JP2001083342A - 光導波路形成用組成物、光導波路の形成方法、および光導波路 - Google Patents

光導波路形成用組成物、光導波路の形成方法、および光導波路

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JP2001083342A
JP2001083342A JP25528699A JP25528699A JP2001083342A JP 2001083342 A JP2001083342 A JP 2001083342A JP 25528699 A JP25528699 A JP 25528699A JP 25528699 A JP25528699 A JP 25528699A JP 2001083342 A JP2001083342 A JP 2001083342A
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Hozumi Sato
穂積 佐藤
Motoki Okaniwa
求樹 岡庭
Tomohiro Uko
友広 宇高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波路損失が少なく、しかも耐熱性に優れた
光導波路が容易に形成できる光導波路形成用組成物等を
提供する。 【解決手段】 下部クラッド層と、コア部分と、上部ク
ラッド層とが順次に形成された光導波路において、当該
下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の少な
くとも一つが、下記(A)〜(C)成分からなる光導波
路形成用組成物を用いて形成してある。(A)一般式
(1)で示される加水分解性シラン化合物、その加水分
解物およびその縮合物からなる群から選ばれる少なくと
も1つの化合物 (R1)PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。](B)光酸発生剤(C)エーテル
系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、
炭化水素系有機溶媒、およびアルコール系有機溶媒から
なる群から選択される少なくとも一つの有機溶媒

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野、光情
報処理分野等に用いられる光回路を作成するための光導
波路形成用組成物、その形成方法およびその方法により
得られた光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代を迎え、光通信シス
テムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および
高速化の要求から、光を伝送媒体とする伝送システム
が、公衆通信網、LAN(ローカルエリアネットワー
ク)、FA(ファクトリーオートメーション)、コンピ
ュータ間のインターコネクト、家庭内配線等に使用され
つつある。この伝送システムのうち、光導波路は、例え
ば映画や動画等の大容量の情報伝達や光コンピュータ等
を実現するための光デバイス、光電集積回路(OEI
C)、並びに光集積回路(光IC)等における基本構成
要素である。そして、光導波路は、大量の需要があるこ
とから鋭意研究される一方、特に高性能で、低コストの
製品が求められている。
【0003】このような光導波路としては、従来、ポリ
マー系光導波路や石英系光導波路が知られている。この
うち、ポリマー系光導波路としては、例えば特開平6−
273631号公報や、特開平7−159630号公報
に、無溶媒のエポキシ系紫外線硬化樹脂を用いて得られ
た光導波路が開示されている。このポリマー系光導波路
は、フォトリソグラフィー等の手段を用いることによ
り、石英系光導波路と比較して、より簡単かつ低コスト
で形成することができるという利点がある。しかしなが
ら、このポリマー系光導波路は、導波路損失が0.3〜
0.5dB/cmと大きく、特に通信に用いられる波長
650〜1600nmの光について導波路損失が大きい
という問題が見られた。また、耐熱性や耐湿性に乏し
く、例えば、150℃、5000時間の条件で加熱する
と、変形したり、導波路損失が著しく増大するという問
題があった。さらに、このポリマー系光導波路は、硬化
収縮が比較的小さい脂肪族環状エポキシ樹脂を用いてい
るものの、それでも硬化する際の体積変化が10%程度
あり、精度良く導波路を形成することができなかった。
【0004】また、石英系導波路として、下記に示す
〜の工程からなる製造方法により得られる導波路が知
られている。 シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)、CVD法
等の手段によりガラス膜よりなる下部クラッド層を形成
する。 下部クラッド層上に、これと屈折率の異なる無機質の
薄膜を形成する。 無機質の薄膜を反応性イオンエッチング法(RIE)
を用いて、パターニングし、コア部分を形成する。 火炎堆積法によって上部クラッド層を形成する。しか
しながら、この製造方法で得られる石英系導波路は、各
工程が大規模かつ煩雑である上に、各層を透明ガラス化
するために、1000℃以上の温度に加熱するガラス化
工程が別途必要であった。したがって、製造に長時間が
かかり、また、特殊な設備やコストがかかるという問題
が見られた。
【0005】また、特開平6−250036号公報に
は、ゾル−ゲル法を用いて形成した不純物ドープ層を、
スパッタ法あるいは火炎堆積法により形成した第1およ
び第2のコア層で挟みこみ、三層構造のコアを有する光
導波路およびその製造方法が開示されている。しかしな
がら、開示された光導波路は構造が複雑であり、しかも
スパッタ法あるいは火炎堆積法を用いている点では、従
来の製造方法とかわらず、結局、製造に長時間がかか
り、また、特殊な設備やコストがかかるという問題が見
られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ポリマー系光導波路は、製造自体は比較的容易であるも
のの、導波路としての性能が乏しいという問題があり、
一方、従来の石英系光導波路は、導波路としての比較的
性能は優れているものの、製造工程が煩雑で、製造効率
が低く、しかも製造コストが高いという問題があった。
本発明は、このような事情を背景としてなされたもので
あって、特定の加水分解性シラン化合物と、光酸発生剤
と、特定の有機溶媒と含んだ光導波路形成用組成物を用
いることにより、導波路としての性能に優れる一方、迅
速かつ簡易に形成できることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明の目的は、可視域から赤
外域にわたる広範囲の波長を有する光について、導波路
損失が少なく、しかも耐熱性等に優れた光導波路が、容
易に、しかも安価に形成できる光導波路形成用組成物を
提供することである。また、本発明の別の目的は、この
ような光導波路を短時間でかつ簡単なプロセスで形成す
ることができる光導波路の形成方法、およびそれから形
成される導波路損失が少なく、しかも耐熱性等に優れた
光導波路をそれぞれ提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物および
その加水分解物あるいはいずれか一方の化合物と、 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)光酸発生剤と、(C)エーテル系有機溶媒、エス
テル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有機溶
媒、およびアルコール系有機溶媒からなる群から選択さ
れる少なくとも一つの有機溶媒とを含有する光導波路形
成用組成物が提供され、上述した目的を達成することが
できる。
【0009】また、本発明の別の態様は、下部クラッド
層と、コア部分と、上部クラッド層とからなる光導波路
の形成方法、またはその方法から形成される光導波路で
あり、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層
の少なくとも一つを、下記(A)〜(C)成分からなる
光導波路形成用組成物を塗工した後、光照射して形成す
ることを特徴としている。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
ばれる少なくとも1つの化合物 (R1)PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケト
ン系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機
溶媒からなる群から選択される少なくとも一つの有機溶
媒 このように光導波路を形成することにより、光導波路形
成用組成物を塗工するとともに、光硬化させることがで
きるため、特殊な設備や高温加熱処理が不用となり、し
かも迅速に形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光導波路形成用組成物に
関する実施形態(第1の実施形態)および光導波路の形
成方法に関する実施形態(第2の実施形態)について、
それぞれ具体的に説明する。
【0011】[第1の実施形態]本発明の光導波路形成
用組成物は、(A)成分として、一般式(1)で示され
る加水分解性シラン化合物およびその加水分解物あるい
はいずれか一方の化合物と、(B)成分として、光酸発
生剤と、(C)成分として、エーテル系有機溶媒、エス
テル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有機溶
媒、アルコール系有機溶媒からなる群から選択される少
なくとも一つの有機溶媒とを含んで構成されている。た
だし、任意成分ではあるが、(D)成分として、脱水剤
や、(E)成分として、一般式(2)で表される加水分
解性チタン化合物を含むことも好ましい。以下、(A)
成分〜(E)成分からなる光導波路形成用組成物につい
て詳細に説明する。
【0012】(1)(A)成分 (A)成分は、当該光導波路形成用組成物の主成分であ
って、一般式(1)で表わされる加水分解性シラン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
ばれる少なくとも1つの化合物であり、有機基R1、加
水分解性基Xを有している。
【0013】有機基R1 一般式(1)における有機基R1は、非加水分解性であ
る1価の有機基の中から選ぶことができる。このような
非加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および
重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶこ
とができる。なお、有機基R1における非加水分解性と
は、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そ
のまま安定に存在する性質であることを意味する。
【0014】ここで、非重合性の有機基R1としては、
アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ
る。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの
組み合わせであってもよい。また、より具体的なアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、お
よび重水素化アルキル基もしくはハロゲン化アルキル基
が挙げられる。これらのアルキル基のうち、より好まし
くはメチル基である。
【0015】また、非重合性の有機基R1における具体
的なアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、ビフェニル基、および重水素化ア
リール基もしくはハロゲン化アリール基が挙げられる。
これらのうち、より好ましくはフェニル基である。さら
に、非重合性の有機基R1における具体的なアラルキル
基としては、ベンジル基およびフェニルエチル基が挙げ
られる。これらのうち、より好ましくはベンジル基であ
る。
【0016】さらに、非重合性の有機基R1は、ヘテロ
原子を含む構造単位とすることも好ましい。そのような
構造単位としては、エーテル結合、エステル結合、スル
フィド結合等を例示することができる。また、ヘテロ原
子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。
【0017】また、重合性の有機基R1は、分子中にラ
ジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基あ
るいはいずれか一方の官能基を有する有機基であること
が好ましい。このような官能基を導入することにより、
ラジカル重合やカチオン重合を併用して、光導波路形成
用組成物をより有効に硬化させることができる。また、
重合性の有機基R1におけるラジカル重合性の官能基、
およびカチオン重合性の官能基のうち、より好ましいの
はカチオン重合性の官能基である。光酸発生剤により、
シラノール基における硬化反応のみならず、カチオン重
合性の官能基における硬化反応を同時に生じさせること
ができるためである。
【0018】次に、ラジカル重合性の官能基を有する有
機基R1の具体例について説明する。このような有機基
1としては、不飽和炭化水素基を有する有機基、(メ
タ)アクリロキシ基を有する有機基、スチリル基を有す
る有機基、ビニルオキシ基を有する有機基等が挙げられ
る。そして、より具体的な不飽和炭化水素基としてはビ
ニル基、プロペニル基、ブタジエニル基等が挙げられ
る。これらのうち、より好ましくはビニル基である。ま
た、(メタ)アクリロキシ基を有する有機基の例を示す
と、(メタ)アクリロキシメチル基や(メタ)アクリロ
キシプロピル基等が挙げられる。また、スチリル基を有
する有機基の例を示すと、スチリル基、スチリルエチル
基、スチリルプロピル基等が挙げられる。さらに、ビニ
ルオキシ基を有する有機基の例を示すと、ビニロキシエ
チル基、ビニロキシプロピル基、ビニロキシブチル基、
ビニロキシオクチル基、ビニロキシシクロヘキシル基、
ビニロキシフェニル基等を挙げることができる。なお、
ビニルオキシ基を有する有機基は、後述するカチオン重
合性の官能基を有する有機基としての機能も有してい
る。
【0019】また、カチオン重合性の官能基を有する有
機基R1としては、環状エーテル構造を有する有機基、
ビニルオキシ基を有する有機基等が挙げられる。そし
て、より好ましくは、環状エーテル構造を有する有機基
である。かかる環状エーテル基としては、直鎖や環状構
造を有する3〜6員環の環状エーテル構造、より具体的
にはグリシジル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラ
ン構造を含む基、及びピラン構造を含む基を挙げること
ができる。また、これらの環状エーテル基のうち、より
好ましいものはグリシジル基、オキセタニル基等の4員
環以下の環状エーテル構造である。
【0020】また、環状エーテル構造を有する有機基の
具体例を示すと、グリシジルプロピル基、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル基、メチルオキセタ
ニルメトキシプロピル基、エチルオキセタニルメトキシ
プロピル基等を挙げることができる。
【0021】加水分解性基X 次に、一般式(1)における加水分解性基Xについて説
明する。Xで表される加水分解性基は、通常、無触媒、
過剰の水の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範
囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール
基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合
物を形成することができる基を指す。また、一般式
(1)中の添え字pは0〜3の整数であるが、より好ま
しくは0〜2の整数であり、特に好ましくは1である。
【0022】ただし、一般式(1)で示される加水分解
性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解
の加水分解性基が残っていてもよく、その場合は、加水
分解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。ま
た、加水分解性シラン化合物の加水分解物というとき
は、加水分解反応によりアルコキシ基がシラノール基に
変わった化合物ばかりでなく、一部のシラノール基同士
が縮合した部分縮合物をも意味している。さらに、加水
分解性シラン化合物は、光導波路形成用組成物を配合す
る時点で加水分解されている必要は必ずしもなく、放射
線を照射する段階で、少なくとも一部の加水分解性基が
加水分解されていればよい。すなわち、光導波路形成用
組成物において、加水分解性シラン化合物を予め加水分
解せずに使用した場合には、事前に水を添加して、加水
分解性基を加水分解させ、シラノール基を生成すること
により、光導波路形成用組成物を放射線硬化させること
ができる。
【0023】また、加水分解性基Xの内容としては、水
素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子
およびアミノ基等が挙げられる。ここで、好ましい炭素
数1〜12のアルコキシ基の具体例を挙げると、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノ
キシベンジロキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシ
エトキシ基、2−(メタ)アクリロキシエトキシ基、3
−(メタ)アクリロキシプロポキシ基、4−(メタ)ア
クリロキシブトキシ基、あるいは、グリシジロキシ基、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシ基等
のエポキシ基含有アルコキシ基、メチルオキセタニルメ
トキシ基、エチルオキセタニルメトキシ基等のオキセタ
ニル基含有アルコキシ基、オキサシクロヘキシロキシ等
の6員環エーテル基を有するアルコキシ基等を挙げるこ
とができる。
【0024】また、好ましいハロゲン原子としては、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。た
だし、このように加水分解性基としてハロゲン原子を含
む加水分解性シラン化合物を用いる場合、光硬化性樹脂
組成物の保存安定性を低下させないように注意を払う必
要がある。すなわち、加水分解により生成するハロゲン
化水素の量にもよるが、かかるハロゲン化水素を、中
和、蒸留等の操作により除去して、光硬化性樹脂組成物
の保存安定性に影響を及ぼさないようにすることが好ま
しい。
【0025】また、好ましいアミノ基としては、アミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミ
ノ基、ジブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基等を挙げることができる。ただし、このよう
に加水分解性基としてアミノ基を用いた場合、加水分解
によりアミン類が生成する。したがって、光硬化性樹脂
組成物の保存安定性に影響を及ぼさないように、光硬化
性樹脂組成物を最終的に調製する前に、かかる副生アミ
ン類を除去することが好ましい。また、好ましいアシル
オキシ基としては、アセトキシ基、ブチロイルオキシ基
等を挙げることができる。
【0026】(A)成分の具体例 次に、(A)成分である加水分解性シラン化合物(単
に、シラン化合物と称する場合がある。)の具体例を説
明する。
【0027】まず、一般式(1)中のpが0であって、
非重合性の有機基R1を有しないシラン化合物として
は、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラ
アセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシ
シラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラ
ン、トリエトキシシラン等の4個の加水分解性基で置換
されたシラン化合物が挙げられる。
【0028】また、一般式(1)中のpが1であるシラ
ン化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、重水素化メチルトリメト
キシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシ
ラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等が挙げ
られる。
【0029】また、一般式(1)中のpが2であるシラ
ン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジメチル
ジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン
等が挙げられる。さらに、一般式(1)中のpが3であ
るシラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、ヘ
キサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリブチル
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリブチルエトキ
シシラン等が挙げられる。
【0030】また、重合性の有機基R1を有するシラン
化合物としては、Xにおける非加水分解性の有機基に重
合性の有機基R1を含むシラン化合物、Xにおける加水
分解性の有機基に重合性の有機基R1を有するシラン化
合物のいずれかを用いることができる。
【0031】また、使用するシラン化合物の種類によ
り、光導波路における屈折率の値を幅広く変化させるこ
とができる。例えば、比較的高い屈折率の値(1.50
以上)を得たい場合には、上述したシラン化合物のう
ち、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン等を使用することが好ましい。一方、比較的低
い屈折率の値(1.50未満)を得たい場合には、上述
したシラン化合物のうち、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、ノナフルオロブチルエチル
トリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチ
ルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン等を使用することが好ましい。
【0032】(A)成分の加水分解条件 次に、上述したシラン化合物を加水分解する条件や縮合
する条件について説明する。これらの加水分解条件等
は、特に制限されるものではないが、一例として、以下
に示す1)〜3)の工程で以て実施するのが好ましい。
【0033】1)一般式(1)に示す加水分解性シラン
化合物と、所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容す
る。 2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容
器内にさらに収容し、混合溶液とする。 3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機
溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度
で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌
中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、
あるいは有機溶媒を置換することも好ましい。
【0034】ここで、加水分解性シラン化合物の加水分
解に用いられる水(精製水)は、逆浸透膜処理、イオン
交換処理、蒸留等の方法により精製された水を使用する
ことが好ましい。具体的には電気伝導率が1×10-2
・cm-1以下の値である水を使用することが好ましい。
加水分解に用いられる水の電気伝導率が1×10-2S・
cm-1を超えると、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が
低下する傾向がある。したがって、光硬化性樹脂組成物
の保存安定性がより良好な観点から、加水分解に用いら
れる水の電気伝導率を1.0×10-4S・cm-1以下の
値とするのがより好ましい。
【0035】加水分解物の重量平均分子量 次に、(A)成分としての加水分解性シラン化合物の加
水分解物における分子量について説明する。かかる分子
量は、移動相にテトラヒドロフランを使用したゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記
する。)を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量と
して測定することができる。そして、加水分解物の重量
平均分子量を、通常500〜10,000の範囲内の値
とするのが好ましい。この理由は、加水分解物における
重量平均分子量の値が500未満となると、塗膜の成膜
性が低下する場合があるためであり、一方、10,00
0を越えると光硬化性が低下する場合があるためであ
る。したがって、より好ましくは加水分解物における重
量平均分子量を、1,000〜5,000の範囲内の値
とすることである。
【0036】(2)(B)成分 光硬化性樹脂組成物に使用する(B)成分は光酸発生剤
であり、光等のエネルギー線を照射することにより、
(A)成分である加水分解性シラン化合物を光硬化(架
橋)可能な酸性活性物質を放出することができる化合物
と定義される。なお、光酸発生剤を分解させて、酸性活
性物質を発生するするために照射する光エネルギー線と
しては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、
γ線等を挙げることができる。ただし、一定のエネルギ
ーレベルを有し、硬化速度が大(速く)であり、しかも
照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使
用することが好ましい。
【0037】(B)成分の種類 次に、(B)成分としての光酸発生剤の種類を説明す
る。かかる光酸発生剤としては、一般式(3)で表され
る構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一般式
(4)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体(第
2群の化合物)を挙げることができる。
【0038】 [R2 a3 b4 c5 dW]+m [MZm+n] -m (3) [一般式(3)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R2、R3、R4およ
びR5は同一または異なる有機基であり、a、b、cお
よびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c
+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯
体[MXm+n]の中心原子を構成する金属またはメタロイ
ドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、B
i、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、
Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハ
ロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物
錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価であ
る。]
【0039】Qs−〔S(=O)2−R6t (4) [一般式(4)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
6は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]
【0040】まず、第1群の化合物であるオニウム塩
は、光を受けることにより酸性活性物質を放出すること
ができる化合物である。ここで、一般式(3)における
アニオン[MZm+n]の具体例としては、テトラフルオロ
ボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(P
6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、
ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロ
ルアンチモネート(SbCl6 -)、テトラフェニルボレ
ート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボ
レート等が挙げられる。また、一般式(3)におけるア
ニオン[MZm+n]の代わりに、一般式[MZnOH-]で表
されるアニオンを使用することも好ましい。さらに、過
塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフ
ォン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルフォン酸
イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、ト
リニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロト
ルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有する
オニウム塩を使用することもできる。
【0041】また、上述した第1群の化合物のうち、よ
り有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好
ましくは下記一般式(5)で表されるジアリールヨード
ニウム塩あるいはトリアリールヨードニウム塩である。 [R7−Ar1−I+−Ar2−R8][Y-] (5) [一般式(5)中、R7およびR8は、それぞれ1価の有
機基であり、同一でも異なっていてもよく、R7および
8の少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基を
有しており、Ar1およびAr2はそれぞれ芳香族基であ
り、同一でも異なっていてもよく、Y-は1価の陰イオ
ンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオンもし
くは、ClO4 -、CF3−SO3 -から選ばれる陰イオン
である。]
【0042】このようなジアリールヨードニウム塩とし
ては、具体的に、(4−n−デシロキシフェニル)フェ
ニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4
−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニ
ル〕フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネ
ート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキ
シ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスル
ホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロ
キシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデ
シロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−
ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチル
フェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビ
ス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフル
オロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニ
ル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデ
シルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェ
ート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフル
オロメチルスルフォネート等の1種または2種以上の組
み合わせを挙げることができる。
【0043】次に、第2群の化合物について説明する。
一般式(4)で表されるスルフォン酸誘導体の例を示す
と、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジス
ルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イ
ミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−
オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのス
ルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベン
ジルスルホネート類を挙げることができる。また、一般
式(4)の中でより好ましくはイミドスルホネート類で
あり、さらに好ましくはイミドスルホネートのうち、ト
リフルオロメチルスルホネート誘導体である。
【0044】また、このようなスルホネート類の具体例
を挙げると、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホ
ン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キ
シリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル
ベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホ
ニル)メタン、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド
メチルスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸
イミドトシルスルホネート、1,8−ナフタレンジカル
ボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、1,8
−ナフタレンジカルボン酸イミドカンファースルホネー
ト、コハク酸イミドフェニルスルホネート、コハク酸イ
ミドトシルスルホネート、コハク酸イミドトリフルオロ
メチルスルホネート、コハク酸イミドカンファースルフ
ォネート、フタル酸イミドトリフルオロスルホネート、
シス−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボン
酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、ベンゾイン
トシラート、1,2−ジフェニル−2−ヒドロキシプロ
ピルトシラート、1,2−ジ(4−メチルメルカプトフ
ェニル)−2−ヒドロキシプロピルトシラート、ピロガ
ロールメチルスルホネート、ピロガロールエチルスルホ
ネート、2,6−ジニトロフェニルメチルトシラート、
オルト−ニトロフェニルメチルトシラート、パラ−ニト
ロフェニルトシラートを挙げることができる。
【0045】添加量 次に、(B)成分としての光酸発生剤の添加量(含有割
合)について説明する。かかる光酸発生剤の添加量は特
に制限されるものではないが、(A)成分100重量部
に対して、通常0.1〜15重量部の範囲内の値とする
のが好ましい。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満
となると、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られ
ない傾向がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量
部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下
する傾向がある。したがって、光硬化性と得られる硬化
物の耐候性等とのバランスがより良好な観点から、
(B)成分としての光酸発生剤の添加量を、(A)成分
100重量部に対して、1〜10重量部の範囲内の値と
することがより好ましい。
【0046】(3)(C)成分 本発明で使用される光導波路形成用組成物には、(C)
成分としての特定の有機溶媒を配合することが必要であ
る。このように有機溶媒を配合することにより、光導波
路形成用組成物の保存安定性が向上するとともに、適当
な粘度を得ることができ、均一な厚さを有する光導波路
を形成することができる。
【0047】種類 このような有機溶媒としては、エーテル系有機溶媒、エ
ステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有機
溶媒、アルコール系有機溶媒からなる群から少なくとも
一つ選ぶことができるが、通常、大気圧下での沸点が5
0〜200℃の範囲内の値を有する有機化合物であり、
各成分を均一に溶解させる有機化合物であることが好ま
しい。このような有機溶媒を示すと、例えばn−ペンタ
ン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−
ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペン
タン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチ
ルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベン
セン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−
ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピ
ルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノ
ール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタ
ノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メ
チルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノ
ール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2
−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エ
チルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール
−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、s
ec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−
ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−
ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、
sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシ
ルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチ
ルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカ
ルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモ
ノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペ
ンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール
−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオー
ル−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエ
チレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセ
リン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−
ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケ
トン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチ
ルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチ
ルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メ
チルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセ
トニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノ
ン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、
i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキ
シルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレン
オキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラ
ン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−
ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシ
ルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エト
キシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n
−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢
酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレ
ロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢
酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、
酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メ
トキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブ
チル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シ
クロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノ
ニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチ
レングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリ
コールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブ
チルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、
酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコー
ル、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチ
ル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミ
ル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸
メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミ
ル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオン
アミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化
ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチ
オフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3
−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等の一種単独ある
いは二種以上の組合わせを挙げることができる。
【0048】これらの有機溶媒の中で、より好ましい例
を示すと、アルコール類およびケトン類が挙げられる。
この理由は、アルコール類およびケトン類を使用するこ
とにより、光導波路形成用組成物の保存安定性をより向
上させることができるためである。また、より好ましい
有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチル
アミルケトン、トルエン、キシレン、およびメタノール
からなる群から選択される少なくとも一つの化合物が挙
げられる。
【0049】また、有機溶媒の種類は、光導波路形成用
組成物の塗布方法を考慮して選択することも好ましい。
例えば、均一な厚さを有する薄膜が容易に得られること
からスピンコート法を用いることが好ましいが、その場
合に使用する有機溶媒としては、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソルブ
アセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテー
トなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテー
ト類;乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
などのエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレ
ングリコール類;メチルイソブチルケトン、2−ヘプタ
ノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケ
トン類を用いることが好ましく、特にエチルセロソルブ
アセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセ
テート、乳酸エチル、メチルイソブチルケトンおよびメ
チルアミルケトンを使用することが好ましい。
【0050】添加方法 なお、(C)成分としての有機溶媒の添加方法について
も制限されるものではないが、例えば、(A)成分の加
水分解性シラン化合物の加水分解物又は縮合物を製造す
る際に添加することが良い。あるいは、(A)成分およ
び(B)成分を配合する際に有機溶媒を加えることも好
ましい。
【0051】(4)(D)成分 光導波路形成用組成物における(D)成分としての脱水
剤は、化学反応により水以外の物質に変換する化合物、
物理吸着または包接により、放射線硬化性および保存安
定性に悪影響を与えなくする化合物と定義される。すな
わち、このような脱水剤を含有することにより、光導波
路形成用組成物の耐候性や耐熱性を損なうことなく、保
存安定性や放射線硬化性という相反する特性を向上させ
ることができる。この理由は必ずしも明確でないが、外
部から侵入してくる水を、脱水剤が有効に吸収するため
に光導波路形成用組成物の保存安定性が向上し、一方、
放射線硬化反応である縮合反応においては、生成した水
を順次に脱水剤が有効に吸収するために光導波路形成用
組成物の放射線硬化性が向上するものと考えられる。
【0052】種類 (D)成分である脱水剤の種類は特に制限されるもので
ないが、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセ
タール類(ケタール類を含む。)、およびカルボン酸無
水物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物
であることが好ましい。また、無機化合物として、脱水
機能を有するセラミック粉体の使用も好ましい。これら
の脱水剤は、優れた脱水効果を示し、少量の添加で脱水
剤の機能を効率的に発揮することができる。
【0053】また、脱水剤としてのカルボン酸エステル
は、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエス
テル等の中から選ばれる。ここで、好ましいカルボン酸
オルトエステルとしては、オルト蟻酸メチル、オルト蟻
酸エチル、オルト蟻酸プロピル、オルト蟻酸ブチル、オ
ルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピ
ル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルおよ
びオルトプロピオン酸エチル等が挙げられる。また、こ
れらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優れた脱
水効果を示し、保存安定性や放射線硬化性をより向上さ
せることができる観点から、オルト蟻酸エステルが脱水
剤として特に好ましい。また、好ましいカルボン酸シリ
ルエステルとしては、酢酸トリメチルシリル、酢酸トリ
ブチルシリル、蟻酸トリメチルシリル、シュウ酸トリメ
チルシリル等が挙げられる。なお、カルボン酸エステル
のうち、カルボン酸オルトエステルを使用することがよ
り好ましい。カルボン酸オルトエステルは、効率的に水
を吸収し、自身で加水分解することができる。また、カ
ルボン酸オルトエステルが加水分解して生成する化合物
は中性である。したがって、カルボン酸オルトエステル
は、優れた脱水効果を示し、保存安定性や放射線硬化性
をより向上させることができる。
【0054】また、好ましいアセタール類としては、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等のケトン類と、1価アルコールとの反応物であるジ
メチルアセタール、ジエチルアセタールおよびジプロピ
ルアセタール、あるいは、エチレングリコール等の2価
アルコールとケトン類とからなるアセタールおよびカル
ボン酸エステルのシリル化反応により製造されるケテン
シリルアセタール類を挙げることができる。そして、こ
れらのアセタール類のうち、アセトンジメチルアセター
ル、アセトンジエチルアセタール、メチルエチルケトン
ジメチルアセタール、メチルエチルケトンジエチルアセ
タール、シクロヘキサノンジメチルアセタールおよびシ
クロヘキサノンジエチルアセタールは、特に優れた脱水
効果を示し、保存安定性や放射線硬化性をより向上させ
ることができる観点から本発明における脱水剤としての
使用に好ましい。
【0055】また、好ましいカルボン酸無水物として
は、例えば、蟻酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安
息香酸無水物等が挙げられる。特に、無水酢酸および無
水コハク酸は、脱水効果に特に優れており、好ましい。
【0056】また、好ましい脱水機能を有するセラミッ
ク粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリ
カアルミナ粒子、活性白土、ゼオライト等が挙げられ
る。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和
力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができ
る。
【0057】性状 次に、(D)成分である脱水剤の性状について説明す
る。まず、脱水剤は、常温、常圧条件において、固体も
しくは液体であり、光導波路形成用組成物中に溶解また
は分散して、脱水効果を発揮する化合物から選ばれる。
また、脱水剤が有機化合物から選ばれる場合、その沸点
(常圧条件下)を、40〜200℃の範囲内の値とする
ことが好ましい。沸点がこのような範囲内の値であれ
ば、室温(25℃)〜200℃の乾燥条件で効率的に揮
発させることができる。したがって、脱水剤を除去する
ことが容易である。一方、脱水剤が無機化合物から選ば
れる場合、放射線硬化性樹脂組成物の塗布性、透明性を
損なわないように、均一に分散して用いることが好まし
い。
【0058】添加量 また、(D)成分である脱水剤の添加量(含有割合)は
特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分1
00重量部に対して、通常、0.1〜100重量部の範
囲内の値とするのが好ましい。この理由は、脱水剤の添
加量が0.1重量部未満となると、添加効果の発現に乏
しくなる場合があるためであり、また、保存安定性や放
射線硬化性の向上効果が低下する場合があるためであ
る。一方、かかる脱水剤の添加量が100重量部を超え
ると、保存安定性や放射線硬化性の向上効果が飽和する
傾向がある。したがって、(D)成分としての脱水剤の
添加量を、(A)成分100重量部に対して0.5〜5
0重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜
10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0059】(5)(E)成分 種類 (E)成分である加水分解性チタン化合物(以下、単に
チタン化合物と称する場合がある。)は、一般式(2)
で示される化合物であり、その加水分解物は、チタノ-
ル基を生成させた化合物である。このような加水分解性
チタン化合物を添加することにより、屈折率の調整がよ
り容易となる。
【0060】Ti(Y)4 (2) [一般式(2)中、Yは加水分解性基である。] ここで、Yで表される4つの加水分解性基は、それぞれ
同一でも異なっていても良い。また、具体的な加水分解
性基Yの種類としては、一般式(1)における加水分解
性基Xと同様のものが使用可能である。また、加水分解
性基Yは、一般式(1)における加水分解性基Xと同様
に、一部未加水分解のものが残っていても良く、あるい
は一部のチタノール基同士が縮合して部分縮合物となっ
ていても良い。また、加水分解性基Yの加水分解条件等
についても、一般式(1)における加水分解性基Xと同
様の条件を採用することができる。さらに、加水分解性
チタン化合物における加水分解性基Yと、一般式(1)
における加水分解性シラン化合物におけるシラノール基
とが重縮合していても良い。
【0061】次に、一般式(2)で表される加水分解性
チタン化合物(単に、チタン化合物と称する場合があ
る。)の具体例を説明する。このようなチタン化合物と
しては、一般式(2)における4個の加水分解性基Y
が、それぞれ非重合性の加水分解性基であるチタン化合
物が挙げられる。より具体的には、O−アリルオキシ
(ポリエチレンオキシ)トリイソプロポキシチタン、ア
リルアセトアセテートトリイソプロポキシチタン、ビス
(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシチタン、テ
トラn−ブトキシチタン、クロロトリイソプロポキシチ
タン、ビス(2,4−ペンタンジオネート)ジn−ブト
キシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ビス(2,4
−ペンタンジオネート)ジイソプロポキシチタン、ビス
(テトラメチルヘプタンジオネート)ジイソプロポキシ
チタン、ビス(エチルアセテート)ジイソプロポキシチ
タン、テトラエトキシチタン、テトラキス(2−エチル
ヘキサノキシ)チタン、テトライソブトキシチタン、テ
トライソプロポキシチタン、チタニウムラクテート、テ
トラメトキシチタン、テトラメトキシプロポキシチタ
ン、テトラメチルフェノキシチタン、テトラn−ノニロ
キシチタン、ビス(2,4−ペンタンジオネート)チタ
ンオキシド、テトラn−プロポキシシチタン、テトラス
テアリルオキシチタン、テトラキス(ビス−2,2−
(アリルオキシメチル)ブトキシ)チタン、トリn−ブ
チルスタノキシトリイソプロポキシチタン、トリ(イソ
ステアロイル)イソプロポキシチタン、テトラキス(ト
リメチルシロキシ)チタニウム等の一種単独または二種
以上の組合わせが挙げられる。
【0062】また、同様に、一般式(2)における4個
の加水分解性基Yのうち、少なくとも一つの加水分解性
基が重合性であるチタン化合物が挙げられる。より具体
的には、メタクリロキシトリイソプロポキシチタン、2
−メタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプ
ロポキシチタン、メタクリロキシエトキシトリイソプロ
ポキシチタン、2−メトキシエトキシエトキシトリメタ
クリレートチタン等が挙げられる。
【0063】また、比較的高い屈折率の値(1.50以
上)を得たい場合には、上述したチタン化合物のうち、
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ
n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、
テトラn−ブトキシチタンといった加水分解性基の炭素
数が比較的少ないものや、あるいは、テトラメチルフェ
ノキシチタンといった加水分解性基にベンゼン環を有す
るものを使用することが好ましい。一方、比較的低い屈
折率の値(1.50未満)を得たい場合には、上述した
チタン化合物のうち、テトラn−ノニロキシチタン、テ
トラステアリルオキシチタン、テトラキス[ビス−2,
2−(アリルオキシメチル)ブトキシ]チタン、トリ
(イソステアリロイル)イソプロポキシチタンといった
加水分解性基の炭素数が比較的多いものを使用すること
が好ましい。
【0064】添加量 次に、(E)成分である加水分解性チタン化合物の添加
量(含有割合)について説明する。かかるチタン化合物
の添加量は特に制限されるものではないが、加水分解性
シラン化合物/加水分解性チタン化合物の重量比におい
て、99/1〜1/99の範囲内の値であることが好ま
しい。この理由は、かかるチタン化合物の添加量が、9
9/1未満となると、屈折率の値を調整することが困難
となる傾向があり、一方、1/99を超えると、光硬化
性や保存安定性が低下する傾向があるためである。した
がって、チタン化合物の添加量を、上記加水分解性チタ
ン化合物に対する重量比として、90/10〜10/9
0の範囲内の値とするのがより好ましく、80/20〜
20/80の範囲内の値とするのがさらに好ましく、7
0/30〜30/70の範囲内の値とするのが最も好ま
しい。
【0065】(6)添加剤 光導波路形成用組成物には、本発明の目的や効果を損な
わない範囲において、加水分解性チタン化合物、ラジカ
ル発生剤(光重合開始剤)、光増感剤、反応性希釈剤、
シリカ粒子(無機充填剤)、重合禁止剤、重合開始助
剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカ
ップリング剤、高分子添加剤等を含有させることも好ま
しい。以下、主要な添加剤について詳述する。
【0066】反応性希釈剤 また、光導波路形成用組成物に反応性希釈剤を添加(配
合)することにより、得られる硬化膜の硬化収縮を低減
したり、硬化膜の機械的強度を制御することができる。
さらに、ラジカル重合性の反応性希釈剤を用いた場合に
は、さらに後述するラジカル発生剤を添加することによ
り、光導波路形成用組成物の光反応性を調節することが
できる。また、カチオン重合性の反応性希釈剤を用いた
場合には、光反応性や機械的特性を調節することができ
る。
【0067】このような反応性希釈剤の種類としては、
カチオン重合性モノマーおよびエチレン性不飽和モノマ
ーあるいはいずれか一方のモノマーを配合することが好
ましい。ここで、反応性希釈剤であるカチオン重合性モ
ノマーとは光酸発生剤の存在下で光照射することにより
重合反応や架橋反応を起こす有機化合物と定義される。
したがって、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合
物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラ
クトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、ビニ
ルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応
生成物であるスピロオルソエステル化合物、エチレン性
不飽和化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル
化合物、ビニル化合物等を挙げることができる。これら
のカチオン重合性モノマーは、1種を単独で使用するこ
ともできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用す
ることもできる。
【0068】また、エチレン性不飽和モノマーとして
は、エチレン性不飽和結合(C=C)を分子中に有する
化合物であれば、特に制限されるものではないが、例え
ば、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単
官能モノマーや、1分子中に2個以上のエチレン性不飽
和結合を有する多官能モノマーが好ましい。
【0069】このような単官能性モノマーとしては、例
えば(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−
3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソ
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレー
ト、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−
テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−ト
リブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、
ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブ
ロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)ア
クリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)
アクリレートを例示することができる。
【0070】また、これらのアクリレートのうちで、放
射線硬化性を低下させない観点からアミドやアミン構造
を含まないアクリレートが好ましく、さらには、耐候性
を確保する目的で芳香環を含有しないアクリレートが好
ましい。より具体的には、例えば、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)ア
クリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)
アクリレートを挙げることができる。
【0071】また、エチレン性不飽和モノマーのうち、
多官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキ
シド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)
アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレー
ト、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレ
ート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレ
ート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの
(メタ)アクリレート等を例示することができる。
【0072】これらの多官能性モノマーの中でも、放射
線硬化性を低下させない観点からアミドやアミン構造を
含まないアクリレートが好ましく、また、耐候性を確保
する目的で芳香環を含有しないアクリレートが好まし
い。したがって、より好ましい多官能性モノマーとし
て、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ
イルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
【0073】なお、エチレン性不飽和モノマーである単
官能モノマーおよび多官能モノマーは、各々1種単独で
または2種以上組み合わせるか、あるいは単官能モノマ
ーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種
とを組み合わせて構成することが好ましい。このような
重合性基が3官能以上の多官能モノマーとしては、上記
に例示されたトリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ
(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メタ)アクリレ
ート化合物、ヘキサ(メタ)アクリレート化合物の中か
ら選択することができる。これらのうち、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが特に好
ましい。
【0074】ラジカル発生剤 ラジカル発生剤は、紫外線等の放射線を受けることによ
り分解してラジカルを発生させ、このラジカルによって
ラジカル重合性基を重合反応させる化合物である。この
ようなラジカル発生剤としては、例えばアセトフェノ
ン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノ
ン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キ
サントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4' −ジア
ミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベン
ゾイン、3,3' −ジメチル−4−メトキシベンゾフェ
ノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロ
パン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オ
ン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6
−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチル
ペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケ
タール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアル
デヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピ
ルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、
ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3',
4,4' −テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)
ベンゾフェノン(BTTB)等が挙げられる。なお、か
かるラジカル発生剤は、1種を単独で使用することもで
きるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0075】光増感剤 また、光増感剤は、光等のエネルギー線を吸収し、光酸
発生剤の感度を向上させる化合物である。このような光
増感剤としては、チオキサントン、ジエチルチオキサン
トンおよびチオキサントンの誘導体;アントラキノン、
ブロムアントラキノンおよびアントラキノンの誘導体;
アントラセン、ブロムアントラセンおよびアントラセン
誘導体;ペリレンおよびペリレンの誘導体;キサンテ
ン、チオキサンテンおよびチオキサンテンの誘導体;ク
マリンおよびケトクマリン等を挙げることができる。ま
た、これらの光増感剤中で、より好ましい化合物はジエ
チルチオキサントンおよびブロムアントラセンである。
【0076】シリカ粒子 また、光導波路形成用組成物に、シリカ粒子を添加(配
合)することにより、得られる硬化膜の硬化収縮を低減
することができる。ここに、シリカ粒子の添加量は、特
に制限されるものではないが、例えば(A)成分100
重量部に対して10〜250重量部の範囲内とすること
が好ましく、特に20〜200重量部、更に30〜15
0重量部であることが好ましい。
【0077】また、シリカ粒子は、シリカを主成分とす
る粒子であればよく、シリカ以外の他の成分を含んでい
てもよい。そのようなシリカ以外の成分としてはアルカ
リ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、およびTi、Z
r、Al、B、Sn、P等の酸化物を挙げることができ
る。また、シリカ粒子の平均粒子径は0.001〜20
μmの範囲内の値とするのが好ましいが、特に透明な硬
化膜が形成される点から、平均粒子径を0.001〜
0.2μmの範囲内の値とするのが好ましく、より好ま
しくは0.001〜0.01μmの範囲内の値とするこ
とである。
【0078】また、シリカ粒子の屈折率(温度25℃、
Na−D線、以下、同様)と、光導波路形成用組成物の
屈折率との差を、0.02(−)以下とするように、シ
リカ粒子を選択することが好ましい。屈折率差を、この
ような値とすることにより、硬化膜の透明性をより高め
ることができる。また、シリカ粒子の比表面積を、0.
1〜3000m2/gの範囲内の値とするのが好まし
く、より好ましくは10〜1500m2/gの範囲内の
値とすることである。
【0079】さらに、シリカ粒子の形状も特に制限され
るものではないが、球状、中空状、多孔質状、棒状、板
状、繊維状もしくは不定形状の群から選ばれる少なくと
も一つの形状であることが好ましい。ただし、分散性が
より良好な観点から、球状のシリカ粒子を使用すること
がより好ましい。シリカ粒子の使用方法は特に制限され
るものではないが、例えば、乾燥状態で使用することが
できるし、あるいは水もしくは有機溶媒に分散した状態
で使用することもできる。
【0080】また、コロイダルシリカとして業界に知ら
れている微粒子状のシリカ粒子の分散液を直接用いるこ
ともできる。そして、特に高い透明性が得られることか
ら、コロイダルシリカの使用が好ましい。ここで、コロ
イダルシリカの分散溶媒が水の場合、その水素イオン濃
度はpH値として2〜13の範囲内の値であることが好
ましく、3〜7の範囲内の値であることがより好まし
い。また、コロイダルシリカの分散溶媒が有機溶媒の場
合、有機溶媒としてメタノール、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジメチルホ
ルムアミド等を使用することができ、もしくはこれらと
相溶する有機溶媒または水との混合物として用いてもよ
い。好ましい有機溶媒としてはメタノール、イソプロピ
ルアルコール、メチルエチルケトン、キシレン等であ
る。
【0081】高分子添加剤 高分子添加剤として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン
樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、シリコーン
系ポリマー、ポリスルフィド系ポリマー等の有機樹脂
(ポリマー)あるいはオリゴマー、もしくはこれらの有
機樹脂、あるいはオリゴマーが加水分解性シリル基で置
換された化合物を含有させることが好ましい。
【0082】(7)光導波路形成用組成物の調製および
性状 光導波路を構成する下部クラッド層、コア部分および上
部クラッド層を形成するための光導波路形成用組成物、
すなわち下層用組成物、コア用組成物および上層用組成
物は、それぞれ上述した加水分解性シラン化合物や脱水
剤等を、常法にしたがって混合攪拌することにより、製
造することができる。このような下層用組成物、コア用
組成物および上層用組成物としては、それぞれ、最終的
に得られる各部の屈折率の関係が、光導波路に要求され
る条件を満足することとなるよう、互いに異なる光導波
路形成用組成物を用いることができる。ただし、形成等
がより容易となることから、下層用組成物と上層用組成
物とは同一の光導波路形成用組成物であることがより好
ましい。
【0083】また、光導波路形成用組成物は、(A)成
分である加水分解性シラン化合物およびその加水分解物
等の種類を選ぶことにより、異なる屈折率を有するコア
部分や上下のクラッド層を容易に形成することができ
る。したがって、屈折率の差が適当な大きさとなるよう
な2種またはそれ以上の光導波路形成用組成物を選択し
た後、例えば、高い屈折率が得られる光導波路形成用組
成物をコア用組成物に用い、それよりも低い屈折率が得
られる光導波路形成用組成物を下層用組成物および上層
用組成物として用いるのが好ましい。
【0084】また、光導波路形成用組成物の粘度を、5
〜10,000cps(25℃)の範囲内の値とするこ
とが好ましく、10〜5,000cps(25℃)の範
囲内の値とすることがより好ましい。この理由は、粘度
がこれらの範囲を超えると、均一な塗膜を形成すること
が困難となる場合があるためである。なお、光導波路形
成用組成物の粘度は、反応性希釈剤や有機溶媒の配合量
によって、適宜調整することができる。
【0085】[第2の実施形態]第2の実施形態は、有
機溶媒を含んだ光導波路形成用組成物を使用して形成す
る光導波路の形成方法である。下部クラッド層形成工程
と、コア部分形成工程と、および上部クラッド層形成工
程とから主として構成されており、図4(a)〜(e)
を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で
は、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層
に、それぞれ光導波路形成用組成物を使用しているが、
例えばコア部分のみに光導波路形成用組成物を用いても
よい。その場合には、他の下部クラッド層や上部クラッ
ド層については、公知の光導波路材料、例えば石英ガラ
ス等を使用することが好ましい。
【0086】(1)下部クラッド層形成工程 まず、図4(a)に示すように、平坦な基板12が用意
される。この基板12の形態は、特に制限されるもので
はないが、シリコン基板、ガラス基板、サファイヤ等の
材料を用いることができ、そして、その厚さを、例えば
0.01〜10mmの範囲内の値とするのが好ましい。
【0087】次いで、基板12の表面に、下部クラッド
層13を形成する。具体的には、図4(b)に示すよう
に、基板12の表面に、第1の実施形態で詳述した光導
波路形成用組成物からなる下部クラッド層形成用組成物
(以下「下層用組成物」という。)を塗布し、さらに乾
燥またはプレベークさせて下層用薄膜を形成する(図示
せず。)。そして、後工程において、下層用薄膜14に
対して、放射線16を所定場所に照射することにより、
図4(b)に示すように、下部クラッド層13を迅速に
形成することができる。
【0088】ここで、下層用組成物を塗布する手段とし
ては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、
バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グ
ラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェ
ット法等の方法を用いることができる。このうち、均一
な厚さを有する塗膜が得られることから、特にスピンコ
ート法を用いることが好ましい。なお、下層用組成物の
レオロジー特性を、実際の塗布手段に適したものとする
ために、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラー、
有機溶媒、界面活性剤等を必要に応じて配合することが
好ましい。
【0089】また、下層用組成物から形成された塗布膜
は、50〜90℃の温度で乾燥させ、あるいは必要に応
じてさらに60〜120℃に加熱してプレベークするこ
とにより、薄膜として形成することができる。このよう
なプレベーク条件は、下層用組成物の各成分の種類、配
合割合などによっても異なるが、通常60〜120℃
で、10〜600秒のプレベーク条件とすることが好ま
しい。
【0090】また、形成された下層用組成物からなる薄
膜に対して、放射線を全面的または部分的に照射するこ
とにより、下層用組成物を迅速に光硬化させることがで
きる。使用される放射線としては、可視光、紫外線、赤
外線、X線、α線、β線、γ線等が挙げられるが、特に
紫外線を用いることが好ましい。そして、放射線を照射
する手段についても特に制限されるものではなく、種々
の一般的手段を利用することができる。例えば、光源と
しては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハラ
イドランプ、エキシマランプ等の紫外線光源ランプを用
いることができる。また、放射線の照射量を、波長20
0〜390nm、照度1〜500mW/cm2の条件に
おいて、所定時間照射することにより、10〜5000
mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
【0091】また、放射線照射によって得られるコア部
分15としての硬化膜は、必要に応じて、さらにポスト
加熱することも好ましい。この場合のポスト加熱は、通
常、室温から基板や薄膜の分解開始温度以下の温度で、
例えば5分間〜72時間の条件で行うことが好ましい。
このようにポスト加熱することにより、硬度および耐熱
性により優れたコア部分を得ることができる。なお、こ
のポスト加熱を、下部クラッド層13および上部クラッ
ド層を形成する際にも行うことが好ましい。
【0092】(2)コア部分形成工程 図4(c)に示すように、下部クラッド層13上に、上
述した光導波路形成用組成物からなるコア形成用組成物
(以下「コア用組成物」という。)を塗布し、乾燥また
はさらにプリベークさせてコア用薄膜14を形成する。
なお、コア用薄膜14を形成する際にも、下部クラッド
層13の形成手段と同様の手段、例えば、スピンコート
法を用いることが好ましい。
【0093】次いで、図4(d)に示すように、コア用
薄膜14の上面に対して、所定のマスク孔パターンを有
するフォトマスク19を介して放射線16の照射を行う
(パターン露光)。これにより、マスク孔を通して放射
線16が照射された個所のみを光硬化させることができ
る。したがって、コア形成用組成物14の未硬化部分
を、現像剤を用いて除去することにより、図4(e)に
示すように、下部クラッド層13上に、例えば、導波方
向にストライプ状であって、断面が矩形状となるように
パターニングされたコア部分15を形成することができ
る。
【0094】ここで、パターン露光を行う方法として
は、上述したような所定のマスク孔パターンを有するフ
ォトマスク19を用いる方法に限られず、例えば、液晶
表示装置と同様の原理を利用した、所定のパターンに従
って放射線透過領域と放射線不透過領域とよりなるマス
ク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法、多数
の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光
部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを
介して放射線を照射する方法、レーザ光、あるいはレン
ズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束性放射
線を走査させながら光導波路形成用組成物に照射する方
法等を用いることもできる。なお、コア部分15を形成
する際の放射線照射条件については、下部クラッド層1
3と同様の内容とすることが好ましい。
【0095】また、コア部分15を形成する際に、硬化
部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して現像処理
し、コア部分15を形成することができる。すなわち、
所定のパターンに従って選択的に硬化させた薄膜に対し
て、有機溶媒あるいはアルカリ現像液等の現像剤を用い
て現像処理することにより、溶解性の高い未硬化部分を
除去して、硬化部分を残存させることができる。このよ
うな現像液としては、光導波路形成用組成物の調製に用
いられる有機溶媒、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケ
イ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロ
ピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メ
チルピロリドン、ジメチルエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、
ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノナンなどのアルカリ類からなる
アルカリ水溶液等を用いることができる。このアルカリ
水溶液の濃度を、通常0.1〜2.5重量%、好ましく
は0.2〜0.5重量%の範囲内の値とすることが好ま
しい。また、アルカリ水溶液等に、メタノール、エタノ
ールなどの水溶性有機溶媒や、界面活性剤等を適当量添
加するのも好ましい。
【0096】また、現像時間を、通常30〜180秒の
範囲内の値とすることが好ましく、現像方法について
も、液盛り法、ディッピング法などのいずれの現像方法
を用いてもよい。さらに、現像液として有機溶媒を用い
た場合にはそのまま風乾することによりパターン状被膜
が形成され、アルカリ水溶液を用いた場合には、一例と
して、流水洗浄を30〜90秒間行い、圧縮空気や圧縮
窒素で風乾させて表面上の水分を除去することにより、
パターン状被膜が形成される。続いて、ホットプレート
やオーブンなどの加熱装置を用いて加熱することが好ま
しい。例えば、ホットプレートの場合は、150〜25
0℃で5〜30分間、オーブンの場合は、150〜25
0℃で30〜90分間加熱処理することが好ましい。こ
のように加熱することによって、十分に架橋したコア部
分を形成することができる。
【0097】(3)上部クラッド層形成工程 コア部分15が形成された下部クラッド層13の表面
に、光導波路形成用組成物からなる上部クラッド層形成
用組成物(以下「上層用組成物」という。)を塗布し、
乾燥またはプレベークさせて上層用薄膜を形成する。次
いで、この上層用薄膜に対して放射線を照射することに
より、図1に示したように上部クラッド層17を形成
し、もって光導波路10とすることができる(図示せ
ず。)。すなわち、微細にパターン化されたコア部分1
5が、下部クラッド層13と、上部クラッド層17との
内部に埋設された状態で形成され、これにより光導波路
10が得られる。
【0098】このように光導波路形成用組成物によって
光導波路を形成することができるが、形成の際に必要と
される操作は、基本的に光導波路形成用組成物の塗布お
よび放射線をする照射のみである。したがって、全体と
して、きわめて迅速かつ簡易に形成でき、しかも、安い
コストで光導波路を形成することができる。また、上述
したように、下部クラッド層、コア部分、および上部ク
ラッド層を、それぞれ本発明の光導波路形成用組成物か
ら形成すれば、塗布装置や放射線照射装置をそのまま共
通に使用することができる。その結果、さらに安いコス
トで光導波路を形成することができる。
【0099】(4)光導波路の構成 次に、上述した形成方法により得られる光導波路の構成
について説明する。まず、図1に示される光導波路10
は、紙面に対して垂直方向(光の導波方向)に伸びる基
板12と、この基板12上に順次に積層された下部クラ
ッド層13と、コア部分15と、上部クラッド層17と
から形成されている。そして、コア部分15について
は、導波する光が側部から漏れないように、光の導波方
向に対して断面横方向のコア部分15の幅を、対応する
上部クラッド層17および下部クラッド層13の幅より
も短くしてあり、コア部分15の側部には、上部クラッ
ド層17が廻り込んだ構成としてある。すなわち、コア
部分15は、その全体が下部クラッド層13および上部
クラッド層17の積重体中に、埋設された状態に構成し
てある。なお、図1に示す例では、コア部分15は一つ
のみ設けてあるが、複数のコア部分15を平行して設け
ても良い。
【0100】また、図1に示す光導波路の例では、上部
クラッド層17が、コア部分15の側部に廻り込んだ構
成としてあるが、図2に示すように、コア部分15が半
円柱状であって、下部クラッド層13が、コア部分15
の周辺部に廻り込んだ構成としてもよい。さらには、図
示しないが、コア部分の片方の側部にのみ上部クラッド
層を廻り込ませ、もう片方の側部には、下部クラッド層
を廻り込ませた光導波路の構成としてもよい。また、よ
り効率的に光導波させることから、図2に示すように、
コア部分15の上方にリッジ部分18を一体として設け
ることも好ましい。なお、リッジ部分18の形態につい
ても特に制限されるものではないが、例えば、断面形状
を台形とすることが好ましい。
【0101】また、図3に示すように、X型のスイッチ
機能を有する光導波路10であっても良い。図3に示す
光導波路の例では、コア部分15が、円筒形であって、
信号光用と、制御光用の二系統あり、信号光と、制御光
をそれぞれ図3中、矢印Aおよび矢印Bで示す方向から
これらの光導波路に入射可能な構成してある。そして、
この光導波路10の例では、X型に交差する箇所に、多
重量子井戸としてのMQW20が設けてある。したがっ
て、波長の異なる信号光と、制御光とを合成および分離
することにより、新たな信号を有する2種類出射光を、
図3中、矢印Cおよび矢印Dに示す方向にそれぞれ取り
出すことができる。
【0102】以上の構成の光導波路10において、下部
クラッド層13、上部クラッド層17およびコア部分1
5の厚みは、それぞれ特に制限されるものではないが、
例えば、下部クラッド層13の厚みを3〜50μmの範
囲内の値とし、コア部分15の厚みを3〜20μmの範
囲内の値とし、上部クラッド層17の厚みを〜50μm
の範囲内の値とすることが好ましい。また、光の導波方
向に対する断面横方向のコア部分15の幅についても特
に制限されるものではないが、例えば1〜50μmの範
囲内の値とすることが好ましい。
【0103】また、光導波路10において、コア部分1
5の屈折率の値を、下部クラッド層13および上部クラ
ッド層17の屈折率よりも大きくすることが必要である
が、より優れた導波特性を得るために、波長1300〜
1600nmの光に対して、コア部分15の屈折率を
1.450〜1.650の範囲内の値とするとともに、
下部クラッド層13および上部クラッド層17の屈折率
を、1.400〜1.648の範囲内の値とすることが
好ましい。そして、コア部分15の屈折率については、
上下のクラッド層13、17の屈折率の値を考慮して定
めることが好ましく、上下のクラッド層13、17の屈
折率の値よりも0.002〜0.5大きい値とすること
がより好ましい。なお、本発明の導波路は、屈折率の値
を、後述する光導波路形成用組成物における加水分解性
シラン化合物の種類を適宜変更することにより、あるい
は、加水分解性チタン化合物を添加したり、希土類元素
をドーパントすることにより、容易に変更できるという
特徴がある。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0105】[ポリシロキサン溶液の調製] (ポリシロキサン溶液1)攪拌機付の容器内に、フェニ
ルトリメトキシシラン(23.3g、0.12モル)
と、メチルトリメトキシシラン(61.6g、0.43
モル)と、電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン
交換水(15.7g、0.87モル)とを収容した後、
温度60℃、6時間の条件で加熱攪拌することにより、
フェニルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシラ
ンの加水分解を行った。次いで、メチルイソブチルケト
ン(MIBK)を滴下しながら、加水分解により副生し
たメタノールを蒸留除去した。そして、最終的に固形分
を40重量%に調整したポリシロキサンを含有するメチ
ルイソブチルケトン溶液を得た。これを「ポリシロキサ
ン溶液1」とする。
【0106】(ポリシロキサン溶液2)攪拌機付の容器
内に、メチルトリメトキシシラン(80.0g、0.5
58モル)と、電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイ
オン交換水(16.0g、0.889モル)とを収容し
た後、温度60℃、6時間の条件で加熱攪拌することに
より、メチルトリメトキシシランの加水分解を行った。
MIBKを滴下しながら、加水分解により副生したメタ
ノールを蒸留除去した。そして、最終的に固形分を40
重量%に調整したポリシロキサンを含有するメチルイソ
ブチルケトン溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液
2」とする。
【0107】(ポリシロキサン溶液3)攪拌機付の容器
内に、メチルトリメトキシシラン(245.3g、1.
80モル)と、3−エチル−(トリエトキシシリルプロ
ポキシメチル)オキセタン(64.09g、0.200
モル)と、プロピレングリコールモノメチルエーテル
(以下、PGMと略記する。)(96.74g)とを収
容した後、60℃に加温した。この溶液に、電気伝導率
が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(81.10
g、4.50モル)とを10分要して滴下した後、温度
60℃、6時間の条件で加熱攪拌することにより、メチ
ルトリメトキシシランおよび3−エチルー(トリエトキ
シシリルプロポキシメチル)オキセタンの加水分解を行
った。次いで、PGMを滴下しながら、加水分解により
副生したメタノールを蒸留除去した。そして、最終的に
固形分を50重量%に調整したポリシロキサンを含有す
るPGM溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液3」
とする。
【0108】[光導波路形成用組成物の調製] 光導波路形成用組成物A(コア用組成物) ポリシロキサン溶液1(固形分および有機溶媒)100
重量部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD10
12)を1.0重量部、脱水剤としてオルト蟻酸メチル
3.0重量部をそれぞれ添加し、均一に混合することに
より、コア用組成物として、光導波路形成用組成物Aを
得た。
【0109】光導波路形成用組成物B(下層用組成物
および上層用組成物) ポリシロキサン溶液2(固形分および有機溶媒)100
重量部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD10
12)を1.0重量部、脱水剤としてオルト蟻酸メチル
3.0重量部をそれぞれ添加し、均一に混合することに
より、光導波路形成用組成物Bを得た。
【0110】光導波路形成用組成物C(コア用組成
物) ポリシロキサン溶液3(固形分および有機溶媒)100
重量部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD10
12)を1.0重量部、脱水剤としてオルト蟻酸メチル
3.0重量部をそれぞれ添加し、均一に混合することに
より、光導波路形成用組成物Cを得た。
【0111】[実施例1]光導波路形成用組成物Bをシ
リコン基板の表面上にスピンコータで塗布し、70℃で
10分間乾燥させた後、波長365nm、照度200m
W/cm2の紫外線を5秒間照射することにより、厚み
10μmの下部クラッド層を形成した。この下部クラッ
ド層における波長1550nmの光の屈折率は1.42
3であった。次いで、光導波路形成用組成物Aを下部ク
ラッド層の上にスピンコータで塗布し、70℃で10分
間乾燥させた後、幅4〜20μmの光導波路パターンを
刻んだフォトマスクを用いて、波長365nm、照度2
00mW/cm2の紫外線を5秒間照射することによ
り、露光を行った。その後、この基板をエタノールより
なる現像液中に浸漬して未露光部を溶解し、厚さ7μm
のコア部分を形成した。得られたコア部分における波長
1550nmの光の屈折率は、1.452であった。さ
らに、このコア部分を有する下部クラッド層の上面に、
光導波路形成用組成物Bをスピンコータで塗布し、70
℃で10分間乾燥させた後、波長365nm、照度20
0mW/cm2の紫外線を5秒間照射することにより、
厚み15μmの上部クラッド層を形成し、これにより、
光導波路を形成した。形成された上部クラッド層におけ
る波長1550nmの光の屈折率は1.423であっ
た。
【0112】このようにして得られた光導波路につい
て、波長1300nmの光を導波路の一端から入射させ
たときに他端から出射する光量を、光量計のパワーメー
タにより測定した。その結果、光導波路における導波路
損失は、0.1dB/cm以下の値であった。また、得
られた光導波路を、150℃、5000時間の条件で加
熱した後、上記と同様にして導波路損失を測定したとこ
ろ0.1dB/cm以下の値であった。したがって、熱
劣化は特に認められず、得られた光導波路は、優れた耐
熱性を有することが確認された。
【0113】[実施例2]実施例1における光導波路形
成用組成物Aの代りに、光導波路形成用組成物Cを用い
たほかは、実施例1と同様に光導波路を形成し、屈折率
を測定した。その結果、形成された下部クラッド層にお
ける波長1550nmの光の屈折率は1.423であ
り、コア部分における屈折率は、1.436であり、上
部クラッド層における屈折率は1.423であった。ま
た、実施例1と同様に、光導波路における導波路損失を
測定したところ、当該導波路損失の値は、150℃、5
000時間の条件による加熱前後において、それぞれ
0.1dB/cm以下であった。
【0114】
【発明の効果】本発明の光導波路によれば、特定の加水
分解性シラン化合物と、光酸発生剤と、特定の有機溶媒
とを含有する光導波路形成用組成物を用いて形成してい
るため、可視域から赤外域にわたる広範囲の波長を有す
る光についての導波路損失が、例えば0.3dB/cm
以下と少なく、しかも耐熱性に優れた光導波路を提供す
ることができる。特に、本発明の光導波路形成用組成物
からコア部分を形成した場合には、ポリシロキサンを主
成分としているので、優れた透明性や耐熱性を有するも
のとなる。また、形成される際の硬化収縮が小さいため
に、優れた精度を有するという利点も有している。
【0115】また、本発明の光導波路の形成方法によれ
ば、導波路損失が少なく、しかも耐熱性に優れた光導波
路を短時間でかつ簡単なプロセスで形成することができ
る。したがって、光通信システムにおいて用いられる光
回路を作成するために好適な光導波路を、安価に提供す
ることができる。
【0116】なお、従来の光導波路形成用のエポキシ系
紫外線硬化樹脂では、特開平7−159630号公報に
記載されているように、有機溶媒を添加することが出来
ないという問題が見られたが、本発明ではむしろ積極的
に有機溶媒を使用して、保存安定性に優れた光導波路形
成用組成物を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における光導波路の断面図である(その
1)。
【図2】本発明における光導波路の断面図である(その
2)。
【図3】本発明における光導波路の断面図である(その
3)。
【図4】(a)〜(e)は、本発明の光導波路の形成方
法を示す工程図である。
【符号の説明】
10 光導波路 12 基板 13 下部クラッド層 15 コア部分 14 コア用薄膜 17 上部クラッド層 18 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇高 友広 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA03 PA22 PA24 PA28 QA05 TA31 4G014 AH04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示される加水分解
    性シラン化合物およびその加水分解物あるいはいずれか
    一方の化合物と、 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
    3の整数である。] (B)光酸発生剤と、 (C)エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケト
    ン系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒、およびアルコール
    系有機溶媒からなる群から選択される少なくとも一つの
    有機溶媒とを含有することを特徴とする光導波路形成用
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機溶媒が、プロピレングリコール
    モノメチルエーテル、乳酸エチル、メチルイソブチルケ
    トン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、およ
    びメタノールからなる群から選択される少なくとも一つ
    の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光導
    波路形成用組成物。
  3. 【請求項3】 さらに脱水剤を含むことを特徴とする請
    求項1に記載の光導波路形成用組成物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(2)で表される加水分解性
    チタン化合物、その加水分解物およびその縮合物からな
    る群から選択される少なくとも一つの化合物を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の光導波路形成用組成物。 Ti(Y)4 (2) [一般式(2)中、Yは加水分解性基である。]
  5. 【請求項5】 下部クラッド層と、コア部分と、上部ク
    ラッド層とからなる光導波路の形成方法において、 下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の少な
    くとも一つを、下記(A)〜(C)成分からなる光導波
    路形成用組成物を塗工した後、光照射して形成すること
    を特徴とする光導波路の形成方法。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
    物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
    ばれる少なくとも1つの化合物 (R1)PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
    加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
    〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケト
    ン系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機
    溶媒からなる群から選択される少なくとも一つの有機溶
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された光導波路の形成方
    法により形成された光導波路。
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