JPH0687917A - フェノール基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法 - Google Patents

フェノール基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法

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JPH0687917A
JPH0687917A JP26411192A JP26411192A JPH0687917A JP H0687917 A JPH0687917 A JP H0687917A JP 26411192 A JP26411192 A JP 26411192A JP 26411192 A JP26411192 A JP 26411192A JP H0687917 A JPH0687917 A JP H0687917A
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isobutylene
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polymer
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JP26411192A
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Hiroshi Ando
寛 安藤
Hiroshi Fujisawa
博 藤沢
Koji Noda
浩二 野田
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子鎖中にフェノール基を有する新規なイソ
ブチレン系重合体、及び該イソブチレン系重合体を低コ
ストで、しかも簡便に製造し得る方法を提供することに
ある。 【構成】1分子当たり平均して1.0個を越える一般
式(1):〔式中、R1は水素原子、メチル基又はエチ
ル基を示す。〕で表される単位を有することを特徴とす
る、フェノール基を有するイソブチレン系重合体、1
分子当たり平均して1.0個を越える一般式(2):
〔式中、R2 は水素原子、メチル基又はエチル基を示
す。R3 は炭素数1〜10の1価の有機基を示す。〕で
表される単位を有することを特徴とするアルコキシフェ
ニル基を有するイソブチレン系重合体を酸触媒の存在
下、活性水素化合物と反応させることを特徴とする前記
記載のフェノール基を有するイソブチレン系重合体の
製造法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール基を有する
イソブチレン系重合体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】1分子当
たり平均して1個を越える官能基を有するイソブチレン
系重合体は、そのまま又は更に各種の官能基変換を行っ
た後、架橋効果によりゴム状硬化物を生成させることが
できる。特に官能基の中でも各種の反応により容易に他
の官能基に変換可能なフェノール基は非常に有用であ
る。
【0003】J. Polym. Sci., A-1, 9, 1451(1971)、U
SP4,429,099および特開平4−20501号
公報には分子末端にフェノール基を有する重合体が開示
されている。J. Polym. Sci., A-1, 9, 1451(1971)に報
告されている重合体はアルキル置換のフェノールを連鎖
移動剤として用いイソブチレンをカチオン重合すること
により末端にフェノール基を有するイソブチレン系重合
体として得られる。USP4,429,099および特
開平4−2051号に開示されている重合体は1,4−
ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン(以下、「p
−DCC」と記す)を開始剤兼連鎖移動剤とし、且つB
C13等のルイス酸を触媒としてイソブチレンをカチオ
ン重合させるイニファー法によって得られる末端にフェ
ノール類化合物をフリーデルクラフツ反応によりさらに
反応させて得られる。しかし、J.Polym. Sci., A-1, 9,
1451(1971)およびUSP4,429,099等に開示
されている重合体は官能基を分子鎖の末端にしか導入す
ることができない。また、高価な原料が必要であったり
する。
【0004】本発明の目的は、分子鎖中にフェノール基
を有する新規なイソブチレン系重合体、及び該イソブチ
レン系重合体を低コストで、しかも簡便に製造し得る方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、 1分子当たり平均して1.0個を越える一般式
(1):
【0006】
【化4】
【0007】〔式中、R1 は水素原子、メチル基又はエ
チル基を示す。〕で表される単位を有することを特徴と
する、フェノール基を有するイソブチレン系重合体、 1分子当たり平均して1.0個を越える一般式
(2):
【0008】
【化5】
【0009】〔式中、R2 は水素原子、メチル基又はエ
チル基を示す。R3 は炭素数1〜10の1価の有機基を
示す。〕で表される単位を有することを特徴とするアル
コキシフェニル基を有するイソブチレン系重合体を酸触
媒の存在下、活性水素化合物と反応させることを特徴と
する前記記載のフェノール基を有するイソブチレン系
重合体の製造法、に関する。
【0010】一般式(1)に関して、R1 は、水素原
子、メチル基またはエチル基であり、水素原子、メチル
基が特に好ましい。一般式(2)に関して、R2 は、水
素原子、メチル基またはエチル基であり、水素原子、メ
チル基が特に好ましい。R3 における炭素数1〜10の
一価の有機基としては、アルキル基が好ましく直鎖状、
分岐状のいずれでもよい。例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基等ガ挙げられ、好ま
しくはtert−ブチル基である。
【0011】本発明のフェノール基を有するイソブチレ
ン系重合体は、少なくとも1分子当たり平均して1個を
越える、好ましくは1.05個以上、更に好ましくは
1.1個以上10個以下、特に好ましくは1.1個以上
5個以下の前記一般式(1)で表される単位を有するこ
とを特徴とする重合体である。また一般式(1)で表さ
れる単位は重合体の側鎖として存在することが好ましい
が、末端に存在してもよい。さらに一般式(1)で表さ
れる単位中の芳香族環に1つまたはそれ以上の他の置換
基がさらに導入されていてもよい。
【0012】また、当該イソブチレン系重合体は、イソ
ブチレンモノマー単位を主体とする数平均分子量が好ま
しくは500〜500,000、より好ましくは1,0
00〜50,000のイソブチレン系重合体である。数
平均分子量が500未満ではイソブチレン単位の含有量
が少なく、イソブチレン重合体としての特性を発現し得
ず、500,000を越えると重合体は樹脂状となり、
取扱いにくくなる。また、本発明の重合体の主鎖中には
実質的に不飽和結合が存在しないのが、耐候性等の面か
ら好ましい。
【0013】本明細書中において、イソブチレン系重合
体とはイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー
の重合体を意味する。ここで、イソブチレンを含有する
カチオン重合性モノマーとは、イソブチレンのみからな
るモノマーに限定されるものではなく、イソブチレンの
50重量%(以下、単に「%」と記す)以下をイソブチ
レンと共重合し得るカチオン重合性モノマーで置換した
モノマーを意味する。
【0014】イソブチレンと共重合し得るカチオン重合
性モノマーとしては、例えば炭素数3〜12のオレフィ
ン類、共役ジエン類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル
化合物、ビニルシラン類等が挙げられる。これらの中で
も炭素数3〜12のオレフィン類及び共役ジエン類等が
好ましいが、耐候性等が問題となる場合、共役ジエン以
外のオレフィンが好ましい。
【0015】前記イソブチレンと共重合し得るカチオン
重合性モノマーの具体例としては、例えばプロピレン、
1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−2−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエ
ン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネ
ン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチル
ジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニル
ジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジ
ビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジ
ビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチル
シラン、テトラビニルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらの中で、例えばプロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、シクロペン
タジエン等が好適である。これらイソブチレンと共重合
し得るカチオン重合性モノマーは、1種単独でイソブチ
レンと併用されてもよいし、2種以上で併用されてもよ
い。
【0016】本発明で用いる1分子当たり平均して1.
0個を越える一般式(2):
【0017】
【化6】
【0018】〔式中、R2 は水素原子、メチル基又はエ
チル基を示す。R3 は水素原子または炭素数1〜10の
1価の有機基を示す。〕で表される単位を有することを
特徴とする、アルコキシフェニル基を有するイソブチレ
ン系重合体とはいかなる方法によって製造されたもので
あってもよく、その製造には従来公知の方法が広く用い
られ、また現在未知の方法であってもよい。例えば、イ
ソブチレンを含むカチオン重合性モノマーと一般式
(3):
【0019】
【化7】
【0020】〔式中、R4 は水素原子、メチル基又はエ
チル基を示す。R5 は炭素数1〜10の1価の有機基を
示す。〕で表されるアルコキシスチレン系化合物とをル
イス酸の存在下に重合することにより製造することがで
きる。一般式(3)に関して、R4 としては水素原子が
最も好ましい。またR5 における炭素数1〜10の1価
の有機基としては、アルキル基が好ましく直鎖状、分岐
状のいずれでもよい。例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましく
はtert−ブチル基である。
【0021】本発明のアルコキシフェニル基含有イソブ
チレン系重合体の製造には、前記一般式(3)に該当す
る限り従来公知のものを広く使用でき、また現在未知の
ものであってもよい。例えば、
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】等が挙げられる。またこれらの化合物中の
芳香族環に1つまたはそれ以上の置換基がさらに導入さ
れていてもよい。これらの中でも、得られる重合体の官
能基の活性の点から、
【0027】
【化12】
【0028】等が好ましい。本発明に用いる酸として
は、前記アルコキシフェニル基含有イソブチレン系重合
体の重合触媒として使用される成分であり、MX′p
(Mは金属原子、X′はハロゲン原子、pは1〜4の整
数)で表されるルイス酸であってもよい。例えば、Al
Cl3 、SnCl4 、TiCl4 、VCl5 、FeCl
3 、BF3 等及びEt2 AlCl、EtAlCl2 等の
有機アルミニウム化合物等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。さらにこれらのルイス酸と活性
水素化合物との反応により反応溶液中に生成するプロト
ン酸であっても良い。さらに、一般的な酸を重合終了
後、または単離精製後新たに系中に加えることもでき
る。新たに加える酸としては塩酸、トリフルオロ酢酸、
塩化水素ガス、臭化水素酸、Me3 SiCl/NaIな
どが挙げられる。
【0029】新たに系中に酸を加える場合の酸の使用量
は、酸を個体状もしくは液体状で加える場合にはイソブ
チレン系重合体中のアルコキシフェニル基に対して、
0.1〜100倍が好ましく、更に好ましくは0.2〜
10倍とするのがよい。酸の使用量が0.1倍より少な
いと、反応の収率が低くなる場合があり、50倍より多
くしても特に良好な結果は得られるわけではない。ま
た、酸を気体状(ガス)で供給する場合は使用量に特に
制限はなく、アルコキシフェニル基に対して過剰となる
ように加えるのがよい。
【0030】本発明に用いる活性水素化合物とは、1分
子あたり1個以上の活性水素を有する化合物であれば、
従来公知のものを広く用いることができ、また現在未知
のものであっても良い。例えば、H2 O、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げ
られる。また、触媒として新たにプロトン酸を系中に加
える場合には、加えられるプロトン酸は活性水素化合物
としても用いることができる。これらの中でも、反応性
の点からH2 Oおよび塩酸、トリフルオロ酢酸、酢酸が
特に好適である。
【0031】本発明に使用される活性水素化合物の使用
量としては、イソブチレン系重合体中に含まれるアルコ
キシフェニル基に対して1当量以上が好ましい。本発明
においては、反応溶媒として例えば脂肪酸炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素等の炭化水素溶媒等が用いられる。こ
の中でもハロゲン化炭化水素が好ましく、塩素原子を有
する塩素化炭化水素がより好ましい。かかる脂肪族炭化
水素の具体例としては、ペンタン、ヘキサン等を、また
ハロゲン化炭化水素の具体例としては、クロロメタン、
クロロエタン、塩化メチレン、1,1−ジクロロエタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等を例示で
きる。これらは、1種単独で、又は2種以上混合して使
用される。さらに、これらの溶媒と活性水素化合物との
混合溶媒も用いられる。更には少量の他の溶媒、例え
ば、酢酸エチル等の酢酸エステルや、ニトロエタン等の
ニトロ基を有する有機化合物を併用してもよい。
【0032】本発明の製造法を実施するに際しては、特
に制限がなく、従来の反応方法を広く適用できる。例え
ば、1つの容器に溶媒、イソブチレン系重合体、活性水
素化合物、必要に応じて酸触媒等を順次仕込んでいくバ
ッチ法でもよいし、溶媒、イソブチレン系重合体、活性
水素化合物、必要に応じて酸触媒等をある系内に連続的
に仕込みながら反応させ、更に取り出される連続法でも
よい。さらに、溶媒とイソブチレン系重合体は別々に仕
込んでもよいが、イソブチレン系重合体の製造における
重合後の反応溶液であってもよい。
【0033】本発明の製造法において、反応温度として
は+180〜−80℃程度が好ましく、更に好ましくは
100〜−30℃程度とするのがよく、反応時間は、通
常0.5分〜24時間程度、好ましくは1分〜15時間
程度である。このような製造法により、イソブチレンモ
ノマー単位を主体とする数平均分子量が500〜50
0,000の重合体であって、1分子当たり平均して1
個を越える一般式(1)で表される単位を有するイソブ
チレン系重合体が製造される。
【0034】
【実施例】次に実施例を掲げて、本発明をより一層明ら
かにするが、実施例により本発明は何ら限定されるもの
ではない。 合成例1 100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに撹拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取り付けて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0035】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン4
0mlを導入した。次いで蒸留、精製したtert−ブ
トキシスチレン20mmolを添加した。次に、酸化バ
リウムを充填したカラムを通過させることにより脱水し
たイソブチレンが7g(125mmol)入っているニ
ードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コッ
クに接続した後、容器本体を−70℃のドライアイス−
アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しながら1
時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧し
た後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その後三
方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻し、
更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−30℃
まで昇温した。
【0036】次に、TiCl4 3.2g(10mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、塩化メチレン、tert−
ブトキシスチレン及びメタノールを留去し、残ったポリ
マーを100mlのn−ヘキサンに溶解後、中性になる
までこの溶液の水洗を繰り返した。その後、このn−ヘ
キサン溶液を20mlまで濃縮し、300mlのアセト
ンにこの濃縮溶液を注ぎ込むことによりポリマーを沈澱
分離させた。
【0037】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、tert−ブトキシフェニル基を1分子中
に3.3個有するtert−ブトキシフェニル基含有イ
ソブチレン系重合体を得た。 実施例1 合成例1で得られたtert−ブトキシフェニル基含有
イソブチレン系重合体4gを100mlのガラス製4口
フラスコに仕込み、50mlの塩化メチレンを加え、溶
液とした後、35%濃塩酸5mlを加え60℃で5時間
攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和後、水
洗、乾燥、濃縮を行うことによりポリマーを3.7g得
た。得られたポリマーの構造を1H-NMR(300MHz)法により
求めた。その結果、tert−ブトキシフェニル基が全
てフェノール基に変換しているフェノール基含有イソブ
チレン系重合体であった。
【0038】実施例2 100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに撹拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取り付けて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0039】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン4
0mlを導入した。次いで蒸留、精製したtert−ブ
トキシスチレン20mmolを添加した。次に、酸化バ
リウムを充填したカラムを通過させることにより脱水し
たイソブチレンが7g(125mmol)入っているニ
ードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コッ
クに接続した後、容器本体を−70℃のドライアイス−
アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しながら1
時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧し
た後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その後三
方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻し、
更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−30℃
まで昇温した。
【0040】次に、TiCl4 3.2g(10mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、重合を完結さ
せた。その後、反応混合物に濃塩酸を加え60℃で5時
間反応させた、その後未反応のイソブチレン、塩化メチ
レン、tert−ブトキシスチレン及びメタノール等を
留去し、残ったポリマーを100mlのn−ヘキサンに
溶解後、中性になるまでこの溶液の水洗を繰り返した。
その後、このn−ヘキサン溶液を20mlまで濃縮し、
300mlのアセトンにこの濃縮溶液を注ぎ込むことに
よりポリマーを沈澱分離させた。
【0041】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系ポリマーを3.6g得た。
得られたポリマーの構造を1H-NMR(300MHz)法により求め
た。その結果、1分子中に3.8個のフェニル基を有す
るフェノール基含有イソブチレン系重合体を得た。
【0042】
【発明の効果】本発明の重合体はフェノール基を有する
新規なイソブチレン系重合体であり、安価に容易に得る
ことができる。また、本発明の重合体は製造時に共役ジ
エンを用いる必要がないので、主鎖中に1,4−付加に
よるオレフィン基が存在しない重合体とすることがで
き、高い耐候性等が期待できる。
【0043】こうして得られた重合体は、そのまま、も
しくはその官能基をアミノ基、アルコキシシリル基、ハ
イドロジェンシリル基等へ変換することにより、架橋硬
化物の原料として用いることができる。また、本発明の
イソブチレン系重合体の製造法では、簡便に1分子に平
均して1個を越える官能基を導入することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子当たり平均して1.0個を越える
    一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は水素原子、メチル基又はエチル基を示
    す。〕で表される単位を有することを特徴とする、フェ
    ノール基を有するイソブチレン系重合体。
  2. 【請求項2】 イソブチレンモノマー単位を主体とする
    数平均分子量が500〜500,000の重合体であっ
    て、1分子当たり平均して1.0個を越える一般式
    (1): 【化2】 〔式中、R1 は前記に同じ。〕で表される単位を重合体
    中に有する請求項1記載のイソブチレン系重合体。
  3. 【請求項3】 主鎖中に実質的に不飽和結合を有しない
    ことを特徴とする請求項1または2記載の重合体。
  4. 【請求項4】 1分子当たり平均して1.0個を越える
    一般式(2): 【化3】 〔式中、R2 は水素原子、メチル基又はエチル基を示
    す。R3 は炭素数1〜10の1価の有機基を示す。〕で
    表される単位を有することを特徴とするアルコキシフェ
    ニル基を有するイソブチレン系重合体を酸触媒の存在
    下、活性水素化合物と反応させることを特徴とする請求
    項1記載のフェノール基を有するイソブチレン系重合体
    の製造法。
  5. 【請求項5】 アルコキシフェニル基を有するイソブチ
    レン系重合体をカチオン重合により製造した後、単離精
    製することなく用いることを特徴とする請求項4記載の
    製造法。
JP26411192A 1992-09-08 1992-09-08 フェノール基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法 Pending JPH0687917A (ja)

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