JP3503844B2 - 防音防振材料 - Google Patents

防音防振材料

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JP3503844B2 JP14425695A JP14425695A JP3503844B2 JP 3503844 B2 JP3503844 B2 JP 3503844B2 JP 14425695 A JP14425695 A JP 14425695A JP 14425695 A JP14425695 A JP 14425695A JP 3503844 B2 JP3503844 B2 JP 3503844B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械等から発生する振
動や音が外部に伝達するのを防止したり、外部からの振
動や音を絶縁することにより機械などを保護する目的に
用いられる防音防振材料として利用されるもので、用途
例として自動車などの車輌、産業機械、家庭用電気製
品、情報機器、建築物などが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】建築物、自動車、一般機器等の多くの分
野において、その騒音や振動を抑えることは、重要な技
術課題となっている。その材料としては、弾性と粘性を
持ち合わせているゴム系が(1)多方向のばね作用を持
つことから多方向の防振を単体で実現できる、(2)ゴ
ム内部に振動減衰作用を持つことから単体でその効果が
得られるといった特徴から一般的に使用されている。具
体的にはエチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、
アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム等が挙げ
られる。しかしながら、用途により要求される耐高温
性、耐低温性、耐油性、耐薬品性、耐候性、耐疲労性等
から制限を受け、それぞれの特性を満足する材料を選定
して使用されているのが現状である。例えば、耐熱性が
必要な場合にはエチレンプロピレンゴムが、耐候性では
クロロプレンゴム、耐油性ではアクリロニトリルブタジ
エンゴム、また特に大きな振動減衰性が要求される場合
にはブチルゴムが使用されている。また、ごく一般の防
振ゴムにはスチレンブタジエンゴムや天然ゴムが使用さ
れている。
【0003】このように、用途ごとに各種ゴム材料が使
い分けられているのが現状であり、幅広い要求特性を兼
ね備えた材料が求められている。また、上記各種ゴムは
加硫により架橋した加硫ゴムとして使用されるものが多
く、生産性という面では大がかりな設備、複雑な工程を
必要とし、生産性が悪いといった課題がある。さらに焼
却処理する場合には亜硫酸ガスの発生といった環境汚染
の問題も挙げられる。一方、熱可塑性樹脂も使用されて
いるが、この場合には耐疲労性、耐熱性を考慮しなけれ
ばならない。
【0004】さらにこれらの防音防振材料は、構造部材
に接着あるいは粘着させて使用することも多く、加硫ゴ
ムの場合には接着剤、あるいは粘着剤が必要となり、熱
可塑性樹脂の場合は自己融着は可能であるが、粘着レベ
ルである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る事情に鑑み、防音防振性に加えて耐疲労性や耐熱性等
の諸特性を兼ね備え、生産性にも優れるほか、構造部材
への接着あるいは粘着が可能な防音防振材料を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、防音防振材性
に優れたイソブチレンを代表とする飽和炭化水素系重合
体をヒドロシリル化反応により、架橋する付加型硬化系
へ適用し、さらに接着性付与剤あるいは粘着性付与剤を
添加することにより、上記目的を満足する防音防振材料
を得ることができ、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、以下の構成からな
る。下記の成分(A),(B)および(C)を必須成
分とする硬化性組成物からなる防音防振材料; (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可
能なアルケニル基またはアルキニル基を含有する飽和
化水素系重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
する硬化剤、 (C)ヒドロシリル化触媒。 さらに接着性付与剤あ
るいは粘着性付与剤を必須成分(D)として含有する前
記記載の防音防振材料。 成分(D)の接着性付与
剤としてイソシアナート系化合物とシランカップリング
剤、あるいは窒素原子を含むエポキシ系化合物とシラン
カップリング剤を併用してなる前記記載の防音防振材
料。 成分(D)の粘着性付与剤として粘着性付与樹
脂を使用してなる前記記載の防音防振材料。 成分
(A)の重合体中、イソブチレンに起因する繰り返し単
位の総量が重合体を構成する単量体全体を100重量%
としたとき、50重量%以上である前記または記載
の防音防振材料。 成分(A)の重合体中、イソブチ
レンに起因する繰り返し単位の総量が重合体を構成する
単量体全体を100重量%としたとき、80重量%以上
である前記または記載の防音防振材料。 成分
(B)の硬化剤が分子中に少なくとも2個のヒドロシリ
ル基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
である前記、、または記載の防音防振材料。
成分(B)の硬化剤が分子中に少なくとも1個のヒド
ロシリル基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロ
キサン残基を少なくとも2個有する有機系硬化剤である
前記、、または記載の防音防振材料。 成分
(B)の硬化剤が分子中にオルガノハイドロジェンポリ
シロキサン残基以外の少なくとも2個のヒドロシリル基
を含有する有機系硬化剤である前記、、または
記載の防音防振材料。
【0008】本発明に用いる成分(A)は、分子中に少
なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基
またはアルキニル基を有する炭化水素系重合体である。
成分(A)の数平均分子量は通常、100,000以下
で500〜100000程度であるのが好ましく、特に
1000〜40000程度である。ここで、成分(A)
は、主骨格が芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質
的に含有しない重合体である概念を含むものであり、上
記アルケニル基またはアルキニル基を除く主鎖を構成す
る繰り返し単位が飽和炭化水素から構成されることを意
味する。また、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基
またはアルキニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して
活性のある炭素−炭素多重結合を含む基であれば特に制
限されるものではない。アルケニル基としは、ビニル
基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニ
ル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭
化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シ
クロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和
炭化水素基が挙げられる。アルキニル基としては、エチ
ニル基、プロパギル基、α,α−ジメチルプロパギル基
が挙げられる。また、本発明においては、成分(A)
は、これらヒドロシリル化可能なアルケニル基またはア
ルキニル基を1分子中に1〜10個有していることが望
ましい。
【0009】成分(A)である炭化水素系重合体の骨格
をなす重合体は、 1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン
等の炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーと
して重合させる、 2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独
重合させたり、あるいは上記オレフィン系化合物とジエ
ン系化合物とを共重合させたりした後、水素添加するな
どの方法により得ることができる。
【0010】これらの方法により得られる重合体のう
ち、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやす
い、末端官能基の数を多く導入することができる等の点
から、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重
合体または水添ポリイソプレン系重合体が望ましい。
【0011】上記イソブチレン系重合体は、単量体単位
の全てがイソブチレンから構成されるホモポリマーであ
ってもよく、イソブチレンと共重合性を有する単量体単
位をイソブチレン系重合体中に好ましくは50%(重量
%、以下同様)以下、さらに好ましくは20%以下、特
に好ましくは10%以下の範囲で含有してもよい。
【0012】このような共重合成分としては、例えば炭
素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビ
ニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げ
られる。このような共重合性単量体の具体例としては、
例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメ
チルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセ
ニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒ
ドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメ
チルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニ
ルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3
−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、ア
リルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラ
ン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
【0013】前記水添ポリブタジエン系重合体や他の炭
化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体
の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他にその共
重合性単量体単位を含有させてもよい。また、成分
(A)として用いる炭化水素系重合体には、本発明の目
的が達成される範囲で、ブタジエン、イソプレン、1,
13−テトラデカジエン、1,9−デカジエン、1,5
−ヘキサジエン等のポリエン化合物のように、重合後二
重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10
%以下の範囲で含有させてもよい。
【0014】成分(A)の炭化水素系重合体、好ましく
はイソブチレン系重合体、水添ポリイソプレンまたは水
添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜1
00000程度であるのが好ましく、特に1000〜4
0000程度の液状物、流動性を有するものであるのが
取り扱いやすさ等の点から好ましい。
【0015】アルケニル基を飽和炭化水素系重合体に導
入して成分(A)を合成する方法については、種々提案
されているものを採用することができるが、重合後にア
ルケニル基を導入する方法と重合中にアルケニル基を導
入する方法に大別することができる。重合後にアルケニ
ル基を導入する方法としては、例えば末端、主鎖または
側鎖に水酸基を有する場合は、その水酸基を−ONaや
−OK等のメタルオキシ基に変換した後、下記一般式
(1)で示される不飽和ハロゲン化合物を反応させるこ
とにより、アルケニル基を有する炭化水素系重合体が製
造される。
【0016】 CH2 =CH−R1 −Y (1) [式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を
表す。R1 は、−R2 −、−R2 −OC(=O)−また
は−R2 −C(=O)−(ここで、R2 は、それぞれ炭
素数1〜20の2価の炭化水素基であり、好ましい例と
してはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基が挙げられる)で示される2価の有
機基を表し、下記構造式
【0017】
【化1】
【0018】(ここで、R3 は炭素数1〜10の2価の
炭化水素基である)で示される2価の炭化水素基が特に
好ましい。]
【0019】上記ヒドロキシ炭化水素系重合体の例えば
末端水酸基をメタルオキシ基に変換する方法としては、
Na,K等のアルカリ金属、NaH等の金属水素化物、
NaOCH3 等の金属アルコキシド、苛性ソーダ,苛性
カリ等の苛性アルカリなどと反応させる方法が挙げられ
る。前記一般式(1)で示される不飽和ハロゲン化合物
の具体例としては、例えばアリルクロライド、アリルブ
ロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル
(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベ
ンゼン等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの不飽和ハロゲン化合物(VI)の中では、
安価でかつ容易に反応することからアリルクロライドが
好ましい。
【0020】前記エーテル化反応では、出発原料として
使用した末端ヒドロキシ基置換炭化水素系重合体とほぼ
同じ分子量を有する末端アルケニル基含有炭化水素系重
合体が得られる。一方、より高分子量の重合体を得たい
場合には、不飽和ハロゲン化合物(1)を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテル等の1分子中にハロゲン原
子を2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させれ
ばよい。
【0021】そして、その後不飽和ハロゲン化合物
(1)と反応させると、より高分子量でかつ末端にアル
ケニル基を有する炭化水素系重合体を得ることができ
る。
【0022】また、例えば共有結合した塩素原子を有す
るイソブチレン系重合体にアルケニル基を導入する方法
としては、特に制限はないが、i)種々のアルケニルフ
ェニルエーテル類と上記重合体とのフリーデルクラフツ
反応を行う方法、ii)アリルトリメチルシラン等と上記
重合体とをルイス酸の存在下に置換反応を行う方法、お
よびiii)種々のフェノール類と上記重合体とのフリーデ
ルクラフツ反応を行って水酸基を導入した上で、さらに
前記のアルケニル基導入方法を併用する方法等が挙げら
れる。
【0023】重合中にアルケニル基を導入する他の方法
としては、例えば次の方法が挙げられる。すなわち、開
始剤兼連鎖移動剤としてハロゲン原子を有し、該ハロゲ
ン原子が結合する炭素原子が芳香環炭素に結合している
化合物および/または該炭素原子が第3級炭素原子であ
る化合物を使用し、かつ触媒としてルイス酸を使用して
イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーをカチ
オン重合させるに当たり、アリルトリメチルシランを重
合系に添加することによるアリル基を末端に有するイソ
ブチレン系重合体の製造法がある。他の方法としては、
1,9−デカジエンのような非共役ジエン類やp−ヘキ
セニルオキシスチレンのようなアルケニルオキシスチレ
ン類を重合系に添加することによるアルケニル基を主鎖
または側鎖の末端に有するイソブチレン系重合体の製造
法が挙げられる。
【0024】なお、カチオン重合触媒成分として用いら
れるルイス酸は、一般式 MX′n(式中、Mは金属原
子、X′はハロゲン原子であり、nは金属原子の原子価
である)で表されるもの、例えばBCl3 、Et2 Al
Cl、EtAlCl2 、AlCl3 、SnCl4 、Ti
Cl4 、VCl5 、FeCl3 、BF3 等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらのルイス
酸のうち、BCl3 、SnCl4 、BF3 等が好まし
く、更に好ましいものとしてTiCl4 が挙げられる。
上記ルイス酸の使用量は開始剤兼連鎖移動剤のモル数に
対して0.1〜10倍が好ましく、更に好ましくは2〜
5倍である。
【0025】本発明において、成分(B)である硬化剤
としては、分子内に少なくとも2個のヒドロシリル基を
含有するものであれば、制限はなく、分子量は好ましく
は30000以下である。ここで、ヒドロシリル基1個
とはSiH基1個をさす。従って、同一Siに水素原子
が2個結合している場合はヒドロシリル基2個と計算す
る。
【0026】成分(B)としては、オルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン(ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンともいう)が好ましいものの一つに挙げられる。
ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンと
は、Si原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有する
ポリシロキサンを指し、その構造について具体的に示す
と、
【0027】
【化2】
【0028】などで示される鎖状、環状のものが挙げら
れる。また、成分(B)としては、ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサン残基を分子内に少なくとも2個含有
する有機系硬化剤も好ましい。このような有機系硬化剤
の好ましい例としては、下記一般式(2)で示される有
機系硬化剤が挙げられる。
【0029】R4 Xa (2) (式中、Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含むポ
リオルガノハイドロジェンシロキサン残基、R4 は炭素
数2〜2000の〜4価の炭化水素基。aは、2〜4
から選ばれる整数。)
【0030】式(2)中、Xは少なくとも1個のヒドロ
シリル基を含むポリオルガノハイドロジェンシロキサン
残基を表わすが、具体的に例示するならば、
【0031】
【化3】
【0032】等で示される鎖状、環状のものが挙げられ
る。上記の各種のポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン残基のうち、本発明の成分(B)である硬化剤の成分
(A)等の各種有機重合体に対する相溶性を損なう可能
性が少ないという点を考慮すれば、特に下記のものが好
ましい。
【0033】
【化4】
【0034】また、式(2)中、R4 は炭素数2〜20
00の〜4価の炭化水素基であり制限はないが、各種
有機重合体に対する相溶性、さらにヒドロシリル基の反
応性も考慮すれば、特に飽和炭化水素基などが好まし
い。また、成分(B)としては、分子中にポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン残基以外の少なくとも2個の
ヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤も好ましい。こ
の有機系硬化剤の好ましい例としては、下式(3)で表
される有機系硬化剤が挙げられる。
【0035】R5 Xb (3) (式中、Xはポリオルガノハイドロジェンシロキサン残
基以外の少なくとも1個のヒドロシリル基を含む基、R
5 は炭素数2〜2000の〜4価の炭化水素基。b
は、〜4から選ばれる整数。)
【0036】上記一般式(3)中のXを具体的に例示す
るならば、 −Si(H)n(CH33-n、−Si(H)n(C25
3-n、−Si(H)n(C653-n、−SiH2(C6
13) (上記式中、nはそれぞれ1〜3の整数である)などの
ケイ素原子を1個だけ含有する基や、例えば下記構造式
【0037】
【化5】
【0038】示されるケイ素原子を2個以上含む基等が
挙げられる。式(3)中、R5 は炭素数2〜2000の
〜4価の炭化水素基であり、制限はないが、各種有機
重合体に対する相溶性を損なう可能性が少ないという
点、さらにヒドロシリル基の反応性も考慮すれば、特に
飽和炭化水素基などが好ましい。
【0039】式(2)、(3)中に含まれるヒドロシリ
ル基の個数については、少なくとも1分子中に2個あれ
ばよいが、2〜15個が好ましく、3〜12個が特に好
ましい。本発明の組成物をヒドロシリル化反応により硬
化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数が2より少
ないと、硬化が遅くしかも硬化不良を起こす場合が多
い。また、該ヒドロシリル基の個数が15より多くなる
と、成分(B)である硬化剤の安定性が悪くなり、その
上硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、
ボイドやクラックの原因となる。
【0040】成分(B)の硬化剤を製造する方法につい
ては、特に制限はなく任意の方法を用いればよい。例え
ば、i)分子内にSi−Cl基を有する炭化水素系化合
物をLiAlH4 、NaBH4 等の還元剤で処理して該
化合物中のSi−Cl基をSi−H基に還元する方法、
ii)分子内にある官能基Wを有する炭化水素系化合物と
分子内に該官能基Wと反応する官能基Zおよびヒドロシ
リル基を同時に有する化合物とを反応させる方法、iii)
不飽和炭化水素系化合物に対して少なくとも2個のヒド
ロシリル基を有するポリヒドロシラン化合物を付加させ
ることにより、反応後もヒドロシリル基を該炭化水素系
化合物の分子中に残存させる方法等が例示される。
【0041】上記の方法のうち、iii)の方法が製造工程
が一般に簡便なため好適に採用することができる。この
場合、一部のポリヒドロシラン化合物のヒドロシリル基
の2個以上が不飽和炭化水素系化合物のアルケニル基と
反応して、分子量が増大する場合があるが、反応生成物
を成分(B)として用いても何らさしつかえない。
【0042】上記のようにして製造される成分(B)中
のヒドロシリル基と前記成分(A)中のアルケニル基と
の比率は、モル比で0.2〜5.0が好ましく、さらに
0.4〜2.5が特に好ましい。モル比が0.2より小
さくなると、本発明の組成物を硬化させた場合に硬化が
不十分で強度の小さいベトツキのある硬化物しか得られ
ない。また、モル比が5.0より大きくなると、硬化後
も硬化物中に活性なヒドロシリル基が多量に残存するの
で、クラック、ボイドが発生し、均一で強度の大きい硬
化物が得られない傾向がある。
【0043】本発明の成分(C)であるヒドロシリル化
触媒については、特に制限はなく任意のものが使用でき
る。上記触媒を具体的に例示すれば、白金の単体、塩化
白金酸、アルミナ,シリカ,カーボンブラック等の担体
に固体白金を担持させたものの他に、下記の白金錯体等
が挙げられる。 白金−ビニルシロキサン錯体 例えば、(Pt)e (ViMe2SiOSiMe2Vi)
e 、Pt[(MeViSiO)4]f ; 白金−ホスフィン錯体 例えば、Pt(PPh34 、Pt(PBu34 ; 白金−ホスファイト錯体 例えば、Pt[P(OPh)34 、Pt[P(OB
u)34 白金−活性水素含有化合物錯体 例えば、ビスアセチルアセトナト白金 [ Pt(AcC
2Ac)2 ] ビスエチルアセトアセタト白金 [ Pt(AcCH2
OOEt)2] (式中、Viはビニル基、Meはメチル基、Phはフェ
ニル基、Buはブチル基、Acはアセチル基、Etはエ
チル基を表す。また、e、fは整数である。) また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159
601号明細書および米国特許第3159662号明細
書中に記載された白金−炭化水素複合体、ラモロー(L
amoreaux)の米国特許第3220972号明細
書中に記載された白金アルコラート触媒も挙げられる。
【0044】白金化合物以外のヒドロシリル化触媒の例
としては、RhCl(PPh33、RhCl3 、Rh
/Al23 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3
AlCl3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、Ti
Cl4 等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用して
もよくあるいは2種以上併用してもよい。触媒活性の点
から、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニ
ルシロキサン錯体、ビスアセチルアセトナト白金等が好
ましい。触媒量としては特に制限はないが、成分(A)
中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8mo
lの範囲で用いるのがよい。好ましくは10-2〜10-6
molの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル化
触媒は、一般に高価で腐食性があり、また水素ガスを大
量に発生して硬化物が発泡してしまうことがあるので、
10-1モル以上使用しいないことが望ましい。
【0045】本発明においては、成分(C)のヒドロシ
リル化触媒の存在下に、アルケニル基に対するSi−H
基の付加反応によって硬化性組成物が硬化するので、硬
化速度が非常に速く、ライン生産を行う上で好都合であ
る。
【0046】本発明の成分(D)である接着性付与剤あ
るいは粘着性付与剤のうち、接着性付与剤としては、イ
ソシアナート系化合物とシランカップリング剤、あるい
は窒素原子を含有するエポキシ系化合物とシランカップ
リング剤を併用するものである。上記イソシアナート系
化合物としては、特に制限はないが、より具体的には
【0047】
【化6】
【0048】に示される化合物やそれらの2量体、3量
体、プレポリマー等を使用することができる。接着性付
与効果を十分に出すためには分子内にイソシアナート基
が2個以上あることが好ましい。また、上記窒素原子を
含有するエポキシ系化合物としては、特に制限はない
が、より具体的には、
【0049】
【化7】
【0050】で示される化合物を使用することができ
る。接着性付与剤のためには分子内にグリシジルアミノ
基が含まれていることが好ましく、ジグリシジルアミノ
基が2個以上含まれているとさらに好ましい。これらイ
ソシアナート系化合物と、あるいは窒素原子を含有する
エポキシ系化合物の添加量に関して特に制限はないが、
成分(A)重合体100重量部に対して0.01〜20
重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で使用され
る。
【0051】さらに上記シランカップリング剤について
も特に制限はないが、より具体的には
【0052】
【化8】
【0053】に示す化合物を挙げることができる。接着
性付与のためには分子内に、ビニル基、アリル基、エポ
キシ基、イソシアナート基、メタクリロキシ基からなる
群から選択される少なくとも1種を含有することが好ま
しい。このうちでもビニル基、エポキシ基、イソシアナ
ート基を含有する場合がさらに好ましい。また、このシ
ランカップリング剤としては単独で使用しても、2種以
上併用してもよい。添加量に関しては特に制限はない
が、成分(A)重合体100重量部に対して0.01〜
20重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で使用
される。
【0054】また、本発明の成分(D)である接着性付
与剤あるいは粘着性付与剤のうち、粘着性付与剤として
は、ロジン系、ロジンエステル系、テルペン系、テルペ
ンフェノール系、石油樹脂系の各種粘着性付与樹脂が挙
げられるが、本発明に使用する成分(A)との相溶性、
ヒドロシリル化反応に対する阻害の有無を考慮すると、
テルペン系、テルペンフェノール系、さらに水素添加さ
れた脂環族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石
油樹脂等が好ましい。これらの粘着付与樹脂は、もちろ
ん単体で添加してもよく、2種以上の混合物として添加
してもよい。
【0055】また、工程の簡略という面で一液性付与を
目的として保存安定性改良剤を添加してもよい。この保
存安定性改良剤としては、成分(B)の保存安定剤とし
て知られている通常の安定剤で、所期の目的を達成する
ものであればよく、特に限定されるものではない。具体
的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン
化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合
物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さら
に具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベ
ンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイ
カルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシ
レート、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、ブチ
ルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モル
フォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1
−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オル
ガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−
1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリ
ルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエー
ト、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,
3−ジクロロプロペン等が挙げられ、特にポットライフ
/速硬化性の両立という点でチアゾール、ベンゾチアゾ
ールが好ましいが、これらに限定されるわけではない。
保存安定性改良剤の使用量は、成分(A)および成分
(B)のSi−H基含有化合物各1モルに対して、10
-6〜10-1モルの範囲で用いることが好ましい。この量
が10-6未満では成分(B)の保存安定性が十分に改良
されず、また10-1モルを超えると硬化を阻害すること
があるからである。保存安定性改良剤は単独で用いて
も、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0056】本発明に使用される硬化性組成物には各製
品に合わせた要求特性に応じて、上記必須成分以外に、
必要に応じて補強剤や充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することができる。
このうち、補強剤や充填剤の具体例としては、例えば炭
酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、
ケイソウ土、硫酸バリウム、シリカ微粉末、カーボンブ
ラック等を挙げることができる。
【0057】さらに、流動特性を調整し、射出成形等の
形成により好ましいものとするための可塑剤を配合して
もよい。この可塑剤としては、本組成物の流動性を改善
するために添加するものであり、一般的に使用されてい
る可塑剤が使用できるが、本発明に用いる飽和炭化水素
系重合体と相溶性のよいものが好ましい。可塑剤の具体
例としては、例えばポリブテン、水添ポリブテン、α−
メチルスチレンオリゴマー、液状ポリブタジエン、水添
液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタ
クチックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも
好ましくは不飽和結合を含まない水添ポリブテン、水添
液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタ
クチックポリプロピレン等の炭化水素系化合物類が好ま
しい。
【0058】本発明の硬化性組成物からなる防音防振材
料は、ポリイソブチレンに代表される飽和炭化水素系重
合体を用いることによる優れた防音防振性に加え、
(1)耐候性、(2)耐熱性、(3)経時安定性、
(4)耐化学薬品性、(5)耐吸水性、(6)耐ガスバ
リアー性、(7)電気絶縁性等にも優れた材料である。
また、本発明の硬化性組成物を成形する方法としては、
一般に使用されている各種の成型方法を用いることがで
きる。例えば注型成形、圧縮成形、トランスファー成
形、射出成形、押し出し成形、回転成形、中空成形、熱
成形等を挙げることができる。特に自動化、連続化が可
能で生産性に優れるという観点から射出成形によるもの
が好ましい。また、本発明の硬化性組成物は硬化する前
は粘稠な液体であるので、これを直接塗布、あるいは流
し込みを行い、その後、硬化させることも可能である。
【0059】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるもの
ではない。 製造例1 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブ(重合容器)に攪拌
用羽根、三方コックおよび真空ラインを取り付けて、真
空ラインで真空に引きながら重合容器を100℃で1時
間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却後、三方
コックを開いて重合容器内を窒素で常圧に戻した。
【0060】次いで、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いて重合容器にモレキュラーシーブ
処理によって乾燥させた塩化メチレン155mLおよび
n−ヘキサン348mLを導入した。続いて、p−ビス
(α−クロロイソプロピル)ベンゼン(下記化合物A)
7.5mmolを溶解させた塩化メチレン10mLの溶
液を添加した。さらに続いて添加剤α−ピコリン3.0
mmolを添加した。
【0061】
【化9】
【0062】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレン112.8g
を封入しているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス
採取管を三方コックに接続した後、重合容器本体を−7
0℃のドライアイス−アセトンバスに浸漬して、重合容
器内部を攪拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラ
インにより内部を減圧した後、ニードルバルブを開い
て、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重
合容器に導入した。次いで、三方コックの一方から窒素
を流すことにより常圧に戻し、さらに攪拌下に1時間冷
却を続けた後、重合容器内を−70℃まで昇温した。
【0063】次に、TiCl4 7.1g(37.5mm
ol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を
開始させ、1時間経過した時点で1,9−デカジエン2
0.8g(150mmol)を添加した。さらに8時間
反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むことにより触
媒を失活させた。その後、有機層を純水により3回洗浄
した後分液し、塩化メチレン、n−ヘキサンおよび1,
9−デカジエンを減圧留去することにより、末端に二重
結合を有するイソブチレンポリマーを得た。
【0064】製造例2 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブに攪拌用羽根、三方
コックおよび真空ラインを取り付けて、真空ラインで真
空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱するこ
とにより乾燥させ、室温まで冷却後、三方コックを開い
て重合容器内を窒素で常圧に戻した。
【0065】次いで、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いて重合容器にモレキュラーシーブ
処理によって乾燥させた塩化メチレン204mLおよび
n−ヘキサン336mLを導入した。続いて、前記化合
物A5.0mmolを溶解させた塩化メチレン10mL
の溶液を添加した。さらに続いて添加剤α−ピコリン
1.0mmolを添加した。
【0066】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレン37.5gを
封入しているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採
取管を三方コックに接続した後、重合容器本体を−70
℃のドライアイス−アセトンバスに浸漬して、重合容器
内部を攪拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ライ
ンにより内部を減圧した後、ニードルバルブを開いて、
イソブチレンを液化ガス採取管から重合容器に導入し
た。次いで、三方コックの一方から窒素を流すことによ
り常圧に戻し、さらに攪拌下に1時間冷却を続けた後、
重合容器内を−70℃まで昇温した。
【0067】次に、TiCl4 13.7g(72.0m
mol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合
を開始させ、1時間経過した時点で1,9−デカジエン
19.9g(144mmol)を添加した。さらに6時
間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むことにより
触媒を失活させた。その後、有機層を純水により3回洗
浄した後分液し、塩化メチレン、n−ヘキサンおよび
1,9−デカジエンを減圧留去することにより、末端に
二重結合を有するイソブチレンポリマーを得た。
【0068】製造例3 3Lの耐圧ガラス製オートクレーブに攪拌用羽根、三方
コックおよび真空ラインを取り付けて、真空ラインで真
空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱するこ
とにより乾燥させ、室温まで冷却後、三方コックを開い
て重合容器内を窒素で常圧に戻した。
【0069】次いで、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いて重合容器にモレキュラーシーブ
処理によって乾燥させた塩化メチレン618mLおよび
n−ヘキサン1001mLを導入した。続いて、前記化
合物A15mmolを溶解させた塩化メチレン50mL
の溶液を添加した。さらに続いて添加剤α−ピコリン
6.0mmolを添加した。
【0070】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレン224gを封
入しているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取
管を三方コックに接続した後、重合容器本体を−70℃
のドライアイス−アセトンバスに浸漬して、重合容器内
部を攪拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ライン
により内部を減圧した後、ニードルバルブを開いて、イ
ソブチレンを液化ガス採取管から重合容器に導入した。
次いで、三方コックの一方から窒素を流すことにより常
圧に戻し、さらに攪拌下に1時間冷却を続けた後、重合
容器内を−70℃まで昇温した。
【0071】次に、TiCl4 14.2g(75mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、1時間経過した時点でアリルシラン10.3g
(90mmol)を添加した。さらに1時間反応させた
後、反応混合物をメタノールに注いで反応を停止させ
た。暫く攪拌した後静置して、ポリマーを沈殿分離させ
た。このようにして得られたポリマーを再びn−ヘキサ
ンに溶解させて、純水で3回洗浄した後、溶媒を留去す
ることにより末端に二重結合を有するイソブチレン系ポ
リマーを得た。
【0072】製造例1、2、3で得られたポリマーの収
量より収率を算出すると共に、MnおよびMw/Mnを
GPC法により求めた。また、300MHz 1H−NM
R分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来の
プロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマー末端の二重
結合に由来するプロトン:4.5〜5.9ppm)の共
鳴信号の強度を測定、比較することによって末端構造を
求めた。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】製造例4 両末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレン(商品
名エポール;出光石油化学社製)300gにトルエン5
0mLを加え共沸脱気により脱水した。次いで、カリウ
ムt−ブトキシド48gをテトラヒドロフラン200m
Lに溶解した溶液を注入した。50℃で1時間反応させ
た後、アリルクロライド47mLを約30分間かけて滴
下した。滴下終了後50℃でさらに1時間反応させた。
【0075】反応終了後、生成した塩を吸着させるため
に反応溶液にケイ酸アルミニウム30gを加え、30分
間室温で攪拌した。濾過精製により約250gのアリル
末端水添ポリイソプレンを粘稠な液体として得た。30
0MHz 1H−NMR分析により、末端の92%にアリ
ル基が導入されていることが確認された。また、E型粘
度計による粘度は302ポイズ(23℃)であった。
【0076】 *エポールの代表的物性値(技術資料より) 水酸基含有量(meq/g) 0.90 粘度(poise/30℃) 700 平均分子量(VPO測定) 2500
【0077】製造例5 攪拌可能な2Lのガラス製反応容器中に、2,4,6,
8−テトラメチルシクロテトラシロキサン500g
(2.08mol)、トルエン600gおよびビス
(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン)白金錯体触媒(8.0×10-7mol)を
導入し、窒素気流下80℃に加熱した。強力に攪拌しな
がら1,9−デカジエン28.7g(0.208mo
l)とトルエン58gの混合物を1時間かけて添加し
た。全量添加後、ガスクロマトグラフィーで1,9−デ
カジエンの残存量を定量し、消失するまで80℃で攪拌
を続けた。
【0078】反応混合物を濃縮し、残留物として110
gのSi−H基含有硬化剤を得た。この生成物はGPC
分析により、1,10−デシレン−ビス−2,2′−
(2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン)(下記化合物B)が主生成物であることが確認され
た。また、既述の各種分析により、この生成物中のSi
−H基含量を求めたところ、0.967mol/100
gであった。
【0079】
【化10】
【0080】実施例1〜4 製造例2で得た成分(A)及び製造例5で得た成分
(B)である化合物B、あるいは下記に示す成分(B)
である化合物C、
【0081】
【化11】
【0082】さらにシリカ微粉末(日本アエロジル
(株)製)あるいはカーボンブラック(三菱化学(株)
製)、及び触媒としてビス(1,3−ジビニル−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒
(8.3×10-5mmol/μl、キシレン溶液)、保
存安定性改良剤(ジメチルマレエート)、酸化防止剤
(チバスペシャリティケミカル、製品名イルガノックス
1010)、さらに可塑剤(パラフィン系プロセスオイ
ル)を表2に示すように計量した後、混合し、100
℃、10分間加熱することにより硬化しサンプルを調製
した。
【0083】
【表2】
【0084】上記各種サンプルについて、ダンベル引張
り特性(測定はJIS K6301に準じた)と硬さを
測定した。また、動的粘弾性測定により室温での損失正
接を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】実施例5 実施例1の硬化性組成物を硬化してなる硬化物をJIS
Z 0208に準拠し、透湿率を測定し、同硬化物を
JIS Z 1707に準拠し、透過係数を測定した。
また、耐熱性を評価するため、同硬化物を150℃、1
500時間以上保持し、表面溶融の有無を観察した。結
果を表4に示す。
【0087】実施例6 実施例3の硬化性組成物を用いた他は、実施例5と同様
に評価した。結果を表4に示した。
【0088】
【表4】
【0089】表4に示す通り、この硬化物は、飽和炭化
水素系重合体を用いることにより、低気体/水蒸気透過
性に優れ、さらに耐熱性にも優れていることが確認でき
る。 実施例7〜8 各種材料との接着性を調べるために、製造例2で得た成
分(A)及び製造例で得た成分(B)である化合物
B、また、触媒としてビス(1,3−ジビニル−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒
(8.3×10-5mmol/μl、キシレン溶液)、保
存安定性改良剤(ジメチルマレエート)、さらに接着性
付与剤として、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネ
ート)あるいはTETRAD−C(三菱ガス化学製:
1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シ
クロヘキサン)、またシランカップリング剤としてγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカ
ー(株)製、商品名:A−187)を表5に示すように
計量した後、混合し、100℃、10分間加熱すること
により硬化しサンプルを調製した。
【0090】
【表5】
【0091】得られた試験片についてJIS K 68
50の規定の引張り剪断接着強さ試験方法及びJIS
K 5400規定の付着性評価方法の中の碁盤目テープ
法により接着性評価を行った。結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】
【発明の効果】実施例からも明らかのように、本発明の
防音防振材料は、ポリイソブチレンに代表される飽和炭
化水素系重合体を用いることによる優れた防音防振性に
加え、耐熱性、耐ガスバリヤー性等にも優れた材料であ
る。さらにこの他、飽和炭化水素系重合体に由来する耐
候性や電気絶縁性も兼ね備えており、防音防振材料とし
て幅広い用途に適用が可能である。
【0094】また、接着性付与剤あるいは粘着性付与剤
を必須成分とすることにより、各種構造部材への接着や
粘着も可能であることから、制振鋼板や防振シートとい
った形状での使用も可能である。また、成形方法として
は、一般に使用されている各種の成型方法を用いること
ができる他、直接塗布や流し込みといった形態もとれ、
生産性のも優れた材料と言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千波 誠 兵庫県神戸市垂水区舞子台6丁目6− 512 (56)参考文献 特開 平6−256640(JP,A) 特開 平3−294320(JP,A) 特開 平2−75644(JP,A) 特開 平6−279691(JP,A) 特開 平1−217040(JP,A) 特開 平6−192524(JP,A) 特開 平1−240568(JP,A) 特開 平5−70693(JP,A) 特開 平3−139565(JP,A) 特開 平8−225743(JP,A) 特開 平8−134360(JP,A) 特開 平8−134165(JP,A) 独国特許出願公開4023960(DE,A 1) 米国特許4803244(US,A) 米国特許4831081(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 WPI/L(QUESTEL)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A),(B)および(C)
    を必須成分とする硬化性組成物からなる防音防振材料; (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可
    能なアルケニル基またはアルキニル基を含有する飽和
    化水素系重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する硬化剤、 (C)ヒドロシリル化触媒。
  2. 【請求項2】 さらに接着性付与剤あるいは粘着性付与
    剤を必須成分(D)として含有する請求項1記載の防音
    防振材料。
  3. 【請求項3】 成分(D)の接着性付与剤としてイソシ
    アナート系化合物とシランカップリング剤、あるいは窒
    素原子を含むエポキシ系化合物とシランカップリング剤
    を併用してなる請求項2記載の防音防振材料。
  4. 【請求項4】 成分(D)の粘着性付与剤として粘着性
    付与樹脂を使用してなる請求項2記載の防音防振材料。
  5. 【請求項5】 成分(A)の重合体中、イソブチレンに
    起因する繰り返し単位の総量が重合体を構成する単量体
    全体を100重量%としたとき、50重量%以上である
    請求項1または2記載の防音防振材料。
  6. 【請求項6】 成分(A)の重合体中、イソブチレンに
    起因する繰り返し単位の総量が重合体を構成する単量体
    全体を100重量%としたとき、80重量%以上である
    請求項1または2記載の防音防振材料。
  7. 【請求項7】 成分(B)の硬化剤が分子中に少なくと
    も2個のヒドロシリル基を含有するオルガノハイドロジ
    ェンポリシロキサンである請求項1、2、5または6記
    載の防音防振材料。
  8. 【請求項8】 成分(B)の硬化剤が分子中に少なくと
    も1個のヒドロシリル基を含有するオルガノハイドロジ
    ェンポリシロキサン残基を少なくとも2個有する有機系
    硬化剤である請求項1、2、5または6記載の防音防振
    材料。
  9. 【請求項9】 成分(B)の硬化剤が分子中にオルガノ
    ハイドロジェンポリシロキサン残基以外の少なくとも2
    個のヒドロシリル基を含有する有機系硬化剤である請求
    項1、2、5または6記載の防音防振材料。
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JP2009084499A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Kaneka Corp 硬化性組成物、及びその架橋ゴム

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