JP3253999B2 - 粘着剤組成物 - Google Patents

粘着剤組成物

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JP3253999B2
JP3253999B2 JP04011592A JP4011592A JP3253999B2 JP 3253999 B2 JP3253999 B2 JP 3253999B2 JP 04011592 A JP04011592 A JP 04011592A JP 4011592 A JP4011592 A JP 4011592A JP 3253999 B2 JP3253999 B2 JP 3253999B2
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和秀 藤本
浩二 野田
正人 日下部
和弥 米沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着剤組成物に関する。
さらに詳しくは、分子中に少なくとも1個のアルケニル
基を有するポリエーテル系重合体、分子中に少なくとも
2個のヒドロシリル基を有する化合物、およびヒドロシ
リル化触媒を主成分とする、硬化速度及び貯蔵安定性を
バランスよく備えた、付加型硬化性の粘着剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤は感圧接着剤とも呼ばれ、指先で
押す程度の小さい圧力で対象物表面に容易に接着する性
質を有している。このような粘着剤は、例えば、セロハ
ンテープ、電気絶縁用ビニルテープ、マスキングテー
プ、粘着シート、粘着ラベルなどの粘着製品に使用され
ている。特に、ポリ塩化ビニル製の支持体を有する粘着
テープは、安価であること、優れた耐水性や電気特性を
有すること、などの種々の優れた特性を有するため多用
されている。
【0003】前記粘着テープに使用される粘着剤とし
て、天然ゴム、合成ゴムなどを主成分とするもの、およ
びアクリル酸エステル共重合体を主成分とするものが主
に使用されている。しかしながら、これらの粘着剤組成
物は、一般に熱、光などによって劣化しやすく、該粘着
剤組成物を用いた粘着製品を屋外で使用すると、耐候性
が不充分なため、末端剥がれ等が生じやすく、この結
果、粘着製品としての機能を充分に果たすことができな
い。この問題を解決するために、ケイ素原子に結合した
水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形
成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも
1個有する飽和炭化水素系重合体、および粘着付与樹脂
を含有してなる粘着剤組成物が開発されている(特開平
1−170681)。しかし、この粘着剤組成物は、官
能性シリル基の縮合反応によって硬化するので硬化速度
が遅く、ライン生産に不都合であるという問題点があっ
た。
【0004】この硬化速度が遅いという問題を解決する
ため、本発明者らは、(A)分子中に少なくとも1個の
アルケニル基を有する化合物、(B)分子中に少なくと
も2個のヒドロシリル基を含有する化合物、(C)ヒド
ロシリル化触媒及び(D)粘着付与樹脂からなる粘着剤
組成物を開発した(特願平2−268193号)。しか
し乍ら、上記(A)〜(D)成分のみでは、官能性アリ
ル性の付加反応によって硬化するので硬化速度が速く、
ライン生産性に適しているものの、貯蔵安定性が悪く室
温でも数時間で増粘、ゲル化が起きるという問題が生じ
た。
【0005】本発明は前記のごとき問題を解決し、硬化
速度が速く、しかも貯蔵安定性の良好な粘着剤組成物を
提供するためになされたものであり、下記の成分(A)
〜(E)を主成分として含有してなる粘着剤組成物を内
容とする。 (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する
ポリエーテル系重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
する化合物、 (C)ヒドロシリル化触媒、 (D)粘着付与樹脂、 (E)貯蔵安定性改良剤。
【0006】本発明の(A)成分である、分子中に少な
くとも1個のアルケニル基を有するポリエーテル系重合
体のアルケニル基としては特に制限はないが、式(I)
【0007】
【化1】
【0008】(式中、R1は水素またはメチル基)で示さ
れるアルケニル基が好適である。
【0009】(A)成分を具体的に記述すると、式(I
I)
【0010】
【化2】
【0011】(R1は水素またはメチル、R2は炭素数1〜
20の2価の炭化水素基で1個以上のエーテル結合が含
有されていてもよい。R3は脂肪族または芳香族の有機
基、aは正の整数。)で表されるエーテル結合を有する
化合物が挙げられる。
【0012】式(II)中、R2は炭素数1〜20の2価の
炭化水素基を表すが、R2の中には、1個以上のエーテル
結合が含有されていても構わない。具体的には、
【0013】
【化3】
【0014】などが挙げられる。合成上の容易さから−
CH2 −が好ましい。
【0015】式(II)中、R3は芳香族または脂肪族系の
有機基である。具体的に示すならば、
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】などが挙げられる。これらのうちで、下記
のものが好ましい。
【0020】
【化7】
【0021】R3は有機重合体であってもよく、各種のも
のを用いることができる。
【0022】まず、ポリエーテル系重合体としては、例
えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポ
リオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレン共重合体等が好適に使用される。その他
の主鎖骨格を持つ重合体としては、アジピン酸などの2
塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラクトン類の開
環重合で得られるポリエステル系重合体、エチレン−プ
ロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレン
とイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリ
イソプレン、イソプレンとブタジエン、アクリロニトリ
ル、スチレン等との共重合体、ポリブタジエン、ブタジ
エンとスチレン、アクリロニトリル等との共重合体、ポ
リイソプレン、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブ
タジエンとアクリロニトリル、スチレンなどとの共重合
体を水素添加して得られるポリオレフィン系重合体、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレートなどのモノマー
をラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステル、
エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリ
ル酸エステルと、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチ
ルメタクリレート、スチレンなどとのアクリル酸エステ
ル系共重合体、前記有機重合体中でのビニルモノマーを
重合して得られるグラフト重合体、ポリサルファイド系
重合体、ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン
6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によ
るナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸
の縮重合によるナイロン610、ε−アミノウンデカン
酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラク
タムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンの
うち、2成分以上の成分を有する共重合ナイロンなどの
ポリアミド系重合体、例えばビスフェノールAと塩化カ
ルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系
重合体、ジアリルフタレート系重合体などが例示され
る。
【0023】(A)成分として、アルケニル基をポリエ
ーテル系重合体に導入する方法については、種々提案さ
れているものを用いることができるが、重合後に導入す
る方法と重合中に導入する方法に大別することができ
る。
【0024】重合後にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えば末端、主鎖あるいは側鎖に水酸基、アルコ
キシド基等の官能基を有する重合体に、上記官能基に対
して反応性を示す活性基、及び、アルケニル基を有する
有機化合物を反応させることにより、アルケニル基を末
端、主鎖あるいは側鎖に導入することができる。上記官
能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有
する有機化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブ
ロマイド等のC3 −C20の不飽和脂肪酸、酸ハライド、
酸無水物や、アリルクロロホルメート、アリルブロモホ
ルメート等のC3 −C20の不飽和脂肪酸置換炭酸ハライ
ド、アリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(ク
ロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼ
ン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロ
メチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼ
ン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキ
セニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(ク
ロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0025】重合中にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えばラジカル重合法で製造する場合に、アリル
メタクリレート、アリルアクリレート等の分子中にラジ
カル反応性の低いアルケニル基を有するビニルモノマ
ー、アリルメルカプタン等のラジカル連鎖移動剤を用い
ることにより、重合体の主鎖、または、末端にアルケニ
ル基を導入することができる。
【0026】アルケニル基含有ポリエーテル系重合体
は、線状でも、枝分かれ状でもよく、分子量は500〜
50000の任意のものが好適に使用できるが、100
0〜20000のものが特に好ましい。アルケニル基は
分子末端にあっても分子中にあっても良いが、本発明の
組成物を用いてゴム状硬化物を作成する場合には、分子
末端にある方が有効網目鎖長が長くなるので好ましい。
【0027】本発明の(B)成分である、分子中に少な
くとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物として
は特に制限はないが、ヒドロシリル基を含む基を具体的
に例示するならば、− Si(H)n (CH3)3-n, − Si(H)n (C
2H5)3-n , − Si(H)n (C6H5)3-n (n=1〜3),− SiH
2(C6H13)などのケイ素原子1個だけ含有するヒドロシリ
ル基、−Si(CH3)2Si(CH3)2H, −Si(CH3)2CH2CH2Si(C
H3)2H, −Si(CH3)2SiCH3H2
【0028】
【化8】
【0029】(式中、RはH, OSi(CH3)3および炭素数が
1〜10の有機基より選ばれる基であり各々のRは同じ
でも異なっていてもよい。m,nは正の整数で、且つ2
≦m+n≦50)
【0030】
【化9】
【0031】(式中、Rは上記に同じ、mは正の整数、
n、p、qは0または正の整数で、且つ1≦m+n+p
+q≦50)
【0032】
【化10】
【0033】(式中、Rは上記に同じ、mは正の整数、
nは0または正の整数で、且つ2≦m+n≦50)など
で示される鎖状、枝分かれ状、環状の各種の多価ハイド
ロジェンシロキサンより誘導された基などが挙げられ
る。
【0034】上記の各種のヒドロシリル基のうち、本発
明のヒドロシリル基含有化合物の、(A)成分に対する
相溶性を損なう可能性が少ないという点から、ヒドロシ
リル基を構成する基の部分の分子量は500以下が望ま
しく、さらにヒドロシリル基の反応性も考慮すれば、下
記のものがものが好ましい。
【0035】
【化11】
【0036】(式中、pは正の整数、qは0または正の
整数であり、かつ2≦p+q≦4)
【0037】
【化12】
【0038】同一分子中にヒドロシリル基含有基が2個
以上存在する場合には、それらは互いに同一でも異なっ
ても構わない。(B)成分中に含まれるトータルのヒド
ロシリル基の個数については、少なくとも、1分子中に
2個あれば良いが、2〜15個が好ましく、3〜12個
が特に好ましい。本発明のヒドロシリル基含有化合物
を、ヒドロシリル化触媒存在下に、アルケニル基を含有
する化合物((A)成分)と混合してヒドロシリル化反
応により硬化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数
が2より少ないと硬化不良を起こす場合が多い。また、
該ヒドロシリル基の個数が15より多くなると、(B)
成分の安定性が悪くなり、そのうえ、硬化後も多量のヒ
ドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイドやクラックの
原因となる。
【0039】(B)成分のヒドロシリル基含有化合物と
しては特に制限はないが、低分子量のものから重合体に
いたる各種の化合物を用いることができる。具体的に例
示すると、まず式(III)
【0040】
【化13】
【0041】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1, R2, R3は、式(II)におけるR1,
R2, R3とそれぞれ同じものを用いることができる。)で
表されるエーテル結合を有する化合物が挙げられる。次
に、式(IV)
【0042】
【化14】
【0043】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R2は炭素数1〜20の2価の炭化水素基
で1個以上のエーテル結合を含有していてもよい。R4
脂肪族または芳香族の有機基、aは正の整数。)で表さ
れるエステル結合を有する化合物が挙げられる。式(I
V)中、R2は式(II)におけるR2と同一である。
【0044】また、R4は、芳香族系または脂肪族系の1
〜4価の有機基である。具体的に示すならば、
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】などが挙げられる。これらのうちで下記の
ものが好ましい。
【0048】
【化17】
【0049】R4は有機重合体であってもよく、式(II)
のエーテル系化合物で例示した有機重合体をすべて好適
に用いることができる。次に、式(V)
【0050】
【化18】
【0051】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1は水素またはメチル基、R5は脂肪族ま
たは芳香族の有機基、aは正の整数)で示される化合物
が挙げられる。式(V)中、R5は脂肪族または芳香族の
有機基を表すが、具体的には、
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】が好ましい。さらに−(CH2) n − (n=1〜
10) が特に好ましい。R5は有機重合体であってもよく、
式(II)の説明で例示した有機重合体をすべて好適に用
いることができる。さらに、式(VI)
【0055】
【化21】
【0056】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1
〜20の2価の炭化水素基で1個以上のエーテル結合を
含有していてもよい。R6は脂肪族または芳香族の有機
基、aは正の整数。)で表されるカーボネート結合を有
する化合物が挙げられる。式中、R2は式(II)中のR2
同じである。また、R6としては、
【0057】
【化22】
【0058】
【化23】
【0059】
【化24】
【0060】などが挙げられる。これらのうち下記のも
のが特に好ましい。
【0061】
【化25】
【0062】R6は有機重合体であってもよく、式(II)
の説明で例示した有機重合体をすべて好適に用いること
ができる。
【0063】(B)成分として有機重合体を用いる場
合、重合体は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は5
00〜50000の任意のものが好適に使用できるが、
500〜20000のものが特に好ましい。(B)成分
のヒドロシリル基は、分子末端にあっても分子中にあっ
ても良いが、本発明の組成物を用いてゴム状硬化物を作
製する場合には、分子末端にある方が有効網目鎖長が長
くなるので好ましい。
【0064】(B)成分の製造方法としては特に制限は
なく、任意の方法を用いればよい。例えば、(i)分子
内にSi−Cl基をもつ有機化合物をLiAlH4, NaBH4 などの
還元剤で処理して該化合物中のSi−Cl基をSi−H 基に還
元する方法、(ii)分子内にある官能基Xを持つ有機化
合物と分子内に上記官能基と反応する官能基Y及びヒド
ロシリル基を同時にもつ化合物とを反応させる方法、
(iii)アルケニル基を持つ有機化合物に対して少なくと
も2個のヒドロシリル基を持つポリヒドロシラン化合物
を選択ヒドロシリル化することにより、反応後もヒドロ
シリル基を該化合物の分子中に残存させる方法などが考
えられる。これらのうち(iii)の方法が特に好ましい。
【0065】(A)成分と(B)成分の組合せとして
は、任意のものを組み合わせることができるが、(A)
成分と(B)成分のいずれか一方または両方が有機重合
体であることが好ましく、そのなかでも、ポリプロピレ
ンオキシド系重合体が好ましい。(A)成分と(B)成
分の両方が低分子量化合物であると、得られる硬化物の
架橋密度が高くなり、粘度が低下するので粘着剤組成物
としては好ましくない。
【0066】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボ
ンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化
白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン
等との錯体、白金−オレフィン錯体{例えば、Pt(CH2=C
H2)2(PPh3)2Pt(CH2=CH2)2Cl2};白金−ビニルシロキサ
ン錯体{例えば、Ptn (ViMe2SiOSiMe2Vi)m 、Pt〔(MeVi
SiO)4m };白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PP
h3)4 、 Pt(PBu3)4 };白金−ホスファイト錯体(例え
ば、Pt〔P(OPh34 )(式中、Meはメチル基、Buはブチ
ル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、m、 nは
整数を表す)、ジカルボニルジクロロ白金、また、アシ
ュビー(Ashby)の米国特許第3159601および、3
159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複
合体、並びにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第322
0972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒
も挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許
第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オ
レフィン複合体も本発明において有用である。
【0067】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3)3, RhCl3, RhlAl2O3,RuCl3, IrCl3, FeC
l3, AlCl3, PdCl2 ・2H2O, NiCl2, TiCl4 等が挙げられ
る。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併
用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金
−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が好ま
しい。
【0068】触媒量としては特に制限はないが、(A)
成分中のアルケニル基1mol に対して10-1〜10-8mo
l の範囲で用いるのがよい。好ましくは10-3〜10-6
molの範囲で用いるのがよい。10-8mol より少ないと
硬化が充分に進行しない。またヒドロシリル化触媒は一
般に高価で腐蝕性であり、また、水素ガスが大量に発生
して硬化物が発泡してしまう場合があるので10-1mol
より多量に用いない方がよい。本発明においては、粘着
剤組成物が貴金属触媒を用いたアルケニル基に対するSi
−H基の付加反応によって硬化するので、硬化速度が非
常に速く、ライン生産を行なう上で好都合である。
【0069】本発明の(D)成分である粘着付与樹脂に
は特に限定はなく、通常使用されるものを使用できる。
具体例としては、例えばフェノール樹脂、変性フェノー
ル樹脂(例えばカシューオイル変性フェノール樹脂、ト
ール油変性フェノール樹脂など)、テルペンフェノール
樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン
−フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フェノー
ル変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、低分子量ポリス
チレン系樹脂、テルペン樹脂などが挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。粘
着付与樹脂の使用量は、(A)成分と(B)成分の合計
量100重量部に対して10〜140重量部、さらには
15〜80重量部が好ましい。
【0070】(B)成分であるヒドロシリル基含有化合
物を上記の選択ヒドロシリル化により製造する場合、反
応後にも(B)成分中にヒドロシリル化触媒が含まれて
いるので、一般にその安定性が良好でなく、長期間放置
したり、湿分が混入したりするとSi−H基のSi−OH基へ
の転化が起こり、粘度増大やゲル化等の現象が見られ
る。従って、本組成物においては、さらに(E)成分で
ある貯蔵安定性改良剤を含有させる。このような化合物
としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リ
ン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化
合物、有機過酸化物などを好適に用いることができる。
具体的には、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチル
マレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプ
ロペン等が挙げられ、特に、ポットライフ及び速硬化性
の両立という点でチアゾールが好ましいが、これらに限
定されるわけではない。貯蔵安定性改良剤の使用量は
(A)成分及び(B)成分に均一に分散する限りにおい
て、ほぼ任意に選ぶことができるが、(B)成分のSi−
H 基含有化合物1molに対し、10-6〜10-1mol の範
囲で用いることが好ましい。これは、10-6mol 未満で
は(B)成分の貯蔵安定性が充分に改良されず、10-1
mol を越えると硬化を阻害するからである。貯蔵安定性
改良剤は単独で用いても、また2種以上を混合して用い
てもよい。(E)成分の添加順序については特に制限は
ないが、(C)成分単独と直接に混合しないことが望ま
しい。それは、(C)成分と(E)成分の直接混合によ
って錯体形成等による沈澱物が生成し、概組成物への均
一な分散が困難になるためである。
【0071】本発明の組成物には、さらに必要に応じ
て、各種支持体(プラスチックフィルム、金属ホイル、
紙など)に対する接着性を向上させるための含窒素シラ
ン化合物、可塑剤や軟化剤、充填剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤、シリコン化合物な
どを適宜添加してよい。前記含窒素シラン化合物の具体
例としては、例えば、H2NCH2CH2CH2Si(OCH3)3,H2NCH2CH
2NCH2CH2CH2Si(OCH3)3,H2NCH2CH2NCH2CH2CH2Si(CH3)(OC
H3)2,(C2H5O)3SiCH2CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OC2H
5)3,等のアミノ基および/またはイミノ基含有アルコキ
シシラン、前記アミノ基および/またはイミノ基含有ア
ルコキシシランと、
【0072】
【化26】
【0073】のようなエポキシシラン化合物との反応生
成物、前記アミノ基および/またはイミノ基含有アルコ
キシシランとCH2=C(CH3)COOCH2CH2CH2Si(OCH3)3,CH2
C(CH3)COOCH2CH2CH2Si(OCH2CH2OCH3)3のようなメタクリ
ルオキシシラン化合物との反応生成物などが挙げられ
る。前記含窒素シラン化合物の使用量は、(A)成分と
(B)の合計量100重量部に対して0.01〜10重
量部が好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。
【0074】前記可塑剤や軟化剤の具体例としては、例
えばジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレー
ト、ポリプロピレングリコール、塩素化パラフィン、液
状ポリブタジエンなどが挙げられる。前記充填剤の具体
例としては、例えばシリカ微粉末、炭酸カルシウム、ク
レー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸
バリウム、カーボンブラックなどが挙げられる。これら
の充填剤の中では、特にシリカ微粉末、とりわけ粒子径
が70〜50nm(BET比表面積が50〜380m2
g)程度の微粉末シリカが好ましく、その中でも表面処
理を施した疏水性シリカが、強度を好ましい方向に改善
する働きが大きいので特に好ましい。
【0075】
【実施例】次に実施例により本発明の組成物を具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0076】合成例1 特開昭53−134095に開示された方法に従って、
末端にアリル型オレフィン基を有するポリオキシプロピ
レンを合成した。平均分子量3000であるポリオキシ
プロピレングリコールと粉末苛性ソーダを60℃で撹拌
し、ブロモクロロメタンを加えて、反応を行い、分子量
を増大させた。次に、アリルクロライドを加えて、11
0℃で末端をアリルエーテル化した。これをケイ酸アル
ミニウムにより処理して、精製末端アリルエーテル化ポ
リオキシプロピレンを合成した。このポリエーテルの平
均分子量は7960であり、ヨウ素価から末端の92%
がオレフィン基であった。E型粘度系による粘度は13
0ポイズ(40℃)であった。
【0077】合成例2 200mlの4つ口フラスコに、3方コック付冷却管を、
均圧滴下ロート、温度計、マグネチック・チップ、ガラ
スストッパーを取りつけたものを用意した。N2 雰囲気
下で環状ポリハイドロジェンシロキサン
【0078】
【化27】
【0079】(信越化学株式会社製、LS 8600 )12.
03g(50mmol)及びトルエン20mlをフラスコ内に
仕込んだ。1,9−デカジエン2.76g(20mmo
l)、塩化白金酸触媒溶液(H2PtCl6 ・6H2O 1gをエタ
ノール1g、1,2−ジメトキシエタン9gに溶かした
溶液)20μlをトルエン30mlに溶解したものを滴下
ロート内へ仕込んだ。フラスコを50℃のオイルバスに
つけ、N2 雰囲気下にて該トルエン溶液をフラスコ内へ
2時間かけて滴下した。滴下終了後50℃でさらに1時
間反応させた時点で、IRスペクトルを測定したとこ
ろ、1640cm-1の付近のオレフィンの吸収が完全に消
失していたのでこの時点で反応を終了した。反応が終了
した該トルエン溶液を塩化アンモニウム飽和水溶液(1
00ml×2)、交換水(100ml×1)で洗浄後、Na2S
O4で乾燥した。Na2SO4を濾過して取り除き、ベンゾチア
ゾール(13μl、0.12mmol)を加え、揮発分をエ
バポレートして除去後、80℃で減圧脱気することによ
り9.11gの無色透明の液体を得た。該炭化水素系化
合物中のヒドロシリル基は2170cm-1の強い吸収とし
て確認された。また300MHz のNMR でSi−のピー
クとSi−C 3 とのプロトンの強度比(実測値0.2
16)と計算上の強度比を比較することによって該化合
物は平均して下記式の構造を有する〔n=1(MW=998)が
53%、n=2(MW=1377) が47%〕混合物であること
がわかった。これをもとに単位重量中のSi−H基の数
を計算すれば0.769mol /100gであった。
【0080】実施例1〜5 合成例1で得た有機重合体、合成例2で得られたSi−
H基含有化合物、粘着付与樹脂〔テルペン−フェノール
樹脂(安原油脂株式会社製、商品名:YSポリスター T
-115) 〕、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバガ
イギー社製イルガノックス1010)、貯蔵安定性改良剤
(チアゾール)及び塩化白金酸触媒溶液(H2PtCl6 ・6H2
O 1.0gをエタノール/1,2−ジメトキシエタン
(1/9 V/V)99gに溶かしたもの)を表1に示
す量計量し、よく混合したのち減圧下脱泡した。得られ
た粘着剤組成物の粘着測定及びスナップアップタイム
(ゴム弾性体になるまでの時間)の測定を行った。結果
を表1に示した。表1より、本発明の粘着剤組成物は、
高温速硬化性であり、且つ、貯蔵安定性も良好であるこ
とがわかる。
【0081】比較例1 実施例1〜5の中で、貯蔵安定性改良剤を除く以外は同
じ配合組成で表1に示す量を計量し、よく混合したのち
減圧下脱泡した。得られた粘着剤組成物で同様に粘度測
定及びスナップアップタイムの測定を行った。結果を表
1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の粘着剤組成物は硬化速度及び貯蔵安定性の両者がバラ
ンス良く発現でき、ライン生産時の作業性に優れた組成
物である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−127132(JP,A) 特開 昭64−33176(JP,A) 特開 平3−17178(JP,A) 特開 昭56−155257(JP,A) 特開 昭60−32871(JP,A) 特開 平1−170681(JP,A) 特開 昭62−34978(JP,A) 特許2866181(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 183/00 - 183/16 C09J 171/00 - 171/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)〜(E)を主成分とす
    る粘着剤組成物; (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する
    ポリエーテル系重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する化合物、 (C)ヒドロシリル化触媒、 (D)粘着付与樹脂、 (E)貯蔵安定性改良剤。
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