JP6640723B2 - 積層体およびシーリング方法 - Google Patents

積層体およびシーリング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6640723B2
JP6640723B2 JP2016542584A JP2016542584A JP6640723B2 JP 6640723 B2 JP6640723 B2 JP 6640723B2 JP 2016542584 A JP2016542584 A JP 2016542584A JP 2016542584 A JP2016542584 A JP 2016542584A JP 6640723 B2 JP6640723 B2 JP 6640723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
acid
compound
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016542584A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016024584A1 (ja
Inventor
山下 浩平
浩平 山下
正臣 坂部
正臣 坂部
典子 野呂
典子 野呂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JPWO2016024584A1 publication Critical patent/JPWO2016024584A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6640723B2 publication Critical patent/JP6640723B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/24Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials for applying particular liquids or other fluent materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D143/00Coating compositions based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing boron, silicon, phosphorus, selenium, tellurium, or a metal; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D143/04Homopolymers or copolymers of monomers containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/10Materials in mouldable or extrudable form for sealing or packing joints or covers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、積層体およびシーリング方法に関する。
建築、土木、車両などの構造体の部材相互間や接合部には、防水や密閉性のためにシーリング材が用いられる。シーリング材としては、例えば、シリコーン系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、ウレタン系シーリング材、ポリイソブチレン系シーリング材などが挙げられる。その中で、変成シリコーン系シーリング材は、耐久性、耐候性、低汚染性、作業性、塗装性など各種物性の品質バランスに優れていることから、建築用シーリング材として高層建築用から戸建住宅用まで幅広く用いられている。上記の各シーリング材は様々な目地部を形成する基材との接着性を確保し密閉性を確実なものとするために、基材表面にプライマー処理を施されるケースがある。
近年、意匠性を凝らした、表面が凸凹である部材が多用されるようになり、部材上にシーリング材が薄層で残る場合がある。また施工時の不具合から、シーリング材の薄層部が生じる場合もある。特に夏場の暑い季節にこの薄層部がいつまでも硬化しない現象が起こり易く、この箇所に埃等が付着してシーリング材表面が汚れたり、シーリング目地のそばの白化現象・変色、雨だれ汚染、衣服への付着等の問題が生じている。これらは、2成分型の変成シリコーン系シーリング材やポリイソブチレン系シーリング材で起こり易い現象である。
特開平11−209682号公報 特開平11−209683号公報 特開平11−209684号公報 特開2007−023224号公報 特開2012−116961号公報 特開2004−083800号公報 特開2003−073617号公報 特開2003−071376号公報
本発明が解決しようとする課題は、架橋性ケイ素基を有する湿気硬化型シーリング材を用いる場合に、シーリング材の薄層部での未硬化現象を抑制することである。
本発明者等が検討した結果、架橋性ケイ素基を有する湿気硬化型シーリング材と、架橋性ケイ素基を有するアクリル系共重合体を含有するプライマー組成物とを用いることによって、薄層部での未硬化現象を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。この知見に基づく本発明は以下の通りである。
[1] プライマー層とシーリング層との積層体であって、
プライマー層が、下記(A)〜(C)成分:
(A)下記単量体に由来する単位(a)〜(c):
(a)式(I):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、aは、0〜2の整数を示す。)
で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体に由来する単位、
(b)炭素数が10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する単位、および
(c)その他の共重合可能な単量体に由来する単位
よりなり、単量体(b)が単量体全量の2〜30重量%である架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体、
(B)アミノ基を有するシラン化合物および/またはその反応物、および
(C)硫黄を含有しない有機錫硬化触媒
を含有するプライマー組成物から形成された層であり、
シーリング層が、下記(D)および(E)成分:
(D)シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および
(E)カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤
を含有する弾性シーリング材組成物から形成された層である積層体。
[2] (C)成分が、ジオクチル錫ジラウレートおよび/またはジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物である前記[1]に記載の積層体。
[3] (A)成分のガラス転移温度が、35℃以上100℃以下である前記[1]または[2]に記載の積層体。
[4] プライマー組成物が、オルトエステルを含有する前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の積層体。
[5] (D)成分の分子量分布(Mw/Mn)が、1.6以下である前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の積層体。
[6] 弾性シーリング材組成物が、光硬化性化合物、酸素硬化性化合物、およびエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性化合物を含む前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の積層体。
[7] プライマー組成物を被着体上に塗布してプライマー層を形成させた後、その上に弾性シーリング材組成物を充填することを含むシーリング方法であって、
プライマー組成物が、下記(A)〜(C)成分:
(A)下記単量体に由来する単位(a)〜(c):
(a)式(I):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、aは、0〜2の整数を示す。)
で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体に由来する単位、
(b)炭素数が10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する単位、および
(c)その他の共重合可能な単量体に由来する単位
よりなり、単量体(b)が単量体全量の2〜30重量%である架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体、
(B)アミノ基を有するシラン化合物および/またはその反応物、および
(C)硫黄を含有しない有機錫硬化触媒
を含有する組成物であり、
弾性シーリング材組成物が、下記(D)および(E)成分:
(D)シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および
(E)カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤
を含有する硬化性組成物である方法。
[8] (C)成分が、ジオクチル錫ジラウレートおよび/またはジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物である前記[7]に記載のシーリング方法。
[9] (A)成分のガラス転移温度が、35℃以上100℃以下である前記[7]または[8]に記載のシーリング方法。
[10] プライマー組成物が、オルトエステルを含有する前記[7]〜[9]のいずれか一つに記載のシーリング方法。
[11] (D)成分の分子量分布(Mw/Mn)が、1.6以下である前記[7]〜[10]のいずれか一つに記載のシーリング方法。
[12] 弾性シーリング材組成物が、光硬化性化合物、酸素硬化性化合物、およびエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性化合物を含む前記[7]〜[11]のいずれか一つに記載のシーリング方法。
本発明によれば、架橋性ケイ素基を有する湿気硬化型シーリング材(即ち、以下で説明する弾性シーリング材組成物)を用いる場合に、薄層部での未硬化現象を抑制することができる。
プライマー組成物
本発明において、プライマー組成物は、弾性シーリング材組成物のためのプライマー層を被着体上に形成するために用いられる。本発明で使用するプライマー組成物は、(A)成分(架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体)、(B)成分(アミノ基を有するシラン化合物および/またはその反応物)、および(C)成分(硫黄を含有しない有機錫硬化触媒)を含有する。
(A)成分(架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体)
(A)成分は、単量体(a)(式(I)で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体)に由来する単位、単量体(b)(炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体)に由来する単位、および単量体(c)(その他の共重合可能な単量体)に由来する単位よりなり、単量体(b)が単量体全量の2〜30重量%である架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体である。(A)成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、実質的にアクリル系単量体が共重合して得られる主鎖を有する共重合体であり、且つ炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する。そのため、(A)成分を含有するプライマー組成物から形成されるプライマー層は、接着性に優れ、また、水、アルカリなどに曝しても非常に優れた接着性を有する。
(A)成分1分子中の式(I)で表される炭架橋性ケイ素基の平均数は、1個以上、好ましくは1〜15個、さらに好ましくは2〜10個である。このような数の架橋性ケイ素基を有する(A)成分を使用することによって、プライマー組成物から形成されるプライマー層の接着強度、耐アルカリ性、耐久性を向上させることができる。この平均数が1個未満の場合は、プライマー層の接着強度が低くなる傾向にある。なお、(A)成分1分子中の式(I)で表される架橋性ケイ素基の平均数は、重合転化率を100%と仮定して、モノマー組成と数平均分子量から算出することができる。また、該平均数は、(A)成分のH−NMR測定から算出することができる。
前記式(I)で表される架橋性ケイ素基は、(A)成分の主鎖の末端に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端および側鎖に結合していてもよい。
前記式(I)において、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。Rは、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などが挙げられる。前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、架橋性ケイ素基の反応性が低下するようになる。また、前記Rが、例えばフェニル基、ベンジル基などのアルキル基以外の基である場合にも、架橋性ケイ素基の反応性が低下するようになる。
前記式(I)において、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示す。Rは、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、プライマー組成物の硬化性を向上させるために、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、上述のものが挙げられる。炭素数6〜25のアリール基としては、例えばフェニル基などが挙げられる。炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えばベンジル基などが挙げられる。
前記式(I)において、aは、0〜2の整数を示す。(A)成分の硬化性が良好になるという点から、aが0または1であることが好ましい。
前記式(I)において、Rが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、aが0または1である組合せが好ましい。前記式(I)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、aが0または1である組合せがより好ましい。
式(I)中に存在する(RO)3−aまたは(Rの数が2個以上の場合、2個以上のRまたはRは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記(A)成分の数平均分子量は、プライマー組成物から形成されるプライマー層の接着強度、耐久性などの物性が優れるという点から、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは7,000〜25,000である。この数平均分子量は、後述の実施例に示されるようにGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定することができる。
前記(A)成分のガラス転移温度は、プライマー組成物から形成されるプライマー層の乾燥性、ほこり付着の抑制などの物性が優れるという点から、20℃以上150℃以下であることが好ましく、35℃以上100℃以下であることがより好ましい。20℃未満では低温時の乾燥性が悪くなり、接着性が低下する。このガラス転移温度(Tg(K))は、下記Foxの式から計算することができる。
Foxの式:
1/(Tg(K))=Σ(Mi/Tgi)
(式中、Miは重合体を構成する単量体i成分の重量分率、Tgiは単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。ホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK -FOURTH EDITION- (J.Brandrupら) に記載の値を参考とする。また、トリメトキシシリルプロピルメタクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は316K、メチルジメトキシシリルプロピルメタクリレートのホモポリマーのガラス転移温度は303Kとして計算する。)
(A)成分の使用量は、プライマー組成物の固形分中、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは80〜95重量%である。
次に、(A)成分の製法の一例について説明する。(A)成分は、例えば、単量体(a)(式(I)で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体)、単量体(b)(炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体)、および単量体(c)(その他の共重合可能な単量体)を重合することによって製造することができる。
単量体(a)(式(I)で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体)
単量体(a)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。単量体(a)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
などの式(III):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、aは、0〜2の整数を示し、Rは、水素原子またはメチル基を示す。)
で表される化合物。
などの式(IV):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子またはメチル基を示し、aは、0〜2の整数を示し、nは、1〜12の整数を示す。)
で表される化合物。
などの式(V):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子またはメチル基を示し、aは、0〜2の整数を示し、nは1〜12の整数を示す。)
で表される化合物。
などの式(VI):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子またはメチル基を示し、aは、0〜2の整数を示し、mは、1〜14の整数を示す。)
で表される化合物。
(式中、pは、0〜20の整数を示す。)などの式(VII):
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子またはメチル基を示し、aは、0〜2の整数を示し、pは、0〜20の整数を示す。)
で表される化合物。
なお、上述の式(III)〜式(VII)におけるR、Rおよびaの説明は、式(I)における説明と同じである。
単量体(a)は、好ましくは、式(IV)で表される化合物(以下「化合物(IV)」と記載する)である。単量体(a)は、より好ましくは、Rが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが水素原子またはメチル基であり、aが0または1であり、nが1〜10の整数である化合物(IV)である。単量体(a)は、さらに好ましくは、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが水素原子またはメチル基であり、aが0または1であり、nが1〜5の整数である化合物(IV)である。
単量体(a)の使用量は、プライマー組成物から形成されるプライマー層の耐久性が優れる、強度が大きくなるという点から、好ましくは単量体全量の1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%である。この使用量が1重量%未満の場合には、プライマー組成物の硬化性が不充分となる傾向にあり、30重量%を超える場合には、プライマー組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
単量体(b)(炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体)
単量体(b)は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体である。単量体(b)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記アルキル基の炭素数上限に特に限定はないが、該炭素数は、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
単量体(b)としては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドコサニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、炭素数12〜13のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
単量体(b)は、好ましくは炭素数10以上30以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体であり、より好ましくは炭素数10以上20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体であり、さらに好ましくはステアリル(メタ)アクリレート、および炭素数12〜13のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つである。
単量体(b)の使用量は、単量体全量の2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。この使用量が2重量%未満の場合は、被着体との接着性が得られにくく、30重量%を超える場合は、(D)成分との相溶性が低下する。
単量体(c)(その他の共重合可能な単量体)
単量体(c)は、その他の共重合可能な単量体、即ち、単量体(a)および(b)と異なり、且つこれらと共重合可能な単量体である。単量体(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド;アロニクスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5(以上、東亜合成化学工業(株)製);PlaccelFA−1、PlaccelFA−4、PlaccelFM−1、PlaccelFM−4(以上、ダイセル化学工業(株)製);(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物;ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステル化合物またはアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。単量体(c)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
単量体(c)は、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、より好ましくはメチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、および(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも一つである。
単量体(c)の使用量は、好ましくは単量体全量の5〜95重量%、より好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは40〜85重量%である。
また、本発明においては、プライマー層の接着性をさらに向上させる目的で、例えば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントを、50重量%を超えない範囲で(A)成分の製造時に導入してもよい。
(A)成分は、例えば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または架橋性ケイ素基を有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができる。合成の容易さなどの点から、架橋性ケイ素基を有する単量体を用い、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することが特に好ましい。
前記溶液重合法に用いられる溶剤は、非水系溶剤であれば特に制限はないが、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソロブなどのセロソルブ類;セロソルブアセテートなどのエーテルエステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類;メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノールなどのアルコール類が挙げられる。
(A)成分の分子量を調整するために、前記溶液重合の際には、必要に応じて、例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CHO)Si−S−S−Si(OCH、(CHO)Si−S−Si(OCHなどの1種またはそれ以上の連鎖移動剤を使用してもよい。例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、(A)成分の末端に架橋性ケイ素基を導入することができる。連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜8重量%である。
(B)成分(アミノシラン化合物および/またはその反応物)
(B)成分は、アミノ基を有するシラン化合物および/またはその反応物である。(B)成分は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。(B)成分としては、例えば、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンなどのアミノシラン化合物;これらのアミノシラン化合物とエピコート828、エピコート1001などのエポキシ化合物(以上、油化シェルエポキシ(株)製)やγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどとの反応物(例えば、アミノ基を分子内に1つ有するアミノシラン(A1100)などと2官能のエポキシ化合物であるエピコート828とをモル比で2:1で混合するか、またはアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをモル比で1:2.2以上で混合し、70〜90℃で2〜4時間、窒素気流下で反応させたもの)などが挙げられる。これらのうちではビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物、またはこれらの組み合わせが、密着性の点から好ましい。
(B)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部である。この量が0.1部より少なくなると、被着体との密着性の向上が不十分となり、この量が50重量部を超えると、(A)成分との相溶性が低下するおそれがある。
(C)成分(硫黄を含有しない有機錫硬化触媒)
(C)成分は、硫黄を含有しない有機錫硬化触媒である。(C)成分は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)硫黄を含有しない有機錫化合物
(1−i)硫黄を含有しないカルボン酸型有機錫化合物
(1−i−a)ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート等の硫黄を含有しないカルボン酸型ジブチル錫化合物。
(1−i−b)ジオクチル錫マレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジオクチル錫ジアセテート等の硫黄を含有しないカルボン酸型ジオクチル錫化合物。
(1−ii)ジオクチル錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイド等の硫黄を含有しない有機錫オキサイド。
(1−iii)ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)等の硫黄を含有しないキレート型有機錫化合物。
(2)硫黄を含有しない有機錫オキサイド、有機錫塩等の硫黄を含有しない有機錫化合物と、エチルシリケート(テトラエトキシシラン)、エチルシリケート40等のシリケート化合物との反応物(例えば、ジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物)。
(3)硫黄を含有しない有機錫オキサイド等の硫黄を含有しない有機錫化合物と、マレイン酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合物との反応物。
(C)成分は、プライマー組成物の密着性および硬化性の点から、好ましくは硫黄を含有しない有機錫化合物、硫黄を含有しない有機錫化合物とシリケート化合物(例えば、エチルシリケート)との反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは硫黄を含有しないカルボン酸型有機錫化合物、硫黄を含有しないキレート型有機錫化合物、硫黄を含有しない有機錫化合物とシリケート化合物との反応物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくは硫黄を含有しないカルボン酸型有機錫化合物と硫黄を含有しない有機錫化合物とシリケート化合物との反応物であり、特に好ましくは硫黄を含有しないカルボン酸型ジオクチル錫化合物と硫黄を含有しない有機錫化合物とテトラエトキシシランとの反応物であり、特に一層好ましくはジオクチル錫ジラウレートおよび/またはジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物であり、最も好ましくはジオクチル錫ジラウレートである。
(C)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。この使用量が0.05重量部未満の場合は、プライマー組成物の硬化性が低下する傾向にあり、この使用量が20重量部を超える場合はプライマー組成物から得られるプライマー層の耐水性が低下する傾向にある。
他の成分
本発明で使用するプライマー組成物は、溶剤を含有していてもよい。溶剤としては、酢酸エチル等のエステル類、イソプロパノール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。溶剤を使用する場合、その量は、プライマー組成物中、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
本発明で使用するプライマー組成物は、脱水剤を含有していてもよい。脱水剤としては、例えば、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどのオルトエステルなどが挙げられる。これらの中では、脱水効果の点でオルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記脱水剤は、例えば(A)成分を重合する前の成分に加えてもよく、(A)成分の重合中に加えてもよく、また、得られた(A)成分とそのほかの成分との混合時に加えてもよく、その添加時期に特に制限はない。脱水剤を加えることによって、プライマー組成物の貯蔵安定性が向上する。前記脱水剤の使用量には特に限定はないが、その量は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜20部、より好ましくは2〜10重量部である。
本発明で使用するプライマー組成物には、例えば、酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
弾性シーリング材組成物
本発明で使用する弾性シーリング材組成物は、(D)成分(シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基(以下、架橋性ケイ素基と略称することがある。)を有するポリオキシアルキレン系重合体)および(E)成分(カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤)を含有する硬化性組成物である。
(D)成分(シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体)
(D)成分は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体である。(D)成分は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分中の架橋性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る基である。(D)成分中の架橋性ケイ素基の代表例としては、
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のα−ハロアルキル基、またはR’SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはRが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは、水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。bは0、1または2を示す。cは0、1、2または3を示す。またm個の
で表される基におけるbは同一である必要はない。mは0〜19の整数を示す。但し、(bの和)+c≧1である。)
で表わされる基が挙げられる。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(bの和)+cは1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基がケイ素原子に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記架橋性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度あってもよい。なお、
(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のα−ハロアルキル基、またはR’SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、Rが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは、水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは1、2または3を示す。)
で表わされる架橋性ケイ素基が、入手が容易である点から好ましい。
上記化学式におけるRとしては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、α−クロロメチル基等のα−クロロアルキル基や、R’がメチル基、フェニル基等であるR’SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中では重合体の硬化性と安定性のバランスが良いことからメチル基が好ましく、また硬化物の硬化速度が特に速い点ではα−クロロメチル基が好ましい。それらの中でも、入手の容易性からメチル基が特に好ましい。
(D)成分の架橋性ケイ素基は、好ましくはトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、α−クロロメチルジメトキシシリル基およびα−クロロメチルジエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、より好ましくはジメトキシメチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、さらに好ましくはジメトキシメチルシリル基である。
ケイ素原子(特に同一のケイ素原子)に結合している加水分解性基の数が多くなるほど、架橋性ケイ素基の反応性が大きくなるため、硬化性組成物の硬化速度が大きくなり、硬化物の破断伸びは低下する傾向にある。例えばトリメトキシシリル基はジメトキシメチルシリル基より反応性が高く、トリメトキシシリル基を有する重合体はジメトキシメチルシリル基を有する重合体より反応性が大きく、硬化速度が速くなるが、硬化物の破断伸びは小さくなる傾向にある。トリメトキシシリル基を有する重合体を用いたり、トリメトキシシリル基を有する重合体とジメトキシメチルシリル基を有する重合体とを併用することにより、硬化速度が大きい硬化性組成物を得ることができる。また、同じ重合体に両方の基を導入することによっても、硬化速度が大きい硬化性組成物を得ることができる。トリメトキシシリル基を有する重合体など、反応性が大きい重合体の使用量や同じ重合体中の両方の基の割合などは、所望の硬化物の破断伸びや硬化速度が得られるように適宜定められる。
架橋性ケイ素基の導入は、公知の方法で行うことができる。すなわち、分子中に水酸基、ビニル基などの不飽和基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有する重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させる。例えば以下の方法が挙げられる。
(α)分子中に水酸基等の官能基を有する重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を有する重合体を得る。もしくは、不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により不飽和基含有重合体を得る。次いで、得られた反応生成物に架橋性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。特に、亜鉛ヘキサシアノコバルテートなどの複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体をアルコキシド化した後、塩化アリルと反応させて、アリルオキシ(CH=CHCHO−)基末端ポリオキシアルキレン重合体を製造し、ジメトキシメチルシランなどのシラン化合物を作用させてヒドロシリル化する方法が挙げられる。また、水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体をアルコキシド化した後、塩化メタリルと反応させメタリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体を製造し、ジメトキシメチルシランなどのシラン化合物を作用させてヒドロシリル化することもできる。メタリルオキシ(CH=C(CH)CHO−)基末端ポリオキシアルキレン重合体を用いると、アリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体よりシリル化率が高い重合体を得ることができるため、この重合体を用いた硬化性組成物は大きい機械強度を有する硬化物を与えることができる。メタリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体由来の架橋性ケイ素基を有する重合体は、アリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体由来の架橋性ケイ素基を有する重合体と混合して用いることができる。
(β)(α)の方法と同様にして得られた不飽和基を有する重合体に、メルカプト基および架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(γ)分子中に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有する重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
以上の方法の中で、(α)または(γ)の方法のうち、末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基および架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法は、比較的短い反応時間で高い転化率が得られるために好ましい。さらに、(α)の方法で得られた架橋性ケイ素基を有する重合体を含む組成物は、(γ)の方法で得られる重合体を含む組成物よりも、低粘度で作業性の良い組成物となること、また、(β)の方法で得られる重合体は、メルカプト基および架橋性ケイ素基を有する化合物に基づく臭気が強いことから、(α)の方法が特に好ましい。
(α)および(β)の方法のうち、架橋性ケイ素基を有する化合物を重合体の末端において反応させる方法が好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなっていてもよく、他の繰り返し単位が含まれていてもよい。繰り返し単位としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシドなどに起因する繰り返し単位が例示される。特にプロピレンオキシド単位を80重量%以上、好ましくは90重量%以上含有するポリプロピレンオキシドを主成分とする重合体が、非晶質であることや比較的低粘度である点から好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号、特公昭59−15336号、米国特許3278457号、米国特許3278458号、米国特許3278459号、米国特許3427256号、米国特許3427334号、米国特許3427335号に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平11−60723号に示されるフォスファゼンを用いた重合法等が挙げられるが、製造コストなどの理由から、複合金属シアン化物錯体触媒による重合法が好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体への架橋性ケイ素基の導入については、特公昭45−36319号、特公昭46−12154号、特開昭50−156599号、特開昭54−6096号、特開昭55−13767号、特開昭55−13468号、特開昭57−164123号、特公平3−2450号、米国特許3632557号、米国特許4345053号、米国特許4366307号、米国特許4960844号等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号、特開昭61−215622号、特開昭61−215623号、特開昭61−218632号、特開平3−72527の各公報に提案されている数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシプロピレン系重合体にヒドロシリル化等によりジメトキシメチルシリル基等の架橋性ケイ素基を導入するものが例示できる。
(D)成分は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。分子量が同じであれば、直鎖状の重合体を用いると、分岐を有する重合体と比較して硬化物の破断伸びが大きいものになるが、硬化前の組成物の粘度が大きくなり取り扱いにくくなる傾向にある。(D)成分の数平均分子量の下限は10,000が好ましい。その上限は50,000が好ましく、30,000がより好ましく、25,000がさらに好ましい。この数平均分子量が10,000未満では、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の破断時伸び特性が低下し、50,000を越えると、架橋性官能基の濃度(架橋性ケイ素基の濃度)が低くなりすぎ、組成物の硬化速度が低下する、また、組成物の粘度が高くなりすぎ、取扱いが困難となる傾向がある。
(D)成分の数平均分子量は、架橋性ケイ素基導入前の重合体前駆体を、JIS K 1557の水酸基価の測定方法と、JIS K 0070に規定されたよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、重合体の構造(使用した重合開始剤によって定まる分岐度)を考慮して求めた数平均分子量に相当する分子量(末端基分子量)と定義している。重合体の数平均分子量の測定方法としては、重合体前駆体の一般的なGPC測定により求めたポリスチレン換算数平均分子量(GPC分子量)と上記末端基分子量の検量線を作成し、重合体のGPC分子量を末端基分子量に換算して求めることが可能である。
(D)成分の分子量分布(Mw/Mn)は、弾性シーリング材組成物の粘度の低減の観点から、狭いほうが好ましい。該分子量分布(Mw/Mn)は、より好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.5以下である。該分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ポリスチレン換算)を用いて測定する。
(D)成分1分子中の架橋性ケイ素基の平均数は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上である。この平均数の上限については、特に限定されないが、この平均数は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.4以下、さらに好ましくは2.1以下である。(D)成分1分子中に含まれる架橋性ケイ素基の平均数が1.2未満になると、弾性シーリング材組成物の硬化性が不充分になり、また多すぎると、硬化物の網目構造があまりに密となるため、硬化した弾性シーリング材組成物は良好な機械特性を示さなくなる。(D)成分1分子中の架橋性ケイ素基の平均数は、架橋性ケイ素基が直接結合した炭素上のプロトンを高分解能H−NMR測定法により定量する方法により求めた平均数と定義している。
(D)成分1分子中の架橋性ケイ素基の平均数の計算においては、架橋性ケイ素基を導入する前の重合体前駆体に対して架橋性ケイ素基を導入した際に、ケイ素基が導入されなかった重合体前駆体および副生する架橋性ケイ素基が導入されていない重合体前駆体の変性体についても同一の主鎖構造を有している(D)成分の一部として、架橋性ケイ素基の1分子中の平均数を計算する際の母数に含めて計算を行う。
(D)成分の架橋性ケイ素基は、分子鎖の内部に側鎖として存在してもよく、末端に存在してもよいが、架橋性ケイ素基が側鎖として存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれる有効網目鎖量が小さくなるため、高弾性率で低破断伸びを示すゴム状硬化物が得られやすくなる。一方、架橋性ケイ素基が分子鎖の末端近傍に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれる有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高破断時伸びで低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。特に、架橋性ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれる有効網目鎖量が最も多くなる。そのため、架橋性ケイ素基が分子鎖の末端に有する(D)成分を含む弾性シーリング材組成物は、引張り物性として大きい破断伸びと柔軟性に富むゴム弾性を有することが望ましい建築物のシーラント用途等に好ましい。
(D)成分は、好ましくは、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、α−クロロメチルジメトキシシリル基およびα−クロロメチルジエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋性ケイ素基を有し、1分子中の架橋性ケイ素基の平均数が1.2〜3.0であり、数平均分子量が10,000〜50,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下である、ポリオキシアルキレン系重合体である。
(D)成分は、より好ましくは、ジメトキシメチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基からなる群から選ばれる一つの架橋性ケイ素基を有し、1分子中の架橋性ケイ素基の平均数が1.3〜2.4であり、数平均分子量が10,000〜30,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下である、ポリオキシアルキレン系重合体である。
(D)成分は、さらに好ましくは、ジメトキシメチルシリル基を有し、1分子中のジメトキシメチルシリル基の平均数が1.3〜2.4であり、数平均分子量が10,000〜25,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下である、ポリオキシプロピレン重合体である。
(D)成分の使用量は、弾性シーリング材組成物の固形分中、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
(E)成分(カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤)
(E)成分は、カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤である。(E)成分は、(D)成分のための硬化触媒および/または硬化促進剤である。
カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの直鎖飽和脂肪酸類;ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、2−ヘキサデセン酸、6−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸などのモノエン不飽和脂肪酸類;リノール酸、10,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン酸、7,10,13−ドコサトリエン酸、4,8,11,14−ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ドコサテトラエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエン酸などのポリエン不飽和脂肪酸類;イソ酸、アンテイソ酸、ツベルクロステアリン酸、ピバル酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸などの枝分れ脂肪酸類;タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキサデシン酸などの三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸などの脂環式カルボン酸類;サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸などの含酸素脂肪酸類;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン酸類等が挙げられる。これらの中では、入手性や触媒の活性の点で、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸が好ましい。
カルボン酸金属塩としては、例えば、前記例示のカルボン酸のカルシウム塩、バナジウム塩、鉄塩、チタニウム塩、カリウム塩、バリウム塩、マンガン塩、ニッケル塩、コバルト塩、ジルコニウム塩、錫塩、鉛塩、ビスマス塩、ハフニウム塩、セリウム塩などが挙げられる。これらの中では、入手性と触媒活性の点で、錫塩、ビスマス塩、ジルコニウム塩が好ましく、硬化物の機械物性のバランスと無着色という点から、カルボン酸錫がより好ましい。さらに、カルボン酸錫の中でも、バーサチック酸錫、2−エチルヘキサン酸錫、ネオデカン酸錫、ビバル酸錫などが、硬化速度が速く、硬化物の着色が少ないことからさらに好ましい。
アミン化合物としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。これらの中では、入手性と触媒活性の点で、ラウリルアミンおよびジエチルアミノプロピルアミンが好ましい。
(E)成分は、好ましくはカルボン酸金属塩およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはカルボン酸錫およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくはバーサチック酸錫、2−エチルヘキサン酸錫、ネオデカン酸錫、ビバル酸錫、ラウリルアミンおよびジエチルアミノプロピルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、特に好ましくは2−エチルヘキサン酸錫およびラウリルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一つである。
(E)成分の使用量は、(D)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部程度が好ましく、1〜10重量部程度がさらに好ましい。この使用量が0.1重量部未満であると、(D)成分の硬化速度が遅くなり、また硬化反応が充分に進行しにくくなる傾向がある。一方、この使用量が20重量部を超えると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られにくくなるので、好ましくない。
他の成分
本発明で使用する弾性シーリング材組成物は、好ましくは光硬化性化合物、酸素硬化性化合物、およびエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性化合物を含み、より好ましくは光硬化性化合物およびエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性化合物を含む。
光硬化性化合物を使用すると、硬化物表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のべたつきや硬化物の耐候性を改善できる。光硬化性物質とは、光の作用によってかなり短時間に分子構造が化学変化をおこし、硬化などの物性的変化を生ずるものである。この種の化合物には有機単量体、オリゴマー、樹脂或いはそれらを含む組成物等多くのものが知られており、市販の任意のものを採用し得る。代表的なものとしては、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が使用できる。不飽和アクリル系化合物としては、アクリル系またはメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれ等の混合物であって、プロピレン(またはブチレン、エチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ジメタクリレート等の単量体または分子量10,000以下のオリゴエステルが例示される。具体的には、例えば特殊アクリレート(2官能)のアロニックスM−210,アロニックスM−215,アロニックスM−220,アロニックスM−233,アロニックスM−240,アロニックスM−245;(3官能)のアロニックスM−305,アロニックスM−309,アロニックスM−310,アロニックスM−315,アロニックスM−320,アロニックスM−325,および(多官能)のアロニックスM−400などが例示できる。特にアクリル官能基を有する化合物が好ましく、また1分子中に平均して3個以上の該官能基を有する化合物が好ましい(以上アロニックスはいずれも東亞合成株式会社の製品である)。ポリケイ皮酸ビニル類としては、シンナモイル基を感光基とする感光性樹脂であり、ポリビニルアルコールをケイ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリケイ皮酸ビニル誘導体が例示される。アジド化樹脂は、アジド基を感光基とする感光性樹脂として知られており、通常はジアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液の他、「感光性樹脂」(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、第93頁以降、第106頁以降、第117頁以降)に詳細な例示があり、これらを単独または混合し、必要に応じて増感剤を加えて使用することができる。なお、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤やアミン類などの促進剤を添加すると、光硬化性化合物の効果が高められる場合がある。
光硬化性化合物の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。この使用量が0.01重量部未満では、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の耐候性を高める効果が小さく、この使用量が20重量部を超えると、硬化物が硬くなりすぎて、ヒビ割れを生じるため好ましくない。
酸素硬化性化合物としては、空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物を例示できる。酸素硬化性化合物は、空気中の酸素と反応して硬化物の表面付近に硬化皮膜を形成し表面のべたつきや硬化物表面へのゴミやホコリの付着を防止するなどの作用をする。酸素硬化性物質としては、例えば、桐油、アマニ油などで代表される乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合させて得られる1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、C5〜C8ジエンの重合体などの液状重合体や、これらジエン系化合物と共重合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単量体とをジエン系化合物が主体となるように共重合させて得られるNBR、SBRなどの液状共重合体や、さらにはそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのうちでは、桐油や液状ジエン系重合体が特に好ましい。又、酸素硬化性化合物と、酸化硬化反応を促進する触媒または金属ドライヤーとを併用すると、酸素硬化性化合物の効果が高められる場合がある。これらの触媒または金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属塩や、アミン化合物等が例示される。
酸素硬化性物質の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この使用量が0.1重量部未満になると、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の汚染性の改善が充分でなくなり、この使用量が20重量部を超えると、硬化物の引張り特性などが損なわれる傾向が生ずる。特開平3−160053号公報に記載されているように、酸素硬化性物質は、光硬化性物質と併用するのが好ましい。
エポキシ化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ基を有する化合物を使用すると、硬化物の復元性を高めることができる。エポキシ基を有する化合物としてはエポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、エピクロルヒドリン誘導体に示す化合物およびそれらの混合物等が例示できる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ジ−(2−エチルヘキシル)4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(E−PS)、エポキシオクチルステアレート、エポキシブチルステアレート等が挙げられる。これらのなかではE−PSが特に好ましい。硬化物の復元性を高める目的には分子中にエポキシ基を1個有する化合物を用いるのが好ましい。エポキシ化合物の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物に、シランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物を接着性付与剤として添加することができる。また、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を使用することもできる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、α−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、α−イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性して得られる誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
シランカップリング剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物に、種々の充填剤を配合することができる。充填剤としては、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、樹脂粉末(例えば、PVC粉末、PMMA粉末)、繊維状充填剤(例えば、石綿、ガラス繊維およびフィラメント)等が挙げられる。充填剤を使用する場合、その使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは1〜300重量部、より好ましくは10〜200重量部である。
これら充填剤の使用により強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、および活性亜鉛華などから選ばれる充填剤を、(D)成分100重量部に対して1〜200重量部で使用すれば、好ましい結果が得られる。また、低強度で破断伸びが大きい硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、およびシラスバルーンなどから選ばれる充填剤を、(D)成分100重量部に対して5〜200重量部で使用すれば、好ましい結果が得られる。なお、一般的に炭酸カルシウムは、比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性の改善効果は大きくなる。これら充填剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。脂肪酸表面処理膠質炭酸カルシウムと表面処理がされていない重質炭酸カルシウムなど粒径が1μm以上の炭酸カルシウムを併用して用いることができる。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物には、必要に応じて、生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の硬度を上げたり、逆に硬度を下げ、破断伸びを出したりし得る。上記物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
特に、加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物は硬化物の表面のべたつきを悪化させずに、硬化物のモジュラスを低下させる作用を有する。特にトリメチルシラノールを生成する化合物が好ましい。加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物としては、特開平5−117521号に記載されている化合物を挙げることができる。また、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどのアルキルアルコールの誘導体であって、加水分解によりトリメチルシラノールなどのRSiOHを生成するシリコーン化合物、特開平11−241029号に記載されているトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールあるいはソルビトールなどの水酸基数が3以上の多価アルコールの誘導体であって、加水分解によりトリメチルシラノールなどのRSiOHを生成するシリコーン化合物を挙げることができる。
また、特開平7−258534号に記載されているようなオキシアルキレン重合体の誘導体であって、加水分解によりトリメチルシラノールなどのRSiOHを生成するシリコーン化合物も挙げることができる。さらに特開平6−279693号に記載されている架橋可能な加水分解性ケイ素含有基と、加水分解によりモノシラノール含有化合物となりうるケイ素含有基とを有する重合体を使用することもできる。
物性調整剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物には、必要に応じて、垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。チクソ性付与剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。これらチクソ性付与剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。チクソ性付与剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部である。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物中で、必要に応じて酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤が例示できる。特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤は、例えば、特開平4−283259号や特開平9−194731号に記載されているものが挙げられる。酸化防止剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物中で、必要に応じて光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤として、ベンゾトリアゾール系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤等が例示できるが、特にヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。光安定剤としては、例えば、チヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF製);アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−63、アデカスタブLA−68(以上いずれも(株)ADEKA製);サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−292、サノールLS−2626、サノールLS−1114、サノールLS−744(以上いずれも三共ライフテック(株)製)等が挙げられる。光安定剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。光安定剤の具体例は特開平9−194731号にも記載されている。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物に光硬化性物質(特に、不飽和アクリル系化合物)を配合する場合、特開平5−70531号に記載されているように3級アミノ基含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いることが、弾性シーリング材組成物の保存安定性の改良のために好ましい。3級アミノ基含有ヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF製);アデカスタブLA−57、LA−62、LA−67、LA−63(以上いずれも(株)ADEKA製);サノールLS−765、LS−292、LS−2626、LS−1114、LS−744(以上いずれも三共ライフテック(株))などが例示できる。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物中で、必要に応じて紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると、弾性シーリング材組成物から得られる硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、置換トリル系紫外線吸収剤および金属キレート系紫外線吸収剤等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。フェノール系酸化防止剤やヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ヒンダードアミン系光安定剤と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを併用するのが好ましい。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物には、その諸物性またはそれから得られる硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物としては、例えば、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、溶剤、防かび剤などが挙げられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、添加剤は、例えば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開2001−72854号などに記載されている。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物は、すべての成分を予め混合した後、密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型の組成物として調製することも可能である。また、(D)成分を含む主剤組成物と(E)成分を含む硬化剤組成物とを別に調製し、これらを使用前に混合する2成分型の組成物として、弾性シーリング材組成物を調製することもできる。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物が1成分型の組成物である場合、すべての成分が予め配合されるため、水分を含有する成分は予め脱水乾燥してから使用するか、また混合中に、減圧などにより脱水することが好ましい。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物が2成分型の組成物である場合、(D)成分を含有する主剤組成物に、(E)成分を配合する必要がないので、主剤組成物中には若干の水分が含有されていても、ゲル化の心配は少ない。しかし、2成分型の組成物であっても、長期間の貯蔵安定性を必要とする場合には、該組成物を脱水乾燥して調製することが好ましい。
脱水乾燥の方法としては、本発明で使用する弾性シーリング材組成物が粉状などの固体である場合は、加熱乾燥法が好適である。弾性シーリング材組成物が液状物である場合は、減圧脱水法、または合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲルなどを使用した脱水法が好適である。また、弾性シーリング材組成物にイソシアネート化合物を少量配合して、イソシアネート基と水とを反応させて脱水してもよい。このような脱水乾燥の方法に加えて、弾性シーリング材組成物に、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
脱水剤(特に、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物)の使用量は、(D)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明で使用する弾性シーリング材組成物の比重は、好ましくは0.9以上1.3以下である。この比重の下限は1.0がより好ましく、この比重の上限は1.28がより好ましい。この比重が0.9未満であると、炭酸カルシウム等のフィラーを多く充填できず、得られる硬化物の強度が低いものとなってしまう場合がある。また、この比重が1.3を越えると、垂直目地に施工した場合に、シーリング材組成物が垂れる可能性が生じる。
用途
上述の弾性シーリング材組成物は、建造物、船舶、自動車、道路などのシーリング材として使用し得る。さらに、上述の弾性シーリング材組成物は、上述のプライマー組成物から形成されるプライマー層の助けをかりて、ガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの様々な被着体に密着することができる。そのため、上述の弾性シーリング材組成物は、種々の用途のシーリング材および接着剤としても使用可能である。また、上述の弾性シーリング材組成物は、通常の接着剤の他、コンタクト接着剤としても使用できる。さらに、上述の弾性シーリング材組成物は、食品包装材料、注型ゴム材料、型取り用材料、塗料としても有用である。
積層体およびシーリング方法
本発明は、上述のプライマー組成物から形成された層であるプライマー層(詳しくは、プライマー組成物を硬化した層)と、上述の弾性シーリング材組成物から形成された層であるシーリング層(詳しくは、弾性シーリング材組成物を硬化した層)との積層体を提供する。また、本発明は、プライマー組成物を被着体上に塗布してプライマー層を形成させた後、その上に弾性シーリング材組成物を充填することを含むシーリング方法を提供する。
プライマー組成物の塗布方法および弾性シーリング材組成物の充填方法としては、特に限定はなく、従来公知の塗布手段、例えばハケによる塗布、ロールによる塗布、スプレーによる塗布等を広く採用する事ができる。プライマー組成物の塗布量(乾燥重量)は、被着体面積1mあたり、好ましくは3〜50g、より好ましくは5〜20gである。被着体上にプライマー層を形成させるには、プライマー組成物の塗布後、これを室温にて乾燥しても良いし、または50〜120℃程度の温度で加熱しても良い。本発明のシーリング方法では、金属、ガラス、磁器、石材、木材、樹脂成形物などの様々な被着体に、弾性シーリング材組成物から形成されるシーリング材を良好に密着させることができる。
弾性シーリング材組成物を充填して得られる弾性シーリング材組成物層の厚さは、通常好ましくは0.1〜5cm、より好ましくは0.5〜3cm、さらに好ましくは1〜2cmである。弾性シーリング材組成物層の薄層部の厚さ(最も薄い部分の厚さ)は、好ましくは0.5〜40μm、より好ましくは0.5〜20μmである。これを硬化して得られるシーリング層の厚さおよびその薄層部の厚さも同様である。
また、シーリング層(即ち、硬化した弾性シーリング材組成物層)の表面に塗料(例えば、水系アクリル塗料)を塗布してもよい。本発明で得られるシーリング層では、シーリング層の表面への可塑剤の流出や、それに伴うシーリング目地周辺の汚染および塗料の汚染を引き起こすということがない。従来のウレタン系シーリング材は、耐候性が課題となる部分に使用することができないが、本発明で得られるシーリング材では、耐候性が課題となる塗料を塗布しない部分、および塗料を塗布する部分のいずれでも使用することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体((A)成分)の製造
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器に酢酸ブチル50重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。そののち、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.6重量部、ステアリルメタクリレート14重量部、メチルメタクリレート73重量部、n−ブチルアクリレート5.4重量部、アクリルアミド1重量部、酢酸ブチル18重量部および2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8重量部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.1重量部、酢酸ブチル8重量部を1時間かけて等速滴下したのち、110℃で2時間熟成してから冷却し、共重合体溶液に酢酸ブチルを加えて、固形分が40重量%の架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体((A)成分)の溶液を得た。
得られた架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体の数平均分子量は16,000であった。なお、この数平均分子量はGPCによって測定した(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いた)。
また、得られた架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体のガラス転移温度は、Foxの式に基づき計算したところ、52℃であった。
また、架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体1分子中の架橋性ケイ素基の平均数は、4.3個であった。なお、この平均数は、重合転化率を100%と仮定して、モノマー組成と数平均分子量から算出した。
プライマー組成物の製造
表1に示すように、上記のようにして得られた架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体((A)成分)の溶液(固形分40重量%)100重量部に、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン((B)成分)2重量部、脱水剤としてオルト酢酸トリメチル3重量部、溶剤として酢酸エチル28重量部を加え、撹拌し、組成物を得た。得られた組成物に、硬化触媒(硫黄を含有しない有機錫硬化触媒((C)成分)または硫黄を含有する有機錫硬化触媒)をそれぞれ0.5重量部添加し、プライマー組成物A〜Dを得た。なお、硫黄を含有しない有機錫硬化触媒((C)成分)として、ジオクチル錫ジラウレート(日東化成(株)製、商品名「ネオスタンU−810」)、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成(株)製、商品名「ネオスタンU−220H」)またはジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物(日東化成(株)製、商品名「ネオスタンS−1」)を使用し、硫黄を含有する有機錫硬化触媒として、ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプト)(日東化成(株)製、商品名「SCAT−1」)を使用した。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体((D)成分)の製造
ポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量(末端基分子量)18,000の分岐構造の水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体を得た。続いて、この水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体の水酸基1当量に対して1.2当量のNaOCHのメタノール溶液を添加した後、メタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。脱塩精製処理を実施して得られたオリゴマー2,000gに、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶剤としてヘキサンを加えて、90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに、白金ビニルシロキサン錯体のイソプロパノール溶液(白金含有量3重量%)を270μl加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン22.0gを90℃で2時間反応させることにより、数平均分子量が18,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量をもとに算出した末端基分子量換算値)のジメトキシメチルシリル基を有する分岐構造のポリオキシプロピレン重合体((D)成分))を得た。H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定の結果、該重合体1分子中のジメトキシメチルシリル基の平均数は2.1個であった。
弾性シーリング材組成物の製造
実施例および比較例で使用した弾性シーリング材組成物を、2成分型の組成物((D)成分を含む主剤組成物および(E)成分を含む硬化剤組成物)として製造した。
(D)成分を含む主剤組成物の製造
上記のようにして得られた架橋性ケイ素基含を有するポリオキシアルキレン系重合体((D)成分)100重量部に、膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名「艶華CCR」)120重量部、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム工業(株)製、商品名「ホワイトンSB」)20重量部、可塑剤(新日本理化(株)製、商品名「DINP」)44重量部、エポキシ化合物(新日本理化(株)製、商品名「E−PS」)20重量部、タレ防止剤(楠本化成(株)製、商品名「ディスパロン#308」)3重量部、紫外線吸収剤(BASF製、商品名「チヌビン326」)1重量部、酸化防止剤(BASF製、商品名「イルガノックス1010」)1重量部、光硬化性化合物(東亞合成(株)製、商品名「アロニックスM−309」)3重量部、および酸化チタン(石原産業(株)製、商品名「タイペークR−820」)5重量部を加え、三本ペイントロールでよく混練し、主剤組成物を得た。
(E)成分を含む硬化剤組成物の製造
2−エチルヘキサン酸錫(日東化成(株)製、商品名「ネオスタンU−28」)3重量部およびラウリルアミン0.5重量部((E)成分)、並びに可塑剤(新日本理化(株)製、商品名「DINP」)6.4重量部、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム工業(株)製、商品名「ホワイトンSB」)15重量部、およびカオリン(BASF製、商品名「ASP−170」)5重量部を均一に混練し、硬化剤組成物を得た。
硬化性試験
上記のようにして得られたプライマー組成物A〜D、または市販のプライマーE(主成分:ウレタン樹脂/合成ゴム)、または市販のプライマーF(主成分:ウレタン樹脂)と、上記のようにして得られた弾性シーリング材組成物(主剤組成物および硬化剤組成物)とを使用して、弾性シーリング材組成物層の硬化性を評価した。なお、実施例1〜3では、プライマー組成物A、プライマー組成物Bまたはプライマー組成物Cを使用し、比較例1〜3では、プライマー組成物D、市販のプライマーEまたは市販のプライマーFを使用した。
被着体としてアルマイト処理されたアルミ板(150×70×0.8mm)を用いた。このアルミ板の表面の両端に端から約10mmの幅でマスキングテープ(厚さ:約50μm)を貼った。この被着体に、プライマー組成物A〜Dまたは市販のプライマーE若しくはF(以下「プライマー」と略称する)を1回塗布した(被着体面積1mあたりの塗布量(乾燥重量):8g)。23℃および50%RHで30分間プライマーを乾燥および硬化させて、プライマー層を形成した後、上記のようにして得られた主剤組成物および硬化剤組成物を重量比317:29.9で混合したものをマスキングテープと同じ厚さになるようにガラス棒で試験体に塗布して、厚さ50μmの弾性シーリング材組成物層を形成した。
また、被着体にマスキングテープを貼らないことは上記と同様にして、厚さが1〜2μmの弾性シーリング材組成物層を形成した。
上記のようにして得られた被着体、プライマー層および弾性シーリング材組成物層(厚さ:50μmまたは1〜2μm)の積層体を、薄層部での未硬化現象が起こり易い夏場を想定した35℃および95%RHのオーブン中で養生し、養生1日後および7日後に、これらの弾性シーリング材組成物層が硬化しているかどうかを、指で触って確認し、下記基準で判定した。結果を表2に示す。
◎:弾性シーリング材組成物層が完全に硬化しており、べたつきを感じない
○:弾性シーリング材組成物層が硬化しているが、べたつきを感じる
△:弾性シーリング材組成物が指に付着しないが、弾性シーリング材組成物層が完全に硬化しておらず、指紋が残る
×:弾性シーリング材組成物層が硬化しておらず、弾性シーリング材組成物が指に付着する
表2に示すように、(A)〜(C)成分を含有するプライマー組成物A〜Cを使用する実施例1〜3は、(C)成分の代わりに硫黄を含有する有機錫硬化触媒(ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプト))を含有するプライマー組成物Dを使用する比較例1、並びに市販のプライマーE(主成分:ウレタン樹脂/合成ゴム)または市販のプライマーF(主成分:ウレタン樹脂)を使用する比較例2および3に比べて、弾性シーリング材組成物層の硬化性(特に、厚さが1〜2μmである弾性シーリング材組成物層の硬化性)が良好である。
本発明の積層体およびシーリング方法は、様々な用途(例えば、建造物、船舶、自動車、道路などのシーリング)に使用することができる。

Claims (12)

  1. プライマー層とシーリング層との積層体であって、
    プライマー層が、下記(A)〜(C)成分:
    (A)下記単量体に由来する単位(a)〜(c):
    (a)式(I):

    (式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、aは、0〜2の整数を示す。)
    で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体に由来する単位、
    (b)炭素数が10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する単位、および
    (c)その他の共重合可能な単量体に由来する単位
    よりなり、単量体(b)が単量体全量の2〜30重量%である架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体、
    (B)アミノ基を有するシラン化合物および/またはその反応物、および
    (C)硫黄を含有しない有機錫硬化触媒
    を含有するプライマー組成物から形成された層であり、
    シーリング層が、下記(D)および(E)成分:
    (D)シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および
    (E)カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤
    を含有する弾性シーリング材組成物から形成された層であり、
    シーリング層の最も薄い部分の厚さが、0.5〜40μmである積層体。
  2. (C)成分が、ジオクチル錫ジラウレートおよび/またはジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物である請求項1に記載の積層体。
  3. (A)成分のガラス転移温度が、35℃以上100℃以下である請求項1または2に記載の積層体。
  4. プライマー組成物が、オルトエステルを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. (D)成分の分子量分布(Mw/Mn)が、1.6以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 弾性シーリング材組成物が、光硬化性化合物、酸素硬化性化合物、およびエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性化合物を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. プライマー組成物を被着体上に塗布してプライマー層を形成させた後、その上に弾性シーリング材組成物を充填し、シーリング層を形成することを含むシーリング方法であって、
    プライマー組成物が、下記(A)〜(C)成分:
    (A)下記単量体に由来する単位(a)〜(c):
    (a)式(I):

    (式中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Rは、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を示し、aは、0〜2の整数を示す。)
    で表わされる炭素原子に結合した架橋性ケイ素基を有する単量体に由来する単位、
    (b)炭素数が10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する単位、および
    (c)その他の共重合可能な単量体に由来する単位
    よりなり、単量体(b)が単量体全量の2〜30重量%である架橋性ケイ素基含有アクリル系共重合体、
    (B)アミノ基を有するシラン化合物および/またはその反応物、および
    (C)硫黄を含有しない有機錫硬化触媒
    を含有する組成物であり、
    弾性シーリング材組成物が、下記(D)および(E)成分:
    (D)シロキサン結合を形成することにより架橋し得る水酸基または加水分解性基を有するケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、および
    (E)カルボン酸金属塩、カルボン酸、およびアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化触媒および/または硬化促進剤
    を含有する硬化性組成物であり、
    シーリング層の最も薄い部分の厚さが、0.5〜40μmである方法。
  8. (C)成分が、ジオクチル錫ジラウレートおよび/またはジオクチル錫塩とテトラエトキシシランとの反応物である請求項7に記載のシーリング方法。
  9. (A)成分のガラス転移温度が、35℃以上100℃以下である請求項7または8に記載のシーリング方法。
  10. プライマー組成物が、オルトエステルを含有する請求項7〜9のいずれか一項に記載のシーリング方法。
  11. (D)成分の分子量分布(Mw/Mn)が、1.6以下である請求項7〜10のいずれか一項に記載のシーリング方法。
  12. 弾性シーリング材組成物が、光硬化性化合物、酸素硬化性化合物、およびエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性化合物を含む請求項7〜11のいずれか一項に記載のシーリング方法。
JP2016542584A 2014-08-11 2015-08-11 積層体およびシーリング方法 Active JP6640723B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014163851 2014-08-11
JP2014163851 2014-08-11
PCT/JP2015/072732 WO2016024584A1 (ja) 2014-08-11 2015-08-11 積層体およびシーリング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016024584A1 JPWO2016024584A1 (ja) 2017-06-08
JP6640723B2 true JP6640723B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=55304211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016542584A Active JP6640723B2 (ja) 2014-08-11 2015-08-11 積層体およびシーリング方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6640723B2 (ja)
WO (1) WO2016024584A1 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3718981B2 (ja) * 1998-01-23 2005-11-24 株式会社カネカ 窯業系サイディング用プライマー
JP3687320B2 (ja) * 1998-01-23 2005-08-24 株式会社カネカ プライマー組成物
JP2003071376A (ja) * 2001-08-31 2003-03-11 Sunstar Eng Inc 薄層塗布部の硬化方法
JP2003073617A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Konishi Co Ltd プライマー組成物
JP4246458B2 (ja) * 2002-08-28 2009-04-02 コニシ株式会社 プライマー組成物
JP2007023224A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Kaneka Corp 変成シリコーン用1液プライマー組成物
WO2012036109A1 (ja) * 2010-09-14 2012-03-22 株式会社カネカ 硬化性組成物
JP5667854B2 (ja) * 2010-12-01 2015-02-12 株式会社カネカ 1液組成物
JP5907708B2 (ja) * 2011-04-13 2016-04-26 株式会社カネカ 硬化性組成物
JP2013091754A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Yokohama Rubber Co Ltd:The 湿気硬化型樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2016024584A1 (ja) 2017-06-08
WO2016024584A1 (ja) 2016-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4101632B2 (ja) 硬化性組成物および復元性、クリープ性改善方法
JP5411052B2 (ja) 1液型硬化性組成物
JP5080006B2 (ja) 硬化性組成物
JP5017111B2 (ja) 透明性に優れた硬化性組成物及び硬化物
JP5179060B2 (ja) 硬化性組成物
JP6356123B2 (ja) 硬化性組成物
JP4874650B2 (ja) 耐熱性の改善された硬化性組成物
JP5112688B2 (ja) 硬化性組成物
JP5420840B2 (ja) 硬化性と貯蔵安定性の改善された硬化性組成物
JP4814733B2 (ja) 硬化性組成物
JP5485932B2 (ja) 硬化性組成物
JPWO2005097898A1 (ja) 硬化性組成物
JP5479862B2 (ja) 硬化性組成物
WO2015133564A1 (ja) 硬化性組成物
JP2011153249A (ja) 硬化性組成物およびその硬化物
JP5260332B2 (ja) 透明な硬化性組成物および、その硬化物
JP2024009271A (ja) ポリオキシアルキレン系重合体及び硬化性組成物
JP4481105B2 (ja) 硬化性組成物
JP5813292B2 (ja) 硬化性組成物
JP2013194197A (ja) 硬化性組成物
JP6386790B2 (ja) 硬化性組成物およびその硬化物
JP6640723B2 (ja) 積層体およびシーリング方法
JP5596399B2 (ja) 硬化性組成物およびその硬化物
JP5243798B2 (ja) 硬化性と接着性の改善された硬化性組成物
JP2015134940A (ja) 硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6640723

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250