JPH11209539A - 複層ガラス用シーリング材 - Google Patents

複層ガラス用シーリング材

Info

Publication number
JPH11209539A
JPH11209539A JP1723698A JP1723698A JPH11209539A JP H11209539 A JPH11209539 A JP H11209539A JP 1723698 A JP1723698 A JP 1723698A JP 1723698 A JP1723698 A JP 1723698A JP H11209539 A JPH11209539 A JP H11209539A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
sealing material
polymer
saturated hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1723698A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Chinami
誠 千波
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Junji Takase
純治 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP1723698A priority Critical patent/JPH11209539A/ja
Publication of JPH11209539A publication Critical patent/JPH11209539A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】配合系中の飽和炭化水素系重合体含有量が、水
蒸気遮断性が良好であり、低コストの複層ガラス用シー
リング材を提供すること。 【解決手段】下記の成分(A)分子鎖末端に少なくとも
1個の加水分解性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合
体(B)硬化触媒(C)水または金属塩水和物を必須成
分としてなる複層ガラス用組成物(1)であって、
(A)成分の含量が前記(1)中の15%重量以下であ
るもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記の成分(A)
(B)(C)を必須成分としてなる複層ガラス用シーリ
ング材; (A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素
基を有する飽和炭化水素系重合体 (B)硬化触媒 (C)水または金属塩水和物 であって、(A)成分の含量が前記(1)中の15重量
%以下である複層ガラス用シーリング材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築、自動車、電気分野等に
おいて、組立加工の際に、同種あるいは異種の材料間の
接着、あるいは、補強・補充の為に各種シーリング材料
が用いられており、これまでに、各用途に応じて硬化様
式や主鎖構造の違う種々の材料が提案されている。 し
かしながら、従来より使用されている複層ガラスシーリ
ング材料では、(1)高耐候性(2)高耐熱性(3)非
汚染性(4)低湿分透過性(5)耐候接着性、の諸特性
を合わせ持つ材料は無く、さらに(6)低臭気性の特性
をも考慮した材料は無かった。 たとえば、現在最も多
く使用されているポリサルファイド系シーリング材料
は、(1)(2)(3)の諸特性を満足しているが、
(4)の特性が不充分であるため、単独ではシングルシ
ール化に用いることはできない。 さらに、複層ガラス
用シーリング材として最も重要な項目である(5)の特
性が、近年省エネのために多く使用される熱線反射ガラ
スに対して不充分であるため、複層ガラス製造の段階
で、シーリング材を充填する前に、熱線を反射する金属
コート膜を除去するといった余分な工程を増やすことに
繋がってきている。 その上、耐温水接着性の特性が不
充分であると共に、(6)の特性が無いため、複層ガラ
スの製造工程において環境面に問題点を有している。
【0003】また、他の複層ガラス用シーリング材にお
いても縮合型硬化系のシリコーン系シーリング材料は
(1)(2)(5)(6)の諸特性を満足しているが、
(3)(4)の特性が無く単独ではシングルシール用に
用いることができない。 そして、現在唯一シングルシ
ールに用いられている、ホットメルトブチルを利用した
タイプに関しては、(1)(3)(4)(6)の諸特性
を満足しているが、上記(2)(5)の特性が満足でき
ていない上に、充分な力学的特性を有していないといっ
た問題点がある。
【0004】そこで、本発明者らは、(1)〜(6)の
諸特性を合わせ持ち、かつ、力学的特性にも優れた、シ
ングルシール化も可能な複層ガラスシーリング材料とし
て、分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体(主としてポリイソブチ
レン系オリゴマー)を含有する硬化性組成物の検討を行
ってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の、飽和炭化水素
系重合体を含有する硬化性組成物は、(1)〜(6)の
諸特性を合わせ持ち、かつ、力学的特性にも優れてはい
るものの、重合体自身の粘度が、従来用いられてきたポ
リサルファイド系オリゴマーやシリコーン系オリゴマー
と比較して1〜2桁高く、作業性が悪くなる場合があ
り、コストが高いという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、本発明の硬化性組成物中の飽和炭化水素系
重合体含有量を、15重量%以下にしても、水蒸気遮断
性が従来の1次シーリング材として使用されてきたホッ
トメルトブチルと同等であることを発見した。なおか
つ、従来の2次シーリング材として用いられてきた、シ
ーリング材と同等の作業性および、上記(1)〜(6)
の諸特性を合わせ持った、低コストの複層ガラス用シー
リング材を配合する技術を見いだした。このことによ
り、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記の成分(A)
(B)(C)を必須成分としてなる複層ガラス用組成物
(1); (A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素
基を有する飽和炭化水素系重合体 (B)硬化触媒 (C)水または金属塩水和物 であって、(A)成分の含量が前記(1)中の15重量
%以下である複層ガラス用シーリング材に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の(A)成分である飽和炭化水素系重合体
は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキ
サン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有
基、すなわち、反応性ケイ素基を分子鎖末端に少なくと
も1個有する飽和炭化水素系重合体が使用される。 反
応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、芳香環
以外の炭素ー炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合
体であり、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加
ポリイソプレンなどがあげられる。
【0009】応性ケイ素基としては、一般式(1):
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
(R’)3SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素数
1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で
示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、
それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さ
らに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、
1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になるこ
とはない。また、mは0または1〜19の整数である)
で表される基があげられる。
【0012】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0013】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+m
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。反応性ケイ素基
としては、特に式
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
されるものが、入手が容易であるので好ましい。飽和炭
化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は1個以上で
あり、1.1〜5個あることが好ましい。分子中に含ま
れる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が
不充分になり、良好なゴム弾性が得られなくなることが
ある。反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体分子鎖
の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両方にあ
ってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端にある
ときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽和炭化
水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強
度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点
から好ましい。
【0016】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。本出願発明に用いる反応性ケイ素基を有する
飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エ
チレン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどの
ような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマー
として重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンな
どのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、
上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加
するなどの方法により得ることができるが、イソブチレ
ン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官
能基を導入しやすく、分子量を制御しやすいので好まし
い。
【0017】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50重量%以下、さらに好
ましくは30重量%以下、とくに好ましくは10重量%
以下の範囲で含有してもよい。このような単量体成分と
しては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニ
ルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、ア
リルシラン類などがあげられる。このような共重合体成
分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメ
チルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテ
ン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシク
ロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、αーメチ
ルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、
ジクロロスチレン、βーピネン、インデン、ビニルトリ
クロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジ
メチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、
ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジ
ビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、
1,3−ジビニルー1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラ
ン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシ
ラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメ
トキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジク
ロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメ
チルシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチ
ルジメトキシシランなどがあげられる。
【0018】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素
系重合体においても、上記イソブチレン系重合体のばあ
いと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体
単位を含有させてもよい。
【0019】また、本出願発明に用いる反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体には、本出願発明の目的
が達成される範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポ
リエン化合物のような重合後2重結合の残るような単量
体単位を少量、好ましくは10重量%以下、さらには5
重量%以下、とくには1重量%以下の範囲で含有させて
もよい。
【0020】飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブ
チレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数
平均分子量は500〜30,000程度であるのが好ま
しく、とくに1,000〜15,000程度の液状ない
し流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から好ま
しい。 つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系
重合体の製法について説明する。
【0021】反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重
合体のうち、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法
(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する
特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端
官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合
体を用いて製造することができる。
【0022】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特開昭63−6003号、特開昭63
−254149号、特開昭64−22904号、特開昭
64−38407号の各明細書などに記載されている。
また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレ
ン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー中に
反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン
類を添加し、共重合せしめることにより製造される。
【0023】さらに、イソブチレン系重合体を製造する
重合反応の際に、主成分であるイソブチレンモノマー以
外に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類などを共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基
を導入することにより、末端および分子鎖内部に反応性
ケイ素基を有するイソブチレン系重合体が製造される。
【0024】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0025】上記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) 〔式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、R4−OCO−または−R4−C
O−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、ア
ルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラ
ルキレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−
CH2−、−R”−C6H5−CH2−(R”は炭素数
1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに
好ましい〕で示される有機ハロゲン化合物を反応させる
ことにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジ
エン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエ
ン系重合体ともいう)が製造される。
【0026】なお、ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重
合体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法として
は、Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金
属水素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;
NaOH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応さ
せる方法があげられる。上記方法では、出発原料として
使用した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体と
ほぼ同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエ
ン系重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得た
い場合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応
させる前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベン
ゼン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1
分子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合
物と反応させれば分子量を増大させることができ、その
後一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応さ
せれば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有す
る水添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
【0027】上記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドは入手が容易であり、
しかも容易に反応するので好ましい。
【0028】上記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同
様、たとえば、一般式(2)で表される基に水素原子が
結合したヒドロシラン化合物、好ましくは一般式:
【0029】
【化4】
【0030】(式中、R2、X、aは前記に同じ)で示
される化合物を白金系触媒を用いて付加反応をさせるこ
とにより製造される。上記一般式(2)で表される基に
水素原子が結合したヒドロシラン化合物としては、たと
えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメ
チルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハ
ロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシ
ラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセト
キシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチ
ルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシ
ルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメー
トシラン類などがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン
類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0031】上記のように反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、例えば主鎖中に不飽和
結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重合体
のような従来のゴム系重合体よりなるシーリング剤など
とくらべて、著しく耐候性がよくなる。また、該重合体
は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性がよ
く、ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して優れ
た接着性能を有するとともに、湿気遮断性の良好な硬化
物になる。
【0032】本出願発明の硬化性組成物中の反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10重量
%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、5
0重量%以上がとくに好ましい。本発明の(B)成分と
して使用する硬化触媒は、シラノール縮合触媒として従
来公知のものである。その具体例としては、例えば、テ
トラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等の
チタン酸エステル類;ジブチル錫ジウラレート、ジブチ
ル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸
錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オ
キサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジ
アセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルア
セトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテー
ト、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテ
ート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテト
ラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセト
ナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルア
ミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミ
ン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと
多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰
のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミ
ノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール複
合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知の
シラノール縮合触媒等が例示できる。これらの触媒は、
単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0033】この成分(B)の配合量は、成分(A)で
ある飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.1
〜20重量部程度が好ましく、1〜10重量部が更に好
ましい。成分(B)の配合量がこの範囲を下回ると硬化
速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行
し難くなる場合がある。一方、成分(B)の配合量がこ
の範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、
良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短
くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0034】本発明の(C)成分である水あるいは金属
塩の水和物は、(A)成分である飽和炭化水素系重合体
の縮合硬化時に必要な水分の供給源として作用し、架橋
構造の形成を促進するものである。水分源が水以外の場
合、金属塩の水和物は通常市販されているものを広く用
いうることができ、例えばアルカリ土類金属塩の水和
物、その他の金属塩の水和物等が挙げられる。具体的に
は、 Al2O3・H2O,Al2O3・3H2O,Al2(SO4)
3・18H2O,Al2(C2O4)3・4H2O,AlNa
(SO4)2・12H2O,AlK(SO4)2・12H2
O,BaCl2・2H2O,Ba(OH)2・8H2O,C
aSO4・2H2O,CaS2O3・6H2O,Ca(NO
3)2・4H2O,CaHPO4・2H2O,Ca(C2O
4)・H2O,Co(NO3)2・6H2O,Co(CH3C
OO)2・4H2O,CuCl2・2H2O,CuSO4・
5H2O,FeCl2・4H2O,FeCl3・6H2O,
FeSO4・7H2O,Fe(NH4)(SO4)2・12
H2O,K2CO3・1.5H2O,KNaCO3・6H2
O,LiBr・2H2O,Li2SO4・H2O,MgSO
4・H2O,MgSO4・7H2O,MgHPO4・7H2
O,Mg3(PO4)2・8H2O,MgCO3・3H2O,
Mg4(CO3)3(OH)2・3H2O,MoO3・2H2
O,NaBr・2H2O,Na2SO3・7H2O,Na2
SO4・10H2O,Na2S2O3・5H2O,Na2S2O
6・2H2O,Na2B4O7・10H2O,NaHPHO3
・2.5H2O,Na3PO4・12H2O,Na2CO3・
H2O,Na2CO3・7H2O,Na2CO3・10H2
O,NaCH3COO・3H2O,NaHC2O4・H2
O,NiSO4・6H2O,NiC2O4・2H2O,Sn
O2・nH2O,NiC2O4・2H2O,Sn(SO4)2
・2H2O,ZnSO3・2H3O,ZnSO4・7H2
O,Zn3(PO4)2・4H2O,Zn(CH3COO)2
・2H2O 等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】これらの中でも、アルカリ金属塩の水和物
及びアルカリ土類金属塩の水和物が好ましく、具体的に
は MgSO4・7H2O,Na2CO3・10H2O,Na2S
O4・10H2O,Na2S2O3・5H2O,Na3PO4・
12H2O,Na2B4O7・10H2O, 等が挙げられる。
【0036】本発明に用いる水は、反応性珪素基を有す
る飽和炭化水素系重合体100部に対し、0.01〜2
5部の範囲で使用するのが好ましい。特に、0.05〜
15部、さらには、0.2〜5部の範囲で使用するのが
好ましい。また、本発明に用いる金属塩の水和物は、反
応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体100部に対
し、0.01〜50部の範囲で使用するのが好ましい。
特に、0.1〜30部、さらには、1〜10部の範囲で
使用するのが好ましい。上記の水と金属塩の水和物は1
種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用して
も良い。本発明の硬化性組成物には種々の添加物を併用
できる。代表的な添加剤は接着性付与剤である。その代
表例としては、シランカップリング剤を挙げることがで
きる。但しシランカップリング剤以外の接着性付与剤も
用いることができる。シランカップリング剤は、加水分
解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性
ケイ素基という)及びそれ以外の官能基を有する化合物
である。加水分解基として、メトキシ基、エトキシ基等
が加水分解速度の速い点から好ましい。加水分解性基の
個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0037】加水分解性ケイ素基以外の官能基として
は、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。これ
らのうち、1級、2級、3級のアミノ基、エポキシ基、
イソシアネート基、イソシアヌレート等が好ましく、イ
ソシアネート基、エポキシ基が特に好ましい。
【0038】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルプロピルトリメトキシシラ
ン、n−β−(n−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプ
ロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン
類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチル
トリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、n−β−(n−カ
ルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン
等のビニル型不飽和基含有シラン類;γクロロプロピル
トリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス
(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシア
ヌレートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキ
シシラン等のイソシアネートキ含有シラン類等を挙げる
ことができる。
【0039】また、これらを変性した誘導体である、ア
ミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不
飽和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラ
ン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル
化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップ
リング剤として用いることができる。このようなシラン
カップリング剤は水分の存在下で分解しやすいが、本発
明の組成物の(A)成分に添加すれば安定に存在でき
る。
【0040】また、シランカップリング剤以外の接着性
付与剤として、分子中にエポキシ基やイソシアネート基
を持つ化合物(イソシアネートの多量体も含む)も勿論
使用することに何ら差し支えない。本発明に用いる接着
性付与剤は、通常、反応性珪素基含有飽和炭化水素系重
合体100部(重量部、以下同様)に対し、0.01〜
20部の範囲で使用される。特に、0.1〜10部の範
囲で使用するのが好ましい。上記接着性付与剤は1種類
のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良
い。
【0041】本発明の組成物には、種々の充填剤を配合
することにより更に変性することができる。このような
充填剤としては、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブラックの
ような補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カ
ルシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、酸化チタン、
ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜
鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤;ガラス繊維及びフ
ィラメントのような繊維状充填剤が使用できる。
【0042】これらの充填剤で、強度の高い硬化性組成
物を得たい場合には、主にフュームドシリカ、沈降性シ
リカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブ
ラックのような補強性充填剤を本発明の(A)成分中の
飽和炭化水素系重合体100重量部に対して1〜100
重量部の範囲で使用すれば機械特性において、高強度・
高モジュラスの硬化物を得ることができる。また、反対
に低モジュラスで高伸びの硬化物を得たい場合には、重
質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、珪藻土、焼成
クレー、クレー、酸化チタン、ベントナイト、有機ベン
トナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛及び活性亜鉛華等のよ
うな充填剤を本発明の(A)成分中の飽和炭化水素系重
合体100重量部に対して5〜400重量部の範囲で使
用すればよい。もちろん、これらの充填剤は1種類のみ
で使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良
い。充填剤は(A)成分に添加してもよいし、(B)成
分に添加してもよいし、両者に添加してもよい。
【0043】本発明の組成物において、可塑剤を充填剤
と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、
多量の充填剤を混合できるためより有用である。前記可
塑剤としては一般に用いられている可塑剤が使用できる
が、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体と相溶性のよ
いものが好ましい。可塑剤の具体例としては、例えばプ
ロセスオイル、ポリブテン、水添ポリブテン、α−メチ
ルスチレンオリゴマ−、液状ポリブタジエン、水添液状
ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチ
ックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ま
しくは不飽和結合を含まないプロセスオイル、水添ポリ
ブテン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフ
テン油などの炭化水素系化合物類が好ましい。さらに本
発明の硬化性組成物には、必要に応じてその他の酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃性付与剤、チクソ
性付与剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することがで
きる。
【0044】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。 製造例1 飽和炭化水素系重合体(A)の製造 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブにP−DCC〔1,
4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン〕
【0045】
【化5】
【0046】7.5mmolを入れ、撹拌用羽根、三方
コック及び真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換
した。その後、三方コックの一方から窒素を流しなが
ら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−シ−
ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330mL、
ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−ピコ
リン3.0mmolを添加した。
【0047】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが113g入
っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を撹拌し
ながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部
を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを
耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。
その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧
に戻した。
【0048】次に、重合容器内が−70℃で安定してい
ることを確認し、TiCl4 7.18g(3.8mm
ol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を
開始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシ
ラン2.57g(22.5mmol)を添加した。さら
に1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むこと
により触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回
洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、ア
リル末端のイソブチレンポリマ−を得た。
【0049】次いで、こうして得られたアリル末端のイ
ソブチレンポリマ−100gを、n−ヘプタン50mL
に溶解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシ
シラン1.2[eq./アリル基]、白金(ビニルシロ
キサン)錯体1×10−4[eq./アリル基]を添加
し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRスペクト
ルにより反応追跡を行い、約4時間で1640cm−1
のオレフィン由来の吸収が消失したのを確認し、反応を
停止した。
【0050】反応溶液を減圧濃縮することにより、目的
とする両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレン重合
体が得られた。両末端に反応性ケイ素を有するイソブチ
レン重合体の構造を以下に示す。
【0051】
【化6】
【0052】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.5〜3.4)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。 1H-NMRはVa
rian Gemini300 (300MHz for 1H)を用いCDCl3中で測定
した。
【0053】なお、FT−IRは島津製作所製IR-408、
GPCは送液システムとしてWaters LCModule1、カラムはS
hodex K-804を用いて行なった。 分子量はポリスチレ
ンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。 重
合体の分析値は、Mn=11416、Mn/Mw=1.
47、Fn(シリル)=1.95であった(数平均分子
量はポリスチレン換算、末端シリル官能基数はイソブチ
レン重合体1分子当たりの個数)。 実施例1および比較例1,2 製造例1で得られた重合体を表1に示す配合部数で、パ
ラフィン基プロセスオイルとして(出光興産(株)製、
商品名ダイアナプロセスPS−32)、以下、重質炭酸
カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、商品名スノーラ
イトSS)、膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、
商品名EDS−D10A)100部、タルク(丸尾カル
シウム(株)製、商品名LMR)、芒硝(試薬、Na2
SO4・10H2O)を使用し、三本ペイントロールでよ
く混練し主剤とした。硬化触媒としては、日東化成
(株)製、商品名U−220を用いた。試験用のサンプ
ルは、上記の主剤と、硬化剤を表2の重量比になるよう
に秤量し、充分混練した後、配合物を約シート状サンプ
ルとした後、オーブン中で硬化させた。養生条件はいず
れも、23℃×7日+50℃×7日である。表1に配合
物中の、ポリマーコンテント(製造例1で得られた飽和
炭化水素系重合体の含量)を15,30,20重量%と
変えた場合の上記試験サンプルにて JISZ 0208規定の
透湿度試験方法に従って、測定した透湿度を示す。表1
より実施例1はポリマーコンテントが15重量%である
にも関わらず、比較例1,2(重合体の含量30重量
%,20重量%)と比較してわかるとおり、高い水蒸気
遮断性を保持している。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2〜5 主剤側は、製造例1で得られた重合体を用い表2に示す
配合で、三本ペイントロールでよく混練することにより
作製した。なお、老化防止剤は(チバガイギー(株)
製、商品名イルガノックス1010)、以下(住友化学
(株)製、商品名スミソーブ400)、(三共(株)
製、商品名サノールLS−765)、光安定剤(三新化
学(株)製、商品名サンダントNBC)、(ACC
(株)製、商品名CYASORB UV−1084)、
光硬化性樹脂(東亞合成(株)製、商品名アロニクスM
400)、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名
ディスパロン#305)3部、シランカップリング剤
(日本ユニカー(株)製、商品名A−1310)、(日
本ユニカー(株)製、商品名A−187)を用いた。ま
た、硬化剤は、硬化触媒SCAT−27として三共有機
(株)製を用い、表2の配合表の成分をディスポーザル
カップ中で手混ぜ混練した後、日本精機製作所(株)製
のエクセル・オート・ホモジナイザーを用いて、回転数
10000rpmで10分間撹拌する操作を3回行うこ
とにより作製した。試験用サンプルは、JIS A 5758-199
2規定の引張接着性試験体の作製方法に従って、ガラ
ス、あるいはアルミ基材をH型に組み、上記の主剤と、
硬化剤を表2の重量比になるように秤量し、充分混練し
た後、配合物を充填した後、オーブン中で硬化させた。
養生条件はいずれも、23℃×7日+50℃×7日。H
型引張試験用に用いた基材は、 JIS A5758-1992に準拠
したフロートガラス(広苑社製:日本シーリング材工業
会指定、寸法:3×5×0.5cm)、JIS H 4000に準
拠した純アルミニウム(太佑基材製:A 1100 P、寸法:
5×5×0.2cm)、または TiOxを表面に熱融着さ
せた熱線反射ガラス(商品名:KLS、寸法:5×5×
0.6cmの3種である。 これらの被着体は、配合物
を充填する前に、メチルエチルケトン(和光純薬製:特
級)で洗浄し、清浄な綿布でふいた。上記の方法で作製
した H型引張試験サンプルは、JIS A 5758-1992規定
の引張接着性試験方法に従って、温度23℃、湿度65
±5%の恒温室中、引張速度50mm/minの条件で
行った。試験結果を表3に示す。表中の凝集破壊(CF)
・薄層破壊(TCF)・界面破壊(AF)の割合は、引張試験
後の破断面を目視にて評価した割合である。表3よりわ
かるとおり、実施例2〜5では、全ての被着体に良好な
接着性を示した。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】実施例6および比較例3 実施例5および表4に示す配合にて同様に作製した配合
物を用い、JISR3209に準じた、複層ガラスを作
製した。なお、スペーサーには、市販品に用いられてい
る(厚み方向に対して)5ミリ厚の純アルミ製のものを
用い、内部には乾燥剤としてモレキュラーシーブと3A
とシリカゲルとを重量比にて約3対1比で混合したもの
を約10g充填した。また、スペーサーには通常1次シ
ールとして用いられるホットメルトブチルは用いず、事
務用の両面テーフ゜にてガラス面とスペーサーを固定した。
その後、スペーサー外部とガラス周辺部に形成された空
隙に、配合物を充填し複層ガラスを作製した。養生条件
はいずれも、23℃×7日+50℃×7日である。養生
を終えた複層ガラスユニットはそれぞれ、スガ試験機製
の複層ガラス試験機に入れ、JISR3209に準じた
高温高湿および冷熱サイクル試験を行い、試験後の複層
ガラスの厚み及び露点測定を実施した。結果を表5に示
す。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【発明の効果】配合系中の飽和炭化水素系重合体含有量
が、15重量%以下であり、水蒸気遮断性が良好であ
り、低コストの複層ガラス用シーリング材を提供するこ
と。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/10 C09K 3/10 Q

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)(B)(C)を必須成分
    としてなる硬化性組成物(1); (A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素
    基を有する飽和炭化水素系重合体 (B)硬化触媒 (C)水または金属塩水和物 であって、(A)成分の含量が前記(1)中の15重量
    %以下である複層ガラス用シーリング材
  2. 【請求項2】(A)成分が、シロキサン結合を形成する
    ことにより架橋しうるケイ素原子に結合した加水分解性
    基を分子鎖末端に少なくとも1個有するイソブチレン系
    重合体であって、かつ数平均分子量が500〜3000
    0である重合体である請求項1記載の複層ガラス用シー
    リング材
  3. 【請求項3】(A)成分の飽和炭化水素系重合体が一般
    式(1): 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
    素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される末端を有
    することを特徴とする請求項1又は2記載の複層ガラス
    用シーリング材
  4. 【請求項4】(A)成分の飽和炭化水素系重合体の一般
    式(1)で表される末端中のXがアルコキシ基である請
    求項1〜3記載の複層ガラス用シーリング材
  5. 【請求項5】(A)成分の含量が前記(1)中の10重
    量%以下である請求項1〜4記載の複層ガラス用シーリ
    ング材
JP1723698A 1998-01-29 1998-01-29 複層ガラス用シーリング材 Pending JPH11209539A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1723698A JPH11209539A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 複層ガラス用シーリング材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1723698A JPH11209539A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 複層ガラス用シーリング材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11209539A true JPH11209539A (ja) 1999-08-03

Family

ID=11938323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1723698A Pending JPH11209539A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 複層ガラス用シーリング材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11209539A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282741A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The 硬化性樹脂組成物
JP2009542846A (ja) * 2006-07-03 2009-12-03 ダウ・コーニング・コーポレイション 化学的硬化性一体型ウォームエッジスペーサー及びシール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282741A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The 硬化性樹脂組成物
JP2009542846A (ja) * 2006-07-03 2009-12-03 ダウ・コーニング・コーポレイション 化学的硬化性一体型ウォームエッジスペーサー及びシール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1099728B1 (en) Curable composition
JP5081673B2 (ja) 硬化性組成物
JP4150220B2 (ja) 硬化性組成物
EP0839872B1 (en) Curable polymer having reactive silicon-containing functional groups
US6335412B1 (en) Curable composition
JP3774559B2 (ja) 硬化性組成物
JPH10204303A (ja) 硬化性組成物
JPH11209701A (ja) プライマー組成物および接着方法
JP2001262066A (ja) プライマー組成物および接着方法
JP2002080783A (ja) プライマー組成物および接着方法
JPH11209540A (ja) 複層ガラス用シーリング材
JPH11209702A (ja) プライマー組成物および接着方法
JPH10316804A (ja) 硬化性組成物
JPH11209539A (ja) 複層ガラス用シーリング材
JP3633752B2 (ja) 硬化性組成物
US20010053806A1 (en) Curable composition
JP2001262040A (ja) プライマー組成物および接着方法
JPH09286895A (ja) 硬化性組成物
JP3636555B2 (ja) 硬化性組成物および硬化性組成物の貯蔵安定性を改善する方法
JP3458020B2 (ja) 硬化性組成物
JPH10182992A (ja) 硬化性組成物
JPH11209638A (ja) 硬化性組成物
JPH10205013A (ja) Ssg構法用シーリング材
JPH11209538A (ja) 硬化性組成物
JPH10182991A (ja) 硬化性組成物