JP2640129B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2640129B2
JP2640129B2 JP23428388A JP23428388A JP2640129B2 JP 2640129 B2 JP2640129 B2 JP 2640129B2 JP 23428388 A JP23428388 A JP 23428388A JP 23428388 A JP23428388 A JP 23428388A JP 2640129 B2 JP2640129 B2 JP 2640129B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
composition according
carbon atoms
hydrolyzable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23428388A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01252670A (ja
Inventor
浩二 野田
正能 今中
博 藤沢
宏 若林
孝尚 岩原
克彦 諫山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP23428388A priority Critical patent/JP2640129B2/ja
Publication of JPH01252670A publication Critical patent/JPH01252670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2640129B2 publication Critical patent/JP2640129B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
従来の技術及びその問題点 珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、
シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素原
子含有基(以下「反応性珪素基」という)を分子末端に
有するオキシアルキレン系重合体は既に知られており、
常温でも湿分によって硬化し、ゴム状硬化物が得られる
という興味ある性質を有しているため、多量に使用され
ている。しかしながら、該オキシアルキレン系重合体に
は、該重合体を硬化させて得られる硬化物の耐熱性、耐
水性、耐候性等の性能が不充分であるという問題があ
る。
このような問題を改善するため、例えば反応性珪素基
を分子末端に有するイソブチレン系重合体が検討されて
いる(特開昭63−6041号公報等参照)。しかしながら、
斯かるイソブチレン系重合体からの硬化物の耐熱性、耐
水性、耐候性、湿気遮断性等の性能は、上記オキシアル
キレン系重合体からの硬化物のそれに比して大幅に改善
されているものの、硬化物が良好なゴム弾性を有するに
は分子鎖を長くする必要があり、必然的に上記重合体の
粘度が高く、取扱い難いものになるという欠点があり、
施工性等の点から用途が限定される場合がある。またこ
の欠点を改善するため低粘度の重合体にすると、得られ
る硬化物の伸び特性が不足するを避け得なくなる。更に
該イソブチレン系重合体からの硬化物の湿気遮断性が良
好であるため、硬化に必要な湿気の供給が不充分とな
り、硬化性が低下するという問題が生ずる場合もある。
問題点を解決するための手段 本発明の目的は、上記のような従来の硬化性樹脂組成
物の有する問題を解消し、常温で空気中の水分等によっ
て速やかに硬化し、耐熱性、耐水性、耐候性等に優れ、
高強度、高伸び(低弾性率)のゴム状硬化物を与え得る
硬化性樹脂組成物であって、しかも該組成物の粘度が低
くて作業性の良好な硬化性樹脂組成物を提供することに
ある。
即ち、本発明は、 (A)反応性珪素基を少なくとも1個有する飽和炭化水
素系重合体、 (B)有機シリコン重合体 を含有してなる硬化性樹脂組成物に係る。
本発明において、(A)成分は反応性珪素基を少なく
とも1個有する飽和炭化水素系重合体である。
ここで反応性珪素基としては、特に限定されるもので
はないが、代表的なものを示すと、例えば一般式(1) 〔式中、R1及びR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラル
キル基又は (R′)3SiO−(R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素
基であり、3個のR′は同一であってもよく、異なって
いてもよい)で表わされるトリオルガノシロキシ基を示
し、R1又はR2が2個以上存在するとき、それらは同一で
あってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基又は加
水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それら
は同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、
1、2又は3を、bは0、1又は2をそれぞれ示す。ま
たm個の におけるbは同一である必要はない。mは0又は1〜19
の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するも
のとする。〕で表わされる基が挙げられる。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定さ
れず、従来公知の加水分解性基が包含され、具体的に
は、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ア
シルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド
基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アル
ケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうちでは、水
素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメー
ト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプ
ト基及びアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が
マイルドで取扱い易いという観点から、アルコキシ基が
特に好ましい。
該加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個
の範囲で結合することができ、(a+bの和)は1〜5
の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性珪素
基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。
前記反応性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよ
く、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等によ
り連結された珪素原子の場合には、20個程度まであって
もよい。特に一般式(2) 〔式中、R2、X及びaは前記と同じ。〕 で表わされる反応性珪素基が入手容易性の点から好まし
い。
また、上記一般式(1)におけるR1及びR2の具体例と
しては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等の
アリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R′がメ
チル基、フェニル基等である(R′)3SiO−で示されう
トリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中で
はメチル基が特に好ましい。
反応性珪素基は飽和炭化水素系重合体1分子中に少な
くとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。
分子中に含まれる反応性珪素基の数が1個未満になる
と、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現
し難くなる。
反応性珪素基は飽和炭化水素系重合体分子鎖の末端に
存在してもよく、内部に存在してもよく、或いは両方に
存在してもよい。特に反応性珪素基が分子鎖末端に存在
する場合には、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られ易くなる等
の点から好ましい。
本発明において(A)成分として用いられる反応系珪
素基を有する飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体
は、例えば下記(1)又は(2)の示す方法に従い製造
される。
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレ
ン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル
−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
ヘキセン、ビニルシクロヘキサン等の炭素数1〜6のオ
レフィン系化合物を主モノマーとして重合させる。ここ
でモノマーとしては、全てが上記オレフィン系化合物か
ら形成されていてもよく、オレフィン系化合物と共重合
性を有する他のモノマーを全モノマー中、好ましくは50
重量%(以下単に「%」と記す)以下、更に好ましくは
30%以下、特に好ましくは10%以下の範囲で含有するも
のであってもよい。オレフィン系化合物と共重合性を有
する他のモノマーとしては、例えばビニルエーテル類、
芳香族ビニル化合物類、ビニルシラン類、アリルシラン
類等が挙げられる。斯かるモノマーの具体例としては、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトリクロロシラン、ビ
ニルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、
アリルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
(2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物の単
独重合体や、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物
との共重合体を水素添加する。この方法によって得られ
た重合体の場合にも、前記他のモノマーに基因する単量
体単位が重合体中に同じような割合で存在してもよい。
特に原料の入手容易性及び易取扱性から、エチレン−
プロピレン共重合体、水添ポリブタジエン系重合体、水
添ポリイソプレン及びイソブチレン系重合体が好まし
い。
尚、本明細書にいう飽和炭化水素系重合体とは、芳香
環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重
合体を意味する概念である。
上記イソブチレン系重合体は、単量体単位の全てがイ
ソブチレン単位から形成されていてもよく、イソブチレ
ンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合
中の好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下、最
も好ましくは10%以下の範囲で含有してもよい。
斯かるイソブチレンと共重合性を有する単量体成分と
しては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエー
テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシ
ラン類等が挙げられる。より具体的には、例えば1−ブ
テン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネ
ン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチル
ジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニル
ジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジ
ビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジ
ビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。上記
イソブチレンと共重合性を有する単量体としてビニルシ
ラン類やアリルシラン類を使用すると、珪素含量が増加
し、シランカップリング剤として作用しうる基が多くな
り、得られる組成物の接着性が向上する。
また水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素
系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の場合
と同様に、主成分となる単量体の他にこれと共重合可能
な他の単量体単位を含有させてもよい。
また本発明に用いる飽和炭化水素系重合体には、本発
明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレン等
のポリエン化合物の如き重合後二重結合の残るような単
量体単位を少量、好ましくは10%以下、より好ましくは
5%以下、特に好ましくは1%以下の範囲で含有させて
もよい。
上記飽和炭化水素系重合体の数平均分子量は、500〜3
0000程度であるのが好ましく、特に1000〜25000程度の
液状物〜流動性を有するものが取扱い易さ等の点で好ま
しい。
次に反応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体の製
法について説明する。
上記飽和炭化水素系重合体への反応性珪素基の導入
は、公知の方法で行なえばよく、例えば末端又は主鎖中
に水酸基や無水物基等の官能基を有する飽和炭化水素系
重合体に、上記官能基に対して反応性を示す活性基及び
不飽和基を有する有機化合物を反応させ、次いで得られ
る反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作
用させてヒドロシリル化すればよい。
イソブチレン系重合体及び水添ポリブタジエン系重合
体への反応性珪素基の導入方法について、具体的に説明
する。
上記反応性珪素基を有するイソブチレン系重合体のう
ち、分子鎖末端に反応性珪素基を有するイソブチレン系
重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法(イニファー
と呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物
を用いるカチオン重合法)で得られた末端官能型、好ま
しくは全末端官能型イソブチレン系重合体を用いて製造
することができる。このような製造法は、例えば特開昭
63−6041号公報、同63−6003号公報等の公報や、特願昭
62−90078号、同62−179733号、同62−194838号の各明
細書等に記載されている。
また分子鎖内部に反応性珪素基を有するイソブチレン
系重合体は、イソブチレンを主体とする単量体中に反応
性珪素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類を添
加し、共重合せしめることにより製造される。
更に分子鎖末端に反応性珪素基を有するイソブチレン
系重合体を製造する際の重合に際して、主成分であるイ
ソブチレンに反応性珪素基を有するビニルシラン類やア
リルシラン類を共重合体せしめたのち末端に上記の方法
で反応性珪素基を導入することにより、末端及び分子鎖
内部に反応性珪素基を有するイソブチレン系重合体が製
造される。
ここで反応性珪素基を有するビニルシラン類やアリル
シラン類の具体例としては、例えばビニルトリクロロシ
ラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルク
ロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニル
ジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルト
リクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリル
ジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
上記のように反応性珪素基を有するイソブチレン系重
合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中に実質的に含
有しないものであるため、該イソブチレン系重合体が配
合された本発明組成物は、不飽和結合を有する有機系重
合体やオキシアルキレン系重合体のような従来のゴム系
重合体が配合された組成物等に比して、硬化物の耐候性
が顕著に向上する。また、該イソブチレン系重合体は炭
化水素系重合体であるので湿気遮断性や耐水性に優れ、
ガラス、アルミ等の各種無機質基材に対して優れた接着
性能を有すると共に、湿気透過性の低い硬化物になり得
る。
上記水添ポリブタジエン系重合体又は水添ポリイソプ
レンは、例えばまず末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン
系重合体又は末端ヒドロキシ水添ポリイソプレンの水酸
基を−ONaや−OK等のオキシメタル基に変換した後、こ
れに一般式(3) CH2=CH−R7−Y (3) 〔式中、Yは塩素原子、沃素原子等のハロゲン原子、R7
は−R8−、−R8 又は (ここでR8は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、好ま
しくはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基)で示される2価の有機基で、 −CH2−、 (R″は炭素数1〜10の炭化水素基)より選ばれた2価
の基が好ましい。〕 で表わされる有機ハロゲン化合物を反応させることによ
り、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン重合
体(以下「末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合
体」ともいう)や末端オレフィン基を有する水添ポリイ
ソプレン(以下「末端オレフィン水添ポリイソプレン」
ともいう)が製造される。
末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体や末端ヒ
ドロキシ水添ポリイソプレンの末端水酸基をオキシメタ
ル基に変換する方法としては、ナトリウム、カリウムの
如きアルカリ金属;水素化ナトリウムの如き金属水素化
物;ナトリウムメトキシドの如き金属アルコキシド;苛
性ソーダ、苛性カリの如き苛性アルカリ等を、上記末端
水酸基に反応させる方法等が挙げられる。
上記の方法によれば、出発原料として使用した末端ヒ
ドロキシ水添ポリブタジエン系重合体等とほぼ同じ分子
量を持つ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体等
が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合に
は、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させる前
に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビ
ス(クロロメチル)エーテル等の如き、1分子中にハロ
ゲン原子を2個以上含む多価有機ハロゲン化合物を上記
重合体に反応させれば分子量を増大させることができ、
その後一般式(3)の有機ハロゲン化合物と反応させれ
ば、より高分子量で且つ末端にオレフィン基を有する水
添ポリブタジエン系重合体等を得ることができる。
上記一般式(3)の有機ハロゲン化合物としては、従
来公知のものを広く使用でき、具体的にはアリルクロラ
イド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベン
ゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロ
モメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテ
ル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル
(クロロメチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメ
トキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベン
ゼン等を例示できる。これらのうちでは、アリルクロラ
イドが安価で且つ反応性が大である点で好適である。
上記末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体又は
末端オレフィン水添ポリイソプレンへの反応性珪素基の
導入は、分子鎖末端に反応性珪素基を有するイソブチレ
ン重合体の場合と同様、例えば一般式(1)で表わされ
る基に水素原子が結合したヒドロシラン化合物、好まし
くは一般式(4) 〔式中、R2、X及びaは前記に同じ。〕 で表わされる化合物を白金系触媒を用いて付加反応をさ
せることにより行なわれる。
上記一般式(1)で表わされる基に水素原子が結合し
たヒドロシラン化合物としては、従来公知のものを広く
使用でき、具体的にはトリクロロシラン、エチルジクロ
ロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシ
ランの如きハロゲン化シラン類;エトキシシラン、トリ
エトキシシラン、エチルジエトキシシラン、メチルジエ
トキシシラン、フェニルジメトキシシランの如きアルコ
キシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジ
アセトキシシランの如きアシロキシシラン類;ビス(ジ
メチルケトキシエート)メチルシラン、ビス(シクロヘ
キシルケトキシメート)メチルシランの如きケトキシメ
ートシラン類等を例示できる。これらのうちでは特にハ
ロゲン化シラン類及びアルコキシシラン類が好ましい。
上記反応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体は、
1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよ
い。
本発明においては、耐熱性、耐候性、耐水性等が良好
で、高強度、高伸びのゴム状硬化物を与えるが、高粘度
で取扱い難いという問題を有する上記(A)成分の耐熱
性、耐候性、強度、伸び特性等を低下させずに、粘度を
下げて取扱い易くする、硬化を速くする、硬化後の表面
タック(べとつき)を解消する等のために、(B)成分
である有機シリコン重合体が配合される。
本発明において、有機シリコン重合体とは、有機基を
持つ珪素原子が酸素原子と交互に結合したシロキサン結
合を主骨格とする重合体であり、その代表例としては、
一般式(5) 〔式中、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって炭素数
1〜12の非加水分解性有機基又はX(Xは前記に同じ)
を示し、R3〜R6のうちの少なくとも1つは非加水分解性
有機基である、またR5及びR6は互いに結合して環を形成
してもよい、nは1〜5000の整数、好ましくは5〜100
の整数を示す。〕 で表わされる重合体が挙げられる。
ここで炭素数1〜12の非加水分解性有機基の具体例と
しては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等の
アリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられ
る。またXの具体例としては、上記一般式(1)におけ
るXの具体例と同じ基が挙げられる。更に、前記一般式
(5)におけるn個のR3又はn個のR4は同じ基である必
要はない。
本発明で用いられる有機シリコン重合体としては、特
公昭59−38987号公報、特開昭55−60558号公報、同55−
78055号公報、同57−145147号公報、同57−190043号公
報、同59−25837号公報、同61−23643号公報、「9586の
化学商品」(昭和61年1月30日化学工業日報社より発
行)の721〜727頁等に開示されている有機シリコン重合
体を広く使用でき、より具体的にはジメチルシルコーン
オイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコー
ンオイル;前記アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基等のオルガノ基を有するオルガノポ
リシロキサン等を例示できる。また、これらはそのまま
用いてもよいしアルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチ
レンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキ
シド−プロピレンオキシド共重合体、ポリブチレンオキ
シド、ポリテトラヒドロフラン等の有機重合体とからな
るブロック共重合体、グラフト共重合体等の共重合体と
して用いてもよい。また、斯かるシリコーンオイルやオ
ルガノポリシロキサンの共重合体に一般式(1)で表わ
される反応性珪素基の如き反応性珪素基を導入したもの
やメチル水素シリコーンオイルにおける水素原子のよう
な珪素原子に結合した加水分解性基や水酸基を有するオ
ルガノポリシロキサン等も、本発明の有機シリコン重合
体に包含される。
上記有機シリコン重合体のうちでは、液状物〜流動性
を有するものが取扱いが容易であるため、好適である。
また、前記有機シリコン重合体が珪素原子に結合した
水酸基や加水分解性基を有するものも、組成物の硬化時
に飽和炭化水素系重合体(A)と反応するため、有機シ
リコン重合体がブリードし難くなる、多く使用しても弾
性率や伸びを下げ過ぎず、表面タック(べとつき)を防
止し得る等の利点があるので好ましい。
上記オルガノポリシロキサンと有機重合体とからなる
共重合体は、例えば特開昭57−145147号公報等に記載の
方法等により合成し得るが、これらの方法に限定される
ものではない。
上記オルガノポリシロキサンの中でも、シラノール基
を2個以上有するポリシロキサンが特に好適である。斯
かるポリシロキサンを使用すれば、深部硬化性(厚手の
硬化物を得る場合、硬化物内部の硬化の進行のし易さ)
に特に優れ、しかも硬化物に優れた耐候性、耐熱性等を
賦与し得る硬化性樹脂組成物を得ることができる。
斯かるポリシロキサンは、通常市販されているものを
広く使用できるが、特に上記(A)成分と相溶性のある
ものとすれば、より安定した性能をもつ硬化物を得るこ
とができるので、比較的低分子量のもの、即ち1分子中
の珪素原子の数が50以下のものを使用するのが望まし
い。このようなポリシロキサンを具体的に示せば下記の
通りである。
〔上記各式において、Meはメチル基、Phはフェニル基で
あり、以下の実施例においても同じである。〕 上記有機シリコン重合体は、1種単独で、又は2種以
上混合して使用され得る。
上記有機シリコン重合体の配合量は、得られる組成物
の目的とする粘度、用いられる有機シリコン重合体の種
類等により異なり一概には言えないが、(A)成分100
重量部(以下単に「部」と記す)に対して、通常有機シ
リコン重合体を1〜1000部程度、好ましくは10〜150部
程度となるように、両者を配合するのがよい。
有機シリコン重合体としてシラノール基を2個以上有
するポリシロキサンを使用する場合には、(A)成分の
加水分解性基1個に対し、該ポリシロキサンの珪素原子
に結合する水酸基の数が0.1〜8個程度、好ましくは0.3
〜4個程度となるように、両者を配合するのがよい。本
発明では、特に(A)成分100部当り、上記ポリシロキ
サンを20〜120部程度配合するのが好ましく、25〜100部
程度配合するのが最も好ましい。該ポリシロキサンの配
合量が極端に少な過ぎると、深部硬化性の点で不充分な
樹脂組成物が得られるに止まるので、好ましくない。一
方逆に、該ポリシロキサンの配合量が極端に多過ぎる
と、得られる硬化物の引張特性が低下するので、好まし
くない。
本発明の組成物から得られる硬化物は、上記(A)成
分からの硬化物が有する耐候性、耐熱性、耐水性等が良
好で、高強度、高伸びという優れた特性を保持するもの
であり、更に(B)成分の作用により該組成物の粘度が
低下して作業性が良好となり、また硬化物の表面タック
(べとつき)を防止することができる。
尚、本発明では、上記有機シリコン重合体を、飽和炭
化水素系重合体に反応性珪素基を導入する際に、反応温
度の調節、反応系の粘度の調節等の目的で溶剤の代りに
使用することもできる。
本発明の組成物には、シラノール縮合反応を促進する
硬化触媒を配合するのが望ましい。斯かる硬化触媒とし
ては、従来公知のものを広く使用できる。その具体例と
しては、例えばテトラブチルチタネート、テトラプロピ
ルチタネート等のチタン酸エステル類;シブチルスズジ
ラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジ
アセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズ
カルボン酸塩類;シブチルスズオキサイドとフタル酸エ
ステルとの反応物;シブチルスズジアセチルアセトナー
ト;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミ
ニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポシ
アルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニ
ウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナー
ト、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化
合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミ
ン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シク
ロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプ
ロピルアミン、キシレンジアミン、トリエチレンジアミ
ン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、
N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(DBU)等のアミン系化合物、或いはこれらのカルボン
酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られ
る低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキ
シ化合物との反応生成物;アミノ基を有するシランカッ
プリング剤、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等のシラノール縮合触媒、更には他の
酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等
が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。硬化触媒を用いる場合、その
配合量は、(A)成分100部当り、通常0.1〜20部程度、
好ましくは1〜10部程度がよい。(A)成分に対する硬
化触媒の配合量が少な過ぎると、得られる樹脂組成物の
硬化速度が遅くなり、一方多過ぎると、得られる硬化物
の引張特性等の物性が低下するので、いずれも好ましく
ない。
本発明の組成物には、更に接着性改良剤、物性調整
剤、保存安定性改良剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、
紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、光
安定剤、アミン系ラジカル連鎖禁止剤、リン系過酸化物
分解剤、滑剤、顔料、発泡剤等の各種添加剤を適宜添加
できる。
ここで接着性改良剤としては、一般に用いられている
接着剤やアミノシラン化合物、エポキシシラン化合物等
のシランカップリング剤、その他の化合物を用いること
ができる。このような接着性改良剤の具体例としては、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、クマロン−インデン樹
脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、
α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエ
チルメチルスチレン、アルキルチタネート類、芳香族ポ
リイソシアネート等を挙げることができる。接着性改良
剤を配合する場合、その配合量は、(A)成分及び
(B)成分の総量100部当り、1〜50部程度が好まし
く、5〜30部程度がより好ましい。
保存安定性改良剤としては、例えば珪素原子に加水分
解性基が結合した化合物やオルト有機酸エステル等を挙
げることができる。このような保存安定性改良剤の具体
例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルイ
ソブトキシシラン、トリメチル(n−ブトキシ)シラ
ン、n−ブチルトリメトキシシランやオルトギ酸メチル
等を挙げることができる。保存安定性改良剤を配合する
場合、その配合量としては、(A)成分及び(B)成分
の総量100部当り、0.5〜2部程度が好ましく、1〜10部
程度がより好ましい。
可塑剤も特に限定されるものではなく、通常用いられ
ている可塑剤がいずれも使用できるが、本発明の組成物
に配合される各種成分と相溶性のよいものが好ましい。
このような可塑剤の具体例としては、例えばポリブテ
ン、水添ポリブデン、エチレン−α−オレフィンオリゴ
マー、α−メチルスチレンオリゴマー、ビフェニル、ト
リフェニル、トリアリールジメタン、アルキレントリフ
ェニル、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエ
ン、アルキルジフェニル、部分水素添加ターフェニル、
パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレ
ン等の炭化水素系化合物類;塩化パラフィン類;ジブチ
ルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチル
ヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブ
チルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル
類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の
非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレングリコールベ
ンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等
のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エ
ステル類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。これらの中で不飽和基を
有さない炭化水素系化合物類(具体的には水添ポリブデ
ン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン
油、アタクチックポリプロピレン等)が、本発明組成物
に配合される各種成分との相溶性が良好であり、また該
組成物の硬化速度への影響が小さく、しかも得られる硬
化物の耐候性が良好となり、且つ安価なため、好まし
い。これらの可塑剤は、飽和炭化水素系重合体に反応性
珪素基を導入する際に、反応温度の調節、反応系の粘度
の調節等の目的で溶剤の代りに用いてもよい。可塑剤を
配合する場合、その配合量は、(A)成分及び(B)成
分の総量100部当り、10〜500部程度が好ましく、20〜30
0部程度がより好ましい。
充填剤の具体例としては、例えば木粉、パルプ、木綿
チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、
クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、珪藻土、白土、
ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水珪酸、カーボンブ
ラック、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタ
ン、炭酸マグネシウム、石英、アルミニウム微粉末、フ
リント粉末、亜鉛末等が挙げられる。これら充填剤のう
ちでは、沈降性シリカ、ヒュームシリカ、カーボンブラ
ック等のチキソトロピック性を有する充填剤や、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。充填剤を
配合する場合、その配合量は、(A)成分及び(B)成
分の総量100部当り、10〜500部程度が好ましく、20〜30
0部程度がより好ましい。
老化防止剤としては、通常用いられている公知の老化
防止剤、例えば硫黄系老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫
外線吸収剤等が挙げられる。
硫黄系老化防止剤としては、例えばメルカプタン類、
メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類
やヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィ
ド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオ
ウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、
チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、
メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオ
アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。斯かる硫黄
系老化防止剤の具体例としては、メルカプタン類である
2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプタンの塩類
である2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、スル
フィド類である4,4′−チオ−ビス(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(2−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオ−ビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジ
ル)スルフィド、テレフタロイルジ(2,6−ジメチル−
4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)スルフィ
ド、フェノチアジン、2,2′−チオ−ビス(4−オクチ
ルフェノール)ニッケル、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチ
ルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオ
ネート、ジステアリルβ,β′−チオジブチレート、ラ
ウリル−ステアリルチオジプロピオネート、2,2−チオ
〔ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェノール)プロピオネート〕、ポリスルフ
ィド類である2−ベンゾチアゾールジスルフィド、ジチ
オカルボン酸塩類であるチンクジブチルジチオカルバメ
ート、チンクジエチルジチオカルバメート、ニッケルジ
ブチルジチオカルバメート、チンクジ−n−ブチルジチ
オカルバメート、ジブチルアンモニウムジブチルジチオ
カルバメート、チンクエチル−フェニル−ジチオカルバ
メート、チンクジメチルジオカルバメート、チオウレア
類である1−ブチル−3−オキシ−ジエチレン−2−チ
オウレア、ジ−o−トリル−チオウレア、エチレンチオ
ウレア、チオホスウェイト類であるトリラウリルトリチ
オホスフェイト等を挙げることができる。斯かる硫黄系
老化防止剤は、他の老化防止剤に比べて本発明の組成物
に用いた場合、主鎖の熱による分解劣化を大巾に防止す
ることができ、表面タック(べとつき)の発生等を防止
することができる。
前記ラジカル禁止剤としては、例えば2,2−メチレン
−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テ
トラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のフ
ェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチル
アミン、α−ナフチルアミン、N,N′−sec−ブチル−p
−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフ
ェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル
禁止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ン)セバケート等が挙げられる。
上記老化防止剤を配合する場合、その配合量は、
(A)成分100部当り、0.1〜20部程度が好ましく、1〜
10部程度がより好ましい。
発明の効果 本発明の硬化性樹脂組成物は、作業性が良好であり、
耐候性、耐熱性、耐水性、強度、伸び特性等が顕著に優
れた硬化物を得ることができる。またシラノール基を2
個以上有するポリシロキサンを用いる場合、組成物の深
部硬化性が特に優れているという利点がある。それ故、
本発明の組成物は、シーリング剤、接着剤、塗料、防水
剤、吹付剤、型取り用材料、注型ゴム材料等として好適
に使用され得る。
実 施 例 本発明をより一層明らかにするため、以下に製造例、
実施例及び比較列を掲げる。
製造例1 p−ジクミルクロリドに三塩化硼素を触媒としてイソ
ブチレンを重合させた後、脱塩化水素して製造した両末
端に約92%の割合で、イソプロペニル基を有する分子量
が約5000のイソブチレン系重合体200g及びトルエン10g
を500mlの4つ口フラスコに秤取し、90℃で2時間減圧
脱気した。次に窒素雰囲気下、室温で乾燥ヘプタン120m
l、メチルジクロロシラン11.5g及び塩化白金酸触媒溶液
0.1ml(H2PtCl6・6H2O 1gを1,2−ジメトキシエタン9g及
びエタノール1gに溶解させた溶液)を加えた後、90℃で
12時間反応させた。
反応溶液中の上記イソブチレン系重合体の残存イソプ
ロペニル基の量をIRスペクトル分析法により定量したと
ころ、殆んど残存していなかった。
次にオルトギ酸メチル21.2g及びメタノール6.4gを加
え、70℃で3時間反応させた。この時点で反応系のpHは
約7になり、中性となった。揮発成分を減圧留去した
後、残留成分にヘキサン50mlを加えてよく撹拌し、不溶
成分を過により除去した。液からヘキサンを留去さ
せ、両末端に−Si(CH3)(OCH3基を有するイソブ
チレン系重合体を得た。
得られた重合体についてのNMRの分析の結果、分子末
端の約80%に−Si(CH3)(OCH3基が導入されてい
ることが判った。
製造例2 末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン(ポリテールHA、
三菱化成工業(株)製)800gに対し、ナトリウムメトキ
シドのメタノール溶液(濃度28%)176gを添加し、130
℃で脱揮しながら約5時間オキシメタル化反応を行っ
た。その後3−クロロ−2−メチル−1−プロペン99.1
gを添加し、90℃で3時間反応させた後精製した。
得られた液状ポリマーをNMR法及びGPC法で分析したと
ころ、全末端の76%にイソプロペニル基が導入された平
均分子量3500の重合体であった。
この重合体40g、塩化白金触媒溶液13.5μ(H2PtCl6
・6H2Oの0.2モル/のイソプロピルアルコール溶液)
及びメチルジクロロシラン4.6gを用い、製造例1と同様
にして85℃で8時間反応させた後、オルトギ酸メチル8.
7ml及びメタノール3.2mlを加えて70℃で3時間反応させ
た。
反応溶液中の残存イソプロペニル基の量をIRスペクト
ル分析法により定量したところ、殆んど残存していなか
った。またNMR法により反応性珪素基の定量をしたとこ
ろ、分子末端のイソプロペニル基のほぼ100%が(CH
3O)2Si(CH3)CH2CH(CH3)CH2O−基となっていること
が判った。
製造例3 末端ヒドロキシ水添ポリイソプレン(EPR、出光石油
化学(株)製)300gに対し、t−ブトキシカリウム48g
及びテトラヒドロフラン200mlを添加し、50℃で1時間
加熱し、オキシメタル化反応を行った。その後、アリル
クロライド47mlを添加し、50℃で1時間反応させた後精
製した。
得られた液状ポリマーをNMR法及びGPC法で分析したと
ころ、全末端の75%にアリル基が導入された平均分子量
2500の重合体であった。
この重合体100g及びトルエン5gを300mlの4つ口フラ
スコに秤採し、90℃で2時間減圧脱気した。次に窒素雰
囲気下、室温で塩化白金酸触媒溶液57μ(H2PtCl6・6
H2Oの0.19モル/エタノール溶液)を加えた後、加熱
しながらメチルジメトキシシラン14.6gを滴下しその後7
0℃で3時間反応させた。
反応溶液中の残存イソペニル基の量をIRスペクトル分
析法により定量したところ、殆んど残存していなかっ
た。またNMR法により反応性珪素基の定量をしたとこ
ろ、分子末端のイソプロペニル基のほぼ100%が(CH
3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2O−基となっていることが判っ
た。
実施例1〜8及び比較例1〜2 第1表に示す各成分を第1表に示す割合で配合して均
質な組成物を調製し、粘度を測定した。結果を第1表に
示す。
次に得られた組成物を厚さ3mmのシートになるように
流延して室温で4日間硬化させた後、50℃で4日間熟成
した。
得られた硬化後のシートのタック、耐熱性、耐候性を
評価した。また、硬化時間は別のサンプルで23℃におけ
る硬化状況を観察することにより行なった。結果を下記
第2表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩原 孝尚 大阪府枚方市牧野阪2丁目7―13 (72)発明者 諫山 克彦 兵庫県神戸市北区筑紫が丘4―8―7

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)珪素原子に結合した水酸基又は加水
    分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより
    架橋し得る珪素原子含有基を少なくとも1個有する飽和
    炭化水素系重合体、及び (B)有機シリコン重合体 を含有してなる硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記珪素原子含有基が一般式 〔式中、R1及びR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル
    基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラル
    キル基又は(R′)3SiO−(R′は炭素数1〜20の1価
    の炭化水素基であり、3個のR′は同一であってもよ
    く、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロ
    キシ基を示し、R1又はR2が2個以上存在するとき、それ
    らは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水
    酸基又は加水分解性基を示し、Xが2個以上存在すると
    き、それらは同一であってもよく、異なっていてもよ
    い。aは0、1、2又は3を、bは0、1又は2をそれ
    ぞれ示す。またm個の におけるbは同一である必要はない。mは0又は1〜19
    の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するも
    のとする。〕 で表わされる基である請求項記載の組成物。
  3. 【請求項3】一般式(1)中のXが水素原子、水酸基、
    アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、ア
    ミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基又は
    アルケニルオキシ基である請求項記載の組成物。
  4. 【請求項4】一般式(1)中のXがアルコキシ基である
    請求項記載の組成物。
  5. 【請求項5】上記飽和炭化水素系重合体がイソブチレン
    系重合体、水添ポリブタジエン系重合体、水添ポリイソ
    プレン及びエチレンプロピレン共重合体からなる群から
    選ばれた少なくとも一種である請求項、請求項又は
    請求項記載の組成物。
  6. 【請求項6】上記重合体の数平均分子量が500〜30000で
    ある請求項記載の組成物。
  7. 【請求項7】上記有機シリコン重合体が、一般式 〔式中、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって炭素数
    1〜12の非加水分解性有機基又はX(Xは水酸基又は加
    水分解性基)を示し、R3〜R6のうちの基の少なくとも1
    つは非加水分解性有機基である。またR5及びR6は互いに
    結合して環を形成してもよい。nは1〜5000の整数を示
    す。〕で表わされる重合体である請求項、請求項又
    は請求項記載の組成物。
  8. 【請求項8】上記有機シリコン重合体がシラノール基を
    2個以上有するポリシロキサンである請求項、請求項
    又は請求項記載の組成物。
JP23428388A 1987-12-24 1988-09-19 硬化性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2640129B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23428388A JP2640129B2 (ja) 1987-12-24 1988-09-19 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32793787 1987-12-24
JP62-327937 1987-12-24
JP23428388A JP2640129B2 (ja) 1987-12-24 1988-09-19 硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01252670A JPH01252670A (ja) 1989-10-09
JP2640129B2 true JP2640129B2 (ja) 1997-08-13

Family

ID=26531473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23428388A Expired - Lifetime JP2640129B2 (ja) 1987-12-24 1988-09-19 硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2640129B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120178868A1 (en) * 2009-09-16 2012-07-12 Mohamed Esseghir Crosslinked, Melt-Shapped Articles and Compositions for Producing Same

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6258878B1 (en) 1999-03-29 2001-07-10 Dow Corning Corporation One-part moisture-curable hydrocarbon polymer composition
CN1590457A (zh) * 2000-07-25 2005-03-09 三井化学株式会社 可固化组合物及其用途
US7176269B2 (en) 2000-07-25 2007-02-13 Mitsui Chemicals, Inc. Curable composition and its use
US20050288415A1 (en) * 2004-06-23 2005-12-29 Beers Melvin D Highly elastomeric and paintable silicone compositions
US10513609B2 (en) * 2013-06-25 2019-12-24 Dow Global Technologies Llc Polyolefin elastomer and polysiloxane blends

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120178868A1 (en) * 2009-09-16 2012-07-12 Mohamed Esseghir Crosslinked, Melt-Shapped Articles and Compositions for Producing Same
US20120178867A1 (en) * 2009-09-16 2012-07-12 Mohamed Esseghir Process for Producing Crosslinked, Melt-Shaped Articles
US8835548B2 (en) * 2009-09-16 2014-09-16 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Llc Process for producing crosslinked, melt-shaped articles
US9272469B2 (en) 2009-09-16 2016-03-01 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Llc Crosslinked, melt-shaped articles and compositions for producing same
US9387625B2 (en) 2009-09-16 2016-07-12 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Llc Process for producing crosslinked, melt-shaped articles
KR101740080B1 (ko) * 2009-09-16 2017-05-25 유니온 카바이드 케미칼즈 앤드 플라스틱스 테크날러지 엘엘씨 가교된 용융 성형 물품의 제조 방법
KR101768730B1 (ko) 2009-09-16 2017-08-16 유니온 카바이드 케미칼즈 앤드 플라스틱스 테크날러지 엘엘씨 가교된 용융 성형 물품 및 이를 제조하기 위한 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01252670A (ja) 1989-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5120379A (en) Sealant for double-layered glass
JP3315210B2 (ja) 硬化性組成物
JP2512468B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001323210A (ja) プライマー組成物および接着方法
JPH06172631A (ja) 硬化性組成物
JPH01149851A (ja) 硬化性密封剤組成物
JPH01168764A (ja) 硬化性組成物
US6426392B1 (en) Thermoplastic crosslinked product and heat-sensitive elastic adhesive
JP2640129B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
EP0931821A2 (en) Primer composition and method of effecting adhesion for sealing compositions
JP3844870B2 (ja) プライマー組成物および接着方法
JP2700265B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH01163255A (ja) 硬化性組成物
JPH08231758A (ja) 貯蔵安定性の改善された硬化性組成物
JP2602865B2 (ja) 硬化性組成物
JP2522809B2 (ja) 複層ガラス用シ―リング剤
JP2002105265A (ja) 一液型硬化性組成物
JP2013095861A (ja) 無溶剤一液型湿気硬化性組成物、この組成物からなるシール材及びこのシール材を用いた太陽電池モジュール
JPH0819270B2 (ja) 硬化性組成物
JPH0832833B2 (ja) 硬化性組成物
JP2711396B2 (ja) 硬化性樹脂組成物の深部硬化性を改善する方法
JP2001262040A (ja) プライマー組成物および接着方法
JPH0297562A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001288366A (ja) ホットメルト組成物
JP3368058B2 (ja) 硬化性組成物