JPH06329721A - 片末端変性ポリエチレンおよびその製造法 - Google Patents

片末端変性ポリエチレンおよびその製造法

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JPH06329721A
JPH06329721A JP11736993A JP11736993A JPH06329721A JP H06329721 A JPH06329721 A JP H06329721A JP 11736993 A JP11736993 A JP 11736993A JP 11736993 A JP11736993 A JP 11736993A JP H06329721 A JPH06329721 A JP H06329721A
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polyethylene
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hydrogen
terminal
reaction
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JP11736993A
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Genichi Nakamura
元一 中村
Koji Ito
康志 伊藤
Tsuyoshi Amiya
毅之 網屋
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Kao Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/28Condensation with aldehydes or ketones

Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル
リチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリ
ビング重合させ、これに所定のカルボニル化合物を反応
させ、必要に応じて酸で中和処理することにより、次式
で表される片末端変性ポリエチレンを得る。 【化1】 (式中、Aは水素又はアルカリ金属、nは10〜100
0の整数、R1は炭素数1から6の直鎖または分岐の飽
和炭化水素基、R2及びR3は水素又は炭素数1から18
の脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、同一でも異
なっていてもよいが同時に水素ではない。) 【効果】 極性及び反応性の高い、水酸基等を片末端に
有する新規なポリエチレンを高収率かつ高末端導入率で
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子の片末端に官能基
を有する変性ポリエチレン及びその製造法に関し、より
詳しくは、分子の片末端が水酸基又はアルカリ金属アル
コキシドとされたポリエチレン及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンはコスト的、機械的等の特
性に優れ、広範囲に利用されているが、その分子構造中
に極性基を有しないことから、接着性、印刷性、他の樹
脂との相溶性等の界面物性が劣っている。そこでこれら
の欠点を補うため、ポリエチレンに極性基を導入するこ
とが従来から試みられている。例えば、高圧法により酢
酸ビニル、メタクリル酸エステル等の極性モノマーと共
重合する方法、或いは既存のポリエチレンに対し、過酸
化物の存在下に極性モノマーをグラフト重合する方法等
が知られている。しかしながら、高圧共重合法によって
は低密度ポリエチレンの変性体しか得られず、またグラ
フト重合法ではホモポリマーが副生したり変性量の制御
が困難であるなど、構造を自在に制御した極性基導入ポ
リエチレンを得ることは一般に困難であった。
【0003】ところで、ブチルリチウム/3級ジアミン
系開始剤によりエチレンのアニオンリビング重合が可能
であることはよく知られているが、アニオンリビング重
合法で得られるエチレンのリビング末端は、各種の官能
基に変換することができる。例えばBergbreiterら(J.
Polym. Sci., Polym. Chem. 27: 4205-4226 (1989))
は、リビングポリエチレン末端に二酸化炭素、エチレン
オキサイド、ハロゲン化アルキル等の求電子試薬を反応
させることで末端に官能基を導入し、さらにこれらを他
の官能基に変換することを報告している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アニオ
ンリビング末端とこれらの求電子試薬との反応は、極性
溶媒中では例えば−78℃〜0℃といった低温であれば
高い収率で進行するが、非極性溶媒中では副反応が多い
という問題がある。ところがエチレンのアニオン重合を
行う溶媒はヘキサン、ヘプタン等の非極性炭化水素であ
り、従って目的物を高収率で得ることができないという
問題がある。また従来のエチレンのアニオン重合は、生
成するオリゴマーの溶解性が低いことから比較的高温で
取り扱われる場合が多いが、そのような場合にリビング
末端の失活により、官能基による末端変換率が低くなっ
てしまうという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実状において本発
明者らは鋭意検討の結果、リビングポリエチレンを特定
のカルボニル化合物と反応させることにより、極性基導
入ポリエチレンを高い末端変性率でもって好適に得られ
ることを見出し、本発明に至ったものである。
【0006】即ち本発明は、式(1)で表される片末端
変性ポリエチレンを提供する。
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Aは水素又はアルカリ金属、nは
10〜1000の整数、R1は炭素数1から6の直鎖ま
たは分岐の飽和炭化水素基、R2及びR3は水素又は炭素
数1から18の脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であ
り、同一でも異なっていてもよいが同時に水素ではな
い。)本発明はまた、 1)炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキルリチウ
ム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビング
重合させる段階と、 2)次式(2)で示されるカルボニル化合物を反応させ
る段階、
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R2及びR3は水素又は炭素数1か
ら18の脂肪族若しくは芳香族炭化水素であり、同一で
も異なっていてもよいが同時に水素ではない。)とから
なる、片末端変性ポリエチレンの製造法を提供する。こ
の生成物は必要に応じ、 3)酸で中和処理する段階を付加することにより処理さ
れる。
【0011】スチレン、ブタジエン等のリビングポリマ
ーの官能性末端の反応として、カルボニル化合物への求
核付加反応を行うことは既に知られている。しかしなが
ら、本発明の如く水酸基の導入を目的としてこの反応を
リビングポリエチレン系に応用した例は知られていな
い。前述のBergbreiterらは、ベンズアルデヒド-15-
クラウン-5を用いてリビングポリエチレンからクラウ
ンエーテル変性ポリエチレンを合成することを報告して
いるが、これはクラウン化合物の相間移動触媒としての
応用を示すものに過ぎず、反応の結果生成する水酸基の
有用性に着目したものではなかった。しかも、用いたカ
ルボニル化合物の構造に不都合があるためか、そのリビ
ング末端への導入率は極めて低かった。これに反し、本
発明は当初から水酸基の導入を目的とするものであり、
またその導入率も極めて高いという顕著な相違を有す
る。
【0012】本発明の片末端変性ポリエチレンは、通常
のOH基を有するものに加えて、OLi、ONa、OK
等のアルカリ金属アルコキシドを有するものをも包含す
る(以下これらをまとめて「水酸基等」という)。通常
の極性基としてはOH基が好適に用いられるが、反応に
供する場合はアルカリ金属アルコキシドが好適に用いら
れることが多い。このようなアルカリ金属アルコキシド
は、OH基変性ポリエチレンを、当業者に周知の方法に
より、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物等で処理す
ることで得ることができる。
【0013】本発明の片末端変性ポリエチレンは、水酸
基等の結合する炭素に一つまたは二つの炭化水素置換基
を有する。かかる炭化水素置換基としては、炭素数1か
ら18の脂肪族または芳香族炭化水素基が含まれる。1
8より多い炭素数のものを用いることも原理的には可能
であるが、原料の入手性、生成するポリエチレンの物
性、反応性等を考慮すれば実用的ではない。
【0014】脂肪族炭化水素置換基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、C5〜C18の直鎖または分岐の飽
和炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられる。なお
特殊な場合として、二つの置換基が共有結合で結ばれ、
水酸基等の結合する炭素原子を含む炭化水素環が形成さ
れているものも本発明の範囲にある。かかる物質の具体
例としては、1−ポリエチレニルシクロペンタン−1−
オール、1−ポリエチレニルシクロヘキサン−1−オー
ル等が挙げられる。また芳香族炭化水素置換基の具体例
としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの置換基
は、ポリエチレンの表面物性や水酸基等の反応性に影響
を与える。
【0015】本発明の片末端変性ポリエチレンの他方の
末端は、炭素数1から6の直鎖又は分岐の飽和炭化水素
基である。即ちメチル基、エチル基、n−ブチル基など
であり、短鎖分岐の具体例としては、2−メチル基、3
−メチル基、2,2−ジメチル基等が挙げられる。これ
らの末端の分岐鎖は、生成ポリエチレンの物性に対し、
その重合度が低い場合には融点を低下させるなどの変化
を発現するが、重合度が高い場合は何等影響を及ぼさな
い。
【0016】本発明の片末端変性ポリエチレンは、エチ
レン繰り返し単位として10〜1000の範囲の重合度
を有する混合物である。その重合度分布に特に制限はな
いが、通常は1.05〜5程度である。重合度が概ね3
00以下の場合は生成ポリエチレンはワックス様の、そ
れ以上ではプラスチックス様の外観および物性を示す。
【0017】次に、本発明の片末端変性ポリエチレンの
製造法について説明する。まず第一段階として、炭素数
1から6の直鎖または分岐のアルキルリチウム/3級ジ
アミンによるエチレンのリビング重合を行う。
【0018】ポリエチレンのリビング重合においては、
非極性の脂肪族炭化水素溶媒が用いられる。かかる溶媒
の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等が挙げられ
る。好ましくはシクロヘキサンである。
【0019】炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキ
ルリチウム化合物としては、メチルリチウム、エチルリ
チウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム等が用いられる。ここで用いるリチウ
ム化合物の有機基が、生成するポリエチレンの一方の末
端に導入されることになる。
【0020】3級ジアミンとしては、二つの窒素間の原
子数が2ないし3個のものが好適に用いられる。かかる
ジアミンの具体例としては、テトラメチルエチレンジア
ミン、ジピペリジノエタン、ジピロリジノエタン、スパ
ルテイン等が挙げられる。
【0021】これらの3級ジアミンは通常、アルキルリ
チウムに対して0.1〜10当量用いられる。3級ジア
ミンの使用量が0.1当量より少ないと重合が遅く、ま
た末端導入反応の収率が低くなり、10当量より多いと
リビング末端が失活してしまうものが多くなる。
【0022】上記のアルキルリチウム化合物および3級
ジアミンを含む炭化水素溶液にエチレンを導入すること
で、エチレンのリビング重合が進行する。エチレンの導
入圧力に特に制限はないが、1kg/cm2〜100kg/cm2
が適当である。1kg/cm2より低い場合には重合反応が
遅すぎて、経済的ではない。他方、100kg/cm2を越
える高圧においては重合が速すぎて、反応の制御が困難
となる。
【0023】重合は0℃〜100℃で好適に行われる。
望ましくは20℃〜80℃である。反応温度が0℃より
低いと重合反応が遅くなり過ぎ、また生成するポリエチ
レンが沈澱しやすくなるため好ましくない。他方、反応
温度が100℃を越えるとリビング末端が失活しやすく
なるため好ましくない。
【0024】重合時間は、重合温度、3級ジアミン濃
度、エチレン導入圧力等によって異なるが、一般に0.
1時間から24時間程度である。重合時間を変化させる
ことにより、生成するポリエチレンの分子量を制御する
ことができる。リビング末端の失活を防ぐ点から、重合
熱を除去できる限り、重合時間はなるべく短時間である
ことが好ましい。
【0025】第二段階として、上記方法により生成した
リビング末端に前述のカルボニル化合物を反応させる。
カルボニル化合物としては特定のアルデヒド、ケトンが
用いられ、目的とする末端構造に応じて適宜使い分けら
れる。アルデヒドを用いる場合は2級の、ケトンを用い
る場合は3級の水酸基等が導入されることになる。かか
るアルデヒド、ケトンとしては、炭素数1〜18の脂肪
族または芳香族炭化水素基を有するものが用いられる。
【0026】通常、アルキルリチウムのカルボニル化合
物への求核付加反応はα水素の引き抜き反応と競合する
ため、ある程度の割合で末端官能基を持たないポリエチ
レンを副生する。α位にメチル基を有するケトン類を用
いる場合、反応条件にもよるが、末端導入反応率は50
〜70%程度に留まる。かかるケトン類の具体例として
は、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メ
チル−2−ブタノン、アセトフェノン等が挙げられる。
メチル基以外のα水素を有するケトンにおいては引き抜
き反応が遅くなるため、水酸基等の導入率は向上し、7
0〜90%に達する。かかるケトンの具体例としては、
3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン
等が挙げられる。一方、ケトンよりも立体障害の少ない
アルデヒド類においては、α水素があってもほぼ定量的
に目的の水酸基等含有ポリエチレンを得ることができ
る。かかるアルデヒドの具体例としては、プロパナー
ル、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール等が挙げ
られる。α水素を持たないカルボニル化合物において
も、ほぼ定量的に水酸基等が導入される。かかるカルボ
ニル化合物の具体例としては、ベンズアルデヒド、ベン
ゾフェノン等が挙げられる。これらのカルボニル化合物
及びアルデヒド類においては、90%を越える水酸基等
の導入率を得ることが可能である。
【0027】カルボニル化合物の量に特に制限はない
が、極めて定量的な反応であるから、リビング末端に対
し等モル量ないし1.2倍の過剰モル量程度で十分であ
る。過剰のカルボニル化合物の使用は、カニッツアロ反
応、アルドール縮合等の副反応を生ずるので好ましくな
い。
【0028】カルボニル化合物とリビングポリエチレン
との反応は均一系においては室温でもほぼ1分以内に完
結する。しかしながら、ポリエチレンの分子量が高く沈
澱を生成している場合には、数分〜数時間の反応が必要
となる。反応温度に特に制限はないが、通常0℃〜10
0℃、好ましくは20℃〜80℃で行われる。一般に
は、重合に用いた温度と同一の温度において行われる。
カルボニル化合物の添加方法については特に限定しない
が、発熱を伴うことから微量ずつ加えるか、重合に用い
られる炭化水素溶媒で希釈してから加えることが望まし
い。
【0029】この段階で生成するポリエチレンは分子末
端にリチウムアルコキシドを有しており、そのままで別
の官能基への変換反応に供することができる。
【0030】第三段階として、上記方法で生成したリチ
ウムアルコキシド末端を適当な酸で処理することで、必
要に応じてOH基への変換が行われる。中和に用いる酸
に特に制限はないが、通常、メタノール、エタノール等
のアルコール類、水、鉱酸等が用いられる。また前述の
ように、このOH基変性ポリエチレンをアルカリ金属、
アルカリ金属水素化物等で処理することで、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属アルコキシドに変換する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説
明する。 実施例1 窒素置換した1リットルのオートクレーブ中に、乾燥シ
クロヘキサン400ml、テトラメチルエチレンジアミン
3ml、n−ブチルリチウム(1.6mol/リットル)1
2.5mlを仕込み、30℃にてエチレンガスを2kg/cm
2の圧力にて導入した。30分重合を行った後、エチレ
ンガスを除去し、そこへベンズアルデヒド2.2mlを滴
下した。同じ温度で5分間反応させた後、オートクレー
ブをあけ、内容物を2リットルのメタノール中に投入し
た。1時間撹拌した後、減圧濾過により生成した固体を
集め、50℃のオーブンで真空下に24時間乾燥した。
生成物の収量は10.5g、Waters社製の装置を用いた
GPC分析(オルトジクロルベンゼン、135℃、ポリ
エチレン標準サンプルで較正)の結果、生成物の数平均
分子量は630であった。仕込アルキルリチウム当たり
の生成ポリマーの収率は83.3%であった。
【0032】1H−NMR分析(Bruker社製、200M
Hz、テトラクロロエチレン、80℃。ロック溶媒とし
てDMSO−d6を二重管で用い、外部標準としてTM
Sを用いた。)の結果、0.8ppm(トリプレット)に
開始末端メチル基、1.2ppm付近に主鎖のメチレン
基、4.5ppm(トリプレット)にベンジル位メチン、
7.2ppm付近にフェニル基のシグナルが観察された。
各々のシグナルの積分比から、数平均分子量620、末
端水酸基導入率97%であることがわかった。
【0033】実施例2 重合を50℃で40分とし、またベンズアルデヒドとの
反応を50℃で行った以外は実施例1と同様の条件に
て、末端水酸基含有ポリエチレン15.2gを得た。実
施例1と同様にしてGPC分析して得られた生成物の数
平均分子量は850、1H−NMR分析による末端水酸
基導入率は91%であった。また収率は89.4%であ
った。
【0034】実施例3〜7 表1に掲げる条件にて、実施例1と同様の反応を行い、
末端水酸基含有ポリエチレンを合成した。各々の合成結
果を表2に示す。分子量は実施例1と同様にしてGPC
分析して得た数平均分子量、水酸基導入率は実施例1と
同様にして行った1H−NMR分析により得た値であ
る。
【0035】
【表1】
【0036】TMEDA:テトラメチルエチレンジアミ
ン DIPIE:1,2−ジピペリジノエタン SPART:スパルテイン
【0037】
【表2】
【0038】比較例1 実施例1と同様の条件で重合を行い、エチレンガスを除
去した後、エチレンオキサイドガスを2kg/cm2の圧力
で導入した。10分間反応後、反応溶液を2リットルの
メタノール中に投入した。1時間撹拌した後、生成した
固体を減圧濾過により集め、50℃のオーブンにて真空
下に24時間乾燥した。収量は9.9g、実施例1と同
様のGPC分析に基づき算出した数平均分子量は600
であった。1H−NMR分析の結果、生成物の水酸基導
入率は35%と低く、また帰属不能ピークが多数認めら
れた。
【0039】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によれば、極性が高くまた反応性に富んだ、水酸基
等を片末端に有する新規なポリエチレンを高収率かつ高
末端導入率で得ることができる。本発明で得られる変性
ポリエチレンはほとんど全ての分子末端に一つずつ水酸
基等を有することから、それ自身でフィラー分散剤、ポ
リマーブレンド用相溶化剤、表面改質剤等に好適に用い
られる他、更に高性能な変性ポリエチレンの合成中間体
としても有用である。また、生成ポリマーの分子量を5
00〜2000程度に制御することで、水酸基等変性ワ
ックスが得られ、化粧品原料として好適に用いられる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】通常、アルキルリチウムのカルボニル化合
物への求核付加反応はα水素の引き抜き反応と競合する
ため、ある程度の割合で末端官能基を持たないポリエチ
レンを副生する。カルボニル基に隣接したメチル基を有
するケトン類を用いる場合、反応条件にもよるが、末端
導入反応率は50〜70%程度に留まる。かかるケトン
類の具体例としては、アセトン、2−ブタノン、2−ペ
ンタノン、3−メチル−2−ブタノン、アセトフェノン
等が挙げられる。メチル基以外のα水素を有するケトン
においては引き抜き反応が遅くなるため、水酸基等の導
入率は向上し、70〜90%に達する。かかるケトンの
具体例としては、3−ペンタノン、シクロペンタノン、
シクロヘキサノン等が挙げられる。一方、ケトンよりも
立体障害の少ないアルデヒド類においては、α水素があ
ってもほぼ定量的に目的の水酸基等含有ポリエチレンを
得ることができる。かかるアルデヒドの具体例として
は、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサ
ナール等が挙げられる。α水素を持たないカルボニル化
合物においても、ほぼ定量的に水酸基等が導入される。
かかるカルボニル化合物の具体例としては、ベンズアル
デヒド、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらのカル
ボニル化合物及びアルデヒド類においては、90%を越
える水酸基等の導入率を得ることが可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1)で表される、片末端変性ポリ
    エチレン。 【化1】 (式中、Aは水素又はアルカリ金属、nは10〜100
    0の整数、R1は炭素数1から6の直鎖または分岐の飽
    和炭化水素基、R2及びR3は水素又は炭素数1から18
    の脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、同一でも異
    なっていてもよいが同時に水素ではない。)
  2. 【請求項2】1)炭素数1から6の直鎖または分岐のア
    ルキルリチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレ
    ンをリビング重合させる段階と、 2)次式(2)で示されるカルボニル化合物を反応させ
    る段階、 【化2】 (式中、R2及びR3は水素又は炭素数1から18の脂肪
    族若しくは芳香族炭化水素であり、同一でも異なってい
    てもよいが同時に水素ではない。)とからなる、片末端
    変性ポリエチレンの製造法。
  3. 【請求項3】3)酸で中和処理する段階をさらに含む、
    請求項2の片末端変性ポリエチレンの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097587A (ja) * 2003-08-27 2005-04-14 Mitsui Chemicals Inc 片末端官能性ポリオレフィン
US7897709B2 (en) 2003-08-27 2011-03-01 Mitsui Chemicals, Inc. Single chain-end functionalized polyolefin

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US8017693B2 (en) 2003-08-27 2011-09-13 Mitsui Chemicals, Inc. Polyolefin functional at each end
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