明 細 書
硬化性組成物
技術分野
[0001] 本発明は、ケィ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン 結合を形成することにより架橋し得るケィ素含有基 (以下、「反応性ケィ素基」ともいう 。)を有する有機重合体を含有する硬化性組成物に関する。
背景技術
[0002] 分子中に少なくとも 1個の反応性ケィ素基を含有する有機重合体は、室温において も湿分等による反応性ケィ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によ つて架橋し、ゴム状硬化物が得られると!、う性質を有することが知られて 、る。
[0003] これらの反応性ケィ素基を有する重合体の中でも、主鎖骨格がポリオキシアルキレ ン系重合体またはイソブチレン系重合体である有機重合体は、(特許文献 1)、(特許 文献 2)などに開示されており、既に工業的に生産され、シーリング材、接着剤、塗料 などの用途に広く使用されている。
[0004] これらの反応性ケィ素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物は、シラノ 一ル縮合触媒を用いて硬化させており、通常、ジブチル錫ビス(ァセチルァセトナー ト)などの、炭素 錫結合を有する有機錫系触媒が広く使用されている。しかしながら 、近年、有機錫系化合物はその毒性が指摘されており、非有機錫系触媒の開発が求 められている。
[0005] この非有機錫系触媒としてチタン触媒を使用する脱アルコール型シリコーン組成物 は既に市販されており、多くの用途に広く使用されている。この技術は、(特許文献 3 )、(特許文献 4)などに記載されて!、る。
[0006] しかし、反応性ケィ素基を含有する有機重合体に、チタン触媒、アルミニウム触媒、 または、ジルコニウム触媒を添加した例は比較的少なぐ(特許文献 5)、(特許文献 6 )、(特許文献 7)、(特許文献 8)、(特許文献 9)、(特許文献 10)、(特許文献 11)、 ( 特許文献 12)、(特許文献 13)、(特許文献 14)、(特許文献 15)、(特許文献 16)〖こ 開示されている。
[0007] これら反応性ケィ素基を含有する有機重合体には、一液型組成物とした場合の貯 蔵安定性や接着性を改善する目的で加水分解性ケィ素基を有する低分子量化合物 を添加する場合がある。
特許文献 1:特開昭 52— 73998号公報
特許文献 2:特開昭 63 - 6041号公報
特許文献 3:特公昭 39 - 27643号公報 (米国特許 3175993号)
特許文献 4:米国特許 3334067号
特許文献 5:特開昭 58— 17154号公報 (特公平 3— 57943号公報)
特許文献 6 :特開昭 62— 146959号公報 (特公平 5— 45635号公報)
特許文献 7:特開平 11― 209538号公報
特許文献 8:特開平 5 - 311063号公報
特許文献 9:特開 2001— 302929号公報
特許文献 10:特開 2001— 302930号公報
特許文献 11:特開 2001— 302931号公報
特許文献 12:特開 2001— 302934号公報
特許文献 13:特開 2001— 348528号公報
特許文献 14:特開 2002 - 249672号公報
特許文献 15 :特開 2003— 165916号公報
特許文献 16:特開 2004— 51809号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] しかしながら、反応性ケィ素基を有する有機重合体の硬化触媒としてチタン触媒、 アルミニウム触媒、または、ジルコニウム触媒を用いた場合、添加する加水分解性ケ ィ素基を有する低分子量ィ匕合物によって著しく硬化性が低下し、場合によってはシ 一リング材ゃ接着剤として実用的な硬化性が発現しな 、と 、う課題が存在することが 判明した。また、前記有機錫触媒を使用した反応性ケィ素基を含有するポリオキシァ ルキレン系重合体は、各種の被着体への接着性が良好であることがよく知られている 。しかし、アクリル榭脂などの難接着有機系被着体に対しては十分な接着性が得られ
ない場合がある。
[0009] 本発明は、反応性ケィ素基を有する有機重合体を主成分とする硬化性組成物であ つて、非有機錫触媒を用いて、良好な硬化性と接着性を有する硬化性組成物を提供 することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明者等は、このような問題を解決するために鋭意検討した結果、反応性ケィ素 基を有する有機重合体として、ケィ素原子 1つあたり 2つの水酸基または加水分解性 基が結合してなる反応性ケィ素基を有する有機重合体 (A)を用い、この重合体の硬 化触媒としてチタン触媒、アルミニウム触媒、ジルコニウム触媒力 選ばれる 1種以上 (B)を用い、添加剤として加水分解性ケィ素基を有する低分子量化合物 (C)を使用 し、さらに、(B)成分のチタン原子とアルミニウム原子とジルコニウム原子の総モル数 と (C)成分のケィ素原子の総モル数との比を特定の値にすることで、非有機錫触媒 でありながら良好な硬化性と接着性を有する硬化性組成物が得られることを見出し、 本発明を完成させた。
[0011] すなわち、本発明は、
(A)—般式 (1) :
-SiR'x (1)
2
(式中、 R1は、炭素原子数 1から 20のアルキル基、炭素原子数 6から 20のァリール基 、炭素原子数 7から 20のァラルキル基または (R' ) SiO—で示されるトリオルガノシロ
3
キシ基のいずれかを示す。ここで R'は炭素原子数 1から 20の炭化水素基であり 3個 の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい。 Xは水酸基または加水分解性基を 示し、 2個の Xは同一であってもよぐ異なっていてもよい。)で表される反応性ケィ素 基を有する有機重合体、
(B)チタン触媒、アルミニウム触媒、ジルコニウム触媒力 選ばれる 1種以上、および
(C)加水分解性ケィ素基を有する分子量 100〜1000の低分子量化合物、 を含有する硬化性組成物であって、かつ、組成物中の(B)成分のチタン原子とアルミ ニゥム原子とジルコニウム原子の総モル数(a)と、組成物中の(C)成分のケィ素原子 の総モル数 (b)との比(aZb)力 0. 4よりも大きいことを特徴とする硬化性組成物に
関する。
[0012] 有機重合体 (A)の主鎖骨格は、有機重合体が、ポリオキシアルキレン系重合体、 飽和炭化水素系重合体、および (メタ)アクリル酸エステル系重合体力 なる群力 選 択される少なくとも 1種であることが好ましい。
[0013] 好ま 、チタン触媒は、一般式 (2):
Ti (OR2) 4 (2)
(式中、 R2は有機基であり、 4個の R2は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 ) で表される化合物である。
[0014] 更に、上記一般式(2)で表されるチタン触媒の中では、チタニウムキレートが好まし い。
[0015] 更に、チタニウムキレートの中でも、一般式(3):
[0016] [化 7]
( 3 )
[0017] (式中、 n個の R3は、それぞれ独立に炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換の 炭化水素基である。 4 n個の R4は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数 1 力ら 8の置換あるいは非置換の炭化水素基である。 4— n個の A1および 4— n個の A2 は、それぞれ独立に—R5または OR5である(ここで R5は炭素原子数 1から 8の置換 あるいは非置換の炭化水素基である)。 nは 0、 1、 2、 3のいずれかである。)で表され る化合物および Zまたは一般式 (4):
[0018] [化 8]
[0019] (式中、 R
4、
A
2は前記と同じ。 R
6は、炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換 の二価の炭化水素基である。)で表される化合物が好ましい。
[0020] 好ま 、アルミニウム触媒は、一般式(5):
Al(OR7) (5)
3
(式中、 R7は有機基であり、 3個の R7は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 ) で表される化合物である。
[0021] 更に、上記一般式(5)で表されるアルミニウム触媒の中では、アルミニウムキレート が好ましい。
[0022] 更に、アルミニウムキレートの中でも、一般式(6):
[0023] [化 9]
[0024] (式中、 m個の R8は、それぞれ独立に炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換の 炭化水素基である。 3—m個の R9は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数 1 力 8の置換あるいは非置換の炭化水素基である。 3—m個の A3および 3—m個の A 4は、それぞれ独立に— R1Qまたは— OR1Qである(ここで R1Qは炭素原子数 1から 8の置 換あるいは非置換の炭化水素基である)。 mは 0、 1、 2のいずれかである。)で表され る化合物および Zまたは一般式 (7):
[0025] [化 10]
[0026] (式中、 R9、 A3、 A4は前記と同じ。 R11は、炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換 の二価の炭化水素基である。)で表される化合物が好ましい。
[0027] 好ま 、ジルコニウム触媒は、一般式 (8):
Zr (OR12) (8)
4
(式中、 R12は有機基であり、 4個の R12は相互に同一であっても、異なっていてもよい 。)で表される化合物である。
[0028] 更に、上記一般式(8)で表されるジルコニウム触媒の中では、ジルコニウムキレート が好ましい。
[0029] 更に、ジルコニウムキレートの中でも、一般式(9):
[0030] [化 11]
[0031] (式中、 1個の R"は、それぞれ独立に炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換の 炭化水素基である。 4 1個の R14は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数 1 力も 8の置換あるいは非置換の炭化水素基である。 4— 1個の A5および 4—1個の A6は 、それぞれ独立に— R15または— OR15である(ここで R15は炭素原子数 1から 8の置換 あるいは非置換の炭化水素基である)。 1は 0、 1、 2、 3のいずれかである。)で表され る化合物および Zまたは一般式(10):
[0032] [化 12]
[0033] (式中、 R"、 A5、 A6は前記と同じ。 R16は、炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の二価の炭化水素基である。)で表される化合物が好ましい。
[0034] (B)成分としては、チタン触媒が好ま 、。
[0035] また、(C)の低分子量ィ匕合物としては、アミノシランカップリング剤が好ま U、。
[0036] また、本発明に係る硬化性組成物の好ま ヽ実施態様としては、前記 ヽずれかに 記載の硬化性組成物を用いてなるシーリング材または接着剤が挙げられる。
発明の効果
[0037] 本発明の硬化性組成物は、非有機錫触媒を使用しながら、硬化性と接着性に優れ る。
発明を実施するための最良の形態
[0038] 以下、本発明につ 、て詳しく説明する。
[0039] 本発明に用いる反応性ケィ素基を有する有機重合体の主鎖骨格は特に制限はな ぐ各種の主鎖骨格を持つものを使用することができる。
[0040] 具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオ キシテトラメチレン、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシ プロピレン ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;ェチ レン プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重 合体、ポリクロ口プレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアタリ口-トリ ルおよび Zまたはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタ ジェンとアクリロニトリル及びスチレン等との共重合体、これらのポリオレフイン系重合 体に水素添加して得られる水添ポリオレフイン系重合体等の炭化水素系重合体;ァ
ジピン酸等の 2塩基酸とダリコールとの縮合、または、ラタトン類の開環重合で得られ るポリエステル系重合体;ェチル (メタ)アタリレート、ブチル (メタ)アタリレート等のモノ マーをラジカル重合して得られる (メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル 酸エステル系モノマー、酢酸ビュル、アクリロニトリル、スチレン等のモノマーをラジカ ル重合して得られるビニル系重合体;前記有機重合体中でのビニルモノマーを重合 して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体; ε一力プロラタタムの開環重 合によるナイロン 6、へキサメチレンジァミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン 6 · 6 、へキサメチレンジァミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン 6 · 10、 ε アミノウン デカン酸の縮重合によるナイロン 11、 ε ーァミノラウ口ラタタムの開環重合によるナイ ロン 12、上記のナイロンのうち 2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミ ド系重合体;たとえばビスフエノール Αと塩ィ匕カルボニルより縮重合して製造されるポ リカーボネート系重合体、ジァリルフタレート系重合体等が例示される。
[0041] さらに、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水 素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体 は比較的ガラス転移温度が低ぐ得られる硬化物が耐寒性に優れることからより好ま しい。
[0042] (A)成分である有機重合体のガラス転移温度は、特に限定は無!、が、 20°C以下で あることが好ましぐ 0°C以下であることがより好ましぐ 20°C以下であることが特に 好ましい。ガラス転移温度が 20°Cを上回ると、冬季または寒冷地での粘度が高くなり 作業性が悪くなる場合があり、また、硬化物の柔軟性が低下し、伸びが低下する場合 がある。前記ガラス転移温度は DSC測定による値を示す。
[0043] また、本発明の(B)チタン触媒、アルミニウム触媒、ジルコニウム触媒力 選ばれる 1種以上、および、(C)加水分解性ケィ素基を有する低分子量化合物は、その添カロ 量に応じて得られる組成物の深部硬化性が低下する傾向がある。従って、ポリオキシ アルキレン系重合体および (メタ)アクリル酸エステル系重合体は、透湿性が高く 1液 型組成物にした場合に深部硬化性に優れることから特に好ましぐポリオキシアルキ レン系重合体は最も好ましい。更に、ポリオキシアルキレン系重合体および Zまたは( メタ)アクリル酸エステル系重合体を含有する硬化性組成物は、接着性に優れること
力も特に好ましぐポリオキシアルキレン系重合体は最も好ま 、。
[0044] 反応性ケィ素基を有する有機重合体中に含有される反応性ケィ素基は、ケィ素原 子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シラノール縮合触媒によって加速さ れる反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。反応性ケィ 素基としては、一般式(1) :
-SiR'x (1)
2
(式中、 R1は、炭素原子数 1から 20のアルキル基、炭素原子数 6から 20のァリール基 、炭素原子数 7から 20のァラルキル基または (R' ) SiO—で示されるトリオルガノシロ
3
キシ基のいずれかを示す。ここで R'は炭素原子数 1から 20の炭化水素基であり 3個 の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい。 Xは水酸基または加水分解性基を 示し、 2個の Xは同一であってもよぐ異なっていてもよい。)で表される基を用いること ができる。
[0045] 加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよ!、 。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ァシルォキシ基、ケト キシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノォキシ基、メルカプト基、ァルケ- ルォキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、ァシルォキ シ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノォキシ基、メルカプト基およびアルケ -ルォキシ基が好ましぐ加水分解性が穏やかで取扱!/、やす!/、と!/、う観点からアルコ キシ基が特に好ましい。
[0046] また上記一般式(1)における R1の具体例としては、たとえばメチル基、ェチル基等 のアルキル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基、フエ-ル基等のァリール基 、ベンジル基等のァラルキル基や、 R,がメチル基、フエ-ル基等である(R,) SiO—
3 で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が特に好 ましい。
[0047] 反応性ケィ素基のより具体的な例示としては、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシ メチルシリル基、ジイソプロボキシメチルシリル基が挙げられる。活性が高く良好な硬 化性が得られることから、ジメトキシメチルシリル基がより好ましい。また、ジエトキシメ チルシリル基は、反応性ケィ素基の加水分解反応に伴って生成するアルコールが、
エタノールであり、より高 、安全性を有することからより好まし 、。
[0048] 反応性ケィ素基の導入は公知の方法で行えばよ!、。すなわち、例えば以下の方法 が挙げられる。
[0049] (ィ)分子中に水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応 性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有 する有機重合体を得る。もしくは、不飽和基含有エポキシィ匕合物との共重合により不 飽和基含有有機重合体を得る。つ!ヽで得られた反応生成物に反応性ケィ素基を有 するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
[0050] (口)(ィ)法と同様にして得られた不飽和基を含有する有機重合体にメルカプト基お よび反応性ケィ素基を有する化合物を反応させる。
[0051] (ハ)分子中に水酸基、エポキシ基やイソシァネート基等の官能基を有する有機重 合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケィ素基を有する化 合物を反応させる。
[0052] 以上の方法のなかで、(ィ)の方法、または (ハ)のうち末端に水酸基を有する重合 体とイソシァネート基および反応性ケィ素基を有する化合物を反応させる方法は、比 較的短い反応時間で高い転ィ匕率が得られる為に好ましい。更に、(ィ)の方法で得ら れた反応性ケィ素基を有する有機重合体は、(ハ)の方法で得られる有機重合体より も低粘度で作業性の良い硬化性組成物となること、また、(口)の方法で得られる有機 重合体は、メルカプトシランに基づく臭気が強 、ことから、(ィ)の方法が特に好ま ヽ
[0053] (ィ)の方法において用いるヒドロシランィ匕合物の具体例としては、たとえば、メチル ジクロロシラン、フエ-ルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;メチルジェトキシ シラン、メチルジメトキシシラン、フエ-ルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類; メチルジァセトキシシラン、フエ-ルジァセトキシシランのようなァシロキシシラン類;ビ ス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロへキシルケトキシメート)メチルシ ランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものでは ない。これらのうちではとくにハロゲンィ匕シラン類、アルコキシシラン類が好ましぐ特 にアルコキシシラン類は、得られる硬化性組成物の加水分解性が穏やかで取り扱 ヽ
やすいために最も好ましい。アルコキシシラン類の中で、メチルジメトキシシランは、 入手し易ぐ得られる有機重合体を含有する硬化性組成物の硬化性、貯蔵安定性、 伸び特性、引張強度が高い為に特に好ましい。
[0054] (口)の合成法としては、たとえば、メルカプト基および反応性ケィ素基を有する化合 物を、ラジカル開始剤および Zまたはラジカル発生源存在下でのラジカル付加反応 によって、有機重合体の不飽和結合部位に導入する方法等が挙げられるが、特に限 定されるものではな ヽ。前記メルカプト基および反応性ケィ素基を有する化合物の具 体例としては、たとえば、 γ—メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、 γ—メルカ プトプロピルメチルジェトキシシラン、 (メルカプトメチル)メチルジェトキシシラン、 (メ はない。
[0055] (ハ)の合成法のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシァネート基および反応 性ケィ素基を有する化合物を反応させる方法としては、たとえば、特開平 3— 47825 号公報に示される方法等が挙げられる力 特に限定されるものではない。前記イソシ ァネート基および反応性ケィ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、 γ— イソシァネートプロピルメチルジメトキシシラン、 γ —イソシァネートプロピルメチルジ エトキシシラン、 (イソシァネートメチル)ジメトキシメチルシラン、 (イソシァネートメチル )ジエトキシメチルシランなどがあげられる力 これらに限定されるものではな!/、。
[0056] 反応性ケィ素基を有する有機重合体は直鎖状、または分岐を有してもよぐその数 平均分子量は GPCにおけるポリスチレン換算において 500〜100, 000程度、より 好まし <は 1, 000〜50, 000であり、特に好まし <は 3, 000〜30, 000である。数平 均分子量が 500未満では、硬化物の伸び特性の点で不都合な傾向があり、 100, 0 00を越えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
[0057] 高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物を得るためには、有機重合体に 含有される反応性ケィ素基は重合体 1分子中に平均して少なくとも 1個、好ましくは 1 . 1〜5個存在するのがよい。分子中に含まれる反応性ケィ素基の数が平均して 1個 未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しに《なる。反 応性ケィ素基は、有機重合体分子鎖の主鎖の末端ある!、は側鎖の末端にあってもよ
いし、また、両方にあってもよい。特に、反応性ケィ素基が分子鎖の主鎖の末端のみ にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目長 が長くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくな る。
[0058] 前記ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に一般式(11):
R17 - O - (11)
(式中、 R17は炭素原子数 1から 14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である。)で示 される繰り返し単位を有する重合体であり、一般式(11)における R17は、炭素原子数 1から 14の、さらには 2力ら 4の、直鎖状もしくは分岐アルキレン基が好ましい。一般式 (11)で示される繰り返し単位の具体例としては、
-CH O—、 -CH CH O—、 -CH CH (CH ) 0 CH CH (C H ) 0 C
2 2 2 2 3 2 2 5
H C (CH ) O—、 -CH CH CH CH O—
2 3 2 2 2 2 2
等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、 1種類だけの繰り返 し単位力 なってもよいし、 2種類以上の繰り返し単位力 なってもよい。特にシーラ ント等に使用される場合には、プロピレンォキシド重合体を主成分とする重合体から 成るものが非晶質であることや比較的低粘度である点から好ましい。
[0059] ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、 KOHのようなアルカリ 触媒による重合法、特開昭 61— 215623号に示される有機アルミニウム化合物とポ ルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物—ボルフイリン錯体触 媒による重合法、特公昭 46— 27250号、特公昭 59— 15336号、米国特許 327845 7号、米国特許 3278458号、米国特許 3278459号、米国特許 3427256号、米国 特許 3427334号、米国特許 3427335号等に示される複合金属シアンィ匕物錯体触 媒による重合法、特開平 10— 273512号に例示されるポリホスファゼン塩カもなる触 媒を用いる重合法、特開平 11— 060722号に例示されるホスファゼン化合物力もな る触媒を用いる重合法等、があげられるが、特に限定されるものではない。
[0060] 反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法は、特公昭 45
— 36319号、同 46— 12154号、特開昭 50— 156599号、同 54— 6096号、同 55
— 13767号、同 55— 13468号、同 57— 164123号、特公平 3— 2450号、米国特
許 3632557、米国特許 4345053、米国特許 4366307、米国特許 4960844等の 各公報に提案されているもの、また特開昭 61— 197631号、同 61— 215622号、同 61— 215623号、同 61— 218632号、特開平 3— 72527号、特開平 3— 47825号 、特開平 8— 231707号の各公報に提案されている数平均分子量 6, 000以上、 Mw ZMnが 1. 6以下の高分子量で分子量分布が狭 、ポリオキシアルキレン系重合体が 例示できる力 特にこれらに限定されるものではない。
[0061] 上記の反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用して もよ 、し 2種以上併用してもょ 、。
[0062] 前記飽和炭化水素系重合体は芳香環以外の炭素 炭素不飽和結合を実質的に 含有しない重合体であり、その骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、 1一 ブテン、イソブチレンなどのような炭素原子数 1から 6のォレフイン系化合物を主モノ マーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジェン系化合物を単 独重合させ、あるいは、上記ォレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する などの方法により得ることができる力 イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系 重合体は、末端に官能基を導入しやすぐ分子量を制御しやすぐまた、末端官能基 の数を多くすることができるので好ましぐイソブチレン系重合体が特に好ましい。
[0063] 主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体であるものは、耐熱性、耐候性、耐久性、及び 、湿気遮断性に優れる特徴を有する。
[0064] イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されて いてもよいし、他単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の面力 イソブチレンに由 来する繰り返し単位を 50重量%以上含有するものが好ましぐ 80重量%以上含有す るものがより好ましぐ 90〜99重量%含有するものが特に好ましい。
[0065] 飽和炭化水素系重合体の合成法としては、従来、各種重合方法が報告されて 、る 1S 特に近年多くのいわゆるリビング重合が開発されている。飽和炭化水素系重合 体、特にイソブチレン系重合体の場合、 Kennedyらによって見出されたィ-ファー重 合(J. P. Kennedyら、 J. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. 1997年、 1 5卷、 2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量 500〜1 00, 000程度を、分子量分布 1. 5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入
でさることが知られている。
[0066] 反応性ケィ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては、たとえば、特公 平 4— 69659号、特公平 7— 108928号、特開昭 63— 254149号、特開昭 64— 22 904号、特開平 1— 197509号、特許公報第 2539445号、特許公報第 2873395号 、特開平 7— 53882号の各明細書などに記載されている力 特にこれらに限定される ものではない。
[0067] 上記の反応性ケィ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよい し 2種以上併用してもよい。
[0068] 前記 (メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する (メタ)アクリル酸エステル 系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するなら ば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル 酸 n—プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸 n—ブチル、(メタ)ァ クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸 tert—ブチル、(メタ)アクリル酸 n—ペンチル、( メタ)アクリル酸 n キシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸 n— ヘプチル、(メタ)アクリル酸 n—ォクチル、(メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル、(メタ )アクリル酸ノエル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル 酸フヱ-ル、(メタ)アクリル酸トルィル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸 2 —メトキシェチル、(メタ)アクリル酸 3—メトキシブチル、(メタ)アクリル酸 2—ヒドロキシ ェチル、(メタ)アクリル酸 2—ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)ァ クリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸 2—アミノエチル、 Ύ— (メタクリロイルォキシプロ タクリロイルォキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルォキシメチルトリエトキシシラ ン、メタクリロイルォキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルォキシメチルジェ トキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸ト リフルォロメチルメチル、(メタ)アクリル酸 2—トリフルォロメチルェチル、(メタ)アタリ ル酸 2—パーフルォロェチルェチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロェチルー 2— パーフルォロブチルェチル、(メタ)アクリル酸パーフルォロェチル、(メタ)アクリル酸 トリフルォロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルォロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸
トリフルォロメチルバ一フルォロェチルメチル、 (メタ)アクリル酸 2—パーフルォ口へキ シルェチル、 (メタ)アクリル酸 2—パーフルォロデシルェチル、 (メタ)アクリル酸 2— パーフルォ口へキサデシルェチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。前 記 (メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとと もに、以下のビュル系モノマーを共重合することもできる。該ビュル系モノマーを例示 すると、スチレン、ビニノレトノレェン、 a—メチノレスチレン、クロノレスチレン、スチレンスノレ ホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルォロエチレン、パーフルォロプ ロピレン、フッ化ビ-リデン等のフッ素含有ビュルモノマー;ビュルトリメトキシシラン、 ビュルトリエトキシシラン等のケィ素含有ビュル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン 酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル 酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、ェ チルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、へキシルマレイミド、ォクチノレマ レイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フエ-ルマレイミド、シクロへキシル マレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタタリ口-トリル等の-トリル基 含有ビュル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビュル系モノ マー;酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、ピバリン酸ビュル、安息香酸ビュル、桂皮酸 ビュル等のビュルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソ プレン等の共役ジェン類;塩化ビュル、塩化ビ-リデン、塩化ァリル、ァリルアルコー ル等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わな い。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び (メタ)アクリル酸系モノ マーカ なる重合体が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタ クリル酸エステルモノマー力 なる (メタ)アクリル系重合体であり、特に好ましくはァク リル酸エステルモノマー力 なるアクリル系重合体である。一般建築用等の用途にお いては配合物の低粘度、硬化物の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性が 要求される点から、アクリル酸ブチル系モノマーが更に好ましい。一方、自動車用途 等の耐油性等が要求される用途においては、アクリル酸ェチルを主とした共重合体 が更に好まし 、。このアクリル酸ェチルを主とした重合体は耐油性に優れるが低温特 性 (耐寒性)にやや劣る傾向があるため、その低温特性を向上させるために、アクリル
酸ェチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル 酸ブチルの比率を増やすに伴 、その良好な耐油性が損なわれて 、くので、耐油性 を要求される用途にはその比率は 40%以下にするのが好ましぐ更には 30%以下 にするのがより好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために側 鎖のアルキル基に酸素が導入されたアクリル酸 2—メトキシェチルゃアクリル酸 2—ェ トキシェチル等を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキ シ基の導入により耐熱性が劣る傾向にあるので、耐熱性が要求されるときには、その 比率は 40%以下にするのが好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要と される耐油性や耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、その比率を変化させ、適した 重合体を得ることが可能である。例えば、限定はされないが耐油性や耐熱性、低温 特性等の物性バランスに優れて 、る例としては、アクリル酸ェチル /アクリル酸プチ ル Zアクリル酸 2—メトキシェチル(重量比で 40〜50Z20〜30Z30〜20)の共重 合体が挙げられる。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと 共重合、更にはブロック共重合させても構わなぐその際は、これらの好ましいモノマ 一が重量比で 40%以上含まれて 、ることが好ま 、。なお上記表現形式で例えば( メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および Ζあるいはメタクリル酸を表す。
[0069] (メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方 法で行えばよい。但し、重合開始剤としてァゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常 のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に 2以上と大 きぐ粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭ぐ粘度の低 V、 (メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高 、割合で分子鎖末端に架橋性官 能基を有する (メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、リビングラジカル重 合法を用いることが好ましい。
[0070] 「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物ある 、はハロゲン化スルホ -ル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として (メタ)アクリル酸エステル系モノ マーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の 特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤 や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する (メタ)アクリル酸ェ
ステル系重合体の製造方法としてはさらに好ま 、。この原子移動ラジカル重合法と しては例えば、 Matyjaszewskiら、ジャーナル ·ォブ ·アメリカン ·ケミカルソサエティ 一 (J. Am. Chem. Soc. ) 1995年、 117卷、 5614頁など力挙げられる。
[0071] 反応性ケィ素基を有する (メタ)アクリル酸エステル系重合体の製法としては、たとえ ば、特公平 3— 14068号公報、特公平 4— 55444号公報、特開平 6— 211922号公 報等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている 。また、特開平 9— 272714号公報等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が 開示されている力 特にこれらに限定されるものではない。
[0072] 上記の反応性ケィ素基を有する (メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用 してもょ 、し 2種以上併用してもょ 、。
[0073] これらの反応性ケィ素基を有する有機重合体は、単独で使用してもよいし 2種以上 併用してもよい。具体的には、反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合 体、反応性ケィ素基を有する飽和炭化水素系重合体、反応性ケィ素基を有する (メタ )アクリル酸エステル系重合体、力 なる群力 選択される 2種以上をブレンドしてなる 有機重合体も使用できる。
[0074] 反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケィ素基を有する
(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法は、特 開昭 59— 122541号、特開昭 63— 112642号、特開平 6— 172631号、特開平 11 — 116763号公報等に提案されている力 特にこれらに限定されるものではない。好 ましい具体例は、反応性ケィ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式 (12): CH— C (R18) (COOR19) (12)
2
(式中、 R18は水素原子またはメチル基、 R19は炭素原子数 1から 8のアルキル基を示 す)で表される炭素原子数 1から 8のアルキル基を有する (メタ)アクリル酸エステル単 量体単位と、下記一般式(13) :
-CH -C (R18) (COOR20) - (13)
2
(式中、 R18は前記に同じ、 R2°は炭素原子数 10以上のアルキル基を示す)で表される 炭素原子数 10以上のアルキル基を有する (メタ)アクリル酸エステル単量体単位から なる共重合体に、反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンド
して製造する方法である。
[0075] 前記一般式(12)の R19としては、たとえばメチル基、ェチル基、プロピル基、 n—ブ チル基、 t—ブチル基、 2 ェチルへキシル基等の炭素原子数 1から 8、好ましくは 1 力 4、さらに好ましくは 1から 2のアルキル基があげられる。なお、 R19のアルキル基は 単独でもよぐ 2種以上混合していてもよい。
[0076] 前記一般式(13)の R2Qとしては、たとえばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステ ァリル基、ベへニル基等の炭素原子数 10以上、通常は 10〜30、好ましくは 10〜20 の長鎖のアルキル基があげられる。なお、 R2Qのアルキル基は R19の場合と同様、単独 でもよく、 2種以上混合したものであってもよい。
[0077] 該 (メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に式( 12)及び式( 13) の単量体単位力 なる力 ここで 、う「実質的に」とは該共重合体中に存在する式(1 2)及び式( 13)の単量体単位の合計が 50重量%をこえることを意味する。式( 12)及 び式(13)の単量体単位の合計は好ましくは 70重量%以上である。
[0078] また式(12)の単量体単位と式(13)の単量体単位の存在比は、重量比で 95 : 5〜 40: 60力 子ましく、 90: 10〜60: 40力さらに好まし!/、。
[0079] 該共重合体に含有されて!ヽてもよ!/ヽ式( 12)及び式( 13)以外の単量体単位として は、たとえばアクリル酸、メタクリル酸等の α , β 不飽和カルボン酸;アクリルアミド、 メタクリルアミド、 Ν—メチロールアクリルアミド、 Ν—メチロールメタクリルアミド等のアミ ド基、グリシジルアタリレート、グリシジルメタタリレート等のエポキシ基、ジェチルァミノ ェチルアタリレート、ジェチルアミノエチルメタタリレート、アミノエチルビ-ルエーテル 等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、 (X—メチルスチレン、ァ ルキルビュルエーテル、塩化ビュル、酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、エチレン等 に起因する単量体単位があげられる。
[0080] 反応性ケィ素基を有する飽和炭化水素系重合体と反応性ケィ素基を有する (メタ) アクリル酸エステル系共重合体をブレンドしてなる有機重合体は、特開平 1 16876
4号、特開 2000— 186176号公報等に提案されている力 特にこれらに限定される ものではない。
[0081] さらに、反応性ケィ素官能基を有する (メタ)アクリル酸エステル系共重合体をプレン
ドしてなる有機重合体の製造方法としては、他にも、反応性ケィ素基を有する有機重 合体の存在下で (メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。 この製造方法は、特開昭 59— 78223号、特開昭 59— 168014号、特開昭 60— 22
8516号、特開昭 60— 228517号等の各公報に具体的に開示されている力 これら に限定されるものではない。
[0082] 一方、有機重合体の主鎖骨格中には本発明の効果を大きく損なわない範囲でウレ タン結合成分等の他の成分を含んで 、てもよ 、。
[0083] 前記ウレタン結合成分としては特に限定されないが、イソシァネート基と活性水素 基との反応により生成する基 (以下、アミドセグメントともいう)を挙げることができる。
[0084] 前記アミドセグメントは一般式(14) :
NR21 - C ( = 0) - (14)
(R21は水素原子または置換あるいは非置換の有機基を表す)で表される基である。
[0085] 前記アミドセグメントとしては、具体的には、イソシァネート基と水酸基との反応によ り生成するウレタン基;イソシァネート基とアミノ基との反応により生成する尿素基;イソ シァネート基とメルカプト基との反応により生成するチォウレタン基などを挙げることが できる。また、本発明では、上記ウレタン基、尿素基、及び、チォウレタン基中の活性 水素が、更にイソシァネート基と反応して生成する基も、一般式(14)の基に含まれる
[0086] アミドセグメントと反応性ケィ素基を有する有機重合体の工業的に容易な製造方法 を例示すると、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に、過剰のポリイソシァネ 一トイ匕合物を反応させて、ポリウレタン系主鎖の末端にイソシァネート基を有する重合 体とした後、あるいは同時に、該イソシァネート基の全部または一部に一般式(15) W-R^-SiR'x (15)
(ただし、式中、
Xは前記と同じ。 R
22は、 2価の有機基であり、より好ましくは炭素 原子数 1から 20の置換もしくは非置換の 2価の炭化水素基である。 Wは水酸基、カル ボキシル基、メルカプト基およびアミノ基およびイミノ基カゝら選ばれた活性水素含有基 である。 )で表されるケィ素化合物の W基を反応させる方法により製造されるものを挙 げることができる。この製造方法に関連した、有機重合体の公知の製造法を例示する
と、特公昭 46— 12154号(米国特許 3632557号)、特開昭 58— 109529号(米国 特許 4374237号)、特開昭 62— 13430号(米国特許 4645816号)、特開平 8— 53 528号(EP0676403)、特開平 10— 204144号(EP0831108)、特表 2003— 50 8561 (米国特許 6197912号)、特開平 6— 211879号(米国特許 5364955号)、特 開平 10— 53637号(米国特許 5756751号;)、特開平 11— 100427号、特開 2000 — 169544号、特開 2000— 169545号、特開 2002— 212415号、特許第 331336 0号、米国特許 4067844号、米国特許 3711445号、特開 2001— 323040号、など が挙げられる。
[0087] また、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に一般式 (16)
0 = C=N-R22-SiR1X (16)
2
(ただし、式中 R1 R22、 Xは前記に同じ。)で示される反応性ケィ素基含有イソシァネ 一トイ匕合物とを反応させることにより製造されるものを挙げることができる。この製造方 法に関連した、有機重合体の公知の製造法を例示すると、特開平 11 279249号( 米国特許 5990257号)、特開 2000— 119365号(米国特許 6046270号)、特開昭 58 - 29818号(米国特許 4345053号)、特開平 3—47825号(米国特許 5068304 号)、特開平 11— 60724号、特開 2002— 155145号、特開 2002— 249538号、 W 003/018658, WO03Z059981など力挙げられる。
[0088] 末端に活性水素含有基を有する有機重合体としては、末端に水酸基を有するォキ シアルキレン重合体(ポリエーテルポリオール)、ポリアクリルポリオール、ポリエステル ポリオール、末端に水酸基を有する飽和炭化水素系重合体 (ポリオレフインポリオ一 ル)、ポリチオールィ匕合物、ポリアミンィ匕合物などが挙げられる。これらの中でも、ポリ エーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、および、ポリオレフインポリオールは、 得られる有機重合体のガラス転移温度が比較的低ぐ得られる硬化物が耐寒性に優 れることから好ましい。特に、ポリエーテルポリオールは、得られる有機重合体の粘度 が低く作業性が良好であり、深部硬化性が良好である為に特に好ましい。また、ポリ アクリルポリオールおよび飽和炭化水素系重合体は、得られる有機重合体の硬化物 の耐候性 ·耐熱性が良好である為により好ま 、。
[0089] ポリエーテルポリオールとしては、 、かなる製造方法にぉ 、て製造されたものでも使
用することが出来るが、全分子平均で分子末端当り少なくとも 0. 7個の水酸基を末端 に有するものが好ましい。具体的には、従来のアルカリ金属触媒を使用して製造した ォキシアルキレン重合体や、複合金属シアン化物錯体ゃセシウムの存在下、少なくと も 2つの水酸基を有するポリヒドロキシィ匕合物などの開始剤に、アルキレンォキシドを 反応させて製造されるォキシアルキレン重合体などが挙げられる。
[0090] 上記の各重合法の中でも、複合金属シアン化物錯体を使用する重合法は、より低 不飽和度で、 MwZMnが狭ぐより低粘度でかつ、高耐酸性、高耐候性のォキシァ ルキレン重合体を得ることが可能であるため好ましい。
[0091] 前記ポリアクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体 を骨格とし、かつ、分子内にヒドロキシル基を有するポリオールを挙げることができる。 この重合体の合成法は、分子量分布が狭ぐ低粘度化が可能なことからリビングラジ カル重合法が好ましぐ原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開 2001 - 207157号公報に記載されて 、るアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、 高圧で連続塊状重合によって得た、いわゆる SGOプロセスによる重合体を用いるの が好ましい。具体的には、東亞合成 (株)製の UH— 2000等が挙げられる。
[0092] 前記ポリイソシァネートイ匕合物の具体例としては、トルエン(トリレン)ジイソシァネー ト、ジフエ-ルメタンジイソシァネート、キシリレンジイソシァネート等の芳香族系ポリイ ソシァネート;イソフォロンジイソシァネート、へキサメチレンジイソシァネート等の脂肪 族系ポリイソシァネートなどを挙げることができる。
[0093] 一般式(15)のケィ素化合物としては特に限定はないが、具体的に例示すると、 γ
—ァミノプロピルジメトキシメチルシラン、 Ν— ( 一アミノエチル) - Ύ—ァミノプロピ ルジメトキシメチルシラン、 γ— (N—フエ-ル)ァミノプロピルジメトキシメチルシラン、 Ν—ェチルァミノイソブチルジメトキシメチルシラン、(Ν—シクロへキシルアミノメチル) ジメトキシメチルシラン、(Ν—シクロへキシルアミノメチル)ジエトキシメチルシラン、( Ν—フエ-ルアミノメチル)ジメトキシメチルシラン、等のアミノ基含有シラン類; γ —ヒ ドロキシプロピルジメトキシメチルシラン等のヒドロキシ基含有シラン類; Ί—メルカプト プロピルジメトキシメチルシラン等のメルカプト基含有シラン類;等が挙げられる。また 、特開平 6— 211879号(米国特許 5364955号;)、特開平 10— 53637号(米国特許
5756751号)、特開平 10— 204144号(EP0831108)、特開 2000— 169544号、 特開 2000— 169545号に記載されている様に、各種の α , β—不飽和カルボ-ル 化合物と一級アミノ基含有シランとの Michael付加反応物、または、各種の (メタ)ァク リロイル基含有シランと一級アミノ基含有ィ匕合物との Michael付加反応物もまた、一 般式(15)のケィ素化合物として用いることができる。
[0094] 一般式(16)の反応性ケィ素基含有イソシァネートイ匕合物としては特に限定はない 力 具体的に例示すると、 γーメチルジメトキシシリルプロピルイソシァネート、 γーメ ート等が挙げられる。また、特開 2000— 119365号 (米国特許 6046270号)に記載 されている様に、一般式(15)のケィ素化合物と、過剰の前記ポリイソシァネートイ匕合 物を反応させて得られる化合物もまた、一般式(16)の反応性ケィ素基含有イソシァ ネートイ匕合物として用いることができる。
[0095] 本発明の (Α)成分である有機重合体の主鎖骨格中にアミドセグメントが多いと、有 機重合体の粘度が高くなり、作業性の悪い組成物となる場合がある。一方、(Α)成分 の主鎖骨格中のアミドセグメントによって、本発明の組成物の硬化性が向上する傾向 がある。従って、主鎖骨格中にアミドセグメントを有する有機重合体を (Α)成分として 用いた場合、チタン触媒 (Β)と組合せた組成物は、非有機錫触媒を用いながらより速 硬化性を有する為に好ま U、。 (Α)成分の主鎖骨格中にアミドセグメントを含む場合 、アミドセグメントは 1分子あたり平均で、 1〜10個が好ましぐ 1. 5〜7個がより好まし ぐ 2〜5個が特に好ましい。 1個よりも少ない場合には、硬化性が十分ではない場合 があり、 10個よりも大きい場合には、有機重合体が高粘度となり作業性の悪い組成 物となる場合がある。
[0096] 本発明では、 (Β)成分として、チタン触媒、アルミニウム触媒、ジルコニウム触媒力 選ばれる 1種以上を使用する。これらの触媒は、(Α)成分である有機重合体の硬化 触媒として機能する。従来、(Α)成分である反応性ケィ素基を有する有機重合体の 硬化触媒として、ジブチル錫ジラウレートやジブチル錫ビスァセチルァセトネートなど の有機錫化合物が用いられているが、本発明の触媒 (Β)を用いることにより、非有機 錫触媒でありながら、実用的な硬化特性を有する硬化性組成物が得られる。また、有
機錫触媒などの他の硬化触媒を用いた場合と比較して、アクリル榭脂などの難接着 有機系被着体に対する接着性を高めることができる。
[0097] チタン触媒、アルミニウム触媒、および、ジルコニウム触媒の中では、チタン触媒が 硬化性の点力も好ましい。
[0098] なお、(A)成分の硬化触媒として機能しな!、TiOなどの化合物は、本発明の(B)
2
成分に含まれない。
[0099] 前記触媒は、水酸基または置換あるいは非置換のアルコキシ基と結合したチタン 原子、アルミニウム原子、または、ジルコニウム原子を有する化合物であり、前記チタ ン触媒の好ましい具体例としては、一般式 (2):
Ti (OR2) (2)
4
(式中、 R2は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の炭化水素基である。 4個の R2は相互に同一であっても、異なっていてもよい。)で 表され、その中でもチタニウムアルコキシドが代表的な化合物として例示できる。その 他に一般式(2)で表される化合物としては、一般式(2)中の 4個の OR2基の一部また は全部が一般式(17) :
-OCOR23 (17)
(式中、 R23は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の炭化水素基である。 )で表されるァシルォキシ基であるチタニウムァシレートが挙 げられる。
[0100] また、一般式 (2)で表されないチタン触媒としては、一般式(18):
TiX1 (OR24) (18)
4~a a
(式中、 X1はハロゲン原子であり、 4— a個の X1は相互に同一であっても、異なってい てもよい。 R24は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非 置換の炭化水素基であり a個の R24は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 a は 1、 2、 3のいずれかである。)で表されるハロゲン化チタニウムアルコキシドが挙げ られる。
[0101] これらの中でも、チタニウムアルコキシドは、湿分に対する安定性、および、硬化性 の点力 好ましい。
[0102] 前記一般式 (2)で表されるチタン触媒の中でも、一般式 (3)
[0103] [化 13]
[0104] [式中、
R
4は水素原子または炭素原子数 1から 20の炭化水素基であり、 R
3およ び R
4は同一であっても、異なっていてもよい。 n個の R
3は相互に同一であっても、異 なっていてもよぐ 4— n個の R
4は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 A A 2は—R
5または OR
5力 選ばれる(ここで R
5は炭素原子数 1から 20の炭化水素基で ある)。 A
1および A
2は同一であっても、異なっていてもよい。 4— n個の A
1は相互に同 一であっても、異なっていてもよぐ 4— n個の A
2は相互に同一であっても、異なって いてもよい。 nは 0、 1、 2、 3のいずれかである。 ]で表されるチタニウムキレートおよび Zまたは一般式 (4) :
[0105] [化 14]
[0106] (式中、 R4、 A ΑΊま前記と同じ。 R6は、炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換 の-価の炭化水素基である。)で表されるチタニウムキレートが、(Α)成分との相溶性 、触媒活性の高さ、および、貯蔵安定性の点から、より好ましい。一般式 (3)のチタ- ゥムキレートは、触媒活性が高いことから、特に好ましい。一般式(3)の ηが 2であるチ タ-ゥムキレートは、比較的結晶性 (融点)が低ぐ作業性が良好で、触媒活性が高 い為、最も好ましい。
[0107] 一般式(2)で表されるチタニウムアルコキシドを具体的に例示すると、チタニウムテ トラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラァリルォキシド、チタニウム テトラ n—プロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラ n—ブトキ シド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラ sec—ブトキシド、チタニウムテト ラ tーブトキシド、チタニウムテトラ n—ペンチルォキシド、チタニウムテトラシクロペンチ ルォキシド、チタニウムテトラへキシルォキシド、チタニウムテトラシクロへキシルォキ シド、チタニウムテトラべンジルォキシド、チタニウムテトラオクチルォキシド、チタニゥ ムテトラキス(2—ェチルへキシルォキシド)、チタニウムテトラデシルォキシド、チタ- ゥムテトラドデシルォキシド、チタニウムテトラステアリルォキシド、チタニウムテトラブト キシドダイマー、チタニウムテトラキス(8—ヒドロキシォクチルォキシド)、チタニウムジ イソプロポキシドビス(2—ェチルー 1, 3—へキサンジォラト)、チタニウムビス(2—ェ チルへキシルォキシ)ビス(2—ェチルー 1, 3—へキサンジォラト)、チタニウムテトラ キス(2—クロロェトキシド)、チタニウムテトラキス(2—ブロモェトキシド)、チタニウムテ トラキス(2—メトキシェトキシド)、チタニウムテトラキス(2—エトキシェトキシド)、チタ ユウムブトキシドトリメトキシド、チタニウムジブトキシドジメトキシド、チタニウムブトキシ ドトリエトキシド、チタニウムジブトキシドジェトキシド、チタニウムブトキシドトリイソプロ ポキシド、チタニウムジブトキシドジイソプロポキシド、チタニウムテトラフエノキシド、チ タ-ゥムテトラキス(o—クロロフエノキシド)、チタニウムテトラキス(m—-トロフエノキシ ド)、チタニウムテトラキス (p—メチルフエノキシド)、チタニウムテトラキス(トリメチルシ リルォキシド)、などが挙げられる。
[0108] 一般式(2)中の 4個の OR2基の一部または全部が一般式(17)で表される基である チタニウムァシレートを具体的に例示すると、チタニウムアタリレートトリイソプロポキシ ド、チタニウムメタタリレートトリイソプロポキシド、チタニウムジメタクリレートジイソプロ ポキシド、チタニウムイソプロポキシドトリメタタリレート、チタニウムへキサノエートトリイ ソプロポキシド、チタ-ゥムステアレートトリイソプロポキシド、などが挙げられる。
[0109] 一般式(18)のハロゲンィ匕チタニウムアルコキシドを具体的に例示すると、チタ-ゥ ムクロライドトリイソプロポキシド、チタニウムジクロライドジイソプロポキシド、チタニウム イソプロポキシドトリクロライド、チタニウムブロマイドトリイソプロポキシド、チタニウムフ
ルォライドトリイソプロポキシド、チタニウムクロライドトリエトキシド、チタニウムクロライド トリブトキシド、などが挙げられる。
一般式 (3)または一般式 (4)のチタニウムキレートを具体的に例示すると、チタ-ゥ ムジメトキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、チタニウムジメトキドビス(ァセチノレアセト ネート)、チタニウムジエトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、チタニウムジエトキド ビス(ァセチノレアセトネート)、チタニウムジイソプロボキシドビス(ェチノレアセトァセテ ート)、チタニウムジイソプロボキシドビス (メチルァセトアセテート)、チタニウムジイソ プロポキシドビス(t ブチルァセトアセテート)、チタニウムジイソプロボキシドビス(メ チルー 3—ォキソ 4, 4ージメチルへキサノエート)、チタニウムジイソプロポキシドビ ス(ェチル一 3—ォキソ 4, 4, 4—トリフルォロブタノエート)、チタニウムジイソプロボ キシドビス(ァセチルァセトネート)、チタニウムジイソプロボキシドビス(2, 2, 6, 6—テ トラメチルー 3, 5—ヘプタンジォネート)、チタニウムジー n—ブトキシドビス(ェチルァ セトアセテート)、チタニウムジー n ブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、チタニゥ ムジイソブトキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、チタニウムジイソブトキシドビス(ァ セチルァセトネート)、チタニウムジー t—ブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、チ タ-ゥムジ—t—ブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、チタニウムジー 2—ェチルへ キソキシドビス(ェチルァセトアセテート)、チタニウムジー 2—ェチルへキソキシドビス (ァセチルァセトネート)、チタニウムビス(1ーメトキシー 2—プロポキシド)ビス(ェチル ァセトアセテート)、チタニウムビス(3 ォキソ 2 ブトキシド)ビス(ェチルァセトァ セテート)、チタニウムビス(3—ジェチノレアミノプロポキシド)ビス(ェチノレアセトァセテ ート)、チタニウムトリイソプロボキシド (ェチルァセトアセテート)、チタニウムトリイソプ ロポキシド(ジェチノレマロネート)、チタニウムトリイソプロポキシド(ァリノレアセトァセテ ート)、チタニウムトリイソプロボキシド (メタクリロキシェチルァセトアセテート)、 1, 2- ジォキシェタンチタニウムビス(ェチルァセトアセテート)、 1, 3 ジォキシプロパンチ タ -ゥムビス(ェチルァセトアセテート)、 2, 4ージォキシペンタンチタニウムビス(ェチ ルァセトアセテート)、 2, 4 ジメチルー 2, 4 ジォキシペンタンチタニウムビス(ェチ ノレァセトアセテート)、チタニウムジイソプロボキシドビス(トリエタノーノレアミネート)、チ タ-ゥムテトラキス(ェチノレアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(ァセチノレアセトネ
ート)、チタニウムビス(トリメチルシロキシ)ビス(ェチルァセトアセテート)、チタニウム ビス(トリメチルシロキシ)ビス(ァセチルァセトナート)、などが挙げられる。これらの中 でもチタニウムジエトキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、チタニウムジエトキドビス( ァセチルァセトネート)、チタニウムジイソプロボキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、 チタニウムジイソプロボキシドビス(ァセチルァセトネート)、チタニウムジブトキシドビス (ェチルァセトアセテート)、チタニウムジブトキシドビス(ァセチルァセトネート)力 入 手性および触媒活性の点カゝら好ましぐチタニウムジエトキシドビス(ェチルァセトァセ テート)、チタニウムジイソプロボキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、チタニウムジブ トキシドビス(ェチルァセトアセテート)がより好ましぐチタニウムジイソプロポキシドビ ス (ェチルァセトアセテート)が最も好まし 、。
[0111] また、上記以外のチタン触媒を具体的に記載すると、チタニウムトリス (ジォクチルフ ォスフェート)イソプロポキシド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソ プロポキシド、ジヒドロキシチタニウムビスラタテート、などが挙げられる。
[0112] また、前記チタニウムキレートのキレート配位子を形成し得るキレート試薬の具体例 としては、ァセチルアセトン、 2, 2, 4, 4ーテトラメチルー 3, 5 ヘプタンジオンなど の 13ージケトン;ァセト酢酸メチル、ァセト酢酸ェチル、ァセト酢酸 tーブチル、ァセト 酢酸ァリル、ァセト酢酸(2—メタクリロキシェチル)、 3 ォキソ—4, 4 ジメチルへキ サン酸メチル、 3—ォキソ—4, 4, 4 トリフルォロブタン酸ェチルなどの j8—ケトエス テル;マロン酸ジメチル、マロン酸ジェチルなどの j8—ジエステル;が硬化性の点から 好ましい。これらのなかでも、 βージケトンおよび j8—ケトエステルが硬化性および貯 蔵安定性の点力もより好ましぐ β—ケトエステルが特に好ましい。また、硬化性、貯 蔵安定性および入手性の点から、ァセチルアセトン、ァセト酢酸メチル、ァセト酢酸ェ チルがより好ましぐァセト酢酸ェチルが特に好ましい。また、キレート配位子が 2個以 上存在する場合、それぞれのキレート配位子は同一であっても異なっていてもよい。
[0113] 前記チタニウムキレートを添加する方法として、上記に例示したチタニウムキレート を直接添加する以外に、チタニウムテトライソプロボキシドやチタニウムジクロライドジ イソプロボキシドなどのキレート試薬と反応し得るチタンィ匕合物と、ァセト酢酸ェチル などのキレート試薬を、本発明の組成物にそれぞれ添加し、組成物中にてキレートイ匕
させる方法も適用し得る。
[0114] 前記アルミニウム触媒の好ましい具体例としては、一般式(5):
Al(OR7) (5)
3
(式中、 R7は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の炭化水素基であり、 3個の R7は相互に同一であっても、異なっていてもよい)で 表され、その中でもアルミニウムアルコキシドが代表的な化合物として例示できる。そ の他に一般式(5)で表される化合物としては、一般式(5)中の 3個の OR7基の一部ま たは全部が一般式(19) :
-OCOR25 (19)
(式中、 R25は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の炭化水素基である。 )で表されるァシルォキシ基であるアルミニウムァシレートが 挙げられる。
[0115] また、一般式(5)で表されな!/、アルミニウム触媒としては、一般式(20):
A1X2 (OR26) (20)
3-b b
(式中、 X2はハロゲン原子であり、 3— b個の X2は相互に同一であっても、異なってい てもよい。 R26は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非 置換の炭化水素基であり b個の R26は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 b は 1、 2のいずれかである。)で表されるハロゲン化アルミニウムアルコキシドが挙げら れる。
[0116] これらの中でも、アルミニウムアルコキシドは、湿分に対する安定性、および、硬化 性の点力も好ましい。
[0117] 前記一般式 (5)で表されるアルミニウム触媒の中でも、一般式 (6):
[0118] [化 15]
[0119] [式中、 R8、 R9は水素原子または炭素原子数 1から 20の炭化水素基であり、 R8およ び R9は同一であっても、異なっていてもよい。 m個の R8は相互に同一であっても、異 なっていてもよく、 3— m個の R9は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 A3、 A4は— R1Qまたは— OR1Qから選ばれる(ここで R1Qは炭素原子数 1から 20の炭化水素 基である)。 A3および A4は同一であっても、異なっていてもよい。 3— m個の A3は相互 に同一であっても、異なっていてもよく、 3— m個の A4は相互に同一であっても、異な つていてもよい。 mは 0、 1、 2のいずれかである。 ]で表されるアルミニウムキレートお よび Zまたは一般式(7) :
[0120] [化 16]
[0121] (式中、 R9、 Α3、 ΑΊま前記と同じ。 R11は、炭素原子数 1から 20の 2価の炭化水素基で ある。)で表されるアルミニウムキレートが、(Α)成分との相溶性、触媒活性の高さ、お よび、貯蔵安定性の点から、より好ましい。一般式 (6)のアルミニウムキレートは、触 媒活性が高いことから、特に好ましい。
[0122] 一般式(5)で表されるアルミニウムアルコキシドを具体的に例示すると、アルミニゥ ムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリアリルォキシド、アルミ-ゥ ムトリ η—プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ η—ブトキシ
ド、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ sec ブトキシド、アルミニウムトリ t ーブトキシド、アルミニウムトリ n—ペンチルォキシド、アルミニウムトリシクロペンチルォ キシド、アルミニウムトリへキシルォキシド、アルミニウムトリシクロへキシルォキシド、ァ ルミ-ゥムトリベンジルォキシド、アルミニウムトリオクチルォキシド、アルミニウムトリス( 2—ェチルへキシルォキシド)、アルミニウムトリデシルォキシド、アルミニウムトリドデ シルォキシド、アルミニウムトリステアリルォキシド、アルミニウムトリブトキシドダイマー 、アルミニウムトリス(8—ヒドロキシォクチルォキシド)、アルミニウムイソプロポキシドビ ス(2 ェチルー 1, 3 へキサンジォラト)、アルミニウムジイソプロボキシド(2 ェチ ルー 1 , 3 へキサンジォラト)、アルミニウム(2 ェチルへキシルォキシ)ビス(2 ェ チルー 1, 3 へキサンジォラト)、アルミニウムビス(2 ェチルへキシルォキシ)(2— ェチル 1, 3 へキサンジォラト)、アルミニウムトリス(2 クロロェトキシド)、アルミ- ゥムトリス(2—ブロモェトキシド)、アルミニウムトリス(2—メトキシェトキシド)、アルミ- ゥムトリス(2—エトキシェトキシド)、アルミニウムブトキシドジメトキシド、アルミニウムメ トキシドジブトキシド、アルミニウムブトキシドジェトキシド、アルミニウムエトキシドジブト キシド、アルミニウムブトキシドジイソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシドジブト キシド、アルミニウムトリフエノキシド、アルミニウムトリス(o クロロフエノキシド)、アルミ -ゥムトリス(m—-トロフエノキシド)、アルミニウムトリス(p—メチルフエノキシド)、など が挙げられる。
[0123] 一般式(5)中の 3個の OR7基の一部または全部が一般式(19)で表される基である アルミニウムァシレートを具体的に例示すると、アルミニウムアタリレートジイソプロポキ シド、アルミニウムメタタリレートジイソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシドジメタ タリレート、アルミニウムへキサノエートジイソプロポキシド、アルミ-ゥムステアレートジ イソプロポキシド、などが挙げられる。
[0124] 一般式(20)のハロゲン化アルミニウムアルコキシドを具体的に例示すると、アルミ -ゥムクロライドジイソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシドジクロライド、アルミ -ゥムブロマイドジイソプロポキシド、アルミニウムフルオライドジイソプロポキシド、ァ ルミ-ゥムクロライドジェトキシド、アルミニウムクロライドジブトキシド、などが挙げられ る。
一般式 (6)または一般式(7)のアルミニウムキレートを具体的に例示すると、アルミ 二ゥムメトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムメトキドビス(ァセチルァセ トネート)、アルミニウムエトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムエトキド ビス(ァセチルァセトネート)、アルミニウムイソプロポキシドビス(ェチルァセトァセテー ト)、アルミニウムイソプロポキシドビス (メチルァセトアセテート)、アルミニウムイソプロ ポキシドビス(t—ブチルァセトアセテート)、アルミニウムジメトキシド(ェチルァセトァ セテート)、アルミニウムジメトキド(ァセチルァセトネート)、アルミニウムジエトキシド( ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジエトキド(ァセチルァセトネート)、アルミ-ゥ ムジイソプロポキシド(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジイソプロボキシド (メチ ルァセトアセテート)、アルミニウムジイソプロボキシド(t—ブチルァセトアセテート)、 アルミニウムイソプロポキシドビス(メチル 3—ォキソ 4, 4 ジメチルへキサノエ一 ト)、アルミニウムイソプロポキシドビス(ェチル— 3—ォキソ—4, 4, 4—トリフルォロぺ ンタノエート)、アルミニウムイソプロポキシドビス(ァセチルァセトネート)、アルミニウム イソプロポキシドビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 3, 5 ヘプタンジォネート)、アルミ -ゥム n—ブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミニウム n—ブトキシドビス(ァ セチルァセトネート)、アルミニウムイソブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アル ミニゥムイソブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、アルミニウム t—ブトキシドビス(ェ チルァセトアセテート)、アルミニウム t—ブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、アルミ -ゥム 2—ェチルへキソキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミニウム 2—ェチル へキソキシドビス(ァセチルァセトネート)、 1, 2—ジォキシェタンアルミニウム(ェチル ァセトアセテート)、 1, 3 ジォキシプロパンアルミニウム(ェチルァセトアセテート)、 2 , 4 ジォキシペンタンアルミニウム(ェチルァセトアセテート)、 2, 4 ジメチルー 2, 4ージォキシペンタンアルミニウム(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムイソプロボ キシドビス(トリエタノールアミネート)、アルミニウムトリス(ェチルァセトアセテート)、ァ ルミ-ゥムトリス(ァセチルァセトネート)、アルミニウム(ァセチルァセトネート)ビス(ェ チルァセトアセテート)などが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムエトキシドビス (ェチルァセトアセテート)、アルミニウムエトキドビス(ァセチルァセトネート)、アルミ- ゥムイソプロポキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムイソプロポキシドビス
(ァセチルァセトネート)、アルミニウムブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミ -ゥムブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、アルミニウムジメトキシド(ェチルァセト アセテート)、アルミニウムジメトキド(ァセチルァセトネート)、アルミニウムジエトキシド (ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジエトキド(ァセチルァセトネート)、アルミ-ゥ ムジイソプロポキシド(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジイソプロボキシド (メチ ルァセトアセテート)、アルミニウムジイソプロボキシド(t—ブチルァセトアセテート)が 、入手性および触媒活性の点から好ましぐアルミニウムエトキシドビス (ェチルァセト アセテート)、アルミニウムイソプロポキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミ-ゥ ムブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジメトキシド(ェチルァセトァ セテート)、アルミニウムジエトキシド(ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジィソプ ロポキシド(ェチルァセトアセテート)がより好ましぐアルミニウムイソプロポキシドビス (ェチルァセトアセテート)、アルミニウムジイソプロボキシド(ェチルァセトアセテート) が最も好ましい。
[0126] また、上記以外のアルミニウム触媒を具体的に記載すると、アルミニウムビス (ジオタ チルフォスフェート)イソプロポキシド、アルミニウムビス(ドデシルベンゼンスルフォネ ート)イソプロポキシド、ヒドロキシアルミニウムビスラタテート、などが挙げられる。
[0127] また、前記アルミニウムキレートのキレート配位子を形成し得るキレート試薬の具体 例としては、ァセチルアセトン、 2, 2, 4, 4ーテトラメチルー 3, 5—ヘプタンジオンな どの 13ージケトン、ァセト酢酸ェチル、ァセト酢酸ェチル、ァセト酢酸 tーブチル、ァセ ト酢酸ァリル、ァセト酢酸(2—メタクリロキシェチル)、 3—ォキソ—4, 4ージメチルへ キサン酸メチル、 3—ォキソ—4, 4, 4—トリフルォロブタン酸ェチルなどの j8—ケトェ ステル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジェチルなどの j8—ジエステルが硬化性の点か ら好ましく、 j8—ジケトンおよび j8—ケトエステルが硬化性および貯蔵安定性の点か らより好ましぐ βーケトエステルが特に好ましい。また、キレート配位子が 2個以上存 在する場合、それぞれのキレート配位子は同一であっても異なっていてもよい。
[0128] 前記アルミニウムキレートを本発明の(Β)成分として添加する場合、以下に述べる( 二)または(ホ)の方法を用いることができる。(二)予めキレートイ匕したアルミニウム触 媒を添加する方法。(ホ)アルミニウムトリイソプロボキシドやアルミニウムクロライドジィ
ソプロボキシドなどのキレート試薬と反応し得るアルミニウム化合物と、ァセト酢酸ェチ ルなどのキレート試薬を、本発明の組成物に添加し、組成物中にてキレートイ匕させた アルミニウムキレートを用いる方法。
[0129] 前記ジルコニウム触媒の好ま 、具体例としては、一般式 (8):
Zr (OR12) (8)
4
(式中、 R12は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の炭化水素基であり、 4個の R12は相互に同一であっても、異なっていてもよい)で 表され、その中でもジルコニウムアルコキシドが代表的な化合物として例示できる。そ の他に一般式 (8)で表される化合物としては、一般式 (8)中の 4個の OR12基の一部 または全部が一般式 (21) :
-OCOR27 (21)
(式中、 R27は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置 換の炭化水素基である。 )で表されるァシルォキシ基であるジルコニウムァシレートが 挙げられる。
[0130] また、一般式 (8)で表されな!/ヽジルコニウム触媒としては、一般式(22):
ZrX3 (OR28) (22)
4-c c
(式中、 X3はハロゲン原子であり、 4— c個の X3は相互に同一であっても、異なってい てもよい。 R28は有機基であり、より好ましくは炭素原子数 1から 20の置換あるいは非 置換の炭化水素基であり c個の R28は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 c は 1、 2、 3のいずれかである。)で表されるハロゲン化ジルコニウムアルコキシドが挙 げられる。
[0131] これらの中でも、ジルコニウムアルコキシドは、湿分に対する安定性、および、硬化 性の点力も好ましい。
[0132] 前記一般式 (8)で表されるジルコニウム触媒の中でも、一般式(9):
[0133] [化 17]
[0134] [式中、 R"、 R14は水素原子または炭素原子数 1から 20の炭化水素基であり、 およ び R14は同一であっても、異なっていてもよい。 1個の R13は相互に同一であっても、異 なっていてもよぐ 4—1個の R"は相互に同一であっても、異なっていてもよい。 A5、 A 6は— R15または— OR15から選ばれる(ここで R15は炭素原子数 1から 20の炭化水素基 である)。 A5および A6は同一であっても、異なっていてもよい。 4—1個の A5は相互に 同一であっても、異なっていてもよぐ 4—1個の A6は相互に同一であっても、異なって いてもよい。 1は 0、 1、 2、 3のいずれかである。 ]で表されるジルコニウムキレートおよ び Zまたは一般式(10) :
[0135] [化 18]
[0136] (式中、 R14、 Α5、 ΑΊま前記と同じ。 Rlnは、炭素原子数 1から 20の 2価の炭化水素基 である。 )
で表されるジルコニウムキレートが、(A)成分との相溶性、触媒活性の高さ、および、 貯蔵安定性の点から、より好ましい。一般式 (9)のジルコニウムキレートは、触媒活性 が高いことから、特に好ましい。
[0137] 一般式(8)で表されるジルコニウムアルコキシドを具体的に例示すると、ジルコユウ ムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラァリルォキシド、ジ
ルコ-ゥムテトラ n—プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウム テトラ n—ブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラ sec—ブトキ シド、ジルコニウムテトラ tーブトキシド、ジルコニウムテトラ n—ペンチルォキシド、ジル コ-ゥムテトラシクロペンチルォキシド、ジルコニウムテトラへキシルォキシド、ジルコ- ゥムテトラシクロへキシル才キシド、ジルコニウムテトラべンジルォキシド、ジルコニウム テトラオクチルォキシド、ジルコニウムテトラキス(2—ェチルへキシルォキシド)、ジル コ-ゥムテトラデシルォキシド、ジルコニウムテトラドデシルォキシド、ジルコニウムテト ラステアリルォキシド、ジルコニウムテトラブトキシドダイマー、ジルコニウムテトラキス( 8—ヒドロキシォクチルォキシド)、ジルコニウムジイソプロボキシドビス(2—ェチルー 1 , 3 -へキサンジォラト)、ジルコニウムビス (2-ェチルへキシルォキシ)ビス(2—ェ チル一 1, 3—へキサンジォラト)、ジルコニウムテトラキス(2—クロ口エトキシド)、ジル コ-ゥムテトラキス(2—ブロモエトキシド)、ジルコニウムテトラキス(2—メトキシェトキ シド)、ジルコニウムテトラキス(2—エトキシェトキシド)、ジルコニウムブトキシドトリメト キシド、ジノレコニゥムジブトキシドジメトキシド、ジノレコニゥムブトキシドトリエトキシド、ジ ノレコニゥムジブトキシドジェトキシド、ジノレコニゥムブトキシドトリイソプロポキシド、ジノレ コ -ゥムジブトキシドジイソプロポキシド、ジルコニウムテトラフエノキシド、ジルコニウム テトラキス(o—クロロフエノキシド)、ジルコニウムテトラキス(m—二トロフエノキシド)、 ジルコニウムテトラキス (p—メチルフエノキシド)、などが挙げられる。
[0138] 一般式 (8)中の 4個の OR12基の一部または全部が一般式(21)で表される基である ジルコニウムァシレートを具体的に例示すると、ジルコニウムアタリレートトリイソプロボ キシド、ジルコニウムメタタリレートトリイソプロポキシド、ジルコニウムジメタクリレートジ イソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシドトリメタタリレート、ジルコニウムへキサ ノエートトリイソプロポキシド、ジルコニウムステアレートトリイソプロポキシド、などが挙 げられる。
[0139] 一般式(22)のハロゲン化ジルコニウムアルコキシドを具体的に例示すると、ジルコ -ゥムクロライドトリイソプロポキシド、ジルコニウムジクロライドジイソプロポキシド、ジル コ -ゥムイソプロポキシドトリクロライド、ジルコニウムブロマイドトリイソプロポキシド、ジ ルコ -ゥムフルオライドトリイソプロポキシド、ジルコニウムクロライドトリエトキシド、ジル
コ -ゥムクロライドトリブトキシド、などが挙げられる。
一般式(9)または一般式(10)のジルコニウムキレートを具体的に例示すると、ジル コ-ゥムジメトキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、ジルコニウムジメトキドビス(ァセチ ルァセトネート)、ジルコニウムジエトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコユウ ムジエトキドビス(ァセチルァセトネート)、ジノレコ-ゥムジイソプロポキシドビス(ェチノレ ァセトアセテート)、ジルコニウムジイソプロボキシドビス(メチルァセトアセテート)、ジ ルコ-ゥムジイソプロポキシドビス(t—ブチルァセトアセテート)、ジルコニウムトリメトキ シド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムトリメトキド(ァセチルァセトネート)、ジル コ -ゥムトリエトキシド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムトリエトキド(ァセチルァ セトネート)、ジルコニウムトリイソプロポキシド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウム トリイソプロポキシド(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムトリイソプロポキシド (メチル ァセトアセテート)、ジルコニウムトリイソプロポキシド (t—ブチルァセトアセテート)、ジ ルコ -ゥムトリ—n—ブトキシド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムトリ—n—ブトキ シド(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムメトキシドトリス(ェチルァセトアセテート)、 ジルコニウムメトキドトリス(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムエトキシドトリス(ェチ ルァセトアセテート)、ジルコニウムェトキドトリス(ァセチルァセトネート)、ジルコニウム イソプロポキシドトリス(ェチノレアセトアセテート)、ジルコニウムイソプロポキシドトリス( ァセチルァセトネート)、ジルコニウムイソプロポキシドトリス(メチルァセトアセテート)、 ジルコニウムイソプロポキシドトリス(t—ブチルァセトアセテート)、ジルコニウム n—ブ トキシドトリス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウム n—ブトキシドトリス(ァセチルァ セトネート)、ジルコニウム n—ブトキシド(ァセチルァセトネート)ビス(ェチルァセトァ セテート)、ジルコニウムジイソプロボキシドビス(メチルー 3—ォキソ 4, 4—ジメチル へキサノエ一ト)、ジルコニウムジイソプロボキシドビス(ェチルー 3—ォキソ 4, 4, 4 —トリフルォロペンタノエート)、ジルコニウムジイソプロボキシドビス(ァセチルァセトネ 一ト)、ジルコニウムジイソプロボキシドビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル一 3, 5 ヘプタ ンジォネート)、ジルコニウムジ—n—ブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコ ユウムジ n—ブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムジイソブトキシドビ ス(ェチノレアセトアセテート)、ジルコニウムジイソブトキシドビス(ァセチノレアセトネート
)、ジルコニウムジ—t—ブトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジ—t ブトキシドビス(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムジ 2—ェチルへキソキシドビ ス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジ一 2—ェチルへキソキシドビス(ァセチル ァセトネート)、 1, 2—ジォキシェタンジルコニウムビス(ェチルァセトアセテート)、 1, 3 ジォキシプロパンジルコニウムビス(ェチルァセトアセテート)、 2, 4 ジォキシぺ ンタンジルコニウムビス(ェチルァセトアセテート)、 2, 4 ジメチルー 2, 4 ジォキシ ペンタンジルコニウムビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジイソプロボキシド ビス(トリエタノールアミネート)、ジルコニウムテトラキス(ェチルァセトアセテート)、ジ ルコ-ゥムテトラキス(ァセチルァセトネート)、などが挙げられる。これらの中でも、ジ ルコ-ゥムジエトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジエトキドビス(ァ セチノレアセトネート)、ジノレコニゥムジイソプロポキシドビス(ェチノレアセトアセテート)、 ジルコニウムジイソプロボキシドビス(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムジブトキシ ドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシドビス(ァセチルァセトネート 、ジルコニウムトリイソプロポキシド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムトリイソプロ ポキシド(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムトリー n—ブトキシド(ェチルァセトァセ テート)、ジルコニウムトリ— n—ブトキシド(ァセチルァセトネート)、ジルコニウムイソプ 口ポキシドトリス(ェチノレアセトアセテート)、ジルコニウムイソプロポキシドトリス(ァセチ ルァセトネート)、ジルコニウム n—ブトキシドトリス(ェチルァセトアセテート)、ジルコ- ゥム n—ブトキシドトリス(ァセチルァセトネート)、ジルコニウム n—ブトキシド(ァセチル ァセトネート)ビス (ェチルァセトアセテート)力 入手性および触媒活性の点力も好ま しぐジルコニウムジエトキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジイソプロ ポキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシドビス(ェチルァセトァ セテート)、ジルコニウムトリイソプロポキシド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムト リ— n—ブトキシド(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムイソプロポキシドトリス(ェチ ルァセトアセテート)、ジルコニウム n—ブトキシドトリス(ェチルァセトアセテート)、ジル コ -ゥム n—ブトキシド(ァセチルァセトネート)ビス(ェチルァセトアセテート)がより好 ましぐジルコニウムジイソプロボキシドビス(ェチルァセトアセテート)、ジルコニウムト リイソプロボキシド(ェチノレアセトアセテート)、ジルコニウムイソプロポキシドトリス(ェチ
ルァセトアセテート)が最も好ま 、。
[0141] また、上記以外のジルコニウム触媒を具体的に記載すると、ジルコニウムトリス (ジォ クチルフォスフェート)イソプロポキシド、ジルコニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォ ネート)イソプロポキシド、ジヒドロキシジルコニウムビスラタテート、などが挙げられる。
[0142] また、前記ジルコニウムキレートのキレート配位子を形成し得るキレート試薬の具体 例としては、ァセチルアセトン、 2, 2, 4, 4ーテトラメチルー 3, 5—ヘプタンジオンな どの 13ージケトン、ァセト酢酸ェチル、ァセト酢酸ェチル、ァセト酢酸 tーブチル、ァセ ト酢酸ァリル、ァセト酢酸(2—メタクリロキシェチル)、 3—ォキソ—4, 4ージメチルへ キサン酸メチル、 3—ォキソ—4, 4, 4—トリフルォロブタン酸ェチルなどの j8—ケトェ ステル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジェチルなどの j8—ジエステルが硬化性の点か ら好ましく、 j8—ジケトンおよび j8—ケトエステルが硬化性および貯蔵安定性の点か らより好ましぐ βーケトエステルが特に好ましい。また、キレート配位子が 2個以上存 在する場合、それぞれのキレート配位子は同一であっても異なっていてもよい。
[0143] 前記ジルコニウムキレートを本発明の(Β)成分として添加する場合、以下に述べる( 二)または(ホ)の方法を用いることができる。(二)予めキレートイ匕したジルコニウム触 媒を添加する方法。(ホ)ジルコニウムテトライソプロボキシドやジルコニウムジクロライ ドジイソプロボキシドなどのキレート試薬と反応し得るジルコニウム化合物と、ァセト酢 酸ェチルなどのキレート試薬を、本発明の組成物に添加し、組成物中にてキレートイ匕 させたジルコニウムキレートを用いる方法。
[0144] (Β)成分の触媒は、単独で使用する以外に、 2種以上を組み合わせて使用すること ができる。
[0145] 本発明では、(C)成分として、加水分解性ケィ素基を有する分子量 100〜 1000の 低分子量化合物を使用する。(C)成分としては、加水分解性ケィ素基を有し、分子 量が 100〜1000の化合物であれば特に限定は無ぐ各種の化合物を使用すること ができる。具体的には、加水分解性ケィ素基とそれ以外の官能基を有するシランカツ プリング剤 (C1)、および、官能基として加水分解性ケィ素基のみを有する化合物 (C 2)などを挙げることができる。
[0146] 前記 (C1)成分であるシランカップリング剤は、接着性付与剤、物性調整剤、脱水
剤、無機充填材の分散性改良剤等として機能し得る化合物である。シランカップリン グ剤の添カ卩により、各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、 銅、モルタルなどの無機基材や、塩ビ、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプ ロピレン、ポリカーボネートなどの有機基材に対して、ノンプライマー条件またはブラ イマ一処理条件下で、著しい接着性改善効果を示す。ノンプライマー条件下で使用 した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効果が特に顕著である。シラ ンカップリング剤の反応性ケィ素基は、一般式 (23):
- (SiR29 Y O) -SiR30 Y (23)
2-e e k 3-d d
(式中、 R29および R3Qは、それぞれ独立に、炭素原子数 1から 20のアルキル基、炭素 原子数 6から 20のァリール基、炭素原子数 7から 20のァラルキル基または (R") SiO
3
- (R"は、それぞれ独立に、炭素原子数 1から 20の置換あるいは非置換の炭化水素 基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、 Yは、それぞれ独立に、加 水分解'性基である。さらに、 dは 0、 1、 2、 3のいずれ力であり、 eは 0、 1、 2のいずれ力 であり、 dと eとが同時に 0になることはない。また、 kは 0または 1〜19の整数である)で 表される基を挙げることができる。
[0147] 上記一般式 (23)における Yは、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であ ればよい。具体的には、加水分解性基として既に例示した基を挙げることができるが 、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点力 好ましい。加水分解性基の個数 は、 2個以上、特に 3個以上が好ましい。
[0148] 加水分解性ケィ素基以外の官能基としては、 1級、 2級、 3級のアミノ基、メルカプト 基、エポキシ基、カルボキシル基、ビュル基、イソシァネート基、イソシァヌレート、ノヽ ロゲン等を例示できる。これらの内、 1級、 2級、 3級のアミノ基、エポキシ基、イソシァ ネート基、イソシァヌレート等は接着性改善効果が高い為に好ましぐアミノ基がより 好ましぐ 1級ァミノ基が特に好ましい。
[0149] シランカップリング剤の具体例としては、 γ—イソシァネートプロピルトリメトキシシラ ン、 Ί—イソシァネートプロピルトリエトキシシラン、 γ—イソシァネートプロピルメチル ジエトキシシラン、 Ί—イソシァネートプロピルメチルジメトキシシラン、 (イソシァネート メチル)トリメトキシシラン、 (イソシァネートメチル)メチルジメトキシシラン、 (イソシァネ
一トメチル)トリエトキシシラン、 (イソシァネートメチル)ジエトキシメチルシラン等のイソ シァネート基含有シラン類; y—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—ァミノプロビルト リエトキシシラン、 Ίーァミノプロピルトリイソプロポキシシラン、 γ—ァミノプロピノレメチ ルジメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルメチルジェトキシシラン、 γ—(2—アミノエチ ル)ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ— (2—アミノエチル)ァミノプロピルメチルジメト キシシラン、 γ - (2—アミノエチル)ァミノプロピルトリエトキシシラン、 γ - (2—ァミノ ェチル)ァミノプロピルメチルジェトキシシラン、 γ— (2—アミノエチル)ァミノプロピル トリイソプロポキシシラン、 γ— (6—ァミノへキシル)ァミノプロピルトリメトキシシラン、 3 - (Ν ェチルァミノ) 2—メチルプロピルトリメトキシシラン、 γ—ウレイドプロビルト リメトキシシラン、 γ—ウレイドプロピルトリエトキシシラン、 Ν フエ二ノレ一 γ—アミノプ 口ピルトリメトキシシラン、 Ν ベンジノレ一 γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν ビ -ルベンジル一 γ—ァミノプロピルトリエトキシシラン、 Ν シクロへキシルァミノメチル トリエトキシシラン、 Ν シクロへキシルアミノメチルジェトキシメチルシラン、 Ν—フエ ニルアミノメチルトリメトキシシラン、 (2—アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、 Ν , Ν,一ビス [3— (トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジァミン等のアミノ基含有シラ ン類; Ν— ( 1 , 3 ジメチルブチリデン) - 3 - (トリエトキシシリル)— 1—プロパンアミ ン等のケチミン型シラン類; Ί—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 Ύ—メルカプト プロピルトリエトキシシラン、 γ メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、 γ メル カプトプロピルメチルジェトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメ チルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類; y—グリシドキシプロピルトリメト キシシラン、 γ—グリシドキシプロピノレトリエトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルメ チノレジメトキシシラン、 j8 (3, 4—エポキシシクロへキシノレ)ェチノレトリメトキシシラン 、 j8 (3, 4—エポキシシクロへキシノレ)ェチノレトリエトキシシラン等のエポキシ基含有 シラン類; j8—カルボキシェチルトリエトキシシラン、 13 カルボキシェチルフエ-ル ビス(2—メトキシエトキシ)シラン、 N— j8— (カルボキシメチル)アミノエチル一 γ—ァ ミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニ アタリロイルォキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルォキシメチルトリメトキシシ
ラン等のビュル型不飽和基含有シラン類; γ—クロ口プロピルトリメトキシシラン等のハ ロゲン含有シラン類;トリス(3—トリメトキシシリルプロピル)イソシァヌレート等のイソシ ァヌレートシラン類等を挙げることができる。また、上記シラン類を部分的に縮合した 縮合体も使用できる。さらに、これらを変性した誘導体である、ァミノ変性シリルポリマ 一、シリル化ァミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フエ-ルァミノ長鎖アルキルシ ラン、アミノシリルイ匕シリコーン、シリルイ匕ポリエステル等もシランカップリング剤として 用いることができる。シランカップリング剤の反応物としては、上記アミノシランとェポキ シシランの反応物、アミノシランとイソシァネートシランの反応物、各種シランカツプリ ング剤の部分縮合体等を挙げる事ができる。
[0150] 前記 (C2)成分である、官能基として加水分解性ケィ素基のみを有する化合物は、 脱水剤、架橋剤、または、物性調整剤等として機能し得る化合物である。(C2)成分 としては、官能基として反応性ケィ素基のみを有し、分子量が 100〜: LOOOの化合物 であれば特に限定は無ぐ各種の化合物を使用することができるが、具体的には、一 般式 (24) :
R31 Si(OR32) (24)
f 4-f
(式中、 R31および R32は、それぞれ独立に、炭素原子数 1から 20の炭化水素基を表 す。 fは 0、 1、 2または 3を示す。)で表される化合物またはその部分加水分解縮合物 を挙げることができる。
[0151] (C2)成分の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリ メトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラー n—プ ロボキシシラン、テトラー i—プロボキシシラン、テトラー n—ブトキシシラン、テトラー i— ブトキシシラン、テトラー t ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン (テトラアルキ ルシリケート);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロボ キシシラン、メチルトリフエノキシシラン、ェチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシ ラン、フエ-ルトリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、 ジェチルジメトキシシラン、ジフエ-ルジメトキシシランなどのジアルコキシシラン;トリメ チルメトキシシラン、トリフエニルメトキシシランなどのモノアルコキシシラン;ジメチルジ
キシシラン;および、それらの部分加水分解縮合物があげられる。
[0152] オルガノシリケートイ匕合物の部分加水分解縮合物は、市販のものを用いることがで きる。このような縮合物としては、例えば、メチルシリケート 51、ェチルシリケート 40 (い ずれもコルコート (株)製)等が挙げられる。
[0153] (C)成分の加水分解性ケィ素基を有する分子量 100〜1000の低分子量化合物は 、単独で使用する以外に、 2種以上を組み合わせて使用することができる。
[0154] 本発明では、組成物中の(B)成分のチタン原子とアルミニウム原子とジルコニウム 原子の総モル数 (a)と、組成物中の(C)成分のケィ素原子の総モル数 (b)との比(a Zb)が、 0. 4よりも大きいことが必須である。 aZbの値が 0. 4以下になると、硬化速 度が著しく低下し、シーリング材ゃ接着剤などに用いた場合に、実用的な硬化性が 得られなくなる。硬化性、貯蔵安定性、および、得られる硬化物の表面の粘着性の点 から、 aZbの値は、 0. 5より大きいことが好ましぐ 0. 6より大きいことが特に好ましい
[0155] (B)成分の使用量としては、前記の aZbの値が 0. 4よりも大きいことを満たす範囲 内で、(A)成分 100重量部に対し、 2〜20重量部程度が好ましぐ 4〜15重量部程 度がより好ましぐ 6〜: LO重量部程度が特に好ましい。(B)成分の配合量力この範囲 を下回ると実用的な硬化速度が得られない場合があり、また硬化反応が充分に進行 し難くなる場合がある。一方、(B)成分の配合量がこの範囲を上回ると可使時間が短 くなり過ぎて作業'性が悪くなる傾向がある。
[0156] (C)成分の使用量としては、前記の aZbの値が 0. 4よりも大きいことを満たす範囲 内で、(A)成分 100重量部に対し、 0. 1〜15重量部程度が好ましぐ 1〜: LO重量部 程度がより好ましぐ 3〜7重量部程度が特に好ましい。(C)成分の配合量がこの範 囲を下回ると、接着性や貯蔵安定性が十分ではない場合があり、また引張物性改善 効果が十分ではない場合がある。一方、(C)成分の配合量がこの範囲を上回ると実 用的な硬化速度が得られない場合があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場 合がある。
[0157] 本発明の硬化触媒として、チタン触媒、アルミニウム触媒、ジルコニウム触媒力 選 ばれる 1種以上を使用するが、本発明の効果を低下させない程度に他の硬化触媒を
併用することもできる。具体例としては、 2—ェチルへキサン酸錫、バーサチック酸錫 、 2—ェチルへキサン酸ビスマス等のカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジラウレート、ジ ブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジォクタノエート、ジブチル 錫ビス(2—ェチルへキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫 ビス(ェチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチノレマレエート)、ジブチノレ錫ビス(オタ チルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジル マレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジォクチル錫ビス(ェチルマレエート)、ジォク チル錫ビス(ォクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノエル フエノキサイド)、ジブテュル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(ァセチルァセトナート)、 ジブチル錫ビス(ェチルァセトアセテート)、ジブチル錫オキサイドとシリケ一トイ匕合物 との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の 4価の有機錫 化合物が挙げられる。し力しながら、有機錫化合物は添加量に応じて、得られる硬化 性組成物の毒性が高くなる場合がある。
[0158] 本発明の組成物には充填剤を添加することができる。充填剤としては、フュームシリ 力、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケィ酸、含水ケィ酸、お よびカーボンブラックの如き補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシゥ ム、炭酸マグネシウム、ケイソゥ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナ イト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、 活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フエノール榭脂ゃ塩ィ匕ビ -リデ ン榭脂の有機ミクロバルーン、 PVC粉末、 PMMA粉末など榭脂粉末の如き充填剤; 石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填剤等が挙げられる。充填剤を 使用する場合、その使用量は (A)成分の重合体 100重量部に対して 1〜250重量 部、好ましくは 10〜 200重量部である。
[0159] 前記充填剤は、特開 2001— 181532号公報に記載されているように、酸化カルシ ゥムなどの脱水剤と均一に混合した後、気密性素材で構成された袋に封入し、適当 な時間放置することにより予め脱水乾燥することも可能である。この低水分量充填剤 を使用することにより、特に一液型組成物とする場合、貯蔵安定性を改良することが できる。
[0160] また、透明性の高い組成物を得る場合には、特開平 11— 302527号公報に記載さ れているように、メタクリル酸メチルなどの重合体を原料とした高分子粉体や、非晶質 シリカなどを充填剤として使用することができる。また、特開 2000— 38560号公報に 記載されて 、るように、その表面に疎水基が結合した二酸ィ匕珪素微粉末である疎水 性シリカなどを充填剤として使用することにより透明性の高い組成物を得ることができ る。二酸ィ匕珪素微粉末の表面は、一般的にシラノール基(-SiOH)となっているが、 このシラノール基に有機珪素ハロゲンィ匕物やアルコール類等を反応させることによつ て、(一 SiO—疎水基)を生成させたものが疎水性シリカである。具体的には、二酸ィ匕 珪素微粉末の表面に存在するシラノール基に、ジメチルシロキサン,へキサメチルジ シラザン,ジメチルジクロルシラン,トリメトキシォクチルシラン,トリメチルシラン等を反 応結合させたものである。なお、表面がシラノール基(— SiOH)で形成されている二 酸化珪素微粉末は、親水性シリカ微粉末と呼ばれる。
[0161] これら充填剤の使用により強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームシリ 力、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケィ酸、含水ケィ酸およ びカーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、および活性 亜鉛華などから選ばれる充填剤が好ましぐ反応性ケィ素基を有する有機重合体 (A ) 100重量部に対し、 1〜200重量部の範囲で使用すれば好ましい結果が得られる。 また、低強度で破断伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、重 質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、 酸化亜鉛、およびシラスバルーンなどから選ばれる充填剤を、反応性ケィ素基を有 する有機重合体 (A) 100重量部に対して 5〜200重量部の範囲で使用すれば好ま しい結果が得られる。なお、一般的に炭酸カルシウムは、比表面積の値が大きいほど 硬化物の破断強度、破断伸び、接着性の改善効果は大きくなる。もちろんこれら充填 剤は 1種類のみで使用してもよいし、 2種類以上混合使用してもよい。炭酸カルシゥ ムを使用する場合、表面処理微細炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムなどの粒径 が大き 、炭酸カルシウムを併用することが望まし 、。表面処理微細炭酸カルシウムの 粒径は 0. 5 m以下が好ましぐ表面処理は脂肪酸や脂肪酸塩で処理されているこ とが好ましい。また、粒径が大きい炭酸カルシウムの粒径は 1 μ m以上が好ましく表
面処理されて ヽな 、ものを用いることができる。
[0162] 組成物の作業性 (キレなど)向上や硬化物表面を艷消し状にするために、有機バル ーン、無機バルーンの添カ卩が好ましい。これらの充填剤は表面処理することもでき、 1 種類のみで使用しても良いし、 2種類以上混合使用することもできる。作業性 (キレな ど)向上には、バルーンの粒径は 0. 1mm以下が好ましい。硬化物表面を艷消し状 にするためには、 5〜300 mが好ましい。
[0163] 本発明の組成物は硬化物の耐薬品性が良好であるなどの理由により、サイジング ボード、特に窯業系サイジングボード、など住宅の外壁の目地や外壁タイルの接着 剤、外壁タイルの接着剤であって目地に接着剤がそのまま残るものなどに好適に用 いられるが、外壁の意匠とシーリング材の意匠が調和することが望ましい。特に、外壁 としてスパッタ塗装、着色骨材などの混入により高級感のある外壁が用いられるように なっている。本発明の組成物に直径が 0. 1mm以上、好ましくは 0. 1〜5. Omm程 度の鱗片状または粒状の物質が配合されていると、硬化物はこのような高級感のある 外壁と調和し、耐薬品性がすぐれるためこの硬化物の外観は長期にわたつて持続す るすぐれた組成物となる。粒状の物質を用いると砂まき調あるいは砂岩調のざらつき 感がある表面となり、鱗片状物質を用いると鱗片状に起因する凹凸状の表面となる。
[0164] 鱗片状または粒状の物質の好ましい直径、配合量、材料などは特開平 9 53063 号公報に記載されて 、るように次の通りである。
[0165] 直径は 0. 1mm以上、好ましくは 0. 1〜5. Omm程度であり、外壁の材質、模様等 に合わせて適当な大きさのものが使用される。 0. 2mm〜5. Omm程度や 0. 5mm 〜5. Omm程度のものも使用可能である。鱗片状の物質の場合には、厚さが直径の 1Z10〜1Z5程度の薄さ(0. 01〜: L 00mm程度)とされる。鱗片状または粒状の 物質は、シーリング主材内に予め混合されてシーリング材として施工現場に運搬され る力、使用に際して、施工現場にてシーリング主材内に混合される。
[0166] 鱗片状または粒状の物質は、シーリング材組成物や接着剤組成物等の組成物 10 0重量部に対して、 1〜200重量部程度が配合される。配合量は、個々の鱗片状また は粒状の物質の大きさ、外壁の材質、模様等によって、適当に選定される。
[0167] 鱗片状または粒状の物質としては、ケィ砂、マイ力等の天然物、合成ゴム、合成榭
脂、アルミナ等の無機物が使用される。目地部に充填した際の意匠性を高めるため に、外壁の材質、模様等に合わせて、適当な色に着色される。
[0168] 好ま 、仕上げ方法などは特開平 9 - 53063号公報に記載されて 、る。
[0169] また、同様の目的でバルーン (好ましくは平均粒径が 0. 1mm以上のもの)を用い れば砂まき調あるいは砂岩調のざらつき感がある表面になり、かつ軽量ィ匕を図ること ができる。バルーンの好ましい直径、配合量、材料などは特開平 10— 251618号公 報に記載されて 、るように次の通りである。
[0170] バルーンは、球状体充填剤で内部が中空のものである。このバルーンの材料として は、ガラス、シラス、シリカなどの無機系の材料、および、フエノール榭脂、尿素樹脂、 ポリスチレン、サランなどの有機系の材料があげられる力 これらのみに限定されるも のではなぐ無機系の材料と有機系の材料とを複合させたり、また、積層して複数層 を形成させたりすることもできる。無機系の、あるいは有機系の、またはこれらを複合 させるなどしたバルーンを使用することができる。また、使用するバルーンは、同一の バルーンを使用しても、あるいは異種の材料のバルーンを複数種類混合して使用し ても差し支えがない。さらに、バルーンは、その表面を加工ないしコーティングしたも のを使用することもできるし、またその表面を各種の表面処理剤で処理したものを使 用することもできる。たとえば、有機系のバルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸ィ匕チ タンなどでコーティングしたり、無機系のノ レーンをシランカップリング剤で表面処理 することなどがあげられる。
[0171] 砂まき調あるいは砂岩調のざらつき感がある表面を得るには、バルーンは粒径が 0 . 1mm以上であることが好ましい。 0. 2mm〜5. Omm程度や 0. 5mm〜5. Omm程 度のものも使用可能である。 0. 1mm未満のものでは、多量に配合しても組成物の粘 度を上昇させるだけで、ざらつき感が発揮されない場合がある。ノ レーンの配合量は 目的とする砂まき調あるいは砂岩調のざらつき感の程度によって容易に定めることが できる。通常、粒径が 0. 1mm以上のものを組成物中の容積濃度で 5〜25vol%の 範囲となる割合で配合することが望まし 、。バルーンの容積濃度が 5vol%未満であ るとざらつき感がなぐまた 25vol%を超えると、シーリング材ゃ接着剤の粘度が高く なり作業性が悪ぐ硬化物のモジュラスも高くなり、シーリング材ゃ接着剤の基本性能
が損なわれる傾向にある。シーリング材の基本性能とのバランスが特に好まし 、容積 濃度は 8〜22vol%である。
[0172] バルーンを用いる際には特開 2000— 154368号公報に記載されているようなスリ ップ防止剤、特開 2001— 164237号公報に記載されているような硬化物の表面を 凹凸状態に加えて艷消し状態にするためのァミン化合物、特に融点 35°C以上の第 1 級および Zまたは第 2級ァミンを添加することができる。
[0173] バルーンの具体例は特開平 2— 129262号、特開平 4 8788号、特開平 4— 173 867号、特開平 5— 1225号、特開平 7— 113073号、特開平 9 53063号、特開平 10— 251618号、特開 2000— 154368号、特開 2001— 164237号、 WO97/05 201号などの各公報に記載されている。
[0174] また、特開 2004— 51701号公報または特開 2004— 66749号公報などに記載の 熱膨張性微粒中空体を使用することができる。熱膨張性微粒中空体とは、炭素原子 数 1から 5の炭化水素などの低沸点化合物を高分子外殻材 (塩ィ匕ビ二リデン系共重 合体、アクリロニトリル系共重合体、または塩ィ匕ビ-リンデン アクリロニトリル共重合 体)で球状に包み込んだプラスチック球体である。本組成物を用いた接着部分をカロ 熱すること〖こよって、熱膨張性微粒中空体の殻内のガス圧が増し、高分子外殻材が 軟化することで体積が劇的に膨張し、接着界面を剥離させる役割を果たす。熱膨張 性微粒中空体の添加により、不要時には加熱するだけで簡単に材料の破壊を伴わ ずに剥離でき、且つ有機溶剤を一切用いな ヽで加熱剥離可能な接着性組成物が得 られる。
[0175] 本発明の組成物がシーリング材硬化物粒子を含む場合も硬化物は表面に凹凸を 形成し意匠性を向上させることができる。シーリング材硬化物粒子の好ま 、直径、 配合量、材料などは特開 2001— 115142号公報に記載されているように次の通りで ある。直径は 0. 1mm〜: Lmm、さらには 0. 2〜0. 5mm程度が好ましい。配合量は 硬化性組成物中に 5〜: L00重量%、さらには 20〜50重量%が好ましい。材料は、ゥ レタン樹脂、シリコーン、変成シリコーン、多硫ィ匕ゴム等を挙げることができシーリング 材に用いられるものであれば限定されないが、変成シリコーン系のシーリング材が好 ましい。
[0176] 本発明の組成物には粘着性付与剤を添加することができる。粘着性付与榭脂とし ては、特に限定されないが、常温で固体、液体を問わず通常使用されるものを使用 することができる。具体例としては、スチレン系ブロック共重合体、その水素添加物、 フエノール榭脂、変性フエノール榭脂(例えば、カシュ一オイル変性フエノール榭脂、 トール油変性フエノール榭脂等)、テルペンフエノール榭脂、キシレン フエノール榭 脂、シクロペンタジェン一フエノール榭脂、クマロンインデン榭脂、ロジン系榭脂、ロジ ンエステル榭脂、水添ロジンエステル榭脂、キシレン榭脂、低分子量ポリスチレン系 榭脂、スチレン共重合体榭脂、石油榭脂 (例えば、 C5炭化水素榭脂、 C9炭化水素 榭脂、 C5C9炭化水素共重合榭脂等)、水添石油榭脂、テルペン系榭脂、 DCPD榭 脂石油榭脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良ぐ 2種以上を併用しても良 い。スチレン系ブロック共重合体及びその水素添カ卩物としては、スチレンーブタジェ ン一スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン一イソプレン一スチレンブロック共重 合体(SIS)、スチレン エチレンブチレン スチレンブロック共重合体(SEBS)、ス チレン エチレンプロピレースチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン イソブチ レン スチレンブロック共重合体 (SIBS)等が挙げられる。上記粘着性付与榭脂は単 独で用いてもよぐ 2種以上併用してもよい。
[0177] 粘着性付与榭脂は有機重合体 (A) 100重量部に対して、 5〜1, 000重量部、好ま しくは 10〜: L00重量部の範囲で使用される。
[0178] 本発明の組成物には可塑剤を添加することができる。可塑剤の添カ卩により、硬化性 組成物の粘度やスランプ性および組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、 伸びなどの機械特性が調整できる。可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジへ プチルフタレート、ジ(2—ェチルへキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等 のフタル酸エステル類;ジォクチルアジペート、ジォクチルセバケート、ジブチルセバ ケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;ォレイン酸プチル、 ァセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブ チルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類 ;アルキルジフヱ-ル、部分水添ターフェ-ル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類 ;エポキシィ匕大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類をあげる
ことができる。
[0179] また、高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤を使用すると重合体成 分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期 の物性を長期にわたり維持する。更に、該硬化物にアルキド塗料を塗布した場合の 乾燥性 (塗装性ともいう)を改良できる。高分子可塑剤の具体例としては、ビニル系モ ノマーを種々の方法で重合して得られるビュル系重合体;ジエチレングリコールジべ ンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等の ポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、ァゼライン酸、フタ ル酸等の 2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の 2価アルコールから得られるポ リエステル系可塑剤;分子量 500以上、さらには 1000以上のポリエチレングリコール 、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール あるいはこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変 換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレンやポリ一 a—メチルスチレン等のポリ スチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン アタリロニトリ ル、ポリクロ口プレン等が挙げられる力 これらに限定されるものではない。
[0180] これらの高分子可塑剤のうちで、(A)成分の重合体と相溶するものが好ましい。こ の点から、ポリエーテル類やビュル系重合体が好ましい。また、ポリエーテル類を可 塑剤として使用すると、表面硬化性および深部硬化性が改善され、貯蔵後の硬化遅 延も起こらないこと力も好ましぐ中でもポリプロピレングリコールがより好ましい。また、 相溶性および耐候性、耐熱性の点からビュル系重合体が好ましい。ビュル系重合体 の中でもアクリル系重合体および Z又はメタクリル系重合体が好ましぐポリアクリル 酸アルキルエステルなどアクリル系重合体がさらに好まし 、。この重合体の合成法は 、分子量分布が狭ぐ低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましぐ 原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開 2001— 207157号公報に記 載されて!ヽるアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合に よって得た、 、わゆる SGOプロセスによる重合体を用いるのが好まし!/、。
[0181] 高分子可塑剤の数平均分子量は、好ましくは 500〜15000である力 より好ましく
ίま 800〜10000であり、さら【こ好まし < ίま 1000〜8000、特【こ好まし <ίま 1000〜500 0である。最も好ましくは 1000〜3000である。分子量が低すぎると熱や降雨により可 塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、アルキド塗装性が 改善できない。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。高分子 可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましぐ 1. 80未満が好ま しい。 1. 70以下がより好ましぐ 1. 60以下がなお好ましぐ 1. 50以下がさらに好ま しぐ 1. 40以下が特に好ましぐ 1. 30以下が最も好ましい。
[0182] 数平均分子量はビニル系重合体の場合は GPC法で、ポリエーテル系重合体の場 合は末端基分析法で測定される。また、分子量分布 (MwZMn) GPC法 (ポリスチレ ン換算)で測定される。
[0183] また、高分子可塑剤は、反応性ケィ素基を有しな!/、ものでょ 、が、反応性ケィ素基 を有してもよい。反応性ケィ素基を有する場合、反応性可塑剤として作用し、硬化物 力もの可塑剤の移行を防止できる。反応性ケィ素基を有する場合、 1分子あたり平均 して 1個以下、さらには 0. 8個以下が好ましい。反応性ケィ素基を有する可塑剤、特 に反応性ケィ素基を有するォキシアルキレン重合体を使用する場合、その数平均分 子量は (A)成分の重合体より低!、ことが必要である。
[0184] 可塑剤は、単独で使用してもよぐ 2種以上を併用してもよい。また低分子可塑剤と 高分子可塑剤を併用してもよい。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合すること も可能である。
[0185] 可塑剤の使用量は、(A)成分の重合体 100重量部に対して 5〜 150重量部、好ま しくは 10〜120重量部、さらに好ましくは 20〜: LOO重量部である。 5重量部未満では 可塑剤としての効果が発現しなくなり、 150重量部を越えると硬化物の機械強度が不 足する。
[0186] 本発明の硬化性糸且成物には、必要に応じて、加水分解により分子内に 1価のシラノ 一ル基を有する化合物を生成する化合物を添加しても良い。この化合物は硬化物の 表面のベたつきを悪化させずに硬化物のモジュラスを低下させる作用を有する。特 にトリメチルシラノールを生成する化合物が好ましい。加水分解により分子内に 1価の シラノール基を有する化合物を生成する化合物としては、特開平 5— 117521号公
報に記載されている化合物をあげることができる。また、へキサノール、ォクタノール、 デカノールなどのアルキルアルコールの誘導体であって加水分解によりトリメチルシ ラノールなどの R SiOHを生成するシリコン化合物を生成する化合物、特開平 11 2
3
41029号公報に記載されているトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト ールあるいはソルビトールなどの水酸基数が 3以上の多価アルコールの誘導体であ つて加水分解によりトリメチルシラノールなどの R SiOHを生成するシリコンィ匕合物を
3
生成する化合物をあげることができる。
[0187] また、特開平 7— 258534号公報に記載されているようなォキシプロピレン重合体 の誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどの R SiOHを生成するシリ
3
コンィ匕合物を生成する化合物もあげることができる。さらに特開平 6— 279693号公 報に記載されている架橋可能な加水分解性ケィ素含有基と加水分解によりモノシラ ノール含有化合物となりうるケィ素含有基を有する重合体を使用することもできる。
[0188] 加水分解により分子内に 1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物は、 反応性ケィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対して、 0. 1〜20重量部、 好ましくは 0. 5〜: L0重量部の範囲で使用される。
[0189] 本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするため にチクソ性付与剤 (垂れ防止剤)を添加しても良い。垂れ防止剤としては特に限定さ れないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシ ゥム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石酸類等が挙げられる 。また、特開平 11— 349916号公報に記載されているような粒子径 10〜500 mの ゴム粉末や、特開 2003— 155389号公報に記載されているような有機質繊維を用 いると、チクソ性が高く作業性の良好な組成物が得られる。これらチクソ性付与剤 (垂 れ防止剤)は単独で用いてもよぐ 2種以上併用してもよい。チクソ性付与剤は反応 性ケィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対して、 0. 1〜20重量部の範囲 で使用される。
[0190] 本発明の組成物においては 1分子中にエポキシ基を含有する化合物を使用できる 。エポキシ基を有する化合物を使用すると硬化物の復元性を高めることができる。ェ ポキシ基を有する化合物としてはエポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪
酸エステル類、脂環族エポキシィ匕合物類、ェピクロルヒドリン誘導体に示すィ匕合物及 びそれらの混合物等が例示できる。具体的には、エポキシィ匕大豆油、エポキシ化ァ マ-油、ビス(2—ェチルへキシル)—4, 5—エポキシシクロへキサン— 1, 2—ジカー ボキシレート(E— PS)、エポキシオタチノレステアレート、エポキシブチノレステアレート 等があげられる。これらのなかでは E— PSが特に好ましい。エポキシィ匕合物は反応 性ケィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対して 0. 5〜50重量部の範囲で 使用するのがよい。
本発明の組成物には光硬化性物質を使用できる。光硬化性物資を使用すると硬化 物表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のベたつきや耐候性を改善でき る。光硬化性物質とは、光の作用によって力なり短時間に分子構造が化学変化をお こし、硬化などの物性的変化を生ずるものである。この種の化合物には有機単量体、 オリゴマー、榭脂或いはそれらを含む組成物等多くのものが知られており、市販の任 意のものを採用し得る。代表的なものとしては、不飽和アクリル系化合物、ポリケィ皮 酸ビュル類あるいはアジドィ匕榭脂等が使用できる。不飽和アクリル系化合物としては
、アクリル系又はメタクリル系不飽和基を 1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或 いはそれ等の混合物であって、プロピレン(又はブチレン、エチレン)グリコールジ (メ タ)アタリレート、ネオペンチルダリコールジ (メタ)アタリレート等の単量体又は分子量 10, 000以下のオリゴエステルが例示される。具体的には、例えば特殊アタリレート( 2官能)のァロニックス M— 210,ァロニックス M— 215,ァロニックス M— 220,ァ口- ックス M— 233,ァ口-ックス M— 240,ァ口-ックス M— 245 ; (3官能)のァ口-ックス M— 305,ァ口-ックス M— 309,ァ口-ックス M— 310,ァ口-ックス M— 315,ァロ ニックス M— 320,ァロニックス M— 325,及び(多官能)のァロニックス M— 400など が例示できるが、特にアクリル官能基を含有する化合物が好ましぐまた 1分子中に 平均して 3個以上の同官能基を含有する化合物が好ま 、。(以上ァロニックスは!、 ずれも東亜合成化学工業株式会社の製品である。 )
ポリケィ皮酸ビニル類としては、シンナモイル基を感光基とする感光性榭脂でありポ リビュルアルコールをケィ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリケィ皮酸ビュル 誘導体が例示される。アジド化榭脂は、アジド基を感光基とする感光性榭脂として知
られており、通常はジアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液の他、「感光性 榭脂」(昭和 47年 3月 17日出版、印刷学会出版部発行、第 93頁〜、第 106頁〜、第 117頁〜)に詳細な例示があり、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加 えて使用することができる。なお、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤ゃァミン類など の促進剤を添加すると、効果が高められる場合がある。光硬化性物質は反応性ケィ 素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対して 0. 1〜20重量部、好ましくは 0. 5 〜10重量部の範囲で使用するのがよぐ 0. 1重量部以下では耐候性を高める効果 はなぐ 20重量部以上では硬化物が硬くなりすぎて、ヒビ割れを生じる傾向がある。 本発明の組成物には酸素硬化性物質を使用することができる。酸素硬化性物質に は空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物を例示でき、空気中の酸素と反応して硬 化物の表面付近に硬化皮膜を形成し表面のベたつきや硬化物表面へのゴミゃホコリ の付着を防止するなどの作用をする。酸素硬化性物質の具体例には、キリ油、アマ 二油などで代表される乾性油や、該化合物を変性してえられる各種アルキッド榭脂; 乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系榭脂、シリコン榭脂;ブタジェ ン、クロ口プレン、イソプレン、 1, 3 ペンタジェンなどのジェン系化合物を重合また は共重合させてえられる 1, 2 ポリブタジエン、 1, 4 ポリブタジエン、 C5〜C8ジェ ンの重合体などの液状重合体や、これらジェン系化合物と共重合性を有するアタリ口 二トリル、スチレンなどの単量体とをジェン系化合物が主体となるように共重合させて えられる NBR、 SBRなどの液状共重合体や、さらにはそれらの各種変性物(マレイン 化変性物、ボイル油変性物など)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよぐ 2 種以上併用してもよい。これらのうちではキリ油や液状ジェン系重合体がとくに好まし い。又、酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用すると効果が高めら れる場合がある。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフ テン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ォクチル酸コバルト、ォクチル酸ジルコニウム等 の金属塩や、ァミン化合物等が例示される。酸素硬化性物質の使用量は、反応性ケ ィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対して 0. 1〜20重量部の範囲で使用 するのがよぐさらに好ましくは 0. 5〜: L0重量部である。前記使用量が 0. 1重量部未 満になると汚染性の改善が充分でなくなり、 20重量部をこえると硬化物の引張り特性
などが損なわれる傾向が生ずる。特開平 3— 160053号公報に記載されているように 酸素硬化性物質は光硬化性物質と併用して使用するのがよい。
[0193] 本発明の組成物には酸ィ匕防止剤 (老化防止剤)を使用することができる。酸化防止 剤を使用すると硬化物の耐熱性を高めることができる。酸ィ匕防止剤としてはヒンダ一 ドフエノール系、モノフエノール系、ビスフエノール系、ポリフエノール系が例示できる 1S 特にヒンダードフエノール系が好ましい。同様に、チヌビン 622LD,チヌビン 144 , CHIMASSORB944LD, CHIMASSORB119FL (以上いずれもチノく'スぺシャ ルティ'ケミカルズ株式会社製); MARK LA- 57, MARK LA— 62, MARK L A— 67, MARK LA— 63, MARK LA— 68 (以上いずれも旭電化工業株式会 ネ土製);サノーノレ LS— 770,サノーノレ LS— 765,サノーノレ LS— 292,サノーノレ LS— 2626,サノーノレ: LS— 1114,サノーノレ: LS— 744 (以上!/、ずれも三共株式会社製)【こ 示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。酸化防止剤の具体例 は特開平 4— 283259号公報ゃ特開平 9— 194731号公報にも記載されている。酸 化防止剤の使用量は、反応性ケィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対し て 0. 1〜10重量部の範囲で使用するのがよぐさらに好ましくは 0. 2〜5重量部であ る。
[0194] 本発明の組成物には光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬 化物の光酸ィ匕劣化を防止できる。光安定剤としてべンゾトリアゾール系、ヒンダードァ ミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できる力 特にヒンダードァミン系が好ましい 。光安定剤の使用量は、反応性ケィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対し て 0. 1〜10重量部の範囲で使用するのがよぐさらに好ましくは 0. 2〜5重量部であ る。光安定剤の具体例は特開平 9— 194731号公報にも記載されている。
[0195] 本発明の組成物に光硬化性物質を併用する場合、特に不飽和アクリル系化合物を 用いる場合、特開平 5 - 70531号公報に記載されて 、るようにヒンダードアミン系光 安定剤として 3級ァミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いるのが組成物の保存 安定性改良のために好ま U、。 3級ァミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としてはチ ヌビン 622LD,チヌビン 144, CHIMASSORB119FL (以上いずれもチノく'スぺシ ャルティ'ケミカルズ株式会社製); MARKLA- 57, LA— 62, LA— 67, LA—63 (
以上いずれも旭電ィ匕工業株式会社製);サノーノレ LS— 765, LS - 292, LS— 2626 , LS - 1114, LS— 744 (以上いずれも三共株式会社製)などの光安定剤が例示で きる。
[0196] 本発明の組成物には紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用 すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはべンゾフエ ノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合 物等が例示できる力 特にべンゾトリアゾール系が好ましい。紫外線吸収剤の使用量 は、反応性ケィ素基を有する有機重合体 (A) 100重量部に対して 0. 1〜10重量部 の範囲で使用するのがよぐさらに好ましくは 0. 2〜5重量部である。フエノール系や ヒンダードフエノール系酸ィ匕防止剤とヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリァゾー ル系紫外線吸収剤を併用して使用するのが好ましい。
[0197] 本発明の組成物にはエポキシ榭脂を添加することができる。エポキシ榭脂を添加し た組成物は特に接着剤、殊に外壁タイル用接着剤として好ましい。エポキシ榭脂とし てはェピクロルヒドリン一ビスフエノール A型エポキシ榭脂、ェピクロルヒドリン一ビスフ ェノール F型エポキシ榭脂、テトラブロモビスフエノール Aのグリシジルエーテルなどの 難燃型エポキシ榭脂、ノボラック型エポキシ榭脂、水添ビスフエノール A型エポキシ榭 脂、ビスフエノール Aプロピレンォキシド付カ卩物のグリシジルエーテル型エポキシ榭脂 、 p—ォキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ榭脂、 m—アミノフエノ 一ノレ系エポキシ榭脂、ジアミノジフエ二ノレメタン系エポキシ榭脂、ウレタン変'性ェポキ シ榭脂、各種脂環式エポキシ榭脂、 N, N—ジグリシジルァ二リン、 N, N—ジグリシジ ルー o—トルイジン、トリグリシジルイソシァヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシ ジルエーテル、グリセリンなどのごとき多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダント イン型エポキシ榭脂、石油榭脂などのごとき不飽和重合体のエポキシィ匕物などが例 示されるが、これらに限定されるものではなぐ一般に使用されているエポキシ榭脂が 使用されうる。エポキシ基を少なくとも分子中に 2個含有するもの力 硬化に際し反応 性が高ぐまた硬化物が 3次元的網目をつくりやすいなどの点力も好ましい。さらに好 ましいものとしてはビスフエノール A型エポキシ榭脂類またはノボラック型エポキシ榭 脂などがあげられる。これらのエポキシ榭脂と反応性ケィ素基を有する有機重合体(
A)の使用割合は、重量比で (A) Zエポキシ榭脂 = iooZi〜iZiooの範囲である 。 (Α) Ζエポキシ榭脂の割合が 1Ζ100未満になると、エポキシ榭脂硬化物の衝撃 強度ゃ強靱性の改良効果がえられがたくなり、(A) Zエポキシ榭脂の割合が 100Z 1をこえると、有機系重合体硬化物の強度が不十分となる。好ましい使用割合は、硬 化性榭脂組成物の用途などにより異なるため一概には決められないが、たとえばェ ポキシ榭脂硬化物の耐衝撃性、可撓性、強靱性、剥離強度などを改善する場合には
、エポキシ榭脂 100重量部に対して (A)成分を 1〜: L00重量部、さらに好ましくは 5〜 100重量部使用するのがよい。一方、(A)成分の硬化物の強度を改善する場合には 、(A)成分 100重量部に対してエポキシ榭脂を 1〜200重量部、さらに好ましくは 5〜 100重量部使用するのがよ 、。
[0198] エポキシ榭脂を添加する場合、本発明の組成物には、エポキシ榭脂を硬化させる 硬化剤を併用できることは当然である。使用し得るエポキシ榭脂硬化剤としては、特 に制限はなぐ一般に使用されているエポキシ榭脂硬化剤を使用できる。具体的に は、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジェチルァミノプロピル ァミン、 N—アミノエチルピペリジン、 m—キシリレンジァミン、 m—フエ二レンジァミン、 ジアミノジフエ-ルメタン、ジアミノジフエ-ルスルホン、イソホロンジァミン、ァミン末端 ポリエーテル等の一級、二級アミン類; 2, 4, 6—トリス(ジメチルアミノメチル)フエノー ル、トリプロピルァミンのような三級アミン類、及び、これら三級アミン類の塩類;ポリア ミド榭脂類;イミダゾール類;ジシアンジアミド類;三弗化硼素錯ィ匕合物類;無水フタル 酸、へキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水琥珀酸、無 水ピロメリット酸、無水クロレン酸等のような無水カルボン酸類;アルコール類;フエノ ール類;カルボン酸類;アルミニウム又はジルコニウムのジケトン錯ィ匕合物等の化合 物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、硬化剤も単独 でも 2種以上併用してもよい。
[0199] エポキシ榭脂の硬化剤を使用する場合、その使用量はエポキシ榭脂 100重量部に 対し、 0. 1〜300重量部の範囲である。
[0200] エポキシ榭脂の硬化剤としてケチミンを用いることができる。ケチミンは、水分のな!ヽ 状態では安定に存在し、水分によって一級ァミンとケトンに分解され、生じた一級アミ
ンがエポキシ榭脂の室温硬化性の硬化剤となる。ケチミンを用いると 1液型の組成物 を得ることができる。このようなケチミンとしては、ァミン化合物とカルボニル化合物と の縮合反応により得ることができる。
[0201] ケチミンの合成には公知のァミン化合物、カルボ二ルイ匕合物を用いればよいが、た とえばァミン化合物としてはエチレンジァミン、プロピレンジァミン、トリメチレンジァミン 、テトラメチレンジァミン、 1 , 3 ジアミノブタン、 2, 3 ジアミノブタン、ペンタメチレン ジァミン、 2, 4ージァミノペンタン、へキサメチレンジァミン、 p—フエ二レンジァミン、 p , ρ '—ビフエ-レンジァミンなどのジァミン; 1 , 2, 3 トリァミノプロパン、トリァミノベン ゼン、トリス(2—アミノエチル)ァミン、テトラキス (アミノメチル)メタンなどの多価ァミン; ジエチレントリァミン、トリエチレントリァミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアルキ レンポリアミン;ポリオキシァノレキレン系ポリアミン; γーァミノプロピルトリエトキシシラ ン、 Ν ( 一アミノエチル) - Ύ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν - ( β—ァミノ ェチル) yーァミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラン;などが使用さ れうる。また、カルボ-ル化合物としてはァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、 η— ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ジェチルァセトアルデヒド、グリオキサール 、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シ クロへキサノン、トリメチルシクロへキサノン等の環状ケトン類;アセトン、メチルェチル ケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジェ チルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソプチルケト ン等の脂肪族ケトン類;ァセチルアセトン、ァセト酢酸メチル、ァセト酢酸ェチル、マロ ン酸ジメチル、マロン酸ジェチル、マロン酸メチルェチル、ジベンゾィルメタン等の 13 ージカルボ二ルイ匕合物;などが使用できる。
[0202] ケチミン中にイミノ基が存在する場合には、イミノ基をスチレンオキサイド;ブチルダリ シジルエーテル、ァリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル;グリシジルェ ステルなどと反応させてもよい。これらのケチミンは、単独で用いてもよぐ二種類以 上を併用して用いてもよぐエポキシ榭脂 100重量部に対し、 1〜: LOO重量部使用さ れ、その使用量はエポキシ榭脂およびケチミンの種類によって異なる。
[0203] 本発明の硬化性組成物には、ポリリン酸アンモ-ゥム、トリクレジルホスフェートなど
のリン系可塑剤、水酸ィ匕アルミニウム、水酸化マグネシウム、および、熱膨張性黒鉛 などの難燃剤を添加することができる。上記難燃剤は単独で用いてもよぐ 2種以上 併用してちょい。
[0204] 難燃剤は (A)成分 100重量部に対して、 5〜200質量部、好ましくは 10〜: LOO質 量部の範囲で使用される。
[0205] 本発明の組成物には、組成物の粘度を低減し、チクソ性を高め、作業性を改善す る目的で、溶剤を使用することができる。溶剤としては、特に限定は無ぐ各種の化合 物を使用することができる。具体例としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、へキサン 、石油系溶媒等の炭化水素系溶剤、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、酢酸ェ チル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブ チルケトン等のケトン系溶剤、エーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノ ール等のアルコール系溶剤、へキサメチルシクロトリシロキサン、オタタメチルシクロテ トラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤が例示され る。溶剤を使用する場合、組成物を屋内で使用した時の空気への汚染の問題から、 溶剤の沸点は、 150°C以上が好ましぐ 200°C以上がより好ましぐ 250°C以上が特 に好ましい。これらの溶剤は、単独で使用してもよぐ 2種以上併用してもよい。
[0206] 但し、溶剤の配合量が多い場合には、人体への毒性が高くなる場合があり、また、 硬化物の体積収縮などが見られる場合がある。従って、溶剤の配合量は、(A)成分 の有機重合体 100重量部に対して、 3重量部以下であることが好ましぐ 1重量部以 下であることがより好ましく、溶剤を実質的に含まな 、ことが最も好ま 、。
[0207] 本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的と して、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、た とえば、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン 系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、防蟻剤、防かび剤などがあげられる。これ らの各種添加剤は単独で用いてもよぐ 2種類以上を併用してもよい。本明細書にあ げた添加物の具体例以外の具体例は、たとえば、特公平 4— 69659号、特公平 7— 108928号、特開昭 63— 254149号、特開昭 64— 22904号、特開 2001— 72854 号の各公報などに記載されている。
[0208] 本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空 気中の湿気により硬化する 1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別 途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成 物を使用前に混合する 2成分型として調製することもできる。作業性の点からは、 1成 分型が好ましい。
[0209] 前記硬化性組成物が 1成分型の場合、すべての配合成分が予め配合されるため、 水分を含有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用するか、また配合混練中に 減圧などにより脱水するのが好ましい。前記硬化性組成物が 2成分型の場合、反応 性ケィ素基を有する重合体を含有する主剤に硬化触媒を配合する必要がないので 配合剤中には若干の水分が含有されて 、てもゲルイ匕の心配は少な 、が、長期間の 貯蔵安定性を必要とする場合には脱水乾燥するのが好ましい。脱水、乾燥方法とし ては粉状などの固状物の場合は加熱乾燥法、液状物の場合は減圧脱水法または合 成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸ィ匕マグネシウムなどを使用した 脱水法が好適である。また、イソシァネートイ匕合物を少量配合してイソシァネート基と 水とを反応させて脱水してもよい。また、 3 ェチルー 2—メチルー 2—(3—メチルブ チル) 1, 3 ォキサゾリジンなどのォキサゾリジンィ匕合物を配合して水と反応させて 脱水してもよい。力かる脱水乾燥法にカ卩えてメタノール、エタノールなどの低級アルコ ール; n—プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシ シラン、メチルシリケート、ェチルシリケート、 γ メルカプトプロピルメチルジメトキシ シラン、 γ メルカプトプロピルメチルジェトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピルトリ メトキシシランなどのアルコキシシランィ匕合物を添加することにより、さらに貯蔵安定性 は向上する。
[0210] 脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケィ素化合物の使用量 は反応性ケィ素基を有する有機重合体 (Α) 100重量部に対して、 0. 1〜20重量部 、好ましくは 0. 5〜10重量部の範囲が好ましい。
[0211] 本発明の硬化性組成物の調製法には特に限定はなぐ例えば上記した成分を配 合し、ミキサーやロールや-一ダーなどを用いて常温または加熱下で混練したり、適 した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が採用さ
れうる。
[0212] 本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に 網状組織を形成し、ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。
[0213] 本発明の硬化性組成物は、粘着剤、建造物'船舶'自動車'道路などのシーリング 材、接着剤、型取剤、防振材、制振材、防音材、発泡材料、塗料、吹付材などに使 用できる。本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、柔軟性および接着 性に優れることから、これらの中でも、シーリング材または接着剤として用いることがよ り好ましい。
[0214] また、太陽電池裏面封止材などの電気'電子部品材料、電線 ·ケーブル用絶縁被 覆材などの電気絶縁材料、弾性接着剤、コンタ外型接着剤、スプレー型シール材、 クラック補修材、タイル張り用接着剤、粉体塗料、注型材料、医療用ゴム材料、医療 用粘着剤、医療機器シール材、食品包装材、サイジングボード等の外装材の目地用 シーリング材、コーティング材、プライマー、電磁波遮蔽用導電性材料、熱伝導性材 料、ホットメルト材料、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、各種成形材 料、および、網入りガラスや合わせガラス端面 (切断部)の防鲭'防水用封止材、 自動 車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤等の様々 な用途に利用可能である。更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁 器、木材、金属、榭脂成形物などの如き広範囲の基質に密着しうるので、種々のタイ プの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。また、本発明の硬化性 組成物は、内装パネル用接着剤、外装パネル用接着剤、タイル張り用接着剤、石材 張り用接着剤、天井仕上げ用接着剤、床仕上げ用接着剤、壁仕上げ用接着剤、車 両パネル用接着剤、電気 ·電子 ·精密機器組立用接着剤、ダイレクトグレージング用 シーリング材、複層ガラス用シーリング材、 SSG工法用シーリング材、または、建築物 のワーキングジョイント用シーリング材、としても使用可能である。
実施例
[0215] つぎに実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれ に限定されるものではない。
[0216] (合成例 1)
分子量約 2, 000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシァノ コバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンォキシドの重合を行 、、数平均分子量 約 14, 500 (送液システムとして東ソー製 HLC— 8120GPCを用い、カラムは東ソー 製 TSK—GEL Hタイプを用い、溶媒は THFを用いて測定したポリスチレン換算分 子量)のポリプロピレンォキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンォキシ ドの水酸基に対して 1. 2倍当量の NaOMeのメタノール溶液を添カ卩してメタノールを 留去し、更に塩ィ匕ァリルを添加して末端の水酸基をァリル基に変換した。未反応の塩 化ァリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のァリル基末端ポリプロピレンォ キシド 100重量部に対し、 n—へキサン 300重量部と、水 300重量部を混合攪拌した 後、遠心分離により水を除去し、得られたへキサン溶液に更に水 300重量部を混合 攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、へキサンを減圧脱揮により除去した。 以上により、末端がァリル基である数平均分子量約 14, 500の 2官能ポリプロピレン 才キシドを得た。
[0217] 得られたァリル末端ポリプロピレンォキシド 100重量部に対し、白金ビニルシロキサ ン錯体の白金含量 3wt%のイソプロパノール溶液 150ppmを触媒として、メチルジメ トキシシラン 1. 8重量部と 90°Cで 5時間反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリ ォキシプロピレン系重合体 (A—1)を得た。 — NMR (日本電子 i^NM— LA400 を用いて、 CDC1溶媒中で測定)による測定により、末端のメチルジメトキシシリル基
3
は 1分子あたり平均して 1. 5個であった。
[0218] (実施例 1〜6、比較例 1〜13)
(A)成分として、合成例 1で得られた反応性ケィ素基含有ポリオキシアルキレン系 重合体 (A— 1) 100重量部に対し、表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業製、白 艷華 CCR) 50重量部を計量し、三本ペイントロールでよく混練して主剤とした。
[0219] 次に、上記主剤に対して、表 1に示す処方にしたがって、(B)成分のチタニウムジィ ソプロボキシドビス(ェチルァセトアセテート)(松本交商製、オルガチックス TC— 750 )、または、有機錫触媒であるジブチルスズビス (ァセチルァセトネート)(日東ィ匕成製 、ネオスタン U— 220)またはジブチルスズォキシドと DOPとの反応物(三共有機合 成製、 No. 918)、 (C)成分のビュルトリメトキシシラン(東レ 'ダウコーユング 'シリコー
ン製、 A— 171)、 N— ( アミノエチル) - γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン (東 レ.ダウコ一-ング.シリコーン製、 Α— 1120)、または、 γ—ァミノプロピルトリエトキシ シラン (東レ 'ダウコーユング 'シリコーン製、 Α— 1100)を計量し、スパチュラを使用し て 3分間攪拌、混合した。混合後、厚さ約 5mmの型枠にスパチュラを用いて充填し、 表面を平面状に整えた。この時間を硬化開始時間とし、表面をスパチュラで触り、ス パチユラに配合物が付着しなくなった時間を皮張り時間として測定を行った。皮張り 時間は、 23°C50%RHの条件下で測定した。
[0220] 配合組成、および硬化性 (皮張り時間)の評価結果を表 1に示す。また、(B)成分中 のチタン原子の総モル数(a)と(C)成分中のケィ素原子の総モル数 (b)との比(aZb )の値を表 1に示した。表中、皮張り時間が 48時間以上の場合には Nと表記した。
[0221] [表 1]
[0222] 表 1に示す通り、本発明の(B)成分であるチタン触媒を用いると、 aZbの値が 0. 4 より大きい場合 (実施例 1〜6)には、実用的な硬化性を示したのに対し、 aZbの値が 0. 4以下の場合 (比較例 1〜6)には、著しく硬化性が低下した。また、(A)成分、 (B )成分、(C)成分を、特開 2002— 249672号公報の実施例 1と同一にした場合 (比 較例 6)にも、実用的な硬化性は得られなかった。一方、硬化触媒として有機錫触媒 を用いた場合 (比較例 7〜13)には、スズ原子の総モル数と (C)成分中のケィ素原子 の総モル数との比の値は、硬化性 (皮張り時間)との間に、チタン触媒の場合に見ら れたような相関は示さな力つた。
[0223] (合成例 2)
分子量約 2, 000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛へキサシァノ コバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンォキシドを重合させて得られた数平均 分子量約 25, 500の水酸基末端ポリプロピレンォキシドを用い、合成例 1と同様の手 順でァリル末端ポリプロピレンォキシドを得た。このァリル末端ポリプロピレンォキシド に対し、合成例 1と同様の手順で、メチルジメトキシシラン 0. 9重量部と反応させ、末 端に平均 1. 3個のメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン系重合体( A— 2)を得た。
[0224] (合成例 3)
分子量約 2, 000のポリオキシプロピレンジオールと分子量約 3, 000のポリオキシ プロピレントリオールの 1Z1 (重量比)混合物を開始剤とし、亜鉛へキサシァノコバル テートグライム錯体触媒にてプロピレンォキシドを重合させて得られた数平均分子量 約 19, 000の水酸基末端ポリプロピレンォキシドを用い、合成例 1と同様の手順でァ リル末端ポリプロピレンォキシドを得た。このァリル末端ポリプロピレンォキシドに対し 、合成例 1と同様の手順で、メチルジメトキシシラン 1. 35重量部と反応させ、末端に 平均 1. 7個のメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン系重合体 (A— 3)を得た。
[0225] (合成例 4)
105°Cに加熱した下記単量体混合物の 2—ブタノール溶液に、重合開始剤として 2 , 2'—ァゾビス(2—メチルブチ口-トリル)を溶力した溶液を 5時間かけて滴下し、そ
の後 1時間「後重合」を行って (メタ)アクリル酸エステル系重合体 (A— 4)を得た。
[0226] メチルメタタリレート ·46. 8重量部、ブチルアタリレート · 28. 6重量部、ステアリルメ タクリレート · 20. 1重量部、 γ—メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン ·4. 5重 量部、 2, 2,ーァゾビス(2—メチルブチ口-トリル) · 2. 7重量部。
[0227] (合成例 5)
合成例 3で得られた重合体 (Α— 3)と合成例 4で得られた重合体 (Α— 4)を固形分 重量比 80Ζ20で混合した後、溶剤を留去して無溶剤ポリマー (Α— 5)を得た。
[0228] (合成例 6)
105°Cに加熱した下記単量体混合物の 2—ブタノール溶液に、重合開始剤として 2 , 2'—ァゾビス(2—メチルブチ口-トリル)を溶力した溶液を 5時間かけて滴下し、そ の後 1時間「後重合」を行って (メタ)アクリル酸エステル系重合体 (A— 6)を得た。
[0229] メチルメタタリレート · 72. 9重量部、ブチルアタリレート · 6. 5重量部、ステアリルメタ タリレート · 14. 6重量部、 γ—メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン · 6重量部 、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン · 7. 9重量部、 2, 2,ーァゾビス(2—メチ ルブチ口-トリル) · 3重量部。
[0230] (合成例 7)
合成例 3で得られた重合体 (Α— 3)と合成例 6で得られた重合体 (Α— 6)を固形分 重量比 60Ζ40で混合した後、溶剤を留去して無溶剤ポリマー (Α— 7)を得た。
[0231] (実施例 7〜11、比較例 14)
表 2に示す処方にしたがって、合成例 2、合成例 5、合成例 7で得られた反応性ケィ 素基を有する有機重合体 (Α— 2, Α- 5, Α— 7) 100重量部、表面処理膠質炭酸力 ルシゥム(白石工業製、白艷華 CCR) 120重量部、酸化チタン (石原産業製、タイべ ーク R— 820) 20重量部、可塑剤ジイソデシルフタレート (新日本理ィ匕製、サンソサイ ザ一 DIDP) 55重量部、チクソ性付与剤 (楠本化成製、ディスパロン 6500) 2重量部 、光安定剤(三共製、サノール LS765) 1重量部、紫外線吸収剤 (住友化学製、スミソ ーブ 400) 1重量部、酸化防止剤(チノく'スペシャルティ'ケミカルズ製、ィルガノックス 1010) 1重量部、(C)成分のビュルトリメトキシシラン (東レ 'ダウコーユング 'シリコー ン製、 Α— 171) 2重量部と Ν— ( β—アミノエチル) - γ—ァミノプロピルトリメトキシシ
ラン (東レ 'ダウコーユング 'シリコーン製、 A— 1120) 3重量部、および硬化触媒とし て(B)成分のチタニウムジイソプロボキシドビス(ェチルァセトアセテート)(松本交商 製、オルガチックス TC— 750) 7. 5重量部、または、ジルコニウム n-ブトキシド(ァセ チルァセトネート)ビス(ェチルァセトアセテート) [36wt%l—ブタノール含有] (マツ モト交商製、オルガチックス ZC-570) 28. 6重量部、または、アルミニウムジイソプロボ キシド (ェチルァセトアセテート) [50wt%7号ソルベント (石油系溶媒)含有] (川研フ ァインケミカル製、 ALCH— 50F) 22重量部、もしくは、(B)成分の代わりに有機錫触 媒であるジブチル錫ビスァセチルァセトネート(日東化成製、ネオスタン U— 220) 1 重量部を添加し、脱水条件下にて実質的に水分の存在しない状態で混練した後、 防湿性の容器に密閉し、 1液型硬化性組成物を得た。 作成した各 1液型硬化性組 成物を用いて、前記と同様の要領で皮張り時間を測定したところ、いずれの場合も 2 4時間以内であり、実用的な硬化性を示した。また、以下の要領で接着性を調べた。
[0232] (接着性試験)
カートリッジから各硬化性組成物を各種被着体 (ポリカーボネートおよびアクリル)に 密着するように押し出し、サンプルを作製した。作製したサンプルを 23°C X 7日養生 した後、 90度ハンドピール試験により、接着性の評価を行った。破壊モードで判定し 、凝集破壊率が 90〜: L00%を A、 10〜90%を B、 0〜10%を Cとした。結果を表 2に 示す。
[0233] [表 2]
組成 (重量部) 実施例 比較例
7 8 9 10 11 14
A- 2 100 100 100 100
(A) 成分 A— 5 100
A- 7 100
充填剤 白艷華 CCR 120 120 120 120 120 120 可塑剤 D I D P 55 55 55 55 55 55 酸化チタン タイぺ一ク R— 820 20 20 20 20 20 20 チクソ性付与剤 ディスパロン 6500 2 2 2 2 2 2 紫外線吸収剤 スミソ一ブ 400 1 1 1 1 1 1 光安定剤 サノール L S 765 1 1 1 1 1 1 酸化防止剤 ィルガノックス 1 01 0 1 1 1 1 1 1
(C) 成分 A- 1 7 1 2 2 2 2 2 2
A- 1 1 20 3 3 3 3 3 3
T C- 750 7.5 7.5 7.5
(B) 成分 Z C- 570 28.6
A LCH-50 F 22
有機錫触媒 U- 220 1 aZb 0.66 0.66 0.66 1.48 1.48 ― 接着性 ポリカーボネート A A A A A B ァクリル A A A A A C
[0234] 表 2に示すように、(A)成分であるメチルジメトキシシリル基末端有機重合体に、 aZ bの値が 0. 4を上回るように (B)成分と (C)成分を添加した場合 (実施例 7〜11)には 、皮張り時間は実用的な硬化性を示し、各種被着体 (ポリカーボネートおよびアクリル )に対して凝集破壊を示した。
[0235] 一方、(B)成分であるチタン触媒の代わりに有機錫触媒を用いた場合 (比較例 14) には、各種被着体に対する接着性が悪カゝつた。