JP4081307B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーリング材として用いることができる硬化性組成物に関し、特に、架橋性シリル基含有有機重合体を含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1液型の湿気硬化性組成物として、変成シリコーン系の硬化性組成物が知られている。この変成シリコーン系の湿気硬化性組成物には、特公昭62−35421号公報、特開昭61−141761号公報、および特公平1−58219号公報に記載されている変成シリコーンポリマーが用いられている。この変成シリコーンポリマーは、ポリエーテルを主鎖とする架橋可能な加水分解性シリル基を有する重合体であり、硬化触媒を用いて密封下では長期間安定であるが、湿気にさらすと急速に硬化してゴム状物質に変わる1液型組成物とすることができる。
【0003】
上記変成シリコーン系の湿気硬化性組成物は、シーラントとして利用可能であり、変成シリコーンポリマーをシーラントに用いた変成シリコーンシーラントは、ポリウレタン系のシーラントに比べ貯蔵安定性、耐候性、耐発泡性、変色性が良好であり、ポリサルファイド系のシーラントに比べ硬化性に優れ、周囲へのシーラント成分の溶出や流出が少なく、毒性が少ない。また、通常のシリコーン系のシーラントに比べ、周囲へのシーラント成分の溶出や流出が少なく、表面への塗装性が良好である。しかし、従来の変成シリコーンシーラントにおいては、硬化後の表面に表面タックが存在しており、外壁材等として使用した場合、砂などが容易に付着してしまうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の変成シリコーンシーラントで問題であった硬化後の表面タックのない、変成シリコーン系の硬化性組成物の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、架橋性シリル基含有有機重合体と、所定の式で表される反応性シリコーンオイルと、硬化触媒とを含有する硬化性組成物が、硬化後の表面タックがないことを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)に記載の硬化性組成物を提供する。
【0006】
(1)架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、反応性シリコーンオイル(B)0.1〜30重量部と、硬化触媒(C)0.1〜10重量部とを含有し、
上記反応性シリコーンオイル(B)が、下記式(1)または(2)で表される化合物である硬化性組成物。
【0007】
【化2】
(上記式(1)中、mおよびnはそれぞれ1以上の整数であり、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を表す。mが2以上の整数である時は、複数のR 1 およびR 2 は、同一であっても異なっていてもよい。上記式(2)中、pは1以上の整数であり、R 3 は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
【0008】
(2)上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、ポリエーテルを主鎖とするポリエーテルオリゴマーであることを特徴とする上記(1)に記載の硬化性組成物。
【0009】
(3)上記(1)または(2)に記載の硬化性組成物からなる変成シリコーンシーラント。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の硬化性組成物について詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、反応性シリコーンオイル(B)0.1〜30重量部と、硬化触媒(C)0.1〜10重量部とを含有する硬化性組成物である。
【0011】
ここで、上記架橋性シリル基とは、例えば、ケイ素原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基やシラノール基のように湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒などを使用することにより縮合反応を起こす基のことであり、代表的なものを示すと、例えば、下記一般式(3)で表される基が挙げられる。
【0012】
【化3】
【0013】
式中、R 4 およびR 5 は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R 6 )3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R 4 またはR 5 が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
ここで、R 6 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR 6 は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。
また、t個の下記式(4)で表される基におけるbは異なっていてもよい。tは0〜19の整数を示す。但し、a+t×b≧1を満足するものとする。
【0014】
【化4】
【0015】
上記Xで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという理由からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
架橋性シリル基の中で、下記式(5)で表される架橋性シリル基が、入手容易の点から好ましい。下記式(5)中、R 5 、X、aは上述のR 5 、X、aと同義である。
【0016】
【化5】
【0017】
上記一般式(3)におけるR 4 およびR 5 の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基、R 6 がメチル基やフェニル基などである(R 6 )3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げられる。R 4 、R 5 、R 6 としてはメチル基が特に好ましい。
【0018】
したがって、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)は、末端あるいは側鎖に、上記式(3)で表される架橋性シリル基を少なくとも1つ有する有機重合体であれば特に限定されない。例えば、シリル基含有ポリエーテル、シリル基含有ポリエステル、シリル基含有ビニル系重合体、シリル基含有ポリエステル変性ビニル系重合体、シリル基含有ジアリルフタレート系重合体、シリル基含有ジアリールフタレート系重合体、シリル基含有ポリイソブチレン、シリル基含有エチレン・α−オレフィン系共重合体、およびこれらの混合物等のシリル基含有有機重合体が挙げられる。
【0019】
これらのうち、架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、上記シリル基含有ポリエーテルである場合、主鎖のポリエーテルとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどを原料物質として、カチオン重合、アニオン重合の方法を用いて製造されるものなどである。
架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、上記シリル基含有ポリエステルである場合には、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸などのカルボン酸、その無水物、そのエステルまたはハロゲン化物と、化学量論的過剰のエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのポリオールとを反応させることにより調整されるポリエステルポリオール類、またはラクトン類の開環重合により得られるラクトンポリオール類などが有用なポリエステルが主鎖として用いられる。
架橋性シリル基含有有機重合体(A)が、シリル基含有ポリイソブチレンやシリル基含有エチレン・α−オレフィン系共重合体である場合、主鎖としては、それぞれ、特開平4−154816号公報、および特開2001−31719号公報に記載された方法により製造されたものが用いられる。
【0020】
また、上記架橋性シリル基は、シーリング材の硬化性や硬化後の物性等の点から、本発明において、架橋性シリル基含有有機重合体(A)の分子内に1〜5個含まれているのが好ましい。
さらに、架橋性シリル基含有有機重合体(A)の数平均分子量は1000以上であることが好ましく、6000〜30000であることがより好ましい。数平均分子量がこの範囲であると、硬化性組成物の硬化前の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラス等の物性が好適であるため好ましい。
これらより、架橋性シリル基含有有機重合体(A)として、好適に例示される具体例としては、鐘淵化学工業(株)社製のMSポリマーやサイリル、エピオン、旭硝子(株)社製のエクセスター等が挙げられる。
これらのうち、主鎖が本質的にポリエーテルで、分子中に末端としてまたは側鎖に少なくとも1つの架橋性シリル基を有するポリエーテルオリゴマーを含む架橋性シリル基含有有機重合体を用いることが好ましい。
【0021】
上記反応性シリコーンオイル(B)は、反応性の置換基を有するシリコーンオイルである。ここで、シリコーンオイルとは、主鎖にシロキサン結合を有するシリコーンのうち、線状または環状で、常温で流動性を示すものであって、主鎖中に他の結合を有していてもよい。
また、反応性の置換基としては、具体的には、例えば、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基等が挙げられ、2種以上の置換基を同時に有していてもよい。これらのうち、アミノ基、エポキシ基を有していることが好ましく、アミノ基を有していることがより好ましい。上記置換基は、主鎖に直接結合していてもよく、主鎖が有する側鎖に結合していてもよく、分子の末端に存在していてもよい。
特に、アミノ基を有している反応性シリコーンオイル(B)としては、具体的には、下記式(1)および(2)で表される化合物が好適に例示される。上記例示した化合物を反応性シリコーンオイル(B)として用いることが、本発明の硬化性組成物の硬化後の表面タックがなくなるという理由から好ましい。
【0022】
【化6】
【0023】
上記式(1)中、mおよびnはそれぞれ1以上の整数であり、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を表す。mが2以上の整数である時は、複数のR 1 およびR 2 は、同一であっても異なっていてもよい。上記式(2)中、pは1以上の整数であり、R 3 は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
また、上記反応性シリコーンオイル(B)の分子量は、100〜50000であることが好ましく、500〜10000であることがより好ましい。
【0024】
硬化触媒(C)としては、具体的には、例えば、オクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉄、ブタン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫のようなカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジフェニル錫ジアセテート、酸化ジブチル錫、酸化ジブチル錫とフタル酸エステルとの反応生成物、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫(トリエトキシシロキシ)のような有機錫化合物;ジブチル錫ジアセチルアセトナートのような錫キレート化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−2−エチルヘキシルオキシチタン、テトライソプロペニルオキシチタンのようなチタン酸エステル;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(アセチルアセトナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタントリス(アセチルアセトナート)のようなチタンキレート化合物;テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムステアレートのようなジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)のようなジルコニウムキレート化合物;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウムのようなアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)のようなアルミニウムキレート化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンのような第1級アミン;ジブチルアミンのような第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミンのようなポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルホルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンのような環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのようなアミノフェノール化合物などのアミン化合物およびそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタートのような第四級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;ならびに3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)トリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン等が挙げられる。その他、シリル基の加水分解および/または縮合反応に有効な公知の化合物を用いることができる。また、硬化触媒(C)の成分は、上記例示した硬化触媒のうち、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
【0025】
これらのうち、保存および取扱い中に揮発しにくいことから、金属化合物が好ましく、中でも微量の配合で優れた触媒能が得られることから、有機錫化合物、錫キレート化合物およびチタン酸エステルが好ましい。
【0026】
本発明の硬化性組成物は、上記架橋性シリル基含有有機重合体(A)、反応性シリコーンオイル(B)、および硬化触媒(C)を含有しており、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部に対して、反応性シリコーンオイル(B)を0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜5重量部含有し、硬化触媒(C)を0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部含有する硬化性組成物である。
【0027】
本発明の硬化性組成物をシーリング材に使用する場合には、本発明の効果を損なわない範囲で脱水剤、可塑剤、充填剤、補強剤、垂れ防止剤、着色剤(顔料)、老化防止剤、接触促進剤などを配合してもよい。
脱水剤の具体例としては、例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン等のアミノシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシランなどが挙げられる。これらのうち、脱水効果の点から、アミノシラン、ビニルシランを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0028】
可塑剤は粘度および物性調整に使用され、一般には、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸等の誘導体をはじめ、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系等のものが挙げられる。
充填剤は機械物性を調整するために各種の充填剤を配合することができ、一般には、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カーボンブラックなどが用いられる。充填剤の活性、粒子形状、pH、表面処理の有無などにより、貯蔵安定性、硬化速度、物性、発泡に与える影響が大きく、種類、量の決定には注意する必要がある。
【0029】
着色剤(顔料)としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
老化防止剤の具体例としては、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が適宜用いられる。例えば、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物が挙げられる。
【0030】
該組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、ロール、ニーダ―、押出し機、万能攪拌機等により混合し製造することができる。
【0031】
該組成物の用途は特に限定されないが、例えば、各種の接着剤、シーリング材、防水材等に用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1)
架橋性シリル基含有有機重合体(A)である架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー100重量部に対して、下記表1に示す組成成分(重量部)で、脂肪酸処理炭酸カルシウム、酸化チタン、ポリアクリレート、ミネラルスピリット、ビニルシラン、アミノシラン、老化防止剤、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、それぞれ反応性シリコーンオイル(B)である反応性シリコーンオイル1および反応性シリコーンオイル2を添加し、高粘度用混合ミキサーで均一に分散させて実施例1〜4、比較例1の硬化性組成物とした。該硬化性組成物のタックフリータイム、および硬化後の表面タックを以下に示す条件で調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0033】
上記各組成成分として、以下に示す化合物を用いた。
架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマーとして鐘淵化学工業(株)社製のMSポリマー911を用い、反応性シリコーンオイル1として上記式(1)で表される化合物(商品名:KF−393、信越化学工業社製、官能基当量355g/mol)、反応性シリコーンオイル2として上記式(2)で表される化合物(商品名:KF−8010、信越化学工業社製、官能基当量435g/mol)を用いた。また、硬化触媒(C)としてジブチル錫ジアセチルアセトナート(商品名:ネオスタンU−220、日東化成(株)社製)を用いた。
【0034】
充填剤としては脂肪酸処理炭酸カルシウム(商品名:カルファイン200M、丸尾カルシウム(株)社製)を用い、顔料として酸化チタン(商品名:R−820、石原産業(株)社製)を用い、可塑剤としてポリアクリレート(商品名:UP−1000、東亞合成(株)社製)を用いた。
また、石油系溶剤として日本石油(株)社製のミネラルスピリットを用い、脱水剤としては、ビニルトリメトキシシラン(商品名:A−171、日本ユニカ(株)社製)とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A−1100、日本ユニカ(株)社製)を用い、老化防止剤としては、ヒンダードアミン系化合物(商品名:キュマソーブ944LD、チバガイギー(株)社製)を用いた。
【0035】
<タックフリータイム>
実施例1〜4、および比較例1に示す硬化性組成物において、JIS A−5758に規定されるタックフリータイムを測定した。
【0036】
<表面タック>
実施例1〜4、および比較例1の硬化性組成物において、下記方法により硬化24時間後の表面タックを調べた。表面タックの有無は、表面を指で触ることにより確認した。表面タックがあったものを×とし、表面タックがほとんどなかったものを○とし、表面タックが全くなかったものを◎とした。
<砂つき>
実施例1〜4、および比較例1の硬化性組成物において、下記方法により硬化24時間後の表面の砂つきを調べた。表面の砂つきは、200メッシュ以下の火山灰(以下、砂という)の付着の有無により確認した。表面に砂が付着する状態であるものを×とし、砂が付着しない状態であるものを○とし、わずかな汚れもなく、特に優れた状態であるものを◎とした。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示す結果より、実施例1〜4の硬化性組成物は、比較例1に示す従来の硬化性組成物に比べ、タックフリータイムが短く、硬化24時間後の表面タックがなくなることがわかった。
なお、作業性、耐久性、モジュラスに関しても、比較例と同等、もしくはそれ以上の効果が得られた。
【0039】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明の硬化性組成物を、シーリング材として用いた場合、反応性シリコーンオイルがシーラントの表面状態を変えるため、タックフリータイムが短く、硬化後の表面タックがなくなる。このため、本発明の硬化性組成物を主成分とする変成シリコーンシーラントを建築物等の外壁材として使用することで、タックフリータイムの短縮による作業性の向上、ならびに硬化後の外壁等に砂が付着する問題を回避することができるため有用である。
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