以下に、本発明について詳細に説明する。
<(a)成分>
本発明における(a)成分は、分子中にアルケニル基を少なくとも1つ有し、主鎖がイソブチレンを主体とする、数平均分子量500〜100,000の重合体である。
(a)成分におけるアルケニル基は、ヒドロシリル化反応活性を有しているものであれば特に限定は無く、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などの環式不飽和炭化水素基、メタクリル基などが挙げられる。
(a)成分の主鎖構造はイソブチレン系重合体であり、重合体の骨格をなす単量体単位が主としてイソブチレンからなる主鎖構造を意味する。この場合、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていても良く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位を重合体中に好ましくは50%( 重量%、以下同様)未満、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下の範囲で含有していても良い。
但し、これら重合体骨格において、耐湿性、耐候性、耐熱性の観点から、芳香環以外の炭素− 炭素不飽和結合を実質的に含有せず、前記アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素から構成されることが特に好ましい。前記イソブチレンと共重合性を有する単量体単位としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などが挙げられる。
それらの具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
前記イソブチレン系重合体の数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)は、その取り扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点から500〜100,000である。(a)成分の飽和炭化水素系重合体の分子量が500より小さいと架橋点が多すぎるため硬化物が脆くなり好ましくない。また分子量が100,000より大きいと粘度が高くなるため、作業性が悪くなるため好ましくない。
本発明における(a)成分の製造方法としては、例えば、共有結合性ハロゲン、好ましくは共有結合性塩素基を有するイソブチレン系重合体にアルケニル基を導入する方法が挙げられる。共有結合性ハロゲン基を有するイソブチレン系重合体にアルケニル基を導入する具体的方法に特に制限はないが、例えば、アルケニルフェニルエーテル類とイソブチレン系重合体のハロゲン基との間でフリーデルクラフツ反応を行う方法、アリルトリメチルシランなどとイソブチレン系重合体のハロゲン基とをルイス酸存在下で置換反応させる方法、および種々のフェノール類とイソブチレン系重合体のハロゲン基とのフリーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入した後に、さらに前記のアルケニル基導入方法を行う方法などが挙げられる。
また、(a)成分のアルケニル基含有イソブチレン系重合体を製造する他の方法としては、重合体の重合中にアルケニル基を導入する方法が挙げられる。重合体の重合中にアルケニル基を導入する方法としては、例えば、開始剤、連鎖移動剤、触媒の存在下で、イソブチレンを含むカチオン重合性単量体をカチオン重合させる反応系にアリルトリメチルシランを添加して、アリル末端を有するイソブチレン系重合体を製造する方法がある。ここで、例えば、開始剤兼連鎖移動剤として、ハロゲン原子および芳香環炭素に結合している炭素原子を有する化合物または第3級炭素原子に結合しているハロゲン原子を有する化合物を使用することができる。
触媒としてはルイス酸を使用することができる。同様に、1,9−デカジエンのような非共役ジエン類もしくはp−ヘキセニルオキシスチレンのようなアルケニルオキシスチレン類を重合反応系に添加する方法も可能である。ここで、カチオン重合触媒として用いられ得るルイス酸としては、一般式MX’n(Mは金属原子、X’はハロゲン原子)で表される化合物(例えば、BCl3、Et2AlCl、EtAlCl2、AlCl3、SnCl4、TiCl4、VCl5、FeCl3、およびBF3など)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのルイス酸のうち、BCl3、SnCl4、BF3などが好ましく、さらに好ましくは、TiCl4である。ルイス酸の使用量は開始剤兼連鎖移動剤のモル数に対し0.1〜10倍が好ましく、さらに好ましくは2〜5倍である。
<(b)成分>
本発明における(b)成分は、アルケニル基を1つ有する加水分解性シリル基含有化合物である。
前記アルケニル基は、ヒドロシリル化反応活性を有しているものであれば特に限定は無く、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などの環式不飽和炭化水素基、メタクリル基などが挙げられる。これらの中でも、特に得られる化合物の耐熱性等の観点よりビニル基であることが好ましい。
前記加水分解性シリル基としては、特に限定は無いが、例えばメトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基等のアルコキシシリル基;アセトキシシリル基;クロロシリル基、ブロモシリル基等のハロゲン化シリル基等が挙げられる。
本発明における(b)成分としては、アルケニル基が加水分解性シリル基に直接結合しているものが好ましく、特に以下の式に示される化合物が好適に使用される。
R1−Si(R2)m(R3)3−m
(R1は脂肪族不飽和炭化水素基、環式不飽和炭化水素基、芳香族不飽和炭化水素基、(メタ)アクリロイル基を表す。R2はアルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン基を表す。R3はアルキル基あるいはアリール基を表す。mは1〜3の整数である。)
R1の脂肪族不飽和炭化水素基としてはビニル基、アリル基、プロペニル基が、環式不飽和炭化水素基としてはシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基が、芳香族不飽和炭化水素基としてはスチリル基が、(メタ)アクリロイル基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。R2のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、アリロキシ基が、ハロゲン基としてはクロロ基、ブロモ基が好ましい。R3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基が、アリール基としてはフェニル基、トリル基が好ましい。
特に得られる化合物の耐熱性等の観点より、R1はビニル基であることが好ましく、R2はメトキシ基、エトキシ基が好ましく、R3はメチル基、フェニル基が好ましい。
具体例としては、クロロジメチルビニルシラン、ジクロロメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、クロロメチルフェニルビニルシラン、ジクロロフェニルビニルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルクロロメチルフェニルシラン、アリルジクロロフェニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、アリロキシジメチルビニルシラン、ジアリロキシメチルビニルシラン、トリアリロキシビニルシラン、プロポキシジメチルビニルシラン、ジプロポキシメチルビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、イソプロポキシジメチルビニルシラン、ジイソプロポキシメチルビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシラン、ブトキシジメチルビニルシラン、ジブトキシメチルビニルシラン、トリブトキシビニルシラン、イソブトキシジメチルビニルシラン、ジイソブトキシメチルビニルシラン、トリイソブトキシビニルシラン、アリルメトキシジメチルシラン、アリルジメトキシメチルシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルエトキシジメチルシラン、アリルジエトキシメチルシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシジメチルビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、アリルアセトキシジメチルシラン、アリルジアセトキシメチルシラン、アリルトリアセトキシシラン、メトキシジフェニルビニルシラン、ジメトキシフェニルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エトキシジフェニルビニルシラン、ジエトキシフェニルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、アリロキシジフェニルビニルシラン、ジアリロキシフェニルビニルシラン、トリアリロキシビニルシラン、プロポキシジフェニルビニルシラン、ジプロポキシフェニルビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、イソプロポキシジフェニルビニルシラン、ジイソプロポキシフェニルビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシラン、ブトキシジフェニルビニルシラン、ジブトキシフェニルビニルシラン、トリブトキシビニルシラン、イソブトキシジフェニルビニルシラン、ジイソブトキシフェニルビニルシラン、トリイソブトキシビニルシランなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。
<(c)成分>
本発明における(c)成分は、ヒドロシリル基を2つ以上有する化合物である。
(c)成分は、含まれるヒドロシリル基が(a)成分および(b)成分のアルケニル基とヒドロシリル化反応を起こすものであれば特に限定は無いが、中でもシロキサン化合物が好ましく、環状シロキサン化合物を用いることが耐熱性、反応性、製造における除去のしやすさ等の観点より好ましい。また、メチル基、エチル基、あるいはフェニル基がケイ素原子に直接結合した構造を有する(環状)シロキサン化合物が好ましい。これらの例としては例えば、
(R4〜R40は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基を表し、R4〜R40はそれぞれ同じでもよいし、異なっていてもよい。またn、p、q、r、uは0〜1000の整数、s、tは2〜1000の整数、vは3〜10の整数、wは0〜10の整数である。)が挙げられる。
R4〜R40としてはメチル基、エチル基、あるいはフェニル基であることが耐熱性等の観点より好ましい。
また、これらの中でも、特に環状シロキサン化合物を用いることが耐熱性、反応性、製造における除去のしやすさ等の観点より好ましい。
<製造方法>
本発明の重合体は、(a)成分および(b)成分のアルケニル基と(c)成分のヒドロシリル基がヒドロシリル化により結合することで形成される。化合物の製造方法に特に限定は無いが、
(a)成分、(b)成分、(c)成分を同時に混合して製造する方法、あるいは下記(1)あるいは(2)の方法が好ましい方法として例示できる。
(1)
(i)(a)成分のアルケニル基の数(X)と(c)成分のヒドロシリル基の数(Y)の比が50≧(Y/X)>1となる割合で各成分を仕込んでヒドロシリル化反応させた後、反応液から未反応の(c)成分を除去する。
(ii)(i)で得られた反応物に(b)成分を(b)成分のアルケニル基の数(Z)が20≧(Z/X)>0となる割合で仕込んでヒドロシリル化反応させた後、未反応の(b)成分を除去する。
(2)
(i)(b)成分のアルケニル基の数(Z)と(c)成分のヒドロシリル基の数(Y)の比が50≧(Y/Z)>1となる割合で各成分を仕込んでヒドロシリル化反応させた後、反応液から未反応の(c)成分を除去する。
(ii)(i)で得られた反応物に(a)成分を(a)成分のアルケニル基の数(X)が20≧(Z/X)>0となる割合で仕込んでヒドロシリル化反応させた後、未反応の(b)成分を除去する。
上記に例示した方法の中では(1)の方法が好ましい。また、X、Y、Zの関係は、30≧Y/Z>1、20≧Z/X>1であることがより好ましい。
反応温度は30〜150℃で行うことが好ましく、より好ましくは50〜120℃である。反応温度が低すぎるとヒドロシリル化反応が進行しにくいため好ましくない。一方、反応温度が高すぎるとヒドロシリル化反応の制御が難しくまた、反応溶媒が蒸発してしまい反応溶液が高粘度化し、反応が不均一になり好ましくない。
本発明の化合物の製造において、必要に応じて(a)〜(c)成分を有機溶媒に溶解させて使用してもよい。溶媒としては、使用する組成物を均一に溶解できるものが好ましく、さらには大気圧下における沸点が30℃から250℃であるもの、特には50℃から220℃であるものが好ましい。
具体的には例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン。
トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート。
酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール。
プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし2種以上を併用することもできる。
この中で特に好ましいものとしては、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の際は、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m;白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、m、nは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。ヒドロシリル化に用いる触媒の量はアルケニル基1molに対して白金が10−7〜10−3molの割合で用いられることが好ましい。
<光酸発生剤>
次に光酸発生剤について説明する。光酸発生剤とは、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の活性エネルギー線を照射することにより、酸性活性物質放出し、架橋性シリル基を架橋させることができる化合物である。 光酸発生剤により発生する酸のpKaは、限定はされないが、好ましくは、3未満、さらに好ましくは、1未満である。
本発明の組成物に使用できる光酸発生剤としては、公知の光酸発生剤を使用することができる。例えば、特開2000−1648号公報、特表2001−515533号公報、WO2002−83764において好適とされている各種の化合物を挙げることができるが、本発明は特にこれらに限定されるわけではない。
本発明において好ましく使用できる光酸発生剤としては、スルホン酸誘導体、オニウム塩類、カルボン酸エステル類が挙げられる。
本発明で使用できるスルホン酸誘導体としては例えば、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、トリフルオロメチルスルホネート誘導体などのイミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホネート類を挙げることができる。具体的には、ジフェニルジスルホン、ジトシルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(クロルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシリルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ベンゾイントシラート、1、2−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピルトシラート、1、2−ジ(4−メチルメルカプトフェニル)−2−ヒドロキシプロピルトシラート、ピロガロールメチルスルホネート、ピロガロールエチルスルホネート、2,6−ジニトロフェニルメチルトシラート、オルト−ニトロフェニルメチルトシラート、パラ−ニトロフェニルトシラートなどを挙げることができる。
本発明で使用できるカルボン酸エステルとしては1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドメチルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドトシルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、1、8−ナフタレンジカルボン酸イミドカンファースルホネート、コハク酸イミドフェニルスルホネート、コハク酸イミドトシルスルホネート、コハク酸イミドトリフルオロメチルスルホネート、コハク酸イミドカンファースルホネート、フタル酸イミドトリフルオロスルホネート、シス−5−ノルボルネン−エンド−2,3−ジカルボン酸イミドトリフルオロメチルスルホネートなどを挙げることができる。
一般に、スルホン酸誘導体およびカルボン酸エステルは、酸を遊離するために、加熱ステップ(50℃〜100℃)を取ることが好ましい。
本発明で使用できるオニウム塩としては、テトラフルオロボレート(BF4 −)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 −)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 −)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 −)、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl6 −)、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート、過塩素酸イオン(ClO4 −)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 −)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 −)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等のアニオンを有するスルホニウム塩またはヨードニウム塩を使用することができる。
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアシルネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオベンジル)ボレート、メチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、メチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリトイルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、アニシルジフェニルスルホニウムヘキサヘキサフルオルアンチモネート、4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4−フェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−エトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、トリス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(メトキシスルホニルフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジ(カルボメトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(ドデシルフェニル)スルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4−アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、ジメチルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、フェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、10−メチルフェノキサチイニウムヘキサフルオロホスフェート、5−メチルチアントレニウムヘキサフルオロホスフェート、10−フェニル−9,9−ジメチルチオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート、10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムキサンテニウムテトラフルオロボレート、10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、5−メチル−10−オキソチアトレニウムテトラフルオロボレート、5−メチル−10−オキソチアトレニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、および5−メチル−10,10−ジオキソチアトレニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
本発明において使用できるヨードニウム塩としては、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメチルスルフォネート、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’−ジクロロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’−ジブロモジフェニルヨードニウムビスルフェート、3,3’−ジニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’−ジメチルジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’−ビススクシンイミドジフェニルヨードニウムビスルフェート、3−ニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4’−ジメトキシジフェニルヨードニウムビスルフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、米国特許第5,554,664号に開示されている(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(CH3C6H4)2I−(SO2CF3)3、米国特許第5,514,728号に開示されている(C6H5)2I−B(C6F5)4、および米国特許第5,340,898号に開示されているものなどが挙げられる。
その他のオニウム塩としては、芳香族ジアゾニウム塩を使用することができ、例えばp−メトキシベンゼンジアゾニウム・ヘキサフルオロアンチモネートなどを使用することができる。
本発明において使用できる、商業的に入手できるオニウム塩としては、サンエイドSI−60、SI−80、SI−100、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−L145、SI−L150、SI−L160、SI−L110、SI−L147(以上、三新化学工業(株)製)、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261、Irgacure250(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DS−100、DS−101、DAM−101、DAM−102、DAM−105、DAM−201、DSM−301、NAI−100、NAI−101、NAI−105、NAI−106、SI−100、SI−101、SI−105、SI−106、PI−105、NDI−105、BENZOIN TOSYLATE、MBZ−101、MBZ−301、PYR−100、PYR−200、DNB−101、NB−101、NB−201、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−109(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)、IBPF、IBCF(三和ケミカル(株)製)CD1012(サートマー社製)、IBPF、IBCF(以上、三和ケミカル(株)製)、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−109(以上、みどり化学(株)製)、UVE1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、RHODORSIL−PI2074(ローディア社製)、WPI−113、WPI−116(和光純薬(株)製)等を挙げることができる。また、J. Polymer Science:Part A:polymer Chemistry,Vol.31, 1473−1482(1993), J. Polymer Science:Part A:polymer Chemistry,Vol.31, 1483−1491(1993)において記述されている方法により製造できるジアリールヨードニウム塩を使用することもできる。
以上にあげた光酸発生剤は、1種のみまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
このような塩を使用した組成物は、静電気支援塗料に十分な導電性を提供することができ、また、静電吹付、電気吹付、および静電気支援を用いた連続液体適用(たとえば、ロール塗布などによる)などを使用して塗布するのに好適である。このような塩を使用する場合、一般に、さらなる導電性増強剤は必要ではないが、これらの好ましい塩と共に使用してもよい。
本発明の組成物は光酸発生剤を使用するため、熱過敏性基材を含む用途に好適である。酸の遊離を促進するために、増感剤を補足することもできる。増感剤の添加量は特に限定はされないが、本発明の化合物100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましい。本発明に使用できる適当な増感剤の例としては、Radiation Curing in Polymer Science and Technology、第2巻、Fouassier and Rabek編,Elsevier SciencePubhshers LTD,1993の第13章に記載されているものなどがある。
具体例としては、アントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族炭化水素、ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、ミヒラーケトン、9,10−フェナントラキノンなどの芳香族ケトン、エオシン、ケトクマリン、アクリジン染料、芳香族アミン、芳香族3級アミン、クマリン、イソベンゾフラン、およびこれらの誘導体があげられる。
本発明の組成物における光酸発生剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性の点から、本発明の化合物100重量部に対して0.01〜10.0重量部であることが好ましく、また、硬化物の物性バランスの点から0.02〜5.0重量部であることがさらに好ましい。光酸発生剤の量が少ないと、十分に硬化した硬化物が得られない。また、光酸発生剤の量が多いと、色が硬化物に残ったり、急硬化のために着色や、耐熱性や耐光性を損なったりするため、好ましくない。
本発明の組成物は用途に応じて、効果を損なわない範囲で有機溶媒に溶解させて使用してもよい。溶媒としては、使用する組成物を均一に溶解できるものが好ましく、さらには大気圧下における沸点が30℃から250℃であるもの、特には50℃から220℃である物が好ましい。
具体的には例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート。
酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール。
プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし2種以上を併用することもできる。
この中で特に好ましいものとしては、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンが挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、任意成分として効果を損なわない範囲で用途に応じて水を添加してもよい。本発明に用いる硬化性組成物には、任意成分として効果を損なわない範囲でシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、例えば次式に示される化合物が好適に用いられる。
R41−Si(OR42)3
(上式においてR41は、炭素数1〜30の炭化水素基、メタクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアナート基、カルボキシル基、炭素数1〜30のアミノアルキル基、アミノ基、メルカプト基あるいはハロゲン基等を表す。R42は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基を表す。)R42のアリール基はフェニル基またはトリル基が好ましい。
本発明に用いる硬化性組成物には、上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じ増量剤として粉砕石英、炭酸カルシウム、カーボンなどの充填剤を添加してもよい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて着色剤、耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離型剤あるいは充填剤用分散剤などを任意で添加することができる。この充填剤用分散剤としては、例えば、ジフェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサンなどが挙げられる。
本発明の硬化性組成物を難燃性、耐火性にするために二酸化チタン、炭酸マンガン、Fe2O3、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレークなどの公知の添加剤を添加してもよい。なお、これら任意成分は、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止めることが好ましい。
本発明に用いる硬化性組成物は、上記した成分をロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いたり、遊星式攪拌脱泡機を用いて均一に混合し、必要に応じ加熱処理を施したりすることにより得ることができる。
本発明の硬化性組成物は、成形体として使用することができる。成形方法としては、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、発泡成形、射出成形、液状射出成形、注型成形などの任意の方法を使用することができる。
本発明による硬化性組成物から得られる成形体は、主鎖構造が耐熱性、透湿性、耐候性、可とう性に優れている。また結合部分は加水分解性シリル基の加水分解および縮合によりシロキサン結合を形成しており、一般的な光硬化性材料に比べて結合部分の耐熱性が高い。
本発明の硬化性組成物は、電子材料用部材として用いることができる。ここで言う電子材料は、例えば以下の用途への適用が可能である。
まずディスプレイ材料分野では、液晶表示装置周辺材料における基板材料、カラーフィルター、ブラックマトリックス、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム、カラーPDP(プラズマディスプレイ)における封止剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤。
LED表示装置に使用されるLED素子におけるモールド材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤。
プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤。
フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤。
プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤などが例示される。光センシング機器のレンズ用材料、封止剤、接着剤、フィルム。
等の用途が例示される。
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤が例示される。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部が例示される。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーが例示される。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止剤、接着剤などが例示される。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止剤、接着剤などが例示される。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LED素子の封止剤、接着剤などが例示される。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤などが例示される。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーが例示される。
半導体集積回路周辺材料分野では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料が例示される。
有機エレクトロニクス周辺材料分野では、有機EL周辺材料での素子封止剤、基板コーティング剤等が例示される。また有機TFT周辺材料での素子封止剤、基板コーティング、有機半導体の保護材等が例示される。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品が例示される。また、鉄道車輌用の複層ガラスが例示される。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コートが例示される。
建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料が例示される。農業用では、ハウス被覆用フィルムが例示される。
次世代の光・電子機能有機材料としては、次世代DVD、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤などが例示される。