JP2003012879A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2003012879A
JP2003012879A JP2001201670A JP2001201670A JP2003012879A JP 2003012879 A JP2003012879 A JP 2003012879A JP 2001201670 A JP2001201670 A JP 2001201670A JP 2001201670 A JP2001201670 A JP 2001201670A JP 2003012879 A JP2003012879 A JP 2003012879A
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JP2001201670A
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Hiroshi Sato
央 佐藤
Masafumi Sakaguchi
雅史 坂口
Junji Takase
純治 高瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己消炎性(難燃性)を有し且つ硬化物を作
成する際の作業性が良好な硬化性組成物を供すること。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
飽和炭化水素系重合体、(B)シラノール縮合触媒、
(C)表面が表面処理剤により処理された平均粒子径1
0μm以下の水酸化アルミニウム粉末を含有することを
特徴とする硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素原子に結合した
水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形
成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「反
応性ケイ素基」という。)を有する飽和炭化水素系重合
体からなる硬化性組成物に関する。詳しくは、硬化物が
耐候性、耐水性、耐熱性等に優れ、且つ良好な電気特性
(体積抵抗率、誘電率、誘電正接、耐トラッキング性、
耐アーク性、耐エロージョン性等)を有するとともに、
自己消炎性(難燃性)に優れ、更に硬化物を作成する際
の作業性が良好であり、シーリング材や電気絶縁材料と
して好適な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素
基を含有する飽和炭化水素系重合体は、室温においても
湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシ
ロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物を生
成するという興味深い性質を有することが知られてい
る。この重合体は、耐候性、耐熱性、耐水性、電気特性
等に優れているため、各種分野で使用されているが、そ
れから得られるゴム状硬化物は可燃性であるという欠点
を有している。その解決手段として、充填剤として一定
量以上の水酸化アルミニウム粉末を添加すると、自己消
炎性(難燃性)が発現する事が、例えば特開平9−31
6335号公報に開示されている。しかし、表面処理を
していない水酸化アルミニウム粉末を使用した場合、充
填量が増えるに従って作業性が大幅に低下することか
ら、水酸化アルミニウム粉末の配合量が制限され、これ
により十分満足すべき自己消炎性(難燃性)が得られな
いという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とする硬化
性組成物であって、自己消炎性(難燃性)を有し、且つ
硬化物を作成する際の作業性が良好な硬化性組成物を提
供する事を目的とする。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、前記重合体
に、表面を表面処理剤で処理された平均粒子径10μm
以下の水酸化アルミニウムを添加することによって、得
られる組成物が自己消炎性(難燃性)を有し、且つ硬化
物を作成する際の作業性が良好になる事を見い出して本
発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)反応性ケイ素
基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)シラノール縮合触媒、(C)表面が表面処理剤で
処理されている平均粒子径10μm以下の水酸化アルミ
ニウム粉末を含有することを特徴とする硬化性組成物に
関する。
【0006】好ましい実施態様としては、(A)成分の
飽和炭化水素系重合体が、数平均分子量が500〜50
000の範囲内にあり、主鎖の末端および/または側鎖
の末端に、一般式(1):
【0007】
【化2】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
徴とする前記の硬化性組成物に関する。
【0008】更に好ましい実施態様としては、Xがアル
コキシ基であることを特徴とする前記の硬化性組成物に
関する。
【0009】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分の飽和炭化水素系重合体が、イソブチレンに起因する
繰り返し単位を総量で50重量%以上有する重合体であ
る前記いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0010】更に好ましい実施態様としては、(B)成
分のシラノール縮合触媒が、スズ系硬化触媒である前記
いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0011】更に好ましい実施態様としては、(C)成
分の表面処理剤が、シラン系カップリング剤、有機酸、
チタネート系カップリング剤のうち少なくとも一種であ
ることを特徴とする前記いずれかに記載の硬化性組成物
に関する。
【0012】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分100重量部に対して、(B)成分を0.1〜20重
量部、(C)成分を1〜500重量部含有することを特
徴とする前記いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。
【0014】本発明に用いる飽和炭化水素系重合体
(A)における反応性ケイ素基としては、一般式
(1):
【0015】
【化3】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
は0または1〜19の整数である)で表される基があげ
られる。
【0016】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。
【0017】これらのうちでは、アルコキシ基、アミド
基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏やか
で取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに好
ましい。
【0018】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0019】反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1
個以上であるが、シロキサン結合などにより連結された
ケイ素原子の場合には、20個以下であることが好まし
い。
【0020】とくに、一般式(2):
【0021】
【化4】 (式中、R2、X、aは前記と同じ。)で表される反応
性ケイ素基が、入手が容易であるので好ましい。
【0022】飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケ
イ素基は1個以上であり、特に1.1〜5個の範囲であ
ることが好ましい。1分子中に含まれる反応性ケイ素基
の数が1個未満になると硬化性が不十分になるため良好
なゴム弾性が得られなくなることがあり、また1分子中
の反応性ケイ素基の数が5個を越えると引張伸び率が低
く、同時に著しい強度低下を伴い引張り特性の点で劣っ
たものになるため好ましくない。
【0023】反応性ケイ素基は、前記飽和炭化水素系重
合体の主鎖末端あるいは側鎖に存在してもよいし、また
両方に存在してもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子
鎖末端にあるときは、最終的に形成される硬化物に含ま
れる前記重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高
強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなるなどの
点から好ましい。
【0024】本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽
和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素−炭素不飽和
結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素
添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあ
げられる。
【0025】前記飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重
合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イ
ソブチレンなどのような炭素数1〜6のオレフィン系化
合物を主成分として重合させるか、(2)ブタジエン、
イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合さ
せ、あるいは、前記炭素数1〜6のオレフィン系化合物
と前記ジエン系化合物を共重合させた後、水素添加する
などの方法により得ることができる。とくにイソブチレ
ン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官
能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末
端官能基の数を多くすることができるため好ましい。
【0026】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されてもよいし、イソ
ブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン
系重合体中の好ましくは50重量%以下(以下、%と表
す)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましくは
10%以下の範囲で含有してもよい。イソブチレン系重
合体において、イソブチレンと共重合性を有する単量体
単位の含有量が50%を越える場合は、得られる硬化性
組成物の耐候性が悪化する場合があるため好ましくな
い。
【0027】このような単量体成分としては、たとえ
ば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳
香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類な
どがあげられる。このような共重合体成分としては、た
とえば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチ
ルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキ
シシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビ
ニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメ
チルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ア
リルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどがあげられる。
【0028】イソブチレンと共重合性を有する単量体と
して、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用すると、
ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤として作用
しうる基が多くなるため、得られる組成物の接着性が向
上する。
【0029】水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭
化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体
の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、例え
ば前記の他の単量体単位を含有させてもよい。
【0030】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲において、ブタジエン、イソプレンなどのポリ
エン化合物の如き重合後二重結合が残存するような単量
体単位を少量、好ましくは10%以下、さらには5%以
下、とくには1%以下の範囲で含有させてもよい。含有
量が10%を越えると得られる硬化性組成物の耐候性が
悪化するため好ましくない。
【0031】飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブ
チレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数
平均分子量は、GPC(東ソー株式会社製HLC−81
20GPC、THF溶媒)におけるポリスチレン換算に
おいて500〜50,000程度であるのが好ましく、
とくに1,000〜30,000程度の液状ないし流動
性を有するものが取扱いやすさなどの点から好ましい。
数平均分子量が500未満の場合は得られる硬化物の弾
性率が非常に低くなり、また50,000を越えると粘
度が高く作業性が悪くなるため好ましくない。
【0032】また、前記反応性ケイ素基を有する飽和炭
化水素系重合体は単独あるいは2種以上を併用して使用
することができる。
【0033】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。
【0034】反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重
合体のうち、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法
(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する
特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端
官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合
体を用いて製造することができる。反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体の製法としては、例えば重合
反応により得られる三級炭素−塩素結合を有する重合体
の末端の脱ハロゲン化水素反応や、三級炭素−塩素結合
を有する重合体の末端とアリルトリメチルシランとの反
応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを
得た後、一般式:
【0035】
【化5】 (式中、R1、R2、X、a、b、mは前記と同じ。)で
表されるヒドロシラン化合物(この化合物は一般式
(1)で表される基に水素原子が結合した化合物であ
る。)、好ましくは、一般式:
【0036】
【化6】 (式中、R2、Xおよびaは前記と同じ。)で表される
ヒドロシラン化合物を白金触媒を用いて付加させる反応
(ヒドロシリル化反応)により得ることができる。
【0037】ヒドロシラン化合物としては、たとえば、
トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン
化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラ
ン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキ
シシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチル
ケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシル
ケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメート
シラン類などがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのうちでは末端不飽和炭化水素基との
反応性の点で、とくにハロゲン化シラン類、アルコキシ
シラン類が好ましい。
【0038】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特開昭6
3−254149号、特開昭64−22904号、特許
公報第2539445号の各明細書などに記載されてい
る。
【0039】また、側鎖に反応性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体は、イソブチレンを含有するモノマー
中に、反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリル
シラン類を添加し、共重合せしめることにより製造され
る。
【0040】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する重合反応の際に、
主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケイ素
基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを共重
合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入することに
より、分子鎖末端および側鎖に反応性ケイ素基を有する
イソブチレン系重合体が製造される。
【0041】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0042】また本発明において、反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体として、反応性ケイ素基を有
する水添ポリブタジエン重合体を挙げることができる。
反応性ケイ素基を有する水添ポリブタジエン重合体は、
オレフィン基を有する水添ポリブタジエン重合体のヒド
ロシリル化反応により得ることができる。末端オレフィ
ン基を有する水添ポリブタジエン系重合体は、たとえ
ば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体
の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にし
た後、一般式(3): CH2=CH−R5−Y (3) 〔式中、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハ
ロゲン原子、R5は−R6−、−R6−OCO−または−
6−CO−(R6は炭素数1〜20の2価の炭化水素基
で、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基が好ましい)で示される2価の有機
基で、−CH2−、−R”−C64−CH2−(R”は炭
素数1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がと
くに好ましい〕で示される有機ハロゲン化合物を反応さ
せることにより得ることができる。
【0043】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。
【0044】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分
子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体
が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合に
は、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテルなどの如き、1分子中にハ
ロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応さ
せれば分子量を増大させることができる。その後一般式
(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、
より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポ
リブタジエン系重合体をうることができる。
【0045】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0046】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応さ
せることにより製造される。
【0047】前記のように反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有
機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来の
ゴム系重合体よりなるシーリング剤などと比較し、著し
く耐候性が改善される。また、該重合体は炭化水素系重
合体であるため耐水性がよく、湿気透過性の低い硬化物
を生成する。
【0048】本発明の硬化性組成物中の反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以上が
好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がと
くに好ましい。含有率が10%未満の場合には機械物性
や電気特性等が悪くなり所望する硬化物が得られないた
め好ましくない。
【0049】本発明の硬化性組成物においては、(B)
成分としてシラノール縮合触媒を使用する。
【0050】かかるシラノール縮合触媒としては、2価
および4価のスズ系硬化触媒、アルミニウム系触媒、お
よび、有機チタン酸エステル類等が挙げられる。これら
の内、2価および4価のスズ系硬化触媒は硬化速度が速
いためより好ましい。さらに2価スズ系硬化触媒は、こ
れを用いて得られる硬化物の圧縮及び引張後の復元率が
高く、耐久性が優れているため特に好ましい。
【0051】2価のスズ系硬化触媒の具体例としては、
オクチル酸スズやステアリン酸スズを挙げることができ
る。4価のスズ系硬化触媒の具体例としては、錫カルボ
ン酸塩類、ジアルキル錫オキサイド類、および、一般式
(4): QdSn(OZ)4-d、又は[Q2Sn(OZ)]2O (4) (式中、Qは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を、Z
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は自己内部にS
nに対して配位結合を形成し得る官能性基を有する有機
基を表す。さらに、dは0、1、2、3のいずれかであ
る。)で示される化合物などが示される。また、ジアル
キル錫オキサイドやジアルキル錫ジアセテート等の4価
錫化合物と、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、あるいはフェ
ニルトリメトキシシランなどの加水分解性ケイ素基を有
する低分子ケイ素化合物との反応物もまた、シラノール
縮合反応を顕著に加速する硬化触媒として有効である。
【0052】前記錫カルボン酸塩類の具体例としては、
例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫
ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル
錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジ
ブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデ
シルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチ
ル錫マレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル
錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオク
チル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチル
マレート等が挙げられる。
【0053】前記ジアルキル錫オキサイド類の具体例と
しては、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ドや、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混
合物等が挙げられる。
【0054】前記キレート化合物を具体的に例示する
と、
【0055】
【化7】 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中では、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート
は、触媒活性が高く、低コストであり、入手が容易であ
るために最も好ましい。
【0056】前記錫アルコラート類を具体的に例示する
と、
【0057】
【化8】 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中ではジアルキル錫ジアルコキサイドが好まし
い。特に、ジブチル錫ジメトキサイドは、低コストであ
り、入手が容易であるためにより好ましい。
【0058】また、上記のスズ系硬化触媒以外の触媒の
具体例として、アルミニウムトリスアセチルアセトナー
ト、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイ
ソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の
アルミニウム系硬化触媒;ジルコニウムテトラアセチル
アセトナート等のジルコニウム系硬化触媒;オクチル酸
鉛等が例示できる。
【0059】前記有機チタン酸エステル類としては、有
機チタン酸エステル、チタンのキレート化合物、チタン
のケイ酸エステルによるキレート化合物、チタネート系
カップリング剤、これらの部分加水分解縮合物が挙げら
れる。有機チタン酸エステル類の具体例としては、テト
ライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタ
ネート、ブチルチタネートダイマー、テトラキス(2−
エチルヘキシル)チタネート、テトラステアリルチタネ
ート、テトラメチルチタネート、ジエトキシビス(アセ
チルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビス(アセチ
ルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシビス(エチル
アセトアセテート)チタン、イソプロポキシ(2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ(2−エチ
ルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノー
ルアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタ
ン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンおよびこれらの
加水分解縮合物等を挙げることができる。
【0060】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。
【0061】前記(B)成分のシラノール縮合触媒の配
合量は、(A)成分の飽和炭化水素系重合体100重量
部(以下、部と表す)に対して0.1〜20部程度であ
ることが好ましく、1〜10部程度であることが更に好
ましい。シラノール硬化触媒の配合量が0.1部を下回
ると硬化速度が遅く硬化反応が十分に進行し難くなる場
合があり、一方、シラノール縮合触媒の配合量が20部
を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な
硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くなり
過ぎるため作業性の点からも好ましくない。
【0062】本発明の硬化性組成物は、(C)成分とし
て、表面が表面処理剤により処理された平均粒子径10
μm以下の水酸化アルミニウム粉末を含有する。この表
面が表面処理剤により処理された水酸化アルミニウム粉
末は、平均粒子径が10μmを超えると貯蔵時に水酸化
アルミニウム粉末が沈降するなどの分散不良を起こし、
所望の性能を有するゴム状硬化物が得られない場合があ
るため好ましくない。粘度、機械力学特性などの物性バ
ランスの面から、水酸化アルミニウム粉末の平均粒子径
は0.2〜10μmの範囲であることが好ましい。この
範囲内においては、粒子径が小さい程、水酸化アルミニ
ウムの分散安定性が良好となる。特に充填量を多く望む
場合には、粒径の大きいものと粒径の小さいものを併用
して使用することもできる。前記表面処理剤としては特
に制限は無く、従来公知の様々な表面処理剤から任意の
ものを選択して用いる事ができるが、これらの中でもシ
ラン系カップリング剤、有機酸、チタネート系カップリ
ング剤が好ましい。ここで、シランカップリング剤とし
ては、例えば、一般式(5): Ra(RO)3-aSi−A1−Z−A2−Si(OR)3-aaまたはX−A1−Si Ra(OR)3-a (5) (式中、Rは加水分解可能な基(例えば、メチル基、エ
チル基等)であり、Xは有機物と反応する官能基(例え
ば、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ビニル
基、エポキシ基、グリシドキシアルキル基、ベンゾチア
ゾイル基、N,N−ジメチルカルボマイル基等)であ
り、A1及びA2はそれぞれ炭素数1〜9のアルキレン基
である。ZはO(酸素原子)、S(硫黄原子)、NH
(二級アミン)のいずれかであり、aは0〜2の実数で
ある)で表わされる化合物が挙げられ、具体的には、ビ
ス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィ
ド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフ
ィド等のスルフィド化合物、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン,3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン等のメルカプトシラン化合物、ビニルトリエトキシ
シラン,ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン化
合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合
物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグ
リシドキシシラン化合物等が好ましい。
【0063】有機酸の例としては、一般式(6): R−COOH (6) (式中、Rは炭素数6〜18の炭化水素基である)で表
わされる化合物が挙げられ、具体的には、2−エチルヘ
キサン酸、n−ウンデカン酸、ラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸
が好ましい。
【0064】チタネート系カップリング剤は、一般式:
【0065】
【化9】 (式中、R1,R2,R3及びR4は同一でも異なっていて
もよく、直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C10アルコキシ、
イソステアロイル、ジオクチルパイロホスフィート、ア
ミノ置換C1〜C4アルコキシ、ジトリデシルホスフィー
ト、オキシホスフィート又はエチレンジオキシ基であ
る)で表わされる化合物であるか、又は、一般式:
【0066】
【化10】 (式中、R1,R2,R3,R4,R5およびR6は同一でも
異なっていてもよく、直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C10
アルコキシ、イソステアロイル、ジオクチルパイロホス
フィート、アミノ置換C1〜C4アルコキシ、ジトリデシ
ルホスフィート、オキシホスフィート又はエチレンジオ
キシ基である)で表わされる化合物であり、具体的には
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルパイロホスフィート)チタネ
ート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエ
チル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシル
ホスフィート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリル
オキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホス
フィートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフィ
ート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチル
パイロホスフィート)エチレンチタネート等が好まし
い。この(C)成分の水酸化アルミニウム粉末の配合量
は、(A)成分の飽和炭化水素系重合体100部に対し
て1〜500部程度が好ましく、150〜400部が更
に好ましい。水酸化アルミニウムの配合量が1部を下回
ると所望の難燃性が得られなくなる事がある。一方、水
酸化アルミニウムの配合量が500部を上回ると作業性
が非常に悪くなるため好ましくない。
【0067】本発明の硬化性組成物には、各種充填材が
必要に応じて用いられる。前記充填材の具体例として
は、たとえば、木粉、パルブ、木綿チップ、アスベス
ト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ
殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリ
カ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマ
イト、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸カルシウ
ム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、
水酸化マグネシウム、フリント粉末、亜鉛末などがあげ
られる。これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュー
ムシリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カ
ーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク
などが好ましい。これらの充填材は単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0068】本発明の硬化性組成物には、必要に応じて
各種添加剤が添加される。
【0069】このような添加剤の例としては、たとえ
ば、生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、
シランカップリング剤などの接着性付与剤、可塑剤、老
化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、金属不活性
化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、リン系過酸化物分
解剤、滑剤、顔料、発泡剤、光硬化性樹脂、チクソ性付
与剤などがあげられる。
【0070】このような添加物の具体例は、たとえば、
特公平4−69659号、特公平7−108928号、
特開昭63−254149号、特開昭64−22904
号の各明細書などに記載されている。
【0071】本発明の難燃性改善効果は、前述の各種添
加剤が添加された場合も同様に認められる。すなわち、
本発明の硬化性組成物が建築用弾性シーリング材や複層
ガラス用シーリング材、太陽電池裏面封止材などの電気
・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電
気絶縁材料、粘着剤、接着剤、および、網入りガラスや
合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材など
に用いられた場合、それら硬化性組成物の難燃性を著し
く向上することができる。
【0072】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 〔実施例1〜3および比較例1〜2〕(A)成分の反応
性ケイ素基を有するポリイソブチレン系重合体(鐘淵化
学工業(株)製、商品名EPION103S)とパラフ
ィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイ
アナプロセスPS−32)の混合物(重量比:EPIO
N103S/PS−32=10/3)130部に対し
て、上記パラフィン系プロセスオイル160部、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤(旭電化工業(株)製、商
品名MARK−AO50)1部、水2部、および(C)
成分の各種水酸化アルミニウム粉末(昭和電工(株)
製、商品名ハイジライト)を表1に示す規定量計量し
た。次いで、三本ペイントロールでよく混練した後、二
軸攪拌装置(井上製作所製)を用いて常温で10分間攪
拌脱泡したものを主剤とした。
【0073】次に、(B)成分のシラノール縮合触媒で
あるオクチル酸スズ(日東化成(株)製、商品名U−2
20)4部、パラフィン系プロセスオイル(出光興産
(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)40
部、(C)成分の各種水酸化アルミニウム粉末(昭和電
工(株)製、商品名ハイジライト)を表1に示す規定量
計量し、これをディスポーザルカップ中で手混ぜ混練し
た後、エクセル・オート・ホモジナイザー(日本精機製
作所(株)製)を用いて、回転数10000rpmで1
0分間撹拌した。この攪拌操作を3回行ったものを硬化
剤とした。
【0074】ここで、本発明の(C)成分である表面を
表面処理剤で処理された平均粒子径10μm以下の水酸
化アルミニウム粉末(昭和電工(株)製、商品名ハイジ
ライトH−42S:平均粒子径1.0μm,ステアリン
酸処理、同H−42STV:平均粒子径1.0μm,ビ
ニルシラン処理、同H−42T:平均粒子径1.0μ
m,チタネート処理)をそれぞれ用いたものを実施例1
〜3とし、無処理の平均粒子径10μm以下の水酸化ア
ルミニウム粉末(昭和電工(株)製、商品名ハイジライ
トH−42M:平均粒子径1.0μm)を用いたものを
比較例1〜2とし、無処理の平均粒子径10μm以上の
水酸化アルミニウム粉末(昭和電工(株)製、商品名ハ
イジライトH−31:平均粒子径18μm)を用いたも
のを比較例3とした。
【0075】自己消炎性(難燃性)の試験方法は、UL
94に規定する方法に準じて実施した。即ち、硬化性組
成物をシート成形用金型に充填し、常温で48時間の条
件下で硬化させ、厚さ1mmのゴム状硬化物シートを作
成した。次いで、このゴム状硬化物シートを長さ130
mm、幅13mm、厚さ1mmに切断して試験片とし
た。この試験片を無風下に垂直に固定し、その試験片の
下端がブンゼンバーナーの炎(火炎11mm、内炎20
mm、外炎高さ40mm)の内炎上部にわずかに接する
位置で10秒間炎をあてて着火した。次いで、ブンゼン
バーナーを遠ざけ、試験片に着火した炎が消えるまでの
時間(秒)を測定した。さらに消炎後ただちにブンゼン
バーナーの炎をあて、同様に10秒間着火し、消炎まで
の時間を測定した。ここで、試験片5枚について各2回
の接炎試験を行い、合計10回の平均値(秒)をもって
難燃性のデータとした。前記消炎時間が10秒未満を
○、10秒以上を×として判定した。
【0076】作業性の評価としては、粘度が低く且つ良
好な流動性を示すものを○、粘度が高く流動性に欠ける
ものを×として判定した。
【0077】
【表1】 表1に示す通り、実施例1〜3において、表面処理剤で
処理された平均粒子径10μm以下の水酸化アルミニウ
ム粉末を用いた場合は、自己消炎性(難燃性)および作
業性がともに良好であるが、比較例1において無処理の
平均粒子径10μm以下の水酸化アルミニウム粉末を用
いた場合は自己消炎性(難燃性)は良好であるが作業性
が劣る結果となった。さらに比較例2において、無処理
の平均粒子径10μm以下の水酸化アルミニウム粉末の
配合部数を減らした場合は、作業性は良好となるものの
自己消炎性(難燃性)が劣る結果となった。比較例3に
おいて無処理の平均粒子径10μm以上の水酸化アルミ
ニウム粉末を用いた場合は、(A)成分と水酸化アルミ
ニウムとの混合性が悪い為、作業性及び自己消炎性(難
燃性)共に劣る結果となった。
【0078】以上より、(A)ケイ素原子に結合した水
酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成
することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1
個有する飽和炭化水素系重合体、(B)シラノール縮合
触媒、(C)表面が表面処理剤により処理された平均粒
子径10μm以下の水酸化アルミニウム粉末、からなる
硬化性組成物は、自己消炎性(難燃性)を有し、且つ硬
化物を作成する際の作業性が良好であることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、(A)成分〜
(C)成分からなり、硬化物が耐候性、耐水性、耐熱性
等に優れ、かつ、良好な電気特性(体積抵抗率、誘電
率、誘電正接、耐トラッキング性、耐アーク性、耐エロ
ージョン性等)を有するとともに、特に(C)成分の表
面が表面処理剤により処理された平均粒子径10μm以
下の水酸化アルミニウム粉末を含有しているので自己消
炎性(難燃性)を有し且つ硬化物を作成する際の作業性
が良好である特徴を有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ケイ素原子に結合した水酸基または
    加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することに
    より架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する飽
    和炭化水素系重合体、(B)シラノール縮合触媒、
    (C)表面が表面処理剤により処理された平均粒子径1
    0μm以下の水酸化アルミニウム粉末を含有することを
    特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の飽和炭化水素系重合体が、数
    平均分子量が500〜50000の範囲内にあり、主鎖
    の末端および/または側鎖の末端に、一般式(1): 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
    数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
    性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
    徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】Xがアルコキシ基であることを特徴とする
    請求項2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分の飽和炭化水素系重合体が、イ
    ソブチレンに起因する繰り返し単位を総量で50重量%
    以上有する重合体である請求項1〜3のいずれかに記載
    の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(B)成分のシラノール縮合触媒が、スズ
    系硬化触媒である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化
    性組成物。
  6. 【請求項6】(C)成分の表面処理剤が、シラン系カッ
    プリング剤、有機酸、チタネート系カップリング剤のう
    ち少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(A)成分100重量部に対して、(B)
    成分を0.1〜20重量部、(C)成分を1〜500重
    量部含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の硬化性組成物。
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