JPH10316804A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH10316804A
JPH10316804A JP12922697A JP12922697A JPH10316804A JP H10316804 A JPH10316804 A JP H10316804A JP 12922697 A JP12922697 A JP 12922697A JP 12922697 A JP12922697 A JP 12922697A JP H10316804 A JPH10316804 A JP H10316804A
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curable composition
calcium carbonate
polymer
component
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Application number
JP12922697A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Makoto Chinami
誠 千波
Masafumi Sakaguchi
雅史 坂口
Kazuo Hagiwara
一男 萩原
Junji Takase
純治 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合
体を主成分として含有する硬化性組成物の硬化物の作業
性(糸ひき性)を改善するとともに機械特性(硬度)も
改善すること。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個含有す
る飽和炭化水素系重合体と、(B)炭酸カルシウム、
(C)タルク、を含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(A)ケイ素原子に結
合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結
合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以
下、「反応性ケイ素基」という。)を有する飽和炭化水
素系重合体と、(B)炭酸カルシウム、(C)タルク、
を含有することを特徴とする硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素
基を含有する飽和炭化水素系重合体は、室温においても
湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシ
ロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得
られるという興味深い性質を有することが知られてい
る。このため、複層ガラス用シーリング材や建築用弾性
シーラント等に用いると有効である。
【0003】この建築用弾性シーラントの充填剤には、
一般的に膠質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウム等の
炭酸カルシウムが用いられている。膠質炭酸カルシウム
を充填すると、その組成物はチクソ性が高いために糸ひ
き性が小さく、作業性が良くなる。そして、その硬化物
は建築用シーラントに適した低モジュラス・高伸びの引
張特性を示す。また、重質炭酸カルシウムは、増量剤と
して配合物のコストを低減することを主な目的として充
填されている。
【0004】一方、複層ガラス用シーリング材は、低モ
ジュラス・高伸びを必要とする建築用シーリング材とは
異なり、ガラスの自重を支えるだけの高モジュラス・高
硬度を有することが必要であり、高い機械特性(硬度)
と良好な作業性(糸ひき性)を両立する必要がある。し
かし、先述の反応性ケイ素基を含有する飽和炭化水素系
重合体を用いた場合には、高い機械特性(硬度)と良好
な作業性(糸ひき性)を同時に満たすことができないと
いう問題があった。
【0005】先述したように、膠質炭酸カルシウム等の
炭酸カルシウムを充填剤として用いると、作業性(糸ひ
き性)は良いが低モジュラス・低硬度の硬化物となる。
充填剤としてタルクを用いると、炭酸カルシウムと比較
して補強性が高く、同一部数の添加で、より高モジュラ
ス・高硬度の硬化物となる。しかし、タルクのみを充填
した場合には、その組成物は糸ひき性が大きく、作業し
づらいシーリング材となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、 反応性ケ
イ素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とする硬
化性組成物の作業性(糸ひき性)を改善するとともに機
械特性(硬度)も改善することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決する為の手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、この重合体
に特定の充填剤を添加することによって、この組成物の
硬化速度の低下などの悪影響を及ぼさないで、作業性
(糸ひき性)を改善するとともに機械特性(硬度)も改
善することができることを見い出すことにより前記問題
を解決し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、(A)反応性ケイ素
基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)炭酸カルシウム、(C)タルク、を含有すること
を特徴とする硬化性組成物に関するものであり、とく
に、(A)分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を
含有する、分子量が500〜50,000である飽和炭
化水素系重合体100重量部に対して、(B)膠質炭酸
カルシウムおよび/または重質炭酸カルシウム5〜50
0重量部、(C)タルク5〜300重量部を含有するこ
とを特徴とする、作業性(糸ひき性)と機械特性(硬
度)の改善された硬化性組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和炭化
水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和結合を
実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポ
リブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられ
る。反応性ケイ素基としては、一般式(1)、
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
(R’)3SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で
示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、
それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さ
らに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、
1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になるこ
とはない。また、mは0または1〜19の整数である)
で表される基があげられる。
【0012】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシル基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシル基、ア
ミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマ
イルドで取り扱い易いという点から、アルコキシル基が
とくに好ましい。
【0013】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。とくに、一般式
(2)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好まし
い。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は
1個以上であり、その数の平均は1.1〜5個あること
が好ましい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1
個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾
性が得られなくなることがある。
【0016】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0017】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレ
ン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよう
な炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとし
て重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどの
ようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記
オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する
などの方法により得ることができるが、イソブチレン系
重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基
を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官
能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0018】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0019】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化
水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の
ばあいと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単
量体単位を含有させてもよい。
【0020】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後2重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。飽和炭化水素
系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添
ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜5
0,000程度であるのが好ましく、とくに1,000
〜30,000程度の液状ないし流動性を有するものが
取扱いやすいなどの点から好ましい。
【0021】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能
型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開
昭63−105005号公報に記載されているような重
合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有
するポリイソブチレンを得た後、一般式
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R1、R2、X、aおよびbおよび
mは前記と同じである。)で表されるヒドロシラン化合
物(この化合物は一般式(1)で表される基に水素原子
が結合した化合物である。)、好ましくは、一般式
【0024】
【化5】
【0025】(式中、R2、Xおよびaは前記と同じで
ある。)で表されるヒドロシラン化合物を白金等の貴金
属系触媒を用いてヒドロシリル化反応と呼ばれる付加反
応をおこなうことにより反応性ケイ素基を重合体に導入
する方法があげられる。ヒドロシラン化合物としては、
たとえば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのよう
なハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエト
キシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキ
シシラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキ
シシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジア
セトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジ
メチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘ
キシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシ
メートシラン類などがあげられるが、これらに限定され
るものではない。これらのうちではとくにハロゲン化シ
ラン類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0026】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特開昭6
3−254149号、特開昭64−22904号、特許
公報第2539445号の各明細書などに記載されてい
る。また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブ
チレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー
中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類を添加し、共重合せしめることにより製造され
る。
【0027】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0028】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0029】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−CO
−(R4は炭素数0〜20の2価の炭化水素基で、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラル
キレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−C
2−、−R”−C65−CH2−(R”は炭素数1〜1
0の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに好まし
い)で示される有機ハロゲン化合物を反応させることに
より、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系
重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエン系重
合体ともいう)が製造される。
【0030】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。前記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体をうることができる。
【0031】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0032】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金等の貴金属系触媒を用いて
付加反応をさせることにより製造される。前記のように
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体が、芳香
環でない不飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合
には、不飽和結合を有する有機系重合体やオキシアルキ
レン系重合体のような従来のゴム系重合体よりなるシー
リング剤などとくらべて、著しく耐候性がよくなる。ま
た、該重合体は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性
や耐水性がよく、ガラス、アルミなどの各種無機質基材
に対して優れた接着性能を有するとともに、湿気遮断性
の高い硬化物になる。
【0033】本発明の硬化性組成物中の反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以上が
好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がと
くに好ましい。本発明の硬化性組成物においては、組成
物の良好な作業性(糸ひき性)と該組成物の硬化物の高
い機械特性(硬度)を両立するために、(B)成分であ
る炭酸カルシウムと(C)成分であるタルクの2種類の
フィラーを必須成分として含有することにより、達成す
ることができた。
【0034】(B)成分の炭酸カルシウムには、天然の
チョーク(白亜)、石灰石、大理石などを機械的に粉砕
・加工した重質炭酸カルシウムと、石灰石等の原料を用
いて化学反応によって湿式で製造される軽質炭酸カルシ
ウムがある。軽質炭酸カルシウムの中でも、製造条件の
制御によりコロイド状の極微細粒子とした炭酸カルシウ
ムは特に膠質(コロイド)炭酸カルシウムと呼ばれてい
る。これらの炭酸カルシウムの中でも、低コストの重質
炭酸カルシウムと、作業性(糸ひき性)改善効果の大き
い膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。これらは
単独で用いてもよく、併用してもよい。
【0035】重質炭酸カルシウムの粉砕方法には乾式法
と湿式法があるが、湿式粉砕品は本発明の硬化性組成物
の貯蔵安定性を悪化させることが多いために好ましくな
い。本発明に用いる炭酸カルシウムは、表面処理剤を用
いて表面処理を施した炭酸カルシウムであるとより好ま
しい。表面処理炭酸カルシウムを(B)成分として用い
た場合、本発明の組成物の接着性などを改善し、作業性
改善効果がより向上すると考えられる。
【0036】前記の表面処理剤としては脂肪酸、脂肪酸
石鹸、脂肪酸エステルなどの有機物や各種界面活性剤、
および、シランカップリング剤やチタネートカップリン
グ剤などの各種カップリング剤が用いられている。具体
例としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン
酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カリウム
等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステルが挙
げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール
硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩
等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、また、アルキ
ルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン
酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン
酸、アルキルスルホコハク酸等と、それらのナトリウム
塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等
が挙げられる。
【0037】前記の表面処理剤の処理量は、炭酸カルシ
ウムに対して、0.1〜20重量%の範囲で処理するの
が好ましく、1〜5重量%の範囲で処理するのがより好
ましい。処理量が0.1重量%未満の場合には、作業
性、接着性と耐候接着性の改善効果が十分でないことが
あり、20重量%を越えると該硬化性組成物の貯蔵安定
性が低下することがある。
【0038】(B)成分の配合量は、(A)成分100
部に対して、5〜500部の範囲で使用するのが好まし
く、20〜350部の範囲で使用するのがより好まし
く、40〜200部の範囲で使用するのがとくに好まし
い。配合量が5部未満の場合には、組成物の作業性(糸
ひき性)改善効果が十分でないことがあり、500部を
越えると該硬化性組成物の接着性が低下することがあ
る。本発明の(B)成分は単独で使用しても良いし、2
種以上併用しても良い。
【0039】(C)成分のタルクは、滑石と呼ばれる原
石を機械的に粉砕・加工・分級により得られる無機充填
剤であり、化学組成はマグネシウムシリケート(3MgO・4
SiO2・H2O)を主成分とする。本発明に用いるタルクは、
無処理タルクでも良く、表面処理剤を用いて表面処理を
施したタルクでも良い。表面処理タルクを(C)成分と
して用いた場合、本発明の組成物の貯蔵安定性を改善す
ると考えられる。
【0040】前記の表面処理剤としては、先述の炭酸カ
ルシウムの表面処理剤と同一のもの等があげられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100部に対して、
5〜300部の範囲で使用するのが好ましく、20〜2
00部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜15
0部の範囲で使用するのがとくに好ましい。配合量が5
部未満の場合には、該硬化性組成物の硬化物の機械特性
(硬度)の改善効果が十分でないことがあり、300部
を越えると該硬化性組成物の接着性が低下することがあ
る。本発明の(C)成分は単独で使用しても良いし、2
種以上併用しても良い。
【0041】(B)炭酸カルシウムと(C)タルクを充
填剤として併用して用いると、反応性ケイ素基を有する
飽和炭化水素系重合体(A)を主成分とする硬化性組成
物の作業性(糸ひき性)と硬化物の機械特性(硬度)を
著しく改善する。なお、本発明の組成物には、(B)炭
酸カルシウムと(C)タルク以外の充填剤として、種々
の充填剤を配合することにより更に変性することができ
る。このような充填剤としては、ヒュームドシリカ、沈
降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラ
ックのような補強性充填剤;珪藻土、焼成クレー、クレ
ー、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸
化第二鉄、酸化亜鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤;
ガラス繊維及びフィラメントのような繊維状充填剤が使
用できる。
【0042】本発明の組成物において、(D)成分とし
てシランカップリング剤を併用することができる。該シ
ランカップリング剤は被着体や基材と反応性ケイ素基を
有する飽和炭化水素系重合体の硬化物との接着強度を向
上させるものである。シランカップリング剤は、加水分
解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性
ケイ素基という)及びそれ以外の官能基を有する化合物
である。この加水分解性ケイ素基の例としては、一般式
(1)で表される基の内Xが加水分解性基である物を挙
げることができる。具体的には、加水分解性基として既
に例示した基を挙げることができるが、メトキシ基、エ
トキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解
性基の個数は2個以上が好ましく、特に3個以上が好ま
しい。
【0043】加水分解性ケイ素基以外の官能基として
は、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。これ
らの内、1級、2級、3級のアミノ基、エポキシ基、イ
ソシアネート基、イソシアヌレート等が好ましく、イソ
シアネート基、エポキシ基が特に好ましい。
【0044】加水分解性ケイ素基とそれ以外の官能基
は、アルキレン基、アリーレン基等の炭化水素基で結合
されていればよいが、特にそれらに限定されるものでは
ない。シランカップリング剤の分子量は、500以下、
特に300以下であることが好ましい。シランカップリ
ング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン
類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カ
ルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエ
チルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N
−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエ
トキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シ
ラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレー
ト等のイソシアヌレートシラン類;γ−イソシアネート
プロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピル
メチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラ
ン類等を挙げることができる。また、これらを変性した
誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化ア
ミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、ブロックイソ
シアネートシラン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラ
ン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル
等もシランカップリング剤として用いることができる。
【0045】本発明に用いるシランカップリング剤は、
反応性ケイ素基含有飽和炭化水素系重合体100部に対
し、0.1〜20部の範囲で使用される。特に、0.5
〜10部の範囲で使用するのが好ましい。上記シランカ
ップリング剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類
以上混合使用しても良い。本発明の組成物にはシランカ
ップリング剤以外の接着性付与剤も用いることができ
る。
【0046】本発明の硬化性組成物には、必要に応じて
各種添加剤が添加される。このような添加物の例として
は、たとえば、シラノール縮合反応を促進する硬化触
媒、生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、
可塑剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、
金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、リン系
過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられ
る。
【0047】このような添加物の具体例は、たとえば、
特公平4−69659号、特公平7−108928号、
特開昭63−254149号、特開昭64−22904
号の各明細書などに記載されている。本発明の炭酸カル
シウムとタルクとの併用効果は、前述の各種添加剤が添
加された場合も同様に認められる。すなわち、本発明の
硬化性組成物が建築用弾性シーリング剤や複層ガラス用
シーリング剤、SSG工法用シーリング材、および、網
入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水
用封止材などに用いられた場合、該充填剤の添加によ
り、それらシーリング剤の作業性(糸ひき性)を改善す
るとともに機械特性(硬度)も改善することができる。
【0048】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0049】
【製造例】500mlの耐圧ガラス製容器に、三方コッ
クを取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用い
て容器内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシー
ブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥し
たもの)54mlおよびトルエン(モレキュラーシーブ
ス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥した
もの)126ml、p−DCC(下記化合物)1.16
g(5.02mmol)を加えた。
【0050】
【化6】
【0051】次にイソブチレンモノマー56mlが入っ
ているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三
方コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイ
ス/エタノールバス中につけて冷却した後、真空ポンプ
を用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、
イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内
に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入する
ことにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピ
リジン0.093g(1.0mmol)を加えた。次
に、四塩化チタン1.65ml(15.1mmol)加
えて重合を開始した。反応時間70分後に、アリルトリ
メチルシラン1.22g(10.8mmol)を加えて
ポリマー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間
120分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄した
あと、溶剤を留去することによりアリル末端イソブチレ
ン系重合体を得た。
【0052】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−40gを、n−ヘプタン20mlに溶
解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラ
ン1.5[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)
錯体1x10-4[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリ
ル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、
約4時間で1640cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0053】反応溶液を減圧濃縮することにより、目的
とする両末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレンポ
リマ−が得られた。(下記化合物)
【0054】
【化7】
【0055】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMR
は、Varian Gemini300(300MHz
for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。な
お、FT−IRは島津製作所製IR−408、GPCは
送液システムとしてWaters LC Module
1、カラムはShodex K−804を用いて行っ
た。分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分
子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=114
45、Mw/Mn=1.23、Fn(シリル)=1.7
6であった。(数平均分子量はポリスチレン換算、末端
シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分子当たりの
個数)。
【0056】
【実施例1〜3および比較例1〜2】製造例で得られた
重合体と、パラフィン基プロセスオイル(出光興産
(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)、膠質
炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名EDS−D
10A)、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)
製、商品名スノーライトSS)、タルク(富士タルク工
業(株)製、商品名タルクLMR)、Na2SO4・10
2O(和光純薬製)、および、γ−イソシアネートプ
ロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商
品名シランカップリング剤Y−9030)を表1に示す
重量部加え、三本ペイントロールでよく混練して主剤と
した。
【0057】上記の主剤の粘度測定は、BS型粘度計
(東京計器(株)製、ローターはNo.7)を使用し、
回転速度:10rpmでの粘度値を、23℃/50%R
Hの恒温室中で測定した。また、上記の主剤を用いてヘ
ラ作業を行い、その際の糸ひき性を評価した。さらに、
上記の主剤に、硬化触媒としてジブチルスズビスアセチ
ルアセトナート(日東化成(株)製、商品名ネオスタン
U−220)を404:2の重量比で秤量し、手混ぜ混
練した。充分混練した後、配合物中の泡をスパチュラで
押しつぶしながら、テフロンのシートを敷いたアルミの
型枠(厚み:2mm)に充填し、シート状サンプルをオ
ーブン中で硬化させた。養生条件はいずれも、23℃×
7日+50℃×7日である。養生後、シート状硬化物を
JIS K 6251-1993「加硫ゴムの引張試験方法」に従っ
て、3号形ダンベル用型枠で打ち抜き、温度23℃、湿
度50±10%の恒温室中、引張速度500mm/mi
nの条件で、島津オートグラフAG−2000Aを用い
て行った。
【0058】硬度測定用硬化物は以下の方法により作製
した。上記の主剤に硬化触媒(日東化成(株)製、商品
名ネオスタンU−220)を404:2の重量比で秤量
して充分混練した後、テフロンシートを敷いた寸法12
×12×50mmの型枠に充填し、標準養生(23℃×
7日+50℃×7日)した後に得られる直方体のサンプ
ルを用いて硬化物硬度の値を測定した。この棒状硬化物
の硬度をJIS K6301−1975規定のスプリン
グ式硬さ試験A形に準じて、島津製作所(株)製島津ゴ
ム硬度計200形を用いて測定した。測定は5点行い、
その平均値を表示した。
【0059】配合組成と、主剤の粘度(10rpm)、
糸ひき性、ダンベル引張試験、硬度測定の評価結果を表
1に示す。なお、表1中の糸ひき性評価結果は以下の基
準に従った。○:糸ひきが小さく、へら仕上げが容易で
ある。×:糸ひきが大きく、へら仕上げが困難である。
また、表1中のM50、Tmax、Emaxとは、それぞれ、50
%引張応力、最大引張応力、最大荷重時の伸びを表す。
【0060】
【表1】
【0061】表1に示す通り、充填剤として膠質炭酸カ
ルシウム(EDS−D10A)のみを用いた比較例1
は、糸ひき性は小さく良好であるが、やや高粘度である
うえに硬化物硬度の値は小さい。重質炭酸カルシウム
(スノーライトSS)のみを用いた比較例2は、低粘度
であるが、糸ひき性が大きく硬化物硬度の値も小さい。
タルク(LMR)のみを用いた比較例3は、高硬度であ
り高いM50値を示しているが、糸ひき性が大きくEmaxの
値がやや小さい。
【0062】一方、膠質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、タルクを併用した実施例1と実施例2は、粘度
の値は望ましい範囲にあり、糸ひき性も小さく、高モジ
ュラス・高硬度の硬化物であることがわかる。このよう
に、分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有する
飽和炭化水素系重合体からなる硬化性組成物の作業性
(糸ひき性)と機械特性(硬度)は、充填剤として炭酸
カルシウムとタルクとを併用することにより、同時に改
善されることが確認できる。
【0063】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、作業性(糸ひ
き性)を改善するとともに機械特性(硬度)も改善する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/06 C08L 83/06 C09K 3/10 C09K 3/10 G // C08F 8/42 C08F 8/42

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体、(B)炭酸カルシウム、(C)
    タルク、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    数平均分子量が500〜50000の範囲内にあり、主
    鎖の末端および/または側鎖の末端に、一般式(1)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
    数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
    性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
    徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 Xがアルコキシル基であることを特徴と
    する請求項2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    イソブチレンに起因する繰り返し単位の総量を50重量
    %以上有することを特徴とする重合体である請求項1記
    載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の炭酸カルシウムが、膠質炭
    酸カルシウムおよび/または重質炭酸カルシウムである
    ことを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分100重量部に対して、
    (B)成分を5〜500重量部、および(C)成分を5
    〜300重量部を含有することを特徴とする請求項1記
    載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 (D)成分として、シランカップリング
    剤0.1〜20重量部をさらに含有する請求項6記載の
    硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の硬化
    性組成物を含有することを特徴とする複層ガラス用シー
    リング材組成物。
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