JP3568698B2 - エマルジョン組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願発明は、例えば建築物、自動車、家電製品、プラスティックなどに対する各種コーティング剤、各種繊維処理剤等として好適に使用可能な分散型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
末端に加水分解性シリル基を有するイソブチレン系重合体の硬化物は、高いガスバリアー性、良好な耐候性、高い電気絶縁性を示すことが明らかになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの物質をコーティング剤又は繊維処理剤として用いた場合、均一でなおかつ薄い塗膜を得ることは困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この出願発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、イソブチレン系重合体をエマルジョン化することにより、均一で薄い塗膜を得ることに成功し、この出願発明を完成した。すなわち、この出願発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体(ただし、粘度が5Pa・s〜500Pa・sである重合体を除く)を含有する架橋型水分散性組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
この出願発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基、(すなわち反応性ケイ素基、)を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体(ただし、粘度が5Pa・s〜500Pa・sである重合体を除く)(以下、飽和炭化水素系重合体Aという。)が使用される。
この出願発明において用いられる上記反応性ケイ素基はよく知られた官能基であり、その代表例としては、一般式(1):
【0006】
【化3】
Figure 0003568698
【0007】
〔式中、RおよびRはいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR SiO−(Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のRは同じか異なる)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、RまたはRが2個以上存在するとき、それらは同じか異なる。Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以上存在するとき、それらは同じか異なる。aは0〜3の整数、bは0〜2の整数、ただし、a+Σb≧1。また、m個の
【0008】
【化4】
Figure 0003568698
【0009】
におけるbは同じか異なる。mは0〜19の整数。〕で表される基を挙げることができる。
【0010】
一般式(1)の加水分解性基としては、特に限定されるものではなく、従来既知の加水分解性基でよいが、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等を挙げることができる。これらのうちでは、加水分解性が温和で、取り扱いやすいという点から、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基が特に好ましい。
【0011】
この加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σb)は1〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであっても、異なっていてもよい。
この反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個以下のものが好ましい。特に、一般式(2):
【0012】
【化5】
Figure 0003568698
【0013】
(式中、R、Xおよびaは前記と同じである。)
で表される反応性ケイ素基が入手容易であるので好ましい。
【0014】
また、上記一般式(1)、(2)におけるRおよびRとしては、たとえばメチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基や、Rがメチル基、フェニル基などであるR SiOーで示されるトリオルガノシロキシ基等があげられ(好ましく)、RやRとしてはメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体の1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在する。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現し難くなることがある。
【0015】
反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体分子鎖の末端に存在していても、内部に存在していてもよいが、両方に存在していてもよい。反応性ケイ素基が分子鎖末端に存在する場合には、最終的に形成される硬化物に含まれる飽和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる等の点から特に好ましい。また、これら反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は単独で使用しても、2種以上併用して使用してもよい。
【0016】
この出願発明において用いられる飽和炭化水素系重合体Aは、
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させる方法、
(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりした後水素添加する方法、
などの方法により製造することができるが、末端に官能基を導入しやすい、分子量制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体あるいは水添ポリイソプレン系重合体であることが好ましく、イソブチレン系重合体がとくに好ましい。
このうち、イソブチレン系重合体については、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいが、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位を含有してもよい。そのような単量体単位の含有量は、イソブチレン系重合体中の50%(重量%、以下同様)以下が好ましく、30%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましくい。
【0017】
このような単量体成分としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられる。
このような共重合体成分(単量体成分)としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0018】
イソブチレンと共重合性を有する単量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用すると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤として作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が向上する。
【0019】
水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、他の単量体単位を含有させてもよい。
【0020】
また、この出願発明の飽和炭化水素系重合体Aには、この出願発明の目的が達成される範囲でブタジエン、イソプレン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘキサジエンのようなポリエン化合物などの重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好ましくは10%以下、さらには5%以下、特には1%以下の範囲で含有させてもよい。
【0021】
飽和炭化水素系重合体Aは、イソブチレン系重合体、水添ポリイソプレンまたは水添ポリブタジエン系重合体が好ましく、数平均分子量は、500〜100000程度であるのが好ましく、500〜40000がさらに好ましく、1000〜40000程度の液状物、流動性を有するものであるのが取り扱いやすさなどの点から特に好ましい。
また、分子量分布(Mw/Mn)に関しては、同一分子量における粘度が低くなるという点で分子量分布が狭いほど好ましい。
【0022】
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製造方法について、特にイソブチレン系重合体および水添ポリブタジエン系重合体の場合を例として説明する。
反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体のうち、分子末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重合法)で得られた末端官能型、好ましくは全末端官能型イソブチレン系重合体を用いて製造することができる。
【0023】
イニファー法では主に末端にハロゲン原子を有する重合体が得られるが、このハロゲン原子の反応性を利用して反応性ケイ素基を導入することができる。例えば、この重合体の脱ハロゲン化水素反応や特開昭63−105005号公報に記載されているような不飽和シラン化合物を用いた重合体への不飽和基導入反応等により末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを得た後、一般式(3)で表されるヒドロシラン化合物(この化合物は一般式(1)で表される基に水素原子が結合した化合物である。)、好ましくは、一般式(4)で示される化合物を白金触媒を用いてヒドロシリル化反応と呼ばれる付加反応をさせることにより反応性ケイ素基を重合体に導入する方法があげられる。
【0024】
【化6】
Figure 0003568698
【0025】
(式中、R、R、X,aおよびbは前記と同じである。)
【0026】
【化7】
Figure 0003568698
【0027】
(式中、R、Xおよびaは前記と同じである。)
【0028】
この一般式(3)で表されるヒドロシラン化合物の具体例としては、例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシラン等のハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン等のアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン等のケトキシメートシラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうち、特にアルコキシシラン類が好ましい。このような製造法の例は、特開昭63−6003号、同63−6041号、同63−254149号、同64−22904号、同64−38407号の各明細書等に記載されている。
【0029】
また、分子内に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主体とする単量体中に、反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類を添加し、共重合させることによって製造される。
【0030】
さらに、分子内部および分子末端の両方に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、上記分子末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体を製造する際の重合にあたって、主成分であるイソブチレン単量体以外に反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類等を共重合させた後、末端に反応性ケイ素基を導入することによって製造することができる。
【0031】
この反応性ケイ素基を有するビニルシラン類やアリルシラン類等の具体例としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルジメトキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
水添ポリブタジエン系重合体の製造法については、例えば、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基にした後、一般式:
CH=CH−R−Y
(式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、Rは−R−、
−R−OC(=O)−または−R−C(=O)−(Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、好ましい具体例としてはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリレ−ン基、アラルキレン基が挙げられる)で示される2価の有機基で、−CH−、−p−R−C−CH−(Rは炭素数1〜10の炭化水素基)より選ばれた2価の基が特に好ましい。)
で示される不飽和基含有有機ハロゲン化合物を反応させることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体ともいう)をまず製造する。
【0033】
末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、Na、Kなどのアルカリ金属;NaHなどの金属水素化物;NaOCHなどの金属アルコキシド;NaOH、KOHなどの苛性アルカリなどと反応させる方法が挙げられる。
【0034】
上記方法において、出発原料として使用した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場合には、不飽和基含有有機ハロゲン化合物を反応させる前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)エーテルなどの、1分子中にハロゲン原子を2個以上含む多価有機ハロゲン化合物と反応させれば分子量を増大させることができ、その後不飽和基含有有機ハロゲン化合物と反応させれば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する水添ポリブタジエン系重合体を得ることができる。
【0035】
不飽和基含有有機ハロゲン化合物の具体例としては、例えばアリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。これらのうちでは安価で、かつ容易に反応するなどの理由からアリルクロライドが好ましい。
末端オレフィン水添ポリブタジエン系重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子末端に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同様に、前記したヒドロシリル化反応により達成することができる。
【0036】
この出願発明の水分散性組成物を製造するには、必要に応じて乳化剤として界面活性剤等を使用することができる。界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル類、リン酸エステル類、あるいはこれらの塩類等、具体的にはラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸等の脂肪族炭化水素基置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族炭化水素基置換ナフタレンスルホン酸、ポリエチレングリコール硫酸エステル塩、ラウリルリン酸塩、等が例示される。
【0037】
また、この出願発明における乳化剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、あるいはリン酸カルシウム類を用いることも可能である。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、等の非イオン系乳化剤あるいはふっ素系乳化剤を用いることも可能である。
【0038】
また、この出願発明においては、必要に応じて有機溶剤を用いることも可能である。有機溶剤としては、通常、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル等を使用するが、これらの中でもシクロヘキサン、トルエン、酢酸ブチル等が好ましい。
【0039】
また、この出願発明においては、可塑剤を用いることも可能である。可塑剤とは流動特性を調整し、作業性をよくするためのものであり、一般的に使用されている可塑剤が使用できるが、飽和炭化水素系重合体と相溶性のよいものが好ましい。相溶性のよい可塑剤の具体例としては、例えばポリブテン、水添ポリブテン、α−メチルスチレンオリゴマ−、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ましくは不飽和結合を含まない水添ポリブテン、水添液状ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチックポリプロピレンなどの炭化水素系化合物類が好ましい。これらの可塑剤は、単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。さらに単独では相溶性が悪い可塑剤についても、上記炭化水素系化合物類との併用により相溶性を良好にすれば使用できる。
【0040】
この出願発明においては、シラノール縮合触媒を使用してもよい。シラノール縮合触媒の具体例としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール複合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
【0041】
これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
シラノール縮合触媒の配合量は、成分である飽和炭化水素系重合体A、100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ましく、1〜10重量部が更に好ましい。
【0042】
この出願発明において、水分散性組成物中の水の量は、通常、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体A、100部にたいして25〜1500部使用するが、100〜1000部使用するのがより好ましい。
【0043】
この出願発明の架橋水分散性組成物の調製方法は、特に制限はないが、調製の際には攪拌をおこなうことが望ましい。攪拌の際には、ホモジナイザー、ホモミキサー、ロール、ニーダー等を使用することができる。
この出願発明の架橋型水分散性組成物は種々の用途に使用できる。特に好ましいものは、コーティング剤又は繊維処理剤である。
【0044】
【実施例】
製造例1
飽和炭化水素系重合体Aの製造
1Lの耐圧ガラス製オートクレーブに一般式(5):
【0045】
【化8】
Figure 0003568698
【0046】
で示される化合物(P−DCC)7.5mmoleを入れ、攪拌用羽根、三方コック及び真空ラインを取り付けた後、内部を窒素置換した。その後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注射器を用いてオ−トクレ−ブにモレキュラ−シ−ブ処理によって乾燥させた溶媒、トルエン330mL、ヘキサン141mLを導入した。次いで添加剤α−ピコリン3.0mmolを添加した。次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させることにより脱水したイソブチレンが113g入っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コックに接続した後、容器本体を−70℃のドライアイスーアセトンバスに浸積し、重合器内部を攪拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空ラインにより内部を減圧した後、ニ−ドルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から重合容器に導入した。その後三方コックの一方から窒素を流すことにより常圧に戻した。次に、重合容器内が−70℃で安定していることを確認し、TiCl7.18g(3.8mmol)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開始させ、2時間経過した時点で、アリルトリメチルシラン2.57g(22.5mmole)を添加した。さらに1時間反応させた後、反応混合物を水に注ぎ込むことにより触媒を失活させた。次に有機層を純水により3回洗浄した後分液し、溶剤を減圧留去することにより、アリル基末端のイソブチレンポリマ−を得た。次いで、こうして得られたアリル基末端のイソブチレンポリマ−100gを、n−ヘプタン50mLに溶解し、約70℃まで昇温した後、メチルジメトキシシラン1.2[eq./アリル基]、白金(ビニルシロキサン)錯体1×10−4[eq./アリル基]を添加し、ヒドロシリル化反応を行った。FT−IRにより反応追跡を行い、約4時間で1640cm−1のオレフィン由来の吸収が消失したのを確認し、反応を停止した。反応溶液を減圧濃縮することにより、次の構造を有すると考えられる、目的とする両末端に反応性ケイ素を有するイソブチレンポリマーが得られた。
【0047】
【化9】
Figure 0003568698
【0048】
こうして得られたポリマ−の収量より収率を算出するとともに、Mn及びMw/MnをGPC法により、また、末端構造を300MHz1H−NMR分析により各構造に帰属するプロトン(開始剤由来のプロトン:6.5〜7.5ppm、ポリマ−末端由来のケイ素原子に結合したメチルプロトン:0.0〜0.1ppm及びメトキシプロトン:3.5〜3.4)の共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。ポリマーの分析値は、Mn=17500(但し、ポリスチレン換算値)、Mn/Mw=1.30、Fn(シリル)=2.00であった(Fn(シリル)はNMR分析により求めた重合体におけるシリル基の当量数と開始剤に基因する基の当量数の比であり、イソブチレンポリマー1分子当たりの末端シリル官能基の個数を示す指標と考えられる)。
【0049】
実施例1〜3
製造例1で得られたイソブチレン系重合体の有機溶剤溶液あるいは可塑剤溶液、水、界面活性剤、および必要に応じてシラノール縮合触媒を表に示す割合で仕込み、ホモジナイザーを用いて25℃で攪拌し、水分散性組成物を得た。
【0050】
Figure 0003568698
【0051】
実施例4
実施例1〜3で得られた架橋型水分散性組成物をステンレス鋼板に塗布した後、50℃のオーブンで3日間養生し、均質な塗膜を得た。
【0052】
【発明の効果】
この出願発明の方法により、均一で薄い塗膜を与えるエマルジョンを得ることができるので、建築物、自動車、家電製品、プラスティックなどに対する各種コーティング剤、各種繊維処理剤等として好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体(ただし、粘度が5Pa・s〜500Pa・sである重合体を除く)を含有することを特徴とする架橋型水分散性組成物。
  2. シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基が一般式(1)
    Figure 0003568698
    〔式中、RおよびRはいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR SiO−(Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のRは同じか異なる)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、RまたはRが2個以上存在するとき、それらは同じか異なる。Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以上存在するとき、それらは同じか異なる。aは0〜3の整数、bは0〜2の整数、ただし、a+Σb≧1。また、m個の
    Figure 0003568698
    におけるbは同じか異なる。mは0〜19の整数。〕
    で表される基であることを特徴とする請求項1に記載の架橋型水分散性組成物。
  3. 加水分解性基が、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基またはアルケニルオキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の架橋型水分散性組成物。
  4. 加水分解性基が、アルコキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の架橋型水分散性組成物。
  5. 飽和炭化水素系重合体が、イソブチレン系重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋型水分散性組成物。
  6. 乳化剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の架橋型水分散性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物よりなるコーティング剤。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物よりなる繊維処理剤。
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