JPH06345821A - 不飽和基を有するイソブチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

不飽和基を有するイソブチレン系重合体の製造方法

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JPH06345821A
JPH06345821A JP8720294A JP8720294A JPH06345821A JP H06345821 A JPH06345821 A JP H06345821A JP 8720294 A JP8720294 A JP 8720294A JP 8720294 A JP8720294 A JP 8720294A JP H06345821 A JPH06345821 A JP H06345821A
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JP
Japan
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acid
group
isobutylene
component
polymer
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Application number
JP8720294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Fujisawa
博 藤沢
Yoshikuni Deguchi
義国 出口
Shigeki Hamaguchi
茂樹 濱口
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
Koji Noda
浩二 野田
Masakazu Isurugi
正和 石動
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/04Monomers containing three or four carbon atoms
    • C08F210/08Butenes
    • C08F210/10Isobutene

Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の反応条件下で、Mw/Mn値が小さく、
副生成物の少ないイソブチレン系重合体を得るための方
法を提供すること。 【構成】下記〜の成分または更に成分を−100
℃以上0℃以下の温度で混合する不飽和基を有するイソ
ブチレン系重合体の製造方法。イソブチレンを含有す
るカチオン重合性モノマー、一般式(1)〔式中、R
1 は芳香環基または置換もしくは非置換の脂肪族炭化水
素基。R2 、R3 はHまたは置換もしくは非置換の1価
の炭化水素基。ただしR1 が脂肪族炭化水素基の場合に
は、R2 、R3 は同時にHではない。式中、Xはハロゲ
ン原子、R4 COO−基(R4 はHまたは炭素数1〜5
のアルキル基)またはR5 O−基(R5 はHまたは炭素
数1〜5のアルキル基)。nは1〜8〕、一般式
(2):CH2 =CH−(Q)−CH=CH2 〔式中、
Qは炭素数1〜30の炭化水素基。〕、ルイス酸、
ドナー数が15〜50の電子供与体成分、重合体末端
のフリーデルクラフツ型付加反応を促進する成分 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和基を有するイソ
ブチレン系重合体の製造方法に関し、特に分子鎖の末端
にビニル基を有するイソブチレン系重合体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】末端官能
性重合体、例えば両末端にビニル基等を有する重合体
は、光硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、電子線硬化性樹
脂、エレクトロニクス用封止材、接着剤、改質剤、コー
ティング材、建築用シーリング剤等の原料として有用で
ある。末端官能性重合体の一種である、例えば末端に3
級炭素と結合した塩素原子を有するイソブチレン系重合
体は、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼ
ン〔以下、単に「p−DCC」と記す〕あるいは1,
3,5−トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン
〔以下、単に「TCC」と記す〕を開始剤兼連鎖移動
剤、三塩化ホウ素を触媒としてイソブチレンをカチオン
重合させるイニファー法により製造されることが知られ
ている(米国特許第4276394号明細書)。
【0003】さらにイニファー法で得られるイソブチレ
ン系重合体に、架橋点となるビニル基を持たせる方法と
しては、例えばアリルトリメチルシランを用いるもの
(特開昭63−105005号公報)、あるいは非共役
ジエンを使用するもの(特開平4−288309号公
報)が公知である。上記特開昭63−105005号公
報記載の方法では、イソブチレン系重合体の末端とアリ
ルトリメチルシラン1分子との反応により、末端に1個
のビニル基を導入している。一方、上記特開平4−28
8309号公報記載の方法も、重合体の末端に対して通
常1個のビニル基を導入しているが、反応条件によって
は、2個以上のビニル基を導入することも可能である。
イソブチレン系重合体中に含まれるビニル基の数を任意
の設定できるという点で上記特開平4−288309号
公報記載の方法は、上記特開昭63−105005号公
報記載の方法より優れている。
【0004】さらに、イソブチレン系重合体の末端にビ
ニル基を導入する際の原料として、例えば、1,9−デ
カジエン等の非共役ジエンは、汎用にかつ安価に入手可
能であるが、一方、アリルトリメチルシランは、高価で
かつ大量には入手困難であるという点からも、上記特開
平4−288309号公報記載の方法がより優れている
ことは明らかである。なお、上記特開平4−28830
9号公報記載の方法では、通常、非共役ジエンを過剰に
仕込むため、イソブチレン系重合体と反応するのはその
一部であるが、未反応の非共役ジエンは減圧蒸留により
容易に回収可能で、再利用することが可能である。
【0005】しかし、上記特開平4−288309号公
報に従ってイソブチレン系重合体を製造した場合でも、
開始剤、触媒、反応温度等の条件によっては、Mw/
Mn値が大きい、プロトン開始による副生成物が多
い、p−DCCを使用した場合インダニル型の副生成
物が多い、等の問題が生じることが本発明者らの検討に
より明らかになった。
【0006】本発明の目的は、種々の反応条件下で、上
記特開平4−288309号公報記載の方法で生じた課
題を解決し、Mw/Mn値が小さく、副生成物の少ない
イソブチレン系重合体を得るための方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らが鋭意検討をおこなった結果、イソブチ
レン系重合体の有効な製造方法を見いだし、本発明に至
った。良好な(すなわちMw/Mn値が低く、副反応の
少ない)末端に塩素原子等を有するイソブチレン系重合
体を合成するために、イソブチレンの重合系中に、2,
6−ジ−t−ブチルピリジン等の電子供与体成分を添加
した例が、Nuyken,Kennedyらにより報告
されている〔Polym.Bull.,8,451(1
982),Polym.Bull.,20,413(1
988),J.Macromol.Sci−Che
m.,A28(2),197(1991)〕。
【0008】本発明者らは上記の知見に基づいて、新た
に、ビニル基を有するイソブチレン系重合体の合成法に
ついて検討した。種々の電子供与体成分添加系での、ビ
ニル基を有するイソブチレン系重合体の合成反応につい
て検討した結果、Mw/Mn値が小さく、副反応生成物
の少ないイソブチレン系重合体を得ることに成功した。
しかし一方、反応温度を−30℃以上とした場合には、
重合体中のビニル基量が減少することが明らかとなっ
た。そこで本発明者らは、重合体末端へのビニル基導入
反応を促進する成分についてもさらに検討を行った。
【0009】本発明では、イソブチレン系重合体の末端
のフリーデルクラフツ型付加反応をおこなうことによ
り、末端にビニル基を導入している。付加反応を促進す
る成分の一部については、オラー著「Friedel−
Crafts And Related Reacti
ons,Vol.I,80〜81,John Will
ey & Sons Inc.,(1963)」に記載
されているが、本発明者らが鋭意検討した結果、新規な
促進成分を見いだした。その結果、−30℃以上でも良
好なイソブチレン系重合体を得ることに成功した。
【0010】本発明1は、下記〜の成分を−100
℃以上0℃以下の温度で混合することを特徴とする、不
飽和基を有するイソブチレン系重合体の製造方法に関す
るものである。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー 一般式(1):
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、R1 は芳香環基または置換もしく
は非置換の脂肪族炭化水素基を示す。R2 、R3 は同一
または異なって、水素原子、または置換もしくは非置換
の1価の炭化水素基を示す。ただしR1 が脂肪族炭化水
素基の場合には、R2 、R3 は同時に水素原子ではな
い。式中、Xはハロゲン原子、R4 COO−基(R4
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)また
はR5 O−基(R5 は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基を示す)を表す。nは1以上8以下の整数であ
る。〕で表される化合物 一般式(2): CH2 =CH−(Q)−CH=CH2 (2) 〔式中、Qは炭素数1〜30の炭化水素基を示す。〕で
表される化合物 ルイス酸 ドナー数が15〜50である電子供与体成分 また、本発明2は、本発明1の〜成分および 重
合体末端のフリーデルクラフツ型付加反応を促進する成
分を−100℃以上0℃以下の温度で混合することを特
徴とする、不飽和基を有するイソブチレン系重合体の製
造方法に関するものである。
【0013】また、本発明1および2において、下記の
態様が好ましい。 1.上記一般式(2)で表される化合物は、1,5−ヘ
キサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエ
ン、1,11−ドデカジエン、3−メチル−1,7−オ
クタジエン、4−メチル−1,9−デカジエン、5−メ
チル−1,9−デカジエンから選ばれること。 2.上記ルイス酸成分が、三塩化ホウ素、四塩化チタ
ン、四塩化ズズから選ばれること。 3.上記電子供与成分が、ピリジン類、アミン類、アミ
ド類、またはスルホキシド類から選ばれること。 4.上記電子供与体成分が、2,6−ジ−t−ブチルピ
リジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジ
ン、ピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメ
チルスルホキシドから選ばれること. 更に、本発明2において、上記重合体末端のフリーデル
クラフツ型付加反応を促進する成分が、塩化水素、臭化
水素、硫化水素、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、水、
クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、酢
酸、モノクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、
オクチル酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、チオ酢
酸、クロロフェノール、ジクロロフェノール、2,4,
6−トリメチルフェノール、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ニトロメタン、ニトロエタン、アセ
チルアセトン、三フッ化ホウ素、五塩化アンチモン、三
臭化アルミから選ばれることが好ましい。
【0014】本発明においては、不飽和基を有するイソ
ブチレン系重合体の数平均分子量(Mn)およびMw/
Mn値(Mw:重量平均分子量)は、ポリスチレンカラ
ム〔昭和電工(株)製Shodex K−804、移動
相クロロホルム〕を用いたGPCより求めている(ポリ
スチレン換算値)。本発明において、GPCより求める
数平均分子量(Mn)は通常500〜300000であ
るが、好ましくは1000〜50000である。Mnが
500より小さい場合はイソブチレン系重合体特有の優
れた特徴が無くなり、また300000より大きくなる
と重合体が固体状になり、作業性が極端に悪くなってし
まう。本発明において、不飽和基を有するイソブチレン
系重合体は、不飽和基、即ち、炭素−炭素二重結合を1
個以上有する重合分子を少なくとも含む構成であり、側
鎖を有していても良く、好ましくはこれら不飽和基を分
子末端に有する構造で、特に好ましくは各分子内にビニ
ル基を少なくとも1個以上含む構造である。該1分子中
に含まれるビニル基の数(平均値)は、通常1.1〜1
5個であるが、好ましくは1.2〜8個であり、さらに
好ましくは1.4〜6個である。ビニル基の数が1.1
個より少ない場合は架橋体を形成せず、また15個より
も多い場合は硬化物がイソブチレン系重合体としての特
徴を示さなくなるので好ましくない。また、本発明にお
いて大部分のビニル基は、イソブチレン系重合体の末端
に1個〜3個存在する。
【0015】本発明において、イソブチレンを含有する
カチオン重合性モノマーとは、イソブチレンのみからな
るモノマーに限定されるものではなく、イソブチレンの
50重量%(以下、単に「%」と記す)以下をイソブチ
レンと共重合し得るカチオン重合性モノマーで置換した
モノマーを意味する。イソブチレンと共重合し得るカチ
オン重合性モノマーとしては、例えば炭素数3〜12の
オレフィン類、共役ジエン類、ビニルエーテル類、芳香
族ビニル化合物類、ノルボルネン類、ビニルシラン類等
が挙げられる。これらの中でも炭素数3〜12のオレフ
ィン類及び芳香族ビニル化合物類等が好ましい。
【0016】上記イソブチレンと共重合し得るカチオン
重合性モノマーとしては、通常、具体的には、プロペ
ン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シ
クロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、5−エチリデン
ノルボルネン、5−プロピリデンノルボルネン、ブタジ
エン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、ビニルカルバゾール、メトキシスチレン、エト
キシスチレン、t−ブトキシスチレン、ヘキセニルオキ
シスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、、メチル
スチレン、ジメチルスチレン、クロロメチルスチレン、
クロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメ
チルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビ
ニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビ
ニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,
3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルメチルジメトキシシラン等を使用する。
【0017】これらの中で、プロペン、1−ブテン、2
−ブテン、シクロペンタジエン、5−エチリデンノルボ
ルネン、イソブチルビニルエーテル、メトキシスチレ
ン、スチレン等がより好ましい。これらイソブチレンと
共重合し得るカチオン重合性モノマーは、1種単独でイ
ソブチレンと併用してもよいし、2種以上で併用しても
よい。
【0018】また、本発明において、例えばバッチ式で
のイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーの濃
度は、通常0.1〜10mol/lであるが、好ましく
は0.5〜6mol/lである。本発明においては、上
記一般式(1)で表される化合物としては、例えば一般
式(3): AYn (3) 〔式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。Yは
一般式(4):
【0019】
【化4】
【0020】{式中、R6 及びR7 は、同一又は異なる
水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。Xはハロゲン原子、R4 COO−基(R4 は水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)又はR5
−(R5 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を
示す)を示す。}で示される芳香環に結合した基を示
す。nは1〜8の整数を示す。〕で表される化合物、一
般式(5): BZm (5) 〔式中、Bは炭素数4〜40の置換あるいは非置換の炭
化水素基を示す。Zは第3級炭素原子に結合したハロゲ
ン原子、R8 COO−基(R8 は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基を示す)又はR9 O−基(R9 は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)を示
す。mは1〜4の整数を示す。〕で表される化合物及び
α−ハロスチレン単位を有するオリゴマー等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。これらの化合
物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0021】一般式(3)で表される化合物における1
〜4個の芳香環を有する基であるAは、縮合反応により
形成されたものでもよく、非縮合系のものでもよい。こ
のような芳香環を有する基としては、例えば、1〜6価
のフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセ
ニル基、フェナンスレニル基、ピレニル基、Ph−(C
2 L −Ph基(Phはフェニル基、Lは1〜10の
整数)等が挙げられ、これらの芳香環を有する基は炭素
数1〜20の直鎖及び(又は)分枝の脂肪族炭化水素基
や、水酸基、エーテル基、ビニル基等の官能基を有する
基で置換されていてもよい。
【0022】一般式(5)で表される化合物としては、
例えばビニル基、シリル基等の、Z以外の官能基を有す
るものを使用することもできる。開始剤兼連鎖移動剤と
して用いることのできるα−ハロスチレン単位を有する
オリゴマーとしては、例えばα−クロロスチレンのオリ
ゴマーや、α−クロロスチレンとこれと共重合し得る単
量体とを共重合させたオリゴマー等が挙げられる。
【0023】本発明において、一般式(1)で表される
化合物のうち、ハロゲン原子、R4COO−基(R4
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)また
はR5 O−基(R5 は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基を示す)を2個以上有するもの、またはハロゲ
ン原子、R4 COO−基又はR5 O−基と他の反応性官
能基とを有する化合物を開始剤兼連鎖移動剤として用い
ると、生成する重合体の官能化度を高くできるので非常
に有効である。
【0024】上記一般式(1)で表される化合物として
は、通常、具体的には例えば、
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】〔式中、Xはハロゲン原子、R4 COO−
基(R4 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を
示す)またはR5 O−基(R5 は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基を示す)を表す。〕あるいはα−ク
ロロスチレンのオリゴマー等を使用するが、これらに限
定されるものではない。これらの化合物の中で好ましい
ものとしては、
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】のような化合物や、
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】のようなCH3 COO−基含有化合物や、
【0034】
【化11】
【0035】のようなCH3 O−基含有化合物が挙げら
れる。これらの化合物は、開始剤兼連鎖移動剤として使
用される成分であり、本発明においては、1種又は2種
以上混合して用いられる。また、これらの化合物の使用
量を調節することにより、得られるイソブチレン系重合
体の数平均分子量を任意に設定できる。
【0036】本発明において、上記一般式(1)で表さ
れる化合物の使用量は、通常、イソブチレンを含有する
カチオン重合性モノマーの0.01〜20重量%の範囲
であり、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
本発明において、上記一般式(2)で表される化合物の
Qは、炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、飽和炭化
水素基であることが好ましい。
【0037】上記一般式(2)で表される化合物として
は、通常、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエ
ン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、
1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,11−
ドデカジエン、3−メチル−1,7−オクタジエン、4
−メチル−1,7−オクタジエン、4−メチル−1,9
−デカジエン、5−メチル−1,9−デカジエン、3,
4−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,4,9−デ
カトリエン等を使用するが、好ましくは、1,5−ヘキ
サジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエ
ン、1,11−ドデカジエン、3−メチル−1,7−オ
クタジエン、4−メチル−1,9−デカジエン、5−メ
チル−1,9−デカジエンを挙げることができる。
【0038】また本発明において、上記一般式(2)で
表される化合物は、上記一般式(1)で表される化合物
に対して、通常2〜500倍モルの範囲で用いるが、使
用量としてより好ましいのは5〜50倍モルの範囲であ
る。本発明においては、イソブチレン系重合体と反応す
るのは、通常、仕込んだ上記一般式(2)で表される化
合物の一部であるが、未反応のものは、減圧蒸留により
容易に回収可能で、再利用することができる。
【0039】本発明において、ルイス酸としては、通
常、例えばAlCl3 、SnCl4 、TiCl4 、VC
5 、FeCl3 、BCl3 、BF3 等の金属ハロゲン
化物及びEt2 AlCl、EtAlCl2 等の有機アル
ミニウム化合物等を使用するが、これらに限定されるも
のではない。好ましいルイス酸としては、TiCl4
SnCl4 、BCl3 が挙げられる。
【0040】また、本発明において、ルイス酸は、通常
上記一般式(1)で表される化合物に対して1〜100
倍モルの範囲で用いるが、好ましい使用量は、5〜30
倍モルの範囲である。本発明において、電子供与体成分
としては、そのドナー数が15〜50のものであれば、
従来公知のものを広く使用できる。ドナー数とは、種々
の化合物の電子供与体(エレクトロンドナー)としての
強さを表すパラメーターである。種々の化合物のドナー
数については、「ドナーとアクセプター」〔グートマン
著(大瀧、岡田訳)学会出版センター(1983)〕に
示されている。好ましい電子供与体成分として、例えば
ピリジン類、アミン類、アミド類、またはスルホキシド
類を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
【0041】本発明において、電子供与体成分として、
通常、具体的には、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、
2−t−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリ
ジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジ
ン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、アニリン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
エチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリ
メチル、リン酸トリブチル、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド等が使用できるが、好ましいものとして、2,6−
ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、
2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシドを挙げることができる。
さらに好ましいものとしてはピコリン類を挙げることが
できるが、これらの中でも、ドナー数が比較的低いにも
かかわらず添加効果が顕著である2−メチルピリジン
(慣用名α−ピコリン)が、特に好ましい。
【0042】また、本発明において、電子供与体成分
は、通常、上記一般式(1)で表される化合物に対して
0.01〜10倍モルの範囲で用いるが、好ましくは、
0.2〜2倍モルの範囲である。本発明において、重合
体末端のフリーデルクラフツ型付加反応を促進する成分
としては、ブレンステッド酸またはルイス酸が好まし
い。
【0043】本発明において、具体的には、通常、塩化
水素、臭化水素、硫化水素、フッ化水素酸、硫酸、硝
酸、リン酸、過塩素酸、水、クロロスルホン酸、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトル
エンスルホン酸、ギ酸、酢酸、モノクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクチル酸、マロン
酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、チオ酢酸、臭化
酢酸、β−クロロプロピオン酸、クロロフェノール、ジ
クロロフェノール、2,4,6−トリメチルフェノー
ル、メタノール、エタノール、グリセリン、トリクロロ
エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ニトロメタン、ニトロ
エタン、2−ニトロプロパン、アセトン、アセチルアセ
トン、三フッ化ホウ素、五塩化アンチモン、三臭化アル
ミ等を使用するが、好ましいものとして、塩化水素、
水、クロロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ギ酸、酢酸、モノクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、コ
ハク酸、メタノール、エタノール、アセチルアセトン、
三フッ化ホウ素等を挙げることができる。
【0044】また、本発明において、重合体末端のフリ
ーデルクラフツ型の付加反応を促進する成分は、通常、
上記一般式(1)で表される化合物と上記電子供与体成
分のモル数の合計量に対して0.01〜100倍モルの
範囲で用いるが、好ましいのは1〜30倍モルの範囲で
ある。本発明において、重合溶剤としては、例えば脂肪
族または芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を用い
ることができ、中でもハロゲン化炭化水素、または脂肪
族炭化水素とハロゲン化炭化水素の混合溶液が好まし
い。ハロゲン化炭化水素としては、通常、塩化メチル、
塩化メチレン、塩化エチル、ジクロロエタン、クロロホ
ルム、トリクロロエタン等を、脂肪族炭化水素として
は、通常、プロパン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。
【0045】また、混合溶剤としては、塩化メチル/ヘ
キサン、塩化メチレン/ヘキサン、塩化メチレン/ヘプ
タン混合溶液等、種々の組み合わせのものを使用でき
る。本発明において、反応温度は、重合体末端のフリー
デルクラフツ型付加反応を促進する成分を添加するしな
いにかかわらず、−100℃〜0℃であり、反応時間
は、通常、1〜800分であるが、好ましくは60〜2
40分である。
【0046】また、本発明において、上記重合体末端の
フリーデルクラフツ型付加反応を促進する成分は、上記
イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーの重合
反応終了後に加えるのが望ましい。重合体末端のフリー
デルクラフツ型付加反応を促進する成分は、通常、バッ
チ法では、重合開始より5〜120分後に加えるが、2
0〜60分後に加えるのがより好ましく、添加後は、通
常さらに5〜600分間反応をおこなうが、20〜24
0分間おこなうのがより好ましい。
【0047】本発明の製造方法を実施するに際しては、
特に制限はなく、従来の重合方法を広く適用できる。例
えば、上記イソブチレンを含有するカチオン重合性モ
ノマー、上記一般式(1)で表される化合物、上記
一般式(2)で表される化合物、ルイス酸、電子供
与体成分のうち、イソブチレンを含有するカチオン重
合性モノマーと一般式(1)で表される化合物を含有
する溶液中にルイス酸を含有する溶液を加えるという
バッチ法でも、ルイス酸を含有する溶液中にイソブ
チレンを含有するカチオン重合性モノマーと一般式
(1)で表される化合物を含有する溶液を連続的に加え
ていくというセミバッチ法でも、全成分を連続的に仕込
みながら反応させ、さらに反応生成物が取り出される連
続法でもよい。
【0048】さらに本発明においては、上記〜の各
成分を混合した後に、必要に応じて重合体末端のフリー
デルクラフツ型付加反応を促進する成分を加えることに
より、イソブチレン系重合体のビニル基量を上げること
ができる。また、本発明においては、通常、メタノール
等のアルコール類を大量に添加することにより、反応を
停止させるが、特にこの方法に限定されるものではな
く、従来の慣用手段のいずれも適用できる。また、特に
停止反応を改めて行う必要もない。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法は、従来の技術(特開平4
−288309号公報)に比べて、以下の点で優れてい
る。 1.本発明の方法に従えば、プロトン開始またはインダ
ニル基の副生がより少なく、分子量のよりそろったイソ
ブチレン系重合体を製造することが可能となる。 2.本発明の方法に従って、重合体末端のフリーデルク
ラフツ型付加反応を加速する成分を添加することによ
り、−30℃でも、ビニル基量の多いイソブチレン系重
合体を容易に得ることができる。
【0050】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより一層明ら
かにするが、本発明は実施例により何ら限定されるもの
ではない。 実施例1 マグネチックスターラーを入れた500mlの耐圧ガラ
ス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換
した後、注射器を用いて容器内に塩化メチレン(モレキ
ュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することに
より乾燥したもの)160ml及びヘキサン(モレキュ
ラーシーブス3Aと共に1夜間以上放置することにより
乾燥したもの)112ml、p−DCC(2.50mm
ol)0.578g、1,9−デカジエン(72mmo
l)9.9gを加えた。
【0051】次にイソブチレンモノマー28ml(33
5mmol)が入っているニードルバルブ付き耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管を、三方コックに接続し、重合容器
を−70℃のドライアイス/アセトンバス中につけて冷
却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニ
ードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス
採取管から重合容器内に導入した後、三方コックの一方
から窒素を導入することにより容器内を常圧に戻し、−
50℃のドライアイス/アセトンバスにつけて30分放
置した。次に、2−メチルピリジン(0.5mmol)
0.0466gを加えた後、三方コックを取り外し、重
合容器開口部にセプタムキャップを取り付け、針金で固
定した。
【0052】セプタムキャップに、熱電対、窒素ガスラ
インと連結した注射針、およびテフロン製の管を差し込
み、窒素ガスを少しずつ流した。次に、三方コックを取
り付けた25mlのスリ付き試験管中に塩化メチレン
(モレキュラーシーブス乾燥)8mlおよび四塩化チタ
ン3.95ml(36mmol)を加えた後、テフロン
製の管を三方コック上部より差し込んだ。
【0053】モノマー溶液が−50℃であることを(熱
電対で)確認した後、窒素圧を利用して四塩化チタン溶
液を重合容器内に導入した。反応容器の温度を熱電対に
よりモニターした。重合開始後、240分後に、イソブ
チレン系重合体の溶液を重曹水300mlで2回、さら
に水300mlで2回洗浄した後、溶剤を留去してか
ら、イソブチレン系重合体を少量のヘキサンに溶解させ
た。攪拌しながら、この溶液中にアセトン400mlを
加え、重合体を沈殿分離した後、いったんヘキサン溶液
としてから揮発分を留去した。得られた重合体の特性を
表2に示す。
【0054】イソブチレン系重合体の構造解析 実施例および比較例で得られたイソブチレン系重合体の
構造を、1H−NMRスペクトル、赤外スペクトル、お
よびGPC分析を行うことにより決定した。以下に、測
定機器名及び測定条件を示す。1 H−NMRスペクトル(300MHz);Valia
n社製 Gemini−300 赤外スペクトル;(株)島津製作所製 赤外分光光度計
FTIR−8100 GPC分析(システム);Waters社製システム (ポンプ600E、示差屈折計401 等) (カラム);昭和電工(株)製 ShodexK−80
4(ポリスチレンゲル) (移動相;クロロホルム、数平均分子量等はポリスチレ
ン換算量) 分析結果 以下、実施例1で得られた重合体のNMR、GPC、赤
外スペクトルデータについて示す。 NMR測定結果 δ=7.25(4H,s),δ=7.0〜7.2(3
H,m) δ=5.8(1H,m),δ=5.18(1H,s),
δ=4.85〜5.05(2H,m)、δ=4.65
(1H,s) δ=4.85(1H,s)、δ=0.8〜2.3(8H
/IB) GPC測定結果 Mn=6400,Mw/Mn=1.5
8 赤外スペクトル測定結果 1640cm-1(C=C伸
縮)、830,850cm -1(芳香環C−H面外変角) 実施例2〜11 添加する電子供与体成分またはその添加量、および溶剤
組成(塩化メチレン/ヘキサン比、体積比)を、表1に
示す様に変えたこと以外は実施例1と同様にしてイソブ
チレン系重合体を製造し、評価した。結果を表2に示
す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】実施例12 マグネチックスターラーを入れた500mlの耐圧ガラ
ス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換
した後、注射器を用いて容器内に塩化メチレン(モレキ
ュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することに
より乾燥したもの)160ml及びヘキサン(モレキュ
ラーシーブス3Aと共に1夜間以上放置することにより
乾燥したもの)112ml、p−DCC(2.50mm
ol)0.578g、1,9−デカジエン(72mmo
l)9.9gを加えた。
【0058】次にイソブチレンモノマー28ml(33
5mmol)が入っているニードルバルブ付き耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管を、三方コックに接続し、重合容器
を−70℃のドライアイス/アセトンバス中につけて冷
却した後、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニ
ードルバルブを開け、イソブチレンモノマーを液化ガス
採取管から重合容器内に導入した後、三方コックの一方
から窒素を導入することにより容器内を常圧に戻し、−
30℃のドライアイス/アセトンバスにつけて30分放
置した。次に、2−メチルピリジン(2.50mmo
l)0.233gを加えた後、三方コックを取り外し、
重合容器開口部にセプタムキャップを取り付け、針金で
固定した。
【0059】セプタムキャップに、熱電対、窒素ガスラ
インと連結した注射針、およびテフロン製の管を差し込
み、窒素ガスを少しずつ流した。次に、三方コックを取
り付けた25mlのスリ付き試験管中に塩化メチレン
(モレキュラーシーブス乾燥)8mlおよび四塩化チタ
ン3.95ml(36mmol)を加えた後、テフロン
製の管を三方コック上部より差し込んだ。
【0060】モノマー溶液が−30℃であることを(熱
電対で)確認した後、窒素圧を利用して四塩化チタン溶
液を重合容器内に導入した。反応容器の温度を熱電対に
よりモニターした。重合開始後、30分後に塩化水素の
塩化メチレン溶液(0.25mol/l)40mlを加
え、−30℃でさらに210分攪拌した。その後、イソ
ブチレン系重合体の溶液を重曹水300mlで2回、さ
らに水300mlで2回洗浄した後、溶剤を留去してか
ら、イソブチレン系重合体を少量のヘキサンに溶解させ
た。攪拌しながら、この溶液中にアセトン400mlを
加え、重合体を沈殿分離した後、いったんヘキサン溶液
としてから揮発分を留去した。イソブチレン系重合体の
構造解析は、実施例1と同様におこなった。結果を表4
に示す。
【0061】実施例13〜17 2−メチルピリジン量および重合体末端のフリーデルク
ラフツ型付加反応を促進する成分の添加量を表3に示し
た値とした以外は、実施例12と同様にしてイソブチレ
ン系重合体を製造し、評価した。結果を表4に示す。実
施例16、17では、酢酸およびトリクロロ酢酸は希釈
せずに加えた。
【0062】比較例2、3 2−メチルピリジン量を表3に示す量とし、重合体末端
のフリーデルクラフツ型付加反応を促進する成分を添加
しなかったこと以外は、実施例12と同様にしてイソブ
チレン系重合体を製造し、評価した。結果を表4に併せ
て示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】以上実施例1〜11と比較例1、あるいは
実施例12〜17と比較例2とを比較することにより、
電子供与体成分の添加効果を確認することができた。電
子供与体成分の添加により、Mw/Mn値が小さく、イ
ンダニル量が少なく、プロトン開始量が少ない(すなわ
ち、GPCより求めたMnとNMRより求めたMnの差
が、比較的小さい)イソブチレン系重合体を得ることが
可能となった。
【0066】また、実施例1と比較例3より、2−メチ
ルピリジン添加系では、ビニル基量は反応温度に依存
し、−30℃ではビニル基が十分導入されないことがわ
かる。しかし、実施例12〜17より明らかなように、
塩化水素、酢酸等の添加により、−30℃でも、十分な
量のビニル基を有するイソブチレン系重合体を得ること
ができる。
【0067】実施例18〜22 上記一般式(1)で表される化合物、および上記一般式
(2)で表される化合物として、表5に示す化合物をそ
れぞれ2.5mmolおよび72mmol使用すること
以外は、実施例12と同様にしてイソブチレン系重合体
を製造し評価し、その結果を表6に示した。
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】実施例18〜22より、種々の一般式
(1)で表される化合物あるいは一般式(2)で表され
る化合物を使用した場合でも、諸特性のバランスのとれ
た良好なイソブチレン系重合体を製造できることが明ら
かになった。 実施例23 上記実施例16と同様の処方で−30℃での反応の経時
変化のデータを取得した。結果を表7に示す。
【0071】
【表7】
【0072】比較例4 上記比較例3と同様の処方で−30℃での反応の経時変
化のデータを取得した。結果を表8に示す。
【0073】
【表8】
【0074】実施例23と比較例4より、酢酸の添加に
より、ビニル基導入反応が促進されることを確認するこ
とができた。 実施例24 三方コックを取り付けた1Lのオートクレーブ内を窒素
置換した後、注射器を用いて容器内に塩化メチレン(モ
レキュラーシーブス3Aとともに1夜間放置して乾燥し
たもの)290ml、ヘキサン(モレキュラーシーブス
3Aと共に1夜間放置して乾燥したもの)308mlを
加え、さらにp−DCC(5.50mmol)1.27
gおよび1,9−デカジエン(158mmol)27.
3mlを加えた。次にイソブチレンモノマー62ml
(736mmol)が入っているニードルバルブ付き耐
圧ガラス製液化ガス採取管を、三方コックに接続し、重
合容器を−70℃のドライアイス/エタノールバス中に
つけて冷却した後、真空ポンプを用いて重合容器内を減
圧にした。ニードルバルブを開け、イソブチレンモノマ
ーを液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、窒素
ガスを導入することにより容器内を常圧とした。それか
ら、モノマー溶液中に2−メチルピリジン(1.1mm
ol)0.103gを加えた後、−70℃のドライアイ
ス/エタノールバス中につけて1時間放置した。
【0075】次に、窒素雰囲気下で四塩化チタン(7
9.3mmol)8.7mlを塩化メチレン18mlで
希釈した触媒溶液をモノマー溶液中に加えることにより
重合反応を開始した。重合開始より20分後に、重合容
器を−70℃のドライアイス/エタノールバスから−5
0℃のドライアイス/エタノールバスにつけ直した後、
さらに−50℃の条件下で6時間反応溶液を攪拌した。
その後、反応溶液を約40℃の温水13L中に加えてか
ら混合し、1時間攪拌した後、有機層を水で3回洗浄
し、さらに溶剤、1,9−デカジエン等の揮発分を留去
した。
【0076】実施例25〜27 p−DCCの使用量および電子供与体成分種(使用量
1.1mmol)、および溶剤組成(塩化メチレン/ヘ
キサン比、体積比)を表9に示す様に変えたこと以外
は、実施例24と同様にしてイソブチレン系重合体を製
造し評価した。結果を表10に示す。 比較例5 2−メチルピリジンを添加しなかったこと以外は、実施
例24と同様にしてイソブチレン系重合体を製造し、評
価した。結果を表10に併せて示す。
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】実施例24と比較例5より、重合温度−7
0℃の系でも2−メチルピリジンの添加により、副反応
物が少なく、かつ分子量のそろったイソブチレン系重合
体が得られることが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 浩二 兵庫県神戸市垂水区小束山6丁目11−21 (72)発明者 石動 正和 京都府京都市北区小山堀池町28−16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〜の成分を−100℃以上0℃
    以下の温度で混合することを特徴とする、不飽和基を有
    するイソブチレン系重合体の製造方法。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー 一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は芳香環基または置換もしくは非置換の脂
    肪族炭化水素基を示す。R2 、R3 は同一または異なっ
    て、水素原子、または置換もしくは非置換の1価の炭化
    水素基を示す。ただしR1 が脂肪族炭化水素基の場合に
    は、R2 、R3 は同時に水素原子ではない。式中、Xは
    ハロゲン原子、R4 COO−基(R4 は水素原子または
    炭素数1〜5のアルキル基を示す)またはR5 O−基
    (R5 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示
    す)を表す。nは1以上8以下の整数である。〕で表さ
    れる化合物 一般式(2): CH2 =CH−(Q)−CH=CH2 (2) 〔式中、Qは炭素数1〜30の炭化水素基を示す。〕で
    表される化合物 ルイス酸 ドナー数が15〜50である電子供与体成分
  2. 【請求項2】 上記一般式(2)で表される化合物が、
    1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9
    −デカジエン、1,11−ドデカジエン、3−メチル−
    1,7−オクタジエン、4−メチル−1,9−デカジエ
    ン、5−メチル−1,9−デカジエンから選ばれること
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ルイス酸成分が、三塩化ホウ素、四
    塩化チタン、四塩化ズズから選ばれることを特徴とする
    請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記電子供与体成分が、ピリジン類、ア
    ミン類、アミド類、またはスルホキシド類から選ばれる
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記電子供与体成分が、2,6−ジ−t
    −ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メ
    チルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリエチル
    アミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
    またはジメチルスルホキシドから選ばれることを特徴と
    する請求項1または4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 下記〜の成分を−100℃以上0℃
    以下の温度で混合することを特徴とする、不飽和基を有
    するイソブチレン系重合体の製造方法。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー 一般式(1): 【化2】 〔式中、R1 は芳香環基または置換もしくは非置換の脂
    肪族炭化水素基を示す。R2 、R3 は同一または異なっ
    て、水素原子、または置換もしくは非置換の1価の炭化
    水素基を示す。ただしR1 が脂肪族炭化水素基の場合に
    は、R2 、R3 は同時に水素原子ではない。式中、Xは
    ハロゲン原子、R4 COO−基(R4 は水素原子または
    炭素数1〜5のアルキル基を示す)またはR5 O−基
    (R5 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示
    す)を表す。nは1以上8以下の整数である。〕で表さ
    れる化合物 一般式(2): CH2 =CH−(Q)−CH=CH2 (2) 〔式中、Qは炭素数1〜30の炭化水素基を示す。〕で
    表される化合物 ルイス酸 ドナー数が15〜50である電子供与体成分 重合体末端のフリーデルクラフツ型付加反応を促進
    する成分
  7. 【請求項7】 上記一般式(2)で表される化合物が、
    1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9
    −デカジエン、1,11−ドデカジエン、3−メチル−
    1,7−オクタジエン、4−メチル−1,9−デカジエ
    ン、5−メチル−1,9−デカジエンから選ばれること
    を特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記ルイス酸成分が、三塩化ホウ素、四
    塩化チタン、四塩化ズズから選ばれることを特徴とする
    請求項6記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記電子供与体成分が、ピリジン類、ア
    ミン類、アミド類、またはスルホキシド類から選ばれる
    ことを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記電子供与体成分が、2,6−ジ−
    t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−
    メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリエチ
    ルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
    ドまたはジメチルスルホキシドから選ばれることを特徴
    とする請求項6または9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記重合体末端のフリーデルクラフツ
    型付加反応を促進する成分が、ブレンステッド酸あるい
    はルイス酸から選ばれることを特徴とする請求項6記載
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記重合体末端のフリーデルクラフツ
    型付加反応を促進する成分が、塩化水素、臭化水素、硫
    化水素、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、水、クロロス
    ルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
    ホン酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、モノク
    ロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、オクチル
    酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、チオ酢酸、クロ
    ロフェノール、ジクロロフェノール、2,4,6−トリ
    メチルフェノール、メタノール、エタノール、プロパノ
    ール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレング
    リコール、ニトロメタン、ニトロエタン、アセチルアセ
    トン、三フッ化ホウ素、五塩化アンチモン、三臭化アル
    ミから選ばれることを特徴とする請求項6または11記
    載の記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記電子供与体成分が、2−メチルピ
    リジンであることを特徴とする請求項4または9記載の
    製造方法。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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