JP3083848B2 - 官能化されたポリマー及び官能化されたポリマーを得る方法 - Google Patents

官能化されたポリマー及び官能化されたポリマーを得る方法

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JP3083848B2 JP08521793A JP52179396A JP3083848B2 JP 3083848 B2 JP3083848 B2 JP 3083848B2 JP 08521793 A JP08521793 A JP 08521793A JP 52179396 A JP52179396 A JP 52179396A JP 3083848 B2 JP3083848 B2 JP 3083848B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、官能基を含有するポリマー及びそのような
ポリマーを得る方法に関する。
発明の背景 末端が官能化されたポリイソブチレン等の末端官能化
ポリマーは、油性組成物において、改質剤として有用で
あり、また、ポリウレタン及び両親媒性ネットワーク
(網状組織)等の有用物質の調製のための、重要な原料
物質でもある。典型的には、官能化されたポリイソブチ
レン等の官能化ポリマーは、少なくとも二工程でポリマ
ーの単離を必要とする多段プロセスで調製される。しか
しながら、多段プロセスは、商業的には望ましくない。
カルボカチオン性リビング重合の出現に伴って、リビ
ングポリマーを官能化する試みが為された。これらの試
みの成功の度合は、重合されるモノマーの種類に直接的
に関係する。イソブチルビニルエーテルのような、より
反応性に富むカルボカチオン性モノマーの単純なワン・
ポット(one−pot)(又は、イン・サイツ(in−sit
u))鎖末端官能化は、イオン性求核添加剤、即ち、メ
タノール、アルキルリチウム等を用いて行われ得る(エ
ム・サワモト(M.Sawamoto)等、高分子、20巻、1頁
(1987年)参照)、しかしながら、これらの添加剤が、
イソブチレン等のより反応性が低いモノマーのリビング
重合に添加される場合には、鎖末端官能化は生じな(ズ
ィー・フォーダー(Z.Fodor)等、ポリマー調製アメリ
カ化学学会(Polym.Prepr.Amer.Chem.Soc.)、35巻(2
号)、492頁(1994年)参照)。イソブチレン重合の最
終段階におけるこれらの試薬の添加により、結果とし
て、触媒の消費と、所望の求核置換の替わりに、ポリイ
ソブチレンにおける第三アルキルクロライド鎖末端の形
成がもたらされた。従って、これらのより反応性が低い
モノマーから作られるリビングポリマーを官能化するに
は、多段プロセスが必要であろう。しかしながら、重合
の最終段階でアリルトリメチルシランを添加することに
より、リビングポリイソブチレンのイン・サイツ官能化
によってアリル鎖末端が供給され得る(欧州特許公開公
報第0264214号、又は、ビー・イワン(B.Ivan)等、高
分子科学誌、パートA、高分子化学、28巻、89頁(1990
年)参照)ことを考慮する場合でさえも、この官能化で
は、官能基を導入するための化学の選択が制限される。
このように、この分野には、イソブチレン等のより反応
性が低いカチオン性モノマーに由来する官能化されたリ
ビングポリマーを供給するための、一工程プロセス及び
二又は三工程プロセスを提供する必要がある。
リビングポリマーの求電子置換反応は、そのようなリ
ビングポリマーでは更なる反応のためには活性な鎖末端
の濃度があまりに小さいと考えられるために、これまで
は実行可能な選択肢として考慮されていなかった。その
ような置換は、1−アダマンチル等の重合されていない
ハロゲン化物を用いて行われているが、そのような置換
がポリイソブチレン等のリビングポリマーについて成功
するであろうという暗示はない。
発明の簡単な説明 本発明は、官能化されたポリマー、及び、カチオン末
端を有するリビングポリマーをアルキルシリル擬ハロゲ
ン化物と結合させることを含む、末端ハロゲン化物基を
有するポリマーを得る方法に関する。本発明の目的のた
めには、“リビング”カチオン性重合は、Mn(数平均分
子量)とポリマー収量との間に実験誤差範囲内で直線的
関係を導く重合条件であって、その条件下では、分子量
の調整は、DPn=[M]/[I](ここで、DPは数平均
重合度、[M]はモノマー濃度、[I]は開始剤濃度で
ある)によって決定されるものとして定義される。重合
の間、及び官能化が行われ得る、好ましくは2〜3時間
又はそれ以上、より好ましくは少なくとも5分間の重合
後の時間を通じて、鎖の移動も停止も実質的に生じな
い。“実質的に生じない”とは、鎖の移動又は停止によ
って永久的に作用されるのは、鎖の15%以下であること
を意味する。従って、リビングポリマーとは、鎖の停止
又は移動がなされていない、活性な鎖末端を有するポリ
マーである。本発明は、更に、上記方法を通して、及び
上記方法によって製造された新規組成物に関する。ポリ
マーが鎖の停止又は移動を15%未満の範囲内で受けたか
否かを決めるために、理論上のMn対収量をプロットし、
その後、ポリイソブチレン標品に基づく検量線を用い
て、GPCで測定したMn値と比較する。仮に、測定されたM
n値が、算出されたMn対収量を示す線の上又は下で15%
を超えて離れているならば、その場合は、その系は15%
超の鎖の移動又は停止を含む。
図面の簡単な説明 図1は、開始部位が、どのように官能鎖末端の数を調
整するかについて説明する。
発明の詳細な説明 本発明は、リビングポリマー又は末端ハロゲン化物基
を有するポリマーを、アルキルシリル擬ハロゲン化物
と、ポリマーとアルキルシリル擬ハロゲン化物とが反応
する条件下に結合させることを特徴とするポリマーの官
能化のための方法に関する。好適実施態様においては、
アルキルシリル擬ハロゲン化物は、モノマーがポリマー
に100%転化したすぐ後に、リビングイソブチレン重合
系に添加される。更に又、本発明は、単一反応器又は連
続した反応器中での、官能化された分子量分布(Mw/M
n)が狭いポリマーの調製に使用され得る。
好適実施態様においては、アルキルシリル擬ハロゲン
化物と結合されるポリマーは、好ましくは、オレフィン
性、α−オレフィン性、二置換オレフィン性、スチレン
性モノマーから選択される一種以上のモノマーに由来す
るポリマーである。好ましいモノマーには、カチオン重
合され得る、即ち、モノマーが電子供与性基を含むため
に、カチオン又は成長中心を安定化できる、いずれかの
炭化水素モノマーが含まれる。これらのモノマーの適切
なリストには、ジェー・ピー・ケネディ(J.P.Kenned
y)、オレフィン類のカチオン重合:重要な目録、ジョ
ーン・ワイリー・アンド・サンズ、ニューヨーク、1975
年(ここに援用する)に記載されたモノマー(但し、こ
れらに限定されるわけではない)が含まれる。特に好ま
しいモノマーには、炭素原子を1〜20個、より好ましく
は1〜8個、更により好ましくは2〜6個含む、オレフ
ィン系、α−オレフィン類、二置換オレフィン類、イオ
オレフィン類、スチレン、及び/又は置換スチレン類の
中の一種以上が含まれる。好ましいモノマーの例には、
スチレン、パラアルキルスチレン、パラメチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、イソブチレン、2−メチルブ
テン、2−メチルペンテン、イソプレン、ブタジエン等
が含まれる。特に好ましいモノマーの組み合わせは、イ
ソブチレンとパラメチルスチレンを含み、一方、特に好
ましいホモポリマーは、ポリイソブチレンである。
アルキルシリル擬ハロゲン化物と結合されるポリマー
は、どのような分子量であってもよく、200という低
い、あるいは500〜1,000,000まで、又はそれを超えるMn
を包含する。所望の最終的な用途に応じて、種々のMnが
好ましい。例えば、添加剤や潤滑剤等の、種々の油性組
成物中での使用のためには、約300〜10,000のMnが好ま
しく、約450〜約4,000のMnが特に好ましい。別の実施態
様においては、約500〜2,200のMnが好ましく、500〜約
1,300のMnがより好ましく、一方では、約450と約950の
間のMnが特に好ましい。更に他の実施態様においては、
分子量がより高い官能化されたポリマーが好ましい。例
えば、300,000まで又はそれを超えるMnを有する官能化
されたポリマーは、タイヤやゴム工業において、基本ポ
リマー又はブレンドのための改質ポリマーとして使用さ
れ得る。
アルキルシリル擬ハロゲン化物と結合され得るリビン
グポリマーを得る方法には、欧州特許公開公報第206756
号、米国特許第5,350,819号、同第5,169,914号、同第4,
910,321号、及び1993年9月28日に出願された米国特許
出願番号第08/128,449号(これらはすべてここに援用さ
れる)に開示された方法が包含される。ハロゲン化物で
停止されたポリマーは、非リビング重合技術で調製され
得る。その例には、米国特許第4,276,394号、同第4,52
4,188号、同第4,342,849号及び同第4,316,973号(これ
らはここに援用される)に開示のものが包含される。特
に好ましい実施態様においては、約2.5と約4.0との間の
比誘電率を有する溶剤系中の、塩化ジメチルアルミニウ
ムといずれかの第三アルキル開始剤との組み合わせが、
リビングポリマーの製造のために選択される。
リビング重合は、種々の方法を用いて達成され得る。
それらの方法の中のいくつかは、米国特許第5,350,819
号、同第5,169,914号及び同第4,910,321号中に開示され
ている。イソブチレンのリビング重合が達成され得る一
般的な条件には、次の(1)〜(5)が含まれる: (1) 第三アルキルハロゲン化物、第三アラルキルハ
ロゲン化物、第三アルキルエーテル、第三アラルキルエ
ーテル、第三アルキルエステル、第三アラルキルエステ
ル等の開始剤を含む触媒; (2) 典型的にはチタン、ホウ素又はアルミニウムの
ハロゲン化物を含む、ルイス酸共開始剤; (3) プロトン捕捉剤及び/又は電子供与体; (4) 公知のカチオン重合系と一致して、その比誘電
率が、ルイス酸及びモノマーの選択を考慮して選択され
る溶剤;及び (5) モノマー。
プロトン捕捉剤は、米国特許第5,350,819号で定義さ
れている。電子供与体は、欧州特許公開公報第341012号
に定義されている。両者共に、ここに援用される。
末端ハロゲン化物基を有するポリマーを得る方法に
は、“イニファー(inifer)”と称される、開始剤−移
動剤系を用いることが含まれる。イソブチレン重合用イ
ニファーを用いて、ハロゲン化物基で停止されたポリマ
ー鎖を調製することができる。これらは、“テレケリッ
ク(telechelic)”ポリマーと呼称される。これらのイ
ニファーの使用及び調製されるテレケリックポリマーの
種類に関する詳細な議論は、米国特許第4,316,673号及
び同第4,342,849号(これらはここに援用される)中に
見られる。第三ハロゲン化物、典型的には第三塩素で停
止されたポリイソブチレンは、ここに記載された方法の
下、本発明のアルキルシリル擬ハロゲン化物と結合され
得、その結果、官能化されたポリマーが製造される。こ
れらの予め製造されたハロゲン化ポリマーは、リビング
重合機構中に存在する開始剤及びモノマーの代替物と考
えることができ、且つ、末端基官能性に関して、イソブ
チレンのリビング重合によって調製されたポリマーの等
価物として扱われる。典型的には、これらのハロゲン化
されたポリマーは、モノマー及び開始剤がリビング重合
投入物に添加されるとほぼ同様の方法で、選択された溶
剤にポリマーを溶かすことによって、触媒系に添加され
る。触媒成分の化学量論量は、予め製造されたポリマー
が開始剤の代替物であると想定して、即ち、一つのハロ
ゲン化物末端は、一つの開始剤部位と等しいと想定し
て、計算される。すべての成分が添加され、ルイス酸の
導入前に、所望の温度に平衡化される。0.5〜20分間の
平衡化時間の後、混合物は、これらの触媒条件下に、モ
ノマーを完全に転化して調製されたリビングポリマーの
等価物であると考えられる。官能化は、ここに記載の方
法に従って進められる。
テレケリックポリマーは、エイチ・ジー・エリアス
(H.G.Elias)、高分子、プレナム出版、ニューヨー
ク、1984年、1巻、6頁(ここに援用される)に示され
た定義に従って、公知の官能性末端基を有するオリゴマ
ーであると定義される。
好ましいアルキルシリル擬ハロゲン化物は、アルキル
基を少なくとも一つ、擬ハロゲン化物基を少なくとも一
つ、且つSi原子を少なくとも一つ含み、但し、Si原子は
擬ハロゲン化物基に結合している化合物である。好まし
いアルキルシリル擬ハロゲン化物は、次の式で表され
る: RnSi(X=Y=Z)4-n;又は RnSi(X≡Y)4-n ここで、nは、1、2又は3であり、各R基は、独立
に、水素、又は炭素数1〜30の線状、環状又は分岐鎖状
のアルキル基又は芳香族基であり、あるいは、R基の中
の二つが、縮合環系又は水素化された縮合環系を形成し
ており、但し、R基の中の少なくとも一つはアルキル基
であり、且つ、X、Y及びZは、炭素、窒素、硫黄及び
酸素の元素のいずれの組み合わせであってもよく、但
し、X、Y及びZが存在する場合は、X、Y及びZの中
の少なくとも一つは、窒素、硫黄又は酸素であり、且
つ、X及びYが存在してZが存在しない場合は、Xは炭
素であり、Yは窒素である。
本発明及びその発明についての請求の範囲の目的のた
めには、擬ハロゲン化物は、アジド、イソシアネート、
チオシアネート、イソチオシアネート、シアニドのいず
れかの化合物である。好適実施態様においては、擬ハロ
ゲン化物は、N3、CN、NCS、NCO又はSCN化合物である。
他の好適実施態様においては、アルキルシリル擬ハロ
ゲン化物は、次の式によって示される: ここで、R1、R2及びR3は、独立に、水素、又は炭素数
1〜30の線状、環状又は分岐鎖状のアルキル基又は芳香
族基であり、あるいは、R1、R2及びR3の中の二つが、縮
合環系又は水素化された縮合環系を形成していてもよ
く、但し、R1、R2及びR3の中の少なくとも一つはアルキ
ル基であり、且つ、Qは擬ハロゲン化物基である。他の
好適実施態様においては、R1、R2及びR3は、炭素数1〜
10のアルキル基、好ましくは同じ炭素数1〜10の基であ
る。また、他の好適実施態様においては、Qは、CN、NC
O又はNCSである。
リビングポリマー又はハロゲンで停止されたポリマー
とアルキルシリル擬ハロゲン化物とが結合される技術
は、当業者に公知の一般的な条件で行われ、その一例
(但し、これに限定されない)では、溶剤に擬ハロゲン
化物を懸濁させ、その後、リビングポリマーそのもの、
又は懸濁又は溶解したリビングポリマーと結合させる。
擬ハロゲン化物そのままを、リビングポリマーそのもの
に、又は懸濁又は溶解したリビングポリマーに、直接添
加してもよい。
重合体擬ハロゲン化物の官能基の数は、開始剤中の開
始剤部位の数によって決定される。例えば、2−クロロ
−2,4,4−トリメチルペンタンによるポリイソブチレン
への開始剤部位の付加により、鎖一つあたり官能基を一
つ有するポリマーが導かれる。一方、1,3,5−(1−ク
ロロ−1−メチルエチル)ベンゼンは、鎖一つあたり官
能基を三つ有するポリマーを生ずる。ポリマー鎖の分子
量は、大部分のリビング重合におけると同様に、開始剤
濃度に対するモノマー濃度の比率を変えることによっ
て、操作され得る。例えば、米国特許第5,350,819号、
同第5,169,914号、同第4,910,321号、及び1993年9月28
日に出願された米国特許出願番号第128,449号(これら
はここに援用される)を参照されたい。
好適実施態様においては、官能化を行うためには、鎖
末端あたり1当量という少ない量のアルキルシリル擬ハ
ロゲン化物で十分である。より多量の擬ハロゲン化物
は、もちろん有用である。しかしながら、鎖末端あたり
の擬ハロゲン化物の好ましい範囲は、鎖末端あたり0.5
〜20当量であり、好ましくは1〜5当量であり、更によ
り好ましくは1〜2当量である。(鎖末端は、開始剤分
子あたりの開始部位の数を確かめ、その数に存在する開
始剤分子の数を掛けることによって決定される。)典型
的には、反応は、種々の温度において、急速且つ定量的
である。図1は、開始剤部位の数の決定を視覚的に理解
するのに役立つ。それにより、使用した開始剤によって
決定されるポリマーあたりの官能鎖末端の数が導かれ
る。
アルキルシリル擬ハロゲン化物は、そのまま、より好
ましくは、擬ハロゲン化物の、重合用に選択された溶剤
溶液として、添加され得る。添加は、一回で即座になさ
れてもよいし、あるいは、より緩慢に調整され且つ測定
された添加であってもよい。加えて、擬ハロゲン化物
は、前記リビング重合系の典型的な成分である、ルイス
酸触媒、プロトン・トラップ、電子供与体、又はそれら
のいずれかの組み合わせの、追加分と共に添加されても
よい。好適実施態様においては、ルイス酸は、擬ハロゲ
ン化物と不可逆的には反応しない。
1. リビングポリマーが一旦擬ハロゲン化物と反応する
と、反応生成物は、その形態で用いられ得るし、あるい
は公知の化学によって修飾されて、他の官能基を形成し
得る。例えば、官能基は、還元、酸化、水素化、及び/
又は加水分解され得る。擬ハロゲン化物含有ポリマーの
単離は任意であるので、これらの反応は、同じ反応器内
で行われ得る。例えば、アルコール、水素化アルミニウ
ムリチウム、水及び水素化ホウ素ナトリウムは、すべ
て、官能基を他の形態に変えるために使用され得る。こ
の点を説明するために、アジド基の転換を説明する。こ
の説明は、本発明を限定することを意図していない。ア
ジド末端基を含有するポリマーは、水素化アルミニウム
リチウムで還元され、アミン基を生じ得る。種々の他の
還元剤(その中の多くは、ここに援用されるジェイ・セ
イデン−ペンネ(J.Seyden−Penne)、有機合成におけ
る水素化アルミニウム及び水素化ホウ素による還元、ブ
イ・シー・エイチ出版、ニューヨーク、1991年に記載さ
れている)も、アジドをアミンに還元するために使用さ
れ得る。アジドをアミン又は他の官能基に変える他の手
段は、その技術分野で一般的に知られている。(例え
ば、ここに援用される、アール・シー・ラロック(R.C.
Larock)、総合的な有機変換、ブイ・シー・エイチ出
版、ニューヨーク、1989年を参照されたい。)官能基の
転換のための同様の構成が、他の擬ハロゲン化物鎖末端
を有するポリマーのために構成されたかもしれない。更
に多くの可能な修飾のリストとして、1992年12月17日に
出願された米国特許出願第992,516号の56頁以降、及びP
CTのWO94/13718(両者共にここに援用される)を参照さ
れたい。
本発明の好ましい生成物の一種は、狭い分子量分布
(Mw/Mn)、好ましくは約4以下、より好ましくは約2.5
以下、更により好ましくは1.75以下の分子量分布を有す
る。また、上記方法では、商業的に実施可能なプロセス
によってこれまで得ることができたものよりも、官能化
の程度がより大きいポリマーが製造される。好適実施態
様においては、官能化の程度は、プロトンNMRで測定し
て、約70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは
90%以上である。
本発明に従って製造される生成物の他の好ましい種類
のものは、ポリウレタン、両親媒性ネットワーク(網状
組織)、エポキシ樹脂等の他の所望の生成物のための原
料として用いられ得る。ポリウレタン又はエポキシ合成
のために、そのような原料を使用することに関する更な
る情報については、ここにそのすべてが援用される、米
国特許第4,939,184号及び同第4,888,389号と、米国特許
第4,942,204号及び同第4,429,099号の実施例を参照され
たい。
特に好ましい実施態様においては、官能化されたポリ
マーは、官能化されたポリイソブチレンポリマーであ
る。特に、アミン官能基に変換するためにアジドを用い
て官能化された場合、又は、チオカルバメートに変換さ
れるためにチオシアネートを用いて官能化された場合に
は特に、数平均分子量(Mn)が約200と3,000との間、好
ましくは約450と約2,200との間、より好ましくは約450
と約1,300との間、更により好ましくは約500と約950と
の間であるポリイソブチレンが、特に好ましい。これら
の好適なポリマー及び他の同様に官能化されたポリマー
は、種々の油性組成物中において、改質剤として使用さ
れ得る。好ましい用途には、潤滑油、添加剤及び分散剤
用途がある。官能化されたポリマーの多くの可能な用途
を網羅したリストについては、1992年12月17日に出願さ
れた米国特許第992,516号、及びPCTのWO94/13718(両者
共にここに援用される)を参照されたい。
上記方法で製造された好ましい生成物には、次の式で
表される化合物が含まれる: ここで、Pはポリマー鎖であり、R1、R2、X、Y及びZ
は、上記の通りである。
ここに記載の方法を用いて調製され得る多くの擬ハロ
ゲン化物含有ポリマーのリストには、米国特許第5,032,
653号に記載のものが含まれる。
実施例 分子量(Mw及びMn)を、示差屈折率(DRI)検出器付
きのウォーターズ(Waters)150ゲル透過クロマトグラ
フ装置とポリスチレン標品を用いて、ゲル透過クロマト
グラフ法によって測定した。数値の解析は、市販の標準
ゲル透過法ソフトウエア・パッケージを用いて行った。
官能化百分率は、プロトンNMRにより、250MHzブルカ
ー(Bruker)AC−250分光計で、CDCl3溶液で測定する。
実施例1 −30℃以下に冷却したガラス製反応器にて、次の条件
にて、リビングポリマー(Mn=約1400)を作った: [イソブチレンモノマー]=3.17mol/l; [開始剤]=0.137mol/lの2−クロロ−2,4,4−トリメ
チルペンタン(TMPCl)又は3−t−ブチル−1,5−ビス
(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン(BClM
E); [プロトン捕捉剤]=0.011mol/lのジ−t−ブチルピリ
ジン; [共開始剤]=0.067mol/lのTiCl4; 溶剤=60/40(容量/容量)のヘキサン/塩化メチレ
ン; 時間=−80℃にて5分間、−30℃にて10分間、−50℃に
て5分間。
一旦、モノマーの転化率が100%に達したら、重合混
合物に、アルキルシリル擬ハロゲン化物(ASPH)を、開
始部位あたり1.5当量(即ち、2−クロロ−2,4,4−トリ
メチルペンタン(TMPCl)を用いて開始される反応につ
いては0.21mol/l、3−t−ブチル−1,5−ビス(1−ク
ロロ−1−メチルエステル)ベンゼン(BClME)を用い
て開始される反応については0.41mol/l)にて、そのま
ま、又は重合溶剤中に少なくとも50容量%の擬ハロゲン
化物を含む溶液中において、一回の添加で添加した。得
られた混合物を重合温度にて反応させるか、又は、少な
くとも1時間で、外界温度まで暖めた。その後、メタノ
ールを添加する([MeOH]=「TiCl4]の4倍)ことに
よって反応を停止させた。その後、ポリマーを分離し、
中性になるまで脱イオン水で洗浄し、真空にすることに
よって溶剤を除去した。データを表1中に示す。
すべての参照文献、試験方法及び優先権書類が、ここ
に援用される。前記した一般的な記述及び具体的な実施
態様から明らかなように、本発明の形態は説明され且つ
記述されているけれども、本発明の意図及び範囲から離
れることなしに、種々の修飾が為され得る。つまり、前
記した一般的な記述及び具体的な実施態様によって本発
明が限定されることは、意図されていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−337306(JP,A) 特開 平1−197509(JP,A) 特開 昭58−108208(JP,A) 米国特許5444135(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00,8/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リビングポリマー又は末端ハロゲン化物基
    を有するポリマーを、アルキルシリル擬ハロゲン化物
    と、ポリマーとアルキルシリル擬ハロゲン化物とが反応
    する条件下に結合させることを特徴とするポリマーの官
    能化のための方法であって、アルキルシリル擬ハロゲン
    化物中の擬ハロゲン化物基が、アジド基、イソシアネー
    ト基、チオシアネート基、イソチオシアネート基及びシ
    アニド基からなる群から選択され、且つ、アルキルシリ
    ル擬ハロゲン化物中のケイ素原子が擬ハロゲン化物基に
    直接結合している、方法。
  2. 【請求項2】アルキルシリル擬ハロゲン化物が次の式で
    表される、請求項1の方法: ここで、R1、R2及びR3は、独立に、水素、又は炭素数1
    〜30の線状、環状又は分岐鎖状のアルキル基又は芳香族
    基であり、あるいは、R1、R2及びR3の中の二つが、縮合
    環系又は水素化された縮合環系を形成していてもよく、
    但し、R1、R2及びR3の中の少なくとも一つはアルキル基
    であり、且つ、Qは擬ハロゲン化物基である。
  3. 【請求項3】R1、R2及びR3が、炭素数1〜10のアルキル
    基であり、及び/又は、R1、R2及びR3が、同じ炭素数1
    〜10の基であり、及び/又は、Qが、N3、CN、NCS、NCO
    又SCNである、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】アルキルシリル擬ハロゲン化物が次の式で
    表される、請求項1の方法: RnSi(X=Y=Z)4-n;又は RnSi(X≡Y)4-n ここで、nは、1、2又は3であり、各R基は、独立
    に、水素、又は炭素数1〜30の線状、環状又は分岐鎖状
    のアルキル基又は芳香族基であり、あるいは、R基の中
    の二つが、縮合環系又は水素化された縮合環系を形成し
    ており、但し、R基の中の少なくとも一つはアルキル基
    であり、且つ、X、Y及びZは、炭素、窒素、硫黄及び
    酸素の元素のいずれの組み合わせであってもよく、但
    し、X、Y及びZが存在する場合は、X、Y及びZの中
    の少なくとも一つは、窒素、硫黄又は酸素であり、且
    つ、X及びYが存在してZが存在しない場合は、Xは炭
    素であり、Yは窒素である。
  5. 【請求項5】ポリマーが、末端ハロゲン化物基を有する
    ポリマーであり、且つ、アルキルシリル擬ハロゲン化物
    基が、アジド基、イソシアネート基、又はイソチオシア
    ネート基である、請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】末端ハロゲン化物基を有するポリマーのハ
    ロゲン化物基が塩素化物基である、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】請求項1に従って調製したポリマーを、還
    元、酸化、加水分解又は水素化剤と接触させる工程を更
    に含む、請求項1の方法。
  8. 【請求項8】末端ハロゲン化物基を有するポリマーが末
    端ハロゲン化物基を有するリビングポリイソブチレンで
    ある、請求項1又は7の方法。
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