JPH07278310A - 変性ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

変性ポリシロキサンの製造方法

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JPH07278310A
JPH07278310A JP6947894A JP6947894A JPH07278310A JP H07278310 A JPH07278310 A JP H07278310A JP 6947894 A JP6947894 A JP 6947894A JP 6947894 A JP6947894 A JP 6947894A JP H07278310 A JPH07278310 A JP H07278310A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子末端に長鎖炭化水素基を有する変性ポリ
シロキサンの製造法の提供。 【構成】 C1-6のアルキルリチウム/3級ジアミン系開
始剤を用いエチレンをリビング重合させ、これに環状シ
ロキサン(II)を反応させ、更に環状シロキサン(I
I)、鎖状シロキサン(IV)又はこれらの混合物を平衡化
重合し、得られた生成物を中和、脱水することにより、
変性ポリシロキサン(I)を得る。 【化1】 【化2】 【化3】 (R1及びR2はC1-6のアルキル基、R3は平均炭素数16〜60
0 の飽和炭化水素基、pは3〜7の数、qは1以上の
数、rは0以上の数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子末端に長鎖炭化水素
基を有する変性ポリシロキサンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】長鎖ア
ルキル基を有するポリシロキサンは置換基としてメチル
基のみを有するポリジメチルシロキサンに比べ、潤滑
性、炭化水素材料との混和性に優れているため、化粧品
原料、離型剤、潤滑剤など広範囲にわたって利用されて
いる。特に末端に長鎖アルキル基を有するポリシロキサ
ンの用途として、最近、皮膚保護剤としての利用法が提
案されている(米国特許第5232693号参照)。
【0003】しかし、末端に長鎖アルキル基を有するポ
リシロキサンのこれまでの合成法は、末端にSi−H基
を有するポリシロキサンに白金触媒下、1−オレフィン
を反応させる方法である。そのため、アルキル基成分の
分子量が低いものでなければ合成しにくく、高融点化が
困難であり、合成し得るアルキル基は分岐を持たない直
鎖状のものが多く、結晶化の制御が困難であった。ま
た、この合成法ではSi−H末端が残存する恐れがある
が、それを避けるためにオレフィンを過剰に用いること
が常法となっている。しかも、残存オレフィンの除去は
困難であり、更に重金属触媒も生成物に残存するという
欠点を有する。
【0004】従って、これらの問題を解決し、構造制御
が容易且つ精密であり、原料の残存、副生成物の生成が
ない製造法の開発が望まれていた。長鎖アルキル基を有
するポリシロキサンが、正確な構造で、しかも原料、触
媒等の残存、副生成物の生成を抑えて製造できれば、化
粧品原料、離型剤、潤滑剤、熱媒などの広い用途に使用
でき、新たに複数の機能を付与することが可能である。
本発明の目的は、このような長鎖アルキル基を有するポ
リシロキサンの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、エチレンのリビング
重合の後に得られるリビングポリエチレンに環状シロキ
サンを反応させ、さらに環状シロキサン、末端に水酸基
を有する鎖状シロキサン又はこれらの混合物を触媒存在
下、重合することにより、末端に長鎖アルキル基を有す
るポリシロキサンを再現性よく合成できることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記工程
(1) 、(2) 、(3) 及び(4) をこの順に行うことを特徴と
する式(I)で表される分子末端に長鎖炭化水素基を有
する変性ポリシロキサンの製造法を提供するものであ
る。
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキ
ル基を示し、(r+2)個のR1及び(r+2)個のR2
同一でも異なっていてもよい。R3は平均炭素数16から60
0 の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基であり、rは0以上
の数である。) (1) 炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム/
3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビングアニ
オン重合させる工程。 (2) 上記工程(1) で得られたリビングポリエチレンに式
(II)で表される環状シロキサンを反応させ、必要に応
じて酸処理によりシラノール化して、式(III)で表され
る分子片末端にシラノール基あるいはシラノレート基を
有する変性ポリエチレンを得る工程。
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキ
ル基を示し、p個のR1及びp個のR2は同一でも異なって
いてもよい。pは3〜7の数である。)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R1及びR2は式(II)と同じ意味を
示し、sは1〜7の数を示す。R4は炭素数1〜6の直鎖
又は分岐のアルキル基であり、Aは水素又はリチウムで
あり、nは1〜300 の数である。) (3) 上記工程(2) で得られた式(III) で表される変性ポ
リエチレンと、前述の式(II)で表される環状シロキサ
ン、次式 (IV) で表される両末端に水酸基を有する鎖状
シロキサン又はこれらの混合物を酸触媒又は塩基触媒存
在下、平衡化重合する工程。
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキ
ル基を示し、q個のR1及びq個のR2は同一でも異なって
いてもよい。さらに、式(II)におけるR1, R2とは同一
でも異なっていてもよい。qは1以上の数である。) (4) 上記工程(3) で得られた生成物を中和、脱水する工
程。
【0014】以下に本発明の製造法についてさらに詳し
く説明する。工程(1) は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐
のアルキルリチウム/3級ジアミン系開始剤によるエチ
レンのリビングアニオン重合を行う工程である。このリ
ビングアニオン重合においては、脂肪族炭化水素溶媒が
用いられる。かかる溶媒の具体例としては、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シク
ロペンタン等が挙げられる。
【0015】炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリ
チウムとしては、メチルリチウム、エチルリチウム、n
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、イソブチルリチウム等が挙げられ
る。3級ジアミンとしては、二つの窒素間の炭素数が2
ないし3個のものが好適に用いられ、2個のものが特に
好ましい。かかるジアミンの具体例としては、テトラメ
チルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、ジピロリ
ジノエタン、スパルテイン等が挙げられる。これら3級
ジアミンは通常アルキルリチウムに対して 0.1〜10当量
用いられる。アミンの使用量が 0.1当量より少ないと重
合が非常に遅くなり、10当量を超えるとリビング末端が
失活し、目的の分子量に到達しない。
【0016】上記アルキルリチウム及び3級ジアミンを
含む溶液にエチレンを導入することで、エチレンのリビ
ング重合を行う。エチレンの導入圧力には特に制限はな
いが、1kg/cm2 〜 100kg/cm2 が適当である。1kg/
cm2 未満の低圧においては重合反応が遅すぎ、経済的で
はない。一方、 100kg/cm2 を超える高圧においては、
重合が速すぎて反応の制御が困難である。重合温度には
特に制限はないが、0℃〜 100℃が適当である。好まし
くは20℃〜80℃である。0℃未満では重合反応が非常に
遅くなり、生成するリビングポリエチレンが低分子量で
沈澱するため好ましくない。 100℃を越えるとリビング
末端の失活が生じるため好ましくない。重合時間は、重
合温度、3級ジアミン濃度、エチレン導入圧力等によっ
て異なるが、一般に 0.1時間から24時間程度である。た
だし、重合熱を除去できる限りなるべく短時間であるこ
とがリビング末端の失活を防ぐ点で好ましい。これら重
合条件を変化させることで生成するポリエチレンの平均
分子量を正確に制御することができる。
【0017】工程(2) は、上記工程(1) で生成したリビ
ングポリエチレンに前記式(II)で表される環状シロキ
サンを反応させ、必要に応じて酸処理によりシラノール
化して、前記式(III) で表される変性ポリエチレンを得
る工程である。式(II)及び(III) において、R1及びR2
は炭素数1〜6のアルキル基であるが、具体例としては
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基等が挙げられる。
【0018】式(III) において、シロキサン末端のA原
子は、水素かリチウムであり、それらの混合物も含まれ
る。式(III) において、エチレンの重合度(n)は1〜
300 である。重合度が300を超えるものは、末端シラノ
ール基又はシラノレート基の濃度が低すぎ好ましくな
い。
【0019】シロキサンユニット数(s)は後に述べる
ように、反応させる環状シロキサンによって異なるが、
最小は1ユニットであり、最大は式(II)で表される環
状シロキサンのシロキサンユニット数であるが、大環状
のものを用いることによって7以上にすることも原理的
には可能である。また、分子毎にsは異なってもよい。
【0020】式(II)で表される環状シロキサンの添加
量は、シロキサンユニットのモル量がリビングポリエチ
レンのモル量以上であれば特に制限はない。しかし、副
反応の抑制等を考慮すればシロキサンユニットとして2
倍モル以上を用いることが好ましい。式(II)で表され
る環状シロキサンは、十分に攪拌しながら速やかに行う
のであれば、そのままあるいはその炭化水素溶液とし
て、リビングポリエチレンの溶液に添加しても差し支え
ない。ただし、1つのケイ素原子に2つのリビングポリ
エチレンが反応するような副反応を避けるために、あら
かじめ炭化水素溶媒に希釈しておいた環状シロキサン
に、十分に攪拌しながら、リビングポリエチレン溶液を
徐々に加えるのが特に好ましい。
【0021】反応温度には特に制限はないが、0℃〜 1
00℃が適当である。好ましくは20℃〜80℃である。0℃
未満ではリビングポリエチレンが沈澱するため好ましく
なく、 100℃を超えると副反応が生じやすくなるため好
ましくない。一般にはエチレンの重合温度付近で行う。
この反応は前述の温度範囲では速やかに起こるため、反
応時間は数分程度で十分であるが、生成物が沈澱する場
合などは数時間を必要とする場合がある。通常、30分〜
5時間程度行う。
【0022】この様にして得られるものは式(III) にお
いて、Aがリチウムである片末端シラノレート基変性ポ
リエチレンであるが、必要により中和を行い、Aが水素
原子である片末端シラノール基変性ポリエチレンが得ら
れる。中和は得られた片末端シラノレート基変性ポリエ
チレンに使用開始剤量に対し当量の酸を加えて中性に
し、水洗によって生成した塩を除くことにより行う。た
だし、固体酸を用いたときは濾過によって除去すること
ができる。これで高収率で片末端シラノール基変性ポリ
エチレンが合成できるが、場合によっては再沈澱等の精
製を行うこともできる。
【0023】この反応の生成物はほとんどがポリエチレ
ン末端にシロキサンユニットを1〜7個有するシラノー
ル又はシラノレートであるが、反応条件等によってはそ
の脱水カップリング物が副生することがある。このカッ
プリング物は次の工程にてシラノールと同様の反応を行
うため、合成上、特に問題にはならないが、必要により
加水分解等を行って、2分子のシラノール又はシラノレ
ートに分解しても良い。
【0024】工程(3) は、上記工程(2) で合成した式(I
II) で表される変性ポリエチレンと、前記式(II)で表
される環状シロキサン、前記式 (IV) で表される両末端
に水酸基を有する鎖状シロキサン又はこれらの混合物と
を、酸触媒又は塩基触媒存在下、平衡化重合する工程で
ある。式 (IV) において、R1及びR2は炭素数1〜6のア
ルキル基であるが、具体的には式(II)の場合と同じで
ある。またqは1以上の数であれば特に制限はないが、
粘度、反応溶媒への溶解性から、好ましくは1〜3000で
ある。
【0025】生成するポリシロキサンの分子量には制限
はないが、上記工程(2) で合成した式(III) で表される
変性ポリエチレンと式(II)で表される環状シロキサン
及び/又は式 (IV) で表される両末端に水酸基を有する
鎖状シロキサンとの仕込モル数によって、その分子量を
任意に決めることができる。また、触媒の具体例として
は、酸触媒として、硫酸等の無機酸、メタンスルホン酸
等のスルホン酸、イオン交換樹脂等の固体酸等が好適に
用いられる。塩基触媒としては、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物、水酸化テトラアルキルアンモニ
ウム、水酸化テトラアルキルアンモニウムと環状シロキ
サンより調製したシラノレート等が好適に用いられる。
触媒の添加量には特に制限はないが、シロキサンユニッ
トのモル数に対して、0.01〜1モル%程度で十分であ
る。
【0026】また、本工程においては、触媒の溶解性あ
るいは原料同士の相溶性を上げるために、適宜溶媒を加
えてもよい。かかる溶媒の具体例としては、トルエン等
の芳香族炭化水素、オクタン等の脂肪族炭化水素等があ
る。反応温度には特に制限はないが、20℃〜 300℃が適
当である。好ましくは60℃〜 200℃である。20℃未満で
は反応系が不均一になり、 300℃を越えると環状シロキ
サン等の副生成物が生じやすくなるため好ましくない。
反応時間は仕込みの原料の量、温度等の反応条件によっ
てかなり異なるが、通常、8時間〜7日間程度で行われ
る。
【0027】工程(4) は、工程(3) で得られた生成物の
中和、脱水を行う工程である。上記工程(3) まででは末
端に酸あるいは塩基触媒の残存したポリシロキサンが生
成している。そのため、中和を行い、触媒の残存した末
端をすべて中性のシラノールにする。本工程では触媒量
から算定した塩基あるいは酸を加えて中性にする。ここ
で、不溶の塩が生ずる場合、水洗を行うことにより容易
に除くことができる。ただし、固体酸を用いたときは濾
過によって、塩基として水酸化テトラアルキルアンモニ
ウムを用いたときには加熱分解処理によって除去するこ
ともできる。ここで生成したシラノールを脱水管を取付
けた装置によって加熱、脱水を行い、カップリング反応
を起こさせ、生成物を得る。脱水反応はポリシロキサン
が低分子量であり、粘度が低いときはニートで行われる
が、粘度が高いときはトルエン等の炭化水素溶媒中で還
流させて脱水する。生成物は溶媒を留去して得られる
が、場合によっては再沈澱等の精製を行う。
【0028】このようにして式(I)で表される分子末
端に長鎖炭化水素基を有するポリシロキサンが得られ
る。式(I)において、R1及びR2は炭素数1〜6のアル
キル基を示すが、具体的には上記(II)及び(III) の場
合と同じである。
【0029】式(I)において、R3は平均炭素数16から
600の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を示すが、好まし
くは平均炭素数27〜300 、さらに好ましくは平均炭素数
27〜100 である。平均炭素数が16未満であると、生成物
はオイル状となり、閉塞性、炭化水素系原料との相溶性
に乏しい。また600 を超えると、ポリシロキサンの効果
が出なくなり、極性基剤との相溶性、耐熱性、配合品の
光沢などがなくなる。R3で示される分岐の飽和炭化水素
基としては、長鎖アルキル基の末端から数えて5番目ま
での炭素原子において、炭素数1〜5の短鎖の分岐を持
つものが挙げられる。分岐の具体例としては、2−メチ
ル基、3−メチル基、2,2−ジメチル基等が挙げられ
る。これらの末端の分岐鎖は、アルキル基鎖長の短い場
合には生成物の融点を下げる効果があるが、その他の物
性に対しては何ら影響を与えない。
【0030】式(I)において、rは0以上の数である
が、好ましくは3000以下、更に好ましくは2000以下の数
である。rが3000を超えると長鎖アルキル基の効果がで
なくなり、潤滑性、閉塞性がなくなる。また、溶解時の
粘度が高くなりすぎて、混和性も乏しくなる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を用いて更に詳しく本発明を説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されない。
【0032】実施例1 窒素置換した1リットルのオートクレーブに乾燥シクロ
ヘキサン 400ml、テトラメチルエチレンジアミン3ml、
n−ブチルリチウム(1.6モル/リットル)12.5ml(0.02
モル)を仕込み、反応系の温度を30℃、エチレンガス導
入圧力を2kg/cm2 に保ちながら、エチレンガスを 8.2
リットル導入してリビング重合を行った。その後、エチ
レンガスを除去し、窒素置換した。あらかじめ、1リッ
トルのナスフラスコにオクタメチルシクロテトラシロキ
サン11.8g、乾燥シクロヘキサン10ml溶液を用意してお
き、前述の重合混合物を窒素気流下、滴下した。滴下終
了後、30℃で1時間反応させた後、反応混合物を2リッ
トルのメタノールに投入した。1時間攪拌した後、減圧
濾過にて生成した固体を集め、50℃のオーブンにて真空
下に24時間乾燥し、白色ワックス状固体を得た。生成物
の収量は12.0g、GPC分析(Waters社製、オルトジク
ロロベンゼン、 135℃、ポリエチレン標準サンプルで較
正)の結果、数平均分子量は 610、分子量分布は1.03で
あった。1H−NMR分析(Bruker社製、200MHz、クロ
ロホルム−d、50℃、標準はTMSを用いた。)の結
果、−0.05ppm(シングレット) にシリル基に結合してい
るメチル基、 0.4ppm(トリプレット) にシリル基に結合
しているメチレン基、 0.8ppm(トリプレット) に開始末
端メチル基、1.2ppm付近に主鎖のメチレン基のシグナル
が観察された。各々のシグナルの積分比から、末端シラ
ノール基導入率99%であることがわかった。また、シロ
キサンユニットの導入数はポリエチレン末端当たり平均
1.4個であった。
【0033】次にコンデンサを取付けた1リットルのセ
パラブルフラスコに、上記で合成した末端シラノール基
変性ポリエチレン12.0g、オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン88g、トルエン 100mlを入れ、トルエンが還流
するまでオイルバス上で加熱した。全ての原料が均一に
溶解したところで水酸化カリウム0.01gを加え、そのま
ま48時間還流を続けた。その後、1Nアルコール性塩酸
溶液0.18mlを加え、十分に攪拌を行った。水を加え、p
Hが7であることを確認し、水によって生成した無機塩
を抽出した。加熱したまま水洗を三度行い、コンデンサ
の代わりにディーンスターク管を取付け、完全に脱水す
るまでトルエン還流を行った。トルエンを留去し、脆い
ゴム状の白色ワックスを得た。生成物の収量は96gであ
った。GPC分析(Waters社製、オルトジクロロベンゼ
ン、 135℃、ポリスチレン換算)の結果、重量平均分子
量は 18600、分子量分布は2.03であった。1H−NMR
分析(Bruker社製、200MHz、クロロホルム−d、50℃、
標準はTMSを用いた。)の結果、−0.05ppm(シングレ
ット) にシリル基に結合しているメチル基、 0.4ppm(ト
リプレット) にシリル基に結合しているメチレン基、
0.8ppm(トリプレット) に開始末端メチル基、1.2ppm付
近にポリエチレン鎖のメチレン基のシグナルが観察され
た。各々のシグナルの積分比から、ポリエチレン部分と
シロキサン部分の重量比は10:90であることがわかっ
た。
【0034】比較例1 コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコ
に、末端ハイドロジェン変性ポリシロキサン(チッソ
(株)製、PS542、Mw=17500)94gとダイアレン
30(三菱化成(株)製:C30以上のα−オレフィン混
合物(平均C38のものを使用))6g、トルエン 100ml
を仕込み、塩化白金酸を白金換算で100ppm加え、80℃で
24時間反応させた。再沈澱精製後、やや褐色の柔らかい
ワックスを得た。収量は96g、1H−NMR分析、IR
分析の結果、末端ハイドロジェン残存率は10%、オレフ
ィンの残存率は5%であった。
【0035】比較例2〜4 ダイアレン30の仕込量、反応条件を表1に示すように
変化させた以外は比較例1と同様の方法で行った。合成
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2〜3 開始剤を表2に示すように変更した以外は実施例1と同
様の方法で行った。合成結果を、実施例1の結果ととも
に表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】実施例4〜5 エチレンの導入量、重合温度、末端シラノール変性ポリ
エチレン仕込み量、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ンの仕込量、ポリシロキサンの重合条件を表4〜5のよ
うに変化させた。実験操作、手順は実施例1と同様に行
った。ただし、実施例5についてはエチレンの重合は高
耐圧性のステンレス製オートクレーブを用いた。末端シ
ラノール変性ポリエチレンの合成結果を表4に、ポリシ
ロキサンの合成結果を表5に、それぞれ実施例1の結果
とともに示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】実施例6〜7 末端シラノール変性ポリエチレン及びオクタメチルシク
ロテトラシロキサンの仕込量を表6に示すように変更し
た以外は実施例1と同様の方法で行った。合成結果を、
実施例1の結果とともに表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明により、分子末端に長鎖アルキル
基を有するポリシロキサンを高収率で得ることができ
る。特に本発明で得られるポリシロキサンは分子末端の
長鎖アルキル基をエチレンのリビングアニオン重合によ
って得ているため、アルキル基の鎖長の制御が精密で、
高分子量化も容易である。従って、期待する物性の付与
が容易である。また、除去の容易な触媒を用いており、
原料や中間体の残存も極めて少ないことから、生成物の
安全性が高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程(1) 、(2) 、(3) 及び(4) をこ
    の順に行うことを特徴とする式(I)で表される分子末
    端に長鎖炭化水素基を有する変性ポリシロキサンの製造
    法。 【化1】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
    (r+2)個のR1及び(r+2)個のR2は同一でも異な
    っていてもよい。R3は平均炭素数16から600 の直鎖又は
    分岐の飽和炭化水素基であり、rは0以上の数であ
    る。) (1) 炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム/
    3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビングアニ
    オン重合させる工程。 (2) 上記工程(1) で得られたリビングポリエチレンに式
    (II)で表される環状シロキサンを反応させ、必要に応
    じて酸処理によりシラノール化して、式(III)で表され
    る分子片末端にシラノール基あるいはシラノレート基を
    有する変性ポリエチレンを得る工程。 【化2】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
    p個のR1及びp個のR2は同一でも異なっていてもよい。
    pは3〜7の数である。) 【化3】 (式中、R1及びR2は式(II)と同じ意味を示し、sは1
    〜7の数を示す。R4は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のア
    ルキル基であり、Aは水素又はリチウムであり、nは1
    〜300 の数である。) (3) 上記工程(2) で得られた式(III) で表される変性ポ
    リエチレンと、前述の式(II)で表される環状シロキサ
    ン、次式 (IV) で表される両末端に水酸基を有する鎖状
    シロキサン又はこれらの混合物を酸触媒又は塩基触媒存
    在下、平衡化重合する工程。 【化4】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基を示し、
    q個のR1及びq個のR2は同一でも異なっていてもよい。
    さらに、式(II)におけるR1, R2とは同一でも異なって
    いてもよい。qは1以上の数である。) (4) 上記工程(3) で得られた生成物を中和、脱水する工
    程。
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