
る有機基、ビニルオキシ基を有する有機基等が挙げられ
る。そして、より具体的な不飽和炭化水素基としてはビ
ニル基、プロペニル基、ブタジエニル基等が挙げられ
る。これらのうち、より好ましくはビニル基である。ま
た、(メタ)アクリロキシ基を有する有機基の例を示す
と、(メタ)アクリロキシメチル基や(メタ)アクリロ
キシプロピル基等が挙げられる。また、スチリル基を有
する有機基の例を示すと、スチリル基、スチリルエチル
基、スチリルプロピル基等が挙げられる。さらに、ビニ
ルオキシ基を有する有機基の例を示すと、ビニロキシエ
チル基、ビニロキシプロピル基、ビニロキシブチル基、
ビニロキシオクチル基、ビニロキシシクロヘキシル基、
ビニロキシフェニル基等を挙げることができる。なお、
ビニルオキシ基を有する有機基は、後述するカチオン重
合性の官能基を有する有機基としての機能も有してい
る。
【0017】また、カチオン重合性の官能基を有する有
機基R1としては、環状エーテル構造を有する有機基、
ビニルオキシ基を有する有機基等が挙げられる。そし
て、より好ましくは、環状エーテル構造を有する有機基
である。かかる環状エーテル基としては、直鎖や環状構
造を有する3〜6員環の環状エーテル構造、より具体的
にはグリシジル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラ
ン構造を含む基、及びピラン構造を含む基を挙げること
ができる。また、これらの環状エーテル基のうち、より
好ましいものはグリシジル基、オキセタニル基等の4員
環以下の環状エーテル構造である。
【0018】また、環状エーテル構造を有する有機基の
具体例を示すと、グリシジルプロピル基、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル基、メチルオキセタ
ニルメトキシプロピル基、エチルオキセタニルメトキシ
プロピル基等を挙げることができる。
【0019】加水分解性基X 次に、一般式(1)における加水分解性基Xについて説
明する。Xで表される加水分解性基は、通常、無触媒、
過剰の水の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範
囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール
基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合
物を形成することができる基を指す。また、一般式
(1)中の添え字pは0〜3の整数であるが、より好ま
しくは0〜2の整数であり、特に好ましくは1である。
【0020】ただし、一般式(1)で示される加水分解
性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解
の加水分解性基が残っていてもよく、その場合は、加水
分解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。ま
た、加水分解性シラン化合物の加水分解物というとき
は、加水分解反応によりアルコキシ基がシラノール基に
変わった化合物ばかりでなく、一部のシラノール基同士
が縮合した部分縮合物をも意味している。さらに、加水
分解性シラン化合物は、電子部品用材料を配合する時点
で加水分解されている必要は必ずしもなく、放射線を照
射する段階で、少なくとも一部の加水分解性基が加水分
解されていればよい。すなわち、電子部品用材料におい
て、加水分解性シラン化合物を予め加水分解せずに使用
した場合には、事前に水を添加して、加水分解性基を加
水分解させ、シラノール基を生成することにより、電子
部品用材料を放射線硬化させることができる。
【0021】また、加水分解性基Xの内容としては、水
素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子
およびアミノ基等が挙げられる。ここで、好ましい炭素
数1〜12のアルコキシ基の具体例を挙げると、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノ
キシベンジロキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシ
エトキシ基、2−(メタ)アクリロキシエトキシ基、3
−(メタ)アクリロキシプロポキシ基、4−(メタ)ア
クリロキシブトキシ基、あるいは、グリシジロキシ基、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシ基等
のエポキシ基含有アルコキシ基、メチルオキセタニルメ
トキシ基、エチルオキセタニルメトキシ基等のオキセタ
ニル基含有アルコキシ基、オキサシクロヘキシロキシ等
の6員環エーテル基を有するアルコキシ基等を挙げるこ
とができる。
【0022】また、好ましいハロゲン原子としては、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。但
し、このように加水分解性基としてハロゲン原子を含む
加水分解性シラン化合物を用いる場合、電子部品用材料
の保存安定性を低下させないように注意を払う必要があ
る。すなわち、加水分解により生成するハロゲン化水素
の量にもよるが、かかるハロゲン化水素を、中和、蒸留
等の操作により除去して、電子部品用材料の保存安定性
に影響を及ぼさないようにすることが好ましい。
【0023】また、好ましいアミノ基としては、アミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミ
ノ基、ジブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基等を挙げることができる。但し、このように
加水分解性基としてアミノ基を用いた場合、加水分解に
よりアミン類が生成する。したがって、電子部品用材料
の保存安定性に影響を及ぼさないように、電子部品用材
料を最終的に調製する前に、かかる副生アミン類を除去
することが好ましい。また、好ましいアシルオキシ基と
しては、アセトキシ基、ブチロイルオキシ基等を挙げる
ことができる。
【0024】具体例 次に、(A)成分である加水分解性シラン化合物(単
に、シラン化合物と称する場合がある。)の具体例を説
明する。
【0025】まず、一般式(1)中のpが0であって、
非重合性の有機基R1を有しないシラン化合物として
は、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラ
アセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシ
シラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラ
ン、トリエトキシシラン等の4個の加水分解性基で置換
されたシラン化合物が挙げられる。
【0026】また、一般式(1)中のpが1であるシラ
ン化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、重水素化メチルトリメト
キシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシ
ラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等が挙げ
られる。
【0027】また、一般式(1)中のpが2であるシラ
ン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジメチル
ジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン
等が挙げられる。さらに、一般式(1)中のpが3であ
るシラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、ヘ
キサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリブチル
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリブチルエトキ
シシラン等が挙げられる。
【0028】また、重合性の有機基R1を有するシラン
化合物としては、Xにおける非加水分解性の有機基に重
合性の有機基R1を含むシラン化合物、Xにおける加水
分解性の有機基に重合性の有機基R1を有するシラン化
合物のいずれかを用いることができる。
【0029】また、使用するシラン化合物の種類によ
り、電子部品の屈折率の値を幅広く変化させることがで
きる。例えば、比較的高い屈折率の値(1.50以上)
を得たい場合には、上述したシラン化合物のうち、ペン
タフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等
を使用することが好ましい。一方、電子部品において、
比較的低い屈折率の値(1.50未満)を得たい場合に
は、上述したシラン化合物のうち、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、ノナフルオロブチ
ルエチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン等を使用することが好
ましい。
【0030】(A)成分の加水分解条件 次に、上述したシラン化合物を加水分解する条件や縮合
する条件について説明する。これらの加水分解条件等
は、特に制限されるものではないが、一例として、以下
に示す1)〜3)の工程で以て実施するのが好ましい。
【0031】1)一般式(1)に示す加水分解性シラン
化合物と、所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容す
る。 2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容
器内にさらに収容し、混合溶液とする。 3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機
溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度
で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌
中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、
あるいは有機溶媒を置換することも好ましい。
【0032】ここで、加水分解性シラン化合物の加水分
解に用いられる水(精製水)は、逆浸透膜処理、イオン
交換処理、蒸留等の方法により精製された水を使用する
ことが好ましい。具体的には電気伝導率が1×10-2
・cm-1以下の値である水を使用することが好ましい。
加水分解に用いられる水の電気伝導率が1×10-2S・
cm-1を超えると、電子部品用材料の保存安定性が低下
する傾向がある。したがって、電子部品用材料の保存安
定性がより良好な観点から、加水分解に用いられる水の
電気伝導率を1.0×10-4S・cm-1以下の値とする
のがより好ましい。
【0033】加水分解物の重量平均分子量 次に、(A)成分としての加水分解性シラン化合物の加
水分解物における分子量について説明する。かかる分子
量は、移動相にテトラヒドロフランを使用したゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記
する。)を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量と
して測定することができる。そして、加水分解物の重量
平均分子量を、通常500〜10,000の範囲内の値
とするのが好ましい。加水分解物における重量平均分子
量の値が500未満の場合、塗膜の成膜性が低下する傾
向があり、一方、10,000を越えると光硬化性が低
下する傾向がある。したがって、より好ましくは加水分
解物における重量平均分子量を、1,000〜5,00
0の範囲内の値とすることである。
【0034】(2)(B)成分 電子部品用材料に使用する(B)成分は光酸発生剤であ
り、光等のエネルギー線(放射線)を照射することによ
り、(A)成分である加水分解性シラン化合物を光硬化
(架橋)可能な酸性活性物質を放出することができる化
合物と定義される。なお、光酸発生剤を分解させて、酸
性活性物質を発生するするために照射する光エネルギー
線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β
線、γ線等を挙げることができる。但し、一定のエネル
ギーレベルを有し、硬化速度が大(速く)であり、しか
も照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を
使用することが好ましい。
【0035】(B)成分の種類 次に、(B)成分としての光酸発生剤の種類を説明す
る。かかる光酸発生剤としては、一般式(2)で表され
る構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一般式
(3)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体(第
2群の化合物)を挙げることができる。
【0036】 [R2 a3 b4 c5 dW]+m [MZm+n] -m (2) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R2、R3、R4およ
びR5は同一または異なる有機基であり、a、b、cお
よびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c
+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯
体[MXm+n]の中心原子を構成する金属またはメタロイ
ドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、B
i、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、
Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハ
ロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物
錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価であ
る。]
【0037】Qs−〔S(=O)2−R6t (3) [一般式(3)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
6は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]
【0038】まず、第1群の化合物であるオニウム塩
は、光を受けることにより酸性活性物質を放出すること
ができる化合物である。ここで、一般式(2)における
アニオン[MZm+n]の具体例としては、テトラフルオロ
ボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(P
6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、
ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロ
ルアンチモネート(SbCl6 -)、テトラフェニルボレ
ート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボ
レート等が挙げられる。また、一般式(2)におけるア
ニオン[MZm+n]の代わりに、一般式[MZnOH-]で表
されるアニオンを使用することも好ましい。さらに、過
塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフ
ォン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルフォン酸
イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、ト
リニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロト
ルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有する
オニウム塩を使用することもできる。
【0039】また、上述した第1群の化合物のうち、よ
り有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好
ましくは下記一般式(4)で表されるジアリールヨード
ニウム塩あるいはトリアリールヨードニウム塩である。 [R7−Ar1−I+−Ar2−R8][Y-] (4) [一般式(4)中、 R7およびR8は、それぞれ1価の
有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R7およ
びR8の少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基
を有しており、Ar1およびAr2はそれぞれ芳香族基で
あり、同一でも異なっていてもよく、Y-は1価の陰イ
オンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオンも
しくは、ClO4 -、CF3−SO3 -から選ばれる陰イオ
ンである。]
【0040】このようなジアリールヨードニウム塩とし
ては、具体的に、(4−n−デシロキシフェニル)フェ
ニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4
−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニ
ル〕フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネ
ート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキ
シ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスル
ホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロ
キシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデ
シロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−
ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチル
フェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビ
ス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフル
オロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニ
ル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデ
シルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェ
ート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフル
オロメチルスルフォネート等の1種または2種以上の組
み合わせを挙げることができる。
【0041】次に、第2群の化合物について説明する。
一般式(3)で表されるスルフォン酸誘導体の例を示す
と、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジス
ルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イ
ミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−
オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのス
ルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベン
ジルスルホネート類を挙げることができる。また、一般
式(3)の中でより好ましくはイミドスルホネート類で
あり、さらに好ましくはイミドスルホネートのうち、ト
リフルオロメチルスルホネート誘導体である。
【0042】また、このようなスルホネート類の具体例
を挙げると、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホ
ン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キ
シリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル
ベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホ
ニル)メタン、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド
メチルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸
イミドトシルスルホネート、1,8−ナフタレンジカル
ボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、1,8
−ナフタレンジカルボン酸イミドカンファースルホネー
ト、コハク酸イミドフェニルスルホネート、コハク酸イ
ミドトシルスルホネート、コハク酸イミドトリフルオロ
メチルスルホネート、コハク酸イミドカンファースルフ
ォネート、フタル酸イミドトリフルオロスルホネート、
シス−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボン
酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、ベンゾイン
トシラート、1,2−ジフェニル−2−ヒドロキシプロ
ピルトシラート、1,2−ジ(4−メチルメルカプトフ
ェニル)−2−ヒドロキシプロピルトシラート、ピロガ
ロールメチルスルホネート、ピロガロールエチルスルホ
ネート、2,6−ジニトロフェニルメチルトシラート、
オルト−ニトロフェニルメチルトシラート、パラ−ニト
ロフェニルトシラートを挙げることができる。
【0043】添加量 次に、(B)成分としての光酸発生剤の添加量(含有割
合)について説明する。かかる光酸発生剤の添加量は特
に制限されるものではないが、(A)成分100重量部
に対して、通常0.1〜15重量部の範囲内の値とする
のが好ましい。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満
となると、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られ
ない傾向がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量
部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下
する傾向がある。したがって、光硬化性と得られる硬化
物の耐候性等とのバランスがより良好な観点から、
(B)成分としての光酸発生剤の添加量を、(A)成分
100重量部に対して、1〜10重量部の範囲内の値と
することがより好ましい。
【0044】(3)(C)成分 本発明で使用される電子部品用材料には、(C)成分と
しての有機溶媒を配合することが必要である。このよう
に有機溶媒を配合することにより、電子部品用材料の保
存安定性が向上するとともに、適当な粘度を得ることが
でき、均一な厚さを有する電子部品を形成することがで
きる。
【0045】種類 (C)成分の有機溶媒としては、本発明の目的、効果を
損なわない範囲でいずれの種類を選ぶことができるが、
通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値
を有する有機化合物であり、各成分を均一に溶解させる
有機化合物であることが好ましい。好ましい有機溶媒を
示すと、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキ
サン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、
2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−
オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の
脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチ
ルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベン
セン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエ
チルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミル
ナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系
溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s
ec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノー
ル、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec
−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタ
ノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、
sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec
−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、
n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール
−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコー
ル、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシ
ルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェ
ノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノー
ル、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベン
ジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセ
トンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶
媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−
2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサ
ンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−
エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価ア
ルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、
ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−
n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチ
ル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリ
メチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキ
サノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセト
ン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチ
ョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピル
エーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテ
ル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、
1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチ
ルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレング
リコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレング
リコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコ
ール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエー
テル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸
エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢
酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、
酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチ
ル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、
酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−
エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、
酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢
酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコール
モノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレ
ングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレング
リコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコール
モノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシ
トリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n
−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチ
ル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル
系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトア
ミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピ
ロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチ
ル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等
の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらは1種
あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0046】これらの有機溶媒の中で、より好ましい例
を示すと、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、
ケトン系有機溶媒、芳香族炭化水素系有機溶媒、アルコ
ール系有機溶媒からなる群から選択される少なくとも一
つの化合物を挙げることができ、さらに好ましくは、ア
ルコール類およびケトン類が挙げられる。この理由は、
これらの有機溶媒を使用することにより、電子部品用材
料の保存安定性をより向上させることができる。また、
より具体的には、好ましい有機溶媒としては、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、メチル
イソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キ
シレン、およびメタノールからなる群から選択される少
なくとも一つの化合物が挙げられる。
【0047】また、有機溶媒の種類は、電子部品用材料
を塗布する製造方法を考慮して選択することも好まし
い。例えば、均一な厚さを有する薄膜が容易に得られる
ことからスピンコート法を用いることが好ましいが、そ
の場合に使用する有機溶媒としては、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソ
ルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセ
テートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセ
テート類;乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エ
チルなどのエステル類;ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエ
チレングリコール類;メチルイソブチルケトン、2−ヘ
プタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなど
のケトン類を用いることが好ましく、特にエチルセロソ
ルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート、乳酸エチル、メチルイソブチルケトンおよ
びメチルアミルケトンを使用することが好ましい。
【0048】添加方法 なお、(C)成分としての有機溶媒についても特に制限
されるものではないが、例えば、(A)成分の加水分解
性シラン化合物の加水分解物又は縮合物を製造する際に
添加することが好ましい。あるいは、(A)成分および
(B)成分を配合する際に加えることも好ましい。
【0049】(4)(D)成分 電子部品用材料における(D)成分としての脱水剤は、
化学反応により水以外の物質に変換する化合物、物理吸
着または包接により、放射線硬化性および保存安定性に
悪影響を与えなくする化合物と定義される。すなわち、
このような脱水剤を含有することにより、電子部品用材
料の耐候性や耐熱性を損なうことなく、保存安定性や放
射線硬化性という相反する特性を向上させることができ
る。この理由は必ずしも明確でないが、外部から侵入し
てくる水を、脱水剤が有効に吸収するために電子部品用
材料の保存安定性が向上し、一方、放射線硬化反応であ
る縮合反応においては、生成した水を順次に脱水剤が有
効に吸収するために電子部品用材料の放射線硬化性が向
上するものと考えられる。
【0050】種類 (D)成分である脱水剤の種類は特に制限されるもので
ないが、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセ
タール類(ケタール類を含む。)、およびカルボン酸無
水物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物
であることが好ましい。また、無機化合物として、脱水
機能を有するセラミック粉体の使用も好ましい。これら
の脱水剤は、優れた脱水効果を示し、少量の添加で脱水
剤の機能を効率的に発揮することができる。
【0051】また、脱水剤としてのカルボン酸エステル
は、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエス
テル等の中から選ばれる。ここで、好ましいカルボン酸
オルトエステルとしては、オルト蟻酸メチル、オルト蟻
酸エチル、オルト蟻酸プロピル、オルト蟻酸ブチル、オ
ルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピ
ル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルおよ
びオルトプロピオン酸エチル等が挙げられる。また、こ
れらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優れた脱
水効果を示し、保存安定性や放射線硬化性をより向上さ
せることができる観点から、オルト蟻酸エステルが脱水
剤として特に好ましい。また、好ましいカルボン酸シリ
ルエステルとしては、酢酸トリメチルシリル、酢酸トリ
ブチルシリル、蟻酸トリメチルシリル、シュウ酸トリメ
チルシリル等が挙げられる。
【0052】なお、カルボン酸エステルのうち、カルボ
ン酸オルトエステルを使用することがより好ましい。カ
ルボン酸オルトエステルは、効率的に水を吸収し、自身
で加水分解することができる。また、カルボン酸オルト
エステルが加水分解して生成する化合物は中性である。
したがって、カルボン酸オルトエステルは、優れた脱水
効果を示し、保存安定性や放射線硬化性をより向上させ
ることができる。
【0053】また、好ましいアセタール類としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等のケトン類と、1価アルコールとの反応物であるジ
メチルアセタール、ジエチルアセタールおよびジプロピ
ルアセタール、あるいは、エチレングリコール等の2価
アルコールとケトン類とからなるアセタールおよびカル
ボン酸エステルのシリル化反応により製造されるケテン
シリルアセタール類を挙げることができる。
【0054】そして、これらのアセタール類のうち、ア
セトンジメチルアセタール、アセトンジエチルアセター
ル、メチルエチルケトンジメチルアセタール、メチルエ
チルケトンジエチルアセタール、シクロヘキサノンジメ
チルアセタールおよびシクロヘキサノンジエチルアセタ
ールは、特に優れた脱水効果を示し、保存安定性や放射
線硬化性をより向上させることができる観点から本発明
における脱水剤としての使用に好ましい。
【0055】また、好ましいカルボン酸無水物として
は、例えば、蟻酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安
息香酸無水物等が挙げられる。特に、無水酢酸および無
水コハク酸は、脱水効果に特に優れており、好ましい。
【0056】また、好ましい脱水機能を有するセラミッ
ク粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリ
カアルミナ粒子、活性白土、ゼオライト等が挙げられ
る。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和
力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができ
る。
【0057】性状 次に、(D)成分である脱水剤の性状について説明す
る。まず、脱水剤は、常温、常圧条件において、固体も
しくは液体であり、電子部品用材料中に溶解または分散
して、脱水効果を発揮する化合物から選ばれる。また、
脱水剤が有機化合物から選ばれる場合、その沸点(常圧
条件下)を、40〜200℃の範囲内の値とすることが
好ましい。沸点がこのような範囲内の値であれば、室温
(25℃)〜200℃の乾燥条件で効率的に揮発させる
ことができる。したがって、脱水剤を除去することが容
易である。一方、脱水剤が無機化合物から選ばれる場
合、電子部品用材料の塗布性、透明性を損なわないよう
に、均一に分散して用いることが好ましい。
【0058】添加量 また、(D)成分としての脱水剤の添加量(含有割合)
は特に制限されるものではないが、(A)成分100重
量部に対して、通常、0.1〜100重量部の範囲内の
値とするのが好ましい。脱水剤の添加量が0.1重量部
未満となると、添加効果の発現に乏しい傾向があり、ま
た、保存安定性や放射線硬化性の向上効果が低い傾向が
ある。一方、脱水剤の添加量が100重量部を超える
と、保存安定性や放射線硬化性の向上効果が飽和する傾
向がある。したがって、(D)成分としての脱水剤の添
加量を、(A)成分100重量部に対して0.5〜50
重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜1
0重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0059】(5)添加剤 第1の実施形態である電子部品用材料には、高分子添加
剤、反応性希釈剤、ラジカル性光重合開始剤、光増感
剤、有機有機溶媒、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリ
ング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング
剤、無機充填剤、顔料、染料等を含有させることができ
る。
【0060】例えば、反応性希釈剤として、カチオン重
合性モノマーやエチレン性不飽和モノマーを(A)成分
100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲内で
添加することにより、光硬化性を調節したり、あるいは
得られる光硬化物の膜厚を調節したり、硬化収縮を低減
したりすることができる。より具体的には、分子量10
00〜10000のシラノール末端ポリジメチルシリコ
ーン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラ
ン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシシラン
等を添加することにより、光硬化物の膜厚を5〜20μ
mと厚く形成したり、硬化収縮を低減したりすることが
できる。
【0061】また、高分子添加剤として、(A)成分1
00重量部あたり、1〜400重量部の範囲内でフッ素
含有重合体を添加することが好ましい。このようにフッ
素含有重合体を添加することにより、光硬化物の誘電率
を低下させることができ、しかも内部応力を低下させる
こともできる。ただし、フッ素含有重合体をそのまま添
加しても、(A)成分との相溶性が乏しい場合があるた
め、フッ素含有重合体に、イソシアネート基、メルカプ
ト基、エポキシ基、オキセタン基またはアクリロイル基
を導入した化合物が好ましい。
【0062】さらに、良好な相溶性を得るために、ラジ
カル発生剤としてアゾ基含有ポリシロキサンを用いてフ
ッ素含有オレフィン化合物を重合させたフッ素含有重合
体、例えば、下記一般式(5)で表されるノニオン性反
応性乳化剤であることが好ましい。
【0063】
【化1】
【0064】[一般式(5)中、nは1〜20の整数で
あり、mは1〜10の整数であり、uは1〜50の整数
である。]
【0065】(6)電子部品用材料 性状 電子部品用材料の粘度を、5〜10,000cps(2
5℃)の範囲内の値とするのが好ましい。粘度がこれら
の範囲を超えると、均一な塗膜を形成することが困難と
なる傾向がある。なお、かかる電子部品用材料の粘度
は、粘度調整剤(反応性希釈剤)や有機溶媒の配合量に
よって、適宜調製することができる。
【0066】コーティング方法 電子部品用材料を使用する場合、まず、適用部材(半導
体素子、基板、回路パターン)にコーテイングしたり、
ポッティングする方法が一般に採られる。ここで、電子
部品用材料のコーテイング方法やポッティング方法は特
に制限されるものではないが、例えば、ディッピング
法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピ
ンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シル
クスクリーン法、またはインクジェット法等の方法を用
いることができる。
【0067】光照射 電子部品用材料に光を照射する手段としては、特に制限
されるものではなく、用途に応じて種々の手段を採用す
ることができる。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ラ
ンプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の光
源を用いて、波長200〜500nmの紫外線または可
視光を、露光量が100〜2000mJ/cm2となる
ように光照射することができる。また、レーザ光、ある
いはレンズ、ミラー等を用いて得られた収束光等を走査
させながら電子部品用材料に照射することもできる。さ
らに、所定パターンの光透過部を有するマスクを用い、
このパターンマスクを介して非収束光を電子部品用材料
に照射したり、あるいは、多数の光ファイバーを束ねて
なる導光部材を用いてパターン露光することも好まし
い。このようにパターン露光すると、電子部品用材料を
半導体封止用樹脂等に用いた場合に、不要部分に付着し
た半導体封止用樹脂を露光せずに除去することができ
る。
【0068】ポストベーク また、電子部品用材料を露光した後、70〜200℃の
範囲内の温度で、1分〜120分間、さらに加熱(ポス
トベーク)することが好ましい。このようにポストベー
クすることにより、光硬化反応による硬化に加えて、熱
硬化反応による硬化を促進させることができる。より具
体的には、オーブンやホットプレート、あるいは赤外線
加熱装置を用いて、電子部品用材料における(A)成分
中の光硬化しなかった残基(水酸基およびアルコキシ
基)を熱硬化させて、より耐熱性や現像特性に優れた光
硬化物とすることができる。なお、従来の感光性ポリイ
ミド系樹脂等においては、250℃以上の高い温度での
ポストベークが一般に必要であったために、実装する半
導体素子や接続箇所を損傷する場合が見られた。しかし
ながら、本発明の電子部品用材料は、低温でのポストベ
ークが可能であるため、このような問題がない。
【0069】ここで、図1を用いて、ポストベーク条件
についてより詳細に説明する。図1は、横軸にポストベ
ーク温度(ポストベーク時間は60分で一定)を採って
示してあり、縦軸に現像特性についての下記評価点1〜
4を採って示してある。また、電子部品用材料は、後述
する実施例1の組成物であり、バーコータを用いて、石
英板上に乾燥後厚さが5μmとなるように形成してあ
り、それにライン&スペース25μm/25μmのスト
ライプ状のフォトマスクを介して、200mJ/cm2
となるように露光し、その後、水酸化ナトリウム水溶液
(濃度1重量%)を用いて現像してある。図1の結果か
ら明かなように、ポストベーク温度が高い程、評価点が
高い傾向が見られたが、100℃以上となると飽和する
傾向が見られた。 評価点4:光硬化物がフォトマスクパターンを完全に再
現している。 評価点3:光硬化物がフォトマスクパターンをほぼ完全
に再現している。 評価点2:硬化膜の表面タックが少々あり、MIKによ
りわずかに膨潤する。 評価点1:硬化膜の表面タックがあり、MIKにより溶
解する。
【0070】光硬化物の特性 電子部品用材料から得られる光硬化物の5%重量減少温
度(窒素雰囲気中測定)を200〜500℃の範囲内の
値とすることが好ましい。この理由は、5%重量減少温
度が200℃未満となると、半田溶融温度以下となる場
合があり、ソルダーレジスト用材料や回路保護用材料等
に使用できない場合があるためである。一方、500℃
を超えると、電子部品用材料に使用可能な材料の種類が
過度に制限される場合があるためである。したがって、
半田耐熱温度や使用材料の制限とのバランスがより良好
な点から、光硬化物の5%重量減少温度(窒素雰囲気中
測定)を250〜450℃の範囲内の値とすることがよ
り好ましく、300〜425℃の範囲内の値とすること
がより好ましい。
【0071】また、電子部品用材料から得られる光硬化
物の比誘電率(周波数100kHz)を2.0〜3.5
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かか
る比誘電率が2.0未満となると、電子部品用材料に使
用可能な材料の種類が過度に制限される場合があるため
であり、一方、3.5を超えると、高周波損失が大きく
なったり、インピーダンスマッチングが困難となり、半
導体実装用材料や半導体封止用材料に使用できない場合
があるためである。したがって、高周波損失等と、使用
材料の制限とのバランスがより良好な点から、光硬化物
の比誘電率(周波数1MHz)を2.0〜3.3の範囲
内の値とすることがより好ましく、2.0〜3.0の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0072】また、電子部品用材料から得られる光硬化
物の体積抵抗率を1×1014〜1×1017Ω・cmの範
囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる体
積抵抗率が1×1014Ω・cm未満となると、電気絶縁
性が低下し、半導体実装用材料や半導体封止用材料、あ
るいは半導体アンダーフィル用材料等の用途への使用が
制限される場合があるためであり、体積抵抗率が1×1
17Ω・cmを超えると、電子部品用材料に使用可能な
材料の種類が過度に制限される場合があるためである。
したがって、電気絶縁性と、使用材料の制限とのバラン
スがより良好な点から、光硬化物の体積抵抗率を1×1
15〜1×1017Ω・cmの範囲内の値とすることがよ
り好ましく、5×1015〜5×1016Ω・cmの範囲内
の値とすることがさらに好ましい。
【0073】また、電子部品用材料から得られる光硬化
物の熱膨張係数を0.1×10-5〜100×10-5/℃
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かか
る熱膨張係数が0.1×10-5/℃未満となると、電子
部品用材料に使用可能な材料の種類が過度に制限される
場合があるためであり、熱膨張係数が100×10-5
℃を超えると、熱応力が発生しやすくなり、半導体実装
用材料や半導体封止用材料、あるいは半導体アンダーフ
ィル用材料等の用途への使用が制限される場合があるた
めである。したがって、熱的安定性や接続信頼性と、使
用材料の制限とのバランスがより良好な点から、光硬化
物の熱膨張係数を0.5×10-5〜50×10-5/℃の
範囲内の値とすることがより好ましく、1.0×10-5
〜30×10-5/℃の範囲内の値とすることがさらに好
ましい。
【0074】また、電子部品用材料から得られる光硬化
物の光透過率(波長550nm)を80%以上の値とす
ることが好ましい。この理由は、かかる光透過率が80
%未満となると、透明性が低下して、半導体封止用材料
や半導体アンダーフィル用材料、あるいは液晶封止用材
料等の用途への使用が制限される場合があるためであ
る。したがって、より透明性が向上することから、光硬
化物の光透過率(波長550nm)を90%以上の値と
することがより好ましく、95%以上の値とすることが
さらに好ましい。
【0075】電子部品用材料の用途上述した電子部品
用材料の用途としては、特に制限されるものではない
が、例えば、半導体封止用材料(ポッティング用材料と
称する場合もある。)、半導体アンダーフィル用材料、
フリップチップ実装用材料、半導体保護用材料(パッシ
ベーション膜を含む)、層間絶縁膜用材料、回路基材用
材料(TABテープ用材料を含む。)、平坦化材料、回
路基板(FPC)の保護用材料、エッチングレジスト用
材料、液晶封止用材料等の用途が挙げられる。
【0076】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれら実施例の記載内容に限定されるものではない。
また、実施例中、各成分の配合量は特に記載のない限り
重量部を意味している。
【0077】[実施例1] (電子部品用材料の調製)撹拌機付の容器内に、メチル
トリメトキシシラン(80.0g、0.558モル)
と、電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水
(16.0g、0.889モル)とを収容した後、温度
60℃、6時間の条件で加熱撹拌することにより、メチ
ルトリメトキシシランの加水分解を行った。次いで、
(C)成分であるメチルイソブチルケトン(以下、MI
BKと略記)を滴下しながら、加水分解により生成した
メタノールを蒸留除去した。そして、(C)成分である
MIBKをさらに添加して、最終的に固形分を22重量
%に調整し、ポリシロキサンを含有する溶液(以下、ポ
リシロキサン溶液1と称する。)を得た。得られたポリ
シロキサン溶液1中のポリシロキサンについて、GPC
を用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した
ところ、1500という値が得られた。次いで、得られ
たポリシロキサン溶液1(22重量%固形分)100重
量部あたり、(B)成分として、[4−(2−ヒドロキ
シ−n−テトラデシロキシ)フェニル]フェニルヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモネート(光酸発生剤1と
略記する。)を0.7重量部と、脱水剤として、オルト
蟻酸メチル3.0重量部と、増感剤としてジエチルチオ
キサントンを0.01重量部とをそれぞれ添加して、電
子部品用材料を得た。
【0078】(電子部品用材料の評価) (1)光硬化性 得られた電子部品用材料を大気条件下、バーコータを用
いて、石英板上に厚さが3μmとなるように塗膜を形成
した。形成した塗膜に対して、大気下、温度25℃で、
それぞれ露光量が100mJ/cm2(照射時間1
秒)、200mJ/cm2(照射時間2秒)、および3
00mJ/cm2(照射時間3秒)となるように、オー
ク製作所(株)製のコンベア式高圧水銀ランプ(2k
W)を用いて紫外線を照射し、硬化膜を形成した。得ら
れた硬化膜につき、指触で表面タックを測定し、以下の
基準で光硬化性を評価した。結果を表1に示す。 ◎:100mJ/cm2露光後、硬化膜の表面タックが
ない。 〇:200mJ/cm2露光後、硬化膜の表面タックが
ない。 △:300mJ/cm2露光後、硬化膜の表面タックが
ない。 ×:300mJ/cm2露光後、硬化膜の表面タックが
ある。
【0079】(2)透明性 電子部品用材料を石英板上に回転塗布した後、前記コン
ベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が200mJ/
cm2となるように紫外線を照射し、厚さ10μmの硬
化膜を形成した。次いで、分光光度計を用いて、波長5
50nmにおける光透過率(T/%)を測定し、得られ
た光透過率から以下の基準で透明性を評価した。結果を
表1に示す。 ○:光透過率が95%以上の値である。 △:光透過率が80〜95%未満の値である。 ×:光透過率が80%未満の値である。
【0080】(3)5%重量減少温度 電子部品用材料をシリコンウエファー上に回転塗布した
後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が
200mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ
5μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜につき、T
GAを用いて、窒素中で加熱し、初期重量(100%)
から5%減少したときの温度(5%重量減少温度)を測
定した。また、紫外線硬化後、200℃、10分の条件
でポストベークして得られた硬化膜につき、TGAを用
いて、同様に5%重量減少温度を測定した。それぞれの
結果を表1に示す。
【0081】(4)密着力 電子部品用材料を、アルミナ基板および銅板上にそれぞ
れ回転塗布した後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用
いて、露光量が200mJ/cm2となるように紫外線
を照射し、厚さ3μmの硬化膜を形成した。次いで、温
度121℃、湿度100%RH、圧力2atm、24時
間の条件でPCT試験を実施し、その後、JIS 54
00に準拠した碁盤目試験を行い、上記基板に対する密
着力を、以下の基準に基づいて評価した。得られた結果
を表1に示す。 ◎:碁盤目100個中、全く剥がれが観察されなかっ
た。 ○:碁盤目100個中、1〜10個の剥がれが観察され
た。 △:11〜20個の剥がれが観察された。 ×:碁盤目100個中、20個以上の剥がれが観察され
た。
【0082】(5)不純物イオン含有量 電子部品用材料をシリコンウエファー上に回転塗布した
後、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が
200mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ
5μmの硬化膜を形成した。得られた硬化膜中の不純物
イオン含有量(Na,K,Fe)を原子吸光法により測
定した。得られた結果を表1に示す。
【0083】(6)比誘電率 電子部品用材料を石英ガラス上に回転塗布した後、前記
コンベア式高圧水銀ランプを用いて、露光量が200m
J/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ3μmの
硬化膜を形成し、さらに100℃、1時間の条件でポス
トベークした。この硬化膜の比誘電率を、周波数100
kHzの条件で、誘電率計により測定した。得られた結
果を表1に示す。
【0084】(7)保存安定性 電子部品用材料を温度40℃で1ヶ月間および3ヶ月間
保管した後、目視で外観変化(粘度増加)を測定し、さ
らに上記(1)の光硬化性を測定して、以下の基準で保
存安定性を評価した。結果を表1に示す。 ◎:3ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察
されない。 〇:1ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察
されない。 ×:1ヶ月経過後に、外観変化あるいは光硬化性の低下
が観察される。
【0085】[実施例2] (電子部品用材料の調製)コンデンサー、窒素導入口お
よび攪拌機を備え付けたセパラブルフラスコに、n−ブ
チルアクリレート(115g、0.808mol)、γ-メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50.1
g、0.202mol)、p−イソプロペニルフェノール
(108.3g、0.808mol)、メタクリル酸(1
04.4g、1.213mol)、トリシクロ〔5.2.
1.02.6〕デカ−8−イル=メタクリレート(22
2.3g、1.010mol)、1,1′−アゾビス(シ
クロヘキサン-1-カルボニトリル)(18g、0.07
37mol)、乳酸エチル(900g)を収用した。窒素
置換した後、内温90℃、6時間の条件で、バッチ重合
し、共重合体溶液1を得た。得られた共重合体溶液1の
固形分率は39.1%、ビニル単量体の重合転化率は9
9%、得られた共重合体の重量平均分子量は22,30
0、および得られた共重合体の数平均分子量は7,80
0であった。
【0086】次に、コンデンサー、窒素導入口および攪
拌機を備え付けたセパラブルフラスコに、得られた共重
合体767g(固形分300g)と、乳酸エチル103
3gと、トリメトキメチルシラン1055g(7.75
mol)to、メチルオキセタニルメトキシプロピルトリ
エトキシシラン27.5g(0.859mol)とを収用
した。その状態で、内温60℃まで昇温後、電気伝導度
が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(232g、1
2.9mol)を反応器に仕込み、内温60℃、6時間の
条件で、バッチ重合した。その結果、得られたアクリル
ポリマー・ポリシロキサンのハイブリッド体の固形分率
は29.4%、シラン単量体の重合転化率は99%、ハ
イブリッド体の重量平均分子量は13,100、ハイブ
リッド体の数平均分子量は1,120であった。また、
加水分解により生成したアルコールと、有機溶媒である
乳酸エチルとを真空ポンプを備え付けたロータリーエバ
ポレーターを用いて、温度60℃の条件にて除去し、固
形分が60重量%に調整されたアクリルポリマー・ポリ
シロキサンのハイブリッド体溶液を得た(以下、ポリシ
ロキサン溶液2と称する)。次いで、得られたポリシロ
キサン溶液2(60重量%固形分)100重量部あた
り、(B)成分の光酸発生剤として、トリフェニルスル
フォントリフルオロメタンスルフォネート(光酸発生剤
2と略記する。)1重量部と、増感剤として、9−アン
トラセンメタノール0.33重量部と、脱水剤として、
オルト蟻酸メチル3重量部とをそれぞれ添加して、電子
部品用材料を得た。
【0087】(電子部品用材料の評価)実施例1と同様
に、光硬化性、透明性、5%重量減少温度、密着性、不
純物イオン含有量、比誘電率(ポストベーク条件200
℃、1時間)、保存安定性をそれぞれ測定した。得られ
た結果を表1に示す。また、実施例2においては、電子
部品用材料の柔軟性(マンドレル試験)を評価した。す
なわち、電子部品用材料を、縦10cm×横10cm×
厚さ120μmのPETフィルム上にバーコーターで塗
布し、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線
を照射し、厚さ5μmの硬化膜を形成した。次に、直径
が1、5、8、10mmの金属棒に巻き付けて、5秒間
静置した。その後硬化膜の表面を顕微鏡(倍率50倍)
で観察した。その結果、直径1mmの金属棒を使用した
場合であっても、クラックの発生は観察されなかった。
【0088】[実施例3] (電子部品用材料の調製)内容積1.0リットルの電磁
撹拌機を備えたステンレス製のオートクレーブ内を窒素
ガスで置換した後、酢酸エチル(有機溶媒)300g
と、エチルビニルエーテル24.0gと、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル25.8gと、ノニオン性反応性乳
化剤NE−30(旭電化工業(株)製)10.0gと、
ラジカル発生剤としてアゾ基含有ポリジメチルシロキサ
ンVPS−1001(和光純薬工業(株)製)1.0g
と、過酸化ラウロイル0.5gとを収容した。次いで、
ヘキサフルオロプロピレン(ガス)99.9gをオート
クレーブ内に導入した後、温度70℃、20時間の条件
でラジカル重合反応を行い、フッ素含有共重合体を得
た。得られたフッ素含有重合体について、フッ素含量を
アリザリンコンプレクソン法に準拠して測定したとこ
ろ、46.1重量%であった。
【0089】次いで、得られたフッ素含有重合体100
gと、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
20gと、メチルイソブチルケトン500gと、ジブチ
ルスズジラウレート0.01gとを撹拌機付きの反応容
器内に収容した。そして、撹拌しながら、窒素ガス雰囲
気下、温度20℃、12時間の条件で、フッ素含有共重
合体とγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
とを反応させて、シラン変性されたフッ素含有共重合体
を得た。
【0090】一方、撹拌機付き容器内に、メチルトリメ
トキシシラン(MTMS)80gと、電気電導率が8×
10-5s・cm-1のイオン交換水16gとを収容した
後、温度60℃、6時間の条件で、MTMSの加水分解
を行った。次いで、メチルイソブチルケトンを滴下しな
がら、加水分解により副生したメタノールを蒸留除去
し、最終的に固形分濃度が22重量%のMTMS縮合物
溶液を得た。得られたシラン変性されたフッ素含有共重
合体溶液(メチルイソブチルケトン22重量%溶液)3
0g、およびMTMS縮合物溶液(固形分濃度が22重
量%)70gとの混合物をポリシロキサン溶液3とし、
これに芳香族スルホニウム塩であるサンエイドSI−1
00(三新化学工業(株)製、光酸発生剤3と略記す
る。)0.66gと、脱水剤として、オルト蟻酸メチル
3.0gとを均一に混合撹拌して、電子部品用材料を得
た。
【0091】(電子部品用材料の評価)実施例1および
2と同様に、光硬化性、透明性、5%重量減少温度、密
着性、不純物イオン含有量、比誘電率(ポストベーク条
件200℃、1時間)、保存安定性および柔軟性をそれ
ぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。結果から理
解されるように、得られた光硬化物は、優れた耐熱性、
透明性、密着性、比誘電率等を有していることが確認さ
れた。
【0092】[実施例4] (電子部品用材料の調製)コンデンサー、窒素導入口お
よび攪拌機を備え付けたセパラブルフラスコに、n−ブ
チルアクリレート(105.6g、0.824mol)、
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(5
1.13g、0.206mol)、p−イソプロペニルフ
ェノール(110.5g、0.824mol)、メタクリ
ル酸(106.4g、1.235mol)、トリシクロ
〔5.2.1.02.6〕デカ−8−イル=メタクリレー
ト(226.5g、1.029mol)、1,1′−アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(18
g、0.0737mol)、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル(以下、PGMと略記する。)(900
g)を収用した。窒素置換した後、内温90℃、6時間
の条件で、バッチ重合し、共重合体溶液1を得た。得ら
れた共重合体溶液1の固形分率は39.1%、ビニル単
量体の重合転化率は99%、得られた共重合体の重量平
均分子量は46,000、および得られた共重合体の数
平均分子量は96,00であった。
【0093】次に、コンデンサー、窒素導入口および攪
拌機を備え付けたセパラブルフラスコに、得られた共重
合体767g(固形分300g)と、PGM1033g
と、トリメトキメチルシラン1115g(8.18mo
l)を加えた。その状態で、内温60℃まで昇温後、電
気伝導度が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(22
1g、12.3mol)を反応器に仕込み、内温60℃、
6時間の条件で、バッチ重合した。その結果、得られた
アクリルポリマー・ポリシロキサンのハイブリッド体の
固形分率は27.1%、シラン単量体の重合転化率は9
9%、ハイブリッド体の重量平均分子量は13,10
0、ハイブリッド体の数平均分子量は1,120であっ
た。また、加水分解により生成したアルコールと、有機
溶媒であるPGMとを真空ポンプを備え付けたロータリ
ーエバポレーターを用いて、温度60℃の条件にて除去
し、固形分が60重量%に調整されたアクリルポリマー
・ポリシロキサンのハイブリッド体溶液を得た(以下、
ポリシロキサン溶液4と称する)。得られたポリシロキ
サン溶液4の固形分85重量部あたり、1,4−ビス
[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]
ベンゼン(オキセタン化合物と称する。)を15重量、
すなわち、ポリシロキサン溶液4 100重量部に対し
て、オキセタン化合物10.6重量部を添加した。さら
に、これらハイブリッド体とオキセタン化合物の合計の
固形分60重量部あたり、下記構造式(6)で表される
光酸発生剤(光酸発生剤4と略記する。)を1重量部と、
増感剤として、エチル−9,10−ジメトキシアントラ
セン0.5重量部と、脱水剤として、オルト蟻酸メチル
3重量部とをそれぞれ添加して、電子部品用材料を得
た。
【0094】
【化2】
【0095】(電子部品用材料の評価)実施例1と同様
に、光硬化性、透明性、5%重量減少温度、密着性、不
純物イオン含有量、比誘電率(ポストベーク条件200
℃、1時間)、保存安定性をそれぞれ測定した。得られ
た結果を表1に示す。また、実施例4においても、実施
例2と同様に、電子部品用材料の柔軟性(マンドレル試
験)を評価した。その結果、直径1mmの金属棒を使用
した場合であっても、クラックの発生は観察されなかっ
た。
【0096】
【表1】
【0097】[実施例5]実施例3で調製した電子部品
用材料を25μm厚銅張ポリエステル基材(50μm)
上にスピンコートした後、100℃、10分間の条件で
プリベークし、膜厚5μmのエッチング用レジスト膜お
よび回路基板保護膜としての塗膜を形成した。この塗膜
上にパターンマスク(最小幅パターン:2μm)を載
せ、高圧水銀灯により、露光量500mJ/cm2とな
るように紫外線を露光した。次いで、MIBKを用いて
未露光部分を現像(洗浄除去)した後、塗膜を乾燥させ
た。顕微鏡を用いて、得られた塗膜のパターン形状を観
察したところ、パターンマスクの最小幅である2μmの
パターンが再現性良く形成されていることを確認した。
また、200℃の条件で半田処理を行ったところ、回路
基板保護膜について、特に変形や損傷は見られなかっ
た。したがって、本発明の電子部品用材料から形成され
たエッチング用レジスト膜は、優れたエッチング性を有
しており、しかも、回路基板保護膜とした場合には、優
れた耐熱性を有していると言える。
【0098】[実施例6]実施例2で調製した電子部品
用材料を銅張ガラスエポキシ基材上にスピンコートした
後、100℃、10分の条件でプリベークし、膜厚30
μmの薄膜を形成した。この薄膜に対し、直径が25、
50、75、および100μmの穿孔パターンが形成さ
れたテスト用フィルムマスクを介して、高圧水銀灯によ
り、露光量500mJ/cm2となるように紫外線を露
光した。ついでテトラメチルアンモニウムヒドロキサイ
ド溶液(濃度2.38重量%)を用い、室温で1分ディ
ッピングする事により現像処理を行い、銅金属層に至る
ビアホールを有する電気絶縁層を形成した基材を得た。
得られたビアホールを、走査型電子顕微鏡を用いて観察
したところ、精度良く形成されており、最小径の穿孔パ
ターンである25μmのビアホールが、銅層まで貫通し
ていることを確認した。したがって、本発明の電子部品
用材料から形成された電気絶縁層は、優れたスルーホー
ル形成性を有していると言える。
【0099】[実施例7]実施例6で得られたビアホー
ルを有する電気絶縁層上に、アネルバSPF−430H
(日本電気(株)製)を用いて、初期圧力10-4Pa、
アルゴン注入後10-2Paの条件で電圧560V、電流
0.4Aで10分間スパッタ処理することにより、厚さ
3000Åの銅層を形成した。スパッタ処理後、電気絶
縁層の外観を観察したところ、クラックの発生は見られ
ず、良好なスパッタ耐性を有することを確認した。さら
に硫酸銅−硫酸水溶液(硫酸銅濃度210g/L、硫酸
濃度52g/L、pH=1.0)を電解銅メッキ液とし
て用い電解銅メッキ処理を行った。電解銅メッキ処理時
の電流密度を3.0mA/dmとし、合計の厚みが約2
0μmの銅層を電気絶縁層の表面全体にわたって形成し
た。その後、150℃で1時間加熱処理した。形成した
銅層に1cm間隔の切り込みを形成し、端面からピール
テスターで剥離させることにより、銅層のピール強度
(JIS C 6418)を測定した。その結果、11
00g/cmというピール強度の値が得られた。したが
って、本発明の電子部品用材料から形成された電気絶縁
層は、優れた銅密着性を有していると言える。
【0100】
【発明の効果】本発明の電子部品用材料によれば、適当
な有機溶媒を用いることにより、優れた保存安定性や光
硬化性を示すことができ、しかも耐熱性、密着性、電気
絶縁性、比誘電率、透明性等に優れた光硬化物を短時間
で得ることができるようになった。 また、本発明の電
子部品用材料によれば、光硬化性であるばかりか、熱硬
化性の特性も有しており、適宜組み合わせて硬化させる
ことも可能であり、使い勝手が良好となった。また、本
発明の電子部品用材料によれば、適当な有機溶媒を用い
ることにより、半導体封止用材料、半導体アンダーフィ
ル用材料、層間絶縁膜用材料、半導体保護膜用材料、液
晶封止用材料、回路保護用材料、回路用材料、平坦化材
料等の用途において、優れた塗布性や作業性が得られる
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポストベーク温度と、現像特性との関係を説明
するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇高 友広 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA10 AA11 AA13 AA14 AB16 AB17 AC01 AD01 BD20 BE00 BE10 CB33 CC03 4J002 CP021 CP031 CP081 CP091 CP101 CP131 CP141 CP161 DE147 DJ007 DJ017 DJ037 EB106 ED087 EE037 EH037 EH05 EL137 EL147 EV216 EV236 EV246 EV296 EW046 EW176 EX037 EY016 EY026 GH02 GJ02 GP03 GQ01 GQ05 5E314 AA27 AA47 CC01 CC02 CC04 CC06 CC07 EE01 EE02 FF02 FF04 FF21 GG26 5E339 BC02 CD01 CF17 DD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(C)成分を含有すること
    を特徴とする電子部品用材料。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物
    およびその加水分解物あるいはいずれか一方の化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
    3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶媒
  2. 【請求項2】 前記有機溶媒が、エーテル系有機溶媒、
    エステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有
    機溶媒、アルコール系有機溶媒からなる群から選択され
    る少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求
    項1に記載の電子部品用材料。
  3. 【請求項3】 前記有機溶媒が、プロピレングリコール
    モノメチルエーテル、乳酸エチル、メチルイソブチルケ
    トン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、およ
    びメタノールからなる群から選択される少なくとも一つ
    の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の電子部品用材料。
  4. 【請求項4】 脱水剤を含むことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の電子部品用材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電
    子部品用材料を塗工した後、放射線により硬化させてな
    る電子部品。
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