JP3640813B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する星型のイソブチレン系重合体を主成分とする硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するイソブチレン系重合体は、室温においても湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等に続くシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという興味深い性質を有することが知られている。この重合体は、耐熱性、耐水性、耐候性などに優れるため、建築用シーリング材や複層ガラス用シーリング材等に用いると有効である。しかしながら、特に建築用シーリング材用途に従来の直線状のイソブチレン系重合体を用いた場合には、初期残留タックが消失せず、作業性の面や埃付着の原因となる等の問題点を有していた。この問題を解決するために、特公平8−32833に記載されているように、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を分子鎖末端に少なくとも1個有するイソブチレン系重合体と分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する化合物及び/または水と反応して分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する化合物を生成する化合物を含有してなる硬化性組成物が提供されているが、初期残留タックはある程度は消失しているが完全に消失できているものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、直線状のイソブチレン系重合体を用いた場合に建築用シーリング材で問題となっている初期残留タックを抑制することにより、作業性の面や埃付着を改善し、高強度、高伸びのゴム状硬化物から低伸びの硬化物まで広範囲の伸び特性を有する硬化物を与える硬化性組成物を提供することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】
本発明者等は、このような問題を鋭意検討した結果、上記重合体として反応性ケイ素基を1分子中少なくとも1個有する星型重合体を用いることにより、建築用シーリング材の物性バランスを保持した上で、上記問題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する星型のイソブチレン系重合体を主成分とする硬化性組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。本発明における反応性ケイ素基としては、一般式(1)
【0006】
【化2】
Figure 0003640813
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−(R’はそれぞれ独立に、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xはそれぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になることはない。また、mは0または1〜19の整数である。)
で表される基が挙げられる。
【0007】
加水分解性基としては、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等の一般に使用されている基が挙げられる。
【0008】
これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱いやすい点から、アルコキシ基が特に好ましい。
【0009】
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σb)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであっても良いし、異なっても良い。
【0010】
反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個以下であることが望ましい。
特に、一般式(2)
【0011】
【化3】
Figure 0003640813
(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表される反応性ケイ素基が原料の入手が容易であるので好ましい。
【0012】
飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は1.1個以上であることが好ましい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性が得られなくなることがある。
【0013】
反応性ケイ素基はイソブチレン系重合体分子鎖の末端あるいは内部にあっても良いし、また両方にあっても良い。特に反応性ケイ素基が分子末端にある時は、最終的に形成される硬化物に含まれるイソブチレン系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる等の点から好ましい。
【0014】
本発明に用いる星型のイソブチレン系重合体とは、カチオン重合用開始剤中に重合開始点が3個以上あり、その開始点からモノマーが重合した場合に、核を開始剤、枝を重合体と見なした重合体のことをいう。
【0015】
本発明に用いる反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、イソブチレンと共重合しうる単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましくは10%以下の範囲で含有してもよい。
【0016】
このような単量体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0017】
また、イソブチレンと共重合性を有する単量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用すると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤として作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が向上する。
【0018】
また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体には、本発明の目的が達成される範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化合物のような重合後二重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とくには1%以下の範囲で含有させてもよい。
イソブチレン系重合体の数平均分子量は500〜25,000程度であるのが好ましく、とくに1,000〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から好ましい。数平均分子量が500より小さい場合は重合体特有の優れた特徴が無くなってしまう。数平均分子量50000以上の場合は、固体状となり流動性を失うために好ましくない。
【0019】
以下に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の製法について詳しく説明する。
【0020】
反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合体を用いて製造することができる。特に、星形重合体を得る重合方法としては、重合開始剤として、一般式(3):
【0021】
【化4】
Figure 0003640813
[式中、R3は芳香環基または置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素基を示す。R4、R5は同一または異なっていてもよく、水素原子、または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を示す。ただし、R3が脂肪族炭化水素基の場合には、R4、R5は同時に水素原子ではない。式中、Xはハロゲン原子、R6COO−基(R6は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)またはR7O-基(R7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)を表す。nは3〜8の整数である。]
で表される化合物を用いることが好ましい。
【0022】
一般式(3)の化合物としては、例えば一般式(4)
AYn (4)
{式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。Yは一般式(5):
【0023】
【化5】
Figure 0003640813
[式中、R8、R9は同一または異なって水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子、R10COO−基(R10は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)またはR11O−基(R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)を表す。)nは3以上8以下の整数である。]で表される化合物、
一般式(6):
BZm (6)
[式中、Bは炭素数4〜40、好ましくは9〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基を示す。Zは第3級炭素原子に結合したハロゲン原子、R12COO−基(R12は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)またはR13O−基(R13は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)を表す。mは3〜5の整数である。]
で表される化合物及びα−ハロスチレン単位を有するオリゴマー等を用いることによって得ることができる。
【0024】
さらに、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開昭63−105005号公報に記載されている重合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを得た後、末端の不飽和基と一般式
【0025】
【化6】
Figure 0003640813
(式中、R1、R2、X、aおよびbは前記と同じである。)
で表されるヒドロシラン化合物(この化合物は一般式(1)で表される基に水素原子が結合した化合物である。)
好ましくは、一般式
【0026】
【化7】
Figure 0003640813
(式中、R2、Xおよびaは前記と同じである。)
で表されるヒドロシラン化合物とのヒドロシリル化反応をおこなうことにより反応性ケイ素基を重合体に導入することができる。
【0027】
ヒドロシラン化合物としては、たとえば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0028】
このような製造法は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特許公報第2512468号、特開昭64−22904号、特許公報第2539445号の各明細書などに記載されている。
【0029】
また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類を添加し、共重合せしめることにより製造される。
【0030】
さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際して、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入することにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体が製造される。
【0031】
反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0032】
本発明において、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する化合物及び/又は水と反応して分子内に少なくとも1個のシラノール基を生成する化合物(以下シラノール化合物という)が使用される。シラノール化合物は硬化物の弾性の調整などに使用される成分であり、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有する飽和炭化水素系重合体と反応性を有するため通常の可塑剤のように汚染性やブリードすることのほとんどない成分である。
【0033】
シラノール化合物の分子量、特性などには特に限定されないが、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する化合物及び/又は水と反応して分子内に少なくとも1個のシラノール基を生成する化合物の分子量は、組成物の粘度が低くなり作業性が向上する等の点から1000以下であることが好ましい。
【0034】
このようなシラノール化合物の具体例としては、例えば、(CH33SiOH、(C253SiOH、(C373SiOH、(C653SiOH、(C652Si(CH3)OH、C65Si(CH32OH等の1価のシラノール化合物や一般式(7):
(R14(CH32SiO)n15 (7)
(式中、R15はアルコール残基または弱酸残基、R14はメチル基またはビニル基、nは正の整数)
で表される化合物、さらには、
(CH3)SiNHSi(CH3)、(CH33SiN(CH32、(CH33SiN=C(CH3)OSi(CH33、C65N(Si(CH33)(CONHC65)、(CH33SiNHCONHSi(CH33
等が挙げられる。
【0035】
前記一般式(7)中のR15は好ましくは1〜3価のアルコール残基または弱酸残基であるが、アルコール残基とは1価または多価のアルコールから1部あるいは全部のプロトンが遊離した残りの基をいい、また弱酸残基とは1価または多価の弱酸から1部あるいは全部のプロトンが遊離した残りの基をいう。また水酸基、カルボキシル基のような弱酸基の双方を有する化合物から1部または全部のプロトンが遊離した残りの基であっても良い。
【0036】
12になり得るようなアルコールや弱酸の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等の炭素数30以下の置換あるいは非置換の脂肪族アルコール;フェノール、クレゾール、クロルフェノール、ビスフェノールA、ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロナフトキノン等の炭素数6〜30の置換または非置換の芳香族ヒドロキシ化合物;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の炭素数30以下の置換または非置換の脂肪族あるいは芳香族のカルボン酸;ホウ酸、炭酸等の無機酸が具体例として挙げられる。
【0037】
これらのアルコールや弱酸は、有機化合物の場合、酸素やハロゲン原子以外のヘテロ原子を含まないことが好ましい。これらの中でも、R15として、置換あるいは非置換のフェニル基を有する化合物は入手が容易であり、好ましい効果を有するので特に好ましい。
【0038】
また、一般式(7)中のR14はメチル基またはビニル基であり、これら以外の基を用いたものでは本発明の目的を達成することが難しく好ましくない。これらのうちでは、入手が容易な点からメチル基が好ましい。
【0039】
前記のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物の具体例としては、例えば、CH3OSi(CH33、C25OSi(CH33、ClC24OSi(CH33、CH3CH(CH3)OSi(CH33、CH3CHClCH2OSi(CH33、C65OSi(CH33、C64(CH3)(OSi(CH33)、C64Cl(OSi(CH33)、(CH33SiOCH2CH(CH3)(OSi(CH33)等の水と反応して生成する分子内に存在するシラノール基が1個になる化合物や(C652Si(OH)2、C65Si(CH3)(OH)2、C65Si(C25)(OH)2、(C64(CH3))2Si(OH)2、HO(Si(CH32O)220R(Rは炭素数1〜10の炭化水素基)等の、水と反応して生成する分子内に存在するシラノール基が2個になる化合物が好ましい。
【0040】
前記シラノール化合物のうち分子量が140程度のもの、さらには150以上のものがモジュラスや伸びの改善の点から好ましく、入手の容易さ等からC65OSi(CH33が特に好ましい。このようなシラノール化合物は表面タックを良好に保ったまま伸び特性等を改善できる利点がある。シラノール化合物は単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0041】
シラノール化合物の使用量は硬化物や組成物の期待される物性にあわせて適宜選べばよいが、通常はイソブチレン系重合体100部に対して0.01〜50部が好ましく、1〜10部がさらに好ましい。
【0042】
本発明の組成物は、必要に応じて各種成分と併用してもよい。このような成分の例としては、例えば、シラノール縮合反応を促進する硬化触媒、本発明組成物が保存中に硬化することを防ぐ保存性改良剤、可塑剤、充填剤、接着性向上剤、老化防止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、りん系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などが挙げられる。
【0043】
シラノール縮合触媒としては、2価および4価のスズ系硬化触媒、アルミニウム系硬化触媒、アミン系硬化触媒などが挙げられる。これらの中でも4価のスズ系硬化触媒は触媒活性が高いために好ましい。4価のスズ系硬化触媒の具体例としては、錫カルボン酸塩類、ジアルキル錫オキサイド類、および一般式(8)
dSn(OZ)4-d、又は[Q2Sn(OZ)]2O (8)
(式中、Qは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を、Zは炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は自己内部にSnに対して配位結合を形成し得る官能性基を有する有機基を表す。さらに、dは0、1、2、3のいずれかである。)
で示される化合物などが示される。また、ジアルキル錫オキサイドやジアルキル錫ジアセテート等の4価錫化合物と、テトラエトキシシランやメチルトリエトキシシランやジフェニルジメトキシシランやフェニルトリメトキシシランなどの加水分解性ケイ素基を有する低分子ケイ素化合物との反応物もまた、シラノール縮合反応を顕著に加速する硬化触媒として有効である。これらの中でも、一般式(8)で示される化合物、すなわち、ジブチル錫ビスアセチルアセトナートなどのキレート化合物や錫アルコラート類はシラノール縮合触媒としての活性が高く、硬化性組成物の硬化速度が速くなるのでより好ましい。
【0044】
前記錫カルボン酸塩類の具体例としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等が挙げられる。
【0045】
前記ジアルキル錫オキサイド類の具体例としては、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドや、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混合物等が挙げられる。
【0046】
前記キレート化合物を具体的に例示すると、
【0047】
【化8】
Figure 0003640813
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中では、ジブチル錫ビスアセチルアセトナートは、触媒活性が高く、低コストであり、入手が容易であるために最も好ましい。
【0048】
前記錫アルコラート類を具体的に例示すると、
(C493SnOCH3、(C492Sn(OCH32、C49Sn(OCH33、Sn(OCH34、(C492Sn(OC372、(C492Sn(OC492、(C492Sn(OC8172、(C492Sn(OC12252、(C8172Sn(OC8172、(C492Sn(OC652
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中ではジアルキル錫ジアルコキサイドが好ましい。特に、ジブチル錫ジメトキサイドは入手が容易で、しかも低コストであるためより好ましい。
【0049】
また、上記の4価のスズ系硬化触媒以外のシラノール縮合触媒を用いてもよい。具体的には、オクチル酸スズなどの2価のスズ系硬化触媒;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等のアルミニウム系硬化触媒;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系硬化触媒、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0050】
触媒の配合量は、イソブチレン系重合体100部に対して0.1〜20部が好ましいが、1〜10部配合することがとくに好ましい。シラノール縮合触媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、シラノール縮合触媒の配合量がこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0051】
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体はそれ自身の粘度が高く、作業性に問題が生じることがある。そのため、該重合体の粘度を下げて取扱いを改善することを目的に、本発明の硬化性組成物の接着性が悪化しない程度に各種の可塑剤を添加しても良い。
【0052】
本発明のイソブチレン系重合体と相溶性がよい可塑剤としては、例えば、ポリブテン、水添ポリブテン、水添α−オレフィンオリゴマー、アタクチックポリプロピレンなどのポリビニル系オリゴマー;ビフェニル、トリフェニルなどの芳香族系オリゴマー;水添液状ポリブタジエンなどの水添ポリエン系オリゴマー;パラフィン油、塩化パラフィン油などのパラフィン系オリゴマー;ナフテン油などのシクロパラフィン系オリゴマーなどがあげられる。
【0053】
また、フタル酸エステル系可塑剤や非芳香族2塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤等も本発明の硬化性組成物の接着性、耐候性、耐熱性などを低下させない程度に、上記の可塑剤と併用して使用してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0054】
前記可塑剤は、飽和炭化水素系重合体に反応性ケイ素基を導入する際に、反応温度の調節、反応系の粘度の調節などの目的で溶剤のかわりに用いてもよい。
【0055】
前記可塑剤の配合量は、イソブチレン系重合体100部に対して10〜150部が好ましいが、30〜100部配合することがとくに好ましい。配合量が10部未満の場合には、低粘度化効果が十分でないことがあり、150部をこえると組成物の機械特性及び接着性が低下することがある。
【0056】
本発明の硬化性組成物には、各種老化防止剤が必要に応じて用いられる。かかる老化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤、リン系ヒドロペルオキシド分解剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ニッケル系光安定剤などが挙げられる。
【0057】
前記フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4‘−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4‘−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が例示できる。
【0058】
前記芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、N,N‘−ジフェニル−1p0−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等が例示できる。
【0059】
前記硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジラウリル−3,3‘−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3‘−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3‘−チオジプロピオネート等が例示できる。
【0060】
前記リン系ヒドロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等が例示できる。
【0061】
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示できる。
【0062】
前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5‘−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が例示できる。
【0063】
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−ベンジロキシベンゾフェノン等が例示できる。
【0064】
前記ヒンダートアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン等が例示できる。
【0065】
前記ニッケル系光安定剤の具体例としては、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、[2,2‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n−ブチルアミンニッケル(II)等が例示できる。
【0066】
これらの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。単独で使用した場合と比較して、併用することによってより有効に機能することがある。特に、フェノール系酸化防止剤とサリシレート系紫外線吸収剤とヒンダートアミン系光安定剤の組み合わせは、イソブチレン系重合体の耐候性を顕著に改善するためより好ましい。
【0067】
老化防止剤の配合量は、イソブチレン系重合体100部に対して0.1〜10部が好ましいが、0.5〜5部配合することがとくに好ましい。配合量が0.1部未満の場合には、耐候性の改善効果が十分でないことがあり、10部をこえると硬化性組成物のコストや接着性が悪くなる。
【0068】
本発明の硬化性組成物には、各種接着性向上剤が必要に応じて用いられる。かかる接着性向上剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、各種シランカップリング剤、芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0069】
シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができる。また、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として有効である。
【0070】
前記シランカップリング剤の配合量は、イソブチレン系重合体100部に対して0.1〜20部が好ましいが、1〜10部配合することがとくに好ましい。配合量が0.1部未満の場合には、接着性の改善効果が十分でないことがあり、20部をこえると貯蔵安定性が低下することがある。上記シランカップリング剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0071】
本発明の硬化性組成物には、各種充填材が必要に応じて用いられる。前記充填材の具体例としては、たとえば、木粉、パルブ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、石英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、亜鉛末などがあげられる。これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームシリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルクなどが好ましい。これらの充填材は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。充填材を用いる場合の使用量はイソブチレン系重合体100部に対して5〜500部の範囲で使用するのが好ましく、20〜350部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜200部の範囲で使用するのがとくに好ましい。
【0072】
前記のように反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来のゴム系重合体よりなるシーリング剤などとくらべて耐候性が改善される。また、該重合体は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性がよく、ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して優れた接着性能を有するとともに、湿気遮断性の高い硬化物になる。
【0073】
【実施例】
つぎに実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)262.5mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)787.5ml、p−DCC(下記化合物)4.85g(21.0mmol)を加えた。
【0074】
【化9】
Figure 0003640813
次にイソブチレンモノマー438ml(5.15mol)が入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中につけて冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリジン0.72g(7.7mmol)を加えた。次に、四塩化チタン10.58ml(96.5mmol)加えて重合を開始した。反応時間70分後に、アリルトリメチルシラン7.20g(63.0mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間120分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去することによりアリル末端イソブチレン系重合体を得た。
【0075】
次いで、こうして得られたアリル末端イソブチレンポリマ−200gと、炭化水素系可塑剤であるパラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)100gを混合し、約75℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン2.4[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体7.5x10-5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約20時間で1640cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0076】
目的とする両末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤であるPS−32との混合物(2/1の重量比)が得られた。
【0077】
こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を300MHz1H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMRは、Varian Gemini300(300MHz for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。
なお、FT−IRは島津製作所製IR−408、GPCは送液システムとしてWaters LC Module1、カラムはShodex K−804を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=17600、Mw/Mn=1.23、Fn(シリル)=1.96であった。(数平均分子量はポリスチレン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分子当たりの個数)。
製造例2
2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)182.5mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)729.9ml、TCC(下記化合物)3.5g(11.38mmol)を加えた。
【0078】
【化10】
Figure 0003640813
次にイソブチレンモノマー339ml(3.99mol)が入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中につけて冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリジン0.61g(6.2mmol)を加えた。次に、四塩化チタン8.59ml(78.4mmol)加えて重合を開始した。反応時間180分後に、アリルトリメチルシラン5.85g(51.2mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間180分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去することによりアリル末端イソブチレン系重合体を得た。
【0079】
次いで、こうして得られたアリル末端イソブチレンポリマ−184.5gと、炭化水素系可塑剤であるパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)92.3gを混合し、約75℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン2.4[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体7.5x10-5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約20時間で1640cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0080】
目的とする両末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤であるPS−32との混合物(2/1の重量比)が得られた。
【0081】
こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を300MHz1H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMRは、Varian Gemini300(300MHz for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。
なお、FT−IRは島津製作所製IR−408、GPCは送液システムとしてWaters LC Module1、カラムはShodex K−804を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=24200、Mw/Mn=1.17、Fn(シリル)=2.2であった。(数平均分子量はポリスチレン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分子当たりの個数)。
製造例3
2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)75.3mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)301.2ml、TCC0.95g(3.09mmol)を加えた。
【0082】
次にイソブチレンモノマー138.9ml(1.63mol)が入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中につけて冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリジン0.17g(1.7mmol)を加えた。次に、四塩化チタン2.33ml(21.3mmol)加えて重合を開始した。反応時間180分後に、アリルトリメチルシラン1.59g(13.9mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間180分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去することによりアリル末端イソブチレン系重合体を得た。
【0083】
次いで、こうして得られたアリル末端イソブチレンポリマ−50gと、炭化水素系可塑剤であるパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)25gを混合し、約75℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン2.4[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体7.5x10-5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約20時間で1640cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0084】
目的とする両末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤であるPS−32との混合物(2/1の重量比)が得られた。
【0085】
こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を300MHz1H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMRは、Varian Gemini300(300MHz for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。
なお、FT−IRは島津製作所製IR−408、GPCは送液システムとしてWaters LC Module1、カラムはShodex K−804を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=32500、Mw/Mn=1.18、Fn(シリル)=2.3であった。(数平均分子量はポリスチレン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分子当たりの個数)。
実施例1
製造例1で得た成分の各種重合体75部と製造例2で得た成分の各種重合体75部、あわせて150部に対して、膠質炭酸カルシウム(商品名シーレッツ20050部と商品名MC−550部)、重質炭酸カルシウム(商品名ソフトン320040部)、可塑剤(商品名PAO5004出光石油化学(株)製)、光硬化性樹脂(商品名アロニクスM−309東亜合成(株))、エポキシ樹脂(商品名エピコート828油化シェルエポキシ(株)製)、ヒンダードフェノール系老化防止剤(商品名イルガノックス1010、日本チバガイギー(株)製)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名チヌビン327日本チバガイギー(株)製)、光安定剤(商品名LS−770、三共(株)製)、水5部を充分に混練してから、小型3本ペイントロールを2回通し、主剤を作製した。この主剤に重合体150部に対してオクチル酸錫3部、ラウリルアミン0.75部添加し、手混ぜで充分混練した後配合物を基材に塗って1日後の残留タックを指触試験した。さらに、引張接着性試験用サンプルは、JISA5758−1992規定の試験体作製方法に従ってガラス基材H型を組み、上記配合物をH型内に充填し、オーブン中で硬化させた。養生条件は23℃×3日+50℃×4日で行った。上記の方法で作製したH型引張試験用硬化物は、JISA5758−1992規定の引張接着性試験方法に従って、温度23℃、湿度65±5%の恒温室中、引張速度50mm/minの条件で、島津オートグラフAG−2000Aを用いて行った。それぞれの実験結果を表に示す。
実施例2
製造例2で得た成分の重合体150部に対して、膠質炭酸カルシウム(商品名シーレッツ20050部と商品名MC−550部)、重質炭酸カルシウム(商品名ソフトン320040部)、可塑剤(商品名PAO5004出光石油化学(株)製)、光硬化性樹脂(商品名アロニクスM−309東亜合成(株))、エポキシ樹脂(商品名エピコート828油化シェルエポキシ(株)製)、ヒンダードフェノール系老化防止剤(商品名イルガノックス1010、日本チバガイギー(株)製)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名チヌビン327日本チバガイギー(株)製)、光安定剤(商品名LS−770、三共(株)製)、水5部を充分に混練してから、小型3本ペイントロールを2回通し、主剤を作製した。この主剤に重合体150部に対してオクチル酸錫3部、ラウリルアミン0.75部添加し、手混ぜで充分混練した後配合物を紙に塗って1日後の残留タックを指触試験した。実験結果を表に示す。
実施例3
製造例3で得た成分の重合体150部を用いた以外は実施例2と同様の操作を行った。実験結果を表に示す。
実施例4
主剤に製造例2で得た成分の重合体150部に対して(C65)OSiMe3を1.6部添加した以外は実施例2と同様の操作を行った。実験結果を表に示す。
実施例5
主剤に製造例3で得た成分の重合体150部に対して(C65)OSiMe3を0.6部添加した以外は実施例2と同様の操作を行った。実験結果を表に示す。
比較例
製造例1で得た成分の重合体150部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行った。実験結果を表に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003640813
実施例1〜5と比較例1の初期残留タック試験結果より、星形重合体を使用した場合には残留タックがないが(表中での評価が全て○)、直線上の重合体を使用した場合よりも残留タックあること(表中での評価が×)がわかる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の星形重合体の硬化性組成物を用いた場合には、建築用シーリング材で問題になっている初期残留タックを改善することができるため、作業面の改善や埃付着を解消することができる。
【0088】

Claims (4)

  1. ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する星型のイソブチレン系重合体を主成分とする硬化性組成物。
  2. 星型イソブチレン系重合体が、数平均分子量500〜50000の範囲内にあり、主鎖の末端に一般式(1)
    Figure 0003640813
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−(R’はそれぞれ独立に、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xはそれぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になることはない。また、mは0または1〜19の整数である。)
    で表される加水分解性シリル基を1分子あたり1個以上有することを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する化合物及び/又は水と反応して分子内に少なくとも1個のシラノール基を有する化合物を生成しうる化合物を含有する請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1の硬化性組成物を使用することを特徴とするシーリング材の初期残留タック改善方法。
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