JP3473862B2 - 炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチレン系重合体とその製造方法 - Google Patents
炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチレン系重合体とその製造方法Info
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Description
コーティング材、シーリング材、電気電子用封止材の原
料として有用なイソブチレン系重合体とその製造方法に
関する。さらに詳しくは分子内に第三級炭素−ハロゲン
結合を有するイソブチレン系重合体を減圧加熱下で処理
して脱ハロゲン化水素反応を行い、炭素−炭素不飽和基
をもつイソブチレン系重合体を製造する方法に関するも
のである。
あるが、一般のゴム類は分子量の高さのために流動性や
溶剤に対する溶解性に乏しく、成形・加硫を行うために
は加熱・加圧が必要で加工性が悪い。比較的重合度の低
い主鎖成分と反応性官能基を組み合わせると、反応前は
室温で液状で反応後はゴム状を示す弾性体となるため、
高分子ゴムの欠点である加工性を大きく改善することが
できる。これらの材料は液状ゴムと呼ばれ、接着剤、粘
着剤、塗料、コーティング材、シーリング材、電気電子
用封止材等に用途が拡大されている。
%以上のイソブチレン単位を含むイソブチレン系重合体
であって数平均分子量を成形や加工に支障をきたさない
よう1,000以上30,000未満にコントロールし
たものの場合、イソブチレン特有のゴム的弾性、電気絶
縁性、低い水蒸気透過性、耐候性、耐熱性等を生かした
特徴ある材料となりうる。このように分子量を制御した
イソブチレン系重合体は、ケネディ氏により提案された
1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼンのよ
うな二官能成分または1,3,5−トリス(α−クロロ
イソプロピル)ベンゼンのような三官能成分を開始剤兼
連鎖移動剤、BC13を触媒としてイソブチレンをカチ
オン重合させるイニファー法(米国特許第427639
4号明細書)により製造されることが知られている。
富む種々の基が導入されており、熱、活性エネルギー
線、水分、架橋剤等によって反応・硬化が試みられてい
る。中でも炭素−炭素不飽和基は重要で、重合反応を行
って重合度を向上させたり架橋に利用できるだけではな
く、他の官能基成分を付加させるなどして官能基変換に
も利用することができる。本発明者らはすでに炭素−炭
素不飽和基をヒドロシリル化反応によって湿分硬化性基
に変えたり(特公平4−69659号公報)、炭素−炭
素不飽和基とケイ素−水素基の付加反応によって硬化物
が得られる(特開平3−200807号公報)ことを示
した。
炭素上に水素原子以外の置換基を持たない無置換アリル
基あるいは無置換ビニル基で以下簡単のため無置換不飽
和基と記すもの、b)sp2 炭素上に置換基を有するイ
ソプロペニル基あるいは2−メチル−1−プロペニル基
で以下置換不飽和基と記するもの、の2つに大別するこ
とができる。
基に比べて反応性が高いという特徴がある。導入方法と
しては重合直後のイソブチレン系重合体にアリルシラン
を反応させる、あるいは単離精製を行った両末端にクロ
ル基を有するイソブチレン系重合体にTiCl4 を加え
アリルトリメチルシランを反応させることにより両末端
にアリル基を有する重合体を得る方法(特開昭63−1
05005号公報)、非共役ジエン類を共重合ないし末
端停止剤として用いる方法(特開平4−288309号
公報)などが公知となっている。しかし、いずれの方法
においても主鎖であるイソブチレンに対し格段に高価
で、回収が困難なアリル化試剤を使用しなければならな
いのが大きな欠点である。
内に第三級炭素−ハロゲン結合を有するイソブチレン系
重合体(以下、簡単のためハロゲン含有イソブチレン系
重合体と略す)から脱ハロゲン化水素反応を行い炭素−
炭素不飽和基を導入するため、改めて高価なアリル化試
剤を加える必要がなく非常に有利である。但し置換不飽
和基を導入する場合の留意点は異性体であるイソプロペ
ニル基と2−メチル−1−プロペニル基の比率で、脱ハ
ロゲン化水素反応を行った場合一般には両者が共存す
る。両者の反応性を比較すると2−メチル−1−プロペ
ニル基は反応性が低く、反応性官能基としての有用性に
乏しい。従って、イソプロペニル基の含有量をできるだ
け多くすることが望まれるが、内部オレフィンである2
−メチル−1−プロペニル基の方がエネルギー準位が低
くより安定で、触媒が存在したり高温の条件では優先生
成することが知られている。
を持つので、脱離したハロゲン化水素を捕集するため
に、アルカリおよび/またはアルカリ土類金属の水酸化
物や同じくアルコラートなどの強塩基成分を脱ハロゲン
化水素剤として用いるのが一般的である。反応を効率的
に行うためハロゲン含有イソブチレン系重合体を良溶剤
であるテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、塩基成
分はメタノール、エタノール、水等に溶解させて両者を
混合し、均一系の加熱反応が長時間行われている(Po
lymer Bulletin 13,435−439
(1985)、特開平1−197509号、特開平3−
56505号、特開平119003号公報等)。
均一状態にするには多量のTHFが必要であり、反応液
量に対し得られる重合体の量が少ない、生成する塩や過
剰量に使用した塩基の除去が困難、さらには反応液の泡
立ち、多量のTHFの回収・精製に複雑な工程が必要と
いった多くの問題点がり、工業化には適していない。溶
剤や塩基を使用せず、不活性ガス雰囲気下での加熱分解
によりハロゲン含有イソブチレン系重合体から脱ハロゲ
ン化水素を行う試みも文献には散見される(J.Mac
romol.Sci.−Chem.,A16(2),5
33−542(1981)、またはMackromo
l.Chem.186,173−190(198
5))。
ル基と2−メチル−1−プロペニル基の量比制御が重要
な鍵であるが、両文献ともこのような量比の制御につい
ては全く言及していない。わずかに反応率の決定を前者
文献においては脱離した塩酸の定量で行い、後者文献に
おいては示差熱分析法(DSC)によるサンプルの吸熱
挙動の追跡で行っているに過ぎない。
でかつ容易に、炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチ
レン系重合体を製造できる製造方法およびイソプロペニ
ル基含有量の高いイソブチレン系重合体およびその製造
方法を提供することにある。
題を解決するために検討を重ね、加熱減圧処理がイソプ
ロペニル基を優先生成させるために有効であることを見
出し本発明に至った。すなわち、本発明を構成する第一
の発明は、一般式(1):
の置換もしくは無置換の芳香族または脂肪族の炭化水素
基、R2 はイソブチレンを含んでなる2価の重合体単
位、Xはハロゲン原子、nは1以上の自然数を表わ
す。)で表される分子内に第三級炭素−ハロゲン結合を
有するイソブチレン系重合体を圧力20Torr以下、
温度150〜200℃の範囲に加熱し、強塩基成分を用
いないで脱ハロゲン化水素反応を行うことを特徴とする
炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチレン系重合体の
製造方法であり、好ましくは、分子内に第三級炭素−ハ
ロゲン結合を有するイソブチレン系重合体が、下記イ)
〜ニ)の成分を−30℃以下の温度で混合して重合さ
せ、次いでハ)のルイス酸触媒を失活せしめて得たイソ
ブチレン系重合体溶液から、まず常圧もしくは減圧で溶
剤を留去したことによって得られるものである。 イ):単量体組成比で90モル%以上のイソブチレン単
位を含んでなるカチオン重合性モノマー ロ):一般式(4)で表される化合物;
の置換もしくは無置換の芳香族または脂肪族の炭化水素
基、R4 およびR5 は水素原子または1価炭化水素基で
あって同時に水素原子ではなく、Qはハロゲン原子、炭
素数1〜5のアシル基、または炭素数1〜5のアルコキ
シ基、mは1以上の自然数を表す。) ハ):四塩化チタン、四塩化スズ、三塩化ホウ素、塩化
アルミニウムから選ばれるルイス酸触媒 ニ):溶剤
として90モル%以上のイソブチレン単位を含むイソブ
チレン系重合体であって数平均分子量を成形や加工に支
障をきたさないよう1,000以上30,000未満に
コントロールしたものを取扱いの対象としている。この
ような重合体であって分子末端に第三級炭素に結合した
ハロゲンを持つものは、上述したようなイニファー法に
よって合成が可能である。イソブチレン以外の反復単位
としてイソブチレンと共重合が可能な不飽和炭化水素を
含んでいても良い。このようなモノマーとしては具体的
には2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル
−2−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、
ビニルシクロヘキサン、5−エチリデンノルボルネン、
インデン、β−ピネン等の脂肪族オレフィン類;シクロ
ペンタジエン、ジシクロペンタジエン等のジエン類;ス
チレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の
スチレン類等が挙げることができる。
チレン系重合体を加熱減圧下に脱ハロゲン化水素反応を
することをその骨子とする。ハロゲンが残存するとイソ
ブチレン系重合体をゴムとして使用した際に金属の腐食
や変色につながるため、反応収率は最低でも80%以
上、望ましくは90%以上必要である。ところが減圧を
伴わない単なる加熱による脱ハロゲン化水素反応は、反
応選択性に乏しくまた脱離したハロゲン化水素が炭化水
素骨格の異変性に対し触媒作用を持つことから、所望の
イソプロペニル基を得るためには適切な方法ではない。
特に反応収率を上げるため、すなわちハロゲン残存率を
低く抑えるために加熱を長時間続けることは、重合体の
分子量分布の増大で理解できるように複雑な主鎖の分解
/異性化を伴うため好ましくない。
めることは、化学操作における常識である。しかし本発
明によれば脱離したハロゲン化水素を減圧で系外に除く
ことによって、単に操作時間が短縮されるばかりでなく
副反応を抑制するという予期せざる効果が上がる。塩基
類を系内に加えると重合体の精製工程が必要になるが、
本発明によれば反応終了と同時に製品または中間体とし
て取り出すことができる。
150〜200℃の範囲で行うことが望ましく、さらに
圧力5Torr以下、温度160〜180℃の範囲で行
うことが望ましい。上述の文献(Makromol.C
hem.186,173−190(1985))では
「分子量1,000〜4,000の塩素含有イソブチレ
ン系重合体からの脱塩酸が約65℃から開始した」旨の
記載があるが、本発明者らが生成する重合体を高分解能
1H−NMRで分析した結果によれば150℃以下では
ほとんど炭素−炭素不飽和結合は生成せず、ハロゲン化
水素は脱離しないと結論づけられた。問題の文献におい
ては示差熱分析法による吸熱ピークを脱塩酸によるもの
と帰属しているが、残存溶剤の揮発やこの付近に生じる
微結晶の結晶融点を見誤った可能性が高い。
ソプロペニル基/2−メチル−1−プロペニル基の量比
等を考慮して適切に定めることができるが、通常は3時
間以内である。必要以上に反応時間を長くとることは好
ましくない。脱ハロゲン化水素反応自体は本発明の条件
では非可逆的と考えられるので詳細な理由は不明である
が、本発明者らの検討の結果、余り長く反応時間をとり
過ぎるとイソプロペニル基と2−メチル−1−プロペニ
ル基を合わせた不飽和基含有量がむしろ減少してしまう
ことがわかった。先行文献(J.Macromol.S
ci.−Chem.,A(16),533−542(1
981))においては170〜220℃の温度範囲で塩
化水素の脱離量が検討され、220℃/約30分の処理
でポリイソブチレン1モルに対し2モルの塩化水素が脱
離して恒量に達することが述べられている。反応率の決
定を脱離した塩酸の定量で行い、各温度における脱塩酸
率が上昇の後、頭打ちをするカーブとして示されてい
る。しかしこの文献の分析法にも問題があり、脱離その
ものは非可逆であっても生成する不飽和結合が長時間の
加熱の後も変化せずに残っているかについては検討され
ていない。
め、第三級炭素−ハロゲン結合を有するイソブチレン系
重合体の表面層を攪拌、掻き取り、振盪等の方法で更新
させることが望ましい。また脱ハロゲン化水素反応の様
式は特に問わず、第三級炭素−ハロゲン結合を有するイ
ソブチレン系重合体の供給および/または抜き出しを回
分式、半回分式、連続式のいずれか所望の形態で行うこ
とができる。反応機も一般に使用されているロータリー
エバポレーター、フィルムエバポレーター、攪拌機を備
えたジャケット付き反応缶、スクリュー型乾燥器、一軸
または二軸の押し出し機、またはこれらに類似の化学装
置を使用することができる。本発明を実施する上では飛
来する酸から真空ポンプを保護するためにトラップを入
れたり、反応機や配管類を耐酸性の材料で構成すること
も重要である。
合、例えば、
有している場合のその置換基としては、
場合、例えば、
有している場合のその置換基としては、
ブチレン単位のみでも、その他のモノマーとの共重合体
でもよい。そして、共重合の形態は特に限定されず、ブ
ロックでもランダムでもかまわない。Xはハロゲン原子
で例えば、塩素、臭素、沃素等が挙げられ、特に、塩素
が好ましい。nは、1以上の自然数、好ましくは、2〜
3の範囲である。
ゲン結合を有するイソブチレン系重合体の合成直後の反
応液に含まれるルイス酸触媒を失活させ、脱ハロゲン化
水素反応を行う。この場合、分子内に第三級炭素−ハロ
ゲン結合を有するイソブチレン系重合体を、その合成系
から単離することなく脱ハロゲン化水素反応に供するこ
とができるが、重合触媒のルイス酸は水、低級アルコー
ル、塩基等を加えて加熱前に完全に失活させておく必要
がある。失活したルイス酸は濾過、分液、遠心分離等の
処理によって系外に除いておくことが好ましい。これは
触媒活性が残ったままであると、加熱中に無用な副反応
を生じてしまうためである。
式の場合、同一の容器で行うこともできるが、粘度が大
きく異なるため工程を二つに分け、第一工程で溶剤留
去、第二工程で脱ハロゲン化水素反応とすることもでき
る。工程を区分する場合、両工程は同期させても良い
し、中間に貯槽を置いて非同期としても差し支えない。
式(4)において、R3 が芳香族基の場合、例えば、
有している場合のその置換基としては、
場合、例えば、
有している場合のその置換基としては、
化水素基の場合、具体的には
えば、塩素、臭素、沃素等、炭素数1〜5のアシル基、
または炭素数1〜5のアルコキシ基である。mは1以上
の自然数で、好ましくは2〜3の範囲である。)本発明
ではかくして得られた脱ハロゲン化水素率が理論値の9
0%以上であり、得られた炭素−炭素不飽和基(官能
基)がイソプロペニル基/2−メチル−1−プロペニル
基の量比として1.0以上、望ましくは1.20以上,
特に望ましくは1.25以上の炭素−炭素不飽和基を含
有するイソブチレン系重合体が得られる。炭素−炭素不
飽和基を含有するイソブチレン系重合体の数平均分子量
および1分子当たりの官能基数を以下のような要領で求
めることができる。まず数平均分子量はRI検出器を用
い、GPC測定(標準ポリスチレン換算)より求める。
一方、官能基密度は高分解能1H−NMRを用い、主鎖
ピーク(2.4〜0.6ppm)に対するイソプロペニ
ル基(代表的には4.6ppm及び4.8ppm)また
は2−メチル−1−プロペニル基(代表的には5.1p
pm)の積分強度比から計算できる。本発明において
は、官能基の数をGPCで求めた数平均分子量とNMR
で求めた官能基密度から1分子当たりの官能基の数とし
て計算している。二官能成分を開始剤兼連鎖移動剤とし
て得られたイソブチレン系重合体を完全に脱ハロゲン化
水素反応させた場合、1分子当たりのイソプロペニル基
と2−メチル−1−プロペニル基の和は2.0となる。
残存する第三級炭素−ハロゲン結合は1H−NMRで検
出できないが、下記引き算により算出できる。
2.0−(イソプロペニル基数+2−メチル−1−プロ
ペニル基数) イソブチレン系重合体の場合、微結晶が擬似架橋点とし
て働くので、架橋してゴム弾性を発現させるために必ず
しも量論量の反応性官能基を必要としない。しかし重合
に二官能開始剤を用いた場合、仮に脱ハロゲン化水素が
100%進行してもイソプロペニル基/2−メチル−1
−プロペニル基の量比が1.0未満、即ち1分子当たり
のイソプロペニル基の数が、1.0未満では十分に硬化
しない。これは2−メチル−1−プロペニル基の反応性
が劣り、架橋に寄与できないためである。加熱減圧処理
により脱ハロゲン化水素反応を行う場合、両官能基が共
存する。本発明においてはイソプロペニル基/2−メチ
ル−1−プロペニル基の量比が1.0以上、望ましくは
1.20以上が必要である。
アリル化試剤を用いずに炭素−炭素不飽和基を導入す
る、安価で簡便な方法を提供する。本発明では強塩基成
分等の脱ハロゲン化水素剤を用いないので、複雑な生成
工程なしに製品を取り出すことができる。また溶剤を使
用しないので、至って効率的な脱ハロゲン化水素法であ
る。
ゲン化水素反応に比べ、反応が早いだけでなく反応選択
性にも優れるという予期せざる効果を示した。減圧を脱
離反応の推進力として利用するだけでなく、炭化水素骨
格の異性化に対し触媒作用を持つ酸の系外除去にも利用
している。コスト面だけでなく、高い選択性を与える新
規な方法である。
素不飽和基を重合に用いたり他の官能基成分を付加させ
るなどしてゴム状弾性体としうる。接着剤、粘着剤、塗
料、コーティング材、シーリング材、電気電子用封止
材、制震材料、医療用弾性材等に有用である。
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。 実施例1:メカニカルスターラーを備えた3L耐圧容器
を十分に乾燥・窒素置換した後、モレキュラーシーブス
3Aで予め脱水した塩化メチレン832mL、n−ヘキ
サン1249mL、1,4−ビス(α−クロロイソプロ
ピル)ベンゼン(以下、p−DCCと略)2.90g、
α−ピコリン0.23gを仕込んだ。容器を−70℃に
冷却し、別容器に計量したイソブチレンモノマー149
mLをここに移送した。三方コックを通じて窒素ガスを
少量ずつ流しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化
チタン23.7gを加え重合を開始した。2時間そのま
まの状態で攪拌を続け、反応を完結させた。反応液を5
Lの冷メタノールに投入して良く攪拌し、重合体を再沈
させた。沈殿物を500mLのn−ヘキサンに溶解さ
せ、500mLのイオン交換水で2回洗浄しイオン性不
純物を除いた。120℃の温度で1時間減圧蒸留を行
い、両末端に第三級炭素−ハロゲン結合を有するイソブ
チレン系重合体を得た。以降、本製造例で得られた重合
体をイソブチレン系重合体1と記す。
は以下の通りであった。但し、Fnは1分子当たりに換
算した各官能基の数を示す。 数平均分子量 ;9,160 Da 分子量分布(Mw/Mn) ;1.33 Fn(イソプロペニル) ;0 Fn(2−メチル−1−プロペニル基);0 塩素含有量 ;0.81 wt% 製造例2 p−DCC2.90gの代わりに同化合物1.44gを
用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、イソブチレ
ン系重合体を得た。以降、本製造例で得られた重合体を
イソブチレン系重合体2と記す。ソブチレン系重合体2
の分析値は以下の通りであった。
ブチレン系重合体1を2.0g秤取し、オイルバスを備
えたエバポレーターにかけた。真空ポンプで減圧度を3
Torr以下に保ちながらバス温度150℃で加熱を行
い、適当な時間間隔でサンプリングを行った。
例1と同様の処理を行い、各時間でのサンプルを得た。
以上、実施例1〜4で得られた分析結果を表1及び図1
に示す。
度をそれぞれ150、160、170、180℃とした
以外は実施例1と同様の処理を行い、各時間でのサンプ
ルを得た。以上、実施例5〜8で得られた分析結果を表
2に示す。
を行い、各時間でのサンプルを得た。 比較例1 100mLのナスフラスコに製造例1で製造されたイソ
ブチレン系重合体1を2.0g評取し、オイルバスを備
えたエバポレーターにかけた。エバポレーターの吸気孔
を通じて少量の窒素を流しながら大気圧下バス温度15
0℃で加熱を行い、適当な時間間隔でサンプリングを行
った。
結果を表3に示す。
60mLのヘプタンに溶解し、ジクロロ(メチル)シラ
ン2.8mL、白金ビニルシロキサン錯体8.05×1
0-3モルを加えた。10時間、70℃で反応させた後、
反応液にメタノール4.5mL、オルトギ酸メチル1
2.0mLを加えて、さらに6時間還流させた。過剰の
溶剤を減圧で留去し目的のシリル化ポリイソブチレンを
得た。
量部に対してヘキサン25重量部、水1重量部、オクチ
ル酸スズ3重量部、ラウリルアミン0.75重量部を加
えて攪拌し、厚さ約2mmのシートとなるように注型し
た。注型容器を減圧乾燥機に入れ、真空脱泡を15分間
行った後、23℃で3日さらに50℃で4日硬化を行い
硬化物を得た。硬化物をダンベル状に打ち抜き機械強度
の測定を行った。その結果は、引っ張り強度(Kg/c
m2 )=8.88、引っ張り伸び(%)=493であっ
た。
合体1分子当たりの官能基数、横軸に反応時間としてプ
ロットしたグラフである。図中、Fn(X,Y)は1分
子当たりの官能基数を表す。isoはイソプロペニル
基、innは2−メチル−1−プロペニル基、Yは、加
熱温度を表す。
Claims (7)
- 【請求項1】一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は炭素数2〜20、価数n価の置換もしく
は無置換の芳香族または脂肪族の炭化水素基、R2 はイ
ソブチレンを含んでなる2価の重合体単位、Xはハロゲ
ン原子、nは1以上の自然数を表わす。)で表される分
子内に第三級炭素−ハロゲン結合を有するイソブチレン
系重合体を圧力20Torr以下、温度150〜200
℃の範囲に加熱し、強塩基成分を用いないで脱ハロゲン
化水素反応を行うことを特徴とする炭素−炭素不飽和基
を含有するイソブチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 酸素不存在下雰囲気で脱ハロゲン化水素
反応を行うことを特徴とする請求項1記載の炭素−炭素
不飽和基を含有するイソブチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 脱ハロゲン化水素反応を圧力5Torr
以下、温度160〜180℃の範囲で行うことを特徴と
する請求項1記載の炭素−炭素不飽和基を含有するイソ
ブチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 上記一般式(1)で表される脱ハロゲン
化水素に供される分子内に第三級炭素−ハロゲン結合を
含有するイソブチレン系重合体が、単量体組成比で90
モル%以上のイソブチレン単位を含む数平均分子量1,
000以上30,000未満の重合体であることを特徴
とする請求項1記載の炭素−炭素不飽和基を含有するイ
ソブチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 上記脱ハロゲン化水素反応を第三級炭素
−ハロゲン結合を有するイソブチレン系重合体の供給お
よび/または抜き出しを回分式、半回分式、連続式から
選ばれてなる反応形態で行い、かつ前記イソブチレン系
重合体の表面層を更新させることを特徴とする請求項1
または3記載の炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチ
レン系重合体の製造方法。 - 【請求項6】 脱ハロゲン化水素率が理論値の80%以
上であり、得られた炭素−炭素不飽和基が下記式(2)
のイソプロペニル基と式(3)の2−メチル−1−プロ
ペニル基の混合物であり、(2)/(3)の量比が1.
0以上であることを特徴とする請求項1、3または4記
載の炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチレン系重合
体の製造方法。 【化2】 【化3】 - 【請求項7】 分子内に第三級炭素−ハロゲン結合を有
するイソブチレン系重合体が、下記イ)〜ニ)の成分を
−30℃以下の温度で混合して重合させ、次いでハ)の
ルイス酸触媒を失活せしめて得たイソブチレン系重合体
溶液から、まず常圧もしくは減圧で溶剤を留去したこと
によって得られるものであることを特徴とする請求項1
記載の炭素−炭素不飽和基を含有するイソブチレン系重
合体の製造方法。 イ):単量体組成比で90モル%以上のイソブチレン単
位を含んでなるカチオン重合性モノマー ロ):一般式(4)で表される化合物; 【化4】 (式中、R3 は炭素数2〜20、価数m価の置換もしく
は無置換の芳香族または脂肪族の炭化水素基、R4 およ
びR5 は水素原子または1価炭化水素基であって同時に
水素原子ではなく、Qはハロゲン原子、炭素数1〜5の
アシル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基、mは1
以上の自然数を表す。) ハ):四塩化チタン、四塩化スズ、三塩化ホウ素、塩化
アルミニウムから選ばれるルイス酸触媒 ニ):溶剤
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