JPH07228627A - オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法 - Google Patents

オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法

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JPH07228627A
JPH07228627A JP4470394A JP4470394A JPH07228627A JP H07228627 A JPH07228627 A JP H07228627A JP 4470394 A JP4470394 A JP 4470394A JP 4470394 A JP4470394 A JP 4470394A JP H07228627 A JPH07228627 A JP H07228627A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の
製造を無溶剤で行うことにより、製造コスト低減を図
る。 【構成】塩基性化合物を用いたハロゲン原子を有するイ
ソブチレン系重合体の脱ハロゲン化水素反応を、無溶剤
で行う。 【効果】(1)THF等の溶剤を省くことにより、原料
費および溶剤の蒸留、精製装置等の設備費が低減化され
る。 (2)THF等の溶剤を省くことにより、イソブチレン
系重合体の精製時に重合体溶液のエマルジョン化を防ぐ
ことができる。 (3)溶剤を省くことにより、反応温度を上げることが
可能となり、反応速度を上げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン基を有するイ
ソブチレン系重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】末端官能性重合体、例えば両末端にオレ
フィン基を有する重合体は、光硬化性樹脂、UV硬化性
樹脂、電子線硬化性樹脂、エレクトロニクス用封止材、
接着剤、改質剤、コーティング剤、建築用シーリング剤
等の原料として有用である。末端官能性重合体の一種で
ある、例えば末端に3級炭素と結合した塩素原子を有す
るイソブチレン系重合体は、1,4−ビス(α−クロロ
イソプロピル)ベンゼン(以下、単に「p−DCC」と
記す)あるいは1,3,5−トリス(α−クロロイソプ
ロピル)ベンゼン(以下、単に「TCC」と記す)を開
始剤兼連鎖移動剤、三塩化硼素を触媒としてイソブチレ
ンをカチオン重合させるイニファー法により製造される
ことが知られている(米国特許第4276394号明細
書)。
【0003】さらに、イニファー法で得られるイソブチ
レン系重合体に架橋点となるオレフィン基を持たせる方
法が公知である。例えば、塩素原子を有するイソブチレ
ン系重合体とカリウム−t−ブトキシド又はナトリウム
エトキシド等の塩基性化合物とをテトラヒドロフラン
(以下、THFと記す)溶剤中で、加熱還流することに
より、脱塩化水素反応を行い、イソプロペニル型のオレ
フィン末端を得る方法が知られている〔Polymer
Bulletin,1,575(1979),Pol
ymer Bulletin,13,435(198
5),米国特許第4316973号他〕。
【0004】しかし、上記のTHF溶剤を用いた脱塩化
水素反応の工業的スケールでの実施を想定した場合、T
HF中で反応を行った後、THFを留去し、さらにイソ
ブチレン系重合体をヘキサン等の非極性溶剤に溶解させ
た後、有機層を水洗するという複雑な工程が必要とされ
る。さらに、この工程では、THFの留去が不十分な場
合には、水洗時に有機層がエマルジョン化するという問
題点を有することが、本発明者らの検討により明らかに
なった。
【0005】本発明者らの目的は、THF等の溶剤を用
いない系で、脱塩化水素反応を行う方法を提供すること
にある。また、上記THF溶液の加熱還流を行う方法で
は、反応温度はTHFの沸点(66℃)程度であるた
め、反応が遅く、通常かなり長時間(20時間程度)反
応を行う必要があるという問題点がある。一般に、反応
速度を上げるためには、反応温度を上げることが有効で
あるが、THF溶剤を使う限りはTHFの沸点の制約を
受ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの第1の目
的は、THF等の溶剤を使用することなく、ハロゲン原
子を有するイソブチレン系重合体の脱ハロゲン化水素反
応を行う方法を提供することである。さらに、本発明者
らの第2の目的は、上記脱ハロゲン化水素反応を短時間
で行う方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべ
く、本発明者らが鋭意検討した結果、THF等の溶剤を
使用しない系、すなわち無溶剤系でも種々の塩基性化合
物存在下でのイソブチレン系重合体の脱ハロゲン化水素
反応が進行し、オレフィン基を有するイソブチレン系重
合体が得られることが明らかになった。
【0008】すなわち、本発明は、ハロゲン原子を有す
るイソブチレン系重合体の脱ハロゲン化水素反応を塩基
性化合物存在下、無溶剤で行うことを特徴とするオレフ
ィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法に関す
る。また、本発明は、一般式(1):
【0009】
【化4】 (式中、R1 およびR2 は、水素原子又は1価の有機基
を示し、互いに同じでも異なっていてもよい。)で示さ
れる基を有するイソブチレン系重合体の脱塩化水素反応
を塩基性化合物存在下、無溶剤で行うことを特徴とする
オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法に
関する。
【0010】また、本発明は、一般式(2):
【0011】
【化5】 で示される基を有するイソブチレン系重合体の脱塩化水
素反応を塩基性化合物存在下、無溶剤で行うことを特徴
とするオレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製
造法に関する。また、本発明は、上記一般式(1)また
は(2)で示される基を有するイソブチレン系重合体の
脱塩化水素反応を塩基性化合物存在下、無溶剤で、50
℃以上300℃以下の温度で行うことを特徴とするオレ
フィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法に関す
る。
【0012】また、本発明は、上記一般式(1)または
(2)で示される基を有するイソブチレン系重合体の脱
塩化水素反応を塩基性化合物存在下、無溶剤で、圧力1
00Torr以下で行うことを特徴とするオレフィン基
を有するイソブチレン系重合体の製造法に関する。ま
た、本発明は、上記一般式(1)または(2)で示され
る基を有するイソブチレン系重合体の脱塩化水素反応を
塩基性化合物存在下、無溶剤で行うことを特徴とする一
般式(3):
【0013】
【化6】 で示されるオレフィン基を1分子当たり平均で1.1個
以上有するイソブチレン系重合体の製造法に関する。本
発明において、塩基性化合物とは、一般に公知の塩基性
化合物ならば、全て使用可能であるが、例えば、金属水
素化物、金属アルコキシド、金属水酸化物、金属アミ
ド、プロトンと反応し得る金属、有機金属化合物又はア
ミン類が好ましい。
【0014】上記塩基性化合物としては、通常、具体的
には、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチ
ウム、水素化カリシウム、ナトリウムt−ペントキシ
ド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナト
リウムメトキシド、カリウムメトキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムア
ミド、カリウムアミド、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、ブチルリチウム、エチルマグネシウムブロミド、D
BU(1,8−ジアザビシク〔5,4,0〕−7−ウン
デセン)、ルチジン類、ピコリン類、ピリジン、トリエ
チルアミン等を使用する。
【0015】これらの中では、ナトリウムt−ペントキ
シド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリ
ウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム等がより好ましい。また、本発明におい
て、塩基性化合物の使用量としては、通常、イソブチレ
ン系重合体に含まれるハロゲン原子のモル数に対して、
0.02〜50倍用いるが、2〜50倍用いるのがより
好ましい。
【0016】さらに、本発明者らの検討により、使用し
なくてもよいことが明らかになった溶剤とは、通常、有
機反応に用いる溶剤のうち、中性又は酸性のものであ
り、例えば、THF、ヘキサン、トルエン、エタノー
ル、メタノール、水等を示すものである。また、本発明
において、ハロゲン原子を有するイソブチレン系重合体
の脱ハロゲン化水素反応を、塩基性化合物存在下、無溶
剤で行う際の反応温度は、通常、50〜300℃である
が、80〜200℃がより好ましい。反応温度を上げる
ことにより、反応速度を大きくすることが可能である
が、反応温度が300℃以上になると、副反応として、
イソブチレン系重合体主鎖の分解反応が起こってしま
う。
【0017】また、本発明において、上記脱ハロゲン化
水素反応は、空気雰囲気下、常圧で行ってもよいが、高
温での酸素との反応を避けるため、窒素雰囲気下又は1
00Torr以下、特に30Torr以下の減圧下で行
うことがより好ましい。また、本発明において、上記脱
ハロゲン化水素反応の反応時間は、通常0.1〜100
時間であるが、1〜40時間とするのが、より好まし
い。
【0018】本発明において、オレフィン基を有するイ
ソブチレン系重合体の数平均分子量(Mn)およびMw
/Mn値は、ポリスチレンゲルカラム(昭和電工(株)
製Shodex K−804、移動相:クロロホルム〕
を用いたGPCより求めている(ポリスチレン換算
値)。本発明において、GPCより求める数平均分子量
(Mn)は通常、500〜300000であるが、好ま
しくは1000〜50000である。Mnが500より
小さい場合はイソブチレン系重合体特有の優れた特徴が
無くなり、また300000より大きくなると重合体が
固体状になり、作業性が極端に悪くなってしまう。
【0019】また、本発明において、イソブチレン系重
合体1分子中に含まれるオレフィン基(即ち、炭素−炭
素二重結合を1個有する基)の数(平均値)は、1H−
NMRより求めたオレフィンピークおよび主鎖のピーク
の積分値およびGPCより求めたMn値をもとに算出し
ている。本発明の方法により得られるイソブチレン系重
合体に含まれるオレフィン基の量は、ビニレン型、ビニ
リデン型、および3置換オレフィン型を合計して、通
常、1.1〜12個であるが、好ましくは1.4〜6個
である。特に好ましいのはビニリデン型で、特に前記一
般式(3)で表されるイソプロペニル基を1分子当たり
平均で1.1個以上有することが好ましい。オレフィン
基の数が1.1個より少ない場合は、架橋体を形成せ
ず、また12個より多いと硬化物の弾性体としての性質
が失われるので好ましくない。
【0020】ところで、本発明において、原料として用
いられる、ハロゲン原子を有するイソブチレン系重合体
は、以下の(A)〜(D)で示される成分を−10℃以
下の低温で混合することにより得ることができる。 (A)イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー (B)一般式(4):
【0021】
【化7】 (式中、R3 はa価の有機基で、aは1〜8の整数を示
す。R4 又はR5 は、水素原子又は1価の有機基を示
し、同じであっても異なってもよく、Xはハロゲン原子
又はアルコキシ基又はアセトキシ基を示す、また、aが
2以上の場合、a個の−CR4 5 X基は、同じであっ
ても異なっていてもよい。)で示される化合物 (C)ルイス酸 (D)電子供与体成分 本発明において、イソブチレンを含有するカチオン重合
性モノマーとは、イソブチレンのみからなるモノマーに
限定されるものではなく、イソブチレンの50重量%
(以下、単に「%」と記す)以下をイソブチレンと共重
合し得るカチオン重合性モノマーで置換したモノマーを
意味する。
【0022】イソブチレンと共重合し得るカチオン重合
性モノマーとしては、例えば炭素数5〜12のオレフィ
ン類、共役ジエン類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル
化合物類、ノルボルネン類、ビニルシラン類等が挙げら
れる。これらの中でも炭素数5〜12のオレフィン類お
よび芳香族ビニル化合物類等が好ましい。上記イソブチ
レンと共重合し得るカチオン重合性モノマーとしては、
通常、具体的には、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−2−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シ
クロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、5−エチリデン
ノルボルネン、5−プロピリデンノルボルネン、ブタジ
エン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、ビニルカルバゾール、メトキシスチレン、エト
キシスチレン、t−ブトキシスチレン、ヘキセニルオキ
シスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、メチルス
チレン、ジメチルスチレン、クロロメチルスチレン、ク
ロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロ
ロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチ
ルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニ
ルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニ
ルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3
−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等を使用する。
【0023】これらの中では、2−ブテン、シクロペン
タジエン、5−エチリデンノルボルネン、イソブチルビ
ニルエーテル、メトキシスチレン、スチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等がより好ましい。これらイソブチレン
と共重合し得るカチオン重合性モノマーは、1種単独で
イソブチレンと併用してもよいし、2種以上で併用して
もよい。
【0024】また、本発明において、例えばバッチ式で
のイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーの濃
度は、通常0.1〜10mol/lであるが、好ましく
は0.5〜6mol/lである。本発明において、上記
一般式(4)で表される化合物としては、例えば一般式
(5): AYn (5) 〔式中、Aは、1〜4個の芳香環を有する基を示す。Y
は一般式(6):
【0025】
【化8】 (式中、R6 およびR7 は、同一または異なって水素原
子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。X
はハロゲン原子、アルコキシ基またはアセトキシ基を示
す。)で示される芳香環に結合した基を表す。nは1〜
8の整数を示す。〕で表される化合物、 一般式(7): BZm (7) 〔式中、Bは炭素数4〜40の置換あるいは非置換の炭
化水素基を示す。Zは第3級炭素原子に結合したハロゲ
ン原子、R8 COO−基(R8 は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基を示す)またはR9 O−基(R9
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)を示
す。mは、1〜4の整数を示す。〕で表される化合物お
よびα−ハロスチレン単位を有するオリゴマー等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよ
い。
【0026】一般式(5)で表される化合物における1
〜4個の芳香環を有する基であるAは、縮合反応により
形成されたものでもよく、非縮合系のものでもよい。こ
のような芳香環を有する基としては、例えば1〜6価の
フェニル基、ビフェニル基、ナフタレン基、アントラセ
ン基、フェナンスレン基、ピレン基、Ph−(CH2
L −Ph基(Phはフェニル基、Lは1〜10の整数)
等が挙げられ、これらの芳香環を有する基は、炭素数1
〜20の直鎖および(または)分枝の脂肪族炭化水素基
や、水酸基、エーテル基、ビニル基等の官能基を有する
基で置換されていてもよい。
【0027】一般式(7)で表される化合物としては、
例えばビニル基、シリル基等の、Z以外の官能基を有す
るものを使用することができる。開始剤兼連鎖移動剤と
して用いることができるα−ハロスチレン単位を有する
オリゴマーとしては、例えばα−クロロスチレンのオリ
ゴマーや、α−クロロスチレンとこれと共重合し得る単
量体とを共重合させたオリゴマー等が挙げられる。
【0028】本発明において、一般式(4)で表される
化合物のうち、ハロゲン原子、アルコキシ基、アセトキ
シ基を2個以上有するもの、またはハロゲン原子、アル
コキシ基、アセトキシ基と他の反応性官能基とを有する
化合物を開始剤兼連鎖移動剤として用いると、生成する
重合体の官能化度を高くすることができるので、非常に
有効である。
【0029】上記一般式(4)で表される化合物として
は、通常、具体的には例えば、
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】 あるいはα−クロロスチレンのオリゴマーを使用する
が、これらに限定されるものではない。これらの化合物
は、開始剤兼連鎖移動剤として使用される成分であり、
本発明においては、1種または2種以上混合して用いら
れる。また、これらの化合物の使用量を調節することに
より、得られるイソブチレン系重合体の数平均分子量を
任意に設定できる。
【0032】本発明において、上記一般式(4)で表さ
れる化合物の使用量は、通常、イソブチレンを含有する
カチオン重合性モノマーの0.01〜20%の範囲であ
り、好ましくは0.1〜10%の範囲である。本発明に
おいて、ルイス酸としては、通常、MWP (式中、Mは
金属原子を、Wはハロゲン原子を示す。Pは3以上の整
数を示す。)で表される化合物、例えばAlCl3 、S
nCl4 、TiCl4 、VCl5 、FeCl3 、BCl
3 、BF3 等およびEt2 AlCl、EtAlCl2
の有機アルミニウム化合物等を使用するが、これらに限
定されるものではない。
【0033】好ましくいルイス酸としては、TiC
4 、SnCl4 、BCl3 が挙げられる。また、本発
明において、ルイス酸は、通常、上記一般式(4)で表
される化合物に対して1〜100倍モルの範囲で用いる
が、好ましい使用量は、5〜30倍モルの範囲である。
【0034】本発明において電子供与体成分としては、
そのドナー数が15〜50のものであれば、従来公知の
ものを広く使用できる。ドナー数とは、種々の化合物の
電子供与体(エレクトロンドナー)としての強さを表す
パラメーターである。種々の化合物のドナー数について
は、「ドナーとアクセプター」〔グートマン著(大瀧、
岡田訳)、学会出版センター(1983)〕に示されて
いる。好ましい電子供与体成分として、例えばピリジン
類、アミン類、アミド類またはニトリル類を挙げること
ができるが、これらに限定されるものではない。
【0035】本発明において、電子供与体成分として、
通常、具体的には、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、
2−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジ
ン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、
ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、N,
N−ジメチルアニリン、アニリン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、プロピオノニトリル、ジメチル
スルホキシド、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド等が使用できるが、好ましいもの
として、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジ
メチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドを挙
げることができる。
【0036】また、本発明において、電子供与体成分
は、通常上記一般式(4)で表される化合物に対して
0.01〜10倍モルの範囲で用いられるが、好ましく
は、0.2〜2倍モルの範囲である。また、本発明にお
いて、重合溶剤としては、例えば脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を用いることがで
き、中でもハロゲン化炭化水素、または脂肪族炭化水素
とハロゲン化炭化水素の混合溶剤が好ましい。ハロゲン
化炭化水素としては、通常、塩化メチル、塩化メチレ
ン、塩化エチル、ジクロロエタン、クロロホルム、トリ
クロロエタン、クロロホルム、トリクロロエタン等を、
脂肪族炭化水素としては、通常、プロパン、ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等を、
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等が挙げられる。
【0037】また、混合溶剤としては、塩化メチル/ヘ
キサン、塩化メチレン/ヘキサン、塩化メチレン/ヘプ
タン混合溶剤等を、種々の組み合わせのものを使用でき
る。また、本発明において、重合反応温度は、通常、−
120℃〜−10℃であるが、−80℃〜−20℃がよ
り好ましい。また、本発明において重合反応時間は通
常、1〜800分であるが、10〜180分がより好ま
しい。
【0038】また、本発明において、重合反応を行う際
には、反応形式には特に制限はなく、回分式、半回分
式、連続式等の方法で、ハロゲン原子を有するイソブチ
レン系重合体を自由に得ることができる。また、本発明
の重合反応においては、通常、メタノール等のアルコー
ル類を大量に添加することにより停止させるが、特にこ
の方法に限定されるものではなく、従来の慣用手段のい
ずれも適用できる。また、重合反応は水により停止する
ため、重合溶液の水洗を行う場合は、特に停止反応を改
めて行う必要もない。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法に従えば、THF等の溶剤
を使用することなくオレフィン基を有するイソブチレン
系重合体を得ることが可能である。本発明の効果を以下
に示す。 (1)余分な溶剤を使わないため、原料費の低減、溶剤
の蒸留、精製装置が不要となり、製造設備の簡素化、設
備費の低減化が可能である。 (2)THFを使用しないことにより、水洗時にイソブ
チレン系重合体を含む有機相がエマルジョン化しないた
め、未反応の塩基および反応により生成した塩を容易に
除去することができる。 (3)溶剤を省くことにより、反応温度は溶剤の沸点の
制約を受けないため反応温度を上げることができ、容易
に反応時間を短縮することができる。
【0040】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をよりいっそう
明らかにするが、本発明は実施例により何ら限定される
ものではない。 合成例1 メカニカルスターラーを備えた3L耐圧容器を十分に乾
燥、窒素置換した後、モレキュラーシーブス3Aで予め
脱水した塩化メチレン832mL、n−ヘキサン124
9mL、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベン
ゼン(以下、p−DCCと略)1.44g、α−ピコリ
ン0.23gを仕込んだ。容器を−70℃に冷却し、別
容器に計量したイソブチレンモノマー149mLをここ
に移送した。三方コックを通じて窒素ガスを少量ずつ流
しながら、乾燥したシリンジを用いて四塩化チタン2
3.7gを加え重合を開始した。2時間そのままの状態
で攪拌を続け、反応を完結させた。反応液を5Lの冷メ
タノールに投入して良く攪拌し、重合体を再沈させた。
沈殿物を500mLのn−ヘキサンに溶解させ、500
mLのイオン交換水で2回洗浄しイオン性不純物を除い
た。120℃の温度で1時間減圧蒸留を行い、両末端に
第三級炭素−ハロゲン結合を有するイソブチレン系重合
体を得た。以降、本合成例で得られた重合体をイソブチ
レン系重合体1と記す。
【0041】GPC、NMR、元素分析で求めた分析値
は以下の通りであった。但し、Fnは1分子当たりに換
算した各官能基の数を示す。 数平均分子量 ;19,700 分子量分布(Mw/Mn) ;1.10 Fn(イソプロペニル) ;0 Fn(2−メチル−1−プロペニル) ;0 実施例1 合成例1で得られたイソブチレン系重合体3.0gおよ
びナトリウムメトキシド(粉末)0.20gを100m
Lのナスフラスコ中で練り混ぜた後、オイルバスを備え
たエバポレーターに取り付け、真空ポンプで減圧度を3
Torr以下に保ちながらバス温度160℃で加熱しつ
つ、ナスフラスコを回転させた。加熱反応開始より、2
時間後と4時間後にサンプリングを行った。イソブチレ
ン系重合体を、その10倍量のヘキサンに溶かしてか
ら、有機相を水50mLで3回洗浄した。揮発分を留去
し、オレフィン基を有するイソブチレン系重合体を得
た。得られた重合体の分析結果を第1表に示す。
【0042】
【表1】 実施例1より、本発明の方法に従えば、オレフィン基を
有するイソブチレン系重合体を短時間にかつ簡便に得る
ことができることが明らかになった。 実施例2 塩素原子を有するイソブチレン系重合体〔Mn=430
0、Mw/Mn=1.9、Fn(イソプロペニル)=
0、Fn(2−メチル−1−プロペニル)=0、Fn
(塩素)=2〕2.0gを種々の塩基性化合物(8.9
mmol)とともに、90℃で30時間攪拌した後、イ
ソブチレン系重合体をヘキサン30mLに溶かしてか
ら、有機相を水50mLで3回洗浄した。揮発分を留去
し、オレフィン基を有するイソブチレン系重合体を得
た。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】 実施例2の結果より、種々の塩基性化合物が、本発明の
方法に対して有効であることが明らかとなった。 比較例1 塩素原子を有するイソブチレン系重合体〔Mn=470
0、Mw/Mn=1.3、Fn(イソプロペニル)=
0、Fn(2−メチル−1−プロペニル)=0〕5gを
THF115mLに溶かした後、カリウムt−ブトキシ
ド(36mmol)4.0gを加えてから、40時間加
熱還流した。揮発分を80℃、3Torrで留去した
後、イソブチレン系重合体をヘキサン50mLに溶解
し、水30mLを加えて有機相を水洗したが、この時、
有機相がエマルジョン化してしまった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン原子を有するイソブチレン系重合
    体の脱ハロゲン化水素反応を塩基性化合物存在下、無溶
    剤で行うことを特徴とするオレフィン基を有するイソブ
    チレン系重合体の製造法。
  2. 【請求項2】一般式(1): 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、水素原子又は1価の有機基
    を示し、互いに同じでも異なっていてもよい。)で示さ
    れる基を有するイソブチレン系重合体の脱塩化水素反応
    を塩基性化合物存在下、無溶剤で行うことを特徴とする
    オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(2): 【化2】 で示される基を有するイソブチレン系重合体の脱塩化水
    素反応を塩基性化合物存在下、無溶剤で行うことを特徴
    とするオレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製
    造法。
  4. 【請求項4】 脱塩化水素反応を50℃以上300℃以
    下の温度で行うことを特徴とする請求項2又は3基のオ
    レフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法。
  5. 【請求項5】 脱塩化水素反応を圧力100Torr以
    下で行うことを特徴とする請求項2又は3又は4記載の
    オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法。
  6. 【請求項6】一般式(3): 【化3】 で示されるオレフィン基を1分子当たり平均で1.1個
    以上有するイソブチレン系重合体を製造することを特徴
    とする請求項2又は3又は4又は5記載のオレフィン基
    を有するイソブチレン系重合体の製造法。
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