JPH11209702A - プライマー組成物および接着方法 - Google Patents

プライマー組成物および接着方法

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JPH11209702A
JPH11209702A JP1276298A JP1276298A JPH11209702A JP H11209702 A JPH11209702 A JP H11209702A JP 1276298 A JP1276298 A JP 1276298A JP 1276298 A JP1276298 A JP 1276298A JP H11209702 A JPH11209702 A JP H11209702A
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JP
Japan
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group
primer composition
silane coupling
coupling agent
saturated hydrocarbon
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Withdrawn
Application number
JP1276298A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Makoto Chinami
誠 千波
Junji Takase
純治 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスや金属などの基材面や、シリコーンゴ
ム等の先打ちシーリング材との打継ぎ面での接着性に優
れ、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体を主
成分とするシーリング材に適用されるプライマー組成物
および接着方法を提供すること。 【解決手段】 (A)イソシアネート基含有シランカッ
プリング剤またはアミノ基含有シランカップリング剤を
含有することを特徴とする、ケイ素原子に結合した水酸
基または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成する
ことにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有
する飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材
に適用されるプライマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソシアネート基
含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シランカ
ップリング剤を含有するプライマー組成物および接着方
法に関し、更に詳しくは、ケイ素原子に結合した水酸基
または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成するこ
とにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「反応性ケイ
素基」という。)を有する飽和炭化水素系重合体を主成
分とするシーリング材(例えば特公平4−69659号
公報に開示されたシーリング材)を各種の基材に接着す
るに際し有効なプライマー組成物および接着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】弾性シーリング材は、近年、建築物・自
動車両等に幅広く使用されるようになってきている。シ
ーリング材は、各種部材間の接合部や隙間に充填し、水
密・気密を付与する目的で使用されている材料である。
従って、目地部や窓枠周り等を構成する各種基材、すな
わち、ガラス、セラミックス、金属、セメント、モルタ
ル等の無機材料やプラスチック等の有機材料(以下、こ
れらをまとめて「基材」という。)に対して良好な接着
性を示す必要がある。しかし、シーリング材自身の接着
性は未だ不十分で、プライマーの使用が多くの場合必須
となっている。
【0003】一般建築物の内外装の目地部に適用される
シーリング材として、シリコーン系、変性シリコーン
系、ポリサルファイド系およびポリウレタン系等が良く
知られている。これらのシーリング材は、目地の種類
(基材の種類も含めて)別に適切なシーリング材を選ん
で使う「適材適所」の考え方に基づいて使い分けられて
おり、それぞれのシーリング材に適合する専用プライマ
ーが開発されている。
【0004】上記の各種シーリング材に、異なる種類の
シーリング材を打継ぐことは本来望ましいことではない
が、適材適所の考え方によるシーリング材の選定あるい
は工場施工においてやむを得ず異種シーリング材の打継
ぎが生じる場合がある。また、シーリング目地を改修す
る際には、既存のシーリング材、すなわち、先打ちシー
リング材(本発明では先打ちシーリング材も含めて「基
材」という。)を除去した後に新規のシーリング材(後
打ちシーリング材)を施工するが、先打ちシーリング材
を完全に除去できないために、やむを得ず異種シーリン
グ材の打継ぎが生じる。この時、先打ちシーリング材が
シリコーン系シーリング材である場合には、シリコーン
系シーリング材以外のシーリング材では打継ぐことがで
きないという問題があった。
【0005】一方、反応性ケイ素基を含有する飽和炭化
水素系重合体を主成分として含有するシーリング材(特
にイソブチレン系重合体を主鎖骨格とするイソブチレン
系シーリング材)が最近開発された。このイソブチレン
系シーリング材は、動的追従性、耐熱性、耐候性、耐水
性、塗装性に優れ、目地周辺を汚染しない等の特徴を有
し、万能シーリング材としての性能を有するが、これま
で、イソブチレン系シーリング材専用プライマーは開発
されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とするシー
リング材と各種基材を良好に接着させるためのプライマ
ー組成物を提供することを目的とし、特にシリコーン系
シーリング材(先打ち)にイソブチレン系シーリング材
(後打ち)を打継ぐ際に接着性の良好なプライマー組成
物および接着方法を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決する為の手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、イソシアネ
ート基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シ
ランカップリング剤を含有するプライマー組成物によっ
て、その目的を達成しうることを見出して、本発明を完
成させた。
【0008】すなわち、本発明は、(A)イソシアネー
ト基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シラ
ンカップリング剤を含有することを特徴とする、ケイ素
原子に結合した水酸基または加水分解性基を有しシロキ
サン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基
を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体を主成分
とするシーリング材に適用されるプライマー組成物に関
するものであり、とくに、(A)シランカップリング剤
100重量部に対して、(B)ケイ素原子に結合した水
酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成
することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1
個有する飽和炭化水素系重合体1〜100000重量
部、(C)有機チタン酸エステル類1〜1000重量部
を含有することを特徴とするプライマー組成物に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の(A)成分であるイソシアネート基含有
シランカップリング剤またはアミノ基含有シランカップ
リング剤は本発明の特徴となる成分であり、(B)成分
である反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体と
の反応等により強靭な被膜を形成するとともに、ガラス
・金属・モルタル等の各種基材と反応性ケイ素基を有す
る飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材と
の強い接着性を付与する成分である。特に、シリコーン
系シーリング材(先打ちシーリング材)に対する打継ぎ
面の接着性を著しく向上させる機能を有する。
【0010】前記シランカップリング剤は、加水分解性
基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性ケイ
素基という)とイソシアネート基またはアミノ基を有す
る化合物である。この加水分解性ケイ素基の例として
は、一般式(1)で表される基の内Xが加水分解性基で
ある物を挙げることができる。具体的には、加水分解性
基として既に例示した基を挙げることができるが、メト
キシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好まし
い。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が
好ましい。
【0011】イソシアネート基含有シランカップリング
剤の具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリ
メトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエト
キシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメト
キシシラン等を挙げることができる。アミノ基含有シラ
ンカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプ
ロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げること
ができる。
【0012】本発明のプライマー組成物中のイソシアネ
ート基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シ
ランカップリング剤の含有率は0.1%〜30%が好ま
しく、1%〜10%がより好ましく、2%〜5%がとく
に好ましい。本発明のプライマー組成物には、上記のイ
ソシアネート基含有シランカップリング剤またはアミノ
基含有シランカップリング剤以外のシランカップリング
剤も用いることができる。
【0013】前記のシランカップリング剤の具体例とし
ては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有
シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;
β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボ
キシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラ
ン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルト
リエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含
有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌ
レート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることが
できる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ
変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和
アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、フ
ェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリ
コーン、シリル化ポリエステル等も用いることができ
る。
【0014】上記シランカップリング剤は1種類のみで
使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。本
発明のプライマー組成物にはシランカップリング剤以外
の接着性付与剤も用いることができる。本発明に用いら
れる(B)成分の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素
系重合体は、ガラスや金属などの各種基材に対する密着
性が良好で、ガラス越しの耐候接着性や耐水接着性に優
れる被膜を形成する成分として機能する。すなわち、本
明細書のプライマー組成物に、接着性と耐久性を向上さ
せるものである。
【0015】この反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素
系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和結合を実質
的に含有しない重合体であり、たとえば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポリ
ブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられ
る。反応性ケイ素基としては、一般式(1)、
【0016】
【化2】
【0017】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基ま
たは(R’)3SiO−(R’、それぞれ独立に、は水
素原子または炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭
化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基で
ある。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水
分解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれ
かであり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbと
が同時に0になることはない。また、mは0または1〜
19の整数である)で表される基があげられる。
【0018】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0019】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。
【0020】とくに、一般式(2)
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好まし
い。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は
1個以上であり、1.1〜5個あることが好ましい。分
子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になる
と、硬化性が不充分になり、良好な被膜が得られなくな
ることがある。
【0023】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化被膜に含まれる
飽和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度の被膜が得られやすくなるなどの点から好ま
しい。
【0024】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレ
ン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよう
な炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとし
て重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどの
ようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記
オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する
などの方法により得ることができるが、イソブチレン系
重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基
を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官
能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0025】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0026】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られるプライマー組成物
の接着性が向上する。水添ポリブタジエン系重合体や他
の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン
系重合体のばあいと同様に、主成分となる単量体単位の
他に他の単量体単位を含有させてもよい。
【0027】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後2重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。飽和炭化水素
系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添
ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜5
0,000程度であるのが好ましく、とくに1,000
〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが
取扱いやすいなどの点から好ましい。
【0028】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能
型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開
昭63−105005号公報に記載されているような重
合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有
するポリイソブチレンを得た後、一般式
【0029】
【化4】
【0030】(式中、R1、R2、X、aおよびbは前
記と同じである。)で表されるヒドロシラン化合物(こ
の化合物は一般式(1)で表される基に水素原子が結合
した化合物である。)、好ましくは、一般式
【0031】
【化5】
【0032】(式中、R2、Xおよびaは前記と同じで
ある。)で表されるヒドロシラン化合物を白金触媒を用
いてヒドロシリル化反応と呼ばれる付加反応をさせるこ
とにより反応性ケイ素基を重合体に導入する方法があげ
られる。ヒドロシラン化合物としては、たとえば、トリ
クロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロ
シラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シ
ラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メ
チルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェ
ニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メ
チルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン
のようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシ
メート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシ
メート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アル
コキシシラン類が好ましい。
【0033】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特許公報
第2512468号、特開昭64−22904号、特許
公報第2539445号の各明細書などに記載されてい
る。また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブ
チレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー
中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類を添加し、共重合せしめることにより製造され
る。
【0034】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0035】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0036】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(4): CH2=CH−R3−Y (4) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−
CO−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、
アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、
−CH2−、−R”−C6H5−CH2−(R”は炭素
数1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとく
に好ましい)で示される有機ハロゲン化合物を反応させ
ることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタ
ジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジ
エン系重合体ともいう)が製造される。
【0037】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。前記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(4)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(4)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体をうることができる。
【0038】前記一般式(4)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0039】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応を
させることにより製造される。前記のように反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体が、芳香環でない不
飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不飽
和結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重合
体のような従来のゴム系重合体より形成される被膜とく
らべて、著しく耐候性がよくなる。また、該重合体は炭
化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性がよく、
ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して優れた接
着性能を有するとともに、湿気遮断性の高い被膜を形成
する。
【0040】本発明に用いる反応性ケイ素基含有飽和炭
化水素系重合体は、(A)成分であるイソシアネート基
含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シランカ
ップリング剤100部(重量部、以下同じ)に対し、1
〜100000部の範囲で使用される。特に、10〜1
000部の範囲で使用するのが好ましい。本発明のプラ
イマー組成物中の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素
系重合体の含有率は1%以上が好ましく、3%以上がよ
り好ましく、5%以上がとくに好ましい。特に本発明の
プライマー組成物をモルタルなどの多孔質の基材に対し
て用いる場合には、多孔質基材からの水分の浸出防止の
ため被膜の膜厚をより厚くする必要があり、該重合体の
含有率は5%以上が好ましく、10%以上がより好まし
く、20%以上がとくに好ましい。
【0041】上記の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体はそれ自身の粘度が高く作業性が悪い。その
ため、該重合体の粘度を下げて取扱いを改善することを
目的に、プライマーの接着性や汚染性が悪化しない程度
に各種の可塑剤を添加しても良い。本発明の(B)成分
である飽和炭化水素系重合体と相溶性がよい可塑剤とし
ては、例えば、ポリブテン、水添ポリブテン、水添α−
オレフィンオリゴマー、アタクチックポリプロピレンな
どのポリビニル系オリゴマー;ビフェニル、トリフェニ
ルなどのなどの芳香族系オリゴマー;水添液状ポリブタ
ジエンなどの水添ポリエン系オリゴマー;パラフィン
油、塩化パラフィン油などのパラフィン系オリゴマー;
ナフテン油などのシクロパラフィン系オリゴマーなどが
あげられる。
【0042】また、フタル酸エステル系可塑剤や非芳香
族2塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤
等も本発明のプライマー組成物の接着性、耐候性、耐熱
性などを低下させない程度に、上記の可塑剤と併用して
使用してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。前記可塑剤は、飽和炭化水素系重合
体に反応性ケイ素基を導入する際に、反応温度の調節、
反応系の粘度の調節などの目的で溶剤のかわりに用いて
もよい。
【0043】前記可塑剤の配合量は、反応性ケイ素基含
有飽和炭化水素系重合体100部に対して1〜100部
が好ましく、10〜50部が更に好ましい。可塑剤の配
合量がこの範囲を下回ると可塑化効果が小さく、また、
この範囲を上回ると十分な接着性が得られないことがあ
る。本発明の(C)成分である有機チタン酸エステル類
は、ガラス・金属・モルタル等の各種基材と反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とするシー
リング材との接着強度を向上させる成分である。また、
シリコーン系シーリング材(先打ちシーリング材)に対
する打継ぎ面の接着性を向上させる機能も有する。さら
に、有機チタン酸エステル類は、(A)成分であるイソ
シアネート基含有シランカップリング剤またはアミノ基
含有シランカップリング剤や(B)成分である反応性ケ
イ素基を有する飽和炭化水素系重合体の反応性ケイ素基
の縮合反応を促進させるシラノール縮合触媒としての機
能も有する成分である。
【0044】かかる有機チタン酸エステル類としては、
有機チタン酸エステル、チタンのキレート化合物、チタ
ンのケイ酸エステルによるキレート化合物、チタネート
系カップリング剤、これらの部分加水分解縮合物が挙げ
られる。有機チタン酸エステル類の具体例としては、テ
トライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチ
タネート、ブチルチタネートダイマー、テトラキス(2
−エチルヘキシル)チタネート、テトラステアリルチタ
ネート、テトラメチルチタネート、ジエトキシビス(ア
セチルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビス(アセ
チルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)チタン、イソプロポキシ(2−エ
チル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ(2−エ
チルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノ
ールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチ
タン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンおよびこれら
の加水分解縮合物等を挙げることができる。また、チタ
ネート系カップリング剤の具体例として、
【0045】
【化6】
【0046】で示される化合物、およびこれらの加水分
解縮合物も挙げることができる。上記の有機チタン酸エ
ステル類の内、一般式(2)、 Ti(OR)4 (2) (式中、Rは、前期と同じである)で表される化合物
は、接着性改善効果が特に高いためより好ましい。
【0047】本発明に用いる有機チタン酸エステル類
は、(A)成分であるイソシアネート基含有シランカッ
プリング剤またはアミノ基含有シランカップリング剤1
00部に対し、1〜10000部の範囲で使用される。
特に、10〜1000部の範囲で使用するのが好まし
い。上記有機チタン酸エステル類は1種類のみで使用し
ても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0048】本発明のプライマー組成物においては、
(D)成分として、本発明のプライマー組成物を硬化さ
せ風乾性を与える機能を有する成分として、シラノール
縮合触媒を用いることができる。かかるシラノール縮合
触媒としては、2価および4価のスズ系硬化触媒、アル
ミニウム系硬化触媒、アミン系硬化触媒などが挙げられ
る。これらの中でも4価のスズ系硬化触媒は触媒活性が
高いために好ましい。4価のスズ系硬化触媒の具体例と
しては、錫カルボン酸塩類、ジアルキル錫オキサイド
類、および、一般式(5)、 QdSn(OZ)4-d、又は[Q2Sn(OZ)]2O (5) (式中、Qは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を、Z
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は自己内部にS
nに対して配位結合を形成し得る官能性基を有する有機
基を表す。さらに、dは0、1、2、3のいずれかであ
る。)で示される化合物などが示される。また、ジアル
キル錫オキサイドやジアルキル錫ジアセテート等の4価
錫化合物と、テトラエトキシシランやメチルトリエトキ
シシランやジフェニルジメトキシシランやフェニルトリ
メトキシシランなどの加水分解性ケイ素基を有する低分
子ケイ素化合物との反応物もまた、シラノール縮合反応
を顕著に加速する硬化触媒として有効である。これらの
中でも、一般式(5)で示される化合物、すなわち、ジ
ブチル錫ビスアセチルアセトナートなどのキレート化合
物や錫アルコラート類はシラノール縮合触媒としての活
性が高く、プライマー組成物の被膜形成速度が速くなる
のでより好ましい。
【0049】前記錫カルボン酸塩類の具体例としては、
例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫
ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル
錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジ
ブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデ
シルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチ
ル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチ
ル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオ
クチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチ
ルマレート等が挙げられる。
【0050】前記ジアルキル錫オキサイド類の具体例と
しては、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ドや、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混
合物等が挙げられる。前記キレート化合物を具体的に例
示すると、
【0051】
【化7】
【0052】等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの中では、ジブチル錫ビスアセチル
アセトナートは、触媒活性が高く、低コストであり、入
手が容易であるために最も好ましい。前記錫アルコラー
ト類を具体的に例示すると、
【0053】
【化8】
【0054】等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの中ではジアルキル錫ジアルコキサ
イドが好ましい。特に、ジブチル錫ジメトキサイドは、
低コストであり、入手が容易であるためにより好まし
い。また、上記の4価のスズ系硬化触媒以外のシラノー
ル縮合触媒を用いてもよい。具体的には、オクチル酸ス
ズなどの2価のスズ系硬化触媒;アルミニウムトリスア
セチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセト
アセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセ
トアセテート等のアルミニウム系硬化触媒;ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトナート;オクチル酸鉛;ブチル
アミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(DBU)等のアミン系硬化触媒、あるいはこれらのア
ミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミン
と多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過
剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のア
ミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール
縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知
のシラノール縮合触媒等が例示できる。
【0055】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。この(D)成分のシラノール
縮合触媒の配合量は、(A)成分であるイソシアネート
基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シラン
カップリング剤100部に対し、1〜10000部程度
が好ましく、10〜1000部が更に好ましい。シラノ
ール硬化触媒の配合量がこの範囲を下回ると被膜形成速
度が遅くなることがあり、また被膜が十分に形成し難く
なる場合がある。一方、シラノール硬化触媒の配合量が
この範囲を上回るとオープンタイムが短くなり過ぎ、作
業性の点から好ましくない。
【0056】本発明においては、プライマー組成物をプ
ライマー塗布作業に適した粘度に調節するために溶剤を
用いることができる。溶剤は本発明の(A)成分〜
(D)成分を溶解するものであればよく、その種類は特
に限定されない。かかる溶剤の具体例としては、トルエ
ン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油系溶媒等の炭
化水素系溶剤、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコール系溶剤、ヘキサメチルシクロトリ
シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デ
カメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤
が例示される。これらの溶剤は、単独で使用してもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0057】この溶剤の配合量は、(A)成分であるイ
ソシアネート基含有シランカップリング剤またはアミノ
基含有シランカップリング剤100部に対して50〜5
00000部程度が好ましく、500〜5000部が更
に好ましい。溶剤の配合量がこの範囲を下回るとプライ
マー組成物の粘度が高くなりすぎるため作業性の点から
好ましくない。溶剤の配合量がこの範囲を上回ると十分
な接着性が得られないことがある。
【0058】本発明のプライマー組成物には、各種老化
防止剤が必要に応じて用いられる。 かかる老化防止剤
としては、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸
化防止剤、硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤、リン系ヒ
ドロペルオキシド分解剤、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ニッケ
ル系光安定剤などが挙げられる。
【0059】前記フェノール系酸化防止剤の具体例とし
ては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ
−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタ
エリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4‘−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4‘−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が例示で
きる。
【0060】前記芳香族アミン系酸化防止剤の具体例と
しては、N,N‘−ジフェニル−1p0−フェニレンジ
アミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,
2−ジヒドロキノリン等が例示できる。前記硫黄系ヒド
ロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジラウリル−
3,3‘−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,
3‘−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3
‘−チオジプロピオネート等が例示できる。
【0061】前記リン系ヒドロペルオキシド分解剤の具
体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、
トリフェニルホスファイト等が例示できる。前記ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール等が例示できる。
【0062】前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例
としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,
4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5‘−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が例示できる。前
記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−ド
デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−ベン
ジロキシベンゾフェノン等が例示できる。
【0063】前記ヒンダートアミン系光安定剤の具体例
としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1
−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6,−テト
ラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,
6,6,−テトラメチルピペリジン等が例示できる。
【0064】前記ニッケル系光安定剤の具体例として
は、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2
‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2
−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、[2,2
‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n
−ブチルアミンニッケル(II)等が例示できる。これ
らの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併
用してもよい。単独で使用した場合と比較して、併用す
ることによってより有効に機能することがある。特に、
フェノール系酸化防止剤とサリシレート系紫外線吸収剤
とヒンダートアミン系光安定剤の組み合わせは、(B)
成分である飽和炭化水素系重合体の耐候性を顕著に改善
するためより好ましい。
【0065】老化防止剤の配合量は、(A)成分100
部に対して1〜1000部程度が好ましく、10〜10
0部が更に好ましい。配合量が1部未満の場合には、耐
候性の改善効果が十分でないことがあり、1000部を
こえるとプライマー組成物のコストや接着性が悪くな
る。さらに、本発明のプライマー組成物には、耐候接着
性をより向上させるために、耐候接着性改良剤(空気中
の酸素と反応することにより重合をおこす不飽和基を分
子中に有する化合物または光重合性物質)が必要に応じ
て添加される。これらは単独で用いても効果があり、併
用してもよい。
【0066】前記の空気中の酸素と反応することにより
重合をおこす不飽和基を分子中に有する化合物とは、つ
まり、酸化重合反応性物質を示す。酸化重合反応性物質
の具体例としては、不飽和高級脂肪酸とアルコールとの
エステル化合物、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポ
リブタジエン、C5〜C8ジエンなどのジエン系重合体
や共重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物
(マレイン化変性体、ボイル油変性体など)などがあ
る。
【0067】前記の不飽和高級脂肪酸のエステル化合物
の具体例を挙げると、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、エレオステアリン酸、リカン酸、リシノール酸、
アラキドン酸などの高級不飽和脂肪酸と、メタノール、
エタノールなどの1価アルコール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどの2価アルコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリンなどの3価アルコー
ル、ペンタエリスリトールなどの4価アルコール、ソル
ビッドなどの6価アルコールや、ケイ素原子に結合した
有機基を介して水酸基を有する有機ケイ素化合物などか
ら選択されるアルコールとの縮合反応より得られるエス
テル化合物がある。
【0068】これらのエステル化合物の中でも、不飽和
高級脂肪酸とグリセリンとのエステルであるトリグリセ
リンエステルを主成分とする亜麻仁油、桐油、大豆油、
アサ実油、イサノ油、ウルシ核油、エゴマ油、オイチシ
カ油、カヤ油、クルミ油、ケシ油、サクランボ種子油、
ザクロ種子油、サフラワー油、タバコ種子油、トウハゼ
核油、ゴム種子油、ヒマワリ種子油、ブドウ核油、ホウ
センカ種子油、ミツバ種子油などの乾性油が、安価で、
簡便に入手できるためにより好ましい。
【0069】前記の乾性油の中でも、エレオステアリン
酸、リカン酸、プニカ酸、カヌルピン酸などの共役系不
飽和高級脂肪酸のトリグリセリンエステルを主成分とし
て有する、桐油、オイチシカ油、ザクロ種子油、ホウセ
ンカ種子油などは、耐候性改善効果が高いためにより好
ましい。この空気中の酸素と反応することにより重合を
おこす不飽和基を分子中に有する化合物は単独で使用し
てもよいし、2種以上併用してもよい。
【0070】上記の光重合性物質とは、つまり、光を照
射することによって分子内の二重結合が活性化すること
により、重合反応を起こす不飽和基を有する化合物であ
る。この光重合性物質中に含まれる光重合性不飽和基の
代表例としては、ビニル基、アリル基、ビニルエーテル
基、ビニルチオエーテル基、ビニルアミノ基、アセチレ
ン性不飽和基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ス
チリル基、シンナモイル基等を挙げることができるが、
これらの中でもアクリロイル基またはメタクリロイル基
が光開始効率が高いために、好ましい。
【0071】前記、アクリロイル基またはメタクリロイ
ル基を感光基とする光重合性物質の例としては、アクリ
ルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、(メタ)ア
クリレート等を挙げることができるが、これらの中でも
(メタ)アクリレートが、種類が多く入手しやすい等の
理由から、より好ましい。なお、本明細書において(メ
タ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレー
トを総称するものである。
【0072】前記、(メタ)アクリレートの具体例とし
ては、官能基を2個有するプロピレン(又はブチレン、
エチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、官能基
を3個有するトリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、官能基を4個以上有するペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。また、オリゴマーの具体例としては、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、等の分子量10
000以下のオリゴエステルを挙げることができる。1
分子中のアクリル系又はメタクリル系不飽和基の数は、
2個以上が好ましく、3個以上がさらに好ましい。前記
不飽和アクリル系化合物の耐候接着性改善効果は官能基
の数が多いほど大きい。
【0073】光重合性物質は単独で使用してもよいし、
2種以上併用してもよい。耐候接着性改良剤の配合量
は、(A)成分100部に対して1〜1000部程度が
好ましく、10〜100部が更に好ましい。配合量が1
部未満の場合には、耐候接着性の改善効果が十分でない
ことがあり、1000部をこえるとプライマー組成物の
貯蔵安定性が低下することがある。
【0074】本発明のプライマー組成物には、各種充填
材が必要に応じて用いられる。前記充填材の具体例とし
ては、たとえば、木粉、パルブ、木綿チップ、アスベス
ト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ
殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリ
カ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭
酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグ
ネシウム、石英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、
亜鉛末などがあげられる。これら充填材のうちでは沈降
性シリカ、ヒュームシリカ、カーボンブラック、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、タルクなどが好ましい。これら
の充填材は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。充填材を用いる場合の使用量は(A)成分100部
に対して1〜10000部が好ましく、10〜1000
部がさらに好ましい。
【0075】本発明のプライマー組成物には、(A)成
分〜(D)成分や先に記載した可塑剤、溶剤、老化防止
剤、耐候接着性改良剤および充填材の他に、必要に応じ
て各種添加剤が添加される。このような添加物の例とし
ては、たとえば、生成する硬化被膜の引張特性を調整す
る物性調整剤、貯蔵安定性改良剤、ラジカル禁止剤、金
属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、タレ防止剤、滑剤、
顔料、発泡剤などがあげられる。
【0076】このような添加物の具体例は、たとえば、
特公平4−69659号、特公平7−108928号、
特許公報第2512468号、特開昭64−22904
号の各明細書などに記載されている。本発明のプライマ
ー組成物は、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重
合体を主成分とするシーリング材に用いた場合に有効で
あり、特に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合
体を主成分とするシーリング材(例えば特公平4−69
659号公報に開示されたイソブチレン系シーリング
材)に適用した場合に接着性が良好であるため好まし
い。
【0077】本発明のプライマー組成物は、鉄,ステン
レススチール,アルミニウム,ニッケル,亜鉛,銅など
の各種金属、アクリル樹脂,フェノール樹脂,エポキシ
樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂,アルカリ処理されたフッ素樹脂などの合成樹
脂材料、ガラス,セラミック,セメント,モルタル等の
無機材料、および、変性シリコーン系,シリコーン系,
ポリウレタン系,アクリルウレタン系,ポリサルファイ
ド系,変性ポリサルファイド系,ブチルゴム系,アクリ
ル系,SBR系,含フッ素系,イソブチレン系などのシ
ーリング材と、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系
重合体を主成分とするシーリング材とを強固に接着させ
ることができる。特に困難とされていた先打ちシリコー
ン系シーリング材などのシリコーンゴムに対する接着性
を著しく改善できる。
【0078】本発明のプライマー組成物は通常採用され
ているコーティング法、例えば、ハケ塗り法、スプレー
コーティング法、ワイヤバー法、ブレード法、ロールコ
ーティング法、ディッピング法などを用いて基材にコー
ティングできる。本発明のプライマー組成物は通常常温
にて被膜形成しうるが、被膜形成速度を調整するために
各温度条件下で被膜形成を行っても良い。
【0079】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0080】
【製造例1】2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを
取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容
器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス
3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したも
の)138mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス
3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したも
の)1012ml、p−DCC(下記化合物)8.14
g(35.2mmol)を加えた。
【0081】
【化9】
【0082】次にイソブチレンモノマー254ml
(2.99mol)が入っているニードルバルブ付耐圧
ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容
器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中につけ
て冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にし
た。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液
化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック
内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧に
戻した。次に、2−メチルピリジン0.387g(4.
15mmol)を加えた。次に、四塩化チタン4.90
ml(44.7mmol)加えて重合を開始した。反応
時間70分後に、アリルトリメチルシラン9.65g
(13.4mmol)を加えてポリマー末端にアリル基
の導入反応を行った。反応時間120分後に、反応溶液
を水200mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去するこ
とによりアリル末端イソブチレン系重合体を得た。
【0083】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−200gと、炭化水素系可塑剤である
パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)60gを混合し、約7
5℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.5
[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体5x
10−5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反
応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約20
時間で1640cm−1のオレフィン吸収が消失した。
【0084】目的とする両末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤である
PS−32との混合物(10/3の重量比)が得られ
た。
【0085】
【化10】
【0086】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMR
は、Varian Gemini300(300MHz
for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。
【0087】なお、FT−IRは島津製作所製IR−4
08、GPCは送液システムとしてWaters LC
Module1、カラムはShodex K−804
を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに
対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、
Mn=5780、Mw/Mn=1.28、Fn(シリ
ル)=1.93であった。(数平均分子量はポリスチレ
ン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1
分子当たりの個数)。
【0088】
【製造例2】添加量をエチルシクロヘキサン262.5
ml、トルエン787.5ml、イソブチレンモノマー
438ml(5.15mol)、p−DCC4.85g
(21.0mmol)、2−メチルピリジン0.72g
(7.7mmol)、アリルトリメチルシラン7.20
g(63.0mmol)に変えた以外は製造例1と同様
にしてアリル末端イソブチレン系重合体を合成した。
【0089】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−400gと、炭化水素系可塑剤である
パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)200gを混合し、約
75℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン2.4
[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体7.
5x10−5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル
化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約
20時間で1640cm−1のオレフィン吸収が消失し
た。
【0090】目的とする両末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤である
PS−32との混合物(2/1の重量比)が得られた。
ポリマーの分析値は、Mn=17600、Mw/Mn=
1.23、Fn(シリル)=1.96であった。
【0091】
【実施例1〜2および比較例1】(A)成分のイソシア
ネート基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有
シランカップリング剤であるγ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン(日本ユニカー
(株)製、商品名A−1120)またはγ−イソシアネ
ートプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)
製、商品名A−1310)と、製造例1で得られた
(B)成分の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重
合体(PIB)とパラフィン基プロセスオイル(出光興
産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)の混
合物(重量比:PIB/PS−32=10/3)、
(D)成分のシラノール縮合触媒であるジブチル錫ビス
アセチルアセトナート(日東化成(株)製、商品名ネオ
スタンU−220)、および、溶剤としてn−ヘキサン
(和光純薬工業(株))を表1に示す重量比で混合し、
プライマー組成物を調製した。
【0092】
【表1】
【0093】一方、以下の方法によりイソブチレン系シ
ーリング材の主剤と硬化剤を作成し、このシーリング材
を用いて接着性試験を行った。製造例2で得られた
(A)成分の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重
合体(PIB)とパラフィン基プロセスオイル(出光興
産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)の混
合物(重量比:PIB/PS−32=2/1)150部
に対して、水添α−オレフィンオリゴマー(出光石油化
学(株)製、商品名PAO5004)60部、膠質炭酸
カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、商品名シーレッ
ツ200)50部、膠質炭酸カルシウム(丸尾カルシウ
ム(株)製、商品名MC−5)50部、重質炭酸カルシ
ウム(白石カルシウム(株)製、商品名ソフトン320
0)40部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
製、商品名エピコート828)5部、光硬化性樹脂(東
亜合成(株)製、商品名アロニックスM−309)3
部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(日本チバガイ
ギー(株)製、商品名イルガノックス1010)1部、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(日本チバガイギー
(株)製、商品名チヌビン327)1部、ヒンダードア
ミン系光安定剤(三共(株)製、商品名サノールLS−
770)1部、H2O5部を各計量、混合し小型3本ペ
イントロールで3回混練した組成物を主剤とした。
【0094】硬化剤として、オクチル酸錫(日東化成
(株)製、商品名ネオスタンU−28)3部、ラウリル
アミン(和光純薬工業(株))0.75部、パラフィン
基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナ
プロセスPS−32)6.25部、重質炭酸カルシウム
(白石カルシウム(株)製、商品名ソフトン3200)
10部、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名タイペ
ークR−820)10部、カーボンブラック(三菱化学
(株)製、商品名カーボンブラック#30)0.2部を
各計量、混合し小型ホモジナイザーで混練し組成物を硬
化剤とした。
【0095】引張接着性試験方法は以下の方法により評
価した。JIS A−5758に準拠したフロートガラ
ス(広苑社製:日本シーリング材工業会指定、寸法:5
×5×0.5cm)または陽極酸化アルミ(広苑社製:
日本シーリング材工業会指定、寸法:5×5×0.5c
m)をメチルエチルケトン(和光純薬工業(株))で洗
浄し、表1のプライマーを1回塗布した。また、十分に
硬化養生された寸法:4×3×1cmの大きさのシリコ
ン系シーリング材(横浜ゴム(株)製、商品名シリコー
ン70)をカッターナイフで2つに切断し(寸法:4×
3×0.5cm)、その切断面をトルエン(和光純薬工
業(株))で洗浄した後に、表2の実施例1および比較
例1のプライマーを用いて1回塗布した。23℃で1時
間以上放置し被膜形成したプライマー層上に、上記のイ
ソブチレン系シーリング材の主剤と硬化剤を主剤/硬化
剤=100/10の重量比で秤量して充分混練したもの
を5mmの厚さで塗布し、オーブン中で硬化させた。養
生条件はいずれも、23℃×2日+50℃×4日であ
る。養生後、接着面をカッターナイフで切り込みながら
手剥離試験を行った。剥離された基材の表面を観察し、
凝集破壊した部分の比率を凝集破壊率(%)とした。フ
ロートガラスと陽極酸化アルミに対する接着性試験の測
定結果をプライマーの配合組成とともに表1にまとめて
示す。シリコーン系シーリング材に対する打継ぎ接着性
試験の測定結果をプライマーの配合組成とともに表2に
まとめて示す。
【0096】
【表2】
【0097】表1より、比較例1で示すプライマー組成
物は、フロートガラスと陽極酸化アルミに対する接着性
が悪く、凝集破壊率はいずれも0%である。一方、
(A)成分であるイソシアネート基含有シランカップリ
ング剤またはアミノ基含有シランカップリング剤を含有
する実施例1〜2のプライマー組成物は接着性が良好で
あり、凝集破壊率は80%以上を示している。
【0098】また、表2より、比較例1で示すプライマ
ー組成物は、先打ちシーリング材であるシリコーン系シ
ーリング材に対する打継ぎ性は悪く界面破壊を示してい
る。一方、(A)成分であるアミノ基含有シランカップ
リング剤を含有する実施例1のプライマー組成物は、シ
リコーン系シーリング材に対しても凝集破壊を示してい
る。
【0099】以上のように、(A)分子中にイソシアネ
ート基含有シランカップリング剤またはアミノ基含有シ
ランカップリング剤を含有するプライマー組成物は、各
種基材と反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体
を主成分とするシーリング材との接着性、特に、シリコ
ーン系シーリング材(先打ちシーリング材)とイソブチ
レン系シーリング材(後打ちシーリング材)との打継ぎ
界面での接着性を著しく改善する。
【0100】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物は、反応性ケ
イ素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とするシ
ーリング材に適用した場合に、各種基材に対する接着
性、および、シリコーン系シーリング材に対する打継ぎ
性を著しく改善することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)イソシアネート基含有シランカッ
    プリング剤またはアミノ基含有シランカップリング剤を
    含有することを特徴とする、ケイ素原子に結合した水酸
    基または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成する
    ことにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有
    する飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材
    に適用されるプライマー組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分として、ケイ素原子に結合し
    た水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を
    形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくと
    も1個有する飽和炭化水素系重合体をさらに含有する請
    求項1記載のプライマー組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分として、有機チタン酸エステ
    ル類をさらに含有する請求項1または2記載のプライマ
    ー組成物。
  4. 【請求項4】 (D)成分として、シラノール縮合触媒
    をさらに含有する請求項1〜3のいずれかに記載のプラ
    イマー組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分のイソシアネート基含有シラ
    ンカップリング剤またはアミノ基含有シランカップリン
    グ剤が、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
    トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
    メトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエト
    キシシランの群から選ばれる1種またはそれらの混合物
    である請求項1記載のプライマー組成物。
  6. 【請求項6】 (B)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    数平均分子量が500〜50000の範囲内にあり、主
    鎖の末端および/または側鎖の末端に、一般式(1)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
    素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
    性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
    徴とする請求項2に記載のプライマー組成物。
  7. 【請求項7】 (B)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    イソブチレンに起因する繰り返し単位の総量が50重量
    %以上有することを特徴とする重合体である請求項2に
    記載のプライマー組成物。
  8. 【請求項8】 (C)成分の有機チタン酸エステル類
    が、一般式(2)、 Ti(OR)4 (2) (式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換
    あるいは非置換の炭化水素基である)で表される化合物
    であることを特徴とする請求項3記載のプライマー組成
    物。
  9. 【請求項9】 (A)イソシアネート基含有シランカッ
    プリング剤またはアミノ基含有シランカップリング剤1
    00重量部に対して、(B)ケイ素原子に結合した水酸
    基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成す
    ることにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個
    有する飽和炭化水素系重合体1〜100000重量部、
    (C)有機チタン酸エステル類1〜1000重量部を含
    有することを特徴とする請求項3記載のプライマー組成
    物。
  10. 【請求項10】 (A)イソシアネート基含有シランカ
    ップリング剤またはアミノ基含有シランカップリング剤
    を含有するプライマー組成物を基材上に塗布した後、該
    塗布面に、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解
    性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し
    得るケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素
    系重合体を主成分とするシーリング材を接着させること
    を特徴とする該シーリング材の基材への接着方法。
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