JP3789867B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーリング材等として用いることができる硬化性樹脂組成物に関し、特に、架橋性シリル基含有有機重合体を含有する硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1液型の湿気硬化性樹脂組成物として、いわゆる変成シリコーン系の硬化性樹脂組成物が知られている。この変成シリコーン系の湿気硬化性樹脂組成物には、特公昭62−35421号公報、特開昭61−141761号公報、および特公平1−58219号公報に記載されている変成シリコーンポリマーが用いられている。この変成シリコーンポリマーは、ポリエーテルを主鎖とする架橋可能な加水分解性シリル基を有する重合体であり、硬化触媒を用いて密封下では長期間安定であるが、湿気にさらすと急速に硬化してゴム状物質に変わる1液型組成物とすることができる。
【0003】
上記変成シリコーン系の湿気硬化性樹脂組成物は、シーラントとして利用可能であり、変成シリコーンポリマーをシーラントに用いた変成シリコーンシーラントは、ポリウレタン系のシーラントに比べ貯蔵安定性、耐候性、耐発泡性、耐変色性が良好であり、ポリサルファイド系のシーラントに比べ硬化性に優れ、周囲へのシーラント成分の溶出や流出が少なく、毒性が少ない。また、通常のシリコーン系のシーラントに比べ、周囲へのシーラント成分の溶出や流出が少なく、表面への塗装性が良好である。しかし、従来の変成シリコーンシーラントにおいては、硬化後の表面に表面タックが存在しており、外壁材等として使用した場合、砂などが容易に付着してしまうという汚染性の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の変成シリコーンシーラントで問題であった硬化後の表面タックがなく、低汚染性の硬化性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を解決すべく、変成シリコーンを含有する硬化性樹脂組成物に、さらに特定のアミン化合物を含有させることを検討した。
特開平5−125271号公報、特開平9−100408号公報、および特開2001−262125号公報には、変成シリコーンシーラント表面の汚染防止および艶消しなどの目的のために、アミン化合物を添加する方法が記載されている。本発明者が上記公報に記載されているアミン化合物について検討した結果、これらのアミン化合物のうち、表面タックを減少させ、汚染防止に効果を有するものがあることが分かったが、表面タックの低減は十分なものではなく、また、着色や、高温多湿でアミン化合物の急速な析出(ブリードアウト)が発生するなどのシーラントの美観を損なう問題が依然として残っていた。
そこで、本発明者は、さらに種々のアミン化合物について検討した結果、架橋性シリル基含有有機重合体と、特定のアミン化合物とを含有する硬化性樹脂組成物が、硬化後の表面にタックがなく、低汚染性であることを見出し、本発明の第1の態様を完成させるに至った。すなわち、本発明の第1の態様は、下記(1)および(2)に記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
【0006】
(1)架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、下記式(1)で表されるジアミン化合物(B)0. 1〜10重量部とを含有する硬化性樹脂組成物。
【化3】
(式中、R1 は炭素数12〜21の分岐していてもよい1価の脂肪族炭化水素基であり、R2 は炭素数2〜4の分岐していてもよいアルキレン基である。)
【0007】
(2)上記ジアミン化合物(B)の80モル%以上が、R1 が炭素数が16以上であり、かつ、上記ジアミン化合物(B)のすべてが、R2 がプロピレン基で表されることを特徴とする上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
【0008】
また、本発明者は、上記公報に記載されているアミン化合物についてさらに検討した結果、該アミン化合物を含有する組成物をシーラントとして用いた場合、硬化後のシーラント表面の接着性が低下するという問題があることを知見した。
そこで、本発明者は、硬化後の表面の接着性を向上させる手法について検討した結果、架橋性シリル基含有有機重合体と、特定のアミン化合物と、特定の接着付与剤とを含有する硬化性樹脂組成物が、硬化後の表面にタックがなく、低汚染性であって、さらに接着性を有していることを見出し、本発明の第2の態様を完成させるに至った。すなわち、本発明の第2の態様は、下記(3)〜(5)に記載の硬化性樹脂組成物を提供する。
【0009】
(3)架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、炭素数8以上の炭化水素基を有し1級アミノ基を少なくとも1個有するアミン化合物(C)0. 1〜10重量部と、下記式(2)で表されるジアミン化合物とエポキシシランまたはアクリルシランとの反応物(D)0. 1〜10重量部とを含有する硬化性樹脂組成物。
【化4】
(式中、R3 は水素原子、炭素数1〜21の分岐していてもよい1価の脂肪族または脂環式炭化水素基である。R4 は炭素数2〜18の分岐していてもよい2価の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい。)
【0010】
(4)上記アミン化合物(C)が、上記(1)または(2)に記載のジアミン化合物(B)である上記(3)に記載の硬化性樹脂組成物。
(5)上記式(2)で表されるジアミン化合物が、上記(1)または(2)に記載のジアミン化合物(B)である上記(3)または(4)に記載の硬化性樹脂組成物。
【0011】
また、本発明は、下記(6)を提供する。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなる変成シリコーンシーラント。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の硬化性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の第1の態様である硬化性樹脂組成物は、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、下記式(1)で表されるジアミン化合物(B)0. 1〜10重量部とを含有する硬化性樹脂組成物である。
【0013】
【化5】
【0014】
式中、R1 は炭素数12〜21の分岐していてもよい1価の脂肪族炭化水素基であり、R2 は炭素数2〜4の分岐していてもよいアルキレン基である。
【0015】
以下に、架橋性シリル基含有有機重合体(A)、上記式(1)で表されるジアミン化合物(B)(以下、単に「ジアミン化合物(B)」ともいう)について詳細に説明する。
架橋性シリル基含有有機重合体(A)について、上記架橋性シリル基とは、例えば、ケイ素原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基やシラノール基のように湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒などを使用することにより縮合反応を起こす基のことであり、代表的なものを示すと、例えば、下記一般式(3)で表される基が挙げられる。
【0016】
【化6】
【0017】
式中、R5 およびR6 は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R7 )3 SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R5 またはR6 が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
ここで、R7 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR7 は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示す。
また、t個の下記式(4)で表される基におけるbは異なっていてもよい。tは0〜19の整数を示す。但し、a+t×b≧1を満足するものとする。
【0018】
【化7】
【0019】
上記Xで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという理由からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
架橋性シリル基の中で、下記式(5)で表される架橋性シリル基が、入手容易の点から好ましい。下記式(5)中、R6 、X、aは上述のR6 、X、aと同義である。
【0020】
【化8】
【0021】
上記一般式(3)におけるR5 およびR6 の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基、R7 がメチル基やフェニル基などである(R7 )3 SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げられる。R5 、R6 、R7 としてはメチル基が特に好ましい。
【0022】
したがって、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)は、末端あるいは側鎖に、上記式(3)で表される架橋性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体であれば特に限定されない。例えば、シリル基含有ポリエーテル、シリル基含有ポリエステル、シリル基含有ビニル系重合体、シリル基含有ポリエステル変性ビニル系重合体、シリル基含有ジアリルフタレート系重合体、シリル基含有ジアリールフタレート系重合体、シリル基含有ポリイソブチレン、シリル基含有エチレン・α−オレフィン系共重合体、およびこれらの混合物等のシリル基含有有機重合体が挙げられる。
【0023】
これらのうち、架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、上記シリル基含有ポリエーテルである場合、主鎖のポリエーテルとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどを原料物質として、カチオン重合、アニオン重合の方法を用いて製造されるものなどである。
架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、上記シリル基含有ポリエステルである場合には、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸などのカルボン酸、その無水物、そのエステルまたはハロゲン化物と、化学量論的過剰のエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのポリオールとを反応させることにより調整されるポリエステルポリオール類、またはラクトン類の開環重合により得られるラクトンポリオール類などが有用なポリエステルが主鎖として用いられる。
架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、上記シリル基含有ビニル系重合体である場合、ビニルモノマーとしてアクリルモノマーを主成分に用いることが、得られる架橋性シリル基含有有機重合体(A)を含有する硬化性樹脂組成物の耐候性および物性(伸び、モジュラス)が向上するという理由から好ましい。該ビニルモノマーの具体例としては、特開2002−97449号公報に記載されているシクロヘキシルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを主成分とするビニルモノマーが挙げられる。また、上記公報では、上記ビニルモノマーとアルコキシシリル基含有モノマーとを共重合させることによって、シリル基含有ビニル系重合体が得られることが記載されている。
また、重合方法は、通常のラジカル重合に加え、特開昭57−502171号公報および特開昭59−6207号公報に記載されている高温連続重合を用いることもできる。
架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、シリル基含有ポリイソブチレンやシリル基含有エチレン・α−オレフィン系共重合体である場合、主鎖としては、それぞれ、特開平4−154816号公報、および特開2001−31719号公報に記載された方法により製造されたものが用いられる。
【0024】
また、上記架橋性シリル基は、シーリング材の硬化性や硬化後の物性等の点から、本発明において、架橋性シリル基含有有機重合体(A)の分子内に1〜5個含まれているのが好ましい。
さらに、架橋性シリル基含有有機重合体(A)の数平均分子量は1000以上であることが好ましく、6000〜30000であることがより好ましい。数平均分子量がこの範囲であると、硬化性樹脂組成物の硬化前の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラス等の物性が好適であるため好ましい。
これらより、架橋性シリル基含有有機重合体(A)として、好適に例示される具体例としては、鐘淵化学工業社製のMSポリマーやサイリル、エピオン、旭硝子社製のエクセスター等が挙げられる。
これらのうち、主鎖が本質的にポリエーテルで、分子中に末端としてまたは側鎖に少なくとも1個のメチルジメトキシシリル基を有するポリエーテルオリゴマー、または、該ポリエーテルオリゴマーとメチルジメトキシシリル基を有するアクリルオリゴマーとの混合物を含む架橋性シリル基含有有機重合体を用いることが好ましい。
【0025】
次に、ジアミン化合物(B)について詳細に説明する。ジアミン化合物(B)は、上記式(1)で表される化合物である。
上記式(1)中、R1 は炭素数12〜21、好ましくは14〜18の分岐していてもよい1価の脂肪族炭化水素基である。ここで、1価の脂肪族炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、アルケニル基等が例示される。より具体的には、アルキル基として、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)が、アルケニル基として、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基が好適に例示される。
R2 は炭素数2〜4の分岐していてもよいアルキレン基であって、具体的には、例えば、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等が挙げられる。これらのうち、プロピレン基であることが入手し易いという理由から好ましい。
上記ジアミン化合物(B)は、上記式(1)で表される化合物のうち、1種類からなるものでもよく、数種類を含有するものであってもよい。
また、上記ジアミン化合物(B)の80モル%以上が、R1 が炭素数が16以上であり、かつ、該ジアミン化合物(B)のすべてが、R2 がプロピレン基で表されることが好ましい。
このようなジアミン化合物(B)としては、具体的には、例えば、硬化牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#10、日本油脂社製)、牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#20、日本油脂社製)、オレイルプロピレンジアミン(商品名:アミンDOB、日本油脂社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明の第1の態様である硬化性樹脂組成物は、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)および上記ジアミン化合物(B)を含有しており、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部に対して、ジアミン化合物(B)を0.1〜10重量部、好ましくは1.0〜10重量部含有する。上記範囲であると、表面タックがなくなるため好ましい。
【0027】
本発明の第2の態様である硬化性樹脂組成物は、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、炭素数8以上の炭化水素基を有し1級アミノ基を少なくとも1個有するアミン化合物(C)0. 1〜10重量部と、下記式(2)で表されるジアミン化合物とエポキシシランまたはアクリルシランとの反応物(D)0. 1〜10重量部とを含有する硬化性樹脂組成物である。
【0028】
【化9】
【0029】
式中、R3 は水素原子、炭素数1〜21の分岐していてもよい1価の脂肪族または脂環式炭化水素基である。R4 は炭素数2〜18の分岐していてもよい2価の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい。
【0030】
ここで、架橋性シリル基含有有機重合体(A)は、本発明の第1の態様に係るものと同様である。
以下に、炭素数8以上の炭化水素基を有し1級アミノ基を少なくとも1個有するアミン化合物(C)、および上記式(2)で表されるジアミン化合物とエポキシシランまたはアクリルシランとの反応物(D)(以下、単に「化合物(D)」ともいう)について詳細に説明する。
上記アミン化合物(C)は、炭素数8以上、好ましくは12〜18の炭化水素基を有し、1級アミノ基を少なくとも1個有するアミン化合物であれば特に限定されない。ここで、炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、ビニレン基等の脂肪族炭化水素基;シクロオクチル基、1,5−シクロオクチレン基、1,3−シクロヘキシレンビス(メチレン)基等の脂環式炭化水素基;2−ナフチル基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、ナフタレン−1,8−ジイル、1,3−フェニレンビス(メチレン)基等の芳香族炭化水素基;およびこれらを組合せた基等が例示され、これらのうち、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基であることがより好ましい。より具体的には、アルキル基として、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)が、アルケニル基として、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基が、アルキレン基として、1,8−オクチレン基、1,10−デシレン基、1,12−ドデシレン基が好適に例示される。
上記アミン化合物(C)としては、具体的には、例えば、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、セチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサン、Nラウリルプロピレンジアミン、Nステアリルプロピレンジアミン等が挙げられ、第1の態様に係るジアミン化合物(B)で例示した硬化牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#10、日本油脂社製)、牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#20、日本油脂社製)、オレイルプロピレンジアミン(商品名:アミンDOB、日本油脂社製)を用いることが好ましい。
【0031】
化合物(D)は、上記式(2)で表されるジアミン化合物と、エポキシシランまたはアクリルシランとの反応物であって、2級または3級アミノ基を1個以上有する化合物である。また、上記式(2)で表されるジアミン化合物は、上記式(2)で表される化合物のうち、1種類からなるものでもよく、2種類以上を含有するものであってもよい。
上記式(2)中、R3 は水素原子、もしくは炭素数1〜21の分岐していてもよい1価の脂肪族または脂環式炭化水素基である。ここで、1価の脂肪族炭化水素基としては、具体的には、上記R1 において例示したものが挙げられ、より具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、オレイル基が好適に例示され、1価の脂環式炭化水素基としては、具体的には、シクロヘキシル基が好適に例示される。
R4 は炭素数2〜18、好ましくは6〜18の分岐していてもよい2価の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい。ここで、2価の炭化水素基としては、具体的には、アルキレン基、ビニレン基等の2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シクロへキシレン基等の2価の脂環式炭化水素基;1,4−フェニレン基、1,3−フェニレンビス(メチレン)基等の2価の芳香族炭化水素基;およびこれらを組合せた基等が例示される。より具体的には、アルキレン基として、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,8−オクチレン基、1,10−デシレン、1,12−ドデシレン基が好適に例示される。これらのうち、R4 は、1,8−オクチレン基、1,10−デシレン、1,12−ドデシレン基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレンビス(メチレン)基および下記式(6)、(7)で表される置換基であることが接着性発現の観点から好ましい。
【0032】
【化10】
【0033】
上記式(2)で表されるジアミン化合物は、上記ジアミン化合物(B)と同じ化合物であってもよく、硬化牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#10、日本油脂社製)、牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#20、日本油脂社製)であることが好ましい。
上記エポキシシランおよびアクリルシランは、それぞれ以下に示す化合物を用いることができる。エポキシシランとしては、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
アクリルシランとしては、アクリル基またはメタクリル基を有するシラン化合物を包含し、具体的には、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0034】
上記化合物(D)は、上記式(2)で表されるジアミン化合物と、上記エポキシシランまたはアクリルシランとを反応させて得られる反応物であって、具体的には、例えば、ステアリルプロピレンジアミンの1級アミノ基とγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのエポキシ基とを反応させて得られる下記式(8)で表される化合物、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミンの1級アミノ基とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエポキシ基とを反応させて得られる下記式(9)で表される化合物、およびステアリルプロピレンジアミンの1級アミノ基とγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランのアクリル基とを反応させて得られる下記式(10)で表される化合物等が挙げられ、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、上記式(2)で表されるジアミン化合物と、上記エポキシシランまたはアクリルシランとの反応における反応比は特に限定されないが、上記式(2)で表される化合物のNHに対し、エポキシ基またはアクリル基を0.1〜0.9当量反応させることが好ましい。
【0035】
【化11】
【0036】
本発明の第2の態様である硬化性樹脂組成物は、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)、上記炭素数8以上のアルキル基を有するアミン化合物(C)および上記化合物(D)を含有しており、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部に対して、炭素数8以上の炭化水素基を有し1級アミノ基を少なくとも1個有するアミン化合物(C)を0.1〜10重量部、好ましくは1〜10重量部含有し、化合物(D)を0. 1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部含有する。アミン化合物(C)の含有量が上記範囲であると、表面タックが低減するため好ましく、化合物(D)の含有量が上記範囲であると、接着性が良好となるため好ましい。
【0037】
本発明の第1および第2の態様に係る硬化性樹脂組成物をシーリング材等に使用する場合には、本発明の効果を損なわない範囲で、硬化触媒、脱水剤、可塑剤、充填剤、補強剤、垂れ防止剤、着色剤(顔料)、老化防止剤、接触促進剤などを配合してもよい。
【0038】
硬化触媒としては、具体的には、例えば、オクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉄、ブタン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫のようなカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジフェニル錫ジアセテート、酸化ジブチル錫、酸化ジブチル錫とフタル酸エステルとの反応生成物、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫(トリエトキシシロキシ)のような有機錫化合物;ジブチル錫ジアセチルアセトナートのような錫キレート化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−2−エチルヘキシルオキシチタン、テトライソプロペニルオキシチタンのようなチタン酸エステル;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(アセチルアセトナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタントリス(アセチルアセトナート)のようなチタンキレート化合物;テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムステアレートのようなジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)のようなジルコニウムキレート化合物;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウムのようなアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)のようなアルミニウムキレート化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンのような第1級アミン;ジブチルアミンのような第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミンのようなポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルホルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンのような環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのようなアミノフェノール化合物などのアミン化合物およびそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタートのような第四級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;ならびに3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)トリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン等が挙げられる。その他、シリル基の加水分解および/または縮合反応に有効な公知の化合物を用いることができる。また、硬化触媒の成分は、上記例示した硬化触媒のうち、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0039】
これらのうち、保存および取扱い中に揮発しにくいことから、金属化合物が好ましく、中でも微量の配合で優れた触媒能が得られることから、有機錫化合物、錫キレート化合物およびチタン酸エステルが好ましい。
【0040】
脱水剤としては、具体的には、例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン等のアミノシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシランなどが挙げられる。これらのうち、脱水効果の点から、アミノシラン、ビニルシランを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0041】
可塑剤は粘度および物性調整に使用され、一般には、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸等の誘導体をはじめ、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系等のものが例示される。
充填剤は機械物性を調整するために各種の充填剤を配合することができ、一般には、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カーボンブラックなどが用いられる。充填剤の活性、粒子形状、pH、表面処理の有無などにより、貯蔵安定性、硬化速度、物性、発泡に与える影響が大きく、種類、量の決定には注意する必要がある。特に炭酸カルシウムは、脂肪酸エステル、または高級アルコールウレタン化合物により処理されたものが好適に使用される。
【0042】
着色剤(顔料)としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
老化防止剤の具体例としては、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が適宜用いられる。例えば、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物が挙げられる。
【0043】
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、ロール、ニーダ―、押出し機、万能攪拌機等により混合し製造することができる。
また、該硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されないが、例えば、各種の接着剤、シーリング材、防水材等に用いることができる。
【0044】
本発明の第1の態様に係る硬化性樹脂組成物は、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)の他に、特定のアミン化合物(ジアミン化合物(B))を含有しており、大気にさらされると、該硬化性樹脂組成物表面にブリードアウトしてくるアミン化合物と空気中の炭酸ガスとが反応することで、結晶性のカルバミン酸が生成する。この硬化性樹脂組成物の表面に生成したカルバミン酸の結晶は、保護膜として働き、これにより、硬化性樹脂組成物の表面タックが低減されると考えられる。
また、このようなカルバミン酸の生成に用いられるアミン化合物として、ステアリルアミンのような長鎖アルキルモノアミンを単独で用いた場合、炭酸ガスとの反応が遅く汚染防止が不十分であるという問題があり、1,10−ジアミノデカンのような1級ジアミンを単独で用いた場合では、炭酸ガスとの反応が早く汚染防止には効果があるが、生成するカルバミン酸の結晶性が高く、硬化性樹脂組成物の表面においてクラックが入る問題がある。また、ジステアリルアミン等の2級アミノ基のみを有する化合物を単独で用いた場合では、炭酸ガスとの反応が殆ど進行しないため、汚染防止の効果が得られないとう問題がある。
しかしながら、本発明の第1の態様に係る硬化性樹脂組成物を構成するジアミン化合物(B)では、このような問題もなく表面タックが低減する。これは、本発明の第1の態様に係る硬化性樹脂組成物を構成する特定のアミン化合物として、1級および2級のアミノ基を有するアミン化合物を用いていることから、カルバミン酸の生成が1級アミノ基を1個のみ有する化合物より促進され、生成するカルバミン酸の結晶化が1級アミノ基を2個以上有する化合物より抑制されるためであると考えられる。
したがって、本発明の第1の態様に係る硬化性樹脂組成物は、上記特定のアミン化合物を含有しない従来の変成シリコーンシーラント等に比べ、耐汚染性および耐候性において良好な結果が得られる点で極めて有用である。また、必須成分が2成分であることから低コストで製造することができる点でも有用である。
【0045】
本発明の第2の態様に係る硬化性樹脂組成物は、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)の他に、特定のアミン化合物(アミン化合物(C))および特定の接着付与剤(化合物(D))を含有している。
ここで、第2の態様に係るアミン化合物(C)は、1級アミノ基を1個以上有する化合物であり、化合物(D)は、2級または3級アミノ基を1個以上有する化合物である。そのため、アミン化合物(C)および化合物(D)を含有する第2の態様に係る硬化性樹脂組成物は、上記第1の態様と同様の理由から、硬化後の表面タックは低減すると考えられる。
さらに、第2の態様に係る本発明の硬化性樹脂組成物は、特定の接着付与剤として含有する化合物(D)に、アルコキシシリル基を有する化合物を用いていることから、シランカップリング剤として働くことができる。そのため、第2の態様に係る硬化性樹脂組成物の表面において高い接着性を有することが可能になると考えられる。
したがって、本発明の第2の態様に係る硬化性樹脂組成物は、上記特定のアミン化合物および接着付与剤を含有しない従来の変成シリコーンシーラント等に比べ、耐汚染性、耐候性および接着性において良好な結果が得られる。
【0046】
【実施例】
以下実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜4、参考例1および2)
架橋性シリル基含有有機重合体(A)である変成シリコーン100重量部に対して、下記表1に示す組成成分(重量部)で、炭酸カルシウム1、炭酸カルシウム2、酸化チタン、アクリルオリゴマー、ポリプロピレングリコール、ビニルシラン、アミノシラン、錫触媒、ステアリルアミン、1,12−ドデカンジアミン、ジステアリルアミン、アスファゾール#10、アスファゾール#20、付加体1、付加体2を添加し、高粘度用混合ミキサーで均一に分散させて実施例1〜5、比較例1〜4、参考例1および2の硬化性樹脂組成物とした。該硬化性樹脂組成物の硬化24時間後の表面タック、汚染性、耐候性および接着性を以下に示す条件で調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0047】
上記各組成成分として、以下に示す化合物を用いた。
変成シリコーンとして鐘淵化学工業社製のMSX911を用い、アミノ基を含有する化合物として、ステアリルアミン(東京化成社製)、1,12−ドデカンジアミン(東京化成社製)、ジステアリルアミン(東京化成社製)、硬化牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#10、日本油脂社製)、牛脂プロピレンジアミン(商品名:アスファゾール#20、日本油脂社製)を用いた。
また、付加体1としてはアスファゾール#10とγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE402、信越化学工業社製)とを、等モル混合させ、50℃、12時間反応させて得られる反応物(上記式(8)で表される化合物)を用い、付加体2としては脂肪族アミン(商品名:ワンダミンMH、新日本理化社製)とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A187、日本ユニカー社製)とを、等モル混合させ、50℃、12時間反応させて得られる反応物(上記式(9)で表される化合物)にメタノール(安定剤)を5%添加した状態で用いた。
【0048】
充填剤としては炭酸カルシウム1(商品名:カルファイン200M、丸尾カルシウム社製)および炭酸カルシウム2(商品名:ライトンA−4、備北粉加工社製)を用い、顔料として酸化チタン(商品名:R−820、石原産業社製)を用い、可塑剤としてアクリルオリゴマー(商品名:UP−1000、東亞合成社製)およびポリプロピレングリコール(商品名:プレミノール4002、旭ガラス社製)を用いた。
また、脱水剤としては、ビニルシラン(商品名:A−171、日本ユニカ社製)とアミノシラン(商品名:A−1120、日本ユニカ社製)を用い、錫触媒としてジブチル錫ジアセチルアセトナート(商品名:ネオスタンU−220、日東化成社製)を用いた。
【0049】
<表面タック>
実施例1〜5、比較例1〜4、参考例1および2の硬化性樹脂組成物において、硬化24時間後の表面タックを調べた。表面タックの有無は、表面を指で触ることにより確認した。表面タックがあったものを×とし、表面タックがほとんどなかったものを△とし、表面タックが全くなかったものを○とした。
【0050】
<汚染性(砂つき)>
実施例1〜5、比較例1〜4、参考例1および2の硬化性樹脂組成物において、硬化24時間後の表面の汚染性(砂つき)を調べた。表面の汚染性は、200メッシュ以下の火山灰(以下、砂という)の付着の有無により確認した。表面に砂が付着する状態であるものを×とし、砂が付着しない状態であるものを○とした。
【0051】
<耐候性>
実施例1〜5、比較例1〜4、参考例1および2の硬化性樹脂組成物を、3mm厚のシート状にし、20℃で55%RHの条件で14日間養生し、試験片を作製した。
この試験片を、メタルハライドウェザーメータ(条件:63℃、50%RH、光エネルギー75mW/cm2 、シャワー120秒/2時間後)による処理を行い、300時間経過後および800時間経過後に硬化物表面の状態を観察し、ひび割れの有無によって耐候性を評価した。
ひび割れがなかったものを○とし、ひび割れがあったものを×とした。
【0052】
<接着性>
実施例1〜5、比較例1〜4、参考例1および2の硬化性樹脂組成物を、三協アルミニウム工業社製のアクリル電着塗装アルミ(ブラック)に3mm厚で塗布し硬化させ試験体とした。各試験体を20℃、65%RHの雰囲気下で7日間放置後、ナイフカットによる手剥離試験を行い接着性を調べた。界面剥離が10%以上のものを×とし、界面剥離が5%以上10%未満であり実用上問題のないものを△とし、界面剥離が5%未満のものを○とした。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
表1に示す結果より、実施例1〜5、参考例1および2の硬化性樹脂組成物は、比較例1〜4に示す従来の硬化性樹脂組成物に比べ、硬化24時間後の表面タックがなく、さらに耐汚染性、耐候性、接着性のバランスが優れていることがわかった。
なお、作業性、耐久性、モジュラスに関しても、比較例と同等、もしくはそれ以上の効果が得られた。
【0056】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明の硬化性樹脂組成物を、シーリング材として用いた場合、特定のアミン化合物がシーラントの表面状態を変えるため、硬化後の表面タックが低減し、耐汚染性および耐候性に優れた硬化物となり得る。また、該硬化性樹脂組成物が、特定の接着付与剤を有する場合、耐汚染性、耐候性および接着性のバランスに優れた硬化物となり得る。このため、本発明の硬化性樹脂組成物を主成分とする変成シリコーンシーラントを建築物等の外壁材として使用することで、作業性の向上、ならびに硬化後の外壁等に砂が付着する問題を回避することができるため有用である。
Claims (4)
- 前記ジアミン化合物(B)の80モル%以上が、R1 が炭素数が16以上であり、かつ、前記ジアミン化合物(B)のすべてが、R2がプロピレン基で表される請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記式(2)で表されるジアミン化合物が、請求項2または3に記載のジアミン化合物(B)である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
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