JP2523408B2 - 反応性末端基を有するポリマ―の製造法 - Google Patents

反応性末端基を有するポリマ―の製造法

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JP2523408B2 JP2508436A JP50843690A JP2523408B2 JP 2523408 B2 JP2523408 B2 JP 2523408B2 JP 2508436 A JP2508436 A JP 2508436A JP 50843690 A JP50843690 A JP 50843690A JP 2523408 B2 JP2523408 B2 JP 2523408B2
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博 藤沢
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、アリル末端を有するイソブチレン系ポリマ
ーの製造法に関する。
背景技術 末端官能性ポリマー、例えば分子両末端に水酸基等が
導入されたポリマーは、ポリウレタン、接着剤、改質
剤、コーティング剤、シーリング剤等の原料等として有
用である。
斯かる末端官能性ポリマーの例としては、不飽和基末
端を有するイソブチレン系ポリマーが知られている。
このような末端官能性イソブチレン系ポリマーの製造
法としては、例えば1,4−ビス(α−クロロイソプロピ
ル)ベンゼン(以下「p−DCC」と記す)を開始剤兼連
鎖移動剤とし、且つBCl3を触媒としてイソブチレンをカ
チオン重合させるイニファー法(米国特許第4276394号
明細書)で得られたクロル末端を有するポリマーの脱HC
l反応を行なう方法が報告されている(米国特許第45241
88号明細書)。
しかしながら、この方法は、反応工程が多く、簡便な
方法ではない。
更にクロル末端を有するイソブチレン系ポリマーに不
飽和基を導入する簡便な方法としては、斯かるイニファ
ー法で得られる両末端にクロル基を有するイソブチレン
系ポリマーを、ルイス酸の存在下でアリルトリメチルシ
ランと反応させることにより両末端にアリル基を有する
ポリマーに変換する方法が知られている(特開昭63−10
5005号公報)。
しかるに、本発明者の研究によれば、特開昭63−1050
05号公報に記載されている方法を用いた場合、ポリマー
の末端への不飽和基の導入率が低い、高価な原料を使用
する必要がある等の問題点があることが判明した。
発明の開示 本発明の一つの目的は、上記特開昭63−105005号公報
の方法と同じく簡便な不飽和基末端を有するイソブチレ
ン系ポリマーの製造法を提供することにある。
本発明の他の一つの目的は、不飽和基の導入率が高
い、不飽和末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造
法を提供することにある。
本発明の他の一つの目的は、不飽和末端を有するイソ
ブチレン系ポリマーの安価な製造法を提供することにあ
る。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の記載から明らか
にされるであろう。
本発明者は、斯かる現状に鑑み、種々の研究を重ねた
結果、特定のルイス酸を用いて特定の反応方法を採用す
ることにより、上記目的が悉く達成されることを見い出
した。
即ち、本発明は、 (A)イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ
ー、 (B)開始剤兼連鎖移動剤である一般式(I): 〔式中、Xはハロゲン原子、RCOO−基(Rは1価の有機
基、以下同じ)又はRO−基を示す。R3は多価芳香環基又
は置換もしくは非置換の多価脂肪族炭化水素基を示す。
R1及びR2は、同一又は異なって水素原子又は置換もしく
は非置換の1価の炭化水素基を示す。但しR3が多価脂肪
族炭化水素基の場合には、R1及びR2は同時に水素原子で
はない。〕 で表わされる基を有する有機化合物、 (C)(C2H52AlCl、 (C2H5)AlCl2、SnCl4及び TiC14なる群より選ばれた少なくとも一種のルイス酸、
及び (D)エンドキャップ剤である一般式(II): 〔式中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、一価の有
機基又は一価の有機基における炭素原子のうちの1〜3
個をケイ素原子に置き換えた基を示す。〕 で表わされる化合物 を混合して上記のカチオン重合性モノマーを重合させる
ことを特徴とするアリル末端を有するイソブチレン系ポ
リマーの製造法に係る。
上記本発明の方法は、簡便であり、安価なルイス酸を
用いているので低コストであり、末端への不飽和基の導
入率が高いという特徴の他に、得られるイソブチレン系
ポリマーの分子量分布が狭くなるという優れた特徴を有
している。分子量分布が狭いと、ポリマーの粘度が小さ
くなり、配合物作成時に混練し易い等、取扱いが容易と
なり、更に架橋硬化させた場合に、硬化物の機械物性等
が優れたものになるという利点がある。
更に本発明においては、(C)成分の使用量を少なく
することが可能であり、経済的である。また重合反応に
関与する(C)成分の使用量を調節することにより、重
合速度をコントロールすることが可能であることから、
重合反応に伴う発熱速度をコントロールすることができ
る。発熱速度を遅くすることにより、アリル末端を有す
るイソブチレン系ポリマーの大スケールでの製造時にお
いて、特に大規模な冷却装置を用いることなく、重合速
度を制御することが可能となるので、経済的である。
加えて、本発明においては、重合反応を−40〜10℃と
いう比較的高温で行なった場合でも、末端官能化度の大
きいイソブチレン系ポリマーが得られるという利点も有
している。
本明細書において、イソブチレンを含有するカチオン
重合性モノマーとは、イソブチレンのみからなるモノマ
ーに限定されるものではなく、イソブチレンの50重量%
(以下単に「%」と記す)以下をイソブチレンと共重合
し得るカチオン重合性モノマーで置換したモノマーを意
味する。
イソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノマー
としては、例えば炭素数3〜12のオレフィン類、共役ジ
エン類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル化合物類、ビ
ニルシラン類等が挙げられる。これらの中でも炭素数3
〜12のオレフィン類及び共役ジエン類等は好ましい。
前記イソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノ
マーの具体例としては、例えばプロピレン、1−ブテ
ン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル
−2−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエン、イソプ
レン、シクロペンタジエン、メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチ
レン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメ
トキシシラン等が挙げられる。これらの中で、例えばプ
ロピレン、1−ブテン、2−ブテン、スチレン、ブラジ
エン、イソプレン、シクロペンタジエン等が好適であ
る。これらイソブチレンと共重合し得るカチオン重合性
モノマーは、1種単独でイソブチレンと併用してもよい
し、2種以上で併用してもよい。
本発明に用いる開始剤兼連鎖移動剤である上記一般式
(I)で表わされる基を有する有機化合物の例として
は、例えば一般式(III): AYn (III) 〔式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。Yは (式中、R7及びR8は、同一又は異なって水素原子又は炭
素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。XはF、Cl、B
r、Iの如きハロゲン原子、RCOO−基又はRO−基を示
す。)で示される芳香環に結合した基を示す。nは1〜
6の整数を示す。〕 で表わされる化合物、 一般式(V): BZm (V) 〔式中、Bは炭素数4〜40の炭化水素基を示す。Zは第
3級炭素原子に結合したハロゲン原子、RCOO−基又はRO
−基を示す。mは1〜4の整数を示す。〕 で表わされる化合物及びα−ハロスチレン単位を有する
オリゴマー等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。
一般式(III)で表わされる化合物における1〜4個
の芳香環を有する基であるAは、縮合反応により形成さ
れたものでもよく、非縮合系のものでもよい。このよう
な芳香環を有する基の具体例としては、例えば1〜6価
のフェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、アントラ
セン基、フェナンスレン基、ピレン基、 Ph−(CH2)l−Ph基(Phはフェニル基、lは1〜10
の整数)等が挙げられ、これらの芳香環を有する基は炭
素数1〜20の直鎖及び(又は)枝分れの脂肪族炭化水素
基や、水酸基、エーテル基、ビニル基等の官能基を有す
る基で置換されていてもよい。
一方、一般式(V)で表わされる化合物におけるZ
は、第3級炭素原子に結合したF、Cl、Br、Iの如きハ
ロゲン原子、RCOO−基又はRO−基であり、一般式(V)
におけるBは炭素数4〜40の炭化水素基の脂肪族炭化水
素基であり、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、この
炭素数が4未満になるとハロゲン原子、RCOO基又はRO−
基の結合する炭素が第3級炭素原子でなくなり、重合が
進みにくくなって使用するのに適さなくなる。
開始剤兼連鎖移動剤として用いることができるα−ハ
ロスチレン単位を有するオリゴマーとしては、例えばα
−クロロスチレンのオリゴマーや、α−クロロスチレン
とこれと共重合し得る単量体とを共重合させたオリゴマ
ー等が挙げられる。
本発明の方法において、一般式(I)で表わされる結
合状態のハロゲン原子、RCOO−基、又はRO−基を2個以
上有する化合物、又は一般式(I)で表わされる結合状
態のハロゲン原子、RCOO−基又はRO−基と他の反応性官
能基とを有する化合物を開始剤兼連鎖移動剤として用い
ると、両末端官能性の重合体、いわゆるテレケリック重
合体を得ることができ、その末端官能化度を高くできる
ので非常に有効である。
前記開始剤兼連鎖移動剤の具体例としては、例えば α−クロロスチレンのオリゴマーのようなハロゲン原
子含有有機化合物又はRCOO−基含有有機化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これら化合
物の中でも のような、インダン型骨格を副生しにくい構造の芳香族
系の化合物、及び のような安定な炭素陽イオンを生成し易い−C(CH32
Cl又は−C(CH32Brを有するハロゲン原子含有有機化
合物や、 のような化合物が好ましい。
これらの化合物は、開始剤兼連鎖移動剤として使用さ
れる成分であり、本発明では、1種又は2種以上混合し
て用いられる。また、これらの化合物の使用量を調節す
ることにより、得られるポリマーの分子量をコントロー
ルすることができる。本発明では、上記の化合物を、通
常イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーに対
して、0.01〜25%程度、好ましくは0.1〜15%程度の割
合で使用するのがよい。
本発明に用いるルイス酸は触媒として使用される成分
である。本発明では、ルイス酸としては、 (C2H52AlCl、(C2H5)AlCl2、SnCl4及びTiCl4なる群
より選ばれた少なくとも一種が用いられる。特に好まし
いのはTiCl4やSnCl4である。ルイス酸の使用量は、上記
開始剤兼連鎖移動剤である一般式(I)で表わされる基
を有する有機化合物中のXのモル数に対して0.0001〜0.
5倍当量が好ましい。
本発明に用いるエンドキャップ剤としては、 〔式中、R4、R5及びR6は前記に同じ。〕 で表わされる化合物、例えば 等がある。
これらの化合物の中でも特に好ましいものとして、 が挙げられる。本発明において(B)成分中の一般式
(I)で表わされる基を有する有機化合物中のXと、
(D)成分である一般式(II)で表わされる化合物のモ
ル比〔(X)/(II)、但し(X)及び(II)は上記X
及び化合物(II)のモル数とする。〕は、2.0〜0.2の範
囲内にあることが好ましい。
本発明において、溶媒としては、例えば脂肪族炭化水
素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素溶媒等が挙げられ
る。この中でもハロゲン化炭化水素が好ましく、塩素原
子を有する塩素化炭化水素がより好ましい。斯かる脂肪
族炭化水素の具体例としては、ペンタン、ヘキサン等
を、またハロゲン化炭化水素の具体例としては、クロロ
メタン、クロロエタン、塩化メチレン、1,1−ジクロロ
エタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等を例示
できる。これらは、1種単独で、又は2種以上混合して
使用される。更には少量の他の溶媒、例えば酢酸エチル
等の酢酸エステル、ニトロエタン等のニトロ基を有する
有機化合物、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、
スルホン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド基を有する有機化合物、アセトニトリル等
のニトリル基を有する有機化合物を併用してもよい。
本発明において重合温度としては、低温(即ち+20〜
−100℃)が好ましいが、実際に製造する場合は、比較
的高い温度(即ち+10℃〜−40℃)が更に好ましい。
重合時間は通常0.5〜120分程度、好ましくは1〜60分
程度である。また、重合時のモノマー濃度としては、0.
1〜8モル/l程度が好ましく、0.5〜5モル/l程度がより
好ましい。
重合反応は、バッチ式(回分式又は半回分式)で行な
ってもよいし、(A)成分、(B)成分、(C)成分及
び(D)成分を連続的に重合容器内に加える連続式で行
なってもよい。
本発明の方法に従えば、末端への不飽和基の導入率の
高いイソブチレン系ポリマーを安価に且つ簡便な方法で
得ることができる。また本発明の方法によれば、分子量
分布の狭いイソブチレン系ポリマーを得ることができ
る。
実施例 次に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにす
る。
実施例1 200mlの耐圧ガラス製重合容器に三方コックを取付け
て、真空ラインを用いて真空状態にした重合容器を100
℃で1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却
後三方コックを用いて窒素で常圧に戻した。
その後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注
射器を用いて重合容器中に水素化アルシウム処理により
乾燥させた主溶媒である1,1−ジクロロエタン40mlを導
入した。次いで蒸留、精製したアリルトリメチルシラン
5mmolを添加し、更にTCC(化合物A)2ミリモルを溶解
させた10mlの1,1−ジクロロエタン溶液を添加した。
次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させるこ
とにより脱水したイソブチレンが7g入っているニードル
バルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を耐圧ゴム管を用
いて三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドラ
イアイス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を1時
間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧にし
た後、ニードルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラ
ス製液化ガス採取管から重合容器中に導入した。その後
三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻し
た後、−10℃のドライアイス−アセトンバス中に1時間
浸漬して重合容器内を−10℃まで昇温した。
次に、TiCl41.9g(10ミリモル)を注射器を用いて三
方コックから添加して重合を開始させ、60分経過した時
点で予め0℃以下に冷却しておいたメタノールを添加す
ることにより、反応を完結させた。
その後、反応混合物をナス型フラスコに取出し、未反
応のイソブチレン、1,1−ジクロロエタン、アリルトリ
メチルシラン及びメタノールを留去し、残ったポリマー
を100mlのn−ヘキサンに溶解後、中性になるまでこの
溶液の水洗を繰返した。その後、このn−ヘキサン溶液
を20mlまで濃縮し、300mlのアセトンにこの濃縮溶液を
加えた後、攪拌することによりポリマーを沈澱分離させ
た。
このようにして得られたポリマーを再び100mlのn−
ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
固型分を別した後、n−ヘキサンを減圧留去すること
により、イソブチレン系ポリマーを得た。
得られたポリマーの収量より収率を算出すると共に、
n及びw/nをGPC法により、また末端構造を1H−N
MR(300MHz)法により求めた。結果を第2表に示す。
実施例2〜16 開始剤兼連鎖移動剤、触媒、添加溶媒の種類や量及
び、重合温度を第1表に示すように変更した以外は、実
施例1と同様にしてポリマーを製造し、評価した。結果
を第2表に併せて示す。
比較例1〜7 アリルトリメチルシランを使用せず、また開始剤兼連
鎖移動剤、触媒の種類や量及び重合温度を第1表に示す
ように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマー
を製造し、評価した。結果を第2表に併せて示す。
比較例8 ルイス酸としてBCl3(10ミリモル)を用いる以外は実
施例8と同様にしてポリマーを製造し、評価した。結果
を第2表に併せて示す。
尚、第1表における開始剤兼連鎖移動剤A〜Eは、以
下の構造式で表わされる化合物である。
第2表の結果から次のことが明らかである。即ち本発
明の方法によれば、特定のルイス酸を用いた場合、種々
の開始剤兼連鎖移動剤を用いてもアリルシランを重合系
中に予め存在させておくと、種々の副反応が抑制され、
末端アリル基の導入率が高く分子量分布の狭いオリゴマ
ーが、比較的高温でも収率よく得られる(実施例1〜18
及び比較例1〜9)。
比較例1、3及び9(後述)では重合停止時に脱プロ
トンよる停止が起こり、末端オレフィン(イソプロペニ
ル及び内部オレフィン)が優先的に生成し、クロル末端
は殆んど得られない。同様に比較例6及び7では重合停
止時にプロトン化及びアルキル化により 基等の生成が優先的に起こり、クロル末端は殆んど得ら
れない(低分子モデル化合物を用いて同様の反応を行な
い、GAS−MASS分析を行なってこの挙動を確認し
た。)。
従って比較例1〜9の上記の挙動と実施例1〜18の結
果から次のことが言える。
つまり本発明の方法のようにアリルトリメチルシラン
を予め重合系中に存在させた系での重合においては、カ
チオン種とモノマーとの反応(生長反応)と競争して、
カチオン種とアリルシランとの反応(停止反応)も起こ
っている。即ち、アリル基の導入は直接カチオンを攻撃
して起こっており、第3級クロル末端が生成した時、ク
ロル基とアリル基が交換しているわけではないと言え
る。
このことは、前記した特開昭63−105006号公報で述べ
られている機構(第3級クロル基を経由する機構)とは
明らかに違う機構で、このアリル基を有するイソブチレ
ン系ポリマーが得られていることを示唆している。
実施例17 200mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取付け
て、真空ラインで真空に引きながら重合容器を100℃で
1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却後、
窒素で常圧に戻した。
その後、三方コックの一方から窒素を流しながらオー
トクレーブ中にTCC(化合物A)0.308g(1ミリモル)
を水素化カルシウム処理により乾燥させた重合溶媒であ
る塩化メチレン30mlに溶かした溶液及びアリルトリメチ
ルシラン0.51ml(3.2ミリモル)を注射器を用いて加え
た。
次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させるこ
とにより脱水したイソブチレンが5g入っているニードル
バルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コックに耐
圧ゴム管を用いて接続した後、容器本体を−30℃のドラ
イアイス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を攪拌
しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内
部を減圧にした後、ニードルバルブを開け、イソブチレ
ンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入し
た。その後三方コックの一方から窒素を流すことにより
常圧に戻した。
次に四塩化チタン0.055ml(0.5ミリモル)を塩化メチ
レン5mlで稀釈した溶液を注射器を用いて添加し、重合
反応を開始した。
60分後に重合溶液を100mlの飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液中に加え、共に振盪した後、有機層を水100mlで
2回洗浄した。有機層を10mlに濃縮し、300mlのアセト
ン中にこれを加えた後、攪拌することによりポリマーを
沈殿分離させた。
このようにして得られたポリマーを80mlのn−ヘキサ
ンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、固型
分を別した後、n−ヘキサンを減圧留去することによ
り、イソブチレン系ポリマーを得た。
得られたポリマーの収量より収率を算出すると共に、
n及びw/nをGPC法により、また末端構造を1H−N
MR(300MHz)法により求めた。結果を下記第3表に示
す。
末端のアリル基の純度の高いポリマーを収率良く得る
ことができた。
本実施例で得られた末端にアリル基を持つポリイソブ
チレンの構造式は一般式(VI): 〔式中R9、R10及びR11は、いずれも末端にアリル基を持
つポリイソブチレン鎖であり、これらR9,R10,R11の鎖
長は同じであっても異なっていてもよい。〕 で表わされるものである。
比較例9 アリルトリメチルシランを添加しないこと以外は実施
例17と同様にしてポリマーを製造し、構造を分析した。
結果を第3表に併せて示す。このように触媒量の四塩化
チタンを用いた場合、収率は良好であったが、得られた
ポリマーの分子量分布が広く、末端の官能基種も揃って
いない。
比較例10 重合反応終了後にアリルトリメチルシラン0.51ml(3.
2ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、室温で6時間反応
液を攪拌する以外は比較例8と同様にしてポリマーを製
造し、評価した。結果を第3表に併せて示す。得られる
ポリマーは、末端アリル化率が低く、分子量分布も大き
いことがわかる。
実施例18 アリルトリメチルシラン量を0.71ml(4.5ミリモル)
にする以外は、実施例17と同様にしてポリマーを製造
し、構造を分析した。結果を第3表に併せて示す。アリ
ルトリメチルシラン量を多くした結果、数平均分子量は
低下したが、ポリマーのモル数は、実施例17で得られた
ものとほぼ同じである。このことは、アリルトリメチル
シランが重合停止剤として作用していることを意味して
いる。
1)モノマー収率 実施例19 3l反応フラスコに攪拌用羽根、三方コック及び真空ラ
インを取付けて、真空ラインで真空に引きながら重合容
器を100℃で1時間加熱することにより乾燥させ、室温
まで冷却後三方コックを用いて窒素で常圧に戻した。
その後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注
射器を用いてオートクレーブに水素化カルシウム処理に
より乾燥させた溶媒である1,1−ジクロロエタン1700ml
を導入した。次いで蒸留、精製したアリルトリメチルシ
ラン35.5ml(224ミリモル)を加え、更にTCC(化合物
A)21.3g(69ミリモル)の1,1−ジクロロエタン溶液を
添加した。
次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させるこ
とにより脱水したイソブチレンが330g入っているニード
ルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を耐圧ゴム管を
用いて三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のド
ライアイス−アセトンバスに浸漬し、重合容器内部を攪
拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより
内部を減圧にした後、ニードルバルブを開け、イソブチ
レンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入
した。その後三方コックの一方から窒素を流すことによ
り常圧に戻した後、−30℃のドライアイス−アセトンバ
ス中に1時間浸漬し、重合容器内を−30℃まで昇温し
た。
次に重合温度が−30℃〜−25℃間を保つように、四塩
化チタン3.9ml(35ミリモル)の1,1−ジクロロエタン溶
液50mlを、一定の速度で、30分かけて滴下した。その後
重合溶液を−30℃で1時間攪拌した後、炭酸水素ナトリ
ウムの飽和水溶液2lと共に激しく攪拌した。
その後、有機層をナス型フラスコに取出し、未反応の
イソブチレン、1,1−ジクロロエタン、アリルトリメチ
ルシランを留去し、残ったポリマーを1500mlのn−ヘキ
サンに溶解後、中性になるまでこの溶液の水洗を繰返し
た。その後、このn−ヘキサン溶液を600mlまで濃縮
し、3lのアセトンにこの濃縮溶液を加えた後、攪拌する
ことによりポリマーを沈澱分離させた。
このようにして得られたポリマーを再び1000mlのn−
ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
固型分を別した後、n−ヘキサンを減圧留去すること
により、イソブチレン系ポリマーを得た。
得られたポリマーの収量より収率を算出すると共に、
n及びw/nをGPC法により、また末端構造をH1H−
NMR(300MHz)法により求めた。結果を第4表に示す。
実施例20 本実施例では四塩化チタン55ml(500ミリモル)を一
度に加えたことと、重合反応中の昇温による危険を回避
するために、重合開始時の温度を−70℃としたこと以外
は実施例19と同様にしてポリマーを製造し、構造を解析
した。結果を第4表に併せて示す。実施例20では昇温幅
は72℃にもなり、アリル化率が少し低下した。
実施例20の結果より本重合反応が多量の発熱を伴うこ
とは明らかである。しかし、実施例19の方法を用いるこ
とにより重合時の昇温幅を5℃以内に押さえることが可
能となった。
実施例21 まず最初にモノマー溶液(イ)と四塩化チタン溶液
(ロ)を調製した。
モノマー溶液(イ)は、イソブチレン80g(1430ミリ
モル、2.86M)、トリクミルクロライド5.24g(17ミリモ
ル、34mM)、アリルトリメチルシラン9.4ml(60ミリモ
ル、120mM)及び水素化カルシウム処理により乾燥させ
た塩化メチレン400mlよりなる。四塩化チタン溶液
(ロ)は四塩化チタン1.1ml(10ミリモル、50mM)及び
水素化カルシウム処理により乾燥させた塩化メチレン20
0mlよりなる。
上記モノマー溶液(イ)及び四塩化チタン溶液(ロ)
を定量ポンプを用いて、第1図に示すようなガラス製の
重合管中に導入した。この時、モノマー溶液(イ)と四
塩化チタン溶液(ロ)は重合管中でのみ混合するように
し、モノマー溶液(イ)は毎分10ml程度の速度で、四塩
化チタン溶液(ロ)は毎分4ml程度の速度で導入した。
重合管は内径4mm、全長10mのガラス管を螺旋状に巻いた
ものを用い、−35℃のアセトンバス中につけた。
重合反応は、(イ)と(ロ)の混合溶液が、重合管内
を通過する管に終了し、生成したイソブチレン系ポリマ
ーを含む溶液は、重合管内から炭酸水素ナトリウム水中
に移され、激しく攪拌される。
この後は、実施例19と同様にして、ポリマーを精製
し、構造を解析した。結果を第5表に示す。
第5表の結果より、本発明の方法を連続重合法で実施
した場合も、分子量の揃ったアリル末端の導入率の高い
ポリマーをよい収率で得ることができることが明らかに
なった。
図面の簡単な説明 第1図は、実施例21で使用される連続重合装置の概略
図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)イソブチレンを含有するカチオン重
    合性モノマー、 (B)開始剤兼連鎖移動剤である一般式(I): 〔式中、Xはハロゲン原子、RCOO−基(Rは1価の有機
    基、以下同じ)又はRO−基を示す。R3は多価芳香環基又
    は置換もしくは非置換の多価脂肪族炭化水素基を示す。
    R1及びR2は、同一又は異なって水素原子又は置換もしく
    は非置換の1価の炭化水素基を示す。但しR3が多価脂肪
    族炭化水素基の場合には、R1及びR2は同時に水素原子で
    はない。〕 で表わされる基を有する有機化合物、 (C)(C2H52AlCl、 (C2H5)AlCl2、SnCl4及び TiCl4なる群より選ばれた少なくとも一種のルイス酸、
    及び (D)エンドキャップ剤である一般式(II): 〔式中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、一価の有
    機基又は一価の有機基における炭素原子のうちの1〜3
    個をケイ素原子に置き換えた基を示す。〕 で表わされる化合物 を混合して上記のイソブチレンを含有するカチオン重合
    性モノマーを重合させることを特徴とするアリル末端を
    有するイソブチレン系ポリマーの製造法。
  2. 【請求項2】(C)成分を(B)成分である一般式
    (I)で表わされる基を有する有機化合物中のXに対し
    て 0.0001〜0.5当量用いる請求項記載のアリル末端を有
    するイソブチレン系ポリマーの製造法。
  3. 【請求項3】(D)成分である一般式(II)で表わされ
    る化合物が、 からなる群より選ばれた少なくとも一種であることを特
    徴とする請求項記載のアリル末端を有するイソブチレ
    ン系ポリマーの製造法。
  4. 【請求項4】重合反応を−40〜10℃で行なう請求項記
    載のアリル末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造
    法。
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