JPH06329719A - フッ化アルキル変性ポリエチレンおよびその製造法 - Google Patents

フッ化アルキル変性ポリエチレンおよびその製造法

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JPH06329719A
JPH06329719A JP12285593A JP12285593A JPH06329719A JP H06329719 A JPH06329719 A JP H06329719A JP 12285593 A JP12285593 A JP 12285593A JP 12285593 A JP12285593 A JP 12285593A JP H06329719 A JPH06329719 A JP H06329719A
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carbon atoms
modified polyethylene
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Genichi Nakamura
元一 中村
Tsuyoshi Amiya
毅之 網屋
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキル
リチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリ
ビング重合させ、これに所定のカルボニル化合物を反応
させ、又は酸素酸化させ、さらにフッ化アルキルカルボ
ン酸ハライドを反応させることにより、次式で表される
フッ化アルキル変性ポリエチレンを得る。 【化1】 (式中、R1は炭素数1から6の直鎖又は分岐の飽和炭
化水素基、R2、R3は独立に水素又は炭素数1〜18の
脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、lは10〜1
000の整数、Rfは炭素数2から17のパーフルオロ
アルキル基又は重合度2から5のパーフルオロプロピレ
ンオキシドオリゴマーである。) 【効果】 撥水/撥油性に優れた新規なフッ化アルキル
変性ポリエチレンを高収率かつ高純度で得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面撥水、撥油性に優れ
たフッ化アルキル変性ポリエチレンおよびその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンはコスト的、機械的等の特
性に優れ、広範囲に利用されているが、その分子構造中
に反応性基を有しないことから、化学的に変性を施して
所望の特性を得ることは困難であった。そこでこのよう
な欠点を補うために、ポリエチレンに反応性基を導入す
ることが従来から試みられている。例えば、高圧法によ
り酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等の極性モノマー
と共重合する方法、或いは既存のポリエチレンに対し、
過酸化物の存在下に無水マレイン酸等の極性モノマーを
グラフト重合する方法等が知られている。しかしなが
ら、高圧共重合法によっては低密度ポリエチレンの変性
体しか得られず、またグラフト重合法ではホモポリマー
が副生したり変性量の制御が困難であるなど、構造を自
在に制御した変性ポリエチレンを得ることは一般に困難
であった。
【0003】これに関し、ブチルリチウム/3級ジアミ
ン系開始剤によりエチレンのアニオンリビング重合が可
能であることはよく知られているが、アニオンリビング
重合法で得られるエチレンのリビング末端は、各種の官
能基に変換することができる。例えばBergbreiterら
(J. Polym. Sci., Polym. Chem. 27: 4205-4226 (198
9))は、リビングポリエチレン末端に二酸化炭素、エチ
レンオキサイド、ハロゲン化アルキル等の求電子試薬を
反応させることで末端に官能基を導入し、さらにこれら
を他の官能基に変換することを報告している。しかして
アニオンリビング末端とこれらの求電子試薬との反応の
場合、官能基による変性率が低い等の問題があったが、
本発明者らはこれらに関し既に、エチレンのアニオンリ
ビング重合末端を特定のカルボニル化合物、酸素等と反
応させることにより新規な水酸基変性ポリエチレンを得
ることに成功している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでポリエチレン
は本来撥水性に優れた材ではあるが、これにフッ化アル
キル変性を加えることで更なる撥水性、撥油性が付与さ
れると期待される。特にポリエチレンのオリゴマーであ
るワックス領域においては、撥水/撥油性が要求される
場合が多く、フッ化アルキル変性が得られれば非常に有
用であると考えられる。
【0005】しかしながら従来は、上述のようにポリエ
チレンに各種極性官能基を導入し、これを相関移動触
媒、蛍光染料等に応用することについては検討がなされ
てきたが、フッ化アルキル変性ポリエチレンの合成例に
ついては未だに報告されていない。そこで本発明は、フ
ッ化アルキル変性を加えることにより撥水/撥油性を付
与された新規なポリエチレン、及びその製造法を提供す
ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実状において本発
明者らは、撥水/撥油性ポリエチレン、なかんずくポリ
エチレンワックスを開発すべく鋭意検討の結果、エステ
ル結合を介してポリエチレンにフッ化アルキル基を結合
させた新規なフッ化アルキル変性ポリエチレンが高い撥
水/撥油性を示すこと、そしてかかるフッ化アルキル変
性ポリエチレンが、リビング重合ポリエチレンの水酸基
変性物に対し、相当する酸ハライドを反応させることに
よりワンポットで得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0007】即ち本発明は、以下に示すフッ化アルキル
変性ポリエチレンおよびその製造法を提供するものであ
る。 1.次式(1)で表されるフッ化アルキル変性ポリエチ
レン。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1は炭素数1から6の直鎖又は
分岐の飽和炭化水素基、R2、R3は独立に水素又は炭素
数1〜18の脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、
lは10〜1000の整数、Rfは炭素数2から17の
パーフルオロアルキル基又は重合度2から5のパーフル
オロプロピレンオキシドオリゴマーである。) 2.以下の工程からなるフッ化アルキル変性ポリエチレ
ンの製造法。 1)炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム
/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビング重
合させる段階と、 2)次式(2)で示されるカルボニル化合物を反応させ
る段階、及び
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R2及びR3は独立に水素又は炭素
数1から18の脂肪族若しくは芳香族炭化水素であ
る。) 3)次式(3)で示されるフッ化アルキルカルボン酸ハ
ライドを反応させる段階。
【0012】
【化7】
【0013】(式中、Rfは式(1)と同じものを表
し、Xはハロゲンである。) 3.以下の工程からなるフッ化アルキル変性ポリエチレ
ンの製造法。 1)炭素数1から6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム
/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビング重
合させる段階と、 2)酸素酸化を行う段階、及び 3)次式(3)で示されるフッ化アルキルカルボン酸ハ
ライドを反応させる段階。
【0014】
【化8】
【0015】(式中、Rfは式(1)と同じものを表
し、Xはハロゲンである。)以下に本発明をさらに詳し
く説明する。本発明のフッ化アルキル変性ポリエチレン
は、フッ化アルキル基の結合する炭素に一つまたは二つ
の炭化水素置換基を有する。かかる炭化水素置換基とし
ては炭素数1〜18の脂肪族または芳香族炭化水素基が
含まれる。18より多い炭素数のものを用いることも原
理的には可能であるが、原料の入手性、生成するポリエ
チレンの物性、反応性等を考慮すれば実用的ではない。
【0016】脂肪族炭化水素置換基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、C5〜C18の直鎖または分岐の飽
和炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられる。なお
特殊な場合として、二つの置換基が共有結合で結ばれ、
フッ化アルキル基とエステル結合する炭素原子を含む炭
化水素環が形成されているものも本発明の範囲にある。
かかる結合様式の具体例としては、以下のようなものが
挙げられる。
【0017】
【化9】
【0018】芳香族炭化水素置換基の具体例としては、
フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ナ
フチル基等が挙げられる。
【0019】これらの置換基は変性ポリエチレンの分子
量が比較的低い場合は融点や表面物性に影響を与える
が、分子量が大きい場合には影響を与えることはない。
【0020】本発明のフッ化アルキル変性ポリエチレン
の、フッ化アルキル基と反対側の末端は、炭素数1から
6の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基である。即ちメチル
基、エチル基、n−ブチル基などであり、短鎖分岐の具
体例としては、2−メチル基、3−メチル基、2,2−
ジメチル基等が挙げられる。これらの末端の分岐鎖は、
生成ポリエチレンの物性に対し、その重合度が低い場合
には融点を低下させるなどの変化を発現するが、重合度
が高い場合は何等影響を及ぼさない。
【0021】本発明のフッ化アルキル変性ポリエチレン
は、エチレン繰り返し単位として10〜1000の範囲
の重合度を有する混合物である。その重合度分布に特に
制限はないが、通常は1.05〜5程度である。重合度
が概ね300以下の場合は生成ポリエチレンはワックス
様の、それ以上ではプラスチックス様の外観および物性
を示す。
【0022】本発明のフッ化アルキル変性ポリエチレン
は、フッ化アルキル基として炭素数2から17のパーフ
ルオロアルキル基を有する(全炭素数は3から18の)
カルボン酸、或いは重合度2から5のパーフルオロプロ
ピレンオキシドオリゴマーが、ポリエチレンに対してエ
ステル結合を介して結合したものである。パーフルオロ
アルキル基としては、ω末端が水素または塩素置換され
たものも含まれる。かかるパーフルオロアルキル基の具
体例としては、以下のものが挙げられる。
【0023】
【化10】
【0024】また、パーフルオロアルキルプロピレンオ
キシドオリゴマーとしては以下のものが挙げられる。
【0025】
【化11】
【0026】なおこれらが適当な割合で混合されたもの
も本発明の範囲内にある。次に、本発明のフッ化アルキ
ル変性ポリエチレンの製造法について説明する。まず第
一段階として、炭素数1から6の直鎖または分岐のアル
キルリチウム/3級ジアミンによるエチレンのリビング
重合を行う。
【0027】ポリエチレンのリビング重合においては、
非極性の脂肪族炭化水素溶媒が用いられる。かかる溶媒
の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等が挙げられ
る。好ましくはシクロヘキサンである。
【0028】炭素数1から6の直鎖または分岐のアルキ
ルリチウム化合物としては、メチルリチウム、エチルリ
チウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム等が用いられる。ここで用いるリチウ
ム化合物の有機基が、生成するポリエチレンの一方の末
端に導入されることになる。
【0029】3級ジアミンとしては、二つの窒素間の原
子数が2ないし3個のものが好適に用いられる。かかる
ジアミンの具体例としては、テトラメチルエチレンジア
ミン、ジピペリジノエタン、ジピロリジノエタン、スパ
ルテイン等が挙げられる。
【0030】これらの3級ジアミンは通常、アルキルリ
チウムに対して0.1〜10当量用いられる。3級ジア
ミンの使用量が0.1当量より少ないと重合が遅く、ま
た有機基導入反応の収率が低くなり、10当量より多い
とリビング末端が失活してしまうものが多くなる。
【0031】上記のアルキルリチウム化合物および3級
ジアミンを含む炭化水素溶液にエチレンを導入すること
で、エチレンのリビング重合が進行する。エチレンの導
入圧力に特に制限はないが、1kg/cm2〜100kg/cm2
が適当である。1kg/cm2より低い場合には重合反応が
遅すぎて、経済的ではない。他方、100kg/cm2を越
える高圧においては重合が速すぎて、反応の制御が困難
となる。
【0032】重合は0℃〜100℃で好適に行われる。
望ましくは20℃〜80℃である。反応温度が0℃より
低いと重合反応が遅くなり過ぎ、また生成するポリエチ
レンが沈澱しやすくなるため好ましくない。他方、反応
温度が100℃を越えるとリビング末端が失活しやすく
なるため好ましくない。
【0033】重合時間は、重合温度、3級ジアミン濃
度、エチレン導入圧力等によって異なるが、一般に0.
1時間から24時間程度である。重合時間を変化させる
ことにより、生成するポリエチレンの分子量を制御する
ことができる。リビング末端の失活を防ぐ点から、重合
熱を除去できる限り、重合時間はなるべく短時間である
ことが好ましい。
【0034】第二段階として、上記方法により生成した
リビング末端にカルボニル化合物を反応させる。カルボ
ニル化合物としては特定のアルデヒド、ケトンが用いら
れ、目的とする末端構造に応じて適宜使い分けられる。
アルデヒドを用いる場合は1級又は2級の、ケトンを用
いる場合は3級のリチウムアルコキシドが導入されるこ
とになる。かかるアルデヒド、ケトンとしては、炭素数
1〜18の脂肪族または芳香族炭化水素基を有するもの
が用いられる。
【0035】通常、アルキルリチウムのカルボニル化合
物への求核付加反応はα水素の引き抜き反応と競合する
ため、ある程度の割合で末端官能基を持たないポリエチ
レンを副生する。カルボニル基に隣接したメチル基を有
するケトン類を用いる場合、反応条件にもよるが、末端
導入反応率は50〜70%程度に留まる。かかるケトン
類の具体例としては、アセトン、2−ブタノン、2−ペ
ンタノン、3−メチル−2−ブタノン、アセトフェノン
等が挙げられる。カルボニル基に隣接した基がメチル基
以外でかつα水素を有するケトンにおいては引き抜き反
応が遅くなるため、有機基の導入率は向上し、70〜9
0%に達する。かかるケトンの具体例としては、3−ペ
ンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙
げられる。一方、ケトンよりも立体障害の少ないアルデ
ヒド類においては、α水素があってもほぼ定量的に目的
の水酸基等含有ポリエチレンを得ることができる。かか
るアルデヒドの具体例としては、プロパナール、ブタナ
ール、ペンタナール、ヘキサナール等が挙げられる。α
水素を持たないカルボニル化合物においては、ほぼ定量
的に有機基が導入される。かかるカルボニル化合物の具
体例としては、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、
ベンゾフェノン等が挙げられる。これらのカルボニル化
合物及びアルデヒド類においては、90%を越える導入
率を得ることが可能である。
【0036】カルボニル化合物の量に特に制限はない
が、極めて定量的な反応であるから、リビング末端に対
し等モル量ないし1.2倍の過剰モル量程度で十分であ
る。過剰のカルボニル化合物の使用は、カニッツアロ反
応、アルドール縮合等の副反応を生ずるので好ましくな
い。
【0037】カルボニル化合物とリビングポリエチレン
との反応は均一系においては室温でもほぼ1分以内に完
結する。しかしながら、ポリエチレンの分子量が高く沈
澱を生成している場合には、数分〜数時間の反応が必要
となる。反応温度に特に制限はないが、通常0℃〜10
0℃、好ましくは20℃〜80℃で行われる。一般に
は、重合に用いた温度と同一の温度において行われる。
カルボニル化合物の添加方法については特に限定しない
が、発熱を伴うことから微量ずつ加えるか、重合に用い
られる炭化水素溶媒で希釈してから加えることが望まし
い。
【0038】本発明のフッ化アルキル変性ポリエチレン
の製造法においては、第二段階として、上記の如きカル
ボニル化合物との反応に代えて、リビング末端の酸素酸
化を行うことも可能である。具体的には所定の分子量に
達したリビングポリエチレンを含む反応器内のエチレン
ガスを除去した後、酸素を導入することで達成される。
反応条件によっては、窒素、アルゴン等の不活性ガスで
適当な濃度に希釈された酸素を用いて、反応速度を調節
することが望ましい。一般にはこの酸素酸化は、乾燥空
気を導入することにより達成される。酸素(混合)ガス
の導入速度および圧力は、反応速度が制御できる範囲で
あれば特に制限されない。過酸化物の生成を防ぐために
は、微量ずつ導入することが好ましい。酸素酸化反応を
行う際の温度についても特に制限はないが、通常−78
℃〜100℃、好ましくは−30℃〜70℃である。
【0039】第二段階までで生成したポリエチレンは、
分子末端にリチウムアルコキシドを有しているが、次に
第三段階として、このリチウムアルコキシド末端に酸ハ
ライドを反応させる。酸ハライドとしては、前述のよう
に次式(3)に示す構造のものが好適に用いられる。
【0040】
【化12】
【0041】(式中、Rfは炭素数2から17のパーフ
ルオロアルキル基、または重合度2から5のパーフルオ
ロプロピレンオキシドオリゴマーであり、Xはハロゲン
である。)かかる酸ハライドの具体例としては以下のも
のが挙げられる。
【0042】
【化13】
【0043】これらを適当な割合で混合して用いても良
いことは前述の通りである。
【0044】酸ハライドの使用量は、リビング末端に対
して等モル量以上であれば特に制限はない。また反応温
度にも特に制限はないが、通常−78℃から100℃、
好ましくは−30℃から70℃である。反応時間にも特
に制限はなく、通常は0.1時間から24時間の範囲で
ある。比較的高温で、均一な系においては、短時間でほ
ぼ100%の収率で反応が進行する。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、撥水/撥油性に優れた
新規なフッ化アルキル変性ポリエチレンを高収率かつ高
純度で得ることができる。特に、本発明で得られる変性
ポリエチレンはほとんど全ての分子末端に一つずつフッ
化アルキル基を有することから、高い撥水/撥油性を示
す。また、生成ポリマーの分子量を500〜2000程
度に制御することで高撥水性ワックスが得られ、化粧品
原料あるいは高性能潤滑剤等に好適に用いることができ
る。
【0046】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説
明する。 実施例1 窒素置換した1リットルのオートクレーブ中に、乾燥シ
クロヘキサン400ml、テトラメチルエチレンジアミン
3ml、n−ブチルリチウム(1.6mol/リットル)12.
5mlを仕込み、50℃にてエチレンガスを2kg/cm2
圧力で導入した。30分重合を行った後、エチレンガス
を除去し、そこへベンズアルデヒド2.2mlを滴下し
た。10分間反応させた後、パーフルオロオクタン酸フ
ルオリド5.4mlを加えた。15分間反応させた後、反
応溶液を2リットルのメタノール中に投入した。減圧濾
過にて集めた固体を沸騰トルエン中に溶解させ、熱時濾
過にて不溶分を除いた後、濾液を2リットルのメタノー
ル中に投入した。生成した固体を集め、50℃のオーブ
ンで真空下に24時間乾燥した。生成物の収量は17.
0g、Waters社製の装置を用いたGPC分析(オルトジ
クロルベンゼン、135℃、ポリエチレン標準サンプル
で較正)の結果、生成物の数平均分子量は1120であ
った。
【0047】1H−NMR分析(Bruker社製、200M
Hz、テトラクロロエチレン、80℃。ロック溶媒とし
てDMSO−d6を二重管で用い、外部標準としてTM
Sを用いた。)の結果、0.8ppm(トリプレット)に
開始末端メチル基、1.2ppm付近に主鎖のメチレン
基、5.6ppm(トリプレット)にベンジル位メチン、
7.2ppm付近にフェニル基のシグナルが観察された。
各々のシグナルの積分比から、数平均分子量1160、
フッ化アルキル基導入率100%であることがわかっ
た。
【0048】実施例2〜3 実施例1と同様の方法にて、フッ化アルキル変性ポリエ
チレンを得た。条件および結果を表1に示す。なお、表
1に示す分子量は実施例1と同様のGPC分析に基づく
ものである。
【0049】
【表1】
【0050】実施例4 実施例1と同様の方法にてエチレンの重合を行った後、
反応槽上部のガスを乾燥空気で置換した。10分間酸化
反応を行った後、パーフルオロプロピレンオキシド3量
体の酸フルオリド6.5mlを添加し、15分間反応させ
た。反応後、内容物を2リットルのメタノール中に投入
し、1時間撹拌した。減圧濾過により生成した固体を集
め、50℃のオーブンで真空下に24時間乾燥し、白色
固体19.0gを得た。実施例1と同様の条件によるG
PC分析に基づく生成物の分子量は1350、フッ化ア
ルキル基導入率は89%であった。
【0051】撥水性試験 実施例1〜4で得られたフッ化アルキル変性ポリエチレ
ンをガラス板上に溶融キャストし、水および流動パラフ
ィンとの接触角を測定した。対照として未変性ポリエチ
レン(ペトロライト社製、ポリワックス1000)を用
いたものを比較例として用いた。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】本発明のフッ化アルキル変性ポリエチレン
は撥水撥油性に優れることが判る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1)で表されるフッ化アルキル変
    性ポリエチレン。 【化1】 (式中、R1は炭素数1から6の直鎖又は分岐の飽和炭
    化水素基、R2、R3は独立に水素又は炭素数1〜18の
    脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、lは10〜1
    000の整数、Rfは炭素数2から17のパーフルオロ
    アルキル基又は重合度2から5のパーフルオロプロピレ
    ンオキシドオリゴマーである。)
  2. 【請求項2】1)炭素数1から6の直鎖又は分岐のアル
    キルリチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレン
    をリビング重合させる段階と、 2)次式(2)で示されるカルボニル化合物を反応させ
    る段階、及び 【化2】 (式中、R2及びR3は独立に水素又は炭素数1から18
    の脂肪族若しくは芳香族炭化水素である。) 3)次式(3)で示されるフッ化アルキルカルボン酸ハ
    ライドを反応させる段階 【化3】 (式中、Rfは式(1)と同じものを表し、Xはハロゲ
    ンである。)とからなる、フッ化アルキル変性ポリエチ
    レンの製造法。
  3. 【請求項3】1)炭素数1から6の直鎖又は分岐のアル
    キルリチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレン
    をリビング重合させる段階と、 2)酸素酸化を行う段階、及び 3)次式(3)で示されるフッ化アルキルカルボン酸ハ
    ライドを反応させる段階 【化4】 (式中、Rfは式(1)と同じものを表し、Xはハロゲ
    ンである。)とからなる、フッ化アルキル変性ポリエチ
    レンの製造法。
JP12285593A 1993-05-25 1993-05-25 フッ化アルキル変性ポリエチレンおよびその製造法 Pending JPH06329719A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338622A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Nippon Soda Co Ltd 部分ポリフルオロ炭化水素基含有ポリマー
JP2015212364A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 三洋化成工業株式会社 熱可塑性樹脂用改質剤および熱可塑性樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002338622A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Nippon Soda Co Ltd 部分ポリフルオロ炭化水素基含有ポリマー
JP2015212364A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 三洋化成工業株式会社 熱可塑性樹脂用改質剤および熱可塑性樹脂組成物

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