JPH11209540A - 複層ガラス用シーリング材 - Google Patents

複層ガラス用シーリング材

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JPH11209540A
JPH11209540A JP1723798A JP1723798A JPH11209540A JP H11209540 A JPH11209540 A JP H11209540A JP 1723798 A JP1723798 A JP 1723798A JP 1723798 A JP1723798 A JP 1723798A JP H11209540 A JPH11209540 A JP H11209540A
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polymer
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saturated hydrocarbon
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誠 千波
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Junji Takase
純治 高瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造強度の温度依存性が少なく、基材への接着
性を向上させた、ホットメルトタイプの複層ガラス用シ
ーリング材を提供すること。 【解決手段】加水分解性ケイ素基を有する飽和炭化水素
系、硬化触媒、水分源およびホットメルト樹脂を配合す
る事を特徴とする、複層ガラス用シーリング材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の成分の組み
合わせにより得られる組成物を用いた、複層ガラス用シ
ーリング材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複層ガラス用シーリング材は、1次シー
ル用と2次シール用の2種類に分けられる。複層ガラス
ユニットには1種類のシーリング材のみでガラス端面を
封着するシングルシールと、2種類のシーリング材(1
次シールと2次シール)を併用するデュアルシールがあ
り、主に用途によって使い分けられている。上記のシン
グルシール用シーリング材およびデュアルシール用1次
シーリング材に一般的に用いられているホットメルト樹
脂(ホットメルトブチル)には、以下の特徴がある。ホ
ットメルト樹脂は、室温で個体またはワックス状のポリ
マーであり、加熱しておよそ100〜250℃にすれば
流動し、接着剤として用いる場合には、溶融した状態に
おける濡れにより、各種基材表面に粘着する。実際に複
層ガラスの製造工程においては、ホットメルトブチルは
専用アプリケータの加熱溶融を経て吐出され、充填後の
急速なシーリング材温度低下により固化する。このた
め、反応硬化型の他のシーリング材と比較して、大幅な
養生時間の短縮が可能であり、シーリング材の管理・充
填作業も容易である。製品の短納期と生産能力の引き上
げを同時に実現できる作業性能から、将来的に複層ガラ
ス市場で重要な位置を占めることが予測される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シングルシールの複層
ガラスでは、低コストであるものの、主としてホットメ
ルトブチルを使用するため、構造強度が弱く、長期間に
わたる複層ガラス内面への水蒸気遮断性が確保できない
ため、その用途が比較的短いサイクルでユニットの交換
されるショウケース用等の産業用途に限定されている。
また、デュアルシールの複層ガラスでは、2次シールは
機械特性(ガラスへの接着性等)に優れるものの水蒸気
遮断性に劣るため、1次シールが必要でありホットメル
トブチルを用い、2次シールを透過した水蒸気をブロッ
クする構造になっている。このデュアルシールの複層ガ
ラスは前述のシングルタイプに比べ、長期耐久性に優れ
る反面、2種類のシーリング材がその製造工程で必要に
なり、コスト面でシングルタイプと比較して割高になっ
ている。また、デュアルタイプの複層ガラスにおいて
も、2次シールが経時で劣化した場合には、1次シール
を保持できなくなり、シングルタイプ並に性能が低下す
る可能性がある。ホットメルトブチルの接着性は、ブチ
ルゴムの粘着力に依存するため、低温時の脆化による密
着性低下、また、高温時に熱可塑性であるが故のシーリ
ング材軟化による複層ガラスユニットのずれが発生する
可能性があり、それを抑制する耐熱クリープ性能が要求
される。しかしながら、現状では、熱可塑性のホットメ
ルトブチルと反応硬化性シーリング材(ポリサルファイ
ド系シーリング材あるいはシリコーン系シーリング材)
を比較すると、ホットメルトブチルは作業性では圧倒的
な優位性を持つ反面、温度によって機械特性等の物性が
大きく変動するという不利な点を大きく残している。よ
って、反応硬化性シーリング材を用いる場合と比べ、使
用できるガラスサイズ、重量が制約されるという問題が
ある。そこで、ホットメルトシーラント配合技術として
は、その構造強度の温度依存性あるいは基材への接着性
を改良し、反応硬化型の水準に近づけることが課題とな
っている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
を達成する為に検討を重ねた結果、諸特性を同時に満足
させる技術を見いだした。 このことにより、前記目的
を達成しうる複層ガラス用シーリング材料を得ることが
でき、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、下記の成分(A)(B)(C)および(D)を必須
成分としてなる複層ガラス用組成物; (A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素
基を有する飽和炭化水素系重合体 (B)ホットメルト樹脂 (C)硬化触媒 (D)水または金属塩水和物 に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の(A)成分である飽和炭化水素系重合体
は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキ
サン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有
基、すなわち、反応性ケイ素基を分子鎖末端に少なくと
も1個有する飽和炭化水素系重合体が使用される。 反
応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、芳香環
以外の炭素ー炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合
体であり、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加
ポリイソプレンなどがあげられる。
【0006】応性ケイ素基としては、一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
(R’)3SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で
示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、
それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さ
らに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、
1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になるこ
とはない。また、mは0または1〜19の整数である)
で表される基があげられる。
【0009】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0010】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+m
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。応性ケ
イ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シロ
キサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。
【0011】とくに、一般式(2):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好まし
い。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は
1個以上であり、1.1〜5個あることが好ましい。分
子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になる
と、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得られな
くなることがある。
【0014】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。また、これら反応性ケイ素基を
有する飽和炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併
用することができる。
【0015】本出願発明に用いる反応性ケイ素基を有す
る飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)
エチレン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなど
のような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマ
ーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレン
などのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるい
は、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素
添加するなどの方法により得ることができるが、イソブ
チレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端
に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすいので好
ましい。
【0016】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0017】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素
系重合体においても、上記イソブチレン系重合体のばあ
いと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体
単位を含有させてもよい。
【0018】また、本出願発明に用いる反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体には、本出願発明の目的
が達成される範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポ
リエン化合物のような重合後2重結合の残るような単量
体単位を少量、好ましくは10%以下、さらには5%以
下、とくには1%以下の範囲で含有させてもよい。飽和
炭化水素系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体ま
たは水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は50
0〜30,000程度であるのが好ましく、とくに1,
000〜15,000程度の液状ないし流動性を有する
ものが取扱いやすいなどの点から好ましい。
【0019】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能
型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。
【0020】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特開昭63−6003号、特開昭63
−254149号、特開昭64−22904号、特開昭
64−38407号の各明細書などに記載されている。
また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレ
ン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー中に
反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン
類を添加し、共重合せしめることにより製造される。
【0021】さらに、イソブチレン系重合体を製造する
重合反応の際に、主成分であるイソブチレンモノマー以
外に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類などを共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基
を導入することにより、末端および分子鎖内部に反応性
ケイ素基を有するイソブチレン系重合体が製造される。
【0022】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0023】上記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) 〔式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、R4−OCO−または−R4−C
O−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、ア
ルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラ
ルキレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−
CH2−、−R”−C6H5−CH2−(R”は炭素数
1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに
好ましい。〕で示される有機ハロゲン化合物を反応させ
ることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタ
ジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジ
エン系重合体ともいう)が製造される。
【0024】なおヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。上記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
【0025】上記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0026】上記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同
様、たとえば、一般式(1)で表される基に水素原子が
結合したヒドロシラン化合物、好ましくは式
【0027】
【化4】
【0028】(式中、R2、X、aは前記に同じ)で示
される化合物を白金系触媒を用いて付加反応をさせるこ
とにより製造される。上記一般式(2)で表される基に
水素原子が結合したヒドロシラン化合物としては、たと
えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメ
チルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハ
ロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシ
ラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセト
キシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチ
ルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシ
ルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメー
トシラン類などがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン
類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0029】上記のように反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有
機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来の
ゴム系重合体よりなるシーリング剤などとくらべて、著
しく耐候性がよくなる。また、該重合体は炭化水素系重
合体であるので湿気遮断性や耐水性がよく、ガラス、ア
ルミなどの各種無機質基材に対して優れた接着性能を有
するとともに、湿気遮断性の良好な硬化物になる。本出
願発明の複層ガラス用シーリング材において。(A)成
分の含有率は50%以下であることが好ましい。(B)
成分の含有率が50%未満の場合には、複層ガラス製造
工程において、ガラスとスペーサーとを仮止めするため
に十分な粘着力(初期の接着力)が得られない。
【0030】本発明の(B)成分として使用するホット
メルト樹脂は、特に限定されず通常市販されているもの
を用いることができ、例えば、EVA系、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ブ
チル系およびポリオレフィン系ホットメルト樹脂があげ
られる。また、作業性の点から軟化点が100〜250℃程度
のものが好ましいが、これに限定されるわけではない。
本発明に用いるホットメルトブチルとしては、特に限定
されないが、通常市販されているものを用いることがで
き、樹脂単独で市販されているもの、あるいは、充填材
等を配合してホットメルトブチルとして市販されている
もののいずれも利用でき、例えば不飽和度0.5〜5.0程度
のブチルゴム(IIR)、ビスタネックスシリーズ(エ
クソン社製)、テロスタットシリーズ(テロソン社
製)、ハマタイトシリーズ(横浜ゴム製)等があげられ
る。以上本発明に用いる、ホットメルト樹脂や、ホット
メルトブチルはそのもの自体を加硫させずに用いること
を特徴とする。本出願発明の複層ガラス用シーリング材
中の(B)成分の含有率は50%以上が好ましい。
(B)成分の含有率が50%未満の場合には、複層ガラ
ス製造工程において、ガラスとスペーサーとを仮止めす
るために十分な粘着力(初期の接着力)が得られない。
本発明の(C)成分として使用する硬化触媒は、シラノ
ール縮合触媒として従来公知のものである。その具体例
としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプ
ロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫
ジウラレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジア
セテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン
酸塩類;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの
反応物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート;アルミニ
ウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリス
エチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウ
ムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物
類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタン
テトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オ
クチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリル
アミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、
シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレン
ジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合
物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等と
の塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分
子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合
物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリ
ング剤;等のシラノール複合触媒、さらには他の酸性触
媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示
できる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種
以上併用してもよい。この成分(C)の配合量は、成分
(A)である飽和炭化水素系重合体100重量部に対し
て0.1〜20重量部程度が好ましく、1〜10重量部
が更に好ましい。成分(C)の配合量がこの範囲を下回
ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十
分に進行し難くなる場合がある。一方、成分(C)の配
合量がこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡
が生じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットラ
イフが短くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0031】本発明の(D)成分である水あるいは金属
塩の水和物は、(A)成分中の飽和炭化水素系重合体の
縮合硬化時に必要な水分の供給源として作用し、架橋構
造の形成を促進するものである。水分源が水以外の場
合、金属塩の水和物は通常市販されているものを広く用
いうることができ、例えばアルカリ土類金属塩の水和
物、その他の金属塩の水和物等が挙げられる。具体的に
は、 Al2O3・H2O,Al2O3・3H2O,Al2(SO4)
3・18H2O,Al2(C2O4)3・4H2O,AlNa
(SO4)2・12H2O,AlK(SO4)2・12H2
O,BaCl2・2H2O,Ba(OH)2・8H2O,C
aSO4・2H2O,CaS2O3・6H2O,Ca(NO
3)2・4H2O,CaHPO4・2H2O,Ca(C2O
4)・H2O,Co(NO3)2・6H2O,Co(CH3C
OO)2・4H2O,CuCl2・2H2O,CuSO4・
5H2O,FeCl2・4H2O,FeCl3・6H2O,
FeSO4・7H2O,Fe(NH4)(SO4)2・12
H2O,K2CO3・1.5H2O,KNaCO3・6H2
O,LiBr・2H2O,Li2SO4・H2O,MgSO
4・H2O,MgSO4・7H2O,MgHPO4・7H2
O,Mg3(PO4)2・8H2O,MgCO3・3H2O,
Mg4(CO3)3(OH)2・3H2O,MoO3・2H2
O,NaBr・2H2O,Na2SO3・7H2O,Na2
SO4・10H2O,Na2S2O3・5H2O,Na2S2O
6・2H2O,Na2B4O7・10H2O,NaHPHO3
・2.5H2O,Na3PO4・12H2O,Na2CO3・
H2O,Na2CO3・7H2O,Na2CO3・10H2
O,NaCH3COO・3H2O,NaHC2O4・H2
O,NiSO4・6H2O,NiC2O4・2H2O,Sn
O2・nH2O,NiC2O4・2H2O,Sn(SO4)2
・2H2O,ZnSO3・2H3O,ZnSO4・7H2
O,Zn3(PO4)2・4H2O,Zn(CH3COO)2
・2H2O 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】これらの中でも、アルカリ金属塩の水和物
及びアルカリ土類金属塩の水和物が好ましく、具体的に
は MgSO4・7H2O,Na2CO3・10H2O,Na2S
O4・10H2O,Na2S2O3・5H2O,Na3PO4・
12H2O,Na2B4O7・10H2O, 等が挙げられる。
【0033】本発明に用いる水は、反応性珪素基を有す
る飽和炭化水素系重合体100部に対し、0.01〜2
5部の範囲で使用するのが好ましい。特に、0.05〜
15部、さらには、0.2〜5部の範囲で使用するのが
好ましい。また、本発明に用いる金属塩の水和物は、反
応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体100部に対
し、0.01〜50部の範囲で使用するのが好ましい。
特に、0.1〜30部、さらには、1〜10部の範囲で
使用するのが好ましい。上記の水と金属塩の水和物は1
種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用して
も良い。本発明の硬化性組成物には種々の添加物を併用
できる。代表的な添加剤は接着性付与剤である。その代
表例としては、シランカップリング剤を挙げることがで
きる。但しシランカップリング剤以外の接着性付与剤も
用いることができる。シランカップリング剤は、加水分
解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性
ケイ素基という)及びそれ以外の官能基を有する化合物
である。加水分解基として、メトキシ基、エトキシ基等
が加水分解速度の速い点から好ましい。加水分解性基の
個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0034】加水分解性ケイ素基以外の官能基として
は、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。これ
らのうち、1級、2級、3級のアミノ基、エポキシ基、
イソシアネート基、イソシアヌレート等が好ましく、イ
ソシアネート基、エポキシ基が特に好ましい。
【0035】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルプロピルトリメトキシシラ
ン、n−β−(n−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプ
ロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン
類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチル
トリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、n−β−(n−カ
ルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン
等のビニル型不飽和基含有シラン類;γクロロプロピル
トリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス
(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシア
ヌレートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキ
シシラン等のイソシアネートキ含有シラン類等を挙げる
ことができる。
【0036】また、これらを変性した誘導体である、ア
ミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不
飽和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラ
ン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル
化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップ
リング剤として用いることができる。このようなシラン
カップリング剤は水分の存在下で分解しやすいが、本発
明の組成物の(A)成分に添加すれば安定に存在でき
る。
【0037】また、シランカップリング剤以外の接着性
付与剤として、分子中にエポキシ基やイソシアネート基
を持つ化合物(イソシアネートの多量体も含む)も勿論
使用することに何ら差し支えない。本発明に用いる接着
性付与剤は、反応性珪素基含有飽和炭化水素系重合体1
00部(重量部、以下同様)に対し、0.01〜20部
の範囲で使用される。特に、0.1〜10部の範囲で使
用するのが好ましい。上記接着性付与剤は1種類のみで
使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0038】本発明の組成物には、種々の充填剤を配合
することにより更に変性することができる。このような
充填剤としては、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブラックの
ような補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カ
ルシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、酸化チタン、
ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜
鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤;ガラス繊維及びフ
ィラメントのような繊維状充填剤が使用できる。
【0039】これらの充填剤で、強度の高い硬化性組成
物を得たい場合には、主にフュームドシリカ、沈降性シ
リカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブ
ラックのような補強性充填剤を本発明の(A)成分中の
飽和炭化水素系重合体100重量部に対して1〜100
重量部の範囲で使用すれば機械特性において、高強度・
高モジュラスの硬化物を得ることができる。また、反対
に低モジュラスで高伸びの硬化物を得たい場合には、重
質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、珪藻土、焼成
クレー、クレー、酸化チタン、ベントナイト、有機ベン
トナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛及び活性亜鉛華等のよ
うな充填剤を本発明の(A)成分中の飽和炭化水素系重
合体100重量部に対して5〜400重量部の範囲で使
用すればよい。もちろん、これらの充填剤は1種類のみ
で使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良
い。充填剤は(A)成分に添加してもよいし、(B)成
分に添加してもよいし、両者に添加してもよい。
【0040】本発明の組成物において、可塑剤を充填剤
と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、
多量の充填剤を混合できるためより有用である。前記可
塑剤としては一般に用いられている可塑剤が使用できる
が、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体と相溶性のよ
いものが好ましい。可塑剤の具体例としては、例えばプ
ロセスオイル、ポリブテン、水添ポリブテン、α−メチ
ルスチレンオリゴマ−、液状ポリブタジエン、水添液状
ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチ
ックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ま
しくは不飽和結合を含まないプロセスオイル、水添ポリ
ブテン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフ
テン油などの炭化水素系化合物類が好ましい。さらに本
発明の硬化性組成物には、必要に応じてその他の酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃性付与剤、チクソ
性付与剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することがで
きる。
【0041】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。 製造例1 飽和炭化水素系重合体(A)の製造 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブにP−DCC〔1,
4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン〕
【0042】
【化5】
【0043】7.5mmolを入れ、撹拌用羽根、三方
コック及び真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換
した。その後、三方コックの一方から窒素を流しなが
ら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−シ−
ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330mL、
ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−ピコ
リン3.0mmolを添加した。
【0044】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが113g入
っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を撹拌し
ながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部
を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを
耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。
その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧
に戻した。
【0045】次に、重合容器内が−70℃で安定してい
ることを確認し、TiCl4 7.18g(3.8mm
ol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を
開始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシ
ラン2.57g(22.5mmol)を添加した。さら
に1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むこと
により触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回
洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、ア
リル末端のイソブチレンポリマ−を得た。
【0046】次いで、こうして得られたアリル末端のイ
ソブチレンポリマ−100gを、n−ヘプタン50mL
に溶解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシ
シラン1.2[eq./アリル基]、白金(ビニルシロ
キサン)錯体1×10−4[eq./アリル基]を添加
し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRスペクト
ルにより反応追跡を行い、約4時間で1640cm−1
のオレフィン由来の吸収が消失したのを確認し、反応を
停止した。
【0047】反応溶液を減圧濃縮することにより、目的
とする両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリ
マーが得られた。両末端に反応性ケイ素を有するイソブ
チレンポリマーの構造は、以下の通りである。
【0048】
【化6】
【0049】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.5〜3.4)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。 1H-NMRはVa
rian Gemini300 (300MHz for 1H)を用いCDCl3中で測定
した。
【0050】なお、FT−IRは島津製作所製IR-408、
GPCは送液システムとしてWaters LCModule1、カラムはS
hodex K-804を用いて行なった。 分子量はポリスチレ
ンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。 ポ
リマーの分析値は、Mn=11416、Mn/Mw=
1.47、Fn(シリル)=1.95であった(数平均
分子量はポリスチレン換算、末端シリル官能基数はイソ
ブチレンポリマー1分子当たりの個数)。 実施例1〜3および比較例1 製造例1で得られた重合体100部に対し、パラフィン
基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナ
プロセスPS−32)30部、ブチル系ホットメルト
(横浜ゴム(株)製、商品名ハマタイトHOTMELT
M−120)130部、芒硝(試薬、Na2SO4・
10H2O)6部、オクチル酸錫(日東化成(株)製、
商品名ネオスタンU−28)3部、ラウリルアミン(和
光純薬工業(株))0.75部を加え、三本ペイントロ
ールでよく混練した。上記の方法により作製した配合物
を実施例1の試験サンプル作製に用いた。また、実施例
1のブチル系ホットメルトの配合部数のみを303.3
部に変更したものを実施例2、ブチル系ホットメルトの
配合部数のみを1169部に変更したものを実施例3の
試験体作製に用いた。なお、比較例1として、ホットメ
ルトのみを用い同様のサンプルを作製し、引張試験に用
いた。
【0051】試験用サンプルは、JIS A6850-1976規定の
接着剤の引張せん断接着強さ試験方法の作製方法に従っ
て、アルミ基材を用い配合物を塗布、圧着した後、オー
ブン中で硬化させた。 養生条件はいずれも、50℃×
4日。 試験用に用いた基材は、 JIS K6850−19
76に準拠したJIS H 4000に準拠したアルミニウム(太
佑基材製:A 1050 P、寸法:2.5×10×0.3c
m)、これらの被着体は、シーリング材を塗布する前
に、メチルエチルケトン(和光純薬製:特級)で洗浄
し、清浄な綿布でふいた。
【0052】上記の方法で作製した 試験サンプルは、
JIS A 6850規定の引張接着性試験方法に従って、温度2
3℃、湿度65±5%の恒温室中、引張速度50mm/
minの条件で行った。表1よりわかるとおり、実施例
1〜3では、比較例1と比較して強いアルミニウムに対
する接着強度を示した。
【0053】
【表1】
【0054】実施例4および比較例2 実施例1で作製した配合物と、ブチル系ホットメルト
(横浜ゴム(株)製、商品名ハマタイトHOTMELT
M−120)を用い、約2ミリ厚のシート状硬化物を
作製した。これらの硬化物より、JISK6301規定の3
号ダンベルを打ち抜き、引張試験を行った結果をそれぞ
れ実施例4および比較例2として表2に示す。試験体は
23℃×7日+50℃×7日の養生後に取り出し、H型
機械特性を測定した。試験は、JISK6301規定の引張試
験方法に従って、温度23℃、50℃、70℃の恒温槽
中、引張速度200mm/minの条件で行った。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表2よりわかるとおり、ブチル系ホットメ
ルト複層ガラス用シーリング材を用いた比較例2と比
べ、実施例4では、幅広い温度領域で安定した機械特性
を有することが確認された。 実施例5〜7 実施例1で作製した配合物中の製造例1で得られた重合
体の含有量を全体の30%、20%、10%と変化さ
せ、約2ミリ厚のシート状硬化物を作製し、それぞれ実
施例5,6,7に用いた。この硬化物より、JISK63
01規定の3号ダンベルを打ち抜き、引張試験を行った結
果をそれぞれ実施例5〜7として表2に示す。なお、試
験体は23℃×7日+50℃×7日の養生後に取り出
し、引張試験を測定に用いた。試験は、実施例4と同一
の条件で行った。
【0058】
【表4】
【0059】表4よりわかるとおり、実施例5〜7で
は、幅広いポリマーコンテント領域で、23〜70℃の
温度条件下で、ホットメルトブチル単独に比べ安定した
機械特性を発現することが確認された。
【0060】
【発明の効果】本発明の複層ガラス用シーリング材は、
従来のホットメルト樹脂に比べ、その水蒸気遮断性を維
持したままで、構造強度の温度依存性及び基材への接着
性が改善されているため、複層ガラス用途におけるデュ
アルシールの1次シール用またはシングルシール用シー
リング材として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/10 C09K 3/10 G Q

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)(B)(C)および
    (D)を必須成分としてなる複層ガラス用シーリング
    材; (A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素
    基を有する飽和炭化水素系重合体 (B)ホットメルト樹脂 (C)硬化触媒 (D)水または金属塩水和物
  2. 【請求項2】(A)成分が、シロキサン結合を形成する
    ことにより架橋しうるケイ素原子に結合した加水分解性
    基を分子鎖末端に少なくとも1個有するイソブチレン系
    重合体であって、かつ数平均分子量が500〜3000
    0である重合体である請求項1記載の複層ガラス用シー
    リング材
  3. 【請求項3】(A)成分の飽和炭化水素系重合体が一般
    式(1): 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
    素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される末端を有
    することを特徴とする請求項1又は2記載の複層ガラス
    用シーリング材
  4. 【請求項4】(A)成分の飽和炭化水素系重合体の一般
    式(1)で表される末端中のXがアルコキシ基である請
    求項1〜3記載の複層ガラス用シーリング材
  5. 【請求項5】(B)成分のホットメルト樹脂がホットメ
    ルトブチルである請求項1〜4記載の複層ガラス用シー
    リング材
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載の複層ガラス用途におけ
    る1次シール用またはシングルシール用シーリング材。
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