JPH0649364A - 電気、電子部品材料用組成物、および電気、電子部品材料 - Google Patents

電気、電子部品材料用組成物、および電気、電子部品材料

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JPH0649364A
JPH0649364A JP22092292A JP22092292A JPH0649364A JP H0649364 A JPH0649364 A JP H0649364A JP 22092292 A JP22092292 A JP 22092292A JP 22092292 A JP22092292 A JP 22092292A JP H0649364 A JPH0649364 A JP H0649364A
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JP
Japan
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polymer
less
group
electronic component
hydrocarbon
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Pending
Application number
JP22092292A
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English (en)
Inventor
Koji Noda
浩二 野田
Hiroshi Fujisawa
博 藤沢
Masato Kusakabe
正人 日下部
Yasushi Ito
裕史 伊藤
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化性飽和炭化水素系重合体であって、電
気、電子部品材料に対し腐食性のない組成物を提供す
る。 【構成】 (A)ヒドロシリル基を有する全塩素含量が
1重量%以下の炭化水素系硬化剤、(B)アルケニル基
を有する全塩素含有量が1重量%以下の飽和炭化水素重
合体および(C)全塩素含量が100ppm以下である
ヒドロシリル化触媒を含有する電気、電子部品材料用組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気、電子部品材料用
硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】半導体封止用樹脂、回転子用含
浸樹脂、絶縁用ワニス、プリント配線基板用絶縁材料、
プリント配線基板用含浸樹脂、電子部品用コーティング
剤、電子部品用ポッティング剤、電気・電子部品用接着
剤、電子部品放熱用コンパウンドなどの電気・電子部品
用材料には、従来からエポキシ樹脂、イミド樹脂、アミ
ドイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂などの硬化性樹脂が用いられている。
【0003】しかしながら、前記のごとき従来から使用
されている樹脂を適用して、ゴム状の硬化物をうること
が必要な場合、上記の硬化性樹脂は非常に少なく、限ら
れたものになる。また、ケイ素原子に結合した水酸基ま
たは加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成するこ
とにより架橋しうるケイ素含有基を有する有機重合体を
含有してなる電気・電子部品材料用組成物を硬化させて
電気・電子部品材料を得る場合、硬化時に湿分を必要と
し、硬化に長時間を要し、製造ラインに乗せることがで
きない。更に、得られた硬化物は寸法安定性に欠けるた
め、プリント基板、コネクタ、IC等に応力がかかり、
絶縁不良・断線の原因となる。
【0004】更に、深部硬化性に優れた硬化系として、
末端もしくは分子鎖中に、1分子中に平均2個またはそ
れ以上のビニル基をもつポリオルガノシロキサンを珪素
原子に結合する水素原子を1分子中に2個以上有するポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンで架橋するものが
開発され、その優れた耐候性、耐水性、耐熱性を利用し
て、電気・電子部品材料として使用されている。しか
し、この系はコストが高い、接着性が悪い、湿分透過性
が高く、電極、基板等の劣化を招く、カビが発生しやす
い等の点からその用途に制限を受けている。更に、上記
のポリオルガノシロキサンは、一般に有機系重合体に対
する相溶性が悪く、ポリオルガノハイドロジェンシロキ
サンとアルケニル基を含有する有機重合体とを硬化させ
ようとしても、相分離によりポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンの加水分解及び脱水素縮合反応が助長さ
れ、ボイドの為に充分な機械的特性が得られないという
問題があった。更に、特開平3−152164は、電気
・電子部品用飽和炭化水素系硬化性組成物が開示されて
いるが、該公報に開示された組成物においても、実際に
電気、電子部品材料用組成物として用い、例えば、アル
ミ電極に直接接触させて用い、促進耐久試験を実施した
場合、そのアルミ電極に腐食が生じるという問題があっ
た。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明はかかる実状に鑑
み、鋭意研究を行った結果、これらの問題を解決し速硬
化性であり、湿分透過性が低く、深部硬化性に優れ、か
つ、促進耐久試験においても電極腐食を生じない電気、
電子部品材料用組成物、および電気、電子部品材料を提
供するものである。即ち、従来、ヒドロシリル化による
硬化反応に用いられていたヒドロシリル化触媒等の塩素
(遊離塩素)含量のみならず、使用する(A)、(B)
成分中の共有結合塩素の含量までも大幅に低減すること
により、上記課題が解決できることを見出し本発明に到
達した。
【0006】即ち、本発明は、下記の成分(A)、
(B)、(C)を必須成分としてなる電気、電子部品材
料用組成物; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
する、分子量が30000以下であり、かつ全塩素含量
が1重量%以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
る、分子量が30000以下であり、主鎖を構成する繰
り返し単位が飽和炭化水素であり、かつ全塩素含有量が
1重量%以下である重合体 (C)全塩素含量が100ppm以下であるヒドロシリ
ル化触媒および、該組成物を硬化してなる電気、電子部
品材料を内容とするものである。
【0007】本発明の(A)成分であるヒドロシリル基
を含有する炭化水素系硬化剤の構造については特に制限
はないが、式(I) RXa (I) (Xは少なくとも1個のヒドロシリキ基を含む基、Rは
炭素数2〜150の1〜4価の炭化水素基。aは1〜4
から選ばれる整数。)で示される分子量が30000以
下であり、かつ全塩素含量が1重量%以下あるヒドロシ
リル基を含有する炭化水素系硬化剤を好適に用いること
ができる。
【0008】式(I)中、Xは少なくとも1個のヒドロ
シリル基を含む基を表すが、具体的に例示するならば、 −Si(H)n(CH3 3-n 、−Si(H)n(C2
5 3-n 、 −Si(H)n(C6 5 3-n 、(n=1〜3) −SiH2(C6 13) などのケイ素原子1個だけ含有するヒドロシリル基、
【0009】
【化1】
【0010】などのケイ素原子2個以上含むヒドロシリ
ル基、
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】などで示される鎖状、枝分かれ状、環状の
各種の多価ハイドロジェンシロキサンより誘導されたヒ
ドロシリル基などが挙げられる。上記の各種のヒドロシ
リル基のうち、本発明の(A)成分であるヒドロシリル
基含有の炭化水素系硬化剤の各種有機重合体に対する相
溶性を損なう可能性が少ないという点から、ヒドロシリ
ル基を構成する部分の分子量は500以下が望ましく、
さらにヒドロシリル基の反応性も考慮すれば、下記のも
のが好ましい。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】式(I)中、Rは炭素数2〜150の1〜
4価の炭化水素基を表す。式(I)中に含まれるヒドロ
シリル基の個数については少なくとも1分子中に2個あ
ればよいが、2〜15個が好ましく、3〜12個が特に
好ましい。本発明の組成物をヒドロシリル化反応により
硬化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数が2より
少ないと、硬化が遅く硬化不良を起こす場合が多い。ま
た該ヒドロシリル基の個数が15より多くなると、
(A)成分である硬化剤の安定性が悪くなり、その上硬
化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイ
ドやクラックの原因となる。
【0018】本発明の(A)成分であるヒドロシリル基
含有炭化水素系硬化剤の製造方法については、残留全塩
素を1重量%以下に抑制すべく留意する以外は、特に制
限はなく、任意の方法を用いればよい。例えば、(i )
分子内にSi−Cl基をもつ炭化水素系硬化剤をLiA
lH4 ,NaBH4 などの還元剤で処理して該硬化剤中
のSi−Cl基をSi−H基に還元する方法、(ii)分
子内にある官能基Xをもつ炭化水素系化合物と分子内に
上記官能基Xと反応する官能基Y及びヒドロシリル基を
同時にもつ化合物とを反応させる方法、(iii )アルケ
ニル基を含有する炭化水素系化合物に対して少なくとも
2個のヒドロシリル基をもつポリヒドロシラン化合物を
選択ヒドロシリル化することにより反応後もヒドロシリ
ル基を該炭化水素系化合物の分子中に残存させる方法な
どが例示される。
【0019】上記の方法のうち、(iii )の方法が製造
工程が一般に簡便なため好適に用いることができる。こ
の場合、一部のポリヒドロシラン化合物のヒドロシリル
基の2個以上が炭化水素系化合物のアルケニル基と反応
し分子量が増大する場合があるが、このような炭化水素
系化合物を(A)成分として用いても何ら差し支えな
い。
【0020】本発明に用いる(B)成分である飽和炭化
水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エチレン、
プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭
素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重
合させる、(2)ブタジエン、イソプレンなどのような
ジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系
化合物とジエン系化合物とを共重合させたりしたのち水
素添加する、などの方法により得ることができるが、末
端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末
端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イ
ソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体ある
いは水添ポリイソプレン系重合体であるのが好ましい。
【0021】尚、本明細書にいう飽和炭化水素系重合体
とは、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含
有しない重合体を意味する概念である。前記イソブチレ
ン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位
から形成されていてもよく、イソブチレンと共重合性を
有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましく
は50%(重量%、以下同様)以下、更に好ましくは3
0%以下、特に好ましくは10%以下の範囲で含有して
もよい。
【0022】このような単量体成分としては、例えば炭
素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビ
ニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げ
られる。このような共重合体成分の具体例としては、例
えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメ
チルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセ
ニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒ
ドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメ
チルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニ
ルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3
−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、ア
リルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラ
ン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
【0023】前記水添ポリブタジエン系重合体や他の飽
和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重
合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、
他の単量体単位を含有させてもよい。また本発明中
(B)成分として用いる飽和炭化水素系重合体には、本
発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレ
ン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエ
ン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物のご
とき重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好
ましくは10%以下の範囲で含有させてもよい。
【0024】前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイ
ソブチレン系重合体、水添ポリイソプレン又は水添ポリ
ブタジエン系重合体の数平均分子量は500〜3000
0程度であるのが好ましく、特に1000〜15000
程度の液状物〜流動性を有するものであるのが取扱いや
すいなどの点から好ましい。アルケニル基を(B)成分
の飽和炭化水素系重合体に導入する方法については、種
々提案されているものを用いることができるが、重合後
にアルケニル基を導入する方法と重合中にアルケニル基
を導入する方法に大別することができる。
【0025】重合後にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えば、末端、主鎖、あるいは側鎖の水酸基を−
ONaや−OKなどの基にしたのち一般式(2) CH2 =CH−R3 −Y (2) 〔式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3 は−R4 −、−R4 −OC(=O)−又は−R
4 −C(=O)−(R4 は炭素数1〜20の2価の炭化
水素基で、好ましい具体例としてはアルキレン基、シク
ロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が挙げ
られる)で示される2価の有機基で、
【0026】
【化7】
【0027】(R5 は炭素数1〜10の炭化水素基)よ
り選ばれた2価の基が特に好ましい〕で示される有機ハ
ロゲン化合物を反応させることにより、末端アルケニル
基を有する飽和炭化水素系重合体が製造される。末端ヒ
ドロキシ飽和炭化水素系重合体の末端水酸基をオキシメ
タル基にする方法としては、Na、Kのごときアルカリ
金属:NaHのごとき金属水素化物;NaOCH3 のご
とき金属アルコキシド;苛性ソーダ、苛性カリのごとき
苛性アルカリなどと反応させる方法が挙げられる。
【0028】前記方法では、出発原料として使用した末
端ヒドロキシ飽和炭化水素系重合体とほぼ同じ分子量を
もつ末端アルケニル基含有飽和炭化水素系重合体が得ら
れるが、より高分子量の重合体を得たい場合には、一般
式(2)の有機ハロゲン化合物を反応させる前に、塩化
メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロ
ロメチル)エーテルなどのごとき、1分子中にハロゲン
原子を2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させ
れば分子量を増大させることができ、そののち一般式
(2)で示される有機ハロゲン化合物と反応させれば、
より高分子量でかつ末端にアルケニル基を有する水添ポ
リブタジエン系重合体を得ることができる。
【0029】前記一般式(2)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、例えばアリルクロライド、ア
リルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、ア
リル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
が挙げられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちでは安価で、かつ容易に反応することからア
リルクロライドが好ましい。
【0030】また、共有結合Cl基を有するイソブチレ
ン系ポリマーにアルケニル基を導入する方法としては、
特に制限はないが、例えば、種々のアルケニルフェニル
エーテル類とCl基のフリーデルクラフツ反応を行う方
法、アリルトリメチルシラン等とCl基とをルイス酸存
在下、置換反応を行う方法、および種々のフェノール類
とCl基のフリーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入
した上で、さらに前記のアルケニル基導入方法を併用す
る方法などが、挙げられる。
【0031】重合中にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えば、開始剤兼連鎖移動剤としてハロゲン原子
を有し、該ハロゲン原子が結合している炭素原子が芳香
環炭素に結合している化合物及び/又はハロゲン原子を
有し、該ハロゲン原子が結合している炭素原子が第3級
炭素原子である化合物を使用し且つ触媒としてルイス酸
を使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モノ
マーをカチオン重合させるに当たり、アリルトリメチル
シランを重合系に添加することによるアリル末端を有す
るイソブチレン系ポリマーの製造法や、同じく、1,9
−デカジエンのような非共役ジエン類、またはp−ヘキ
セニルオキシスチレンのようなアルケニルオキシスチレ
ン類を重合系に添加することによるアルケニル基を主鎖
あるいは側鎖の末端に有するイソブチレン系ポリマーの
製造法が挙げられる。
【0032】尚、カチオン重合触媒として用いられる成
分であるルイス酸は、MX′n(Mは金属原子、X′は
ハロゲン原子)で表わされるもの、例えばBCl3 ,E
2 AlCl,EtAlCl2 ,AlCl3 ,SnCl
4 ,TiCl4 ,VCl5 ,FeCl3 ,BF3 などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らのルイス酸のうち、BCl3 ,SnCl4 ,BF3
どが好ましく、更に好ましいものとしてTiCl4 が挙
げられる。前記ルイス酸の使用量は開始剤連鎖移動剤の
モル数に対し0.1〜10倍が好ましく、更に好ましく
は2〜5倍である。
【0033】上記の如くして製造された(B)成分の含
有全塩素を低減させる方法としては、使用した反応触媒
等を水洗やケイ酸アルミニウム等の吸着剤で除去し、遊
離塩素を100ppm以下にする事はもちろんポリマー
中に存在する共有結合塩素の低減、除去についてはアル
カリ試薬により脱塩酸反応させる方法、フェノール類と
のフリーデルクラフツ反応により置換反応させる方法、
およびEt2 AlClのような有機アルミ触媒によりア
ルキル置換反応させる方法などが例示される。
【0034】本発明で用いる(B)成分は、上記の全塩
素低減方法を用いる用いないにかかわらず、全塩素含有
を1重量%以下にする事が必要であり、0.5重量%以
下、さらには0.1重量%以下であることが好ましい。
上記の如くして製造された(A)成分及び(B)成分の
ヒドロシリル基とアルケニル基との比率はモル比で0.
2〜5.0が好ましく、更に0.4〜2.5が特に好ま
しい。モル比が0.2より小さくなると、本発明の組成
物を硬化した場合に硬化が不充分でベトツキのある強度
の小さい硬化物しか得られず、またモル比が5.0より
大きくなると硬化後も硬化物中に活性なヒドロシリル基
が多量に残存するので、クラック、ボイドが発生し、均
一で強度のある硬化物が得られない傾向がある。
【0035】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒については、塩素含量が100ppm以下であれば
特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例
示すれば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブ
ラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビ
ニルシロキサン錯体{例えば、Ptn (ViMe2 Si
OSiMe2 Vi)m 、Pt〔(MeViSiO)4
m };白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PP
3 4 、Pt(PBu3 4 };白金−ホスファイト
錯体{例えば、Pt〔P(OPh3 4 、Pt〔P(O
Bu)3 4 } (式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニ
ル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表
す)、Pt(acac)2 、また、アシュビー(Ash
by)の米国特許第3159601及び3159662
号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びに
ラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220
972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒も
挙げられる。
【0036】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、Rh/Al2 3 等が挙げられる。これらの触媒は
単独で使用してもよく、2種以上併用してもかまわな
い。触媒活性の点から白金−オレフィン錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体、Pt(acac)2 等が好まし
い。触媒量としては特に制限はないが、(B)成分中の
アルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの
範囲で用いるのがよい。好ましくは10-3〜10-6mo
lの範囲で用いるのがよい。
【0037】本発明の(A)、(B)及び(C)成分を
混合し、硬化させれば発泡等の現象を伴うことなく深部
硬化性に優れた均一な硬化物が得られる。硬化条件につ
いては特に制限はないが、一般に0〜200℃、好まし
くは30〜150℃で10秒〜4時間硬化するのがよ
い。特に80〜150℃での高温では10秒〜1時間程
度の短時間で硬化するものも得られる。硬化物の性状は
用いる(A)及び(B)成分の主鎖骨格や分子量等に依
存するが、ゴム状のものから樹脂状のものまで作製する
ことができる。また、配合物を添加して、硬化物を作製
する際における(A)(B)及び(C)の必須3成分の
合計の組成物に対する割合は10%以上、さらには30
%以上が好ましく、必要に応じて各種成分が添加され
る。
【0038】前記添加される成分の例としては、たとえ
ば生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、本
発明の電気、電子部品材料用組成物が保存中に硬化する
ことを防ぐ保存安定性改良剤、可塑剤、充填剤、接着性
改良剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などが挙げられる。
前記保存安定性改良剤としては、2−ベンゾチアゾリル
サルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチ
ルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレ
ンダイカルボキシレート、BHT、ブチルヒドロキシア
ニソール、ビタミンE、2−(4−モルフオジニルジチ
オ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−
オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサ
ン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−
3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエー
ト、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート等の
(C)成分の触媒活性を室温保存時にのみ制御するもの
が望ましい。また、保存安定性改良剤を用いる場合の使
用量は触媒1molに対し0.1〜1000mol、好
ましくは1〜100molである。保存安定性改良剤の
使用量が上記の量の上限を超えた場合には、硬化遅延が
起こるばかりではなく、硬化不良を起こし、硬化物に要
求される物性を満足させることができない。逆に保存安
定性改良剤の使用量が上記の量の下限を下回った場合に
は組成物の保存安定性を改良するという目的を達するこ
とができない。
【0039】前記可塑剤としては一般に用いられている
可塑剤が使用できるが、本発明に用いる飽和炭化水素系
重合体と相溶性のよいものが好ましい。可塑剤の具体例
としては、例えばポリブテン、水添ポリブテン、α−メ
チルスチレンオリゴマー、ビフェニル、トリフェニル、
トリアリールジメタン、アルキレントリフェニル、液状
ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、アルキルジ
フェニル、部分水素添加ターフェニル、パラフィン油、
ナフテン油、アタクチックポリプロピレンなど、それら
の中でも好ましくは不飽和結合を含まない水添ポリブテ
ン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン
油、アタクチックポリプロピレンなどの炭化水素系化合
物類;ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ
(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフ
タレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフ
タル酸エステル接着剤やシランカップリング剤、その他
の化合物を用ることができる。このような化合物の具体
例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミ
ノシラン化合物、エポキシシラン化合物、クマロン−イ
ンデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノー
ル樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合
体、ポリエチルメチルスチレン、アルキルチタネート
類、芳香族ポリイソシアネートなどを挙げることができ
る。
【0040】本発明の組成物は、反応性珪素基を有する
飽和炭化水素系重合体を含有するため、加熱によりすみ
やかに硬化し、硬化物がゴム状弾性体になるため、従来
の封止用樹脂を用いた場合のようにチップやリードフレ
ームとの線膨張率の差による熱応力により、チップにク
ラックが生じたりボンディング線が切断するなどのよう
な問題が生じにくく、信頼性の高い半導体部品が製造さ
れる。さらにその封止性能は、例えば透湿係数が1×1
-11g・cm/cm2・sec・cmHg程度という優れた湿気遮断
性を有し、アルミ基板に対する接着性がT字剥離で6kg
/25mm 程度と優れていること、130 ℃で300 日というよ
うな厳しい条件でも表面に融解が見られないという優れ
た耐熱性及び2.44程度という優れた誘電率で代表される
優れた電気特性などからも明らかなように、非常に優れ
た材料が提供される。
【0041】尚、本発明の組成物を封止用樹脂として適
用する場合、従来から一般に使用されるエポキシ樹脂の
封止用樹脂と同様の方法でポッティングすればよい。
【0042】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるもの
ではない。 製造例1 1リットルの耐圧ガラス製オートクレーブに撹拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取り付けて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0043】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である1,1−ジクロ
ロエタン40mlを導入した。次いで蒸留、精製したア
リルトリメチルシラン5mmolを添加し、更にTCC
(下記化合物A)2mmolを溶解させた10mlの
1,1−ジクロロエタン溶液を添加した。
【0044】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが7g入って
いるニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三
方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライア
イス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しな
がら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を
減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐
圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。そ
の後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に
戻し、更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−
10℃まで昇温した。
【0045】次に、TiCl4 3.2g(10ミリモ
ル)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、1,1−ジクロロエタン、
アリルトリメチルシラン及びメタノールを留去し、残っ
たポリマーを100mlのn−ヘキサンに溶解後、中性
になるまでこの溶液の水洗を繰り返した。その後、この
n−ヘキサン溶液を20mlまで濃縮し、300mlの
アセトンにこの濃縮溶液を注ぎ込むことによりポリマー
を沈澱分離させた。
【0046】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系ポリマーを得た。尚、化合
物Aの構造は下記に示す通りである。
【0047】
【化8】
【0048】製造例2 製造例1で得られたイソブチレン系ポリマー5gを10
0mlのn−ヘキサンに溶解させ、ケイ酸アルミ2gを
加え、室温で24時間攪拌した後、濾過し、n−ヘキサ
ンを減圧留去することにより、イソブチレン系ポリマー
を得た。 製造例3 100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに攪拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取りつけて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0049】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン4
0mlを導入した。次いで蒸留、精製した1,9−デカ
ジエン20mmolを添加し、更にトリキュミルクロリ
ド(TCC)3mmolを溶解させた塩化メチレン溶液
(10ml)を添加した。
【0050】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したシソブチレンが7g入って
いるニードルバルブ付き耐圧ガラス製造液化ガス採取管
を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を攪拌
しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内
部を減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレン
を耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入し
た。その後三方コックの一方から窒素を流すことにより
常圧に戻し、更に攪拌下に1時間冷却を続け、重合容器
内を−30℃まで昇温した。
【0051】次に、TiCl4 3.2g(10mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、塩化メチレン、1,9−デ
カジエン及びメタノールを留去し、残ったポリマーを1
00mlのn−ヘキサンに溶解後、中性になるまでこの
溶液の水洗を繰り返した。その後、このn−ヘキサン溶
液を20mlまで濃縮し、300mlのアセトンにこの
濃縮液を注ぎ込むことによりポリマーを沈殿分離させ
た。
【0052】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系ポリマーを得た。 製造例4 製造例3で得られたイソブチレン系ポリマー5gを10
0mlのn−ヘキサンに溶解させ、ケイ酸アルミ2gを
加え、室温で24時間、攪拌した後、濾過し、n−ヘキ
サンを減圧留去することによりイソブチレン系ポリマー
を得た。
【0053】製造例5 製造例3で得られたイソブチレン系ポリマー5gを塩化
メチレン20mlに溶解させ、フェノール1gとSnC
4 10mmolを加え、室温で4時間攪拌した後、メ
タノール10mlを加え、中性になるまで水流を繰り返
した。その後この溶液を300mlのアセトンに注ぎ込
むことによりポリマーを沈殿分離させた。このようにし
て得られたポリマーを再び100mlのn−ヘキサンに
溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、
n−ヘキサンを減圧留去することにより、イソブチレン
系ポリマーを得た。
【0054】製造例6 100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに攪拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取りつけて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0055】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水酸化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン4
0mlを導入した。次いで化9に示した非共役ジエンを
1mmolを添加した。
【0056】
【化9】
【0057】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが5g入って
いるニードルバルブ付き耐圧ガラス製液化ガス採取管を
三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライ
アイス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を攪拌し
ながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部
を減圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを
耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。
その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧
に戻してから、−30℃のドライアイスバスに浸漬し、
更に1時間攪拌して重合容器内を−30℃まで昇温し
た。
【0058】次に、TiCl4 1.9g(10mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、20分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、塩化メチレン及びメタノー
ルを留去し、残ったポリマーを100mlのn−ヘキサ
ンに溶解後、中性になるまでこの溶液の水洗を繰り返し
た。その後、このn−ヘキサン溶液を20mlまで濃縮
し、300mlのアセトンにこの濃縮液を注ぎ込むこと
によりポリマーを沈殿分離させた。
【0059】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系ポリマーを得た。 製造例7 製造例6で得られたイソブチレン系ポリマー5gを10
0mlのn−ヘキサンに溶解させ、ケイ酸アルミ2gを
加え、室温で24時間、攪拌した後、濾過し、n−ヘキ
サンを減圧留去することによりイソブチレン系ポリマー
を得た。
【0060】製造例8 200mlのの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り
付けて、真空ラインで真空に引きながら重合容器を10
0℃で1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷
却後三方コックを用いて窒素で常圧に戻した。その後、
三方コックの一方から窒素を流しながら、注射器を用い
てオートクレーブに前記化8に示されるトリクミルクロ
ライド1ミリモルを水素化カルシウム処理により乾燥さ
せた塩化メチレン40mlに溶かした溶液を加えた。
【0061】次に、酸化バリウムを充填したカラムを通
過させることにより脱水したイソブチレンが5g入って
いるニードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三
方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライア
イス−アセトン浴に浸漬し、重合容器内部を撹拌しなが
ら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減
圧した後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐圧
ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その
後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻
し、更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−7
0℃まで冷却した。
【0062】次に、四塩化スズ10mmolを、塩化メ
チレン20mlで希釈した溶液(−30℃)を注射器を
用いて三方コックから添加して重合を開始させ、60分
経過した時点でアリルフェニルエーテル10ミリモルを
注射器を用いて三方コックから添加した。その後、反応
溶液を室温で6時間攪拌した後、100mlの飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液と共に振盪した後、有機層を水1
00mlで2回洗浄した。有機層を10mlに濃縮し、
300mlのアセトン中にこれを攪拌しながら加えるこ
とによりポリマーを沈殿分離させた。
【0063】このようにして得られたポリマーを80m
lのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去することに
より、イソブチレン系ポリマーを得た。製造例1〜8で
得られたポリマーの収量より収率を算出すると共に、M
n及びMw/MnをGPC法により、また末端構造を1H
-NMR(300MHz)法により各構造に帰属するプロトン(開始
剤由来の芳香族プロトン:6.5〜7.5ppm、及び
ポリマー末端由来のビニルプロトン:4.5〜5.9p
pm)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求
めた。ポリマー中の塩素含量は元素分析により求めた。
結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】製造例9 両末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレン(出光
石油化学(株)製、商品名エポール)300gにトルエ
ン50mlを加え共沸脱気により脱水した。t−BuO
K48gをTHF200mlに溶解したものを注入し
た。50℃で1時間反応させた後、アリルクロライド4
7mlを約30分間かけて滴下した。滴下終了後50℃
で1時間反応させた。反応終了後、生成した塩を吸着さ
せるために反応溶液にケイ酸アルミニウム30gを加
え、30分間室温で攪拌した。濾過精製により約250
gのアリール末端水添ポリイソプレンを粘稠な液体とし
て得た。300MHz 1H-NMR 分析により末端の92% に
アリル基が導入されていることが確認された。ヨウ素価
より求めたオレフィンのモル数は0.1046mol/100gであっ
た。元素分析より求めた塩素含量は0.1%以下であった。
また、E 型粘度計による粘度は、302 ポイズ(23 ℃) で
あった。
【0066】*エポールの代表的物性値(技術資料よ
り) 水酸基含有量(meq/g) 0.90 粘度(poise/30 ℃) 700 平均分子量(VPO測定) 2500 製造例10 撹拌棒、滴下ロート、温度計、3方コック、冷却管を備
え付けた300mlの4つ口フラスコを準備した。次に
窒素雰囲気下で化10の環状ポリシロキサン
【0067】
【化10】
【0068】(信越化学(株)製、LS8600)3
1.5g(0.131mol)をフラスコ内に仕込ん
だ。製造例9で合成した、分子末端の92%がアリル基
である水添ポリイソプレン50g(オレフィンのモル数
0.0536mol)、トルエン50ml、及び白金触
媒溶媒(Pt(acac)2 1gをトルエン99gに溶
解させた溶液)60μlからなるトルエン溶液を滴下ロ
ートへ仕込んだ。フラスコを70℃に加熱し、該トルエ
ン溶液を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃
で約5時間撹拌した時点で、反応溶液中の残存アリル基
をIRスペクトル分析法により定量したところ、164
5cm-1の炭素−炭素二重結合が消失していることが確
認された。次に反応系中に残存している触媒を除去する
ために、シリカゲル(和光純薬(株)製、ワコーゲルC
−200)5gを室温で加え、2時間撹拌してフラッシ
ュ・カラムを用いて濾過した。トルエン及び過剰の環状
ポリシロキサンを除去するために、濾液をエバポレート
し、更に減圧脱揮を80℃で3時間行い、無色透明の粘
稠な液体を得た。E型粘度計による粘度は514ポイズ
(23℃)であった。該水添ポリイソプレン中のヒドロ
シリル基はIRスペクトルで2150cm-1の強い吸収
として確認された。また300MHzのNMRスペクト
ルでSi−のピークとSi−C 3 及びSi−C 2
−とを合わせたピークの強度を比較することにより、該
環状ポリシロキサン1分子当たり平均1.2個のヒドロ
シリル基が反応したことがわかった。即ち、該重合体は
環状ハイドロジェンポリシロキサンにより一部分子量が
増大した、次式化11に示されるの分子末端を有する水
添ポリイソプレンである。
【0069】
【化11】
【0070】製造例11〜13 製造例9で得られた重合体の代わりに、製造例2,5,
8で得られた重合体を用い、重合体の量、LS−860
0の量を表2に示すように変更した以外は、製造例10
と同様にして製造した。
【0071】
【表2】
【0072】製造例14 200mlの4つ口フラスコに、三方コック付冷却管
を、均圧滴下ロート、温度計、マグネチック・チップ、
ガラスストッパーを取付けたものを用意した。窒素雰囲
気下で前記化10に示した環状ポリハイドロジェンシロ
キサン(信越化学(株)製、LS8600)12.03
g(50mmol)及びトルエン20mlをフラスコ内
に仕込んだ。1,9−デカジエン2.76g(20mm
ol)、白金触媒溶液(Pt(acac)2 1gをトル
エン99gに溶解させた溶液)200μlをトルエン3
0mlに溶解したものを滴下ロート内へ仕込んだ。フラ
スコを50℃のオイルバスにつけ、窒素雰囲気下にて該
トルエン溶液をフラスコ内へ2時間かけて滴下した。滴
下終了後50℃でさらに1時間反応させた時点で、IR
スペクトルを測定したところ、1640cm-1の付近の
オレフィンの吸収が完全に消失していたのでこの時点で
反応を終了した。反応が終了した該トルエン溶液を塩化
アンモニウム飽和水溶液(100ml×2)、交換水
(100ml×1)で洗浄後、Na2 SO4 で乾燥し
た。Na2 SO4 を濾過して取り除き、揮発分をエバポ
レートして除去後、80℃で減圧脱気することにより
9.11gの無色透明の液体を得た。該炭化水素系硬化
剤中のヒドロシリル基は2170cm-1の強い吸収とし
て確認された。また、300MHzのNMRでSi−
のピークとSi−C 3 とのプロトンの強度比(実測値
0.216)と計算上の強度比を比較することによって
該硬化剤は平均して下記化12に示す式の構造を有する
(n=1(Mw=998)が53%、n=2(Mw=1
377)が47%〕混合物であることがわかった。これ
をもとに単位重量中のSi−H基の数を計算すれば、
0.769mol/100gであった。
【0073】
【化12】
【0074】実施例1〜9 製造例1〜2、4〜9で得られた(B)成分および製造
例10〜14で得られた(A)成分を(B)成分中のア
ルケニル基量と、(A)成分中のSiH基量が同じmo
l数になるように秤量し、さらに(C)成分として白金
触媒溶液(Pt(acac)2 1gをトルエン99gに
溶解したもの)を(B)成分中のアルケニル基に対して
5×10-4eqになるように秤量し、アリルグリシジル
エーテルを(B)成分に対して0.5重量部添加し、均
一に混合した後、該組成物をアルミ膜(ガラス板にアル
ミ蒸着したもの)上に乗せ約100μm厚の膜状に塗布
し、130℃で10分間、加熱し、硬化させた。
【0075】さらにこうして得られたサンプルを80℃
温水中に7日間浸漬し、アルミ膜の腐食レベルを調べ
た。結果を表3に示す。 比較例1〜2 製造例3で得られた(B)成分を用いる以外は、実施例
と同様に行った。結果を表3に示す。
【0076】比較例3〜4 (C)成分をH2 PtCl6 10H2 Oに代える以外
は、実施例と同様に行った。結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
組成物は、高温で速硬化し、ゴム弾性体になるばかりで
なく、該組成分中の塩素含量を減少し、1重量%以下に
し、かつ硬化触媒の種類を選択する事により、電気、電
子部品材料として、望ましい水蒸気バリヤー性及び電極
非腐食性を示す事が確認できた。
【0079】本発明の組成物には、反応性ケイ素基を有
する重合体が含有されているため、加熱硬化により速や
かに硬化させることができ、作業性がよい、基体への接
着性がよい、硬化時の加熱処理により基体をいためるこ
とがないなどの特徴を有する。そして、得られる硬化物
はゴム状弾性体であるため熱応力などがほとんど生じな
いものであり、電気特性、耐熱性、耐水性、耐候性、湿
気や空気などに対する遮断性などに優れており、電気、
電子部品材料等の材料として広く利用されるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米沢 和弥 兵庫県神戸市垂水区つつじが丘5−12−11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)、(B)、(C)を必
    須成分としてなる電気、電子部品材料用組成物; (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する、分子量が30000以下であり、かつ全塩素含量
    が1重量%以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
    る、分子量が30000以下であり、主鎖を構成する繰
    り返し単位が飽和炭化水素であり、かつ全塩素含有量が
    1重量%以下である重合体 (C)全塩素含量が100ppm以下であるヒドロシリ
    ル化触媒
  2. 【請求項2】 (B)成分の重合体中イソブチレンに起
    因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請求
    項1記載の電気、電子部品材料用組成物。
  3. 【請求項3】 下記の成分(A)、(B)、(C)を必
    須成分としてなる電気、電子部品材料。 (A)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有
    する、分子量が30000以下であり、かつ全塩素含量
    が1重量%以下である炭化水素系硬化剤 (B)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有す
    る、分子量が30000以下であり、主鎖を構成する繰
    り返し単位が飽和炭化水素であり、かつ全塩素含有量が
    1重量%以下である重合体 (C)全塩素含量が100ppm以下であるヒドロシリ
    ル化触媒
  4. 【請求項4】 (B)成分の重合体中イソブチレンに起
    因する繰り返し単位の総量が50重量%以上である請求
    項3記載の電気、電子部品材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6869719B2 (en) 1998-06-02 2005-03-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell stack

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6869719B2 (en) 1998-06-02 2005-03-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell stack

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