JPH06145250A - 官能基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法 - Google Patents

官能基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法

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JPH06145250A
JPH06145250A JP32461592A JP32461592A JPH06145250A JP H06145250 A JPH06145250 A JP H06145250A JP 32461592 A JP32461592 A JP 32461592A JP 32461592 A JP32461592 A JP 32461592A JP H06145250 A JPH06145250 A JP H06145250A
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isobutylene
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JP32461592A
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Inventor
Hiroshi Fujisawa
博 藤沢
Hiroshi Ando
寛 安藤
Koji Noda
浩二 野田
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子鎖中にフェノール基に変換可能なアルコ
シキフェニル基を有し、かつ耐候性に優れた硬化物を与
えることが可能な新規な官能基を有するイソブチレン系
重合体、及び該イソブチレン系重合体を低コストで、し
かも簡便に製造し得る方法を提供することにある。 【構成】1分子当たり平均して1.0個を越える一般
式(1):〔式中、R1 は水素原子、メチル基又はエチ
ル基を示す。R2 は水素原子または炭素数1〜10の1
価の有機基を示す。〕で表される単位を有することを特
徴とする、官能基を有するイソブチレン系重合体。イ
ソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーとアルコ
キシスチレン系化合物とをルイス酸の存在下に重合させ
ることを特徴とする前記記載の官能基を有するイソブ
チレン系重合体の製造法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、官能基を有するイソブ
チレン系重合体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】1分子当
たり平均して1個を越える官能基を有するイソブチレン
系重合体は、そのまま又は更に各種の官能基変換を行っ
た後、架橋硬化によりゴム状硬化物を生成させることが
できる。特に官能基の中でも各種の反応により容易に他
の官能基に変換可能なフェノール基は非常に有用であ
る。また、比較的容易にフェノール基に変換可能なアル
コキシフェニル基も官能基として有用である。
【0003】J. Polym. Sci., A-1, 9, 1451(1971)、U
SP4,429,099および特開平4−20501号
公報には分子鎖末端にフェノール基を有する重合体が開
示されている。J. Polym. Sci., A-1, 9, 1451(1971)に
報告されている重合体はアルキル置換のフェノールを連
鎖移動剤として用いイソブチレンをカチオン重合するこ
とにより末端にフェノール基を有するイソブチレン重合
体として得られる。USP4,429,099および特
開平4−20501号に開示されている重合体は1,4
−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン(以下、
「p−DCC」と記す)等を開始剤兼連鎖移動剤とし、
且つBC13等のルイス酸を触媒としてイソブチレンを
カチオン重合させるイニファー法によって得られる重合
体の末端にフェノール類化合物をフリーデルクラフツ反
応によりさらに反応させて得られる。しかし、J. Poly
m. Sci., A-1, 9, 1451(1971)およびUSP4,42
9,099等に開示されている重合体は官能基を分子鎖
の末端にしか導入することができない。また、高価な原
料が必要であったりする。
【0004】本発明の目的は、分子鎖中にフェノール基
に変換可能なアルコキシフェニル基を有する新規なイソ
ブチレン系重合体、及び該イソブチレン系重合体を低コ
ストで、しかも簡便に製造し得る方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、 1分子当たり平均して1.0個を越える一般式
(1):
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、R1 は水素原子、メチル基又はエ
チル基を示す。R2 は水素原子または炭素数1〜10の
1価の有機基を示す。〕で表される単位を有することを
特徴とする、官能基を有するイソブチレン系重合体、 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーと
アルコキシスチレン系化合物とをルイス酸の存在下に重
合させることを特徴とする前記記載の官能基を有する
イソブチレン系重合体の製造法に関する。
【0008】一般式(1)に関して、R1 としては、水
素原子が最も好ましい。また、R2は、水素原子または
炭素数1〜10の1価の有機基であり、炭素数1〜10
の1価の有機基としては、アルキル基が好ましく、直鎖
状、分枝状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げら
れ、好ましくはtert−ブチル基である。さらに、一
般式(1)で表される単位中のR2 は全てが炭素数1〜
10の1価の有機基であってもよいし、一部が水素原子
であってもよい。
【0009】本発明の官能基を有するイソブチレン系重
合体は、少なくとも前記一般式(1)で表される単位を
有することを特徴とする重合体であり、イソブチレンモ
ノマー単位を主体とする数平均分子量が好ましくは50
0〜500,000、より好ましくは1,000〜5
0,000の重合体であって、好ましくは1分子当たり
平均して1個を越える、好ましくは1.05個以上、更
に好ましくは1.1個以上10個以下、特に好ましくは
1.1個以上5個以下の前記一般式(1)で表される単
位を有するものである。一般式(1)で表される単位は
重合体の側鎖または末端として存在することが好まし
い。
【0010】数平均分子量が500未満ではイソブチレ
ン単位の含有量が少なく、イソブチレン重合体としての
特性を発現し得ず、500,000を越えると重合体は
樹脂状となり、取扱いにくくなる。また、本発明の重合
体の主鎖中には実質的に不飽和結合が存在しないのが、
耐候性等の面から好ましい。本明細書中において、イソ
ブチレンを含有するカチオン重合性モノマーとは、イソ
ブチレンのみからなるモノマーに限定されるものではな
く、イソブチレンの50重量%(以下、単に「%」と記
す)以下をイソブチレンと共重合し得るカチオン重合性
モノマーで置換したモノマーを意味する。
【0011】イソブチレンと共重合し得るカチオン重合
性モノマーとしては、例えば炭素数3〜12のオレフィ
ン類、共役ジエン類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル
化合物類、ビニルシラン類等が挙げられる。これらの中
でも炭素数3〜12のオレフィン類及び共役ジエン類等
が好ましいが、耐候性等が問題となる場合、共役ジエン
以外のオレフィンが好ましい。
【0012】前記イソブチレンと共重合し得るカチオン
重合性モノマーの具体例としては、例えばプロピレン、
1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−2−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエ
ン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネ
ン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチル
ジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニル
ジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジ
ビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジ
ビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチル
シラン、テトラビニルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらの中で、例えばプロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、シクロペン
タジエン等が好適である。これらイソブチレンと共重合
し得るカチオン重合性モノマーは、1種単独でイソブチ
レンと併用されてもよいし、2種以上で併用されてもよ
い。
【0013】本発明に用いるアルコキシスチレン系化合
物としては、一般式(2)
【0014】
【化6】
【0015】〔式中、R3 は水素原子、メチル基又はエ
チル基を示す。R4 は炭素数1〜10の1価の有機基を
示す。〕で表される化合物が好適である。一般式(2)
に関して、R3 としては水素原子が最も好ましい。ま
た、R4 における炭素数1〜10の1価の有機基として
は、アルキル基が好ましく、直鎖状、分枝状のいずれで
もよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくはte
rt−ブチル基である。
【0016】本発明では一般式(2)にに該当する限り
従来公知のものを広く使用できる。例えば、
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】等が挙げられる。またこれらの化合物中の
芳香族環に1つまたはそれ以上の置換基がさらに導入さ
れていてもよい。これらの中でも、得られる重合体の官
能基の活性の点から、
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】等が好ましい。本発明に用いるルイス酸は
重合触媒として使用される成分であり、MX′p(Mは
金属原子、X′はハロゲン原子、pは1〜5の整数)で
表されるもの、例えば、AlCl3 、SnCl4 、Ti
Cl4 、VCl5 、FeCl3 、BF3 等及びEt2
lCl、EtAlCl2 等の有機アルミニウム化合物等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらのルイス酸のうち、SnCl4 、TiCl4 、Et
2 AlCl、EtAlCl2 等が好ましい。
【0027】前記ルイス酸の使用量は、イソブチレンと
重合させるアルコキシスチレン系化合物に対して0.1
〜50倍が好ましく、更に好ましくは0.2〜10倍と
するのがよい。ルイス酸の使用量が0.1倍より少ない
と、重合反応の収率が低くなる場合があり、50倍より
多くしても特に良好な結果は得られるわけではない。本
発明の製造法においては、更に重合反応系内に開始剤を
存在させるのが好ましい。かかる開始剤としては、通常
系中に微量残存する水分等のプロトン源が有効に利用で
きる他、例えば、開始剤兼連鎖移動剤が好適に使用でき
る。
【0028】本発明に利用できる開始剤兼連鎖移動剤と
しては、例えば一般式(3):
【0029】
【化15】
【0030】〔式中、Xはハロゲン原子、RCOO−基
(Rは1価の有機基、以下同じ)又はRO−基を示す。
7 は多価芳香環基又は置換もしくは非置換の多価脂肪
族炭化水素基を示す。R5 及びR6 は、同一又は異なる
水素原子もしくは置換もしくは非置換の1価の炭化水素
基を示す。但し、R7 が多価脂肪族炭化水素基の場合に
は、R5 およびR6 は同時に水素原子ではない。〕で表
される基を有する有機化合物が挙げられる。
【0031】かかる有機化合物の具体例としては、例え
ば、一般式(4): AYn (4) 〔式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。Yは
一般式(5):
【0032】
【化16】
【0033】〔式中、R8 及びR9 は、同一又は異なる
水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。Xはハロゲン原子、RCOO−基又はRO−を示
す。)で示される芳香環に結合した基を示す。nは1〜
6の整数を示す。〕で表される化合物、一般式(6): BZm (6) 〔式中、Bは炭素数4〜40の炭化水素基を示す。Zは
第3級炭素原子に結合したハロゲン原子、RCOO−基
又はRO−基を示す。mは1〜4の整数を示す。〕で表
される化合物及びα−ハロスチレン単位を有するオリゴ
マー等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上
併用してもよい。
【0034】一般式(4)で表される化合物における1
〜4個の芳香環を有する基であるAは、縮合反応により
形成されたものでもよく、非縮合系のものでもよい。こ
のような芳香環を有する基の具体例としては、例えば、
1〜6価のフェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、
アントラセン基、フェナンスレン基、ピレン基、Ph−
(CH2 L −Ph(Phはフェニル基、Lは1〜10
の整数)等が挙げられ、これらの芳香環を有する基は炭
素数1〜20の直鎖及び(又は)分枝の脂肪族炭化水素
基や、水酸基、エーテル基、ビニル基等の官能基を有す
る基で置換されていてもよい。
【0035】一方、一般式(6)で表される化合物にお
けるZは、第3級炭素原子に縮合したF、Cl、Br、
Iの如きハロゲン原子、RCOO−基又はRO−基であ
り、一般式(6)におけるBは炭素数4〜40の炭化水
素基であり、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、この
炭素数が4未満になるとハロゲン原子、RCOO−基又
はRO−基の結合する炭素が第3級炭素原子でなくな
り、重合が進みにくくなって使用するのに適さなくな
る。
【0036】開始剤兼連鎖移動剤として用いることので
きるα−ハロスチレン単位を有するオリゴマーとして
は、例えばα−クロロスチレンのオリゴマーや、α−ク
ロロスチレンとこれと共重合し得る単量体とを共重合さ
せたオリゴマー等が挙げられる。本発明の製造法におい
て、一般式(3)で表される結合状態のハロゲン原子、
RCOO−基又はRO−基を2個以上有する化合物、又
は一般式(3)で表される結合状態のハロゲン原子、R
COO−基又はRO−基と他の反応性官能基とを有する
化合物を開始剤兼連鎖移動剤として用いると、生成重合
体の官能化度を高くできるので、非常に有効である。
【0037】前記開始剤兼連鎖移動剤の具体例として
は、例えば、
【0038】
【化17】
【0039】α−クロロスチレンのオリゴマーのような
ハロゲン原子含有有機化合物又はRCOO−基含有有機
化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの化合物の中で好ましいものとしては、
【0040】
【化18】
【0041】のような安定な炭素陽イオンを生成し易い
−C(CH3 2 Cl又は−C(CH3 2 Brを有す
るハロゲン原子含有有機化合物や、
【0042】
【化19】
【0043】のようなCH3 COO−基含有有機化合物
や、
【0044】
【化20】
【0045】のようなCH3 O−基含有有機化合物等が
挙げられる。これらの化合物は、開始剤兼連鎖移動剤と
して使用される成分であり、本発明では、1種又は2種
以上混合して用いられる。また、これらの化合物の使用
量又は残存水分量を調節することにより、得られるポリ
マーの分子量をコントロールすることができる。本発明
では、前記の化合物を、通常、イソブチレンを含有する
カチオン重合性モノマーに対して、0.01〜20%程
度、好ましくは0.1〜10%程度の割合で使用するの
がよい。
【0046】本発明において、重合溶媒として、例えば
脂肪酸炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素溶媒
等が用いられる。この中でもハロゲン化炭化水素が好ま
しく、塩素原子を有する塩素化炭化水素がより好まし
い。かかる脂肪族炭化水素の具体例としては、ペンタ
ン、ヘキサン等を、またハロゲン化炭化水素の具体例と
しては、クロロメタン、クロロエタン、塩化メチレン、
1,1−ジクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン等を例示できる。これらは、1種単独で、又
は2種以上混合して使用される。更には少量の他の溶
媒、例えば、酢酸エチル等の酢酸エステルや、ニトロエ
タン等のニトロ基を有する有機化合物を併用してもよ
い。
【0047】本発明の製造法を実施するに際しては、特
に制限がなく、従来の重合方法を広く適用できる。例え
ば、1つの容器に重合溶媒、モノマー、アルコキシスチ
レン系化合物、触媒、必要に応じて開始剤兼連鎖移動剤
等を順次仕込んでいくバッチ法でもよいし、重合溶媒、
モノマー、アルコキシスチレン系化合物、触媒、必要に
応じて開始剤兼連鎖移動剤等をある系内に連続的に仕込
みながら反応させ、更に取り出される連続法でもよい。
【0048】本発明の製造法において、重合温度として
は+10〜−80℃程度が好ましく、更に好ましくは0
〜−40℃程度とするのがよく、重合時間は、通常0.
5〜120分程度、好ましくは1〜60分程度である。
また重合時のモノマー濃度としては、0.1〜8モル/
リットル程度が好ましく、0.5〜5モル/リットル程
度がより好ましい。
【0049】更に本発明の製造法において、前記カチオ
ン重合性モノマーの重合反応の前に重合系中に加えるア
ルコキシスチレン系化合物は、用いるイソブチレンモノ
マーのモル数に対して0.01〜1倍モルを加えて均一
になるように攪拌することが好ましい。本発明の製造法
において、後の取扱い易さからメタノール等のアルコー
ル類の添加により重合反応を停止させるのが好ましい
が、特にこれに限定されるものではなく、従来の慣用手
段のいずれも適用でき、また、特に停止反応を改めて行
う必要もない。
【0050】このような製造法により、イソブチレンモ
ノマー単位を主体とする数平均分子量が500〜50
0,000の重合体であって、1分子当たり平均して1
個を越える一般式(1)で表される単位を有するイソブ
チレン系重合体が製造される。
【0051】
【実施例】次に実施例を掲げて、本発明をより一層明ら
かにするが、実施例により本発明は何ら限定されるもの
ではない。 実施例1 100mlの耐圧ガラス製オートクレーブに撹拌用羽
根、三方コック及び真空ラインを取り付けて、真空ライ
ンで真空に引きながら重合容器を100℃で1時間加熱
することにより乾燥させ、室温まで冷却後三方コックを
用いて窒素で常圧に戻した。
【0052】その後、三方コックの一方から窒素を流し
ながら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシ
ウム処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン4
0mlを導入した。次いで蒸留、精製したtert−ブ
トキシスチレン20mmolを添加した。次に、酸化バ
リウムを充填したカラムを通過させることにより脱水し
たイソブチレンが7g(125mmol)入っているニ
ードルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コッ
クに接続した後、容器本体を−70℃のドライアイス−
アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を撹拌しながら1
時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧し
た後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その後三
方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻し、
更に撹拌下に1時間冷却を続け、重合容器内を−30℃
まで昇温した。
【0053】次に、TiCl4 3.2g(17mmo
l)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、60分経過した時点で予め0℃以下に冷却して
おいたメタノールを添加することにより、反応を完結さ
せた。その後、反応混合物をナス型フラスコに取り出
し、未反応のイソブチレン、塩化メチレン、tert−
ブトキシスチレン及びメタノールを留去し、残ったポリ
マーを100mlのn−ヘキサンに溶解後、中性になる
までこの溶液の水洗を繰り返した。その後、このn−ヘ
キサン溶液を20mlまで濃縮し、300mlのアセト
ンにこの濃縮溶液を注ぎ込むことによりポリマーを沈澱
分離させた。
【0054】このようにして得られたポリマーを再び1
00mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、n−ヘキサンを減圧留去する
ことにより、イソブチレン系重合体を得た。得られたポ
リマーの収量より収率を算出すると共に、Mn及びMw
/MnをGPC法により、また末端構造を1H-NMR(30
0MHz)法により各構造に帰属するプロトンの共鳴信
号の強度を測定、比較することにより求めた。結果を表
2に示す。
【0055】実施例2〜10 アルコキシスチレン系化合物の種類や使用量及び重合触
媒を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様
にしてポリマーを製造し、評価した。結果を表2に併せ
て示す。 実施例11〜13 開始剤兼連鎖移動剤として、トリキュミルクロリド(T
CC:前記の化合物A)3mmolを溶解させた塩化メ
チレン溶液(10ml)をtert−ブトキシスチレン
とともに添加した以外は実施例1と同様にしてポリマー
を製造し、評価した。結果を表2に併せて示す。
【0056】比較例1および2 アルコキシスチレン系化合物を使用しない以外は、実施
例1及び実施例11と同様にしてポリマーを製造して評
価した。結果を表2に併せて示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の重合体は官能基を有する新規な
イソブチレン系重合体であり、安価に容易に得ることが
できる。また、本発明の重合体は製造時に共役ジエンを
用いる必要がないので、主鎖中に1,4−付加によるオ
レフィン基が存在しない重合体とすることができ、高い
耐候性等を有する。
【0060】こうして得られた重合体は、その官能基を
フェノール基、アミノ基、アルコキシシリル基、ハイド
ロジェンシリル基等へ変換することにより、架橋硬化物
の原料として用いることができる。また、本発明のイソ
ブチレン系重合体の製造法では、簡便に1分子に平均し
て1個を越える官能基を導入することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子当たり平均して1.0個を越える
    一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は水素原子、メチル基又はエチル基を示
    す。R2 は水素原子または炭素数1〜10の1価の有機
    基を示す。〕で表される単位を有することを特徴とす
    る、官能基を有するイソブチレン系重合体。
  2. 【請求項2】 イソブチレンモノマー単位を主体とする
    数平均分子量が500〜500,000の重合体であっ
    て、1分子当たり平均して1.0個を越える一般式
    (1): 【化2】 〔式中、R1 、R2 は前記に同じ。〕で表される単位を
    重合体中に有する請求項1記載のイソブチレン系重合
    体。
  3. 【請求項3】 主鎖中に実質的に不飽和結合を有しない
    ことを特徴とする請求項1または2記載の重合体。
  4. 【請求項4】 イソブチレンを含有するカチオン重合性
    モノマーとアルコキシスチレン系化合物とをルイス酸の
    存在下に重合させることを特徴とする請求項1記載の官
    能基を有するイソブチレン系重合体の製造法。
  5. 【請求項5】 アルコキシスチレン系化合物が一般式
    (2): 【化3】 〔式中、R3 は水素原子、メチル基又はエチル基を示
    す。R4 は炭素数1〜10の1価の有機基を示す。〕で
    表される化合物であることを特徴とする請求項4記載の
    製造法。
  6. 【請求項6】 重合反応系内にルイス酸と共に、開始剤
    兼連鎖移動剤である一般式(3): 【化4】 〔式中、Xはハロゲン原子、RCOO−基(Rは1価の
    有機基、以下同じ)又はRO−基を示す。R7 は多価芳
    香環基又は置換もしくは非置換の多価脂肪族炭化水素基
    を示す。R5 及びR6 は、同一又は異なる水素原子もし
    くは置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を示す。但
    し、R7 が多価脂肪族炭化水素基の場合には、R5 およ
    びR6 は同時に水素原子ではない。〕で表される基を有
    する有機化合物を更に存在させる請求項4記載の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012012517A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Kuraray Co Ltd β−ピネン系重合体の製造方法

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