JPH09286895A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH09286895A
JPH09286895A JP2864797A JP2864797A JPH09286895A JP H09286895 A JPH09286895 A JP H09286895A JP 2864797 A JP2864797 A JP 2864797A JP 2864797 A JP2864797 A JP 2864797A JP H09286895 A JPH09286895 A JP H09286895A
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group
polymer
saturated hydrocarbon
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component
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JP2864797A
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English (en)
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Makoto Chinami
誠 千波
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Masafumi Sakaguchi
雅史 坂口
Junji Takase
純治 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化物が優れた耐光接着性を有する反応性珪素
基を有する飽和炭化水素系重合体を含有する硬化性組成
物を提供すること。 【解決手段】(A)反応性珪素基を有する飽和炭化水素
系重合体、(B)ニッケル原子含有光安定剤、および
(C)シランカップリング剤を含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化性組成物、特に
耐候性に優れた硬化物を与える、飽和炭化水素系重合体
を含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化性重合体は硬化前は成形しやすい液
状等の物質であり、硬化後は高強度のゴム状物等の固体
を生成する重合体である。硬化性重合体は接着剤やシー
リング材によく用いられる。接着剤やシーリング材の中
でもガラスやプラスチックに用いるものは、不透明な材
料に用いるものと異なり、接着面に光があたるため光照
射に対する劣化がないことが要求される。もし光に対し
て劣化すると接着面がはがれ接着剤やシーリング材とし
ての機能が全くなくなることになる。光が照射された場
合の接着性は耐侯接着性と呼ばれ、透明な材料の接着剤
やシーリング材には重要な性質である。特に建築分野の
場合、長期にわたる耐侯接着性が求められる。ところが
接着面の厚さは非常に薄いため少しでも耐侯性の低い材
料であると耐侯接着性が劣り、耐侯接着性が優れた材料
はあまり多くない。
【0003】架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合
体は硬化性重合体の一種であるが、空気中の水分の作用
等により硬化する。この重合体の硬化物は高い耐候性、
耐熱性、耐水接着性、非汚染性、低い湿分透過性等の特
性を有する。さらに、常温で適度な粘性、構造粘性(チ
クソトロピー性)を有する流動物にする事ができ、作業
性、スプレー性などが良好である。さらにこの重合体は
低臭性で作業時に臭気を発生させることもなく、とくに
シーリング材に好適に用いられる(特開昭63−604
1号公報等)。また特開平1−198673号公報には
この重合体が複層ガラス用シーリング材に用いられ、こ
の重合体が透明な材料にも用いられることも開示されて
いる。複層ガラスに用いる場合には、加温することによ
り速硬化する為に、ライン速度を上げられると共に、従
来のダブルシールをシングルシールにできるというメリ
ットもある。もちろん、従来のダブルシールによる複層
ガラスにも用いることができる。
【0004】しかしながら、架橋性珪素基を有する飽和
炭化水素系重合体を一部の透明な材料、特に熱線反射ガ
ラス等表面処理されたガラスに用いる場合、硬化物の耐
侯接着性が充分でない場合があることがわかった。本発
明者らはこの重合体を用いた特定の組成物の硬化物が表
面処理されたガラスに対してもすぐれた耐侯接着性を有
することを見出し本発明をなすに至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように本発明の
課題は、架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体を
含有する硬化性組成物であってすぐれた耐侯接着性を有
する組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、架橋性珪
素基を有する飽和炭化水素系重合体を含有する特定の組
成物がすぐれた耐侯接着性を有することを見出した。す
なわち、本発明は、(A)少なくとも1個の架橋性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体、(B)ニッケル原
子含有光安定剤、(C)シランカップリング剤を含有す
る硬化性組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分である飽和炭
化水素系重合体は、ケイ素原子に結合した加水分解性基
を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しう
るケイ素含有基、すなわち、架橋性ケイ素基を少なくと
も1個有する飽和炭化水素系重合体である。本発明に用
いる架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、
芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しな
い重合体であり、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリイソブチレン、水素添加ポリブタジエン、水
素添加ポリイソプレンなどがあげられる。
【0008】架橋性ケイ素基としては、一般式(1)、
【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
(R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
は0または1〜19の整数である)で表される基があげ
られる。
【0009】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。
【0010】これらのうちでは、アルコキシ基、アミド
基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイル
ドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに
好ましい。
【0011】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。
【0012】架橋性ケイ素基を形成するケイ素原子は1
個以上必要であるが、シロキサン結合などにより連結さ
れたケイ素原子の場合には、20個以下であることが好
ましい。
【0013】とくに、一般式(2)
【化2】 (式中、R2、X、aは前記と同じ)で表される架橋性
ケイ素基が、入手が容易であるので好ましい。
【0014】飽和炭化水素系重合体1分子中の架橋性ケ
イ素基は1個以上であり、1.1〜5個あることが好ま
しい。分子中に含まれる架橋性ケイ素基の数が1個未満
になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得
られなくなることがある。
【0015】架橋性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、架橋性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0016】また、これら架橋性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。
【0017】本発明に用いる架橋性ケイ素基を有する飽
和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチ
レン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよ
うな炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーと
して重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなど
のようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上
記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加す
るなどの方法により得ることができるが、イソブチレン
系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能
基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端
官能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0018】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。
【0019】このような単量体成分としては、たとえ
ば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳
香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類な
どがあげられる。このような共重合体成分としては、た
とえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテ
ン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー
1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチ
ルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキ
シシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル
ー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビ
ニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメ
チルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ア
リルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γー
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
ーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどがあげられる。
【0020】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。
【0021】水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭
化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体
の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単
量体単位を含有させてもよい。
【0022】また、本発明に用いる架橋性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後2重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。
【0023】飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブ
チレン系重合体または水添ポリブタジエン系重合体の数
平均分子量は500〜30,000程度であるのが好ま
しく、とくに1,000〜15,000程度の液状ない
し流動性を有するものが取扱いやすいなどの点から好ま
しい。
【0024】つぎに架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。
【0025】架橋性ケイ素基を有するイソブチレン系重
合体のうち、分子鎖末端に架橋性ケイ素基を有するイソ
ブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法
(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する
特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端
官能型、好ましくは、全末端官能型イソブチレン系重合
体を用いて製造することができる。例えば、この重合体
の脱ハロゲン化水素反応や特開昭63−105005号
公報に記載されているような重合体への不飽和基導入反
応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを
得た後、一般式
【化3】 (式中、R1、R2、X,aおよびbは前記と同じであ
る。)で表されるヒドロシラン化合物(この化合物は一
般式(1)で表される基に水素原子が結合した化合物で
ある。)、好ましくは、一般式
【化4】 (式中、R2、Xおよびaは前記と同じである。)で示
されるヒドロシラン化合物を白金触媒を用いてヒドロシ
リル化反応と呼ばれる付加反応をさせることにより架橋
性ケイ素基を重合体に導入する方法があげられる。ヒド
ロシラン化合物としては、たとえば、トリクロロシラ
ン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フ
ェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;ト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエト
キシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメト
キシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセ
トキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなア
シロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メ
チルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メ
チルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
うちではとくにハロゲン化シラン類、アルコキシシラン
類が好ましい。
【0026】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特開昭6
3−254149号、特開昭64−22904号、特開
昭64−38407号の各明細書などに記載されてい
る。
【0027】また、分子鎖内部に架橋性ケイ素基を有す
るイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とする
モノマー中に架橋性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類を添加し、共重合せしめることにより製
造される。
【0028】さらに、分子鎖末端に架橋性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に架橋性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に架橋性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に架橋性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0029】架橋性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0030】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−CO
−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラル
キレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−C
2−、−R”−C65−CH2−(R”は炭素数1〜1
0の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに好まし
い)で示される有機ハロゲン化合物を反応させることに
より、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系
重合体が製造される。
【0031】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。
【0032】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分
子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体
が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合に
は、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中に
ハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応
させれば分子量を増大させることができ、その後一般式
(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、
より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポ
リブタジエン系重合体をうることができる。
【0033】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0034】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への架橋性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に架橋
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応を
させることにより製造される。
【0035】前記のように架橋性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有
機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来の
ゴム系重合体よりなるシーリング剤などとくらべて、著
しく耐候性がよくなる。また、該重合体は炭化水素系重
合体であるので湿気遮断性や耐水性がよく、ガラス、ア
ルミなどの各種無機質基材に対して優れた接着性能を有
するとともに、湿気遮断性の高い硬化物になる。
【0036】本発明の硬化性組成物中の架橋性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以上が
好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がと
くに好ましい。
【0037】本発明の(B)成分として使用する光安定
剤は、ニッケル系光安定剤として市販のものである。そ
の具体例としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン
酸ニッケル、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジ
ブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のニッケルジチオ
カーバメート塩類、 [2,2’−チオビス(4−t−オ
クチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、
[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラー
ト)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル、[2,2’
−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−トリ
エタノールアミンニッケル等のニッケル錯体、ニッケル
ビス(オクチルフェニル)スルフィド、イソプロピルキ
サントゲン酸ニッケル、等のニッケル化合物が例示でき
る。これらの光安定剤は、単独で使用してもよく、2種
以上併用してもよい。
【0038】この成分(B)の配合量は、成分(A)で
ある飽和炭化水素系重合体100部(重量部、以下同
様)に対して0.1〜20部程度が好ましく、1〜10
部が更に好ましい。成分(B)の配合量がこの範囲を下
回るとガラスなどに対する耐候接着性が低くなる場合が
ある。一方、成分(B)の配合量がこの範囲を上回ると
コスト面から好ましくない。ニッケル系光安定剤は
(C)成分として用いるシランカップリング剤の接着性
改善効果が光によって低下しないという効果を有すると
考えられる。ニッケル系光安定剤が有するこの効果は他
の安定剤が有する効果より大きいと考えられる。
【0039】本発明の(C)成分であるシランカップリ
ング剤は被着体や基材と架橋性珪素基を有する飽和炭化
水素系重合体の硬化物との接着強度を向上させるもので
ある。シランカップリング剤は、加水分解性基が結合し
たケイ素原子を含む基(以下加水分解性ケイ素基とい
う)及びそれ以外の官能基を有する化合物である。 こ
の加水分解性ケイ素基の例としては、一般式(1)で表
される基のうちXが加水分解性基であるものを挙げるこ
とができる。具体的には、加水分解性基として既に例示
した基を挙げることができるが、メトキシ基、エトキシ
基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の
個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0040】加水分解性ケイ素基以外の官能基として
は、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。これ
らのうち、1級、2級、3級のアミノ基、エポキシ基、
イソシアネート基、イソシアヌレート等が好ましく、イ
ソシアネート基が特に好ましい。
【0041】シランカップリング剤の具体例としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルプロピルトリメトキシシラ
ン、n−β−(n−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプ
ロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン
類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチル
トリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、β−(n−カルボ
キシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ア
クロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等の
ビニル型不飽和基含有シラン類;γクロロプロピルトリ
メトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(ト
リメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレ
ートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキ
シシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシ
ラン等のイソシアネート基含有シラン類等を挙げること
ができる。また、これらを変性した誘導体である、アミ
ノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽
和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、
フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シ
リコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリン
グ剤として用いることができる。
【0042】本発明に用いるシランカップリング剤は、
架橋性珪素基含有飽和炭化水素系重合体100部に対
し、0.01〜20部の範囲で使用される。特に、0.
1〜10部の範囲で使用するのが好ましい。上記シラン
カップリング剤は1種類のみで使用しても良いし、2種
類以上混合使用しても良い。
【0043】本発明の組成物にはシランカップリング剤
以外の接着性付与剤も用いることができる。シランカッ
プリング剤以外の接着性付与剤として、分子中にエポキ
シ基やイソシアネート基を持つ化合物(イソシアネート
の多量体も含む)が例示できる。
【0044】本発明の組成物は必要に応じて各種成分と
併用してよい。このような成分の例としては、シラノー
ル縮合反応を促進する硬化触媒、本発明の組成物が保存
中に硬化することを防ぐ保存性改良剤、可塑剤、充填
剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、リン系酸化物分解
剤、滑剤、発泡剤などがあげられる。
【0045】硬化触媒は、シラノール縮合触媒として従
来公知のものが使用可能である。その具体例としては、
例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジウラレー
ト、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、
オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン酸塩類;ジ
ブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジ
ブチル錫ジアセチルアセトナート;アルミニウムトリス
アセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセ
トアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルア
セトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコ
ニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセ
チルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸
鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、
ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロ
ピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミ
ン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいは
これらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰の
ポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミ
ド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生
成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等
のシラノール複合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性
触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。こ
れらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用し
てもよい。
【0046】硬化触媒の配合量は、成分(A)である飽
和炭化水素系重合体100部に対して0.1〜20部程
度が好ましく、1〜10部が更に好ましい。この範囲を
下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応
が十分に進行し難くなる場合がある。一方、配合量がこ
の範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、
良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短
くなり過ぎ、作業性の点からも好ましくない。
【0047】
【実施例】以下に実施例を示す。。 製造例 飽和炭化水素系重合体(A)の製造 1Lの耐圧ガラス製オートクレーブに次式で示される化
合物(p−DCC)
【化5】 7.5mmolを入れ、攪拌用羽根、三方コック及び真
空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換した。その
後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注射器を
用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−シ−ブ処理によっ
て乾燥させた溶媒、トルエン330mL、ヘキサン14
1mLを導入した。次いで添加剤α−ピコリン3.0m
molを添加した。
【0048】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが113g入
っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を攪拌し
ながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部
を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを
耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。
その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧
に戻した。
【0049】次に、重合容器内が−70℃で安定してい
ることを確認し、TiCl4 7.18g(3.8mm
ol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を
開始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシ
ラン2.57g(22.5mmol)を添加した。さら
に1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むこと
により触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回
洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、ア
リル末端のイソブチレンポリマ−を得た。
【0050】次いで、こうして得られたアリル末端のイ
ソブチレンポリマ−100gを、n−ヘプタン50mL
に溶解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシ
シラン1.2[eq./アリル基]、白金(ビニルシロ
キサン)錯体1×10-4[eq./アリル基]を添加
し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRスペクト
ルにより反応追跡を行い、約4時間で1640cm-1
オレフィン由来の吸収が消失したのを確認し、反応を停
止した。反応溶液を減圧濃縮することにより、目的とす
る両末端に架橋性ケイ素を有するイソブチレンポリマー
が得られた。(以下、PIBともいう。) こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出すると
ともに、Mn及びMw/MnをGPC法(ポリスチレン
スタンダード)により、また末端構造を300MHz 1
H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始
剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末
端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0
〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.5〜3.
4)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求め
た。 1H-NMRはVarian Gemini300 (300MHz for 1H)を用
いCDCl3中で測定した。
【0051】なお、FT−IRは島津製作所製IR-408、
GPCは送液システムとしてWaters LCModule1、カラムはS
hodex K-804(ポリスチレンゲル)を用いて行なった。
【0052】分子量はポリスチレンスタンダードに対す
る相対分子量で与えられる。 ポリマーの分析値は、M
n=11416、Mn/Mw=1.47、Fn(シリ
ル)=1.95であった(数平均分子量はポリスチレン
換算、末端シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分
子当たりの個数)。
【0053】実施例1 製造例で得られた重合体100部に対し、可塑剤として
パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)90部、充填材として
重質炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名
ホワイトンSB)360部、水分供給源として芒硝(N
2SO4・10H2O)5部、老化防止剤としてテトラ
キス−〔メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
(チバガイギー(株)製、商品名イルガノックス101
0)1部、同じく安定剤として2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−t−ブチル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール(チバガイギー(株)製、商品名チヌビン32
7)1部、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート(三共(株)製、商品名サノ
ールLS−770)1部、チクソ性付与剤(楠本化成
(株)製、商品名ディスパロン#305)5部、シラン
カップリング剤としてγ−イソシアネートプロピルトリ
エトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名Y−9
030)2部、光安定剤としてジメチルジチオカルバミ
ン酸ニッケル(三新化学(株)製、商品名サンダントN
BC、化学構造は次式)3部、を加え、三本ペイントロ
ールでよく混練し主剤とした。
【0054】
【化6】 また、パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)
製、商品名ダイアナプロセスPS−32)10部、重質
炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名ホワ
イトンSB)25部、硬化触媒として4価スズ化合物
(日東化成(株)製、商品名U−220)4部、カーボ
ンブラック(三菱化成(株)製、商品名CB#30)
2.5部をディスポーザルカップ中で手混ぜ混練した
後、日本精機製作所(株)製のエクセル・オート・ホモ
ジナイザーを用いて、回転数10000rpmで10分
間攪拌する操作を3回行うことにより硬化剤を調製し
た。
【0055】試験用サンプルは、JIS A 5758-1992規定
の引張接着性試験体の作製方法に従って、ガラス、ある
いはアルミ基材をH型に組み、上記の主剤と、硬化剤を
14:1の重量比になるように秤量し、充分混練した
後、配合物を充填した後、オーブン中で硬化させた。養
生条件はいずれも、23℃×7日+50℃×7日であ
る。H型引張試験用に用いた基材はTiOxをスパッタリン
グにより表面にコーティングした熱線反射ガラス(セン
トラル硝子(株)製:商品名:SGY−32,TCB−
35,寸法:5×5×0.6cm)である。これらの被
着体は、配合物を充填する前に、メチルエチルケトン
(和光純薬製:特級)で洗浄し、清浄な綿布でふいた。
【0056】上記の方法で作製したH型引張試験サンプ
ルを用い耐光接着性試験を行い、試験前後のH型機械特
性を測定した。結果を表1に示す。耐光接着性試験は光
源にサンシャインカーボンを用いブラックパネル温度を
63℃に設定したスガ試験株式会社製サンシャイン・ス
ーパーロングライフ・ウェザーメーターWEL−SUN
−HC中にH型引張試験サンプルをいれ、480時間後
に取り出すことにより行った。H型機械特性の測定は、
JIS A 5758-1992規定の引張接着性試験方法に従って、
温度23℃、湿度65±5%の恒温室中、引張速度50
mm/minの条件で行った。表中の凝集破壊(CF)・
薄層破壊(TCF)・界面破壊(AF)の割合は、引張試験後
の破断面を目視にて評価した割合である。凝集破壊とは
被着体と硬化物の界面でなく硬化物自体が破断するもの
で被着体と硬化物の接着強度が大きいことを意味する。
界面破壊とは被着体と硬化物の界面がはがれるもので被
着体と硬化物の接着強度が小さいことを意味する。薄層
破壊とは凝集破壊ではあるが被着体と硬化物の界面で破
断するもので接着強度が凝集破壊と界面破壊の間であ
る。
【0057】比較例1〜3 光安定剤であるジメチルジチオカルバミン酸ニッケル
(三新化学(株)製、商品名サンダントNBC)3部を
用いないほかは実施例1と同様の操作を行った(比較例
1)。また、非ニッケル系安定剤でもある2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール(チバガイギー(株)製、商品名チヌ
ビン327)の量を3部に増加したほかは比較例1と同
様の操作を行った(比較例2)。さらに非ニッケル系安
定剤でもあるビス−(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート(三共(株)製、商品名サ
ノールLS−770)の量を5部に増加したほかは比較
例1と同様の操作を行った(比較例3)。結果を表1に
示す。
【0058】
【表1】 表1よりわかるとおり、耐侯接着性試験前には、実施例
1および比較例1〜3共に表面処理ガラスSGY−32
に対し良好な接着性を示していたのに対し試験後には実
施例1だけが凝集破壊を示し、比較例1〜3では界面破
壊を示している。このため、Ni系安定剤(サンダント
NBC)の添加により、耐光接着性が改善されることが
わかる。
【0059】実施例2および比較例4 Ni系光安定剤をジメチルジチオカルバミン酸ニッケル
(三新化学(株)製、商品名サンダントNBC)3部か
ら同じくNi系光安定剤である [2,2’−チオビス
(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミ
ンニッケル(ACC製、商品名SYASORB UV1
084、化学構造は次式)3部にかえたほかは実施例1
と同様の操作を行った(実施例2)。
【0060】
【化7】 また、Ni系光安定剤を [2,2’−チオビス(4−t
−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケ
ル(ACC製、商品名SYASORB UV1084)
3部から非Ni系光安定剤である3、5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッド−n−ヘキサ
デシルエステル(ACC製、商品名SYASORB U
V2908、化学構造は次式)3部にかえたほかは実施
例2と同様の操作を行った(比較例4)。
【0061】
【化8】 結果を表2に示す。
【0062】実施例3および比較例5 硬化剤の重質炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)
製、商品名ホワイトンSB)25部にかえて同じ重質炭
酸カルシウムを20部にしたほかは実施例1と同様の操
作を行った(実施例3)。また、Ni系光安定剤をジメ
チルジチオカルバミン酸ニッケル(三新化学(株)製、
商品名サンダントNBC)3部から非Ni系光安定剤で
ある2、4−ジブチルフェニル−3’、5’−ジ−t−
ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート(ACC製、商
品名SYASORB 712、化学構造は次式)3部に
かえたほかは実施例3と同様の操作を行った(比較例
5)。
【化9】 結果を表2に示す。
【0063】
【表2】 表2より、耐候接着性試験後には、実施例2および3で
は凝集破壊を示すが、比較例4および5では界面破壊を
示している。このため、Ni系安定剤の添加により、耐
候接着性が改善されることがわかる。
【0064】実施例4 製造例で得られた重合体100部に対し、パラフィン基
プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプ
ロセスPS−32)90部、重質炭酸カルシウム(丸尾
カルシウム(株)製、商品名スノーライトss)30
部、膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名E
DS−D1−A)100部、タルク(丸尾カルシウム
(株)製、商品名LMR)100部、水分供給源として
芒硝(Na2SO4・10H2O)5部、老化防止剤(チ
バガイギー(株)製、商品名イルガノックス1010)
1部、(チバガイギー(株)製、商品名チヌビン32
7)1部、(三共(株)製、商品名サノールLS−77
0)1部、光安定剤としてジメチルジチオカルバミン酸
ニッケル(三新化学(株)製、商品名サンダントNB
C)3部、 [2,2’−チオビス(4−t−オクチルフ
ェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル(ACC
(株)製、商品名CYASORB UV−1084)3
部、光硬化性樹脂(東亞合成(株)製、商品名アロニク
スM400)3部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)
製、商品名ディスパロン#305)3部、シランカップ
リング剤 γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシ
ラン(日本ユニカー(株)製、商品名Y−9030)4
部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日
本ユニカー(株)製、商品名A−187)2部を加え、
三本ペイントロールでよく混練し主剤とした。
【0065】また、パラフィン基プロセスオイル(出光
興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)1
0部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、
商品名スノーライトss)20部、硬化触媒(日東化成
(株)製、商品名U−220)4部、カーボンブラック
(三菱化成(株)製、商品名CB#30)をディスポー
ザルカップ中で手混ぜ混練した後、日本精機製作所
(株)製のエクセル・オート・ホモジナイザーを用い
て、回転数10000rpmで10分間攪拌する操作を
3回行うことにより硬化剤を調製した。
【0066】JIS A 5758-1992規定の引張接着性試験体
の作製方法に従って、ガラスあるいはアルミ基材をH型
に組み、上記の主剤と、硬化剤を12:1の重量比にな
るように秤量し、充分混練した後、配合物を充填した
後、オーブン中で硬化させた。養生条件はいずれも、2
3℃×7日+50℃×7日である。H型引張試験用に用
いた基材は、 JIS A 5758-1992に準拠したフロートガラ
ス(広苑社製:日本シーリング材工業会指定、寸法:3
×5×0.5cm)、 JIS A 5758-1992に準拠した陽極
酸化アルミ(広苑社製:日本シーリング材工業会指定、
寸法:5×5×0.5cm)、またはJIS H 4000に準拠
した純アルミニウム(太佑基材製:A 1100 P、寸法:5
×5×0.2cm)、Al・Cr・Fe等を表面に熱融着させた
熱線反射ガラス(セントラル硝子(株)製:商品名:K
L、寸法:5×5×0.6cm)、TiOxを表面に熱融着
させた熱線反射ガラス(商品名:KLS、寸法:5×5
×0.6cm)、TiOxをスパッタリングにより表面にコ
ーティングした熱線反射ガラス(セントラル硝子(株)
製:商品名:SGY−32,TCB−35,寸法:5×
5×0.6cm)、 TiNxをスパッタリングにより表面
にコーティングした熱線反射ガラス(セントラル硝子
(株)製:商品名:SS−14、寸法:5×5×0.6
cm)の8種である。これらの被着体は、配合物を充填
する前に、メチルエチルケトン(和光純薬製:特級)で
洗浄し、清浄な綿布でふいた。
【0067】上記の方法で作製したH型引張試験サンプ
ルは、JIS A 5758-1992規定の引張接着性試験方法に従
って、温度23℃、湿度65±5%の恒温室中、引張速
度50mm/minの条件で行った。結果を表3に示
す。
【0068】
【表3】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、表面処理され
た各種熱線反射ガラスのような耐侯接着性が発現しにく
い透明な被着体に対しても、良好な耐侯接着性が発現す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/10 C09K 3/10 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)少なくとも1個の架橋性ケイ素基を
    有する飽和炭化水素系重合体、(B)ニッケル原子含有
    光安定剤、(C)シランカップリング剤を含有する硬化
    性組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分の飽和炭化水素系重合体が分子
    量が500〜30000のイソブチレン系重合体である
    請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分の架橋性ケイ素基が飽和炭化水
    素系重合体の分子鎖末端に存在する請求項1記載の硬化
    性組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分の架橋性ケイ素基がアルコキシ
    シリル基である請求項1記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(C)成分のシランカップリング剤が、イ
    ソシアネート基含有シランカップリング剤である請求項
    1記載の硬化性組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000056818A1 (fr) * 1999-03-23 2000-09-28 Kaneka Corporation Compositions de resine durcissable
US7176269B2 (en) 2000-07-25 2007-02-13 Mitsui Chemicals, Inc. Curable composition and its use
JP2007154009A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Kaneka Corp 硬化性組成物
US10676593B2 (en) 2015-12-07 2020-06-09 Kaneka Corporation Curable composition and cured product thereof

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