JP3388880B2 - イソブチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

イソブチレン系重合体及びその製造方法

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤、粘着剤、塗
料、コーティング材、シーリング材、電気電子用封止材
として有用な末端に官能基を有するイソブチレン系重合
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムは工業材料として欠かせない素材で
あるが、一般のゴム類は分子量の高さのために流動性や
溶剤に対する溶解性に乏しく、成形・加硫を行うために
は加熱・加圧が必要で加工性が悪い。比較的重合度の低
い主鎖成分と反応性官能基を組み合わせると、反応前は
室温で液状で反応後はゴム状を示す弾性体となるため、
高分子ゴムの欠点である加工性を大きく改善することが
できる。これらの材料は液状ゴムと呼ばれ、接着剤、粘
着剤、塗料、コーティング材、シーリング材、電気電子
用封止材等に用途が拡大されている。
【0003】特に主鎖成分が単量体組成として90モル
%以上のイソブチレン単位を含むイソブチレン系重合体
であって、数平均分子量を成形や加工に支障をきたさな
いよう1,000〜40,000にコントロールしたも
のの場合、イソブチレン特有のゴム的弾性、電気絶縁
性、低い水蒸気透過性、耐候性、耐熱性等を生かした特
徴ある材料となりうる。このように分子量を制御したイ
ソブチレン系重合体は、ケネディ氏によって提案された
1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼンのよ
うな二官能成分または1,3,5−トリス(α−クロロ
イソプロピル)ベンゼンのような三官能成分を開始剤兼
連鎖移動剤、BCl3 を触媒としてイソブチレンをカチ
オン重合させるイニファー法(米国特許第427639
4号明細書)により製造されることが知られている。
【0004】一方、反応性官能基としては、化学反応性
に富む種々の基が導入されており、熱、活性エネルギー
線、水分、架橋剤等によって反応・硬化が試みられてい
る。中でも炭素−炭素不飽和基は重要で、重合反応を行
って重合度を向上させたり、架橋に利用できるだけでは
なく、他の官能基成分を付加させるなどして官能基変換
にも利用することができる。本発明者らはすでに炭素−
炭素不飽和基をヒドロシリル化反応によって、湿分硬化
性に変えたり(特公平4−69659号公報)、炭素−
炭素不飽和基とケイ素−水酸基の付加反応によって硬化
物が得られる(特開平3−200807号公報)ことを
示した。
【0005】また、その末端に炭素−炭素不飽和基を導
入する方法としては重合直後のイソブチレン系重合体に
アリルシランを反応させる、あるいは単離精製を行った
両末端にクロル基を有するイソブチレン系重合体にTi
Cl4 を加えアリルトリメチルシランを反応させること
により両末端にアリル基を有する重合体を得る方法(特
開昭63−105005号公報)、非共役ジエン類を共
重合ないしは末端停止剤として用いる方法(特開平4−
288309号公報)などが公知となっている。しか
し、いずれの方法においても主鎖であるイソブチレンに
対し、格段に高価で、回収が困難なアリル化試剤を使用
しなければならない。
【0006】安価な試剤で末端に炭素−炭素不飽和基を
導入する方法としては、特開平4−233916号公報
に記載されているように、ブタジエンを使用するものが
ある。この場合、ブタジエンはイソブチレンに比べカル
ボカチオンとの反応性が低く、その導入時にはブタジエ
ン1分子に対し、カルボカチオン2分子が反応するカッ
プリング反応などを引き起こしやすい。
【0007】本発明において使用されるイソプレンは、
イソブチレンとランダム共重合されIIRとなり、ゴム
原料として現在広く製造され使用されている。このII
Rの場合、イソプレンはイソブチレン主鎖中にランダム
に含まれており、その主鎖中に残った二重結合に対して
化学反応をおこし架橋させている。本発明においては、
既に重合済みのイソブチレン系重合体又はイソブチレン
系重合体の重合反応系において、その重合反応が完結し
た後にイソプレンを反応させることにより末端にのみイ
ソプレンを1分子導入している。イソブチレンとイソプ
レンのブロック共重合は公知であるが、この場合には主
鎖中に多数の二重結合を持ち耐候性が低下する。本発明
においては、イソプレンのカルボカチオンに対する反応
性がイソブチレンと同等であること、イソプレンがカル
ボカチオンと反応すると安定なπ−アリルカチオンがで
き、更なる重合が抑制されることを利用して、イソブチ
レン系重合体の末端にのみイソプレンを1分子導入して
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イソ
ブチレン系重合体末端に高価なアリル化試剤を用いずに
炭素−炭素不飽和結合を導入する、安価で簡便な方法を
提供することであり、また、容易に他の非常に反応性の
高い官能基に変換することのできる二重結合を末端に持
つイソブチレン系重合体およびその合成法を示すことで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第三級塩素原
子を含有するイソブチレン系重合体、あるいはその重合
反応系において重合完結後に、ルイス酸触媒存在下でイ
ソプレンを反応させることにより上記目的が達成される
ことにより見い出されたものである。即ち、本発明の第
一は、式(1):
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Xはハロゲン原子)で表される基
を末端に有する、単量体組成比で90モル%以上のイソ
ブチレン単位を含有するイソブチレン系重合体である。
本発明の第二は、 式(2):
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Xはハロゲン原子)で表される基
を末端に有するイソブチレン系重合体に対し、ルイス酸
触媒存在下、イソプレンをイソブチレン系重合体末端に
対し、1〜200倍モル反応させることを特徴とする、
末端に式(1)で表される基を有するイソブチレン系重
合体の製造方法である。本発明の第三は、前記式(2)
を末端に有するイソブチレン系重合体の重合反応系にお
いて、重合反応が終了した後にイソプレンを前記重合反
応系に添加し、イソブチレン系重合体末端に対し1〜2
00倍モル反応させることを特徴とする、末端に式
(1)で表される基を有するイソブチレン系重合体の製
造方法である。
【0014】本発明の第一に使用されるイソブチレン系
重合体は、末端に式(1)で表される基(以下、末端官
能基ともいう)を有する。該イソブチレン系重合体の末
端官能基に結合された主鎖成分は、好ましくは、単量体
組成として90モル%以上のイソブチレン単位である。
本発明のイソブチレン系重合体は、好ましくは、数平均
分子量を成形や加工に支障をきたさないよう1,000
〜40,000、更に好ましくは、3,000〜30,
000の範囲に制御される。
【0015】本発明の第二および第三における、末端に
式(2)で表される基を有するイソブチレン系重合体の
主鎖成分も前記本発明の第一のイソブチレン系重合体の
主鎖成分と同様のものが好ましく、このようなイソブチ
レン系重合体は上述したようなイニファー法によって合
成が可能である。該主鎖成分におけるイソブチレン単位
以外の単量体組成成分としては、イソブチレンと共重合
が可能な不飽和炭化水素が挙げられ、具体的には2−ブ
テン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−2−ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ビニルシク
ロヘキサン、5−エチリデンノルボルネン、インデン、
β−ピネン等の脂肪族オレフィン類;シクロペンタジエ
ン、ジシクロペンタジエン等のジエン類;スチレン、α
−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン類
を挙げることができる。
【0016】本発明の第一は、容易に他の非常に反応性
の高い官能基に変換することのできる式(1)の二重結
合を末端に持つイソブチレン系重合体である。官能基変
換の具体例としては、特開平4−233916号公報に
開示されているようなアミンあるいはヒドラジンにより
アミノ基を導入する方法、反応性基を持つ水素化シリコ
ン化合物をヒドロシリル化反応により付加させることに
より、反応性ケイ素基を導入すること等が例示できる。
【0017】式(1)を有するイソブチレン系重合体の
構造は、以下の方法により同定することができる。数平
均分子量はRI検出器を用いて、GPC測定(標準ポリ
スチレン換算)により求めることができる。また、末端
官能基の定量は、高分解能1H-NMR分光分析により行うこ
とができる。末端官能基の二重結合部位のプロトンは
5.0〜5.1ppm付近に観測される。主鎖ピークは
一般に0.6〜2.4ppm付近に観測される。これら
の積分強度比から末端官能基密度が求められる。式
(1)が末端にのみ存在することは、イソプレン添加前
にイソブチレン系重合体の重合収率が100%に達して
いること、またその時点では式(1)に対応する1H-NMR
のピークが観察されないことなどから確認される。本発
明においては、GPCにより求めた数平均分子量と1H-N
MRで求めた末端官能基密度から一分子あたりの末端官能
基の数を求めている。本発明のイソブチレン系重合体を
そのままあるいは適当な官能基変換によりゴム状弾性体
とするためには、一分子当たりの官能基数は1〜3、好
ましくは、平均1.5〜2.5の範囲である。また、液
状硬化性組成物として使用する場合の取り扱いの容易さ
から数平均分子量は1,000〜40,000の範囲で
ある。
【0018】本発明の第二は、式(2)を末端に有する
イソブチレン系重合体を、ルイス酸触媒存在下、カチオ
ン重合に適した溶媒中におくことにより、末端にカチオ
ンを発生させ、それに対してイソプレンをイソブチレン
系重合体末端に対し1〜200倍モル、好ましくは、2
〜10倍モル反応させることにより、第一の発明に示さ
れた末端構造を持つイソブチレン系重合体を製造するこ
とを骨子とするものである。
【0019】式(2)で表される第3級炭素−ハロゲン
結合は、カチオン重合に適した溶媒中で、ルイス酸触媒
を作用させると容易に第3級炭素カチオンを与えること
は良く知られている。これに対し、イソプレンを適当量
添加することにより、末端へのイソプレンの導入が容易
に達成される。第3級炭素カチオンに対するイソプレン
の反応性は非常に高いと考えられる。そして、導入後
は、カルボカチオンがπ−アリルカチオンとなり安定化
され、イソブチレン系重合体末端のカルボカチオンと比
較して求電子力が低下するために、それ以上の反応がお
こりにくくなり、結果としてポリマー末端にほぼ1分子
ずつのイソプレンが導入され、式(1)を有するイソブ
チレン系重合体が生成されると考えられる。
【0020】反応溶媒としては、反応に悪影響を与えな
いものを、適宜用いることができ、例えば、脂肪族炭化
水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水
素溶媒等が用いられる。この中でもハロゲン化炭化水素
が好ましく、塩素原子を有する塩素化炭化水素がより好
ましい。かかる脂肪族炭化水素の具体例としては、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン
等を、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン等を、またハロゲン化炭化水素の具体例として
は、クロロメタン、クロロエタン、塩化メチレン、1,
1−ジクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジクロロ
エタン等を例示できる。これらは、一種単独で、また
は、二種以上混合して使用される。さらに、これらの溶
媒と更に少量の他の溶媒およびエレクトロンドナーなど
の添加物、例えば、酢酸エチル等の酢酸エステル、ニト
ロエタン等のニトロ基を持つ有機化合物、ピコリン等の
ピリジン類、トリエチルアミン等のアミン類、塩化アン
モニウム等のアンモニウム塩類を併用しても良い。
【0021】ルイス酸触媒としては、MX′p(Mは金
属原子、X′はハロゲン原子、pは2以上の整数)で表
されるもの、例えば、BCl3 、AlCl3 、SnCl
4 、TiCl4 、VCl5 、FeCl3 、BF3 等及び
Et2 AlCl、EtAlCl2 (Etはエチル基)等
の有機アルミニウム化合物等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらのルイス酸のうち、T
iCl4 が好ましい。前記ルイス酸の使用量は、式
(2)の第3級炭素−ハロゲン結合に対して、通常0.
1〜50倍モルが好ましく、更に好ましくは0.2〜1
0倍モルとするのがよい。
【0022】イソプレンの添加量としては、イソブチレ
ン系重合体末端に対し1〜200倍モル、好ましくは、
2〜10倍モルであり、少なすぎるとイソブチレン系重
合体末端に導入されたイソプレンに対し、別のイソブチ
レン系重合体末端第3級炭素カチオンが反応するカップ
リング反応が発生しやすくなり、多すぎると一つのイソ
ブチレン末端に対し複数のイソプレンが反応したり、イ
ソプレン自身のオリゴマーが副生したりする。
【0023】本発明を実施するための装置としては、特
に制限はなく、従来のカチオン重合に使用されるものを
適用できる。イソプレンの添加時にはカップリングなど
の副反応を防ぐために、十分な攪拌を与え、速やかにイ
ソプレンが反応系中に均一になるようにすることが好ま
しい。本発明を実施する際の温度は、通常+10〜−1
00℃が好ましく、更に好ましくは、−30〜−80℃
程度とするのが良い。
【0024】本発明に要する時間は、短時間で、通常、
イソプレン添加後、10〜40分である。本発明の第三
は、式(2)を末端に有するイソブチレン系重合体の重
合反応系において、重合反応が終了した後に、その末端
に存在すると考えられる第3級炭素カチオンに対しイソ
プレンを該重合反応系に添加し、イソブチレン系重合体
末端に対し、1〜200倍モル反応させることにより、
第一の発明に示された末端構造を持つイソブチレン系重
合体を製造することを骨子とするものである。
【0025】ここで、イソプレンは、イソブチレン系重
合体を生成した反応系と同じ反応系に添加される。即
ち、本発明は基本的には該生成した重合体は分離等の処
理を施すこと無くそのまま反応系に維持した状態でイソ
プレンが該反応に添加される主旨である。従って、該重
合反応系は、通常、イソプレン添加前と添加後で同一の
反応容器が使用されるが、上記主旨を逸脱しなければ別
の容器を使用してもよい。
【0026】ここにおける反応溶媒としては、反応に悪
影響を与えないものを、適宜用いることができ、例え
ば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化
水素等の炭化水素溶媒等が用いられる。この中でもハロ
ゲン化炭化水素が好ましく、塩素原子を有する塩素化炭
化水素がより好ましい。かかる脂肪族炭化水素の具体例
としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
シクロヘキサン等を、芳香族炭化水素としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等を、またハロゲン化炭化水素
の具体例としては、クロロメタン、クロロエタン、塩化
メチレン、1,1−ジクロロエタン、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン等を例示できる。これらは、一
種単独で、または、二種以上混合して使用される。さら
に、これらの溶媒と更に少量の他の溶媒およびエレクト
ロンドナーなどの添加物、例えば、酢酸エチル等の酢酸
エステル、ニトロエタン等のニトロ基を持つ有機化合
物、ピコリン等のピリジン類、トリエチルアミン等のア
ミン類、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩類を併用
しても良い。
【0027】分子量及び1分子当たりの官能基数を制御
するために適当な開始剤を使用することは、好ましい。
例えば、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベン
ゼン、1,4−ビス(α−メトキシイソプロピル)ベン
ゼン、1,3,5−トリス(α−クロロイソプロピル)
ベンゼン、1,3,5−トリス(α−メトキシイソプロ
ピル)ベンゼン、2,5−ジクロロ−2,5−ジメチル
ヘキサン等が挙げられる。
【0028】本発明の第三の重合反応系においては、通
常、ルイス酸触媒が使用され、そのルイス酸触媒として
は、MX′p(Mは金属原子、X′はハロゲン原子、p
は2以上の整数)で表されるもの、例えば、BCl3
AlCl3 、SnCl4 、TiCl4 、VCl5 、Fe
Cl3 、BF3 等及びEt2 AlCl、EtAlCl2
等の有機アルミニウム化合物等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。これらのルイス酸のうち、
TiCl4 が好ましい。前記ルイス酸の使用量は、式
(2)の第3級炭素−ハロゲン結合に対して、通常0.
1〜50倍モルが好ましく、更に好ましくは0.2〜1
0倍モルとするのがよい。
【0029】イソプレンを添加する時期は、重合が完結
した後である。重合完結の確認方法は特に限定しない
が、サンプリングによる収率の確認、反応熱のモニタ
ー、反応系中のイソブチレンモノマーの定量などが挙げ
られる。イソプレンを添加する前に重合反応系に対し、
特に触媒などを更に添加する必要はないが、添加しても
構わない。
【0030】イソプレンの添加量としては、イソブチレ
ン系重合体末端に対し1〜200倍モル、特に2〜10
倍モルが好ましく、少なすぎるとイソブチレン系重合体
末端に導入されたイソプレンに対し、別のイソブチレン
系重合体末端第3級炭素カチオンが反応するカップリン
グ反応が発生しやすくなり、多すぎると一つのイソブチ
レン末端に対し複数のイソプレンが反応したり、イソプ
レン自身のオリゴマーが副生したりする。
【0031】本発明を実施するための装置としては、特
に制限はなく、従来のカチオン重合に使用されるものを
適用できる。イソプレンの添加時にはカップリングなど
の副反応を防ぐために、十分な攪拌を与え、速やかにイ
ソプレンが反応系中に均一になるようにすることが好ま
しい。本発明を実施する際の温度は、通常+10〜−1
00℃が好ましく、更に好ましくは、−30〜−80℃
程度とするのが良い。
【0032】本発明に要する時間は、短時間で、通常、
イソプレン添加後、10〜40分である。
【0033】
【発明の効果】本発明はイソブチレン系重合体に高価な
アリル化試剤を用いずに末端に、炭素−炭素二重結合を
含む式(1)を有するイソブチレン系重合体を合成す
る、安価で反応性の高いイソプレン添加による、迅速で
効率の良い方法を提供する。本発明のイソブチレン系重
合体は、炭素−炭素不飽和基を重合に用いたり他の官能
基成分を付加させるなどしてゴム状弾性体としうる。接
着剤、粘着剤、塗料、コーティング材、シーリング材、
電気電子用封止材、制震材料、医療用弾性材等に有用で
ある。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。 製造例1 メカニカルスターラーを備えた3L耐圧容器を十分に乾
燥、窒素置換した後、モレキュラーシーブス3Aで予め
脱水した塩化メチレン832ml、n−ヘキサン124
9ml、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベン
ゼン(以下、p−DCCと略)2.90g、2−メチル
ピリジン0.23gを仕込んだ。容器を−70℃に冷却
し、別容器に計量したイソブチレンモノマー149ml
をここに移送した。三方コックを通じて窒素ガスを少量
ずつ流しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化チタ
ン23.7gを加え重合を開始した。2時間そのままの
状態で攪拌を続け、反応を完結させた。反応液を5Lの
冷メタノールに投入して良く攪拌し、重合体を再沈させ
た。沈殿物を500mlのn−ヘキサンに溶解させ、5
00mlのイオン交換水で2回洗浄し、イオン性不純物
を除いた。120℃の温度で1時間かけて揮発分を留去
し、両末端に第三級炭素−ハロゲン結合を有するイソブ
チレン系重合体を得た。以降、本製造例で得られた重合
体をイソブチレン系重合体1と記す。
【0035】GPC、元素分析で求めた分析値は以下の
通りであった。 数平均分子量(Mn) :9160Da 分子量分布(Mw/Mn):1.33 塩素含有量 :0.81wt% 製造例2 p−DCC2.90gの代わりに同化合物1.44gを
用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、イソブチ
レン系重合体を得た。以降、本製造例で得られた重合体
をイソブチレン系重合体2と記す。
【0036】分析値は以下の通りであった。 数平均分子量(Mn) :19660Da 分子量分布(Mw/Mn):1.10 実施例1 メカニカルスターラーを備えた500mlのフラスコを
十分に乾燥、窒素置換した後、イソブチレン系重合体1
を20.0g入れ、モレキュラーシーブス3Aで予め脱
水した塩化メチレン214ml、n−ヘキサン143m
lを加えポリマーを溶解させた。容器を−50℃まで冷
却した後に、三方コックを通じて窒素ガスを少量ずつ流
しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化チタン2.
1gを加えた。15分間そのまま攪拌した後にイソプレ
ン0.60g(ポリマー末端に対し約2倍モル)を添加
した。そのまま攪拌を継続し、適当な時間間隔でサンプ
リングを行った。サンプリング物は速やかにイオン交換
水中に投入し、更にイオン交換水で2回洗浄し、イオン
性不純物を除いた。100℃で1時間かけて揮発分を留
去し末端官能基を有するイソブチレン系重合体を得た。
【0037】実施例2 実施例1におけるイソブチレン系重合体1の代わりにイ
ソブチレン系重合体2を42.9g用いて同様に反応を
行った。この場合もポリマー末端に対するイソプレン量
は2倍モルである。以上、実施例1、2で得られた分析
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例3 メカニカルスターラーを備えた500mlの耐圧容器を
十分に乾燥、窒素置換した後、モレキュラーシーブス3
Aで予め脱水した塩化メチレン214ml、n−ヘキサ
ン143ml、p−DCC0.58g、2−メチルピリ
ジン0.047gを仕込んだ。容器を−50℃に冷却
し、別容器に計量したイソブチレンモノマー29.0m
lをここに移送した。三方コックを通じて窒素ガスを少
量ずつ流しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化チ
タン2.4gを加え重合を開始した。35分後にイソプ
レン0.68g(ポリマー末端に対し約2倍モル)を添
加した。そのまま攪拌を継続し、適当な時間間隔でサン
プリングを行った。サンプリング物の処理は実施例1に
従った。
【0040】実施例4〜6 実施例3におけるイソプレン量を0.34g(ポリマー
末端に対し約1倍モル)、1.36g(同約4倍モ
ル)、6.81g(同約20倍モル)と変えて同様に反
応を行った。以上、実施例3〜6で得られた分析結果を
表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】実施例7 メカニカルスターラーを備えた500mlの耐圧容器を
十分に乾燥、窒素置換した後、モレキュラーシーブス3
Aで予め脱水した塩化メチレン214ml、n−ヘキサ
ン143ml、p−DCC0.58g、2−メチルピリ
ジン0.047gを仕込んだ。容器を−70℃に冷却
し、別容器に計量したイソブチレンモノマー58.0m
lをここに移送した。三方コックを通じて窒素ガスを少
量ずつ流しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化チ
タン2.4gを加え重合を開始した。徐々に温度を上げ
ていき、30分後に−50℃にした。35分後にイソプ
レン0.68g(ポリマー末端に対し約2倍モル)を添
加した。そのまま攪拌を継続し、適当な時間間隔でサン
プリングを行った。サンプリング物の処理は実施例1に
従った。
【0043】以上、実施例7で得られた分析結果を表3
に示す。
【0044】
【表3】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−292038(JP,A) 特開 平6−345821(JP,A) 特開 平4−233916(JP,A) 特開 平4−20501(JP,A) 特開 平2−248406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1): 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子)で表される基を末端に有す
    、単量体組成比で90モル%以上のイソブチレン単位
    を含有するイソブチレン系重合体。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が1000〜40000
    請求項1記載のイソブチレン系重合体。
  3. 【請求項3】 式(1)の基を1分子当たり1〜3個有
    する請求項2記載のイソブチレン系重合体。
  4. 【請求項4】 式(2): 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子)で表される基を末端に有す
    るイソブチレン系重合体に対し、ルイス酸触媒存在下、
    イソプレンをイソブチレン系重合体末端に対し、1〜2
    00倍モル反応させることを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のイソブチレン系重合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 イソプレンをイソブチレン系重合体末端
    に対し2〜10倍モル反応させることを特徴とする請求
    項4記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記式(2)を末端に有するイソブチレ
    ン系重合体の重合反応系において、重合反応が終了した
    後にイソプレンを前記重合系に添加し、イソブチレン系
    重合体末端に対し1〜200倍モル反応させることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のイソブチ
    レン系重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 イソプレンをイソブチレン系重合体末端
    に対し2〜10倍モル反応させることを特徴とする請求
    項6記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
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