JP3636583B2 - 複層ガラス用シーリング材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の成分の組み合わせにより得られる組成物を用いた、複層ガラス用シーリング材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複層ガラス用シーリング材は、1次シール用と2次シール用の2種類に分けられる。複層ガラスユニットには1種類のシーリング材のみでガラス端面を封着するシングルシールと、2種類のシーリング材(1次シールと2次シール)を併用するデュアルシールがあり、主に用途によって使い分けられている。
上記のシングルシール用シーリング材およびデュアルシール用1次シーリング材に一般的に用いられているホットメルト樹脂(ホットメルトブチル)には、以下の特徴がある。
ホットメルト樹脂は、室温で個体またはワックス状のポリマーであり、加熱しておよそ100〜250℃にすれば流動し、接着剤として用いる場合には、溶融した状態における濡れにより、各種基材表面に粘着する。
実際に複層ガラスの製造工程においては、ホットメルトブチルは専用アプリケータの加熱溶融を経て吐出され、充填後の急速なシーリング材温度低下により固化する。このため、反応硬化型の他のシーリング材と比較して、大幅な養生時間の短縮が可能であり、シーリング材の管理・充填作業も容易である。製品の短納期と生産能力の引き上げを同時に実現できる作業性能から、将来的に複層ガラス市場で重要な位置を占めることが予測される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シングルシールの複層ガラスでは、低コストであるものの、主としてホットメルトブチルを使用するため、構造強度が弱く、長期間にわたる複層ガラス内面への水蒸気遮断性が確保できないため、その用途が比較的短いサイクルでユニットの交換されるショウケース用等の産業用途に限定されている。
また、デュアルシールの複層ガラスでは、2次シールは機械特性(ガラスへの接着性等)に優れるものの水蒸気遮断性に劣るため、1次シールが必要でありホットメルトブチルを用い、2次シールを透過した水蒸気をブロックする構造になっている。このデュアルシールの複層ガラスは前述のシングルタイプに比べ、長期耐久性に優れる反面、2種類のシーリング材がその製造工程で必要になり、コスト面でシングルタイプと比較して割高になっている。また、デュアルタイプの複層ガラスにおいても、2次シールが経時で劣化した場合には、1次シールを保持できなくなり、シングルタイプ並に性能が低下する可能性がある。
ホットメルトブチルの接着性は、ブチルゴムの粘着力に依存するため、低温時の脆化による密着性低下、また、高温時に熱可塑性であるが故のシーリング材軟化による複層ガラスユニットのずれが発生する可能性があり、それを抑制する耐熱クリープ性能が要求される。
しかしながら、現状では、熱可塑性のホットメルトブチルと反応硬化性シーリング材(ポリサルファイド系シーリング材あるいはシリコーン系シーリング材)を比較すると、ホットメルトブチルは作業性では圧倒的な優位性を持つ反面、温度によって機械特性等の物性が大きく変動するという不利な点を大きく残している。よって、反応硬化性シーリング材を用いる場合と比べ、使用できるガラスサイズ、重量が制約されるという問題がある。
そこで、ホットメルトシーラント配合技術としては、その構造強度の温度依存性あるいは基材への接着性を改良し、反応硬化型の水準に近づけることが課題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この目的を達成する為に検討を重ねた結果、諸特性を同時に満足させる技術を見いだした。このことにより、前記目的を達成しうる複層ガラス用シーリング材料を得ることができ、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の成分(A)(B)(C)および(D)を必須成分としてなる複層ガラス用組成物;
(A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体
(B)EVA系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ブチル系およびポリオレフィン系ホットメルト樹脂より選ばれる軟化点が100〜250℃のホットメルト樹脂
(C)硬化触媒
(D)水または金属塩水和物
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の(A)成分である飽和炭化水素系重合体は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基、すなわち、反応性ケイ素基を分子鎖末端に少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体が使用される。 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられる。
【0006】
応性ケイ素基としては、一般式(1)
【0007】
【化2】
Figure 0003636583
【0008】
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R’) 3 SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になることはない。また、mは0または1〜19の整数である)で表される基があげられる。
【0009】
加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基があげられる。
これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに好ましい。
【0010】
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+mb)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。
応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合には、20個以下であることが好ましい。
【0011】
とくに、一般式(2):
【0012】
【化3】
Figure 0003636583
【0013】
(式中、R 2 、X、aは前記と同じ)で表される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好ましい。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は1個以上であり、1.1〜5個あることが好ましい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得られなくなることがある。
【0014】
反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
また、これら反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用することができる。
【0015】
本出願発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加するなどの方法により得ることができるが、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすいので好ましい。
【0016】
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましくは10%以下の範囲で含有してもよい。
このような単量体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0017】
また、イソブチレンと共重合性を有する単量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用すると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤として作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が向上する。
ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体のばあいと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体単位を含有させてもよい。
【0018】
また、本出願発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体には、本出願発明の目的が達成される範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化合物のような重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とくには1%以下の範囲で含有させてもよい。
飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜30,000程度であるのが好ましく、とくに1,000〜15,000程度の液状ないし流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から好ましい。
【0019】
つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法について説明する。
反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合体を用いて製造することができる。
【0020】
このような製造法は、たとえば、特公平4−69659号、特開昭63−6003号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開昭64−38407号の各明細書などに記載されている。
また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類を添加し、共重合せしめることにより製造される。
【0021】
さらに、イソブチレン系重合体を製造する重合反応の際に、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入することにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体が製造される。
【0022】
反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0023】
上記水添ポリブタジエン系重合体は、たとえば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にした後、一般式(3):
CH 2 =CH−R 3 −Y (3)
〔式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、R 3 は−R 4 −、R 4 −OCO−または−R 4 −CO−(R 4 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−CH 2 −、−R”−C 6 5 −CH 2 −(R”は炭素数1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに好ましい。〕で示される有機ハロゲン化合物を反応させることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体ともいう)が製造される。
【0024】
なおヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水素化物;NaOCH 3 のごとき金属アルコキシド;NaOH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる方法があげられる。上記方法では、出発原料として使用した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させれば分子量を増大させることができ、その後一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
【0025】
上記一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロメチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなどがあげられるが、それらに限定されるものではない。これらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも容易に反応するので好ましい。
【0026】
上記末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様、たとえば、一般式(1)で表される基に水素原子が結合したヒドロシラン化合物、好ましくは式
【0027】
【化4】
Figure 0003636583
【0028】
(式中、R 2 、X、aは前記に同じ)で示される化合物を白金系触媒を用いて付加反応をさせることにより製造される。上記一般式(2)で表される基に水素原子が結合したヒドロシラン化合物としては、たとえば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0029】
上記のように反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来のゴム系重合体よりなるシーリング剤などとくらべて、著しく耐候性がよくなる。また、該重合体は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性がよく、ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して優れた接着性能を有するとともに、湿気遮断性の良好な硬化物になる。
本出願発明の複層ガラス用シーリング材において。(A)成分の含有率は50%以下であることが好ましい。(B)成分の含有率が50%未満の場合には、複層ガラス製造工程において、ガラスとスペーサーとを仮止めするために十分な粘着力(初期の接着力)が得られない。
【0030】
本発明の(B)成分として使用するホットメルト樹脂は、特に限定されず通常市販されているものを用いることができ、例えば、EVA系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ブチル系およびポリオレフィン系ホットメルト樹脂があげられる。また、作業性の点から軟化点が100〜250℃程度のものが好ましいが、これに限定されるわけではない。
本発明に用いるホットメルトブチルとしては、特に限定されないが、通常市販されているものを用いることができ、樹脂単独で市販されているもの、あるいは、充填材等を配合してホットメルトブチルとして市販されているもののいずれも利用でき、例えば不飽和度0.5〜5.0程度のブチルゴム(IIR)、ビスタネックスシリーズ(エクソン社製)、テロスタットシリーズ(テロソン社製)、ハマタイトシリーズ(横浜ゴム製)等があげられる。
以上本発明に用いる、ホットメルト樹脂や、ホットメルトブチルはそのもの自体を加硫させずに用いることを特徴とする。本出願発明の複層ガラス用シーリング材中の(B)成分の含有率は50%以上が好ましい。(B)成分の含有率が50%未満の場合には、複層ガラス製造工程において、ガラスとスペーサーとを仮止めするために十分な粘着力(初期の接着力)が得られない。
本発明の(C)成分として使用する硬化触媒は、シラノール縮合触媒として従来公知のものである。その具体例としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール複合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
この成分(C)の配合量は、成分(A)である飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ましく、1〜10重量部が更に好ましい。成分(C)の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、成分(C)の配合量がこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0031】
本発明の(D)成分である水あるいは金属塩の水和物は、(A)成分中の飽和炭化水素系重合体の縮合硬化時に必要な水分の供給源として作用し、架橋構造の形成を促進するものである。水分源が水以外の場合、金属塩の水和物は通常市販されているものを広く用いうることができ、例えばアルカリ土類金属塩の水和物、その他の金属塩の水和物等が挙げられる。具体的には、
Al 2 3 ・H 2 O,Al 2 3 ・3H 2 O,Al 2 (SO 4 3 ・18H 2 O,Al 2 (C 2 4 3 ・4H 2 O,AlNa(SO 4 2 ・12H 2 O,AlK(SO 4 2 ・12H 2 O,BaCl 2 ・2H 2 O,Ba(OH) 2 ・8H 2 O,CaSO 4 ・2H 2 O,CaS 2 3 ・6H 2 O,Ca(NO 3 2 ・4H 2 O,CaHPO 4 ・2H 2 O,Ca(C 2 4 )・H 2 O,Co(NO 3 2 ・6H 2 O,Co(CH 3 COO) 2 ・4H 2 O,CuCl 2 ・2H 2 O,CuSO 4 ・5H 2 O,FeCl 2 ・4H 2 O,FeCl 3 ・6H 2 O,FeSO 4 ・7H 2 O,Fe(NH 4 )(SO 4 2 ・12H 2 O,K 2 CO 3 ・1.5H 2 O,KNaCO 3 ・6H 2 O,LiBr・2H 2 O,Li 2 SO 4 ・H 2 O,MgSO 4 ・H 2 O,MgSO 4 ・7H 2 O,MgHPO 4 ・7H 2 O,Mg 3 (PO 4 2 ・8H 2 O,MgCO 3 ・3H 2 O,Mg 4 (CO 3 3 (OH) 2 ・3H 2 O,MoO 3 ・2H 2 O,NaBr・2H 2 O,Na 2 SO 3 ・7H 2 O,Na 2 SO 4 ・10H 2 O,Na 2 2 3 ・5H 2 O,Na 2 2 6 ・2H 2 O,Na 2 4 7 ・10H 2 O,NaHPHO 3 ・2.5H 2 O,Na 3 PO 4 ・12H 2 O,Na 2 CO 3 ・H 2 O,Na 2 CO 3 ・7H 2 O,Na 2 CO 3 ・10H 2 O,NaCH 3 COO・3H 2 O,NaHC 2 4 ・H 2 O,NiSO 4 ・6H 2 O,NiC 2 4 ・2H 2 O,SnO 2 ・nH 2 O,NiC 2 4 ・2H 2 O,Sn(SO 4 2 ・2H 2 O,ZnSO 3 ・2H 2 O,ZnSO 4 ・7H 2 O,Zn 3 (PO 4 2 ・4H 2 O,Zn(CH 3 COO) 2 ・2H 2
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
これらの中でも、アルカリ金属塩の水和物及びアルカリ土類金属塩の水和物が好ましく、具体的には
MgSO 4 ・7H 2 O,Na 2 CO 3 ・10H 2 O,Na 2 SO 4 ・10H 2 O,Na 2 2 3 ・5H 2 O,Na 3 PO 4 ・12H 2 O,Na 2 4 7 ・10H 2 O,
等が挙げられる。
【0033】
本発明に用いる水は、反応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体100部に対し、0.01〜25部の範囲で使用するのが好ましい。特に、0.05〜15部、さらには、0.2〜5部の範囲で使用するのが好ましい。また、本発明に用いる金属塩の水和物は、反応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体100部に対し、0.01〜50部の範囲で使用するのが好ましい。特に、0.1〜30部、さらには、1〜10部の範囲で使用するのが好ましい。上記の水と金属塩の水和物は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
本発明の硬化性組成物には種々の添加物を併用できる。代表的な添加剤は接着性付与剤である。その代表例としては、シランカップリング剤を挙げることができる。但しシランカップリング剤以外の接着性付与剤も用いることができる。シランカップリング剤は、加水分解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性ケイ素基という)及びそれ以外の官能基を有する化合物である。加水分解基として、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の速い点から好ましい。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0034】
加水分解性ケイ素基以外の官能基としては、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。
これらのうち、1級、2級、3級のアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート等が好ましく、イソシアネート基、エポキシ基が特に好ましい。
【0035】
シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルプロピルトリメトキシシラン、n−β−(n−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、n−β−(n−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γクロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートキ含有シラン類等を挙げることができる。
【0036】
また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
このようなシランカップリング剤は水分の存在下で分解しやすいが、本発明の組成物の(A)成分に添加すれば安定に存在できる。
【0037】
また、シランカップリング剤以外の接着性付与剤として、分子中にエポキシ基やイソシアネート基を持つ化合物(イソシアネートの多量体も含む)も勿論使用することに何ら差し支えない。
本発明に用いる接着性付与剤は、反応性珪素基含有飽和炭化水素系重合体100部(重量部、以下同様)に対し、0.01〜20部の範囲で使用される。特に、0.1〜10部の範囲で使用するのが好ましい。上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0038】
本発明の組成物には、種々の充填剤を配合することにより更に変性することができる。このような充填剤としては、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブラックのような補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤;ガラス繊維及びフィラメントのような繊維状充填剤が使用できる。
【0039】
これらの充填剤で、強度の高い硬化性組成物を得たい場合には、主にフュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、タルク及びカーボンブラックのような補強性充填剤を本発明の(A)成分中の飽和炭化水素系重合体100重量部に対して1〜100重量部の範囲で使用すれば機械特性において、高強度・高モジュラスの硬化物を得ることができる。また、反対に低モジュラスで高伸びの硬化物を得たい場合には、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛及び活性亜鉛華等のような充填剤を本発明の(A)成分中の飽和炭化水素系重合体100重量部に対して5〜400重量部の範囲で使用すればよい。もちろん、これらの充填剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良い。充填剤は(A)成分に添加してもよいし、(B)成分に添加してもよいし、両者に添加してもよい。
【0040】
本発明の組成物において、可塑剤を充填剤と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填剤を混合できるためより有用である。前記可塑剤としては一般に用いられている可塑剤が使用できるが、本発明に用いる飽和炭化水素系重合体と相溶性のよいものが好ましい。可塑剤の具体例としては、例えばプロセスオイル、ポリブテン、水添ポリブテン、α−メチルスチレンオリゴマ−、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ましくは不飽和結合を含まないプロセスオイル、水添ポリブテン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油などの炭化水素系化合物類が好ましい。さらに本発明の硬化性組成物には、必要に応じてその他の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することができる。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
製造例1
飽和炭化水素系重合体(A)の製造
1Lの耐圧ガラス製オートクレーブにP−DCC〔1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン〕
【0042】
【化5】
Figure 0003636583
【0043】
7.5mmolを入れ、撹拌用羽根、三方コック及び真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換した。
その後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−シ−ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330mL、ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−ピコリン3.0mmolを添加した。
【0044】
次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させることにより脱水したイソブチレンが113g入っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を撹拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻した。
【0045】
次に、重合容器内が−70℃で安定していることを確認し、TiCl 4 7.18g(3.8mmol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシラン2.57g(22.5mmol)を添加した。さらに1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むことにより触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、アリル末端のイソブチレンポリマ−を得た。
【0046】
次いで、こうして得られたアリル末端のイソブチレンポリマ−100gを、n−ヘプタン50mLに溶解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.2[eq./アリル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体1×10 -4 [eq./アリル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRスペクトルにより反応追跡を行い、約4時間で1640cm -1 のオレフィン由来の吸収が消失したのを確認し、反応を停止した。
【0047】
反応溶液を減圧濃縮することにより、目的とする両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリマーが得られた。両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリマーの構造は、以下の通りである。
【0048】
【化6】
Figure 0003636583
【0049】
こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を300MHz 1 H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.5〜3.4)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。 1 H-NMRはVarian Gemini300 (300MHz for 1H)を用いCDCl 3 中で測定した。
【0050】
なお、FT−IRは島津製作所製IR-408、GPCは送液システムとしてWaters LCModule1、カラムはShodex K-804を用いて行なった。 分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。 ポリマーの分析値は、Mn=11416、Mn/Mw=1.47、Fn(シリル)=1.95であった(数平均分子量はポリスチレン換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分子当たりの個数)。
実施例1〜3および比較例1
製造例1で得られた重合体100部に対し、パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)30部、ブチル系ホットメルト(横浜ゴム(株)製、商品名ハマタイトHOTMELT M−120)130部、芒硝(試薬、Na 2 SO 4 ・10H 2 O)6部、オクチル酸錫(日東化成(株)製、商品名ネオスタンU−28)3部、ラウリルアミン(和光純薬工業(株))0.75部を加え、三本ペイントロールでよく混練した。上記の方法により作製した配合物を実施例1の試験サンプル作製に用いた。また、実施例1のブチル系ホットメルトの配合部数のみを303.3部に変更したものを実施例2、ブチル系ホットメルトの配合部数のみを1169部に変更したものを実施例3の試験体作製に用いた。なお、比較例1として、ホットメルトのみを用い同様のサンプルを作製し、引張試験に用いた。
【0051】
試験用サンプルは、JIS A6850-1976規定の接着剤の引張せん断接着強さ試験方法の作製方法に従って、アルミ基材を用い配合物を塗布、圧着した後、オーブン中で硬化させた。 養生条件はいずれも、50℃×4日。 試験用に用いた基材は、 JIS K6850−1976に準拠したJIS H 4000に準拠したアルミニウム(太佑基材製:A 1050 P、寸法:2.5×10×0.3cm)、これらの被着体は、シーリング材を塗布する前に、メチルエチルケトン(和光純薬製:特級)で洗浄し、清浄な綿布でふいた。
【0052】
上記の方法で作製した 試験サンプルは、JIS A 6850規定の引張接着性試験方法に従って、温度23℃、湿度65±5%の恒温室中、引張速度50mm/minの条件で行った。
表1よりわかるとおり、実施例1〜3では、比較例1と比較して強いアルミニウムに対する接着強度を示した。
【0053】
【表1】
Figure 0003636583
【0054】
実施例4および比較例2
実施例1で作製した配合物と、ブチル系ホットメルト(横浜ゴム(株)製、商品名ハマタイトHOTMELT M−120)を用い、約2ミリ厚のシート状硬化物を作製した。これらの硬化物より、JISK6301規定の3号ダンベルを打ち抜き、引張試験を行った結果をそれぞれ実施例4および比較例2として表2に示す。試験体は23℃×7日+50℃×7日の養生後に取り出し、H型機械特性を測定した。試験は、JISK6301規定の引張試験方法に従って、温度23℃、50℃、70℃の恒温槽中、引張速度200mm/minの条件で行った。
【0055】
【表2】
Figure 0003636583
【0056】
【表3】
Figure 0003636583
【0057】
表2よりわかるとおり、ブチル系ホットメルト複層ガラス用シーリング材を用いた比較例2と比べ、実施例4では、幅広い温度領域で安定した機械特性を有することが確認された。
実施例5〜7
実施例1で作製した配合物中の製造例1で得られた重合体の含有量を全体の30%、20%、10%と変化させ、約2ミリ厚のシート状硬化物を作製し、それぞれ実施例5,6,7に用いた。この硬化物より、JISK6301規定の3号ダンベルを打ち抜き、引張試験を行った結果をそれぞれ実施例5〜7として表2に示す。なお、試験体は23℃×7日+50℃×7日の養生後に取り出し、引張試験を測定に用いた。試験は、実施例4と同一の条件で行った。
【0058】
【表4】
Figure 0003636583
【0059】
表4よりわかるとおり、実施例5〜7では、幅広いポリマーコンテント領域で、23〜70℃の温度条件下で、ホットメルトブチル単独に比べ安定した機械特性を発現することが確認された。
【0060】
【発明の効果】
本発明の複層ガラス用シーリング材は、従来のホットメルト樹脂に比べ、その水蒸気遮断性を維持したままで、構造強度の温度依存性及び基材への接着性が改善されているため、複層ガラス用途におけるデュアルシールの1次シール用またはシングルシール用シーリング材として好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記の成分(A)(B)(C)および(D)を必須成分としてなる複層ガラス用シーリング材;
    (A)分子鎖末端に少なくとも1個の加水分解性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体
    (B)EVA系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、ブチル系およびポリオレフィン系ホットメルト樹脂より選ばれる軟化点が100〜250℃のホットメルト樹脂
    (C)硬化触媒
    (D)水または金属塩水和物
  2. (A)成分が、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素原子に結合した加水分解性基を分子鎖末端に少なくとも1個有するイソブチレン系重合体であって、かつ数平均分子量が500〜30000である重合体である請求項1記載の複層ガラス用シーリング材
  3. (A)成分の飽和炭化水素系重合体が一般式(1):
    Figure 0003636583
    (式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R’) 3 SiO−(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になることはない。また、mは0または1〜19の整数である)で表される末端を有することを特徴とする請求項1又は2記載の複層ガラス用シーリング材
  4. (A)成分の飽和炭化水素系重合体の一般式(1)で表される末端中のXがアルコキシ基である請求項3記載の複層ガラス用シーリング材
  5. (B)成分のホットメルト樹脂がホットメルトブチルである請求項1〜4のいずれかに記載の複層ガラス用シーリング材
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の複層ガラス用シーリング材であり、複層ガラス用途における1次シール用またはシングルシール用シーリング材。
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