JP3334938B2 - 硬化性組成物、およびシーリング材料 - Google Patents

硬化性組成物、およびシーリング材料

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JP3334938B2 JP08780193A JP8780193A JP3334938B2 JP 3334938 B2 JP3334938 B2 JP 3334938B2 JP 08780193 A JP08780193 A JP 08780193A JP 8780193 A JP8780193 A JP 8780193A JP 3334938 B2 JP3334938 B2 JP 3334938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性組成物、および
シーリング材料に関し、更に詳しくは、 (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
する、分子量が30000以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
る、分子量が100000以下である飽和炭化水素系重
合体 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のうち少な
くとも1種の極性官能基と、アルケニル基又はヒドロシ
リル基の両方を有する化合物からなる接着性付与剤、及
び/又はエポキシ樹脂と非アミン系エポキシ樹脂用硬化
剤の混合物からなる接着性付与剤 を必須成分としてなる硬化性組成物、および該組成物を
硬化させてなるシーリング材料に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】従来より、建築、自動車、電気
分野等において、組立加工の際に、同種あるいは異種の
材料間の接着、あるいは、補強・補充の為に各種シーリ
ング材料が用いられており、これまでに、各用途に応じ
て硬化様式や主鎖構造の違う種々の材料が提案されてい
る。しかしながら、従来より使用されているシーリング
材料では、(1)高耐候性、(2)高耐熱性、(3)速
硬化性、(4)低湿気透過性、(5)無機および有機材
料との接着性、の諸特性を合わせ持つ材料は無く、さら
に、(6)一液安定性、の特性をも考慮した材料は無か
った。
【0003】例えば、付加型硬化系のシリコーン系シー
リング材料は、(1)、(2)、(3)、(5)およ
び、場合によっては(6)の諸特性を満足しているが、
(4)の特性が無く、シーリング剤として用いた場合に
は、周辺の汚染といった不安要因も観察されている。ま
た、特開平1−198673に開示されている飽和炭化
水素系重合体を主鎖とする材料においても、縮合型硬化
系である為に、上記(3)の特性が満足できていない。
そこで、特開平1−198673開示の技術に(3)の
特性を付与する為に、単純に付加型硬化系への変換を試
みたが、縮合型硬化系で使用できたアミノシラン等のシ
ランカップリング剤が、硬化阻害を誘発し、(5)の特
性を失う結果となった。
【0004】本発明の目的は、懸かる現状に鑑み、
(1)〜(6)の諸特性を合わせ持ち、かつ、力学的特
性にも優れた、硬化性組成物、および、シーリング材料
を得ることにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、この目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、前記特開平
1−198673に記載されている技術とは異なる硬化
様式を採用し、かつ、(5)無機材料との接着性、
(6)一液性、の諸特性をも満足する技術を見出した。
このことにより、前記目的を達成しうる硬化性組成物、
および、シーリング材料を得ることができ、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、 (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
する、分子量が30000以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
る、分子量が100000以下である飽和炭化水素系重
合体 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のうち少な
くとも1種の極性官能基と、アルケニル基又はヒドロシ
リル基の両方を有する化合物からなる接着性付与剤、及
び/又はエポキシ樹脂と非アミン系エポキシ樹脂用硬化
剤の混合物からなる接着性付与剤 を必須成分としてなる硬化性組成、および該組成物を硬
化させてなるシーリング材料に関するものであり、さら
に一液性付与を目的とする場合には、保存安定性改良剤
を、必須(E)成分として、上記(A)〜(D)成分と
併せて使用してなる硬化性組成物、および、該組成物を
硬化させてなるシーリング材料に関するものである。
【0007】本発明の(A)成分であるヒドロシリル基
を含有する炭化水素系硬化剤の構造については特に制限
はないが、式(I) RXa (I) (Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含む基、Rは
炭素数2〜150の1〜4価の炭化水素基。aは1〜4
から選ばれる整数。)で示される分子量が30000以
下であるヒドロシリル基を含有する炭化水素系硬化剤を
好適に用いることができる。
【0008】式(I)中、Xは少なくとも1個のヒドロ
シリル基を含む基を表すが、具体的に例示するならば、 −Si(H)n(CH3 3-n 、−Si(H)n(C2
5 3-n 、−Si(H)n(C6 5 3-n 、(n=1
〜3) −SiH2(C6 13) などのケイ素原子1個だけ含有するヒドロシリル基、
【0009】
【化1】
【0010】などのケイ素原子2個以上含むヒドロシリ
ル基、
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】などで示される鎖状、枝分かれ状、環状の
各種の多価ハイドロジエンシロキサンより誘導されたヒ
ドロシリル基などが挙げられる。上記の各種のヒドロシ
リル基のうち、本発明の(A)成分であるヒドロシリル
基含有の炭化水素系硬化剤の各種有機重合体に対する相
溶性を損なう可能性が少ないという点から、ヒドロシリ
ル基を構成する部分の分子量は500以下が望ましく、
さらにヒドロシリル基の反応性も考慮すれば、下記のも
のが好ましい。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】式(I)中、Rは炭素数2〜150の1〜
4価の炭化水素基を表す。式(I)中に含まれるヒドロ
シリル基の個数については少なくとも1分子中に2個あ
ればよいが、2〜15個が好ましく、3〜12個が特に
好ましい。本発明の組成物をヒドロシリル化反応により
硬化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数が2より
少ないと、硬化が遅く硬化不良を起こす場合が多い。ま
た該ヒドロシリル基の個数が15より多くなると、
(A)成分である硬化剤の安定性が悪くなり、その上硬
化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイ
ドやクラックの原因となる。
【0018】本発明の(A)成分であるヒドロシリル基
含有炭化水素系硬化剤の製造方法については、特に制限
はなく、任意の方法を用いればよい。例えば、(i )分
子内にSi−Cl基をもつ炭化水素系硬化剤をLiAl
4 ,NaBH4 などの還元剤で処理して該硬化剤中の
Si−Cl基をSi−H基に還元する方法、(ii)分子
内にある官能基Xをもつ炭化水素系化合物と分子内に上
記官能基Xと反応する官能基Y及びヒドロシリル基を同
時にもつ化合物とを反応させる方法、(iii )アルケニ
ル基を含有する炭化水素系化合物に対して少なくとも2
個のヒドロシリル基をもつポリヒドロシラン化合物を選
択ヒドロシリル化することにより反応後もヒドロシリル
基を該炭化水素系化合物の分子中に残存させる方法など
が例示される。
【0019】上記の方法のうち、(iii )の方法が製造
工程が一般に簡便なため好適に用いることができる。こ
の場合、一部のポリヒドロシラン化合物のヒドロシリル
基の2個以上が炭化水素系化合物のアルケニル基と反応
し分子量が増大する場合があるが、このような炭化水素
系化合物を(A)成分として用いても何ら差し支えな
い。
【0020】本発明に用いる(B)成分は、分子中に少
なくとも1個のアルケニル基を有する分子量10000
0以下の飽和炭化水素系重合体である。ここで、飽和炭
化水素系重合体とは、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結
合を実質的に含有しない重合体を意味する概念であり、
該アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が飽
和炭化水素から構成されることことを意味する。また、
アルケニル基とは、炭素−炭素二重結合が1個ある基を
指す。本発明においては、(B)成分は、1分子中にア
ルケニル基を1〜10個有していることが望ましい。
【0021】(B)成分である飽和炭化水素系重合体の
骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6のオ
レフィン系化合物を主モノマーとして重合させる、
(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化
合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジ
エン系化合物とを共重合させたりしたのち水素添加す
る、などの方法により得ることができるが、末端に官能
基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基
の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレ
ン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体あるいは水添
ポリイソプレン系重合体であるのが好ましい。
【0022】前記イソブチレン系重合体は、単量体単位
のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよ
く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソ
ブチレン系重合体中の好ましくは50%(重量%、以下
同様)以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。
【0023】このような単量体成分としては、例えば炭
素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビ
ニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げ
られる。このような共重合体成分の具体例としては、例
えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメ
チルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセ
ニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒ
ドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメ
チルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニ
ルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3
−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、ア
リルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラ
ン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
【0024】前記水添ポリブタジエン系重合体や他の飽
和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重
合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、
他の単量体単位を含有させてもよい。また本発明中
(B)成分として用いる飽和炭化水素系重合体には、本
発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレ
ン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエ
ン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のご
とき重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好
ましくは10%以下の範囲で含有させてもよい。
【0025】前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイ
ソブチレン系重合体、水添ポリイソプレン又は水添ポリ
ブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜1000
00程度であるのが好ましく、特に1000〜4000
0程度の液状物〜流動性を有するものであるのが取扱い
やすいなどの点から好ましい。アルケニル基を(B)成
分の飽和炭化水素系重合体に導入する方法については、
種々提案されているものを用いることができるが、重合
後にアルケニル基を導入する方法と重合中にアルケニル
基を導入する方法に大別することができる。
【0026】重合後にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えば、末端、主鎖、あるいは側鎖の水酸基を−
ONaや−OKなどの基にしたのち一般式(2) CH2 =CH−R3 −Y (2) 〔式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3 は−R4 −、−R4 −OC(=O)−又は−R
4 −C(=O)−(R4 は炭素数1〜20の2価の炭化
水素基で、好ましい具体例としてはアルキレン基、シク
ロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が挙げ
られる)で示される2価の有機基で、
【0027】
【化7】
【0028】(R5 は炭素数1〜10の炭化水素基)よ
り選ばれた2価の基が特に好ましい〕で示される有機ハ
ロゲン化合物を反応させることにより、末端アルケニル
基を有する飽和炭化水素系重合体が製造される。末端ヒ
ドロキシ飽和炭化水素系重合体の末端水酸基をオキシメ
タル基にする方法としては、Na、Kのごときアルカリ
金属:NaHのごとき金属水素化物;NaOCH3 のご
とき金属アルコキシド;苛性ソーダ、苛性カリのごとき
苛性アルカリなどと反応させる方法が挙げられる。
【0029】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ飽和炭化水素系重合体とほぼ同じ分子量を
もつ末端アルケニル基含有飽和炭化水素系重合体が得ら
れるが、より高分子量の重合体を得たい場合には、一般
式(2)の有機ハロゲン化合物を反応させる前に、塩化
メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロ
ロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中にハロゲン
原子を2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させ
れば分子量を増大させることができ、そののち一般式
(2)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、
より高分子量でかつ末端にアルケニル基を有する水添ポ
リブタジエン系重合体を得ることができる。
【0030】前記一般式(2)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、例えばアリルクロライド、ア
リルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、ア
リル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
が挙げられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちでは安価で、かつ容易に反応することからア
リルクロライドが好ましい。
【0031】また、共有結合Cl基を有するイソブチレ
ン系ポリマにアルケニル基を導入する方法としては、特
に制限はないが、例えば、種々のアルケニルフェニルエ
ーテル類とCl基のフリーデルクラフツ反応を行う方
法、アリルトリメチルシラン等とCl基とをルイス酸存
在下、置換反応を行う方法、および種々のフェノール類
とCl基のフリーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入
した上で、さらに前記のアルケニル基導入方法を併用す
る方法などが、挙げられる。
【0032】重合中にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えば、開始剤兼連鎖移動剤としてハロゲン原子
を有し、該ハロゲン原子が結合している炭素原子が芳香
環炭素に結合している化合物及び/又はハロゲン原子を
有し、該ハロゲン原子が結合している炭素原子が第3級
炭素原子である化合物を使用し且つ触媒としてルイス酸
を使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モノ
マーをカチオン重合させるに当たり、アリルトリメチル
シランを重合系に添加することによるアリル末端を有す
るイソブチレン系ポリマーの製造法や、同じく、1,9
−デカジエンのような非共役ジエン類、またはp−ヘキ
セニルオキシスチレンのようなアルケニルオキシスチレ
ン類を重合系に添加することによるアルケニル基を主鎖
あるいは側鎖の末端に有するイソブチレン系ポリマーの
製造法が挙げられる。
【0033】尚、カチオン重合触媒として用いられる成
分であるルイス酸は、MX′n(Mは金属原子、X′は
ハロゲン原子)で表わされるもの、例えばBCl3 ,E
2 AlCl,EtAlCl2 ,AlCl3 ,SnCl
4 ,TiCl4 ,VCl5 ,FeCl3 ,BF3 などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らのルイス酸のうち、BCl3 ,SnCl4 ,BF3
どが好ましく、更に好ましいものとしてTiCl4 が挙
げられる。前記ルイス酸の使用量は開始剤連鎖移動剤の
モル数に対し0.1〜10倍が好ましく、更に好ましく
は2〜5倍である。
【0034】上記の如くして製造された(A)成分及び
(B)成分のヒドロシリル基とアルケニル基との比率は
モル比で0.2〜5.0が好ましく、更に0.4〜2.
5が特に好ましい。モル比が0.2より小さくなると、
本発明の組成物を硬化した場合に硬化が不充分でベトツ
キのある強度の小さい硬化物しか得られず、またモル比
が5.0より大きくなると硬化後も硬化物中に活性なヒ
ドロシリル基が多量に残存するので、クラック、ボイド
が発生し、均一で強度のある硬化物が得られない傾向が
ある。
【0035】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用で
きる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、
アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白
金を担持させたもの; 白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn (ViM
2 SiOSiMe2 Vi)m 、Pt〔(MeViSi
O)4 m };白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt
(PPh3 4 、Pt(PBu3 4 };白金−ホスフ
ァイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh3 4 、Pt
〔P(OBu)3 4 } (式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニ
ル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表
す)、Pt(acac)2 、また、アシュビー(Ash
by)の米国特許第3159601及び3159662
号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びに
ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220
972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒も
挙げられる。
【0036】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、Rh/Al2 3 等が挙げられる。これらの触媒は
単独で使用してもよく、2種以上併用してもかまわな
い。触媒活性の点から白金−オレフィン錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体、Pt(acac)2 等が好まし
い。触媒量としては特に制限はないが、(B)成分中の
アルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの
範囲で用いるのがよい。好ましくは10-3〜10-6mo
lの範囲で用いるのがよい。
【0037】本発明の(D)成分である接着付与剤とし
ては、以下の化合物が例示される。すなわち、エポキ
シ基・水酸基・カルボキシル基・等の極性官能基と、ア
ルケニル基・ヒドロシリル基・等の付加型硬化系に関与
し、硬化時に主鎖中に組み込まれ得る官能基を合わせ持
つ化合物、または、硬化時に主鎖中に組み込まれ得る
エポキシ樹脂と非アミン系エポキシ樹脂硬化剤の混合物
が挙げられる。
【0038】ここで、主鎖とは、本発明の硬化性組成物
の硬化時に生成される分子を指し、(D)成分は、少な
くとも(A)および/または(B)成分と反応し、該分
子中に組み込まれる。前記の化合物において、極性官
能基は、アルケニル基・ヒドロシリル基・等の付加型硬
化系に関与するが、その付加型硬化系とは、本発明にお
ける(A)および/または(B)成分そのものであって
もよいし、それらとは独立なアルケニル基および/また
はヒドロシリル基を有した化合物であってもよい。後者
の場合は、その結果生成された化合物は、少なくとも
(A)および/または(B)成分と結合反応する必要が
ある。
【0039】また、前記例示したエポキシ基・水酸基・
カルボキシル基・等の極性官能基は、同一分子および/
または異種分子に1種以上の極性官能基を有することが
できる。前記の化合物の具体例としては、9−デセン
−1−オールに代表される水酸基/アルケニル基、アリ
ルグリシジルエーテルに代表されるエポキシ基/アルケ
ニル基、10−ウンデシレン酸に代表されるカルボキシ
ル基/アルケニル基、等の極性官能基を合わせ持つ化合
物が挙げられる。さらに、本発明で用いる(A)成分で
ある、分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を
含有する、分子量が30000以下である炭化水素系硬
化剤や、(A)成分以外の任意の鎖状・枝分かれ状・環
状・等の多価ハイドロジェンシロキサンと、上記記載
の、エポキシ基・水酸基・カルボキシル基・等の極性官
能基/アルケニル基を合わせ持つ化合物との、部分ヒド
ロシリル化反応により得られる、エポキシ基・水酸基・
カルボキシル基・等の極性官能基/ヒドロシリル基を合
わせ持つ化合物が挙げられる。上記、部分ヒドロシリル
化反応を行う条件については、特に制限は無く、あらか
じめ、ヒドロシリル化触媒存在下、加熱・混合し、反応
を完結した後、精製単離後、用いてもよく、あるいは、
常温下、無溶媒で単に混合したものをそのまま用いても
よい。ただし、の化合物で(B)成分のアルケニル基
とのヒドロシリル化反応による付加型硬化系に関与し硬
化時に主鎖中に組み込まれる為には、分子中に1個以上
のヒドロシリル基を残存させることが必要であり、ま
た、(A)成分のヒドロシリル基とのヒドロシリル化反
応による付加型硬化系に関与し硬化時に主鎖中に組み込
まれる為には、分子中に1個以上のアルケニル基を残存
させることが必要である。そして、の化合物は、
(A)成分および(B)成分の両者と結合反応してもか
まわない。
【0040】上記(A)成分以外の多価ハイドロジェン
シロキサンとしては、例えば、環状ではLS−8600
〔信越(株)〕、直鎖状では種々のハイドロジェンポリ
シロキサン等が例示される。さらに、本発明の(D)成
分である接着付与剤として例示した前記、即ち、エポ
キシ樹脂と非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤の混合物の
うち、エポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒ
ドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロル
ヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブ
ロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃
型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピ
レンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、p−オキシ安息香酸−グリシジルエーテルエステル
型エポキシ樹脂、III −アミノフェノール系エポキシ樹
脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタ
ン変性エポキシ樹脂、各種脂環式系エポキシ樹脂、N,
N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o
−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリ
アルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリ
ンなどのごとき多価アルコールのグリシジルエーテル、
ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などのごとき不
飽和重合体のエポキシ化物などが例示されるが、これら
に限定されるものではなく、一般に知られているエポキ
シ樹脂であれば使用しうる。これらのエポキシ樹脂のう
ちでは式:
【0041】
【化8】
【0042】で示されるエポキシ基を少なくとも分子中
に2個含有するものが好ましく、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂類やノボラック型エポキシ樹脂、各種脂環式
系エポキシ樹脂がさらに好ましい。さらに、非アミン系
エポキシ樹脂用硬化剤としては、例えば3フッ化ホウ素
酸化合物:無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水ピロメ
リット酸、無水クロレン酸などのごとき無水カルボン酸
類:アルコール類:フェノール類:カルボン酸類:アル
ミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチ
レート、アルミニウムtert−ブチレート、アルミニ
ウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリスヘキサ
フルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチ
ルアセトアセテートアルミニウム、トリス(n−プロピ
ルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(iso−
プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n
−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、トリスサリ
チルアルデヒドアルミニウム、トリス(2−エトキシカ
ルボニルフェノラート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナト)アルミニウムなどのごときアルミニウム
錯体:
【0043】上記アルミニウム錯体と、ジフェニルジメ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジアセトキシシ
ラン、ジフェニルジフェノキシシラン、トリフェニルメ
トキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニ
ルビニルエトキシシランなどのごときアルコキシシラン
との混合物であるアルミニウム錯体/アルコキシシラン
混合物:上記アルミニウム錯体と、ジフェニルジシラノ
ール、ジフェニルメチルシラノール、トリメチルシラノ
ール、トリフェニルシラノールなどのごとき有機シラノ
ールとの混合物であるアルミニウム錯体/有機シラノー
ル混合物:テトラメチルジルコネート、テトラエチルジ
ルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラ
−n−ブチルジルコネート、テトライソブチルジルコネ
ート、テトラ−tert−ブチルジルコネート、テトラ
キス(オキザリックアシド)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトン)ジルコニウム、テトラキス(n−
プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(サリチルアルデヒド)ジルコニウムなどのごときジル
コニウム錯体:等の化合物を例示することができる。
【0044】これらの非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤
の中では、アルミニウム錯体/アルコキシシラン混合
物、アルミニウム錯体/有機シラノール混合物が加熱時
のエポキシ樹脂の硬化が速いといった点で好ましい。非
アミン系エポキシ樹脂用硬化剤の使用量は、エポキシ樹
脂および該硬化剤の種類により異なるが、エポキシ樹脂
100部(重量部、以下同様)に対し、目的に応じて目
的に応じて1〜100部の範囲で使用すればよい。
【0045】また、本発明において、エポキシ樹脂を硬
化させる為に一般に使用されるエポキシ樹脂用硬化剤で
ある、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン、メタ
フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジア
ミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールな
どのごときアミン類:3級アミン塩などのアミン系エポ
キシ樹脂用硬化剤を用いる事は、本発明の(A)、
(B)、(C)成分のヒドロシリル化反応による硬化を
阻害する為に好ましくない。 また、本発明における
〔(A)成分+(B)成分+(C)成分〕/〔(D)成
分〕の割合(重量比)については、使用目的に応じて使
い分ければ良く、特に制限はないが、例えば〔(A)成
分+(B)成分+(C)成分〕に各種基材との接着性を
付与したいだけなら、100/0.1〜100/20
(重量比)が好ましく、さらに機械的強度をも向上させ
たいなら100/10〜100/200(重量比)が好
ましい。
【0046】さらに、本発明において、(D)成分の接
着付与剤のうち、上記エポキシ樹脂と非アミン系エポキ
シ樹脂用硬化剤の混合物を用いた場合、各種基材との接
着性を付与するだけでなく、硬化後の硬化物の圧縮・引
張り耐久試験時の復元率を向上させるという効果もあ
る。さらに本発明においては、必要に応じて保存安定性
改良剤を必須(E)成分として用いる事が望ましい。
【0047】前記保存安定性改良剤としては、2−ベン
ゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾ
ール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエ
チルアセチレンダイカルボキシレート、BHT、ブチル
ヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフ
オジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−
ブテン−3−オール、3−メチル−1−ブチル−3−オ
ール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエ
チルフマレート、ジエチルマレエート等の(C)成分の
触媒活性を室温保存時にのみ制御するものが望ましい。
また、保存安定性改良剤を用いる場合の使用量は触媒1
molに対し0.1〜1000mol、好ましくは1〜
100molである。保存安定性改良剤の使用量が上記
の量の上限を超えた場合には、硬化遅延が起こるばかり
ではなく、硬化不良を起こし、硬化物に要求される物性
を満足させることができない。逆に保存安定性改良剤の
使用量が上記の量の下限を下回った場合には組成物の保
存安定性を改良するという目的を達することができな
い。
【0048】本発明の(A)、(B)、(C)、(D)
および場合によっては、(E)成分を混合し、硬化させ
れば発泡等の現象を伴うことなく深部硬化性に優れた均
一な硬化物が得られる。硬化条件については、特に制限
はないが、一般に0〜200℃、好ましくは30〜15
0℃で10秒〜4時間硬化するのがよい。特に80〜1
50℃での高温では10秒〜1時間程度の短時間で硬化
するものも得られる。硬化物の性状は用いる用いる
(A)及び(B)成分の主鎖骨格や分子量等に依存する
が、ゴム状のものから樹脂状のものまで作製することが
できる。また、配合物を添加して、硬化物を作製する際
における(A)(B)(C)及び(D)の必須4成分の
合計の組成物に対する割合は10%以上、さらには30
%以上が好ましく、必要に応じて各種成分が添加され
る。
【0049】前記添加される成分の例としては、たとえ
ば生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、可
塑剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などが挙げら
れる。前記可塑剤としては一般に用いられている可塑剤
が使用できるが、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体
と相溶性のよいものが好ましい。可塑剤の具体例として
は、例えばポリブテン、水添ポリブテン、α−メチルス
チレンオリゴマー、ビフェニル、トリフェニル、トリア
リールジメタン、アルキレントリフェニル、液状ポリブ
タジエン、水添液状ポリブタジエン、アルキルジフェニ
ル、部分水素添加ターフェニル、パラフィン油、ナフテ
ン油、アタクチックポリプロピレンなど、それらの中で
も好ましくは不飽和結合を含まない水添ポリブテン、水
添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、ア
タクチックポリプロピレンなどの炭化水素系化合物類;
ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−
エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレー
ト、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸
エステル接着剤やシランカップリング剤、その他の化合
物を用ることができる。このような化合物の具体例とし
ては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)ア
ミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラ
ン化合物、エポキシシラン化合物、クマロン−インデン
樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹
脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポ
リエチルメチルスチレン、アルキルチタネート類、芳香
族ポリイソシアネートなどを挙げることができる。
【0050】前記充填剤の具体例としては、たとえばア
スベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、グラファイ
ト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリカ、沈降性シリ
カ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸カルシウム、
クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、石
英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、亜鉛末などが
挙げられる。これら充填剤のうちでは沈降性シリカ、ヒ
ュームシリカ、カーボンブラックなどのチキソトロピッ
ク性を有する充填剤や、炭酸カルシウム、酸化チタン、
タルクなどが好ましい。充填剤を用いる場合の使用量
は、飽和炭化水素系重合体(B)100部に対して10
〜500部が好ましく、20〜300部がさらに好まし
い。
【0051】本発明の硬化性組成物を、シーリング材料
として用いた場合、その適用される基材としては、無機
ガラス、有機ガラス、アルミ、鉄、強化プラスチック、
木、モルタル、コンクリート、等のものであってもよ
く、これらの基材に対して長期間にわたり安定した接着
性を発現する。そして、加熱下、速硬化し、シーリング
材料として優れた機械的性質を有するゴム状物になる。
【0052】こうして得られたゴム状物は、湿気透過性
が低く、耐候性、耐候接着性、耐熱性、電気絶縁性が良
好である。また、本発明のシーリング材料は、保存安定
性が良好であり、低温状態において、長時間安定である
ので、作業性の良い一液型シーリング剤としても用いる
ことが可能である。
【0053】さらに、常温で適度な粘性、構造粘性(チ
クソトロピー性)を有する流動物にする事ができ、作業
性、スプレー性などが良好である。また、本発明のシー
リング材料を使用して、複層ガラス製造する場合には、
速硬化する為に、ライン速度をあげられると共に、従来
のダブルシールをシングルシールにできるというメリッ
トもある。
【0054】もちろん、従来のダブルシールによる複層
ガラスにも用いることができるし、二液型シーリング材
料としても用いることができる。さらに本発明の組成物
は、加熱によりすみやかに硬化し、硬化物がゴム状弾性
体になるため、従来の封止用樹脂を用いた場合のように
チップやリードフレームとの線膨張率の差による熱応力
により、チップにクラックが生じたりボンディング線が
切断するなどのような問題が生じにくく、信頼性の高い
半動体部品が製造される。さらにその封止性能は、例え
ば、透湿係数が1×10-11 g・cm/cm2 ・sec
・cmHg程度という優れた湿気遮断性を有し、アルミ
基板に対する接着性がT字剥離で6kg/25mm程度
と優れていること、130℃で300日というような厳
しい条件でも表面に融解が見られないという優れた耐熱
性及び2.44程度という優れた誘電率で代表される優
れた電気特性などからも明らかなように、非常に優れた
材料が提供される。
【0055】尚、本発明の組成物を封止用樹脂として適
用する場合、従来から一般に使用されるエポキシ樹脂の
封止用樹脂と同様の方法でポッティングすればよい。
【0056】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるもの
ではない。 製造例1 1リットルの耐圧ガラス製オートクレーブに撹拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取り付けて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0057】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である1,1−ジクロ
ロエタン40mlを導入した。次いで蒸留、精製したア
リルトリメチルシラン5mmolを添加し、更にTCC
(下記化合物A)2ミリモルを溶解させた10mlの
1,1−ジクロロエタン溶液を添加した。
【0058】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが7g入って
いるニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三
方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライア
イス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しな
がら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を
減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐
圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。そ
の後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に
戻し、更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−
10℃まで昇温した。
【0059】次に、TiCl4 3.2g(10ミリモ
ル)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、1,1−ジクロロエタン、
アリルトリメチルシラン及びメタノールを留去し、残っ
たポリマーを100mlのn−ヘキサンに溶解後、中性
になるまでこの溶液の水洗を繰り返した。その後、この
n−ヘキサン溶液を20mlまで濃縮し、300mlの
アセトンにこの濃縮溶液を注ぎ込むことによりポリマー
を沈澱分離させた。
【0060】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系ポリマーを得た。尚、化合
物Aの構造は下記に示す通りである。
【0061】
【化9】
【0062】製造例2 製造例1で得られたイソブチレン系ポリマー5gを10
0mlのn−ヘキサンに溶解させ、ケイ酸アルミ2gを
加え、室温で24時間攪拌した後、濾過し、n−ヘキサ
ンを減圧留去することにより、イソブチレン系ポリマー
を得た。 製造例3 100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに攪拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取りつけて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0063】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水酸化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン4
0mlを導入した。次いで蒸留、精製した1,9−デカ
ジエン20mmolを添加し、更にトリキュミルクロリ
ド(TCC)3mmolを溶解させた塩化メチレン溶液
(10ml)を添加した。
【0064】次に、酸化バリウムを重点したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが7g入って
いるニードルバルブ付き耐圧ガラス製造液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を攪拌
しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内
部を減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレン
を耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入し
た。その後三方コックの一方から窒素を流すことにより
常圧に戻し、更に攪拌下に1時間冷却を続け、重合容器
内を−30℃まで昇温した。
【0065】次に、TiCl4 3.2g(10mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、塩化メチレン、1,9−デ
カジエン及びメタノールを留去し、残ったポリマーを1
00mlのn−ヘキサンに溶解後、中性になるまでこの
溶液の水洗を繰り返した。その後、このn−ヘキサン溶
液を20mlまで濃縮し、300mlのアセトンにこの
濃縮液を注ぎ込むことによりポリマーを沈殿分離させ
た。
【0066】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系ポリマーを得た。
【0067】製造例4 200mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付
けて、真空ラインで真空に引きながら重合容器を100
℃で1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却
後三方コックを用いて窒素で常圧に戻した。その後、三
方コックの一方から窒素を流しながら、注射器を用いて
オートクレーブに前記化9に示されるトリクミルクロラ
イド1ミリモルを水素化カルシウム処理により乾燥させ
た塩化メチレン40mlに溶かした溶液を加えた。
【0068】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが5g入って
いるニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三
方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライア
イス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しな
がら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を
減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐
圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。そ
の後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に
戻し、更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−
70℃まで冷却した。
【0069】次に、四塩化スズ10mmolを、塩化メ
チレン20mlで希釈した溶液(−30℃)を注射器を
用いて三方コックから添加して重合を開始させ、60分
経過した時点でアリルフェニルエーテル10mmolを
注射器を用いて三方コックから添加した。その後、反応
溶液を室温で6時間攪拌した後、100mlの飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液と共に振盪した後、有機層を水1
00mlで2回洗浄した。有機層を10mlに濃縮し、
300mlのアセトン中にこれを攪拌しながら加えるこ
とによりポリマーを沈殿分離させた。
【0070】このようにして得られたポリマーを80m
lのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去することに
より、イソブチレン系ポリマーを得た。製造例1〜4で
得られたポリマーの収量より収率を算出すると共に、M
n及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を1H
-NMR(300MHz)法により各構造に帰属するプロトン(開始
剤由来の芳香族プロトン:6.5〜7.5ppm、及び
ポリマー末端由来のビニルプロトン:4.5〜5.9p
pm)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求
めた。ポリマー中の塩素含量は元素分析により求めた。
結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】製造例5 両末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレン(出光
石油化学(株)製、商品名エポール)300gにトルエ
ン50mlを加え共沸脱気により脱水した。t−BuO
K48gをTHF200mlに溶解したものを注入し
た。50℃で1時間反応させた後、アリルクロライド4
7mlを約30分間かけて滴下した。滴下終了後50℃
で1時間反応させた。反応終了後、生成した塩を吸着さ
せるために反応溶液にケイ酸アルミニウム30gを加
え、30分間室温で攪拌した。濾過精製により約250
gのアリル末端水添ポリイソプレンを粘稠な液体として
得た。300MHz 1H-NMR 分析により末端の92% にア
リル基が導入されていることが確認された。ヨウ素価よ
り求めたオレフィンのモル数は0.1046mol/100gであっ
た。元素分析より求めた塩素含量は0.1%以下であった。
また、E 型粘度計による粘度は、302 ポイズ(23 ℃) で
あった。
【0073】 *エポールの代表的物性値(技術資料より) 水酸基含有量(meq/g) 0.90 粘度(poise/30 ℃) 700 平均分子量(VPO測定) 2500 製造例6 撹拌棒、滴下ロート、温度計、3方コック、冷却管を備
え付けた300mlの4つ口フラスコを準備した。次に
窒素雰囲気下で化10の環状ポリシロキサン
【0074】
【化10】
【0075】(信越化学(株)製、LS8600)3
1.5g(0.131mol)をフラスコ内に仕込ん
だ。製造例5で合成した、分子末端の92%がアリル基
である水添ポリイソプレン50g(オレフィンのモル数
0.0536mol)、トルエン50ml、及び白金触
媒溶媒(Pt(acac)2 1gをトルエン99gに溶
解させた溶液)60μlからなるトルエン溶液を滴下ロ
ートへ仕込んだ。フラスコを70℃に加熱し、該トルエ
ン溶液を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃
で約5時間撹拌した時点で、反応溶液中の残存アリル基
をIRスペクトル分析法により定量したところ、164
5cm-1の炭素−炭素二重結合が消失していることが確
認された。次に反応系中に残存している触媒を除去する
ために、シリカゲル(和光純薬(株)製、ワコーゲルC
−200)5gを室温で加え、2時間撹拌してフラッシ
ュ・カラムを用いて濾過した。トルエン及び過剰の環状
ポリシロキサンを除去するために、濾液をエバポレート
し、更に減圧脱気を80℃で3時間行い、無色透明の粘
稠な液体を得た。E型粘度計による粘度は514ポイズ
(23℃)であった。該水添ポリイソプレン中のヒドロ
シリル基はIRスペクトルで2150cm-1の強い吸収
として確認された。また300MHzのNMRスペクト
ルでSi−のピークとSiC 3 及びSi−C 2
とを合わせたピークの強度を比較することにより、該環
状ポリシロキサン1分子当たり平均1.2個のヒドロシ
リル基が反応したことがわかった。即ち、該重合体は環
状ハイドロジェンポリシロキサンにより一部分子量が増
大した、次式化11に示されるの分子末端を有する水添
ポリイソプレンである。
【0076】
【化11】
【0077】製造例7 製造例5で得られた重合体の代わりに、製造例2で得ら
れた重合体を用い、重合体の量 50g、LS−860
0の量を16gに変更した以外は、製造例6と同様にし
て製造した。
【0078】製造例8 200mlの4つ口フラスコに、三方コック付冷却管
を、均圧滴下ロート、温度計、マグネチック・チップ、
ガラスストッパーを取付けたものを用意した。窒素雰囲
気下で前記化10に示した環状ポリシロキサン(信越化
学(株)製、LS8600)12.03g(50mmo
l)及びトルエン20mlをフラスコ内に仕込んだ。
1,9−デカジエン2.76g(20mmol)、白金
触媒溶液(Pt(acac)2 1gをトルエン99gに
溶解させた溶液)200μlをトルエン30mlに溶解
したものを滴下ロートへ仕込んだ。フラスコを50℃の
オイルバスにつけ、窒素雰囲気下にて該トルエン溶液を
フラスコ内へ2時間かけて滴下した。滴下終了後50℃
でさらに1時間反応させた時点で、IRスペクトルを測
定したところ、1640cm-1の付近のオレフィンの吸
収が完全に消失していたのでこの時点で反応を終了し
た。反応が終了した該トルエン溶液を塩化アンモニウム
飽和水溶液(100ml×2)、交換水(100ml×
1)で洗浄後、Na2 SO4 で乾燥した。Na2 SO4
を濾過して取り除き、揮発分をエバポレートして除去
後、80℃で減圧脱気することにより9.11gの無色
透明の液体を得た。該炭化水素系硬化剤中のヒドロシリ
ル基は2170cm-1の強い吸収として確認された。ま
た、300MHzのNMRでSi−HのピークとSi−
CH3 とのプロトンの強度比(実測値0.216)と計
算上の強度比を比較することによって該硬化剤は平均し
て下記化12に示す式の構造を有する(n=1(Mw=
998)が53%、n=2(Mw=1377)が47
%〕混合物であることがわかった。これをもとに単位重
量中のSi−H基の数を計算すれば、0.769mol
/100gであった。
【0079】
【化12】
【0080】製造例9 500mlの4つ口ナスフラスコに、均圧滴下ロート、
温度計、攪拌ペラ、三方コックを取付けたものを用意し
た。窒素雰囲気下で前記化10に示した環状ポリシロキ
サン(信越化学(株)製、LS8600)20g(50
mmol)及びトルエン50mlをフラスコ内に仕込ん
だ。アリルグリシジルエーテル19g、白金−ビニルシ
ロキサン錯体溶液(8.3×10-5mmol/μl)4
00μl、トルエン50ml、を混合した溶液を滴下ロ
ートへ仕込んだ。フラスコを15℃の水浴に付け、窒素
雰囲気下、攪拌しながら約30分で上記溶液を滴下し、
その後、さらに常温での攪拌を4時間継続した。滴下時
にフラスコ内の溶液の温度が約25℃まで昇温した。I
Rスペクトルにより、1640cm-1の付近のオレフィ
ンの吸収が消失したことを確認したので、この時点で反
応を終了した。反応物の安定化の目的で、ベンゾチアゾ
ール100μlを添加後、60℃以下で、真空減圧濃縮
を行い、目的物を得た。
【0081】こうして得られた接着性付与剤は、製造例
8と同様にNMRにより構造を調べたところ、一分子中
に約2個のエポキシ基と、約2個のSiH基を持つ環状
ポリシロキサンである事が確認された。 製造例10 500mlの4つ口ナスフラスコに、均圧滴下ロート、
温度計、攪拌ペラ、三方コックを取付けたものを用意し
た。窒素雰囲気下で製造例8で合成した硬化剤50gお
よびトルエン100mlをフラスコ内に仕込んだ。アリ
ルグリシジルエーテル22g、白金−ビニルシロキサン
錯体溶液(8.3×10-5mmol/μl)500μ
l、トルエン100ml、を混合した溶液を滴下ロート
へ仕込んだ。フラスコを15℃の水浴に付け、窒素雰囲
気下、攪拌しながら約30分で上記溶液を滴下し、その
後、さらに常温での攪拌を4時間継続した。滴下時にフ
ラスコ内の溶液の温度が約28℃まで昇温した。IRス
ペクトルにより、1640cm-1の付近のオレフィンの
吸収が消失したことを確認したので、この時点で反応を
終了した。反応物の安定化の目的で、ベンゾチアゾール
100μlを添加後、60℃以下で、真空減圧濃縮を行
い、目的物を得た。
【0082】こうして得られた接着性付与剤は、製造例
8、9と同様にNMRにより構造を調べたところ、一分
子中に約3個のエポキシ基と、約3個のSiH基を持つ
化合物である事が確認された。これをもとに単位重量中
のSiH基の数を計算すれば、0.382mol/10
0gであった。 製造例11 500mlの4つ口ナスフラスコに、均圧滴下ロート、
温度計、攪拌ペラ、三方コックを取付けたものを用意し
た。窒素雰囲気下で製造例8で合成した硬化剤50gお
よびトルエン100mlをフラスコ内に仕込んだ。9−
デセン−1−オール30g、白金−ビニルシロキサン錯
体溶液(8.3×10-5mmol/μl)500μl、
トルエン100ml、を混合した溶液を滴下ロートへ仕
込んだ。フラスコを15℃の水浴に付け、窒素雰囲気
下、攪拌しながら約30分で上記溶液を滴下し、その
後、さらに常温での攪拌を4時間継続した。滴下時にフ
ラスコ内の溶液の温度が約22℃まで昇温した。IRス
ペクトルにより、1640cm-1の付近のオレフィンの
吸収が消失したことを確認したので、この時点で反応を
終了した。反応物の安定化の目的で、ベンゾチアゾール
100μlを添加後、60℃以下で、真空減圧濃縮を行
い、目的物を得た。
【0083】こうして得られた接着性付与剤は、製造例
8、9、10と同様にNMRにより構造を調べたとこ
ろ、一分子中に約3個のエポキシ基と、約3個のSiH
基を持つ化合物である事が確認された。これをもとに単
位重量中のSiH基の数を計算すれば、0.365mo
l/100gであった。 実施例1〜10 製造例6〜8で得られた(A)成分、製造例1〜5で得
られた(B)成分、(C)成分の代表として各種Pt触
媒溶液、製造例9〜11で得られた(D)成分、およ
び、その他の化合物を用いて、配合を行い、硬化させた
後、種々の特性を評価した。ただし、(A)成分のSi
H基:(B)成分のアルケニル基:(C)成分のPt含
量=1.1:1.0:5×10-4(モル比)、となるよ
うに配合している。その配合処方および評価結果を表2
に示した。なお、表中(D)成分の使用量は、〔(A)
成分+(B)成分〕を100重量部として記載した。
(E)成分の使用量は、(C)成分のPt含量に対する
mol比で記載した。
【0084】試験、評価方法 1)ゲル化時間試験法:該配合物の一部をゲル化試験器
(日新科学(株)製)の上に取り、120℃でスナップ
アップタイム(ゴム弾性になるまでの時間)を測定す
る。 2)ダンベル引張試験法:該配合物を遠心分離により脱
泡し、テフロン製の型枠に厚さ約2mmの均一シート状
になるように流し込み、室温減圧下で再度脱泡を行った
後、所定硬化条件(オーブン中)で硬化物を作製した。
該硬化物のシートからJISK6301に準拠した3号
ダンベルを打ち抜き、引張速度 200mm/minで
引張試験を行った。
【0085】M50(Kg/cm2 ):50%伸長時の強
度(モジュラス) M100 (Kg/cm2 ):100%伸長時の強度(モジ
ュラス) TB(Kg/cm2 ):破断強度 EB(%):破断伸び 3)接着性評価法:遠心脱泡した該配合物を各種基材
(ガラス、アルミ、モルタル)の上に、厚さ約5mmの
小判状に乗せ、所定硬化条件で硬化させた。室温に戻し
た後、指で、上から押さえながら横向きに剥離の力をか
け、硬化物を基材より引き剥がす。この際、界面剥離す
るものは×、混合破壊するものは△、完全に凝集破壊す
るものは○と判断した。 4)増粘率(%) 配合物の室温、2週間貯蔵後増粘率。
【0086】比較例1〜2 (D)成分を用いない以外は、実施例2、10と同様に
行った。その評価結果を表2に併せて示した。
【0087】
【表2】
【0088】実施例11〜16 比較例2の配合系にさらに以下の原材料を配合し、3本
ペイントロールで3回混練し、シーリング材料用組成物
を得た。(比較例2の配合系を100重量部として記
載) CCR(炭酸カルシウム):白石工業(株):100重
量部 ポリブテンOH :出光石油(株): 90重
量部 イルガノックス1010 :チバガイギー : 1重
量部 カーボンブラック#30 :三菱化成(株): 5重
量部 酸化チタンR−8200 :石原産業(株): 7重
量部 これらの組成物にさらに各種(D)成分(表3に記載)
を均一に混合した後、硬化物を作製し、種々の特性を評
価した。その配合処方および評価結果を表3に示した。
ガラス/アルミ H型引張特性以外は、前記と同様に行
った。
【0089】試験、評価方法 ガラス/アルミ H型引張試験法:JISA5758耐
久性試験体の作製に準拠し、該配合物を充填し、所定硬
化条件には硬化させた後、引張速度 50mm/min
にて引張試験を行った。 比較例3 (D)成分を用いない以外は、実施例11〜16と同様
に行った。その評価結果を表3に併せて示した。
【0090】
【表3】
【0091】実施例17〜21 実施例11〜15で作製したガラス/アルミH型サンプ
ルをサンシャインカーッボンアークウェザーメーター
(120分サイクル、スプレー18分)にて2000h
rの試験を行った後、再度、引張試験を行ったところ、
いずれのサンプルも凝集破壊を示した。
【0092】
【発明の効果】実施例1〜21の結果から明らかなよう
に、本発明の硬化性組成物およびシーリング材料は、
(1)高耐候性、(2)高耐熱性、(3)速硬化性、
(4)低湿気透過性、(5)無機および有機材料との接
着性、および(6)一液安定性の諸特性を合わせ持つ優
れた材料である事がわかる。
【0093】これらの特性を生かし、種々の用途に好適
に使用しうる材料である。例えば、ガラス用シーリング
材料用途、複層硝子用シーリング材料用途、自動車、電
気用のシーリング材料用途といったシーリング材料用
途、全般に巾広く好適に使用できると共にその接着性を
生かした各種弾性接着剤用途や、飽和炭化水素系の電気
絶縁性を生かした電気・電子部品回りの封止剤用途など
にも好適に使用される。その他、塗料、粘着剤等のベー
ス樹脂としても好適な材料となりうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−152164(JP,A) 特開 平4−41562(JP,A) 特開 平6−116368(JP,A) 特開 平6−200123(JP,A) 特開 平4−33945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C09K 3/10 C08G 59/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)、(B)、(C)およ
    び(D)を必須成分としてなる硬化性組成物; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する、分子量が30000以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
    る、分子量が100000以下である飽和炭化水素系重
    合体 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のうち少な
    くとも1種の極性官能基と、アルケニル基又はヒドロシ
    リル基の両方を有する化合物からなる接着性付与剤、及
    び/又はエポキシ樹脂と非アミン系エポキシ樹脂用硬化
    剤の混合物からなる接着性付与剤
  2. 【請求項2】 (B)成分の重合体中、イソブチレンに
    起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請
    求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 下記の成分(A)、(B)、(C)およ
    び(D)を必須成分としてなるシーリング材料; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する、分子量が30000以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
    る、分子量が100000以下である飽和炭化水素系重
    合体 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)エポキシ基、水酸基、カルボキシル基のうち少な
    くとも1種の極性官能基と、アルケニル基又はヒドロシ
    リル基の両方を有する化合物からなる接着性付与剤、及
    び/又はエポキシ樹脂と非アミン系エポキシ樹脂用硬化
    剤の混合物からなる接着性付与剤
  4. 【請求項4】 (B)成分の重合体中、イソブチレンに
    起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請
    求項3記載のシーリング材料。
  5. 【請求項5】 さらに、保存安定性改良剤を、必須
    (E)成分として含有する請求項4記載のシーリング材
    料。
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