JPH11209538A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH11209538A
JPH11209538A JP1276398A JP1276398A JPH11209538A JP H11209538 A JPH11209538 A JP H11209538A JP 1276398 A JP1276398 A JP 1276398A JP 1276398 A JP1276398 A JP 1276398A JP H11209538 A JPH11209538 A JP H11209538A
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JP
Japan
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group
curable composition
saturated hydrocarbon
polymer
reactive silicon
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Application number
JP1276398A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Makoto Chinami
誠 千波
Junji Takase
純治 高瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合
体を主成分として含有する硬化性組成物の各種被着体に
対する接着性を改善すること。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
飽和炭化水素系重合体と、(B)チタネート類、を含有
する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素原子に結合
した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合
を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、
「反応性ケイ素基」という。)を有する飽和炭化水素系
重合体を主成分として含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素
基を含有する飽和炭化水素系重合体は、室温においても
湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシ
ロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得
られるという興味深い性質を有することが知られてい
る。この重合体は、耐熱性、耐水性、耐候性などに優れ
るため、建築用シーリング材や複層ガラス用シーリング
材等に用いると有効である。
【0003】この複層ガラス用シーリング材には、プラ
イマーを塗布しないで各種被着体に対して強固に接着す
ること、つまり、ノンプライマー接着性に優れることが
求められている。近年では、複層ガラス用シーリング材
だけでなく建築用弾性シーラント等においても、施工業
者の効率を向上させる目的で、ノンプライマーで各種被
着体に対して強固に接着することが求められつつある。
しかし、先述の反応性ケイ素基を含有する飽和炭化水素
系重合体を用いた場合には、ノンプライマーでの接着性
が不充分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体を主成分とする硬化
性組成物の各種被着体に対する接着性を改善することを
目的とする。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、この重合体
に特定の化合物を添加することによって、この組成物に
硬化物物性・作業性・硬化性・貯蔵安定性の低下などの
悪影響を及ぼさないで、該組成物の接着性を改善するこ
とができることを見い出すことにより前記問題を解決
し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、(A)反応性ケイ素
基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)チタネート類、を含有することを特徴とする硬化
性組成物に関するものであり、とくに、(A)分子中に
少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有する、分子量が
500〜50,000である飽和炭化水素系重合体10
0重量部に対して、(B)チタネート類0.1〜20重
量部、を含有することを特徴とする接着性の改善された
硬化性組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和炭化
水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和結合を
実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポ
リブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられ
る。
【0008】反応性ケイ素基としては、一般式(1)、
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基ま
たは(R’)3SiO−(R’、それぞれ独立に、は水
素原子または炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭
化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基で
ある。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水
分解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれ
かであり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbと
が同時に0になることはない。また、mは0または1〜
19の整数である)で表される基があげられる。
【0011】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0012】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。
【0013】とくに、一般式(3)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、原料の入手が容易であるので
好ましい。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ
素基は1個以上であり、1.1〜5個あることが好まし
い。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満に
なると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得ら
れなくなることがある。
【0016】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0017】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレ
ン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよう
な炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとし
て重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどの
ようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記
オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する
などの方法により得ることができるが、イソブチレン系
重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基
を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官
能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0018】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0019】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化
水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の
ばあいと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単
量体単位を含有させてもよい。
【0020】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後二重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。飽和炭化水素
系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添
ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜5
0,000程度であるのが好ましく、とくに1,000
〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが
取扱いやすいなどの点から好ましい。
【0021】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能
型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開
昭63−105005号公報に記載されているような重
合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有
するポリイソブチレンを得た後、一般式
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R1、R2、X、aおよびbは前
記と同じである。)で表されるヒドロシラン化合物(こ
の化合物は一般式(1)で表される基に水素原子が結合
した化合物である。)、好ましくは、一般式
【0024】
【化5】
【0025】(式中、R2、Xおよびaは前記と同じで
ある。)で表されるヒドロシラン化合物を白金触媒を用
いてヒドロシリル化反応と呼ばれる付加反応をさせるこ
とにより反応性ケイ素基を重合体に導入する方法があげ
られる。ヒドロシラン化合物としては、たとえば、トリ
クロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロ
シラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シ
ラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メ
チルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェ
ニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メ
チルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン
のようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシ
メート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシ
メート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アル
コキシシラン類が好ましい。
【0026】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特許公報
第2512468号、特開昭64−22904号、特許
公報第2539445号の各明細書などに記載されてい
る。また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブ
チレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー
中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類を添加し、共重合せしめることにより製造され
る。
【0027】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0028】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0029】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(4): CH2=CH−R3−Y (4) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−
CO−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、
アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、
−CH2−、−R”−C6H5−CH2−(R”は炭素
数1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとく
に好ましい)で示される有機ハロゲン化合物を反応させ
ることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタ
ジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジ
エン系重合体ともいう)が製造される。
【0030】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。前記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(4)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(4)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体をうることができる。
【0031】前記一般式(4)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0032】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応を
させること等により製造される。前記のように反応性ケ
イ素基を有する飽和炭化水素系重合体が、芳香環でない
不飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不
飽和結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重
合体のような従来のゴム系重合体よりなるシーリング剤
などとくらべて、著しく耐候性がよくなる。また、該重
合体は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性
がよく、ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して
優れた接着性能を有するとともに、湿気遮断性の高い硬
化物になる。
【0033】本発明の硬化性組成物中の反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以上が
好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がと
くに好ましい。本発明の(B)成分であるチタネート類
は本発明の特徴となる成分であり、ガラス・金属・モル
タル等の各種基材と反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の硬化物との接着強度を向上させる成分であ
る。さらに、チタネート類は、(A)成分である反応性
ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の反応性ケイ素
基どうしのシラノール縮合反応を促進させるシラノール
縮合触媒としての機能も有する成分である。
【0034】かかるチタネート類としては、有機チタン
酸エステル、チタンのキレート化合物、チタンのケイ酸
エステルによるキレート化合物、チタネート系カップリ
ング剤、これらの部分加水分解縮合物が挙げられる。チ
タネート類の具体例としては、テトライソプロピルチタ
ネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタ
ネートダイマー、テトラキス(2−エチルヘキシル)チ
タネート、テトラステアリルチタネート、テトラメチル
チタネート、ジエトキシビス(アセチルアセトナト)チ
タン、ジイソプロピルビス(アセチルアセトナト)チタ
ン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)
チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサ
ンジオラト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス
(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ
−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタ
ン、テトラアセチルアセトネートチタン、ヒドロキシビ
ス(ラクタト)チタンおよびこれらの加水分解縮合物等
を挙げることができる。また、チタネート系カップリン
グ剤の具体例として、
【0035】
【化6】
【0036】で示される化合物、およびこれらの加水分
解縮合物も挙げることができる。上記のチタネート類の
内、一般式(2)、 Ti(OR)4 (2) (式中、Rは、前記と同じである)で表される化合物
は、接着性改善効果が特に高いためより好ましい。
【0037】上記チタネート類は1種類のみで使用して
も良いし、2種類以上混合使用しても良い。(B)成分
の配合量は、(A)成分100部(重量部、以下同じ)
に対して0.1〜20部が好ましいが、1〜10部配合
することがとくに好ましい。配合量が0.1部未満の場
合には、接着性の改善効果が十分でないことがあり、2
0部をこえるとシーリング材組成物の貯蔵安定性が低下
することがある。
【0038】本発明の硬化性組成物においては、(C)
成分としてシラノール縮合触媒を用いることができる。
かかるシラノール縮合触媒としては、2価および4価の
スズ系硬化触媒、アルミニウム系硬化触媒、アミン系硬
化触媒などが挙げられる。これらの中でも4価のスズ系
硬化触媒は触媒活性が高いために好ましい。4価のスズ
系硬化触媒の具体例としては、錫カルボン酸塩類、ジア
ルキル錫オキサイド類、および、一般式(5)、 QdSn(OZ)4-d、又は[Q2Sn(OZ)]2O (5) (式中、Qは炭素数1〜20の1価の炭化水素基を、Z
は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は自己内部にS
nに対して配位結合を形成し得る官能性基を有する有機
基を表す。さらに、dは0、1、2、3のいずれかであ
る。)で示される化合物などが示される。また、ジアル
キル錫オキサイドやジアルキル錫ジアセテート等の4価
錫化合物と、テトラエトキシシランやメチルトリエトキ
シシランやジフェニルジメトキシシランやフェニルトリ
メトキシシランなどの加水分解性ケイ素基を有する低分
子ケイ素化合物との反応物もまた、シラノール縮合反応
を顕著に加速する硬化触媒として有効である。これらの
中でも、一般式(5)で示される化合物、すなわち、ジ
ブチル錫ビスアセチルアセトナートなどのキレート化合
物や錫アルコラート類はシラノール縮合触媒としての活
性が高く、硬化性組成物の硬化速度が速くなるのでより
好ましい。
【0039】前記錫カルボン酸塩類の具体例としては、
例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテ
ート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫
ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル
錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジ
ブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデ
シルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチ
ル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチ
ル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオ
クチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチ
ルマレート等が挙げられる。
【0040】前記ジアルキル錫オキサイド類の具体例と
しては、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ドや、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混
合物等が挙げられる。前記キレート化合物を具体的に例
示すると、
【0041】
【化7】
【0042】等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの中では、ジブチル錫ビスアセチル
アセトナートは、触媒活性が高く、低コストであり、入
手が容易であるために最も好ましい。前記錫アルコラー
ト類を具体的に例示すると、
【0043】
【化8】
【0044】等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これらの中ではジアルキル錫ジアルコキサ
イドが好ましい。特に、ジブチル錫ジメトキサイドは、
低コストであり、入手が容易であるためにより好まし
い。また、上記の4価のスズ系硬化触媒以外のシラノー
ル縮合触媒を用いてもよい。具体的には、オクチル酸ス
ズなどの2価のスズ系硬化触媒;アルミニウムトリスア
セチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセト
アセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセ
トアセテート等のアルミニウム系硬化触媒;ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトナート;オクチル酸鉛;ブチル
アミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(DBU)等のアミン系硬化触媒、あるいはこれらのア
ミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミン
と多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過
剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のア
ミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール
縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知
のシラノール縮合触媒等が例示できる。
【0045】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。(C)成分の配合量は、
(A)成分100部に対して0.1〜20部が好ましい
が、1〜10部配合することがとくに好ましい。シラノ
ール縮合触媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が
遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難く
なる場合がある。一方、シラノール縮合触媒の配合量が
この範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生
じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフ
が短くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0046】(A)成分である反応性ケイ素基を有する
飽和炭化水素系重合体はそれ自身の粘度が比較的高く作
業性が悪い場合がある。そのため、該重合体の粘度を下
げて取扱いを改善することを目的に、本発明の硬化性組
成物の接着性が悪化しない程度に各種の可塑剤を添加す
ることも有効である。本発明の(A)成分である飽和炭
化水素系重合体と相溶性がよい可塑剤としては、例え
ば、ポリブテン、水添ポリブテン、水添α−オレフィン
オリゴマー、アタクチックポリプロピレンなどのポリビ
ニル系オリゴマー;ビフェニル、トリフェニルなどの芳
香族系オリゴマー;水添液状ポリブタジエンなどの水添
ポリエン系オリゴマー;パラフィン油、塩化パラフィン
油などのパラフィン系オリゴマー;ナフテン油などのシ
クロパラフィン系オリゴマーなどがあげられる。
【0047】また、フタル酸エステル系可塑剤や非芳香
族2塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤
等も本発明の硬化性組成物の接着性、耐候性、耐熱性な
どを低下させない程度に、上記の可塑剤と併用して使用
してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。前記可塑剤は、飽和炭化水素系重合体に
反応性ケイ素基を導入する際に、反応温度の調節、反応
系の粘度の調節などの目的で溶剤のかわりに用いてもよ
い。
【0048】前記可塑剤の配合量は、(A)成分100
部に対して10〜150部が好ましいが、30〜100
部配合することがとくに好ましい。配合量が10部未満
の場合には、低粘度化効果が十分でないことがあり、1
50部をこえると組成物の機械特性及び接着性が低下す
ることがある。本発明の硬化性組成物には、各種老化防
止剤が必要に応じて用いられる。 かかる老化防止剤と
しては、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化
防止剤、硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤、リン系ヒド
ロペルオキシド分解剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、ニッケル
系光安定剤などが挙げられる。
【0049】前記フェノール系酸化防止剤の具体例とし
ては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ
−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタ
エリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4‘−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4‘−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が例示で
きる。
【0050】前記芳香族アミン系酸化防止剤の具体例と
しては、N,N‘−ジフェニル−1p0−フェニレンジ
アミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,
2−ジヒドロキノリン等が例示できる。前記硫黄系ヒド
ロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジラウリル−
3,3‘−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,
3‘−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3
‘−チオジプロピオネート等が例示できる。
【0051】前記リン系ヒドロペルオキシド分解剤の具
体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、
トリフェニルホスファイト等が例示できる。前記ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール等が例示できる。
【0052】前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例
としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,
4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5‘−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が例示できる。前
記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−ド
デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−ベン
ジロキシベンゾフェノン等が例示できる。
【0053】前記ヒンダートアミン系光安定剤の具体例
としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−{2
−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン等が例示できる。
【0054】前記ニッケル系光安定剤の具体例として
は、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2
‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2
−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、[2,2
‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n
−ブチルアミンニッケル(II)等が例示できる。これ
らの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併
用してもよい。単独で使用した場合と比較して、併用す
ることによってより有効に機能することがある。特に、
フェノール系酸化防止剤とサリシレート系紫外線吸収剤
とヒンダートアミン系光安定剤の組み合わせは、(A)
成分である飽和炭化水素系重合体の耐候性を顕著に改善
するためより好ましい。
【0055】老化防止剤の配合量は、(A)成分100
部に対して0.1〜10部が好ましいが、0.5〜5部
配合することがとくに好ましい。配合量が0.1部未満
の場合には、耐候性の改善効果が十分でないことがあ
り、10部をこえると硬化性組成物のコストや接着性が
悪くなる。本発明の硬化性組成物には、チタネート類以
外の各種接着性向上剤が必要に応じて用いられる。かか
る接着性向上剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、各種シランカップリング剤、芳香族ポリイソシアネ
ートなどが挙げられる。
【0056】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベン
ジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビ
ニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン
等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポ
キシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキ
シシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチ
ル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイル
オキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型
不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメト
キシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシ
ラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等
のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができ
る。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性
シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミ
ノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、フェニ
ルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコー
ン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤と
して用いることができる。
【0057】前記シランカップリング剤の配合量は、
(A)成分100部に対して0.1〜20部が好ましい
が、1〜10部配合することがとくに好ましい。配合量
が0.1部未満の場合には、接着性の改善効果が十分で
ないことがあり、20部をこえると貯蔵安定性が低下す
ることがある。上記シランカップリング剤は1種類のみ
で使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0058】本発明の硬化性組成物には、各種充填材が
必要に応じて用いられる。前記充填材の具体例として
は、たとえば、木粉、パルブ、木綿チップ、アスベス
ト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ
殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリ
カ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭
酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグ
ネシウム、石英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、
亜鉛末などがあげられる。これら充填材のうちでは沈降
性シリカ、ヒュームシリカ、カーボンブラック、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、タルクなどが好ましい。これら
の充填材は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。充填材を用いる場合の使用量は(A)成分100部
に対して5〜500部の範囲で使用するのが好ましく、
20〜350部の範囲で使用するのがより好ましく、4
0〜200部の範囲で使用するのがとくに好ましい。
【0059】本発明の硬化性組成物には、(A)成分〜
(C)成分や、先に記載した可塑剤、老化防止剤、接着
性向上剤および充填材の他に、必要に応じて各種添加剤
が添加される。このような添加物の例としては、たとえ
ば、生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、
耐候接着性改良剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、
オゾン劣化防止剤、タレ防止剤、リン系過酸化物分解
剤、溶剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。
【0060】このような添加物の具体例は、たとえば、
特公平4−69659号、特公平7−108928号、
特許公報第2512468号、特開昭64−22904
号の各明細書などに記載されている。本発明のチタネー
ト類の効果は、前述の各種添加剤が添加された場合も同
様に認められる。すなわち、本発明の硬化性組成物が建
築用弾性シーリング剤や複層ガラス用シーリング剤、お
よび、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防
錆・防水用封止材などに用いられた場合、該化合物の添
加により、それらシーリング剤の各種被着体に対する接
着性を改善することができる。
【0061】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0062】
【製造例】2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取
り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器
内に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3
Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したも
の)138mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス
3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したも
の)1012ml、p−DCC(下記化合物)8.14
g(35.2mmol)を加えた。
【0063】
【化9】
【0064】次にイソブチレンモノマー254ml
(2.99mol)が入っているニードルバルブ付耐圧
ガラス製液化ガス採取管を、三方コックに接続して、重
合容器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中に
つけて冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧に
した。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを
液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コッ
ク内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧
に戻した。次に、2−メチルピリジン0.387g
(4.15mmol)を加えた。次に、四塩化チタン
4.90ml(44.7mmol)加えて重合を開始し
た。反応時間70分後に、アリルトリメチルシラン9.
65g(13.4mmol)を加えてポリマー末端にア
リル基の導入反応を行った。反応時間120分後に、反
応溶液を水200mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去
することによりアリル末端イソブチレン系重合体を得
た。
【0065】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−200gと、炭化水素系可塑剤である
パラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)60gを混合し、約7
5℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.5
[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体5x
10−5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反
応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約20
時間で1640cm−1のオレフィン吸収が消失した。
【0066】目的とする両末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤である
PS−32との混合物(10/3の重量比)が得られ
た。
【0067】
【化10】
【0068】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMR
は、Varian Gemini300(300MHz
for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。
【0069】なお、FT−IRは島津製作所製IR−4
08、GPCは送液システムとしてWaters LC
Module1、カラムはShodex K−804
を用いて行った。分子量はポリスチレンスタンダードに
対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、
Mn=5780、Mw/Mn=1.28、Fn(シリ
ル)=1.93であった。(数平均分子量はポリスチレ
ン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1
分子当たりの個数)。
【0070】製造例で得られた反応性ケイ素基を有する
飽和炭化水素系重合体(PIB)とパラフィン基プロセ
スオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセス
PS−32)の混合物130部(このうち(A)成分の
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体を100
部含有する)に対し、(B)成分のチタネート類である
テトラ−n−ブチルチタネート(和光純薬工業(株))
を0部または5部、(C)成分のシラノール縮合触媒で
あるジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化成
(株)製、商品名ネオスタンU−220)を2部、およ
び、H2Oを1部を秤量し、混合して硬化性組成物を調
製した。
【0071】メチルエチルケトン(和光純薬工業
(株))で洗浄したフロートガラス(プライマーは塗布
していない)に上記の組成物を5mmの厚さで塗布した
後、オーブン中で硬化させた。養生後、接着面をカッタ
ーナイフで切り込みながら手剥離試験を行った。チタネ
ート類無添加(0部)の組成物は、フロートガラスに対
する接着性が悪く、界面破壊を示した。一方、チタネー
ト類(5部)を含有する組成物は、フロートガラスに対
する接着性が良好であり、凝集破壊を示した。
【0072】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、各種被着体に
対する接着性を著しく改善することができる。また、本
発明の硬化性組成物に各種添加剤が添加された場合に
は、複層ガラス用シーリング材やSSG工法用シーリン
グ材などの、各種被着体に対する接着性を必要とする弾
性シーラントとして特に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体と、(B)チタネート類、を含有
    することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分として、シラノール縮合触媒
    をさらに含有する請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    数平均分子量が500〜50000の範囲内にあり、主
    鎖の末端および/または側鎖の末端に、一般式(1)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭
    素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
    性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
    徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    イソブチレンに起因する繰り返し単位を総量で50重量
    %以上有することを特徴とする重合体である請求項1記
    載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分のチタネート類が、一般式
    (2)、 Ti(OR)4 (2) (式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換
    あるいは非置換の炭化水素基である)で表される化合物
    であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体100重量部に対して、(B)チ
    タネート類0.1〜20重量部を含有することを特徴と
    する請求項1記載の硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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