JP3322759B2 - 末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物 - Google Patents

末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物

Info

Publication number
JP3322759B2
JP3322759B2 JP17309694A JP17309694A JP3322759B2 JP 3322759 B2 JP3322759 B2 JP 3322759B2 JP 17309694 A JP17309694 A JP 17309694A JP 17309694 A JP17309694 A JP 17309694A JP 3322759 B2 JP3322759 B2 JP 3322759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
isobutylene
based polymer
terminal
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17309694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0812723A (ja
Inventor
佳樹 中川
義国 出口
浩二 野田
正和 石動
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP17309694A priority Critical patent/JP3322759B2/ja
Publication of JPH0812723A publication Critical patent/JPH0812723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3322759B2 publication Critical patent/JP3322759B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着剤、粘着剤、塗料、
コーティング材、シーリング材、電気電子用封止材とし
て有用な末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系
重合体、その製造法及びその硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムは工業材料として欠かせない素材で
あるが、一般のゴム類は分子量の高さのために流動性や
溶剤に対する溶解性に乏しく、成形・加硫を行うために
は加熱・加圧が必要で加工性が悪い。比較的重合度の低
い主鎖成分と反応性官能基を組み合わせると、反応前は
室温で液状で反応後はゴム状を示す弾性体となるため、
高分子ゴムの欠点である加工性を大きく改善することが
できる。これらの材料は液状ゴムと呼ばれ、接着剤、粘
着剤、塗料、コーティング材、シーリング材、電気電子
用封止材等に用途が拡大されている。
【0003】特に主鎖成分が単量体組成として90モル
%以上のイソブチレン単位を含むイソブチレン系重合体
(以下簡単のためイソブチレン系重合体と記す)であっ
て数平均分子量を成形や加工に支障をきたさないよう
1,000以上40,000未満にコントロールしたも
のの場合、イソブチレン特有のゴム的弾性、電気絶縁
性、低い水蒸気透過性、耐候性、耐熱性等を生かした特
徴ある材料となりうる。このように分子量を制御したイ
ソブチレン系重合体は、ケネディ氏によって提案された
1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼンのよ
うな二官能成分または1,3,5−トリス(α−クロロ
イソプロピル)ベンゼンのような三官能成分を開始剤兼
連鎖移動剤、BCl3 を触媒としてイソブチレンをカチ
オン重合させるイニファー法(米国特許第427639
4号明細書)により製造されることが知られている。
【0004】一方、反応性官能基としては化学反応性に
富む種々の基が導入されており、熱、活性エネルギー
線、水分、架橋剤等によって反応・硬化が試みられてい
る。中でも反応性ケイ素基を重合体末端に導入した湿分
硬化系は重要である。一般に反応性ケイ素基の重合体末
端への導入は、該末端の炭素−炭素不飽和基への水素化
シリコン化合物のヒドロシリル化反応により達成され
る。重合体の末端に炭素−炭素不飽和基を導入する方法
としては重合直後のイソブチレン系重合体にアリルシラ
ンを反応させる、あるいは単離精製を行った両末端にク
ロル基を有するイソブチレン系重合体にTiCl4を加え
アリルトリメチルシランを反応させることにより両末端
にアリル基を有する重合体を得る方法(特開昭63−1
05005号公報)、非共役ジエン類を共重合ないしは
末端停止剤として用いる方法(特開平4−288309
号公報)などが公知となっている。しかし、いずれの方
法においても主鎖であるイソブチレンに対し格段に高価
で、回収が困難なアリル化試剤を使用しなければならな
い。
【0005】本発明者らはすでに上記方法により得られ
たビニル型炭素−炭素不飽和基をヒドロシリル化反応に
よって湿分硬化性に変える(特公平4−69659号公
報)ことを示している。安価な試剤で末端に炭素−炭素
不飽和基を導入する方法として、特開平4−23391
6号公報に記載されているブタジエンを使用するもの
と、本発明者らが示したイソプレンを用いるものが最近
になり示された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の、安価
な試剤で重合体の末端に導入された炭素−炭素不飽和基
は内部オレフィンであり、この内部オレフィン型の炭素
−炭素不飽和基に反応性ケイ素基を導入し、該重合体を
硬化性組成物として使用することについては、何の開示
もされていなかった。本発明の目的はこれらの安価に供
給される末端に内部オレフィン型の炭素−炭素不飽和基
を有するイソブチレン系重合体に反応性ケイ素基を導入
した化合物、その製造法及びそれらを有効成分とする硬
化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を行なった結果、末端にアリ
ルハライド型の二重結合を有するイソブチレン系重合体
に対し、ヒドロシリル化反応により反応性ケイ素基を導
入することができることを見いだし、上記目的が達成さ
れることが見い出された。すなわち、本発明の第一は、
構造式I、構造式II及び構造式III :
【0008】
【化4】
【0009】{式中、R1は水素原子あるいはメチル
基、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基又はR456SiO−で表されるトリオルガ
ノシロキシ基(R4、R5及びR6は同一又は異なって炭
素数1〜20の1価炭化水素基を表す)を表し、Xは水
酸基又は加水分解性基を表し、Xが2個以上結合すると
きは同一又は異なっていてもよく、aは0、1、2又は
3の整数を表し、bは0、1又は2の整数を表し、nは
0又は1〜18の整数を表し、Yはハロゲン原子あるい
は水素原子を表す。}から選ばれる反応性ケイ素基の少
なくとも一つを、分子末端に有するイソブチレン系重合
体である。本発明の第二は、末端に構造式IV:
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1は水素原子あるいはメチル
基、Yは水素原子又はハロゲン原子を表す。)を有する
イソブチレン系重合体に対し、構造式V:
【0012】
【化6】
【0013】{式中、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基又はR456SiO−で表さ
れるトリオルガノシロキシ基(R4、R5及びR6は同一
又は異なって炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す)
を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、Xが2個
以上結合するときは同一又は異なっていてもよく、aは
0、1、2又は3の整数を表し、bは0、1又は2の整
数を表し、nは0又は1〜18の整数を表す。}で示さ
れる水素化シリコン化合物をヒドロシリル化反応によっ
て付加させることにより末端に反応性ケイ素基を有する
イソブチレン系重合体を製造する方法である。本発明の
第三は、第一の発明記載のイソブチレン系重合体を含ん
でなる硬化性組成物である。
【0014】本発明は主鎖成分が単量体組成として90
モル%以上のイソブチレン単位を含むイソブチレン系重
合体であって数平均分子量を成形や加工に支障をきたさ
ないよう1,000以上40,000未満にコントロー
ルしたものを取り扱いの対象としている。このような重
合体であって分子末端に官能基を持つものは、上述した
ようなイニファー法によって合成が可能である。イソブ
チレン以外の反復単位としてイソブチレンと共重合が可
能な不飽和炭化水素を含んでいても良い。このようなモ
ノマーとしては具体的には2−ブテン、2−メチル−1
−ブテン、3−メチル−2−ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、5−エチ
リデンノルボルネン、インデン、β−ピネン等の脂肪族
オレフィン類;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジ
エン等のジエン類;スチレン、α−メチルスチレン、p
−クロロスチレン等のスチレン類等を挙げることができ
る。
【0015】本発明の第一において構造式I、II及び I
IIに関して、R1は水素原子、メチル基を表す。構造式
I及びIIに関して、Yは水素原子、ハロゲン原子を示す
が好ましくは塩素原子である。構造式I、II及び IIIに
関して、R2及びR3における炭素数1〜20のアルキル
基としては、直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられ、好
ましくはメチル基である。R2及びR3における炭素数6
〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基
等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
【0016】R2及びR3における炭素数7〜20のアラ
ルキル基としては、アリール基部分が無置換もしくはメ
チル基等で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げ
られ、アルキレン基部分としては、炭素数1〜5のもの
が挙げられ、好ましくはメチレン基である。R2及びR3
におけるR456SiO−で表わされるトリオルガノシ
ロキシ基としては、R4、R5及びR6が同一又は異なっ
ていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であ
り、具体的にはこのような炭化水素基としてメチル基、
エチル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはメチル
基である。R2及びR3は前記のアルキル基、アリール
基、アラルキル基又はトリオルガノシロキシ基のいずれ
でもよいが、好ましくはメチル基である。
【0017】構造式I、II及びIII に関して、Xにおけ
る加水分解性基としては、たとえば水素原子、アルコキ
シ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニル
オキシ基、ハロゲン原子などの一般に使用されている基
が挙げられる。Xは水酸基又は前記の加水分解性基のい
ずれでもよい。構造式I、II及びIII に関して、aは
0、1、2又は3の整数を、bは0、1又は2の整数
を、また、nは0又は1〜18の整数を表す。本発明の
第一におけるイソブチレン系重合体は、主鎖成分が単量
体組成として90モル%以上のイソブチレン単位を含む
イソブチレン系重合体(以下簡単のためイソブチレン系
重合体と記す)であって、液状硬化性組成物として使用
する場合の取り扱いの容易さから数平均分子量が1,0
00以上40,000未満にコントロールされたものが
好ましい。本発明の第一におけるイソブチレン系重合体
は構造式I、II及びIII の内から選ばれる反応性ケイ素
末端を少なくとも1個有するが、それは構造式I、II及
びIII のいずれか1種でも、あるいは、3種の任意の比
の混合物でもよい。それらの基の合計は1分子当たり、
通常1〜10個であり、好ましくは、1.5〜3個であ
る。
【0018】本化合物の構造は以下の方法により同定す
ることができる。数平均分子量はRI検出器を用いて、
GPC測定(標準ポリスチレン換算)により求めること
ができる。また、末端官能基の定量は高分解能 1H−N
MR分光分析により行うことができる。末端基のケイ素
に直接結合した炭素上のプロトンは−0.5〜1.0p
pm付近に観測される。主鎖ピークは一般に0.6〜
2.4ppm付近に観測される。これらの積分強度比か
ら末端官能基密度が求められる。本発明においては、G
PCにより求めた数平均分子量と 1H−NMRで求めた
末端官能基密度から一分子あたりの官能基の数を求めて
いる。本発明のイソブチレン系重合体をそのままあるい
は適当な官能基変換によりゴム状弾性体とするために
は、一分子当たりの官能基数は平均1.5以上が好まし
い。
【0019】本発明の第二において、構造式IVに関し
て、R1は水素原子、メチル基を表す。構造式IVに関し
て、Yは水素原子、ハロゲン原子を示すが好ましくは塩
素原子である。本発明の第二における、末端に構造式IV
を有するイソブチレン系重合体は、イソブチレンを含有
するカチオン重合性モノマーを重合させ製造される末端
に、構造式VI:
【0020】
【化7】
【0021】{Yはハロゲン原子または水素原子を表
す。}を有するイソブチレン系重合体を、ルイス酸触媒
存在下、カチオン重合に適した溶媒中におくことにより
末端にカチオンを発生させ、それに対してイソプレンあ
るいはブタジエンを末端に対し1モル当量以上反応させ
ることにより、あるいは構造式VIを末端に有するイソブ
チレン系重合体の重合反応系に対し、重合反応が終了し
た後に、その末端に存在すると考えられる第3級炭素カ
チオンに対しイソプレンあるいはブタジエンを末端に対
し1モル当量以上反応させることにより製造される。
【0022】重合溶媒としては、通常カチオン重合に用
いられる溶剤を、適宜用いることができ、例えば脂肪族
炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭
化水素溶媒等が用いられる。この中でもハロゲン化炭化
水素が好ましく、塩素原子を有する塩素化炭化水素がよ
り好ましい。かかる脂肪族炭化水素の具体例としては、
ペンタン、ヘキサン等を、芳香族炭化水素としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等を、またハロゲン化炭化
水素の具体例としては、クロロメタン、クロロエタン、
塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン等を例示できる。これら
は、一種単独で、または、二種以上混合して使用され
る。さらに、これらの溶媒と更に少量の他の溶媒、例え
ば酢酸エチル等の酢酸エステルやニトロエタン等のニト
ロ基を持つ有機化合物を併用しても良い。
【0023】ルイス酸触媒としては、MX′p(Mは金
属原子、X′はハロゲン原子、pは2以上の整数)で表
されるもの、例えばBCl3、AlCl3、SnCl4、TiCl
4、VCl5、FeCl3、BF3等及びEt2AlCl、EtAl
Cl2等の有機アルミニウム化合物等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらのルイス酸のう
ち、TiCl4が特に好ましい。前記ルイス酸の使用量
は、第3級炭素−ハロゲン結合に対して、通常0.1〜
50当量が好ましく、更に好ましくは0.2〜10当量
とするのが良い。重合反応系に対し、連続して導入反応
を行う場合には特に触媒などを添加する必要はないが、
添加しても構わない。イソプレンの添加量としては2〜
10当量が好ましく、少なすぎるとイソブチレン末端に
導入されたイソプレンに対し別のイソブチレン末端第3
級炭素カチオンが反応するカップリング反応が発生しや
すくなり、多すぎると一つのイソブチレン末端に対し複
数のイソプレンが反応したり、イソプレン自身のオリゴ
マーが副生したりする。重合装置としては、従来のカチ
オン重合に使用されるものを適用できる。イソプレンの
添加時にはカップリングなどの副反応を防ぐために、十
分な攪拌を与え、速やかにイソプレンが反応系中に均一
になるようにすることが好ましい。重合の際の温度は通
常+10〜−100℃が好ましく、更に好ましくは−3
0〜−80℃程度とするのが良い。
【0024】本発明における反応性ケイ素基とは、シラ
ノール縮合触媒の存在下又は非存在下で水分により加水
分解を受けうる加水分解性基がケイ素原子に結合してい
る基を意味し、加水分解性基の具体例としては、例えば
水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ
ート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカ
プト基、アルケニルオキシ基、ハロゲン原子などの一般
に使用されている基があげられる。これらのうちでは、
加水分解性がマイルドで取り扱いやすいという点から、
アルコキシ基が特に好ましい。該加水分解性基は1個の
ケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、2
個以上結合する場合には、それらは同じであってもよく
異なっていてもよい。前記反応性ケイ素基を形成するケ
イ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、
シロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合
には、20個のものまでが好ましい。本発明の第二にお
いては、使用されるイソブチレン系重合体の末端の炭素
−炭素二重結合に構造式V:
【0025】
【化8】
【0026】{式中、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアラルキル基又はR456SiO−で表さ
れるトリオルガノシロキシ基(R4、R5及びR6は同一
又は異なって炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す)
を表し、Xは水酸基、加水分解性基を表し、Xが2個以
上結合するときは同一又は異なっていてもよく、aは
0、1、2又は3の整数を表し、bは0、1又は2の整
数を表し、nは0又は1〜18の整数を表す。}で表さ
れる水素化シリコン化合物を、ヒドロシリル化触媒を用
いて付加反応させることにより、第一の発明に記載され
ている、末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系
重合体が製造される。
【0027】構造式Vで表される水素化シリコン化合物
の具体例としては、例えばトリクロロシラン、メチルジ
クロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルシロ
キシジクロロシランなどのクロロシラン類;トリメトキ
シシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、フェニルジメトキシシラン、1,3,3,5,5,
7,7−ヘプタメチル−1,1−ジメトキシテトラシロ
キサンなどのアルコキシシラン類;メチルジアセトキシ
シラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシランな
どのアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメー
ト)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメー
ト)メチルシラン、ビス(ジエチルケトキシメート)ト
リメチルシロキシシランなどのケトキシメートシラン
類;ジメチルシラン、トリメチルシロキシメチルシラ
ン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,
3,5−トリメチルシクロトリシロキサンなどの分子中
にSi-H結合を2個以上有するハイドロシラン類;メチ
ルジ(イソプロペニルオキシ)シランなどのアルケニル
オキシシラン類などが挙げられる。本発明におけるイソ
ブチレン系重合体の末端の炭素−炭素二重結合は内部オ
レフィンであり、末端オレフィンに比べ一般にヒドロシ
リル化反応に対する活性が低いので、水素化シリコン化
合物としてはよりヒドロシリル化反応に対する活性が高
いクロロシラン類が好ましい。
【0028】ただし、クロロシラン類を用いたヒドロシ
リル化反応により得られたクロロシリル基を有するイソ
ブチレン系重合体は、縮合硬化する場合に塩化水素ガス
あるいは塩酸を生成するので実用上不都合の生じること
がある。また、生成した塩素イオンが、反応性ケイ素基
の縮合反応の触媒となり、該基を有する重合体の貯蔵安
定性に悪影響を与えうる。それ故、このクロロシリル基
の塩素原子をアルコキシ基、アシルオキシ基、アミノオ
キシ基、アルケニルオキシ基、ヒドロキシル基などに変
換して使用するのが好ましい。これらの内ではアルコキ
シ基が、加水分解性がマイルドで取り扱いやすいという
点から、特に好ましい。クロロシリル基をアルコキシシ
リル基に変換する方法としては、Noll著Chemistry and
Technology of Silicone(1968)に述べられているように
様々な方法があるが、例としてアルコールのみを用いる
方法、アルコールと発生する塩化水素を捕捉する塩基を
用いる方法、オルトギ酸メチルなどのオルト酸エステル
を用いる方法、ナトリウムメチラートなどのアルカリ金
属アルコキシド類を用いる方法などがあげられる。本発
明に有用なヒドロシリル化触媒としては、白金触媒、ロ
ジウム触媒(例えばRhCl(PPh3)3、RhAl23)、ル
テニウム触媒(例えば、RuCl3)、イリジウム触媒(例
えばIrCl3)、鉄触媒(例えば、FeCl3)、アルミニウ
ム触媒(例えば、AlCl3)、パラジウム触媒(例えばP
dCl2・2H2O)、ニッケル触媒(例えば、NiCl2)、
チタン触媒(例えば、TiCl4) などが挙げられるが、
好ましいのは白金触媒である。
【0029】本発明に有用な白金触媒は担体上の白金金
属、白金化合物及び白金錯体から選ぶ。白金化合物及び
白金錯体は塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金
酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどの錯体、白金
−オレフィン錯体(例えばPt(CH2=CH2)3(PPh3)
2、Pt(CH2=CH2)2Cl2)、白金−ビニルシロキサン
錯体(例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt
[(MeViSiO4)]m)、白金−ホスフィン錯体(例え
ば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu)4)、白金−ホスファイト
錯体(例えば、Pt[P(OPh3)]4)(式中、Meはメ
チル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニ
ル基を表し、m、nは整数を表す。)、ジカルボニルジ
クロロ白金などを挙げることができる。また、アシュビ
ー(Ashby) の米国特許第3,159,601号明細書及
び同第3,159,662号明細書中に記載された白金
−炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lamoreaux) の米
国特許第3,220,972号明細書中に記載された白
金アルコラート触媒も挙げることができる。さらに、モ
ディク(Modic) の米国特許第3,516,946号明細
書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明
において有用である。白金金属は、木炭、アルミナ、ジ
ルコニア等のような担体上に付着される。水素化ケイ素
と不飽和化合物の不飽和部分間の反応をさせる白金含有
材料も本発明に有用である。触媒量としては特に制限は
ないが、炭素−炭素二重結合1molに対して、1×10
-1〜1×10-8molの範囲で用いるのがよい。さらには
1×10-3〜1×10-5molが好ましい。
【0030】ヒドロシリル化反応は、一般に0〜150
℃の温度範囲で行われるが、上述したように本発明に使
用される炭素−炭素二重結合の反応性の低さを補うため
に70℃以上が好ましい。反応に対しては、反応温度の
調節、反応系の粘度の調節など必要に応じて、n−ペン
タン、n−ヘキサン、n−ペプタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの溶剤又はプロセスオイルなどの可塑
剤を用いてもよい。ヒドロシリル化反応を実施するため
の装置としては、特に制限はないが、水素化シリコン化
合物及び溶媒の沸点以上での反応を行う場合にはオート
クレーブなどの耐圧容器が好ましい。本発明の製造方法
により得られる、イソブチレン系重合体は、構造式I、
構造式II及び構造式III から選ばれる反応性ケイ素基を
末端に有するものである。構造式I及び構造式IIの反応
性ケイ素基は、構造式IVの二重結合を構成する2つの炭
素原子のいずれかに、構造式Vの水素化シリコン化合物
が付加したものである。これに対し構造式III の反応性
ケイ素基は、一旦、構造式Iのようにシリル化されたも
のから反応性ケイ素基がβ脱離してオレフィン末端が再
生し、そのオレフィン末端に別の水素化シリコン化合物
が付加したものと考えられる。
【0031】本発明の第三に関して、本発明のイソブチ
レン系重合体の硬化物は、主鎖中に芳香環以外の不飽和
基を全くあるいは実質的に含有しないものであるため、
オキシプロピレン系重合体、またはその他の不飽和結合
を持った有機重合体の硬化物に比べて著しく耐候性、耐
熱性が良い。また、本発明のイソブチレン系重合体は、
炭化水素系重合体であるので、耐水性が良く、その硬化
物における水蒸気透過性は著しく低い。本発明の重合体
を用いた硬化性組成物においては、硬化物の強度、伸び
などの物性を巾広くコントロールするために各種シラン
化合物を物性調整剤として使用してもよい。このような
化合物の具体例としては、たとえば(CH3)3SiOH、
(CH3CH2)3SiOH、(CH3CH2CH2)3SiO
H、
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】などの加水分解性基や、シラノール基を1
個以上含有するシリコン化合物があげられるが、これら
に限定されるものではない。なお、式中のVは水素原子
または炭素数1〜20の炭化水素基である。これらのシ
リコン化合物の添加方法には、大きく分けて3つの方法
がある。一つは、該化合物を前記イソブチレン系重合体
に単に添加する方法である。該化合物の性状などに応じ
て、要すれば加熱攪拌などをして均一に分散、溶解させ
ればよい。この場合、完全に均一透明な状態にする必要
はなく、不透明な状態であっても、分散していれば充分
目的は達せられる。また必要に応じて、分散性改良剤、
たとえば界面活性剤などを併用してもよい。二番目の方
法は、最終的に製品を使用する際に該化合物を所定量添
加混合する方法である。たとえば2成分型のシーリング
材として使用するような場合、基剤と硬化剤の他に第3
成分として該化合物を混合して使用しうる。三番目の方
法は、該化合物をあらかじめ該イソブチレン系重合体と
反応させてしまうもので、必要に応じてスズ系、チタン
酸エステル系、酸または塩基性触媒を併用してもよい。
水分によりシラノール基を含有する化合物を生成する化
合物の場合には、必要量の水も添加し、減圧下、加熱脱
揮することにより目的が達せられる。
【0037】この際使用しうる触媒の具体例としては、
たとえばテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネートなどのチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウ
レート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセ
テート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどのスズカ
ルボン酸塩類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチル
アミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、
シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレン
ジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
モルホリン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアザビ
シクロ(5,4,6)ウンデセン−7(DBU)などの
アミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸などとの
塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とからえられる低分子
量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物
との反応生成物;アミノ基を有するシランカップリング
剤、たとえばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシランなどのシラノール縮合触媒などがあげられ
る。これらの触媒は単独で使用してもよいし、2種以上
併用してもよい。
【0038】本発明の硬化性組成物は、有効成分である
反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体のほか
に、前記のような物性調整剤としての各種シラン化合物
を必要に応じて使用しうるのはもちろん、さらに各種フ
ィラー、可塑剤、有効成分である反応性ケイ素基を有す
るイソブチレン系重合体成分を硬化させるために通常使
用されるシラノール縮合触媒、水、老化防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤、接着付与剤などが必要に
応じて添加されうる。本発明に用いるフィラーとして
は、たとえば木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、
ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻
粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームシリ
カ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭
酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグ
ネシウム、石英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、
亜鉛末などがあげられる。これらのフィラーは単独で用
いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0039】可塑剤としては、ポリブテン、水素添加ポ
リブテン、α−メチルスチレンオリゴマー、ビフェニ
ル、トリフェニル、トリアリールジメタン、アルキレン
トリフェニル、液状ポリブタジエン、水素添加液状ポリ
ブタジエン、アルキルジフェニル、部分水素添加ターフ
ェニルなどの炭化水素系化合物類;塩化パラフィン類;
ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−
エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレー
ト、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸
エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケ
ートなどの非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレング
リコールベンゾエート、トリエチレングリコールジベン
ゾエートなどのポリアルキレングリコールのエステル
類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェー
トなどのリン酸エステル類などがあげられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これら
の可塑剤はイソブチレン系重合体に反応性ケイ素基を導
入する際に、反応温度の調節、反応系の粘度の調節など
の目的で溶剤のかわりに用いてもよい。
【0040】本発明の硬化性組成物の有効成分である反
応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体成分を硬化
させるために、シラノール縮合触媒が必要に応じて用い
うる。このような縮合触媒としては、たとえばテトラブ
チルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタ
ン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチル
スズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル
酸スズ、ナフテン酸スズなどのスズカルボン酸塩類;ジ
ブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;
ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミニウムト
リスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチル
アセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチ
ルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;
ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテト
ラアセチルアセトナートなどのキレート化合物類;オク
チル酸鉛;ブチルアミン、モノエタノールアミン、トリ
エチレンテトラミン、グアニジン、2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、1,3−ジアザビシクロ(5,4,
6)ウンデセン−7(DBU)などのアミン化合物ある
いはそれらのカルボン酸などの塩;および他の酸性触
媒、塩基性触媒など公知のシラノール触媒があげられ
る。
【0041】また、硬化を促進あるいは深部硬化性を発
現するため、湿分供給源として水や無機化合物の水和物
を用いてもよい。本発明の硬化性組成物は接着性をさら
に向上させる目的で種々の接着付与剤を併用してもよ
い。具体的にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ
シラン化合物、エポキシシラン化合物などのような各種
シランカップリング剤、アルキルチタネート類、芳香族
ポリイソシアネートなどを1種または2種以上用いるこ
とにより、多種類の被着体に対する接着性を向上させる
ことができる。また、本発明の硬化性組成物は、ホット
メルトブチル等の熱可塑性樹脂に10〜50重量部ブレ
ンドする事により耐熱性を改善する事ができる。このよ
うにして得られた本発明の硬化性組成物は、接着剤や粘
着剤、塗料、密封材組成物、防水材、吹付材、型取り用
材料、注型ゴム材料などとして好適に使用されうる。
【0042】
【発明の効果】本発明は高価なアリル化試剤を用いずに
製造される末端に構造式IV:
【0043】
【化13】
【0044】で示される炭素−炭素二重結合を持つイソ
ブチレン系重合体に反応性ケイ素基を導入し、それを利
用したゴム状弾性体となる硬化性組成物を与える。本発
明の硬化物は、低価格でありながら、引っ張り特性及び
耐候性に優れ、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング
材、シーリング材、電気電子用封止材、制震材料、医療
用弾性材等に有用である。
【0045】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。 製造例1:メカニカルスターラーを備えた5リットル耐
圧容器を十分に乾燥、窒素置換した後、モレキュラーシ
ーブス3Aで予め脱水した塩化メチレン1040ml、
n−ヘキサン694ml、1,4−ビス(α−クロロイ
ソプロピル)ベンゼン(以下、p−DCCと略)2.8
9g、2−メチルピリジン0.23gを仕込んだ。容器
を−50℃に冷却し、別容器に計量したイソブチレンモ
ノマー145mlをここに移送した。三方コックを通じ
て窒素ガスを少量ずつ流しながら、乾燥したシリンジを
用いて四塩化チタン11.9gを加え重合を開始した。
35分後にイソプレン3.41gを添加した。そのまま
攪拌を継続し、55分後にイオン交換水と混合し、更に
イオン交換水で2回洗浄しイオン性不純物を除いた。1
00℃で1時間かけて揮発分を留去しポリマーを得た。
1H−NMRスペクトルにおいて末端の炭素−炭素二重
結合上のプロトンは5.0−5.1ppmに非常にブロ
ードなピークとして観察された。以降、本製造例で得ら
れた重合体をイソブチレン系重合体1と記す。 数平均分子量 :10560 分子量分布 :1.37 末端官能基数(一分子中):2.04
【0046】製造例2 メカニカルスターラーを備えた10リットル耐圧容器を
十分に乾燥、窒素置換した後、モレキュラーシーブス3
Aで予め脱水した塩化メチレン3750ml、n−ヘキ
サン2500ml、p−DCC10.11g、2−メチ
ルピリジン0.82gを仕込んだ。容器を−70℃に冷
却し、別容器に計量したイソブチレンモノマー1015
mlをここに移送した。三方コックを通じて窒素ガスを
少量ずつ流しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化
チタン41.5gを加え重合を開始した。徐々に温度を
上げていき、30分後に−50℃にした。35分後にイ
ソプレン0.68gを添加した。そのまま攪拌を継続
し、55分後にイオン交換水と混合し、更にイオン交換
水で2回洗浄しイオン性不純物を除いた。100℃で1
時間かけて揮発分を留去しポリマーを得た。1H−NM
Rスペクトルにおいて末端の炭素−炭素二重結合上のプ
ロトンは5.0−5.1ppmに非常にブロードなピー
クとして観察された。以降、本製造例で得られた重合体
をイソブチレン系重合体2と記す。 数平均分子量 :22330 分子量分布 :1.41 末端官能基数(一分子中):2.06
【0047】実施例1 マグネティックスターラーで攪拌できるようにした20
0mlの耐圧ガラス瓶を十分に乾燥した後、イソブチレ
ン系重合体1 18.0gをモレキュラーシーブス3A
で予め脱水したn−ヘプタン20mlに溶解させたもの
を入れた。ジクロロメチルシラン2.22ml、Pt
[{(CH2=CH)Me2Si}2O]2触媒溶液4.3×1
-3mmolを加え密栓した。容器を100℃に加熱し攪拌
した。8時間後に室温に冷却した。アスピレーターを用
いて容器中を減圧にし、過剰のジクロロメチルシランを
除去した。無水メタノール2.1ml、オルトギ酸メチ
ル5.6mlを加え50℃で2時間攪拌した。反応混合
物を濃縮し末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン
系重合体を得た。1H−NMRによりポリマー末端の二
重結合上のプロトンのピークの消失、ケイ素上のメチル
基のピークの存在が確認された。これより、イソブチレ
ン系重合体の末端への反応性ケイ素基の導入は定量的に
行われたことが確認された。
【0048】実施例2:マグネティックスターラーで攪
拌できるようにした200mlの耐圧ガラス瓶を十分に
乾燥した後、イソブチレン系重合体2 18.9gをモ
レキュラーシーブス3Aで予め脱水したn−ヘプタン2
0mlに溶解させたものを入れた。ジクロロメチルシラ
ン0.92ml、Pt[{(CH2=CH)Me2Si}2O]
2触媒溶液7.1×10-4mmolを加え密栓した。容器を
100℃に加熱し攪拌した。8時間後に室温に冷却し
た。アスピレーターを用いて容器中を減圧にし、過剰の
ジクロロメチルシランを除去した。無水メタノール1.
1ml、オルトギ酸メチル2.9mlを加え50℃で2
時間攪拌した。反応混合物を濃縮し末端に反応性ケイ素
基を有するイソブチレン系重合体を得た。1H−NMR
によりポリマー末端の二重結合上のプロトンのピークの
消失、ケイ素上のメチル基のピークの存在が確認され
た。その1H−NMRチャートを図1に示す。これよ
り、イソブチレン系重合体の末端への反応性ケイ素基の
導入は定量的に行われたことがわかる。
【0049】実施例3:実施例1で得られた末端に−S
iMe(OMe)2基を有するイソブチレン系重合体100
部、水1部、ヘキサン25部、別に調製しておいたオク
チル酸スズ3部、ラウリルアミン0.75部からなるシ
ラノール縮合触媒を添加し、十分に混練した。該組成物
を厚さ約2mmの型枠に流し込み、減圧乾燥機中で室温
で1時間脱泡した。その後、室温で4日間、さらに50
℃で4日間養生して硬化物を得た。該硬化物のシートか
らJISK6301に準拠した3号ダンベルを打ち抜
き、引っ張り速度200mm/分の引張試験に供した。 実施例4:実施例3における、実施例1で得られたイソ
ブチレン系重合体の代わりに実施例2で得られたイソブ
チレン系重合体を用いて同様に硬化物を作成した。
【0050】実施例5:実施例1で得られた末端に−S
iMe(OMe)2基を有するイソブチレン系重合体100
部、炭酸カルシウム(商品名:ビスコライト−R)10
0部、炭酸カルシウム(商品名:ホワイトン−SB)2
0部、水素添加ポリブテン(出光石油化学(株)製、商
品名:ポリブテンOH)90部、エポキシ樹脂(商品
名:エピコート828)5部、水添ヒマシ油(商品名:
#305)3部、紫外線吸収剤(商品名:T327)1
部、酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)1
部、光硬化性樹脂(商品名:M309)3部、タルク
(商品名:ASP−170)5部、Na2SO4・10H2
O(湿分供給源として使用)5部を量りとってよく混合
し、更に3本ペイントロールを3回通して充分に混練し
たのち、別に調製しておいたオクチル酸スズ3部、ラウ
リルアミン0.75部からなるシラノール縮合触媒を添
加し、十分に混練した。該組成物を厚さ約3mmの型枠
にできるだけ内部に泡が入らないように流し込み、室温
で4日間、さらに50℃で4日間養生して硬化物を得
た。該硬化物のシートからJISK6301に準拠した
3号ダンベルを打ち抜き、引っ張り速度200mm/分
の引張試験に供した。また、この硬化前の組成物をH型
モジュール(JIS2型)に入れ、同様に硬化させ引っ
張り速度50mm/分の引張試験に供した。
【0051】実施例6:実施例5における、実施例1で
得られたイソブチレン系重合体の代わりに実施例2で得
られたイソブチレン系重合体を用いて同様に硬化物を作
成した。以上実施例1、3、5で得られた分析結果を表
1に、実施例2、4、6で得られた分析結果を表2示
す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重合体の一例の1H−NMRチャート
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−316224(JP,A) 特開 平4−233916(JP,A) 特開 平4−103606(JP,A) 特開 平2−248406(JP,A) 特開 昭64−38407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式I、構造式II及び構造式III: 【化1】 {式中、R1は水素原子あるいはメチル基、R2及びR3
    それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はR4
    56SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基(R
    4、R5及びR6は同一又は異なって炭素数1〜20の1価
    炭化水素基を表す)を表し、Xは水酸基又は加水分解性
    基を表し、Xが2個以上結合するときは同一又は異なっ
    ていてもよく、aは0、1、2又は3の整数を表し、b
    は0、1又は2の整数を表し、nは0又は1〜18の整
    数を表し、Yはハロゲン原子あるいは水素原子を表
    す。}から選ばれる反応性ケイ素基の少なくとも一つ
    を、少なくとも1つの分子末端有し、主鎖成分が単量
    体組成として90モル%以上のイソブチレン単位を含む
    イソブチレン系重合体。
  2. 【請求項2】 R1がメチル基、Yがハロゲン原子であ
    る請求項1のイソブチレン系重合体。
  3. 【請求項3】 nが0の請求項1、2記載のイソブチレ
    ン系重合体。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が1000〜40000
    る請求項1、2又は3記載のイソブチレン系重合体。
  5. 【請求項5】 末端に構造式IV: 【化2】 (式中、R1は水素原子あるいはメチル基、Yは水素原
    子又はハロゲン原子を表す。)を有するイソブチレン系
    重合体に対し、構造式V: 【化3】 (式中、R2及びR3はそれぞれ沃素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
    アラルキル基又はR456SiO−で表されるトリオ
    ルガノシロキシ基(R4、R5及びR6は同一又は異なっ
    て炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す)を表し、X
    は水酸基又は加水分解性基を表し、Xが2個以上結合す
    るときは同一又は異なっていてもよく、aは0、1、2
    又は3の整数を表し、bは0、1又は2の整数を表し、
    nは0又は1〜18の整数を表す。}で示される水素化
    シリコン化合物をヒドロシリル化反応によって付加させ
    ることにより末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレ
    ン系重合体を製造する方法。
  6. 【請求項6】 水素化シリコン化合物がHSiMe2
    l、HSiMeCl2、HSiMeCl3である請求項5
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3又は4記載のイソブチレ
    ン系重合体を含んでなる硬化性組成物。
JP17309694A 1994-07-04 1994-07-04 末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物 Expired - Fee Related JP3322759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17309694A JP3322759B2 (ja) 1994-07-04 1994-07-04 末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17309694A JP3322759B2 (ja) 1994-07-04 1994-07-04 末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0812723A JPH0812723A (ja) 1996-01-16
JP3322759B2 true JP3322759B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=15954122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17309694A Expired - Fee Related JP3322759B2 (ja) 1994-07-04 1994-07-04 末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3322759B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4426318B2 (ja) * 2002-04-08 2010-03-03 株式会社カネカ 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法
EP2094738B1 (en) * 2006-11-17 2013-02-27 University Of Massachusetts Lowell Research Foundation Functional hydrocarbon polymers and process for producing same
JP7394882B2 (ja) * 2019-06-05 2023-12-08 エルジー・ケム・リミテッド 封止用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0812723A (ja) 1996-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4904732A (en) Curable isobutylene polymer
EP0658575B1 (en) Method of preparing polymer containing functional group
JP2873395B2 (ja) 反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物
JPS636041A (ja) 硬化性組成物
JP3315210B2 (ja) 硬化性組成物
JP3334938B2 (ja) 硬化性組成物、およびシーリング材料
JPH07108928B2 (ja) 硬化性組成物
JP2012158617A (ja) アルコキシヒドロシラン化合物の製造方法
EP1004628B1 (en) Curable composition
JP3330931B2 (ja) 接着剤組成物
JP2832465B2 (ja) 電気・電子部品材料用組成物及び電気・電子部品材料
JP4426318B2 (ja) 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体およびその製造方法
JP3322759B2 (ja) 末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体、その製造方法及びその硬化性組成物
JP3429091B2 (ja) イソブチレン系重合体を含む硬化性組成物
JP2602865B2 (ja) 硬化性組成物
JP2640129B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP3097783B2 (ja) 硬化性組成物
JP3393905B2 (ja) 官能基含有重合体の製造方法
JP2000109677A (ja) 室温硬化性組成物
CN115335455A (zh) 聚氧化烯系聚合物的混合物及固化性组合物
JPH0649347A (ja) 硬化性組成物
JPH08127683A (ja) 硬化性組成物、およびガスケット材料
JPH0841357A (ja) 硬化性組成物
JP2002201369A (ja) 硬化性組成物
JP3062636B2 (ja) 硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees