JPH11209637A - 作業性の改善された硬化性組成物および作業性改善方法 - Google Patents

作業性の改善された硬化性組成物および作業性改善方法

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JPH11209637A
JPH11209637A JP1868398A JP1868398A JPH11209637A JP H11209637 A JPH11209637 A JP H11209637A JP 1868398 A JP1868398 A JP 1868398A JP 1868398 A JP1868398 A JP 1868398A JP H11209637 A JPH11209637 A JP H11209637A
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JP
Japan
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group
curable composition
filler
saturated hydrocarbon
polymer
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Application number
JP1868398A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
Makoto Chinami
誠 千波
Junji Takase
純治 高瀬
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合
体と充填材を含有する硬化性組成物の作業性を改善する
こと。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
飽和炭化水素系重合体、(B)充填材、を含有する硬化
性組成物であって、該組成物中の水分量が3000pp
m以下であることを特徴とする作業性の改善された硬化
性組成物、または、(A)ケイ素原子に結合した水酸基
または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成する
ことにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有
する飽和炭化水素系重合体、(B)脱水処理を施した充
填材、を含有することを特徴とする作業性の改善された
硬化性組成物、および、前記硬化性組成物に脱水処理を
施すことを特徴とする、該硬化性組成物の作業性改善方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素原子に結合
した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合
を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、
「反応性ケイ素基」という。)を有する飽和炭化水素系
重合体を主成分として含有する硬化性組成物、および、
該硬化性組成物の作業性改善方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素
基を含有する飽和炭化水素系重合体は、室温においても
湿分等により反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシ
ロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得
られるという興味深い性質を有することが知られてい
る。この重合体は、耐熱性、耐水性、耐候性などに優れ
るため、建築用シーリング材や複層ガラス用シーリング
材等に用いると有効である。
【0003】一方、建築用シーリング材の施工は、コー
キングガンなどを用いて建築現場にて作業をするため
に、取り扱いが良く作業性の良好なことが求められる。
複層ガラス用シーリング材の場合には、複層ガラス加工
工場内にてアプリケーター(シーリング材吐出装置)を
用いて吐出するが、この場合も十分な吐出性を示す良好
な作業性を有することが求められる。このように、建築
用シーリング材や複層ガラス用シーリング材等のシーラ
ントには良好な作業性が求められるが、ポリイソブチレ
ンなどの飽和炭化水素系重合体は高粘度であり作業性が
若干劣るために、従来、特開平1−163255号の明
細書に記載する、水添ポリブテン、パラフィン油、ナフ
テン油などを添加して可塑化していた。
【0004】一方、建築用シーリング材や複層ガラス用
シーリング材等の各種シーリング材には、硬化物の物性
向上、チクソ性の付与、または、増量剤として配合物の
コストの低減のために、一般に、各種の充填剤が添加さ
れている。しかしながら、充填材を添加すると、一般
に、組成物の粘度が上昇するため、比較的高粘度である
ポリイソブチレンなどの飽和炭化水素系重合体に充填材
を添加すると、作業性の悪い組成物となることがあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体と充填材を含有する
硬化性組成物の作業性を改善することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、このような
問題を解決するために鋭意検討した結果、前記飽和炭化
水素系重合体と充填材を含有し、かつ、含有する水分量
の少ない硬化性組成物が良好な作業性を有することを見
い出すことにより前記問題を解決し、本発明を完成させ
た。
【0007】すなわち、本発明は、(A)反応性ケイ素
基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(B)充填材、を含有し、かつ、該組成物中の水分量が
3000ppm以下であることを特徴とする作業性の改
善された硬化性組成物、および、(A)反応性ケイ素基
を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、(B)
脱水処理を施した充填材、を含有することを特徴とする
作業性の改善された硬化性組成物に関する。さらに、本
発明は、(A)反応性ケイ素基を少なくとも1個有する
飽和炭化水素系重合体、(B)充填材、を含有する硬化
性組成物に脱水処理を施すことを特徴とする、該硬化性
組成物の作業性改善方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和炭化
水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和結合を
実質的に含有しない重合体であり、たとえば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、水素添加ポ
リブタジエン、水素添加ポリイソプレンなどがあげられ
る。
【0009】反応性ケイ素基としては、一般式(1)、
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
(R’)3SiO−(R’、それぞれ独立に、は水素原
子または炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水
素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基であ
る。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分
解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれか
であり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbとが
同時に0になることはない。また、mは0または1〜1
9の整数である)で表される基があげられる。
【0012】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0013】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。
【0014】とくに、一般式(2)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R2、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、原料の入手が容易であるので
好ましい。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ
素基は1個以上であり、1.1〜5個あることが好まし
い。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満に
なると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得ら
れなくなることがある。
【0017】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるものは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0018】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。本発明に用いる反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレ
ン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどのよう
な炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとし
て重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどの
ようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記
オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加する
などの方法により得ることができるが、イソブチレン系
重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基
を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官
能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0019】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0020】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化
水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の
ばあいと同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単
量体単位を含有させてもよい。
【0021】また、本発明に用いる反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成さ
れる範囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化
合物のような重合後二重結合の残るような単量体単位を
少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、とく
には1%以下の範囲で含有させてもよい。飽和炭化水素
系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体または水添
ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜5
0,000程度であるのが好ましく、とくに1,000
〜20,000程度の液状ないし流動性を有するものが
取扱いやすいなどの点から好ましい。
【0022】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)で得られた末端官能型、好ましくは、全末端官能
型イソブチレン系重合体を用いて製造することができ
る。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開
昭63−105005号公報に記載されているような重
合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有
するポリイソブチレンを得た後、一般式
【0023】
【化4】
【0024】(式中、R1、R2、X、a、b及びmは前
記と同じである。)で表されるヒドロシラン化合物(こ
の化合物は一般式(1)で表される基に水素原子が結合
した化合物である。)、好ましくは、一般式
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R2、Xおよびaは前記と同じで
ある。)で表されるヒドロシラン化合物を白金触媒を用
いてヒドロシリル化反応と呼ばれる付加反応をさせるこ
とにより反応性ケイ素基を重合体に導入する方法があげ
られる。ヒドロシラン化合物としては、たとえば、トリ
クロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロ
シラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シ
ラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メ
チルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェ
ニルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メ
チルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン
のようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシ
メート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシ
メート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アル
コキシシラン類が好ましい。
【0027】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特公平7−108928号、特許公報
第2512468号、特開昭64−22904号、特許
公報第2539445号の各明細書などに記載されてい
る。また、分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブ
チレン系重合体は、イソブチレンを主体とするモノマー
中に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシ
ラン類を添加し、共重合せしめることにより製造され
る。
【0028】さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体を製造する際の重合に際し
て、主成分であるイソブチレンモノマー以外に反応性ケ
イ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類などを
共重合せしめたのち末端に反応性ケイ素基を導入するこ
とにより、末端および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有
するイソブチレン系重合体が製造される。
【0029】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0030】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2=CH−R3−Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3は−R4−、−R4−OCO−または−R4−CO
−(R4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラル
キレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、−C
2−、−R”−C65−CH2−(R”は炭素数1〜1
0の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとくに好まし
い)で示される有機ハロゲン化合物を反応させることに
より、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系
重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエン系重
合体ともいう)が製造される。
【0031】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。前記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体をうることができる。
【0032】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0033】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様
にヒドロシラン化合物を白金系触媒を用いて付加反応を
させることにより製造される。前記のように反応性ケイ
素基を有する飽和炭化水素系重合体が、芳香環でない不
飽和結合を分子中に実質的に含有しない場合には、不飽
和結合を有する有機系重合体やオキシアルキレン系重合
体のような従来のゴム系重合体よりなるシーリング剤な
どとくらべて、著しく耐候性がよくなる。また、該重合
体は炭化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性が
よく、ガラス、アルミなどの各種無機質基材に対して優
れた接着性能を有するとともに、湿気遮断性の高い硬化
物になる。
【0034】本発明の硬化性組成物中の反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以上が
好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がと
くに好ましい。本発明の硬化性組成物においては、
(B)成分として、硬化物の物性向上、チクソ性の付
与、または、増量剤として配合物のコストを低減するこ
とを目的に、各種の充填材を用いることができる。
【0035】一般に、充填材を添加すると組成物の粘度
が上昇するが、本発明の反応性ケイ素基を有する飽和炭
化水素系重合体を主成分として含有する硬化性組成物中
においては、水分が存在すると水分と充填材が作用して
該硬化性組成物の粘度が特に顕著に上昇する。すなわ
ち、硬化性組成物中の水分量が少ないほど粘度が低く、
作業性の良い組成物となる。また、水分量が少ないと、
該硬化性組成物の貯蔵安定性が良くなるという利点もあ
る。
【0036】硬化性組成物中の水分量は、3000pp
m以下であることが好ましく、2000ppm以下であ
ることがより好ましく、1500ppm以下であること
が特に好ましい。水分量が3000ppmより大きい場
合には、粘度が高く、組成物の作業性が悪くなることが
ある。ここで、硬化性組成物中の水分量はカールフィッ
シャー試薬を用いた水分定量方法で測定される。
【0037】上記方法の水分の定量は、例えば、以下の
方法によって測定できる。カールフィッシャー水分計
(京都電子工業製:MK−A)の滴定フラスコに、クロ
ロホルムとメタノールとの混合脱水溶媒(三菱化学製:
脱水溶剤CM)約50mlを入れ、カールフィッシャー
試薬(三菱化学製:カールフィッシャー試薬SS)を滴
下して終点とし、滴定フラスコ中の水分をゼロにする。
次に、本発明の硬化性組成物を約0.5g加えて上記の
脱水溶媒に溶解させ、よくかき混ぜながら、予め力価
(0.5〜4.0mgH2O/ml)測定済みの上記の
カールフィッシャー試薬で滴定する。滴定値:B(m
l)、試薬の力価:F(mgH2O/ml)、本発明の
硬化性組成物の採取量:A(mg)から、硬化性組成物
中の水分量:W(ppm)は下記式により計算できる。 W(ppm)=B×F÷A×106 上記の充填材の具体例としては、たとえば、木粉、パル
ブ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、
マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソ
ウ土、白土、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ
酸、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タル
ク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、石英、アルミニウ
ム微粉末、フリント粉末、亜鉛末などがあげられる。こ
れら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームシリカ、
カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タル
クなどが好ましく、炭酸カルシウムはコストと補強効果
のバランスが良いために特に好ましい。
【0038】前記炭酸カルシウムには、天然のチョーク
(白亜)、石灰石、大理石などを機械的に粉砕・加工し
た重質炭酸カルシウムと、石灰石等の原料を用いて化学
反応によって湿式で製造される軽質炭酸カルシウムがあ
る。軽質炭酸カルシウムの中でも、製造条件の制御によ
りコロイド状の極微細粒子とした炭酸カルシウムは特に
膠質(コロイド)炭酸カルシウムと呼ばれている。これ
らは単独で用いてもよく、併用してもよい。
【0039】上記充填材には、様々な粒子径や比表面積
を有する充填材が市販されている。本発明に用いる充填
材は、粒子径や比表面積を特に限定しないが、粒子の表
面積が大きいほど水分をより多く吸着しやすいために、
粒子径が大きく比表面積の小さい充填材よりも粒子径が
小さく比表面積の大きい充填材の方が、組成物中のの水
分減少による作業性改善効果は大きいと考えられる。
【0040】上記充填材には、各種の表面処理剤を用い
て表面処理を施した充填材と表面無処理の充填材があ
る。本発明に用いる充填材は、表面無処理充填材でも良
く、表面処理を施した充填材でも良いが、充填材の粒子
径や比表面積が同一である場合には、表面無処理充填材
は表面に水分をより吸着しやすいために、表面処理を施
した充填材よりも表面無処理充填材の方が、組成物中の
水分減少による作業性改善効果は大きいと考えられる。
【0041】(B)成分の配合量は、(A)成分100
部(重量部、以下同じ)に対して10〜500部が好ま
しいが、50〜300部配合することがとくに好まし
い。配合量が10部未満の場合には、硬化物物性の改善
効果が十分でないことがあり、500部をこえると硬化
性組成物の作業性が低下することがある。本発明の硬化
性組成物には、先に記載した(A)〜(B)成分の他
に、老化防止剤、可塑剤、シランカップリング剤、接着
性付与剤、粘着性付与剤、シラノール縮合触媒、生成す
る硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、光硬化性樹
脂、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、タレ防止剤、
溶剤、難燃性付与剤、滑剤、顔料、発泡剤、その他必要
に応じて各種添加剤が添加される。
【0042】前記老化防止剤としては、フェノール系酸
化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系ヒドロペ
ルオキシド分解剤、リン系ヒドロペルオキシド分解剤、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫
外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダー
トアミン系光安定剤、ニッケル系光安定剤などが挙げら
れる。
【0043】前記フェノール系酸化防止剤の具体例とし
ては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ
−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタ
エリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4‘−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4‘−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が例示で
きる。
【0044】前記芳香族アミン系酸化防止剤の具体例と
しては、N,N‘−ジフェニル−1p0−フェニレンジ
アミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,
2−ジヒドロキノリン等が例示できる。前記硫黄系ヒド
ロペルオキシド分解剤の具体例としては、ジラウリル−
3,3‘−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,
3‘−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3
‘−チオジプロピオネート等が例示できる。
【0045】前記リン系ヒドロペルオキシド分解剤の具
体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、
トリフェニルホスファイト等が例示できる。前記ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール等が例示できる。
【0046】前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例
としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,
4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5‘−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が例示できる。前
記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−n−ド
デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ−4−ベン
ジロキシベンゾフェノン等が例示できる。
【0047】前記ヒンダートアミン系光安定剤の具体例
としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1
−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6,−テト
ラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,
6,6,−テトラメチルピペリジン等が例示できる。
【0048】前記ニッケル系光安定剤の具体例として
は、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2
‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2
−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、[2,2
‘−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n
−ブチルアミンニッケル(II)等が例示できる。これ
らの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併
用してもよい。単独で使用した場合と比較して、併用す
ることによってより有効に機能することがある。
【0049】前記可塑剤としては、、ポリブテン、水添
ポリブテン、水添α−オレフィンオリゴマー、アタクチ
ックポリプロピレンなどのポリビニル系オリゴマー;ビ
フェニル、トリフェニルなどのなどの芳香族系オリゴマ
ー;水添液状ポリブタジエンなどの水添ポリエン系オリ
ゴマー;パラフィン油、塩化パラフィン油などのパラフ
ィン系オリゴマー;ナフテン油などのシクロパラフィン
系オリゴマー;ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベ
ンジルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジイソ
ノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデ
シルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジ(2−エ
チルヘキシル)アジペート、ジn−オクチルアジペー
ト、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)セバシケート、テトラヒ
ドロフタル酸ジ2−エチルヘキシルなどの非芳香族2塩
基酸エステル類;トリメリット酸トリ2−エチルヘキシ
ル、トリメリット酸トリイソデシルなどの芳香族系エス
テル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチ
ル、ペンタエリスリトールエステルなどの脂肪酸エステ
ル類;ジエチレングリコールベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジベンゾエートなどのポリアルキレングリ
コールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリ
ブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ可塑剤な
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。
【0050】前記可塑剤は、飽和炭化水素系重合体に反
応性ケイ素基を導入する際に、反応温度の調節、反応系
の粘度の調節などの目的で溶剤のかわりに用いてもよ
い。前記シランカップリング剤の具体例としては、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニル
ベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の
アミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポ
キシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキ
シシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチ
ル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイル
オキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型
不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメト
キシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシ
ラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等
のイソシアネート基含有シラン類等を挙げることができ
る。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性
シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミ
ノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、フェニ
ルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコー
ン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤と
して用いることができる。
【0051】上記シランカップリング剤は1種類のみで
使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。本
発明の硬化性組成物にはシランカップリング剤以外の接
着性付与剤も用いることができる。前記粘着性付与剤と
しては、脂肪族炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹
脂、水添脂環族炭化水素系樹脂、脂環族炭化水素系樹
脂、クマロン樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体など
が挙げられる。上記の添加剤以外の添加物の具体例は、
たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108
928号、特許公報第2512468号、特開昭64−
22904号の各明細書などに記載されている。本発明
の硬化性組成物の水分量を低くする方法としては、
(A)成分である反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素
系重合体と(B)成分である充填材と上記の各種添加剤
とを、ミキサーなどを用いて混合する最に、加熱あるい
は減圧脱気により脱水する方法や、加熱あるいは減圧脱
気により予め脱水した充填材や各種添加剤を添加する方
法などが挙げられる。
【0052】本発明の作業性改善効果は、前述の各種添
加剤が添加された場合も同様に認められる。すなわち、
本発明の硬化性組成物が建築用弾性シーリング剤や複層
ガラス用シーリング剤、および、網入りガラスや合わせ
ガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材などに用い
られた場合、該硬化性組成物の水分量を低減することに
より、それらシーリング剤の作業性を改善することがで
きる。
【0053】また、本発明の組成物は主に弾性硬化性組
成物として有用であり、電子電気、土木止水、建造物、
船舶、自動車、道路等のシール用途や接着性組成物とし
て使用することができる。
【0054】
【実施例】つぎに実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。 製造例1 2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付け、容
器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内に、エチ
ルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3Aとともに
1夜間以上放置することにより乾燥したもの)262.
5mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス3Aとと
もに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)78
7.5ml、p−DCC(下記化合物)4.85g(2
1.0mmol)を加えた。
【0055】
【化6】
【0056】次にイソブチレンモノマー438ml
(5.15mol)が入っているニードルバルブ付耐圧
ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容
器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中につけ
て冷却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にし
た。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液
化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック
内の一方から窒素を導入することにより容器内を常圧に
戻した。次に、2−メチルピリジン0.72g(7.7
mmol)を加えた。次に、四塩化チタン10.58m
l(96.5mmol)加えて重合を開始した。反応時
間70分後に、アリルトリメチルシラン7.20g(6
3.0mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導
入反応を行った。反応時間120分後に、反応溶液を水
200mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去することに
よりアリル末端イソブチレン系重合体を得た。
【0057】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−200gと、炭化水素系可塑剤である
パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)100gを混合し、約
75℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン2.4
[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体7.
5x10-5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化
反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約2
0時間で1640cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0058】目的とする両末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤である
PS−32との混合物(2/1の重量比)が得られた。
【0059】
【化7】
【0060】こうして得られたポリマ−の収量より収率
を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法に
より、また末端構造を300MHz1H−NMR分析に
より各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロト
ン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素
原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm
及びメトキシプロトン:3.4〜3.5)の共鳴信号の
強度を測定、比較することにより求めた。1H−NMR
は、Varian Gemini300(300MHz
for 1H)を用い、CDCl3中で測定した。な
お、FT−IRは島津製作所製IR−408、GPCは
送液システムとしてWaters LC Module
1、カラムはShodex K−804を用いて行っ
た。分子量はポリスチレンスタンダードに対する相対分
子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=176
00、Mw/Mn=1.23、Fn(シリル)=1.9
6であった。(数平均分子量はポリスチレン換算、末端
シリル官能基数はイソブチレンポリマー1分子当たりの
個数)。 製造例2 添加量をエチルシクロヘキサン205.0ml、トルエ
ン819.0ml、イソブチレンモノマー332ml
(3.91mol)、p−DCC5.78g(25.0
mmol)、2−メチルピリジン0.45g(4.9m
mol)、四塩化チタン6.69ml(61.0mmo
l)、アリルトリメチルシラン6.86g(60.0m
mol)に変えた以外は製造例1と同様にしてアリル末
端イソブチレン系重合体を合成した。
【0061】次いで、こうして得られたアリル末端イソ
ブチレンポリマ−200gと、炭化水素系可塑剤である
パラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)製、商品
名ダイアナプロセスPS−32)60gを混合し、約7
5℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.5
[eq/ビニル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体5x
10-5[eq/ビニル基]を添加し、ヒドロシリル化反応
を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約20時
間で1640cm-1のオレフィン吸収が消失した。
【0062】目的とする両末端に反応性ケイ素基を有す
るイソブチレンポリマ−(下記化合物)と可塑剤である
PS−32との混合物(10/3の重量比)が得られ
た。ポリマーの分析値は、Mn=11445、Mw/M
n=1.23、Fn(シリル)=1.76であった。 実施例1〜2および比較例1〜3 製造例1で得られた(A)成分の反応性ケイ素基を有す
る飽和炭化水素系重合体(PIB)とパラフィン基プロ
セスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセ
スPS−32)の混合物(重量比:PIB/PS−32
=2/1)150部に対して、水添α−オレフィンオリ
ゴマー(出光石油化学(株)製、商品名PAO500
4)60部、膠質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム
(株)製、商品名シーレッツ200)50部、膠質炭酸
カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、商品名MC−
5)50部、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム
(株)製、商品名ソフトン3200)40部、エポキシ
樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコート
828)5部、光硬化性樹脂(東亜合成(株)製、商品
名アロニックスM−309)3部、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤(日本チバガイギー(株)製、商品名イ
ルガノックス1010)1部、ベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤(日本チバガイギー(株)製、商品名チヌビ
ン327)1部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共
(株)製、商品名サノールLS−770)1部、H2
5部を各計量した。これらの各添加剤を、井上製作所製
の二軸バタフライ式ミキサー:BDM−5型に仕込み、
低速翼回転数を110rpm、高速翼回転数を1150
rpmに設定し、15分間混合することにより、ペース
ト状の組成物を得た。この組成物は、水分を多く含有す
るために、著しく高粘度である。そこで、上記ミキサー
中で攪拌を行いながら、室温(約20℃)で真空ポンプ
を用いて減圧脱気を行うことにより、含有する水分量を
低下させた。減圧脱気を10分、30分、60分、90
分、行った時点で一部組成物を取り出し、それぞれの組
成物の粘度と水分量を測定した。
【0063】粘度測定は、BS型粘度計(東京計器
(株)製、ローターはNo.7)を使用し、23℃/5
0%RHの恒温室中で測定した。水分量の測定は、先述
のカールフィッシャー水分計(京都電子工業製:MK−
A)で行った。減圧脱気時間と、粘度および水分量測定
結果をまとめて表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1に示す通り、減圧脱気をしていない比
較例1の水分量は多く、粘度の値も高い。減圧脱気を1
0分間行うことにより、水分量は減少しているが、依然
水分量は多く、粘度は全く変化していない。30分間減
圧脱気を行い、水分量を約8000ppmまで低下させ
ると、粘度の値はわずかに小さくなった。60分間減圧
脱気し、水分量を1780ppmまで低下させると、著
しく粘度が低下し、その値は減圧脱気前の約4分の1に
まで低下した。90分間減圧脱気を行うと、更に粘度の
値が低下し、その値は減圧脱気前の約10分の1となっ
た。 実施例3および比較例4 製造例2で得られた反応性ケイ素基を有する重合体(P
IB)とパラフィン基プロセスオイル(出光興産(株)
製、商品名ダイアナプロセスPS−32)の混合物13
0部(このうち(A)成分の反応性ケイ素基を有する重
合体を100部含有する)に対し、さらにパラフィン基
プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプ
ロセスPS−32)を60部数添加し、重質炭酸カルシ
ウム(白石カルシウム(株)製、商品名ソフトン320
0)180部、タルク(富士タルク工業(株)製、商品
名タルクLMR)100部、光安定剤 ジメチルジチオ
カルバミン酸ニッケル(三新化学(株)製、商品名サン
ダントNBC)3部、垂れ防止剤(楠本化成(株)製、
商品名ディスパロン#305)2部、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤(日本チバガイギー(株)製、商品名
イルガノックス1010)1部、サリシレート系紫外線
吸収剤(住友化学工業(株)製、商品名スミソーブ40
0)1部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共(株)
製、商品名サノールLS−765)1部、光硬化性樹脂
(東亜合成(株)、商品名アロニックスM−400)3
部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日
本ユニカー(株)製、商品名シランカップリング剤A−
187)2部、γ−イシシアネートプロピルトリエトキ
シシラン(日本ユニカー(株)製、商品名シランカップ
リング剤A−1310)4部を加え、三本ペイントロー
ルでよく混練して主剤とした。
【0066】また、パラフィン基プロセスオイル(出光
興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−32)1
6部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、
商品名スノーライトSS)10部、ジブチルスズジメト
キサイド(アルドリッチケミカル(株)製)4部、カー
ボンブラック(三菱化学(株)製、商品名カーボンブラ
ック#30)2.5部、Na2SO4・10H2O(和光
純薬工業(株))4部をディスポーザルカップ中で手混
ぜ混練した後、日本精機製作所(株)製のエクセル・オ
ート・ホモジナイザーを用いて、回転数10000rp
mで10分間撹拌する操作を3回行うことにより硬化剤
を調整した。
【0067】ここで、主剤中に充填材として添加した重
質炭酸カルシウムであるソフトン3200は、比較例4
では脱水処理を施していないのに対し、実施例3で添加
したものは添加する前に真空乾燥器中で110℃で1時
間減圧脱気したものを用いた。その他の添加剤はいずれ
も脱水処理を施していない。この比較例4と実施例3の
主剤の粘度を先述と同じ方法で測定した。その結果を表
2に示す。
【0068】次に、組成物の貯蔵安定性を評価するた
め、50℃×7日貯蔵前後の主剤と、上記の硬化剤を用
いて接着性試験を行った。引張接着性試験方法は、JI
S A 5758−1992(建築用シーリング材)規
定の引張接着性試験体の作製方法に従って、ガラス基材
をH型に組み、上記の主剤と硬化剤を主剤/硬化剤=1
3/1の重量比で秤量して充分混練した後充填し、オー
ブン中で硬化させた。養生条件はいずれも、23℃×7
日+50℃×7日である。H型引張試験用に用いた基材
として、JIS A 5758−1992に準拠したフ
ロートガラス(広苑社製:日本シーリング材工業会指
定、寸法:3×5×0.5cm)を用いた。引張試験
は、23℃/50%RHの恒温室中、引張速度50mm
/minの条件で、島津オートグラフAG−2000A
を用いて行った。
【0069】粘度と貯蔵前後の接着性の評価結果を表2
にまとめて示す。なお、表2中のTB、EBは、それぞ
れ、最大引張り応力と、最大荷重時の伸びを表す。
【0070】
【表2】
【0071】表2に示す通り、処理を行っていない比較
例4に比べて、減圧脱水処理を行った実施例3の粘度は
著しく低い。また、貯蔵前の接着性はいずれも良く、凝
集破壊を示している。しかし、50℃貯蔵後は、処理を
行っていない比較例4は接着性が悪く界面破壊を示して
いるのに対して、減圧脱水処理を行った実施例3は良好
な接着性を示し、凝集破壊を示している。すなわち、充
填材を予め脱水処理しておくと、粘度が低く作業性の良
好な組成物となるばかりでなく、貯蔵安定性も改善でき
ることがわかる。
【0072】以上の結果から、本発明の反応性ケイ素基
を含有する飽和炭化水素系重合体と充填材を有する硬化
性組成物は、減圧脱水などの操作により組成物中の水分
量を低くすることによって、あるいは、予め脱水処理を
行った充填材を用いることによって、著しく粘度が低く
なり、作業性が改善されることがわかる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、反応性ケイ素基を有す
る飽和炭化水素系重合体と充填材を含有する硬化性組成
物の作業性を改善することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体、(B)充填材、を含有する硬化
    性組成物であって、該組成物中の水分量が3000pp
    m以下であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体、(B)脱水処理を施した充填
    材、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    数平均分子量が500〜50000の範囲内にあり、主
    鎖の末端および/または側鎖の末端に、一般式(1)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
    数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    (R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換ある
    いは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガ
    ノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立に、水
    酸基または加水分解性基である。さらに、aは0、1、
    2、3のいずれかであり、bは0、1、2のいずれかで
    あり、aとbとが同時に0になることはない。また、m
    は0または1〜19の整数である)で表される加水分解
    性シリル基を、1分子あたり、1個以上有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分の飽和炭化水素系重合体が、
    イソブチレン系重合体であることを特徴とする請求項1
    〜3に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の充填材が、炭酸カルシウム
    であることを特徴とする請求項1〜4に記載の硬化性組
    成物。
  6. 【請求項6】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体100重量部に対して、(B)充
    填材10〜500重量部、を含有する硬化性組成物であ
    って、該組成物中の水分量が3000ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体100重量部に対して、(B)脱
    水処理を施した充填材10〜500重量部、を含有する
    ことを特徴とする請求項2〜6記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
    飽和炭化水素系重合体、(B)充填材、を含有する硬化
    性組成物中の水分量を低減させるための脱水処理を施す
    ことを特徴とする、該硬化性組成物の作業性改善方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006518797A (ja) * 2003-02-21 2006-08-17 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 水分架橋型ポリマー性組成物
JP2012517510A (ja) * 2009-02-13 2012-08-02 章建華 環境保護型セラミックス・プラスチック複合材料処方及びその製造方法

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