JP3368043B2 - 電気絶縁材料用熱硬化性液状樹脂組成物 - Google Patents
電気絶縁材料用熱硬化性液状樹脂組成物Info
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Description
熱性、接着性に優れた熱硬化性液状樹脂組成物であっ
て、半導体素子のドリップコーティングやポッティング
用液状封止剤やコンデンサー等各種電子部品のポッティ
ング材、コーティング材等に好適に利用できる電気絶縁
材料用熱硬化性液状樹脂組成物に関する。
れる樹脂組成物としては、エポキシ樹脂やシリコン樹脂
が従来から使用されている。液状樹脂封止は、ガラス、
金属、セラミックを用いたハーメチックシール方式に比
較して経済的に有利なために、広くTCP、COB、I
Cカード、ハイブリッドIC等の封止に実用化されてい
る。
しくなる傾向にあり、低応力性、耐湿性、透湿性、耐熱
性、基材に対する接着性等が重要な特性となっている。
そこで、近年これらの特性が優れている樹脂組成物が多
く提案されているが、更に一段と半導体素子(チップ)
は大型化、高集積度化の傾向が高まり、従来の液状樹脂
組成物では対応しきれなくなってきた。即ち、従来のエ
ポキシ系封止材組成物で半導体の液状封止をした場合、
半導体チップと封止樹脂との熱膨脹係数の差に基づく熱
応力により、半導体チップの反り、クラックや、封止樹
脂のクラックが発生する等の問題が生じるようになっ
た。また、同時にこの熱応力によってアルミパッドのス
ライドやワイヤ剥れ、断線等の問題が生じるようになっ
た。
材料であるものの、透湿性や価格、接着性に問題があ
り、特に接着性に関しては被着体との接着性向上のため
種々の化合物を添加して接着性を付与するという提案が
行われてきた。特開平 3-37265号、特開平3-163183号、
特開平3-247686号、特開平 4-33982号の各公報がある
が、各種基材に対して充分な接着性を示すものは未だ見
出だされていない。従って、これらのことから低応力性
に優れ、更に透湿性、耐湿性、耐熱性及び各種基材との
接着性に優れた液状封止用の樹脂組成物の開発が望まれ
ていた。
事情に鑑み、これらの問題を解決して、透湿性、耐湿
性、耐熱性、低応力性と共に接着性にも優れた電気絶縁
材料を提供しようとするものである。
決するために鋭意検討を重ねた結果、下記の4成分であ
る(A)〜(D)を必須成分とするする硬化性組成物が
上記目的を達成することを見出だし、本発明を完成させ
たのである。
も2個の不飽和基を有し、数平均分子量が500〜6
0,000であり、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭
化水素である重合体、(B)分子中に少なくとも2個の
ヒドロシリル基を有し、分子量が30,000以下であ
る炭化水素系硬化剤、(C)ヒドロシリル化触媒、及び
(D)接着性付与剤を必須成分とする電気絶縁材料用熱
硬化性液状樹脂組成物である。
用いる(A)成分である飽和炭化水素系重合体の骨格と
なる重合体は、次の方法によって得ることができるもの
である。
ソブテン、2-ブテン、2-メチル−1-ブテン、3-メチル−
1-ブテン、ペンテン、4-メチル−1-ペンテン、ヘキセ
ン、ビニルシクロヘキサン等の炭素数が1〜6のオレフ
ィン系化合物を主単量体として重合させる方法。
化合物を単独重合させるか、上記オレフィン化合物とジ
エン系化合物とを共重合させたた後、水素添加する方
法。これらの重合体のうち、末端に官能基を導入し易
い、分子量を制御し易い、末端官能基の数を多くするこ
とができる等の点から、水添ポリイソプレン系重合体や
水添ポリブタジエン系重合体又はイソブテン系重合体で
あるのが好ましい。
リブタジエン系重合体は、主成分となる単量体の他に、
他の単量体単位を含有させてもよい。これは、他の飽和
炭化水素系重合体においても同様である。
和炭化水素系重合体には、本発明の目的が達成される範
囲で、ブタジエン、イソプレン、1,9-デカジエン、1,5-
ヘキサジエン等のポリエン化合物のような重合後に二重
結合が残る単量体単位を少量、好ましくは10%以下の
範囲で含有させてもよい。
は、500〜60,000であるのが好ましく、特に
1,000〜15,000程度の流動性を有する液状体
であるものが取扱い等の点から好ましい。数平均分子量
が500未満であると、硬化物の物性が本発明の目的に
合わなくなり、60,000を超えると作業性が悪くな
る。
系重合体の不飽和基の数は、2個以上が好ましい。2個
より小さいと硬化が遅く硬化不良を起こす場合がある。
本発明の(A)成分として用いる飽和炭化水素系重合体
に不飽和基を導入する方法については、種々提案されて
いるものを用いることができるが、重合後に導入する方
法と、重合中に導入する方法とに大別することができ
る。
は、例えば末端又は側鎖の水酸基を−ONaや−OK等
のオキシメタル基にした後、一般式(I) CH2 =C(−R10)−R11−X (I) で示される有機ハロゲン化合物を反応させることによ
り、不飽和基を有する飽和炭化水素系重合体が製造され
る。
素原子等のハロゲン原子であり、R10は水素又は炭素数
が1から20の1価の炭化水素基であり、 R11は、−R12−、−R12−OC(=O)−又は−R12
−C(=O)− (R12は、炭素数が1から20の2価の炭化水素基であ
り、好ましい具体例としてはアルキレン基、シクロアル
キレン基、アリ−レン基、アラルキレン基が挙げられ
る。)で示される2値の有機基であり、そのうちで、 −CH2 −、又は −R13−Ph−CH2 − (式中、R13は炭素数が1から10の炭化水素基であ
り、Phはフェニル基である。)から選ばれる2価の基
であることが特に好ましい。
する方法としては、Na、Kのようなアルカリ金属;N
aHのような金属水素化物;NaOCH3 のような金属
アルコキシド;NaOH、KOHのようなアルカリ等と
反応させる方法を挙げることができる。
いた水酸基含有飽和炭化水素系重合体とほぼ同じ分子量
を持つ不飽和基含有飽和炭化水素系重合体が得られる。
より高分子量の重合体を得るためには、一般式(I)の
有機ハロゲン化合物を反応させる前に塩化メチレン、ビ
ス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)エ
ーテル等の1分子中にハロゲン原子を2個以上含む多価
有機ハロゲン化合物と反応させて分子量を増大させた
後、一般式(I)で示される有機ハロゲン化合物と反応
させると、より高分子量である不飽和基含有飽和炭化水
素系重合体を得ることができる。
化合物の具体例としては、アリルクロライド、アリルブ
ロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル
(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベ
ンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(ク
ロロメトキシ)ベンゼン、1-ブテニル(クロロメチル)
エーテル、1-ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、
アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等を挙げること
ができるが、それらに限定されるものではない。これら
のうちでは、安価でかつ容易に反応することからアリル
クロライドが好ましい。
は、例えば、開始剤兼連鎖移動剤を用いる米国特許第
4,316,973号明細書に開示された方法や、特開昭 63-105
005号公報に開示された方法を用いることができる。
とも2個のヒドロシリル基を有する炭化水素系硬化剤と
しては、特に制限はないが、一般式(II) R14Xb (II) (式中、R14は炭素数2から150の1〜4価の炭化水
素基であり、Xは少なくとも1個のヒドロシル基を有す
る基であり、bは1〜4の整数である。)で示される分
子量が30,000以下の炭化水素系硬化剤を用いるこ
とができる。
る基を、具体的に例示すると次のような基が挙げられ
る。例えば、−Si(H)n (CH3 )3-n 、−Si
(H)n (C2 H5 )3-n 、−Si(H)n (C6 H
5 )3-n 、[n=1〜3の整数]、−SiH2 (C6 H
13)等の珪素原子1個だけを含有するヒドロシリル基、
−Si(CH3 )2 Si(CH3 )2 H、−Si(CH
3 )2 CH2 CH2 Si(CH3 )2 H、−Si(CH
3 )2 SiCH3 H2 、−Si(CH3 )2 −Ph−S
i(CH3 )2 H[Phはp-フェニレン基]、−Si
(CH3 )2 NHSi(CH3 )2 H、−Si(CH
3 )2 N[Si(CH3 )2 H]2 、−Si(CH3 )
2 OC(CH3 )=NSi(CH3 )2 H、−Si(C
H3 )2 N=C(CH3 )OSi(CH3 )2 H等の珪
素原子を2個以上含む基、
ドロジェンシロキサンから誘導された基等が挙げられ
る。
発明の(B)成分であるヒドロシリル基含有炭化水素系
硬化剤の各種有機重合体に対する相溶性を損なう可能性
が少ないという点から、ヒドロシリル基を構成する基の
部分の分子量は500以下であることが望ましく、更に
ヒドロシリル基の反応性も考慮すると、次に挙げる基が
好ましい。
剤、即ち一般式(II)の化合物にに含まれるヒドロシ
リル基は、少なくとも1分子中に2個あればよいが、2
〜15個であることが好ましく、3〜12個であること
が特に好ましい。同一分子中に存在するヒドロシリル基
含有基は、互いに同一でも異なっていてもよい。本発明
の組成物をヒドロシリル化反応で硬化させるときに、該
ヒドロシリル基の個数が2より少ないと硬化が遅く硬化
不良を起こす場合がある。また、該ヒドロシリル基の個
数が15より多くなると(B)成分である硬化剤の安定
性が悪くなり、そのうえ硬化後も多量のヒドロシリル基
が硬化物中に残存して、ボイドやクラックの原因とな
る。
水素系硬化剤の量については、少なすぎたり、多すぎた
りすると硬化不良や硬化物物性が目的に合わなくなるこ
とから、(A)成分の不飽和基に対する(B)成分中の
ヒドロシリル基の比率がモル比で0.02〜2であるの
が好ましい。
炭化水素系硬化剤の製造方法としては、特に制限はな
く、種々提案されている任意の方法を用いることができ
る。例えば、(i) 分子内にSi−Cl基を持つ炭化水素
系化合物をLiAlH4 、NaBH4等の還元剤で処理
して該化合物のSi−Cl基をSi−H基に還元する方
法、(ii)分子内にある官能基Xを持つ炭化水素系化合物
と、分子内に上記官能基と反応する官能基Y及びヒドロ
シリル基を同一分子内に持つ化合物とを反応させる方
法、(iii) 不飽和基を有する炭化水素系化合物に対して
少なくとも2個のヒドロシリル基を持つポリヒドロシラ
ン化合物を選択ヒドロシリル化することによって反応後
もヒドロシリル基を該炭化水素系化合物の分子中に残存
させる方法等を例示することができる。
ため好適に用いられる。この場合、ポリヒドロシラン化
合物の一部のヒドロシリル基が2個以上炭化水素系化合
物の不飽和基と反応して分子量が増大する場合がある
が、このような炭化水素系化合物を(B)成分として用
いても差支えはない。
触媒としては、特に制限はなく、任意のヒドロシリル化
触媒を用いることができる。具体的に例示すると、白金
の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の単体
に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン
錯体(例えば、Ptn (ViMe2 SiOSiMe2 V
i)m 、Pt[(MeViSiO)4 ]m );白金−ホ
スフィン錯体(例えば、Pt(PPh3 )4 、Pt(P
Bu3 )4 );白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt
[P(OPh)3 ]4 、P(OBu)3]4 );[これ
らの式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビ
ニル基、Phはフェニル基を表し、m、nは整数を表
す]、Pt(acac)2 、またアシュビー(Ashby) の
米国特許第 3,159,601号及び 3,159,662号明細書に記載
された白金−炭化水素複合体、並びにラモロー(Lamorea
ux) の米国特許第 3,220,972号明細書に記載された白金
アルコラート触媒も挙げられる。
は、Rh/Al2 O3 等が挙げられる。これらの触媒は
単独で使用しても良く、2種以上併用することもでき
る。触媒活性の点から、白金−オレフィン錯体、白金−
ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2 が好まし
い。
は、特に制限はないが、(A)成分中の不飽和基1モル
に対して、10-1〜10-8モルの範囲で用いるのが良
い。好ましくは10-3〜10-6モルの範囲で用いるのが
良い。
しては、次に示す化合物であることが好ましく、付加型
硬化させる際の硬化障害の問題もなく使用することがで
きる。
換の2価の有機基であり、R2 は次の構造式
素又は炭素数が1から10の1価の有機基であり、R
5 、R6 、R7 は水素又は炭素数が1から20の置換又
は非置換の1価の有機基であって、それぞれ同一でも異
なっていてもよく、R8 は水素又は炭素数が1から10
の置換又は非置換の1価の有機基であり、R9 はアルコ
キシ基である。aは1又は2である。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、アラルキレン基等である。R3 とし
て好ましい基は、アルキレン基、アルキレンオキシ基、
シクロアルキレン基、アルケニレン基、アルケニレンオ
キシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、アラルキ
レン基、アラルキレンオキシ基等である。R4 として好
ましい基は、水素、アルキル基、アリール基、アラルキ
ル基等である。R5 、R6 、R7 として好ましい基は、
水素、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アルケニルオキシ基、アリール基、アリ
ールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、グ
リシジル基、アルキルヒドロキシド等である。本発明の
(D)成分として使用することができる接着性付与剤
は、より具体的には、次の化合物を挙げることができ
る。
はないが、(A)成分重合体100重量部に対し0.0
1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で
使用される。
成分及び(D)成分を混合した液状樹脂組成物を、加熱
すると硬化物が得られる。硬化条件については、特に制
限はないが、一般に30〜200℃、好ましくは50〜
150℃で10秒乃至4時間程度が好ましい。特に、8
0〜150℃での高温では10秒乃至1時間程度の短時
間で硬化物が得られることもある。
要に応じて各種配合物を添加することもできる。その
際、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成
分の必須4成分の合計量に対する割合は、10%以上、
更に30%以上とすることが好ましい。添加成分の例と
しては、可塑剤、接着性改良剤、保存安定性改良剤、充
填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オ
ゾン劣化防止剤、耐光安定化剤、ラジカル重合禁止剤、
過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤等を挙げることが
できる。
る可塑剤を使用することができるが、本発明に用いる炭
化水素系重合体と相溶性の良いものであることが好まし
い。具体的には、例えば、ポリブテン、水添ポリブテ
ン、α−メチルスチレンオリゴマー、ビフェニル、トリ
フェニル、トリアリールジメタン、アルキレントリフェ
ニル、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、アルキル
ジフェニル、部分水素添加ターフェニル、パラフィン
油、ナフテン油、アタクティックポリプロピレン等であ
り、これらのなかでも不飽和結合を含まない水添ポリブ
テン、水添ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン
油、アタクティックポリプロピレン等の炭化水素系化合
物が好ましい。
タレート、ジヘプチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキシ
ル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフ
タリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル接着剤
や、エポキシシラン系化合物やビニルシラン系化合物等
を用いることができる。また、クマロン−インデン樹
脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂等
の粘着付与剤や、α−メチルスチレン−ビニルトルエン
共重合体、ポリエチルメチルスチレン、アルキルチタネ
ート類、芳香族イソシアネート等も用いることができ
る。
成分の触媒活性を室温保存時のみ制御するものが好まし
く、具体的には、例えば、2-ベンゾチアゾリルサルファ
イド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチ
レンジカルボキシレート、ジエチルアセチレンジカルボ
キシレート、BHT、ブチルヒドロキシアニソール、ビ
タミンE、3-メチル−1-ブテン−3-オール、アセチレン
性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコ
ール、3-メチル−1-ブチン−3-オール、3-メチル−1-ペ
ンチン−3-オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレ
ート、ジエチルフマレート、ジエチルマレート等を用い
ることができる。保存安定性改良剤を用いる場合の使用
量は、触媒1モルに対して0.1〜1,000モル、好
ましくは1〜200モルである。保存安定性改良剤の使
用量が、上記の上限を超えた場合には、硬化遅延が起こ
るばかりでなく、硬化不良を起こし、硬化物に要求され
る物性を満足させることができない。逆に、保存安定性
改良剤の使用量が、上記の下限を下回った場合には、組
成物の保存安定性を改良するという目的を達成すること
ができない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 製造例1 アリル末端水添ポリイソプレンオリゴマーの合成 両末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレン(出光
石油化学(株)製、商品名エポール)300g にトルエ
ン50mLを加え、共沸脱気によって脱水した。t-BuO
K48g をトルエン200mLに溶解したものを注入し、
80℃で3時間反応させた。温度を60℃に下げ、アリ
ルクロライド47mLを約30分間かけて滴下した。滴下
終了後、そのままの温度で2時間反応させた。反応終了
後、生成した塩を吸着させるために反応溶液に珪酸アル
ミニウム30g を加え、2時間撹拌した。濾過精製によ
って、約250g のアリル末端水添ポリイソプレンを粘
稠な液体として得た。 1H−NMR分析により末端の9
0%にアリル基の導入されていることが確認された。沃
素価から求めたオレフィンのモル数は、0.11モル/
100g であった。元素分析から求めた塩素含量は0.
1%未満であった。また、E型粘度計による粘度は約3
30ポイズ(23℃)であった。
物性値は、エポールの技術資料によると、水酸基含有量
(meq/g) が0.90であり、粘度(poise/30℃)が70
0であり、平均分子量( VPO測定)が2500である。 製造例2 アリル末端水添ポリブタジエンオリゴマーの合成 両末端に水酸基を有する水素添加ポリブタジエン(三菱
化成(株)製、商品名ポリテール)300g にトルエン
50mLを加え、共沸脱気によって脱水した。t-BuOK
41g をトルエン200mLに溶解したものを注入し、8
0℃で3時間反応させた。温度を60℃に下げ、アリル
クロライド40mLを約30分間かけて滴下した。滴下終
了後、そのままの温度で2時間反応させた。反応終了
後、生成した塩を吸着させるために反応溶液に珪酸アル
ミニウム30g を加え、2時間撹拌した。濾過精製によ
って、約240g のアリル末端水添ポリブタジエンを粘
稠な液体として得た。 1H−NMR分析により末端の8
5%にアリル基の導入されていることが確認された。沃
素価から求めたオレフィンのモル数は、0.10モル/
100g であった。元素分析から求めた塩素含量は0.
1%未満であった。また、E型粘度計による粘度は約3
00ポイズ(23℃)であった。
的物性値は、ポリテールの技術資料によると、水酸基含
有量(meq/g) が0.73〜0.98であり、粘度(po
ise/30℃)が500〜1500であり、粘度(p
oise/80℃)が6〜19であり、密度(g/cm3 )
が0.87(25℃)である。 製造例3 不飽和末端水添ポリイソブテンオリゴマーの合成 1L の耐圧ガラスオートクレーブに撹拌用羽根、三方コ
ック及び真空ラインを取付けて、真空ラインで真空にし
ながら、重合容器を100℃で1時間加熱することによ
り乾燥させ、室温まで冷却後、三方コックを用いて窒素
で常圧に戻した。その後、三方コックの一方から窒素を
流しながら注射器を用いてオートクレーブに水素化カル
シウム処理によって乾燥させた主溶媒である1,1-ジクロ
ロエタン40mLを導入した。次いで、蒸留・精製したア
リルトリメチルシラン5 mモルを添加し、更にトリクミ
ルクロライド2mモルを溶解させた10mLの1,1-ジクロ
ロエタン溶液を添加した。
過させることにより脱水したイソブテン7g が入ってい
るニードルバルブ付き耐圧ガラス製液化ガス採取管を三
方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライア
イス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しな
がら1時間冷却した。冷却後、真空ラインによって内部
を減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブテンを耐
圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。そ
の後、三方コックの一方から窒素を流すことによって常
圧に戻し、更に撹拌下1時間冷却を続けて重合容器内を
−10℃まで昇温した。
ル)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより反応を終了させ
た。その後、反応混合物をナス型フラスコに取出し、未
反応のイソブテン、1,1-ジクロロエタン、アリルトリメ
チルシラン及びメタノールを留去し残ったオリゴマーを
100mLのn-ヘキサンに溶解後、中性になるまでこの溶
液の水洗を繰返した。その後、このn-ヘキサン溶液を2
0mLまで濃縮し、この濃縮溶液を300mLのアセトンに
注ぎ込むことによってオリゴマーを沈殿分離させた。
0mLのn-ヘキサンに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濾過し、n-ヘキサンを減圧留去することによって
イソブテン系オリゴマーを得た。 製造例4 ヒドロシリル基含有炭化水素系硬化剤の合成 撹拌棒、滴下漏斗、温度計、三方コック、冷却管を備え
付けた300mLの4つ口フラスコを準備した。窒素雰囲
気下で環状ポリシロキサン(信越化学(株)製、LS8
600)を12.0g (50mモル)及びトルエン20
mLをフラスコ内に仕込んだ。1,9-デカジエン2.76g
(20mモル)、白金触媒溶液(Pt(acac)2 の
1g をトルエン99g に溶解した溶液)200μL をト
ルエン30mLに溶解して滴下漏斗内に仕込んだ。滴下終
了後、50℃で更に1時間反応させた。IRスペクトル
を測定して1640cm-1付近のオレフィンに基づく吸収
が消失した時点で反応を終了させた。反応が終了した
後、該トルエン溶液を塩化アンモニウム飽和水溶液10
0mLで2回、イオン交換水100mLで1回洗浄後、Na
2 SO4 で乾燥した。Na2 SO4 を濾過後、揮発成分
をエバポレートし、80℃で減圧脱気して、9.11g
の無色透明の液体を得た。該炭化水素系硬化剤のヒドロ
シリル基はIRスペクトルにより2170cm-1の吸収ピ
ークによって確認された。また、 1H−NMR分析によ
り該炭化水素系硬化剤は次に示す構造
i−H基の数を計算すると、0.77モル/100g で
あった。 実施例1〜3 製造例1、2又は3で得た(A)成分及び製造例4で得
た(B)成分を、(A)成分の不飽和基量と(B)成分
中のSi−H基量とが同じになるように秤量し、更に
(C)成分として白金−ビニルシロキサン触媒(キシレ
ン溶液)を、白金が(A)成分中の不飽和基に対して2
×10-4当量になるように秤量し、(D)成分としてト
リレンジイソシアネート(TDI)を(A)成分 ?1
00重量部?に対して1重量部添加し、均一に混合した
後、該組成物を各種基材の上に約200μm 厚で塗布
し、130℃で15分間加熱して硬化させた。
その結果を表1に示す。なお、剪断接着力は、JIS
K 6848に準じて、図1に示すように、被着体の間
に組成物を挟み硬化を行った試験片を作成し、図1に示
す方向に引っ張り破断するまでの最大荷重を測定し、こ
れを剪断接着力とした。 比較例1〜3 実施例1〜3において(D)成分を配合しなかった他
は、実施例1〜3を繰返し、各種基材に対する剪断接着
力を測定した。結果は表1に示す。
成物は、従来の反応性珪素基を有することによる特徴に
加えて、各種基材との接着性が良いために、従来は接着
力が不足して使用できなかった分野にも使用できること
が判る。
来の反応性珪素基を有することによる特徴に加えて、各
種基材との接着性が良いために、従来は接着力が不足し
て使用できなかった分野にも使用できるばかりでなく、
得られる硬化物はゴム状弾性体であるために、低熱応力
性であり、かつ透湿性、耐湿性、耐熱性、電気特性に優
れているおり、電気絶縁材料として広く利用することが
できる。
験方法を示す工程図。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)分子中に少なくとも2個のアルケ
ニル基を有し、数平均分子量が500〜60,000で
あり、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭化水素である
重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有
し、分子量が30,000以下である炭化水素系硬化
剤、 (C)ヒドロシリル化触媒、及び (D)次に示す化合物のうち少なくとも1種類を含む接
着性付与剤を必須成分とする電気絶縁材料用熱硬化性液
状樹脂組成物。 【化1】 式中、R1、R3は炭素数が1から20の置換又は非置換
の2価の有機基であり、R2は次の構造式 【化2】 を有するもの又はアルコキシシリル基であり、 R4は水素又は炭素数が1から10の1価の有機基であ
り、 R5、R6、R7は水素又は炭素数が1から20の置換又
は非置換の1価の有機基であって、それぞれ同一でも異
なっていてもよく、 R8は水素又は炭素数が1から10の置換又は非置換の
1価の有機基であり、 R9はアルコキシ基である。aは1又は2である。 - 【請求項2】(A)成分の主たる繰返し単位がイソプレ
ンに起因する請求項1に記載の電気絶縁材料用熱硬化性
液状樹脂組成物。 - 【請求項3】(A)成分の主たる繰返し単位がブタジエ
ンに起因する請求項1に記載の電気絶縁材料用熱硬化性
液状樹脂組成物。 - 【請求項4】(A)成分の主たる繰返し単位がイソブテ
ンに起因する請求項1に記載の電気絶縁材料用熱硬化性
液状樹脂組成物。 - 【請求項5】(A)成分のアルケニル基に対する(B)
成分中のヒドロシリル基の比率が、モル比で0.02〜
2である請求項1に記載の電気絶縁材料用熱硬化性液状
樹脂組成物。
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---|---|---|---|
JP09748794A JP3368043B2 (ja) | 1994-05-11 | 1994-05-11 | 電気絶縁材料用熱硬化性液状樹脂組成物 |
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JP09748794A JP3368043B2 (ja) | 1994-05-11 | 1994-05-11 | 電気絶縁材料用熱硬化性液状樹脂組成物 |
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JPH07304969A JPH07304969A (ja) | 1995-11-21 |
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-
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- 1994-05-11 JP JP09748794A patent/JP3368043B2/ja not_active Expired - Fee Related
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