JPH10182991A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH10182991A
JPH10182991A JP30064097A JP30064097A JPH10182991A JP H10182991 A JPH10182991 A JP H10182991A JP 30064097 A JP30064097 A JP 30064097A JP 30064097 A JP30064097 A JP 30064097A JP H10182991 A JPH10182991 A JP H10182991A
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group
curable composition
polymer
saturated hydrocarbon
reactive silicon
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JP30064097A
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English (en)
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Makoto Chinami
誠 千波
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Masafumi Sakaguchi
雅史 坂口
Junji Takase
純治 高瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿分硬化性ポリイソブチレンなどの、ケイ素原
子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形
成することにより架橋しうるケイ素含有基を有する飽和
炭化水素系重合体を含有する硬化性組成物であって、架
橋速度が大きい硬化性組成物を提供すること。 【解決手段】シラノール縮合触媒として4価の錫アルコ
ラートをもちいる。すなわち、(A)ケイ素原子に結合
した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成するこ
とにより架橋しうるケイ素含有基を有する飽和炭化水素
系重合体、(B)4価の錫アルコラートを含有する硬化
性組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素原子に結合
した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成するこ
とにより架橋しうるケイ素含有基を有する飽和炭化水素
系重合体を含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ケイ素原子に結合した加水分解性基を有
し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケ
イ素含有基(以下、反応性珪素基ともいう)は、例え
ば、−Si(OCH3 3 で表される基で、よく知られ
た官能基である。この官能基は空気中の水分等により加
水分解し、−Si(OH)3 等、を経て他の反応性珪素
基とシラノール縮合反応によりシロキサン結合(Si−
O−Si)を生じる基である。 (CH3O)3Si〜〜〜〜〜〜〜〜Si(OCH3)3 → [(HO)3Si〜〜〜〜〜〜〜〜Si(OH)3] → ( 〜〜〜〜SiO)3Si 〜〜〜〜〜〜〜〜Si(OSi〜〜〜〜)3 従って反応性珪素基を有するポリマーは湿分存在下で室
温の下でも架橋硬化する。このようなポリマーの中で、
主鎖骨格がゴム系の重合体は、室温では粘度が高い液状
で硬化によりゴム弾性体となる特性を有し、建築用シー
リング材、工業用シーリング材に広く用いられている。
シーリング材は壁材等の建築材料の隙間(目地)等に充
填施工して、硬化させ隙間をふさいで水密、気密を保つ
ために用いられるものである。
【0003】反応性珪素基を有するポリマーの架橋硬化
にはシラノール縮合触媒を用いることが多い。通常短時
間で硬化が完了するシラノール縮合触媒が求められる。
【0004】上記のゴム系重合体のなかでポリイソブチ
レンのような飽和炭化水素系重合体は優れた耐候性、耐
熱性、ガスバリアー性を有する硬化物を生成する重合体
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は反応性
珪素基を有する飽和炭化水素系重合体を含有する硬化せ
い組成物であって、大きい硬化速度を有する組成物を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明の課題は、(A)ケ
イ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結
合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を有す
る飽和炭化水素系重合体、(B)4価の錫アルコラー
ト、を含有する硬化性組成物、によって解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽
和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和
結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素
添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあ
げられる。
【0009】反応性ケイ素基としては、一般式(1)、
【化2】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
ノシロキシ基である。また、Xは加水分解性基である。
さらに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは
0、1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0にな
ることはない。また、mは0または1〜19の整数であ
る)で表される基があげられる。
【0010】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。
【0011】これらのうちでは、アルコキシ基、アミド
基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイル
ドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに
好ましい。
【0012】加水分解性基は、1個のケイ素原子に1〜
3個の範囲で結合することができ、(a+Σb)は1〜
5個の範囲が好ましい。加水分解性基が反応性ケイ素基
中に2個以上結合する場合には、それらは同じであって
もよいし、異なってもよい。反応性ケイ素基を形成する
ケイ素原子は1個以上必要であるが、シロキサン結合な
どにより連結されたケイ素原子の場合には、20個以下
であることが好ましい。
【0013】とくに、一般式(2)
【化3】 (式中、R2、X、aは前記と同じ)で表される反応性
ケイ素基が、入手が容易であるので好ましい。
【0014】飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケ
イ素基は1個以上であり、1.1〜5個あることが好ま
しい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満
になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得
られなくなることがある。
【0015】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0016】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。
【0017】本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽
和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチ
レン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよ
うな炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーと
して重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなど
のようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上
記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加す
るなどの方法により得ることができるが、イソブチレン
系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能
基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端
官能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0018】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。
【0019】このような単量体成分としては、たとえ
ば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳
香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類な
どがあげられる。このような共重合体成分としては、た
とえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテ
ン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー
1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチ
ルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキ
シシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル
ー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビ
ニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメ
チルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ア
リルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γー
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
ーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどがあげられる。
【0020】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。
【0021】水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭
化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体
のばあいと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の
単量体単位を含有させてもよい。
【0022】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後2重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。
【0023】飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブ
チレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数
平均分子量は500〜30,000程度であるのが好ま
しく、とくに1,000〜15,000程度の液状ない
し流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から好ま
しい。
【0024】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。
【0025】反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重
合体のうち、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法
(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する
特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端
官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合
体を用いて製造することができる。例えば、この重合体
の脱ハロゲン化水素反応や特開昭63−105005号
公報に記載されているような重合体への不飽和基導入反
応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを
得る。次に、一般式
【化4】 (式中、R1、R2、X,aおよびbは前記と同じであ
る。)で表されるヒドロシラン化合物(この化合物は一
般式(1)で表される基に水素原子が結合した化合物で
ある。)、好ましくは、一般式
【化5】 (式中、R2、Xおよびaは前記と同じである。)で示
されるヒドロシラン化合物を白金触媒を用いてヒドロシ
リル化反応と呼ばれる付加反応をさせることにより反応
性ケイ素基を重合体に導入できる。
【0026】ヒドロシラン化合物としては、たとえば、
トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン
化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラ
ン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキ
シシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチル
ケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシル
ケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメート
シラン類などがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン
類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0027】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特開昭6
3−254149号、特開昭64−22904号、特開
昭64−38407号の各明細書などに記載されてい
る。
【0028】また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とする
モノマー中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類を添加し、共重合せしめることにより製
造される。
【0029】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0030】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0031】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−CO
−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラル
キレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−C
2−、−R”−C65−CH2−(R”は炭素数1〜1
0の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに好まし
い)で示される有機ハロゲン化合物を反応させることに
より、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系
重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエン系重
合体ともいう)が製造される。
【0032】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。
【0033】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分
子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体
が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合に
は、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中に
ハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応
させれば分子量を増大させることができ、その後一般式
(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、
より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポ
リブタジエン系重合体をうることができる。
【0034】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0035】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応を
させることにより製造される。
【0036】前記のように反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有
機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来の
ゴム系重合体の硬化物とくらべて、著しく耐候性がよく
なる。また、該重合体は炭化水素系重合体であるので湿
気遮断性や耐水性がよく、ガラス、アルミなどの各種無
機質基材に対して優れた接着性能を有するとともに、湿
気遮断性の低い硬化物になる。
【0037】本発明の硬化性組成物全体中の反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以
上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上
がとくに好ましい。
【0038】本発明の(B)成分の4価の錫アルコラー
トとしてはジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジプ
ロポキサイドなどのジアルキル錫ジアルコキサイドが例
示できる。これらの中では、ジブチル錫ジメトキサイド
などのジアルキル錫ジメトキサイドが好ましい。通常、
ジブチル錫ビスアセチルアセトナート等のキレート化合
物やジブチル錫ジフェノキサイド等の水酸基含有芳香族
化合物の錫誘導体は4価の錫アルコラートとして分類さ
れる場合がある。しかし、本発明にいう4価の錫アルコ
ラートはジブチル錫ビスアセチルアセトナート等のキレ
ート化合物やジブチル錫ジフェノキサイド等の水酸基含
有芳香族化合物の錫誘導体を含むものではない。このよ
うなキレート化合物等も4価の錫アルコラートの1種で
あり同じような硬化速度が予想されるが、実際には本発
明の(B)成分を用いるとキレート化合物を用いる場合
より大きい硬化速度が得られる。
【0039】本発明の(A)成分の重合体の場合に特異
的なものと思われ、反応性ケイ素基を有する重合体とし
て同じゴム系重合体であるオキシアルキレン重合体を用
いた場合には、本発明の(B)成分を用いてもキレート
化合物を用いても硬化速度に大きい差はない。
【0040】本発明の(B)成分はシラノール縮合触媒
として作用するが、本発明の目的が達成されるかぎり他
のシラノール縮合触媒を併用してもよい。このようなシ
ラノール縮合触媒の具体例としては、例えば、テトラブ
チルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン
酸エステル類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ
アセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブ
チル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジ
ブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレー
ト、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジ
トリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、
ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジフェノキサイド,オクチル酸錫、ジオクチル錫
ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチ
ル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマ
レート、ジオクチル錫ジバーサテート、ナフテン酸錫等
の錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オキサイド、ジオクチ
ル錫オキサイド等の錫オキサイド類、ジブチル錫オキサ
イドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ビスア
セチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセ
トナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテー
ト、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテ
ート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテト
ラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセト
ナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルア
ミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミ
ン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと
多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰
のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミ
ノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮
合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知の
シラノール縮合触媒等が例示できる。
【0041】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。
【0042】この(B)成分のシラノール硬化触媒の配
合量は、(A)成分の飽和炭化水素系重合体100部
(重量部、以下同じ)に対して0.1〜20部程度が好
ましく、1〜10部が更に好ましい。シラノール硬化触
媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなるこ
とがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合が
ある。一方、シラノール硬化触媒の配合量がこの範囲を
上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬
化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くなり過
ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0043】本発明の組成物には(A)成分の飽和炭化
水素系重合体の縮合硬化時に必要な水分の供給源として
金属塩の水和物を添加するのが好ましい。このような、
金属塩の水和物は通常市販されているものを広く用いう
ることができ、例えばアルカリ土類金属塩の水和物、そ
の他の金属塩の水和物等が挙げられる。具体的には、A
23・H2O,Al23・3H2O,Al2(SO43
・18H2O,Al2(C243・4H2O,AlNa
(SO42・12H2O,AlK(SO42・12H
2O,BaCl2・2H2O,Ba(OH)2・8H2O,
CaSO4・2H2O,CaS23・6H2O,Ca(N
32・4H2O,CaHPO4・2H2O,Ca(C2
4)・H2O,Co(NO32・6H2O,Co(CH3
OO)2・4H2O,CuCl2・2H2O,CuSO4
5H2O,FeCl2・4H2O,FeCl3・6H2O,
FeSO4・7H2O,Fe(NH4)(SO42・12
2O,K2CO3・1.5H2O,KNaCO3・6H
2O,LiBr・2H2O,Li2SO4・H2O,MgS
4・H2O,MgSO4・7H2O,MgHPO4・7H2
O,Mg3(PO42・8H2O,MgCO3・3H2O,
Mg4(CO33(OH)2・3H2O,MoO3・2H2
O,NaBr・2H2O,Na2SO3・7H2O,Na2
SO4・10H2O,Na223・5H2O,Na22
6・2H2O,Na247・10H2O,NaHPHO3
・2.5H2O,Na3PO4・12H2O,Na2CO3
2O,Na2CO3・7H2O,Na2CO3・10H
2O,NaCH3COO・3H2O,NaHC24・H
2O,NiSO4・6H2O,NiC24・2H2O,Sn
2・nH2O,NiC24・2H2O,Sn(SO42
・2H2O,ZnSO3・2H3O,ZnSO4・7H
2O,Zn3(PO42・4H2O,Zn(CH3COO)
2・2H2O等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0044】これらの中でも、アルカリ金属塩の水和物
及びアルカリ土類金属塩の水和物が好ましく、具体的に
はMgSO4・7H2O,Na2CO3・10H2O,Na2
SO4・10H2O,Na223・5H2O,Na3PO4
・12H2O,Na247・10H2O,等が挙げられ
る。
【0045】金属塩の水和物は、反応性珪素基を有する
飽和炭化水素系重合体100部に対し、0.01〜50
部の範囲で使用するのが好ましい。特に、0.1〜30
部、さらには、1〜20部、さらには、2〜10部の範
囲で使用するのが好ましい。上記金属塩の水和物は1種
類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても
良い。
【0046】本発明の硬化性組成物には他の種々の添加
物を併用できる。代表的な添加剤は接着性付与剤であ
る。その代表例としては、シランカップリング剤を挙げ
ることができる。但しシランカップリング剤以外の接着
性付与剤も用いることができる。シランカップリング剤
は、加水分解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下
加水分解性ケイ素基という)及びそれ以外の官能基を有
する化合物である。この加水分解性ケイ素基の例として
は、一般式(1)、好ましくは一般式(2)、で表され
る基を挙げることができる。加水分解基として既に例示
した基を挙げることができるが、メトキシ基、エトキシ
基等が加水分解速度の速い点から好ましい。加水分解性
基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0047】加水分解性ケイ素基以外の官能基として
は、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。
【0048】これらのうち、1級、2級、3級のアミノ
基、エポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート
等が好ましく、イソシアネート基、エポキシ基が特に好
ましい。
【0049】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルプロピルトリメトキシシラ
ン、n−β−(n−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプ
ロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン
類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチル
トリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、n−β−(n−カ
ルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン
等のビニル型不飽和基含有シラン類;γクロロプロピル
トリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス
(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシア
ヌレートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキ
シシラン等のイソシアネートキ含有シラン類等を挙げる
ことができる。
【0050】また、これらを変性した誘導体である、ア
ミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不
飽和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラ
ン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル
化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップ
リング剤として用いることができる。
【0051】また、シランカップリング剤以外の接着性
付与剤として、分子中にエポキシ基やイソシアネート基
を持つ化合物(イソシアネートの多量体も含む)も勿論
使用することに何ら差し支えない。
【0052】本発明に用いる接着性付与剤は、反応性珪
素基含有飽和炭化水素系重合体100部(重量部、以下
同様)に対し、0.01〜20部の範囲で使用される。
特に、0.1〜10部の範囲で使用するのが好ましい。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2
種類以上混合使用しても良い。
【0053】本発明の組成物には、種々の充填剤を配合
することにより更に変性することができる。このような
充填剤としては、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブラックの
ような補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カ
ルシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、酸化チタン、
ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜
鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤;ガラス繊維及びフ
ィラメントのような繊維状充填剤が使用できる。
【0054】これらの充填剤で、強度の高い硬化性組成
物を得たい場合には、主にフュームドシリカ、沈降性シ
リカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブ
ラックのような補強性充填剤を本発明の(A)成分の飽
和炭化水素系重合体100部に対して1〜100部の範
囲で使用すれば機械特性において、高強度・高モジュラ
スの硬化物を得ることができる。また、反対に低モジュ
ラスで高伸びの硬化物を得たい場合には、重質炭酸カル
シウム、膠質炭酸カルシウム、珪藻土、焼成クレー、ク
レー、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、
酸化第二鉄、酸化亜鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤
を本発明の(A)成分中の飽和炭化水素系重合体100
部に対して5〜400部の範囲で使用すればよい。もち
ろん、これらの充填剤は1種類のみで使用しても良い
し、2種類以上混合して使用しても良い。
【0055】本発明の組成物において、可塑剤を充填剤
と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、
多量の充填剤を混合できるためより有用である。前記可
塑剤としては一般に用いられている可塑剤が使用できる
が、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体と相溶性のよ
いものが好ましい。可塑剤の具体例としては、例えばプ
ロセスオイル、ポリブテン、水添ポリブテン、α−メチ
ルスチレンオリゴマ−、液状ポリブタジエン、水添液状
ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチ
ックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ま
しくは不飽和結合を含まないプロセスオイル、水添ポリ
ブテン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフ
テン油などの炭化水素系化合物類が好ましい。さらに本
発明の硬化性組成物には、必要に応じてその他の酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃性付与剤、チクソ
性付与剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することがで
きる。
【0056】本発明の組成物においては、2液組成物及
び3液以上の組成物が好ましい。2液組成物として使用
する場合には、例えば、充填剤、可塑剤等が添加された
本発明の(A)成分である主剤と充填剤、可塑剤等が添
加された本発明の(B)成分である硬化剤とにわけ、使
用直前に両成分を混合して使用すると、長期間の保存後
も初期の硬化物物性を安定して発現できる。
【0057】本発明の組成物は主に弾性硬化性組成物と
して有用であり、電子電気、土木止水、建造物、船舶、
自動車、道路等のシール用途に使用することができる。
さらに、ノンプライマーでガラス、石材、セラミック、
木材、合成樹脂、金属等のような広範囲の基材に強固に
接着するため、種々のタイプの接着性組成物として使用
することが可能である。
【0058】本発明の硬化性組成物は特に複層ガラス用
シーリング材に有用であり、フロートガラス、表面処理
された各種熱線反射ガラスおよび純アルミや陽極酸化ア
ルミ等のスペーサーに対して長期間にわたり安定した接
着性を発現する。
【0059】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。
【0060】
【製造例1】 飽和炭化水素系重合体の製造 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブにP−DCC(下記
化合物A)7.5mmolを入れ、攪拌用羽根、三方コ
ック及び真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換し
た。
【0061】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−
シ−ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330m
L、ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−
ピコリン3.0mmolを添加した。
【0062】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが113g入
っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を攪拌し
ながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部
を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを
耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。
その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧
に戻した。
【0063】次に、重合容器内が−70℃で安定してい
ることを確認し、TiCl4 7.18g(3.8mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシラ
ン2.57g(22.5mmole)を添加した。さら
に1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むこと
により触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回
洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、ア
リル末端のイソブチレンポリマ−を得た。
【0064】尚、化合物Aの構造は下記に示す通りであ
る。
【0065】
【化6】 次いで、こうして得られたアリル末端のイソブチレンポ
リマ−100gを、n−ヘプタン50mLに溶解し、約
70℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.2
[eq./アリル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体
1×10-4[eq./アリル基]を添加し、ヒドロシリ
ル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、
約4時間で1640cm-1のオレフィン由来の吸収が消
失したのを確認し、反応を停止した。
【0066】反応溶液を減圧濃縮することにより、目的
とする両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリ
マーが得られた。
【0067】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz 1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.5〜3.4)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。ポリマーの分
析値は、Mn=11416、Mn/Mw=1.47、F
n(シリル)=1.95であった(数平均分子量はポリ
スチレン標品を用いた相対的値、Fn(シリル)はイソ
ブチレンポリマー1分子当たりの末端シリル官能基の個
数)。
【0068】
【化7】
【実施例1および比較例1】製造例1で得られた重合体
100部に対し、パラフィン系プロセスオイル(出光興
産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)90
部、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商
品名PO320B)180部、膠質炭酸カルシウム(白
石工業(株)製、商品名EDS−D10A)50部、タ
ルク(丸尾カルシウム(株)製、商品名LMR)100
部、老化防止剤(チバガイギー(株)製、商品名イルガ
ノックス1010)1部、(住友化学(株)製、商品名
スミソーブ400)1部、(三共(株)製、商品名サノ
ールLS−765)1部、光安定剤(三新化学(株)
製、商品名サンダントNBC)3部、光硬化性樹脂(東
亞合成(株)製、商品名アロニクスM400)3部、チ
クソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名ディスパロン
#305)5部、シランカップリング剤 γ−イソシア
ネートプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー
(株)製、商品名Y−9030)4部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)
製、商品名A−187)2部を加え、三本ペイントロー
ルでよく混練し主剤とした。
【0069】また、シラノール縮合触媒としてジブチル
錫ジメトキサイド(アルドリッチケミカル(株)製)4
部、芒硝(Na2SO4・10H2O)4部、パラフィン
基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナ
プロセスPS−32)10部、重質炭酸カルシウム(丸
尾カルシウム(株)製、商品名スノーライトSS)20
部、カーボンブラック(三菱化成(株)製、商品名CB
#30)2.5部をディスポーザルカップ中で手混ぜ混
練した後、日本精機製作所(株)製のエクセル・オート
・ホモジナイザーを用いて、回転数10000rpmで
10分間攪拌する操作を3回行うことにより実施例1の
硬化剤を調整した。
【0070】ジブチル錫ジメトキサイド4部(アルドリ
ッチケミカル(株)製)にかえて、ジブチル錫ビスアセ
チルアセトナート(日東化成(株)製、商品名U−22
0)を用いる他は実施例1と同様して比較例2の硬化剤
を調整した。
【0071】上記の組成物はそれぞれ密封したガラス瓶
にいれ、50℃のパーフェクトオーブン中に1ヶ月保存
し、組成物の作成直後と保存後の各種基材に対する接着
性および機械特性を以下の試験方法により調べた。結果
を表1に示す。
【0072】引張試験用サンプルは、JIS A 5758-1992
規定の引張接着性試験体の作製方法に従って、ガラス、
あるいはアルミ基材をH型に組み、上記の主剤と、硬化
剤を主剤成分部数の合計対硬化剤成分部数の合計の比に
なるように秤量し、充分混練した後、配合物を充填した
後、オーブン中で硬化させた。養生条件はいずれも、2
3℃×7日+50℃×7日である。H型引張試験用に用
いた基材は、 JIS A 5758-1992に準拠したフロートガラ
ス(広苑社製:日本シーリング材工業会指定、寸法:3
×5×0.5cm)、またはJIS H 4000に準拠した純ア
ルミニウム(太佑基材製:A 1100 P、寸法:5×5×
0.2cm)、熱線反射ガラス(商品名:KLS、寸
法:5×5×0.6cm)、の3種である。これらの被
着体は、配合物を充填する前に、メチルエチルケトン
(和光純薬製:特級)で洗浄し、清浄な綿布でふいた。
【0073】作製したH型引張試験サンプルの評価は、
JIS A 5758-1992規定の引張接着性試験方法に従って、
温度23℃、湿度65±5%の恒温室中、引張速度50
mm/minの条件で行った。表中の凝集破壊(CF)薄
層破壊(TCF)接着破壊(AF)の割合は、引張試験後の
破断面を目視にて評価した割合である。
【0074】また、実施例1、比較例1の硬化物を30
℃で硬化させ、JIS硬度20に達するまでの時間を測
定して硬化速度を調べた。実施例1の場合は硬化時間は
約4時間であるのに対し比較例1の場合10時間であ
り、本発明の場合半分以下の時間で硬化することがわか
った。
【0075】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の組成物は硬化速度が
大きいにもかかわらず、硬化速度が小さい同種類の硬化
触媒を用いる場合に比較し、保存安定性が同じように良
好で、組成物の硬化物の引張特性や各種基材に対する接
着性なども遜色がない。
【0076】
【実施例2】ジブチル錫ジメトキサイド4部にかえてジ
ブチル錫ジプロポキサイド4.76部を用いる他は実施
例1と同様に硬化剤を調製した。この硬化剤と実施例1
と同じ主剤を用い、実施例1と同様に硬化速度を調べた
ところ硬化時間は約4時間であった。
【0077】
【発明の効果】本発明の組成物は短時間で硬化が完了
し、保存安定性も良好で、組成物の硬化物の引張特性や
各種基材に対する接着性などもすぐれ、種々の用途にお
いて生産性の向上を図ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した加水分解性
    基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し
    うるケイ素含有基を有する飽和炭化水素系重合体、
    (B)4価の錫アルコラートを含有する硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体がイ
    ソブチレン系重合体である請求項1記載の硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のケイ素原子に結合した加水
    分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより
    架橋しうるケイ素含有基が一般式(1)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
    数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは加水分解性基である。
    さらに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは
    0、1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0にな
    ることはない。また、mは0または1〜19の整数であ
    る)で表される基である請求項1記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 4価の錫化合物がジアルキル錫ジアルコ
    キサイドである請求項1記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 4価の錫化合物がジアルキル錫ジメトキ
    シドである請求項1記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 4価の錫化合物がジアルキル錫ジイソロ
    ポキシドである請求項1記載の硬化性組成物。
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