JPH05186513A - 末端にビニル基を有するイソブチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

末端にビニル基を有するイソブチレン系重合体およびその製造方法

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JPH05186513A
JPH05186513A JP2483092A JP2483092A JPH05186513A JP H05186513 A JPH05186513 A JP H05186513A JP 2483092 A JP2483092 A JP 2483092A JP 2483092 A JP2483092 A JP 2483092A JP H05186513 A JPH05186513 A JP H05186513A
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Hiroshi Fujisawa
博 藤沢
Koji Noda
浩二 野田
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】本発明は、数平均分子量が 500〜200,000 であ
り、1分子当り少なくとも0.2個の一般式 (I) で表わ
される末端にビニル基を有するイソブチレン系重合体、
該重合体の製造方法に関する。 〔式中、nは1以上30以下の整数、R及びRは一
価の有機基又は水素原子を示し、同じでも異なっていて
もよい。〕 【効果】本発明のイソブチレン系重合体の付加型硬化速
度は、アリルシラン法により得られた重合体よりも速く
硬化し、耐熱性が良好である。また、本発明の製造方法
は、イソブチレンの重合において重合触媒としてBCl
3 という高価なルイス酸ではなく、不飽和末端重合体を
副成する安価なルイス酸を使用でき、−30℃という比較
的高い温度でも良好な重合体を得られるという利点も有
する。さらに本発明の製造方法では、1ポットで、末端
にビニル基を有するイソブチレン系重合体を得ることが
可能であり、より分子量のそろった重合体を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端にビニル基を有す
るイソブチレン系重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】末端官能
性重合体、例えば分子両末端にビニル基等が導入された
重合体は、光硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、電子線硬化
型樹脂、変成シリコーン付加硬化型樹脂、接着剤、改質
剤、コーティング剤等の原料として有用である。末端官
能性重合体の一種である、例えば末端に−C(CH3
2 Cl基を有するイソブチレン系重合体は、1,4−ビ
ス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン(以下単に「p
−DCC」という)を開始剤兼連鎖移動剤、BCl3
触媒としてイソブチレンをカチオン重合させるイニファ
ー法 (米国特許第4276394 号明細書) により製造される
ことが知られている。
【0003】また、かかるイニファー法で得られる重合
直後、あるいは精製後の両末端にクロル基を有するイソ
ブチレン系重合体に、更にTiCl4 を加えた後にアリ
ルトリメチルシランを添加することにより両末端にアリ
ル基を有する重合体が得られることが知られている (特
開昭63−105005号公報、以下この製造法をアリルシラン
法と呼ぶことにする) 。しかし、上記アリルシラン法で
は、重合段階でBCl3 という高価なルイス酸を使用し
ているため、得られてくる重合体は、製品としては高価
なものになってしまう。また、上記アリルシラン法で
は、重合反応を−80℃というかなりの低温でおこなっ
ているが、実際の製造を想定した場合、かなり大規模な
冷却装置が必要となり、−80℃という温度は、現実的
ではない。しかし、アリルシラン法では重合温度を上げ
ることは不可能である。例えば−30℃程度の比較的現
実的な温度で重合反応をおこなうと、アリルシランとの
反応性の低い末端基(−CH2 C(CH3 )=CH2
や−CH=C(CH3 2 基)が多量に副生してしまう
という問題がある。
【0004】アリルシラン法により製造したイソブチレ
ン系重合体を、ヒドロシリル化反応を用いて硬化させる
方法が知られている(特開平3−200807号公報 以下こ
の硬化反応を、付加型硬化反応と呼ぶことにする) 。上
記特開平3−200807号公報中の実施例19に、アリルシラ
ン法により製造した重合体の付加型硬化反応におけるス
ナップアップタイムが、100 ℃で50秒であると記載され
ている。しかし、付加型硬化のライン生産への適用を考
えると、硬化速度は、さらに速いことが望ましい。ま
た、付加型硬化物の耐久性( 耐熱性、耐候性等) につい
ても、付加型シリコーン樹脂等と比べると、まだ十分と
は言えず、さらに耐久性の良好なイソブチレン系重合体
の出現が望まれている。
【0005】本発明の第一の目的は、良好な特性を有す
る、末端にビニル基を有するイソブチレン系重合体を提
供することにある。また、本発明の第2の目的は、前記
のイソブチレン系重合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、汎用なルイ
ス酸を用いて、末端にビニル基を有するイソブチレン系
重合体を得る方法を見出した。また、本発明の方法を用
いれば、−CH2 C(CH3 )=CH2 基や−CH=C
(CH3 2 基を容易にビニル基末端に変換し得ること
が明らかになった。即ち本発明は、 (1) 数平均分子量が 500〜200,000 であり、1分子
当り少なくとも0.2 個の一般式 (I) :
【0007】
【化11】
【0008】〔式中、nは1以上30以下の整数、R1
及びR2 は一価の有機基又は水素原子を示し、同じでも
異なっていてもよい。〕で表わされる末端にビニル基を
有するイソブチレン系重合体;
【0009】(2) 数平均分子量が 500〜200,000 で
あり、1分子当り少なくとも1.1 個の一般式 (II) :
【0010】
【化12】
【0011】〔式中、Wはハロゲン原子又はR3 COO
−基(R3 は一価の有機基)を示す。〕で表わされる末
端を有するイソブチレン系重合体と一般式(III):
【0012】
【化13】
【0013】〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同
じ。〕で表わされる有機化合物とのフリーデルクラフツ
型反応を行なうことを特徴とする、前記(1)記載のイ
ソブチレン系重合体の製造方法;
【0014】(3) 数平均分子量が500 〜200,000 で
あり、1分子当り少なくとも1.1 個の式(IV) : −CH2 −C(CH3 )=CH2 (IV) : で表される末端を有するイソブチレン重合体と一般式
(III)で表わされる有機化合物とのフリーデルクラフツ
型反応を行なうことを特徴とする、前記(1)記載のイ
ソブチレン系重合体の製造方法;
【0015】(4) 数平均分子量が500 〜200,000 で
あり、1分子当り少なくとも1.1 個の式(V): −CH=C(CH3 2 (V): で表わされる末端を有するイソブチレン系重合体と一般
式(III)で表わされる有機化合物とのフリーデルクラフ
ツ型反応を行なうことを特徴とする、前記(1)記載の
イソブチレン系重合体の製造方法;
【0016】(5) 数平均分子量が500 〜200,000 で
あり、式(IV) : −CH2 −C(CH3 )=CH2 (IV) : で表される末端又は式(V): −CH=C(CH3 2 (V): で表わされる末端を全末端量の3%以上含有するイソブ
チレン系重合体と、前記一般式(III)で表される有機化
合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうことを特徴
とする、前記(1)記載のイソブチレン系重合体の製造
方法;
【0017】(6) (A) イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー、
(B) 開始剤兼連鎖移動剤としての一般式(VI):
【0018】
【化14】
【0019】〔式中、Yはハロゲン原子又はR7 COO
−基(R7 は一価の有機基)を示す。R4 は多価芳香環
基又は置換もしくは未置換の多価脂肪族炭化水素基を示
す。R5 及びR6 は、同一又は異なって、水素原子又は
置換もしくは未置換の一価炭化水素基を示す。但し、R
4 が多価脂肪族炭化水素基を示す場合には、R5 及びR
6 は共に水素原子であることはない。〕で表わされる基
を有する有機化合物、及び(C) ルイス酸を混合して前記
(A) のイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー
を重合させ、次いでこの反応溶液中に(D) 一般式 (III)
で表わされる有機化合物を添加してフリーデルクラフツ
型反応を行なうことを特徴とする、前記(1)記載のイ
ソブチレン系重合体の製造方法;および
【0020】(7) (A) イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー、
(B) 開始剤兼連鎖移動剤としての一般式(VI)で表わさ
れる基を有する有機化合物、(C) ルイス酸、及び(D) 一
般式 (III)で表わされる有機化合物を混合して前記(A)
のイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーの重
合反応を行なうと同時にフリーデルクラフツ型反応を行
なうことを特徴とする、前記(1)記載のイソブチレン
系重合体の製造方法に関する。
【0021】本明細書中において、nは1以上30以下の
整数であるが、原料入手の容易さからすれば、1〜8が
好ましく、例えば、1、4または8のものが好適に用い
られる。ここで、R1 及びR2 に関して一価の有機基と
しては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、
フェノキシ基等があげられる。アルキル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基中のアルキル基としては、通常炭素
数1〜10の直鎖状又は分枝状のものが好ましく、メチ
ル、エチル、プロピル、iso-プロピル、ブチル、sec-ブ
チル、tert−ブチル、ヘキシル、アリル、1−ヘキセニ
ル基などが例示される。アルコキシ基としては、メトキ
シ、エトキシ、アリルオキシ等が例示される。本発明の
イソブチレン系重合体は、数平均分子量が500 〜200,00
0 であり、好ましくは2,000 〜15,000である。また、一
般式 (I) で表わされる末端を1分子当り少なくとも0.
2 個を有するものであるが、1分子当り、1.1 個以上有
するものであることが好ましい。
【0022】本発明のイソブチレン系重合体の製造方法
は、次の方法が挙げられる。 製造方法1 数平均分子量が500 〜200,000 であり、1分子当り少な
くとも1.1 個の一般式(II) で表わされる末端を有する
イソブチレン系重合体を有する重合体と一般式(III)で
表わされる有機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を
行なうことにより製造することができる。フリーデルク
ラフツ型反応の際に用いられる前記一般式(III)で表わ
される有機化合物としては、一般式(III)に該当するも
のである限り特に制限されることなく使用でき、好まし
くは具体的に次のようなものが例示される。
【0023】
【化15】
【0024】前記フリーデルクラフツ型反応は、溶媒中
及び無溶媒下のいずれでも進行する。溶媒としては、通
常のフリーデルクラフツ型反応に用いられ得るものを広
く使用でき、具体的にはn−ヘキサン、n−ペンタン、
n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素化
合物、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、1,
1−ジクロロエタン、塩化エチル等のハロゲン化炭化水
素化合物、トルエン、クロロベンゼン、キシレン等の芳
香族系化合物、二硫化炭素等の有機硫黄化合物、ニトロ
メタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合
物を好ましく例示できる。これらの溶媒は、1種単独で
使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0025】本発明において、フリーデルクラフツ型反
応の際に用いられるルイス酸としては、通常のフリーデ
ルクラフツ型反応に用いられているものをいずれも使用
できるが、例えばTiCl4 、BF3 ・O(C2 5
2 、SnCl4 、AlCl3 等が好ましく、特にSnC
4 、AlCl3 が好ましい。前記ルイス酸の使用量と
しては、イソブチレン系重合体の総官能基量の0.1 〜20
倍程度が好ましく、0.5 〜8倍程度が更に好ましい。前
記フリーデルクラフツ型反応は、−70〜100 ℃の温度範
囲で進行するが、0〜40℃で行なうのが好ましい。また
該反応の反応時間は、用いられるルイス酸の種類や量及
び反応スケール等により異なり一概には言えないが、通
常0.1 〜72時間程度、好ましくは2〜24時間程度であ
る。
【0026】製造方法2 製造方法1と同様の方法により、数平均分子量が500 〜
200,000 であり、1分子当り少なくとも1.1 個の式(I
V) :−CH2 −C(CH3 )=CH2 で表される末端
を有するイソブチレン重合体と一般式(III)で表わされ
る有機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうこ
とにより製造することができる。フリーデルクラフツ型
反応の条件については、前記の製造方法1と同様であ
る。
【0027】製造方法3 製造方法1と同様の方法により、数平均分子量が500 〜
200,000 であり、1分子当り少なくとも1.1 個の式
(V):−CH=C(CH3 2 で表わされる末端を有
するイソブチレン重合体と一般式(III)で表わされる有
機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうことに
より製造することができる。フリーデルクラフツ型反応
の条件については、前記の製造方法1と同様である。
【0028】製造方法4 また、本発明の製造方法では、数平均分子量が 500〜20
0,000 であり、前記式(IV)または(V)で表される末
端を全末端量の3%以上含有するイソブチレン系重合体
と、前記一般式(III)で表わされる有機化合物とのフリ
ーデルクラフツ型反応を行なうことにより製造すること
ができる。フリーデルクラフツ型反応の条件について
は、前記の製造方法1と同様である。
【0029】製造方法5 また、本発明の製造方法には次のような方法も含まれ
る。 方法 (A) イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー、
(B) 開始剤兼連鎖移動剤としての一般式(VI)で表わさ
れる基を有する有機化合物、及び (C)ルイス酸を混合し
て前記(A) のイソブチレンを含有するカチオン重合性モ
ノマーを重合させ、次いでこの反応溶液中に(D) 前記一
般式 (III)で表わされる有機化合物を添加してフリーデ
ルクラフツ型反応を行なうことにより製造することがで
きる。
【0030】方法 (A) イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー、
(B) 開始剤兼連鎖移動剤としての前記一般式(VI)で表
わされる基を有する有機化合物、(C) ルイス酸および
(D) 前記一般式 (III)で表わされる有機化合物を混合し
て前記(A) のイソブチレンを含有するカチオン重合性モ
ノマーの重合反応を行なうと同時にフリーデルクラフツ
型反応を行なうことにより製造することができる。ここ
で、(A) イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ
ーとは、イソブチレンのみかならなるモノマーに限定さ
れるものではなく、イソブチレンの50重量% (以下単に
「%」と記す) 以下をイソブチレンと共重合し得るカチ
オン重合性モノマーで置換したモノマーを意味する。イ
ソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノマーとし
ては、例えば炭素数3〜12のオレフィン類、共役ジエン
類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル化合物類、ビニル
シラン類等が挙げられる。これらの中でも炭素数3〜12
のオレフィン類及び共役ジエン類が好ましい。
【0031】前記イソブチレンと共重合し得るカチオン
重合性モノマーの具体例としては、例えばプロピレン、
1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−2−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエ
ン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ヒド
ロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメ
チルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビ
ニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビ
ニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,
3−ジビニル−1, 1, 3, 3−テトラメチルジシロキ
サン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、
アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラ
ン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメト
キシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメト
キシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げ
られる。これらの中で、例えばプロピレン、1−ブテ
ン、2−ブテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、
シクロペンタジエン等が好適である。これらイソブチレ
ンと共重合し得るカチオン重合性モノマーは、1種単独
でイソブチレンと併用してもよいし、2種以上で併用し
てもよい。
【0032】(B) 開始剤兼連鎖移動剤は、前記一般式
(VI) で表わされる基を有する有機化合物であり、その
例としては、例えば一般式 (VII): AY’p (VII) 〔式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。Y’
は一般式 (VIII)
【0033】
【化16】
【0034】(式中、R5 、R6 及びYは前記に同
じ。)で表わされる芳香環に結合した基を示す。pは1
〜6の整数を示す。〕で表わされる化合物、一般式(I
X): BZm (IX) 〔式中、Bは炭素数4〜40の炭化水素基を示す。Zは第
3級炭素原子に結合したハロゲン原子又はR7 COO−
基(R7 は前記に同じ)を示す。mは1〜4の整数を示
す。〕で表わされる化合物、及びα−ハロスチレン単位
を有するオリゴマー等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらの化合物は単独で用いてもよ
いし、2種以上併用してもよい。
【0035】一般式(VII)で表わされる化合物における
1〜4個の芳香環を有する基であるAは、縮合反応によ
り形成されたものでもよく、非縮合系のものでもよい。
このような芳香環を有する基の具体例としては、例えば
1〜6価のフェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、
アントラセン基、フェナンスレン基、ピレン基、Ph−
(CH2 L −Ph基(Phはフェニル基、Lは1〜10
の整数) 等が挙げられ、これらの芳香環を有する基は炭
素数1〜20の直鎖及び (又は) 枝分れの脂肪族炭化水素
基や、水酸基、エーテル基、ビニル基等の官能基を有す
る基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。一方、
一般式 (IX) で表わされる化合物におけるZは、第3級
炭素原子に結合したF、Cl、Br、Iの如きハロゲン
原子又はR7 COO−基であり、一般式(IX)における
Bは炭素数4〜40の炭化水素基であり、好ましくは脂肪
族炭化水素基であり、この炭素数が4未満になるとハロ
ゲン原子又はR7 COO−基の結合する炭素が第3級炭
素原子でなくなり、重合が進みにくくなって好適に使用
し難くなる。
【0036】開始剤兼連鎖移動剤として用いることがで
きるα−ハロスチレン単位を有するオリゴマーとして
は、例えばα−クロロスチレンのオリゴマーや、α−ク
ロロスチレンとこれと共重合し得る単量体とを共重合さ
せたオリゴマー等が挙げられる。本発明の方法におい
て、一般式(VI)で表わされる結合状態のハロゲン原子
又はR7 COO−基を2個以上有する化合物、又は一般
式(VI)で表わされる結合状態のハロゲン原子又はR7
COO−基と他の反応性官能基とを有する化合物を開始
剤兼連鎖移動剤として用いると、両末端官能性の重合
体、所謂テレケリック重合体を得ることができ、その末
端官能化度を高くできるので非常に有効である。前記開
始剤兼連鎖移動剤の具体例としては、例えば
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】〔Yは前記に同じ。〕 α−クロロスチレンのオリゴマーのようなハロゲン原子
含有有機化合物又はR7 COO−基含有有機化合物が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
化合物の中でも
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】のような安定な炭素陽イオンを生成し易い
ハロゲン原子含有有機化合物や、
【0043】
【化21】
【0044】のようなCH3 COO−基含有有機化合物
等が好ましい。これらの化合物は、開始剤兼連鎖移動剤
として使用される成分であり、本発明では、1種又は2
種以上混合して用いられる。また、これらの化合物の使
用量を調節することにより、得られるポリマーの分子量
をコントロールすることができる。本発明では、上記の
化合物を、通常イソブチレンを含有するカチオン重合性
モノマーに対して、0.01〜20%程度、好ましくは0.1 〜
10%程度の割合で使用するのがよい。
【0045】本発明において重合反応時に用いられる
(C) ルイス酸は、触媒として使用される成分である。か
かるルイス酸としては、従来公知のものを広く使用で
き、例えば、AlCl3 、SnCl4 、TiCl4 、V
Cl5 、FeCl3 、BF3 等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。これらのルイス酸のうちA
lCl3 、SnCl4 及びTiCl4 が好ましい。ルイ
ス酸の使用量は、前記開始剤兼連鎖移動剤である一般式
(VI)で表わされる基を有する有機化合物中のYのモル
数に対して0.0001〜10倍程度が好ましく、2〜5倍程度
がより好ましい。
【0046】本発明において、重合溶剤としては、不活
性溶剤である限り従来公知のものを広く使用でき、その
具体例としては、例えばクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、クロロエタン、塩化メチレン、1, 1−ジ
クロロエタン、1, 2−ジクロロエタン、1, 1, 1−
トリクロロエタン、1, 1,2−トリクロロエタン、
1, 1, 2, 2−テトラクロロエタン、テトラクロロエ
チレン等のハロゲン化炭化水素化合物、n−ヘキサン、
n−ペンタン等の脂肪族炭化水素化合物、ニトロメタ
ン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプ
ロパン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、o−,m−
もしくはp−ジニトロベンゼン等のニトロ基を有する化
合物等が挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種
以上混合して使用される。
【0047】本発明の重合反応を行なうに当たっては、
一つの容器に前記重合溶剤である不活性溶剤、前記イソ
ブチレンを含有するカチオン重合性モノマー、前記開始
剤兼連鎖移動剤、前記重合反応時に用いるルイス酸、さ
らに場合によっては前記一般式(III)で表わされる有機
化合物等を順次仕込んでいくバッチ法でもよいし、前記
不活性溶剤、前記カチオン重合性モノマー、前記開始剤
兼連鎖移動剤、前記一般式(III)で表わされる有機化合
物、前記重合反応時に用いるルイス酸等をある系内に連
続的に仕込みながら反応させ、更に取り出される連続法
でもよい。
【0048】本発明の方法において、重合温度として
は、−120 〜0℃程度が好ましく、−60〜−10℃程度が
より好ましい。本発明における前記一般式 (II) で表わ
される末端を、全末端官能基の95%以上の高純度で得る
ためには、重合温度を−50℃以下にすることが好まし
い。また前記式 (IV) で表わされる末端又は前記式
(V) で表わされる末端を3%以上含有するイソブチレ
ン系重合体を得る場合には、重合温度は−30〜−10℃程
度とするのがよい。重合時間は、反応容器を冷却する能
力や重合のスケール等により異なり一概には言えない
が、通常1〜300 分程度、好ましくは5〜120 分程度で
ある。また重合時のモノマー濃度としては、0.1 〜8モ
ル/l程度が好ましく、0.5 〜5モル/l程度がより好
ましい。
【0049】本発明の方法では、重合開始前あるいは重
合終了後に、重合系中に前記一般式(III)で表わされる
有機化合物を添加することにより、1ポットで末端にビ
ニル基を有するイソブチレン系重合体を得ることができ
る。1ポットで上記重合反応とフリーデルクラフツ型反
応を行なう際の溶媒としては、塩化メチレン、四塩化炭
素、クロロホルム、1, 1−ジクロロエタン、塩化エチ
ル等のハロゲン化炭化水素、トルエン、クロロベンゼン
等の芳香族系化合物、ニトロメタン、ニトロエタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化合物が好ましく、これらの溶
媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して
使用してもよい。また、ルイス酸としては、AlC
3 、SnCl4 、TiCl4 等が好ましい。
【0050】また、前記一般式 (III)で表わされる有機
化合物は、重合開始前に添加しても重合終了後に添加し
てもよいが、重合開始前に添加した系では、より分子量
のそろった重合体が得られるという傾向がある。また、
1ポットで末端にビニル基を有するイソブチレン系重合
体を製造する際には、重合反応を−60℃〜−10℃で行な
った後、フリーデルクラフツ型反応を0〜40℃で行なう
のが好ましいが、重合条件によっては、−60〜−10℃で
重合反応を行なうと同時にフリーデルクラフツ型反応を
完結させて、末端にビニル基を有するイソブチレン系重
合体を得ることも可能である。通常、重合反応は 0.1〜
120 分程度、フリーデルクラフツ型反応は 0.5〜24時間
程度行なうのが好ましい。
【0051】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。なお、実施例中における数平均分子量および
1分子当りの官能基数は以下の方法により求めた。 (1)数平均分子量(Mn)はGPC測定(ポリスチレ
ン換算)より求めた。 カラム:Showdex K804 (昭和電工製) ; カラム温度:
40℃; 溶媒:クロロホルム; 流速:1.0ml/分; データ処理プログラム;MAXIMA 820 (Waters社製) (2)1分子当りの官能基数はGPC測定より求めた数
平均分子量(Mn)に基づいて、1 H−NMRスペクト
ル(300MHz)の主鎖骨格のピークと末端ビニル基のピ
ークの積分値との比較より求めた。1 H−NMR測定条件 溶媒:四塩化炭素と重アセトン(ロック溶媒)との混合
物、TMSを基準とする。 実施例1 一般式 (X) :
【0052】
【化22】
【0053】〔式中、R8 、R9 およびR10は各々独立
して
【0054】
【化23】
【0055】(式中、aは0又は1〜100 の整数を示
す。)を表わす。〕で表されるイソブチレン系重合体
(Mn=5000、Mw/Mn=1.5 )2.0 g、上記一般式
(III)で表される化合物の一種である化合物
【0056】
【化24】
【0057】6ミリモル及び塩化メチレン10mlを50m
lのナスフラスコ中に加え、マグネチックスターラーを
用いて攪拌した。このようにして得られた均一溶液中に
四塩化スズ6ミリモルを加えた後、室温で密閉系で3時
間攪拌した。その後、塩化メチレン溶液を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液20mlと共に振盪し、更に水道水20m
lで2回洗浄した。更に塩化メチレン溶液を5mlまで
濃縮し、100 mlのアセトンにこの濃縮溶液を注ぎ込ん
で重合体を沈澱分離させた。このようにして得られた重
合体を再び30mlのヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥させ、濾過した後ヘキサンを減圧留去し
て、目的とするイソブチレン系重合体を得た。得られた
ポリマーの収量より収率を算出すると共に、Mn及びM
w(重量平均分子量)/MnをGPC法により、また末
端構造を1 H−NMR(300MHz) 法等により各構造に帰
属するプロトンの共鳴信号の強度を測定、比較すること
により求めた。結果を表1に示す。
【0058】実施例2〜5 化合物のかわりに化合物〜
【0059】
【化25】
【0060】を使用したこと以外は、実施例1と同様に
反応をおこない、得られたイソブチレン系重合体を精製
し評価した。結果を表1に併せて示す。
【0061】実施例6 原料であるイソブチレン系重合体を一般式(XI) :
【0062】
【化26】
【0063】〔式中、R11、R12およびR13は各々独立
して
【0064】
【化27】
【0065】(式中、bは0又は1〜100 の整数を示
す。Pは−CH=C(CH3 2 または−CH2 −C
(CH3 )=CH2 を示す。〕で表されるイソブチレン
系重合体〔Mn=5000、Mw/Mn=1.5 、Fn(−C
H=C(CH3 2 )=1.2、Fn(−CH2 C(C
3 )=CH2 )=1.8〕とする以外は実施例1と同
様に反応を行い、得られたイソブチレン系重合体を精製
し、評価した。結果を表1に併せて示す。
【0066】実施例7〜10 化合物のかわりに化合物〜を使用したこと以外
は、実施例6と同様に反応をおこない、得られたイソブ
チレン系重合体を精製し、評価した。結果を表1に併せ
て示す。
【0067】
【表1】
【0068】実施例11 200 mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取付け
て、真空ラインで真空に引きながら重合容器を100 ℃で
1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却後、
三方コックを用いて窒素で常圧に戻した。その後、三方
コックの一方から窒素を流しながら、注射器を用いてオ
ートクレーブに式
【0069】
【化28】
【0070】で表わされるトリクミルクロライド1ミリ
モルを水素化カルシウム処理により乾燥させた塩化メチ
レン40mlに溶かした溶液を加えた。次に、酸化バリウ
ムを充填したカラムを通過させることにより脱水したイ
ソブチレンが5g入っているニードルバルブ付耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管を三方コックに接続した後、容器本
体を−70℃のドライアイス−アセトン浴に浸漬し、重合
容器内部を攪拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空
ラインにより内部を減圧にした後、ニードルバルブを開
け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重
合容器に導入した。その後、三方コックの一方から窒素
を流すことにより常圧に戻し、更に攪拌下に1時間冷却
を続け、重合容器内を−70℃まで冷却した。
【0071】次に、四塩化スズ10ミリモルを、塩化メチ
レン20mlで希釈した溶液 (−30℃) を注射器を用いて
三方コックから添加して重合を開始させ、60分経過した
時点で上記化合物10ミリモルを注射器を用いて三方コ
ックから添加した。その後、反応溶液を室温で6時間攪
拌した後、100 mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と
共に振盪した後、有機層を水100 mlで2回洗浄した。
有機層を10mlに濃縮し、300 mlのアセトン中にこれ
を攪拌しながら加えることによりポリマーを沈澱分離さ
せた。このようにして得られたポリマーを80mlのn−
ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去することにより、
イソブチレン系重合体を得た。このようにして得たイソ
ブチレン系重合体を実施例1と同様にして評価した。結
果を表2に示す。
【0072】実施例12〜15 化合物のかわりに化合物〜を使用したこと以外
は、実施例11と同様に反応をおこない、得られたイソ
ブチレン系重合体を精製し、評価した。結果を表2に併
せて示す。
【0073】実施例16 重合反応時の温度を−30℃とする以外は実施例11と同
様にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結
果を表2に併せて示す。
【0074】実施例17〜20 化合物のかわりに化合物〜を使用したこと以外
は、実施例16と同様に反応をおこない、得られたイソ
ブチレン系重合体を精製し、評価した。結果を表2に併
せて示す。
【0075】実施例21 化合物10ミリモルを重合開始前に添加し、重合開始後
には加えなかったこと以外は実施例16と同様にしてイソ
ブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表2に併
せて示す。実施例16と実施例21の結果より、化合物
を重合開始前に添加することにより、分子量のより揃
った(すなわちMw/Mn値の小さい)イソブチレン系
重合体を得ることができることが明らかになった。 実施例22〜25 化合物のかわりに、化合物〜を使用したこと以外
は、実施例21と同様に反応をおこない、得られたイソ
ブチレン系重合体を精製し、評価した。結果を表2に併
せて示す。
【0076】
【表2】
【0077】実施例26 特開平3−200807号公報中の実施例5と同様に、末端に
アリル基を有する重合体(アリルシラン法によるもの)
とポリハイドロジェンシロキサン(信越化学(株)製L
S8600)との反応をおこない、Si−H末端ポリイソブ
チレンを合成した。さらに上記特開平3−200807号公報
中の実施例19と同様にして、本明細書の実施例1で製
造した重合体の付加型硬化反応を上記Si−H末端ポリ
イソブチレンを用いておこなった。スナップアップタイ
ムの測定結果を表3に示す。
【0078】比較例1 上記実施例1で製造した重合体のかわりに、アリルシラ
ン法により製造したイソブチレン系重合体(Mn=380
0、Mw/Mn=1.20、Fn(アリル)=3.0 上記特開
平3−200807号公報中の合成例4と同様にして製造し
た。)を用いたこと以外は、実施例26と同様にして硬
化反応をおこなった。スナップアップタイムの測定結果
を表3に併せて示す。
【0079】
【表3】
【0080】実施例27 特開平3−95266 号公報中の実施例9と同様にして、1,
9 −デカジエンとポリハイドロジエンシロキサン(信越
化学(株)製LS8600)を原料として炭化水素系付加型
硬化剤を合成した。上記炭化水素系付加型硬化剤を用い
て特開平3−95266 号公報中の実施例11と同様にし
て、本明細書の実施例2で製造したイソブチレン系重合
体の硬化物を作成し、150 ℃での耐熱性試験をおこなっ
た。結果を表4に示す。
【0081】比較例2 上記実施例2で製造したイソブチレン系重合体のかわり
に、比較例1で使用した重合体を使用したこと以外は、
実施例27と同様にして硬化物を作成し、耐熱性試験を
おこなった。結果を表4に併せて示す。
【0082】
【表4】
【0083】実施例28 実施例1で使用された一般式(X)で表されるイソブチ
レン系重合体(Mn=5000、Mw/Mn=1.5 )2.0
g、アリルフェニルエーテル6ミリモル及び塩化メチレ
ン10mlを50mlのナスフラスコ中に加え、マグネチッ
クスターラーを用いて攪拌した。このようにして得られ
た均一溶液中に四塩化スズ6ミリモルを加えた後、室温
で密閉系で6時間攪拌した。その以降の操作は実施例1
と同様にしてイソブチレン系重合体を得た。得られたポ
リマーの収量より収率を算出すると共に、Mn及びMw
/MnをGPC法により、また末端構造を1 H−NMR
(300MHz) 法等により各構造に帰属するプロトンの共鳴
信号の強度を測定、比較することにより求めた。結果を
表5に示す。
【0084】実施例29 原料であるイソブチレン系重合体を一般式 (XI) で表さ
れる化合物において、R11、R12およびR13が各々独立
して
【0085】
【化29】
【0086】(式中、dは0又は1〜100 の整数を示
す。) を示す。〕で表わされるイソブチレン系重合体
(Mn=5000、Mw/Mn=1.5)とする以外は実施例2
8と同様に反応を行い、得られたイソブチレン系重合体
を精製し、評価した。結果を表5に併せて示す。実施例
28及び実施例29の結果からアリルフェニルエーテル
を用いた場合、塩素原子を有する末端及び前記式(IV)
で表わされる末端は定量的にアリル基を有する末端に変
換されることが明らかになった。
【0087】
【表5】
【0088】実施例30 実施例11における化合物に代えてアリルフェニルエ
ーテルを使用する以外は実施例11と同様にイソブチレ
ン系重合体を製造した。このようにして得たイソブチレ
ン系重合体を実施例28と同様にして評価した。結果を
表6に示す。 実施例31 重合反応時の温度を−30℃とする以外は実施例30と同
様にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結
果を表6に併せて示す。
【0089】比較例3 重合開始後60分を経過した時点でアリルフェニルエーテ
ルのかわりに−40℃以下に冷却したメタノールを添加し
て重合を停止させること以外は実施例31と同様にして
イソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表6
に併せて示す。実施例31と比較例3の結果より、いっ
たん生成した前記式(IV)、式(V)で表わされる末端
が、それぞれアリルフェニルエーテルと反応しているこ
とが明らかになった。
【0090】実施例32 アリルフェニルエーテル10ミリモルを重合開始前に添加
し、重合開始後には加えなかったこと以外は実施例31
と同様にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価し
た。結果を表6に併せて示す。実施例31と実施例32
の結果より、アリルフェニルエーテルを重合開始前に添
加することにより、分子量のより揃った (すなわちMw
/Mn値の小さい)イソブチレン系重合体を得ることが
できることが明らかになった。表6から、実施例30の
方法に従えば、末端にアリル基を有するイソブチレン系
重合体をワンポットで得られることが明らかである。ま
た表6から、実施例31の方法に従えば、重合反応を−
30℃という比較的高い温度で行い且つワンポットで末端
にアリル基を有するイソブチレン系重合体が得られるこ
とが明らかである。この実施例31の方法は、末端にア
リル基を有するイソブチレン系重合体を製造するための
方法としては、特に大規模な冷却装置を必要とせず、か
なり低コストなものであり、実用的である。
【0091】
【表6】
【0092】
【発明の効果】本発明のイソブチレン系重合体の付加型
硬化速度は、アリルシラン法により得られた重合体より
も速く硬化するものであり、さらに、150 ℃での耐熱性
試験の結果より、本発明の重合体は、アリルシラン法に
より得られたものよりも耐熱性が良好である。本発明の
製造方法は、原料重合体として不飽和末端重合体を用い
ることができるので、イソブチレンの重合において重合
触媒としてBCl3 という高価なルイス酸ではなく、不
飽和末端重合体を副成する安価なルイス酸を使用でき、
−30℃という比較的高い温度でも良好な重合体を得られ
るという利点も有する。さらに本発明の製造方法では、
1ポットで、末端にビニル基を有するイソブチレン系重
合体を得ることが可能であり、しかも前記一般式(III)
で表される有機化合物を重合開始前に添加する系では、
より分子量のそろった重合体を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が 500〜200,000 であり、
    1分子当り少なくとも0.2 個の一般式 (I) : 【化1】 〔式中、nは1以上30以下の整数、R1 及びR2 は一
    価の有機基又は水素原子を示し、同じでも異なっていて
    もよい。〕で表わされる末端にビニル基を有するイソブ
    チレン系重合体。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が500 〜200,000 であり、
    1分子当り少なくとも1.1 個の一般式 (II) : 【化2】 〔式中、Wはハロゲン原子又はR3 COO−基(R3
    一価の有機基)を示す。〕で表わされる末端を有するイ
    ソブチレン系重合体と一般式(III): 【化3】 〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同じ。〕で表わされ
    る有機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうこ
    とを特徴とする、請求項1記載のイソブチレン系重合体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が500 〜200,000 であり、
    1分子当り少なくとも1.1 個の式(IV) : −CH2 −C(CH3 )=CH2 (IV) : で表される末端を有するイソブチレン重合体と一般式
    (III): 【化4】 〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同じ。〕で表わされ
    る有機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうこ
    とを特徴とする、請求項1記載のイソブチレン系重合体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が500 〜200,000 であり、
    1分子当り少なくとも1.1 個の式(V): −CH=C(CH3 2 (V): で表わされる末端を有するイソブチレン系重合体と一般
    式(III): 【化5】 〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同じ。〕で表わされ
    る有機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうこ
    とを特徴とする、請求項1記載のイソブチレン系重合体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 数平均分子量が500 〜200,000 であり、
    式(IV) : −CH2 −C(CH3 )=CH2 (IV) : で表される末端又は式(V): −CH=C(CH3 2 (V): で表わされる末端を全末端量の3%以上含有するイソブ
    チレン系重合体と、一般式(III): 【化6】 〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同じ。〕で表される
    有機化合物とのフリーデルクラフツ型反応を行なうこと
    を特徴とする、請求項1記載のイソブチレン系重合体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】(A) イソブチレンを含有するカチオン重合
    性モノマー、(B) 開始剤兼連鎖移動剤としての一般式
    (VI): 【化7】 〔式中、Yはハロゲン原子又はR7 COO−基(R7
    一価の有機基)を示す。R4 は多価芳香環基又は置換も
    しくは未置換の多価脂肪族炭化水素基を示す。R5 及び
    6 は、同一又は異なって、水素原子又は置換もしくは
    未置換の一価炭化水素基を示す。但し、R4 が多価脂肪
    族炭化水素基を示す場合には、R5 及びR6 は共に水素
    原子であることはない。〕で表わされる基を有する有機
    化合物、及び (C) ルイス酸を混合して前記(A) のイソブチレンを含有
    するカチオン重合性モノマーを重合させ、次いでこの反
    応溶液中に (D) 一般式 (III): 【化8】 〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同じ。〕で表わされ
    る有機化合物を添加してフリーデルクラフツ型反応を行
    なうことを特徴とする、請求項1記載のイソブチレン系
    重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】(A) イソブチレンを含有するカチオン重合
    性モノマー、(B) 開始剤兼連鎖移動剤としての一般式
    (VI): 【化9】 〔式中、Y、R4 、R5 及びR6 は前記に同じ。〕で表
    わされる基を有する有機化合物、 (C) ルイス酸、及び (D) 一般式 (III): 【化10】 〔式中、n、R1 及びR2 は前記に同じ。〕で表わされ
    る有機化合物を混合して前記(A) のイソブチレンを含有
    するカチオン重合性モノマーの重合反応を行なうと同時
    にフリーデルクラフツ型反応を行なうことを特徴とす
    る、請求項1記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
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