JPH06306128A - ブロック共重合体及び組成物 - Google Patents

ブロック共重合体及び組成物

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JPH06306128A
JPH06306128A JP12080793A JP12080793A JPH06306128A JP H06306128 A JPH06306128 A JP H06306128A JP 12080793 A JP12080793 A JP 12080793A JP 12080793 A JP12080793 A JP 12080793A JP H06306128 A JPH06306128 A JP H06306128A
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JP
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block
molecular weight
isoprene
block copolymer
butadiene
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JP12080793A
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Hideo Takamatsu
秀雄 高松
Mizuho Maeda
瑞穂 前田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ブタジエンからなり、1,4結合含有量が8
0%以上である数平均分子量が3000〜300000
のブロック(A)と、イソプレンもしくはイソプレン−
ブタジエンからなり、3,4結合及び1,2結合含有量
が40%以上であり、−20℃以上にtanδの主分散
のピークを有する数平均分子量が30000〜2000
00のブロック(B)とからなり、ブロック(A)とブ
ロック(B)の結合の形態がA−B−A又は(A−B)
n(nは1以上の整数である)で表される、その分子鎖
中の炭素−炭素二重結合の80%以上が水添された分子
量が40000〜300000であるブロック共重合
体。 【効果】 熱可塑性を有しており、制振性に優れるうえ
に耐油性及び耐溶剤性に優れた熱可塑性エラストマーが
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制振性能に優れ、かつ
耐油、耐溶剤性に優れる新規ブロック共重合体及びそれ
を用いてなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等交通機関の発達に伴い、
これに起因する騒音、振動が大きな社会問題となってき
た。また自動車内部にも、低振動、低騒音性という高度
な要求が求められるに至っている。また、複写機、プリ
ンター等の事務機器も、一般家庭で広く使用されるよう
になり、これらの機器の発生する騒音、振動の低減が重
要な課題となっている。さらにまた、生活様式の変化か
ら、家庭用電気製品は大型化しており、冷蔵庫、洗濯
機、掃除機等の振動を伴う機器の低振動、低騒音化によ
る静粛性も商品としての重要な性能の一つとなってい
る。
【0003】従来、この振動、騒音を低減するために、
様々なバネ類、防振ゴム等が使用されてきたが、上述の
様々な要求には対応しきれなくなってきた。この方法
は、振動の伝達を遮断することにより振動、騒音の発生
を低下させるというものであるが、これとは別に、振動
そのものを抑えるという、いわゆる制振という方法が広
まってきた。これは各種粘弾性体を振動するものに貼付
ける、或るいは挟み込むことにより振動の発生を抑える
という方法である。
【0004】この目的に使用し得る材料として、一定の
ミクロ構造を有するジエン系モノマーと、芳香族ビニル
系モノマーからなるブロック共重合体が提案されている
(特開平2−102212号公報、特開平2−3002
18号公報)。この共重合体は熱可塑性を有する弾性体
であり、優れた制振特性に加え、高い加工性、施工性、
成型性を有するが、実際の使用に於いて潤滑油等の油
類、ガソリン、クリーニング用溶剤等の溶剤に対する耐
性に乏しく、これらと接触した場合、膨潤ないしは溶解
してしまうという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性を
有し、制振性と同時に優れた耐油、耐溶剤性を有する熱
可塑性エラストマーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記課題
は、ブタジエンからなり、1,4結合含有量が80%以
上である数平均分子量が3000〜30000のブロッ
ク(A)と、イソプレンまたはイソプレン−ブタジエン
混合物からなり、3,4結合及び1,2結合含有量が4
0%以上であり、−20℃以上にtanδの主分散のピ
ークを有する数平均分子量が30000〜200000
のブロック(B)からなり、ブロックの結合の形態がA
−B−A、又は(A−B)n(nは1以上の整数)で表
される、その分子鎖中の炭素−炭素二重結合の80%以
上が水添された分子量が40000〜300000であ
るブロック共重合体、および該ブロック共重合体を含有
してなる組成物により達成される。
【0007】本ブロック共重合体は、水添されたブタジ
エンブロック(A)が疑似架橋点を形成するため架橋反
応すること無く十分な強度的性質を示し、また、イソプ
レンまたはイソプレン−ブタジエン混合物からなるブロ
ック(B)が弾性に優れることから、張り合わせた後に
成型する場合にも十分な成型性を有する。また、本ブロ
ック共重合体は、熱可塑性を有しホットメルトによる成
型加工が可能であり成型加工が極めて容易である。
【0008】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本
発明のブロック共重合体においては、ブロック(A)の
1,4結合含有量が80%以上であるブタジエンの重合
体からなり、その分子鎖中の炭素−炭素二重結合の80
%以上が水添された構造がポリエチレンと同等の構造と
なり、100℃前後に融点を有する結晶構造をとる。こ
のような重合体ブロックはそのため常温領域では疑似架
橋点として働き十分な力学的強度を発揮する。また融点
以上の温度に於いては結晶が融解して可塑性、流動性を
示す。また、この構造は同時に油類、有機溶剤に対する
溶解性が低く、このことから耐油性、耐溶剤性を示す。
【0009】またブロック(B)のイソプレンまたはイ
ソプレン−ブタジエン混合物からなり、3,4結合及び
1,2結合含有量が40%以上であり、−20℃以上に
tanδの主分散のピークを有し、分子中の炭素−炭素
二重結合の80%以上が水添された構造は、弾性体とし
ての性質と、制振性という特性を発現する。
【0010】上記特性を発現するためには、ブロック
(A)のブタジエンの重合体は、数平均分子量が300
0〜30000で、1,4結合含有量が80%以上であ
り、その分子中の炭素−炭素二重結合の80%以上が水
添されていることが必要である。
【0011】分子量が3000より小さい場合には、十
分な機械的強度、耐溶剤性が発現されない。また300
00を越える場合には粘度が高くなり過ぎ、熱可塑性に
乏しくなり成型、加工性を損なう。またこのブロックの
分子鎖中の炭素−炭素二重結合の水添率が80%より小
さい場合には、ポリエチレンの比率が低く、結晶構造に
由来する機械的強度、耐油、耐溶剤性が発現しない。
【0012】また、本発明の共重合体のブロック(B)
はイソプレン、またはイソプレンとブタジエンの混合物
の重合体により構成されるが、他の単量体からなる場
合、例えば、ブタジエン単独の場合、1,2結合含有量
を増やしても制振性能を発現する温度がかなり低温とな
るために、実際に使用される温度での機能は得られず、
実用上の意義は少ない。イソプレンの場合、本発明の
3,4結合及び1,2結合含有量とすることにより、概
ね−20℃から50℃前後までの実用的な温度範囲で制
振性能を発揮することができ、広い用途に対応すること
が可能になり、実用上極めて有意義である。また、イソ
プレン−ブタジエンを併用する場合、イソプレンの比率
に配慮することにより−20℃以上で制振性能を発揮す
るような構造とし得る。ブロック(B)においてイソプ
レン−ブタジエンの混合物が使用される場合にはその共
重合の形態としてはランダム、テーパードのいずれでも
良い。
【0013】本発明のブロック共重合体のイソプレンま
たはイソプレンとブタジエン混合物から成るブロック
(B)は、3,4結合及び1,2結合含有量が40%以
上(100%でもよい)であることが必要である。3,
4結合及び1,2結合含有量が40%より少ない場合、
通常の使用温度領域で十分な制振性能が得られず好まし
くない。
【0014】また、ブロック(B)は、粘弾性測定によ
り得られるtanδ(損失正接)の主分散のピークの温
度が−20℃以上であることが必要である。−20℃よ
りも低い温度にしかピークがない場合には、通常の温度
領域で十分な制振性能が得られない。
【0015】このイソプレンまたはイソプレン−ブタジ
エンからなるブロック中の炭素−炭素二重結合も80%
以上が水添されていることが必要である。このブロック
の水添率はブロック共重合体の耐劣化性に影響し、水添
率が80%より小さい場合には耐熱性、耐候性に問題を
生ずる場合があり好ましくない。
【0016】このブロック(B)は数平均分子量が30
000〜200000の範囲にあることが必要である。
分子量が30000より小さい場合には、ブロック共重
合体の機械的強度が乏しく、逆に200000を越える
と溶融粘度が大きくなり過ぎ熱可塑性という特性を失
い、十分な成型性、加工性が得られない。
【0017】本ブロック共重合体中のブタジエンから成
るブロック(A)の割合は、5重量%〜50重量%の範
囲にあるのが望ましい。ブロック(A)の割合が5重量
%より小さいと、ブロック共重合体の機械的性質が不十
分となることがあり、逆に50重量%を超えると粘度が
著しく高くなるため加工が困難となり、また制振性能も
低下することがある。
【0018】得られるブロック共重合体の分子量は40
000〜300000の範囲にあることが必要である。
分子量が40000より小さいとブロック共重合体自体
の破断時の強度、伸度等の機械的強度が低下する。ま
た、300000を超えると加工性が悪くなる。この点
からブロック共重合体の分子量はより好ましくは500
00〜200000の範囲にあるのが良い。
【0019】本発明のブロック共重合体のブロック形態
は、A−B−A又は(AB)nで示され、ここでnは1
以上の整数であり、その上限にはとくに制限はないが、
通常6以下の値であるのが好ましい。本発明は異なった
形態のブロック共重合体の混合使用をさまたげない。本
発明のブロック共重合体は次の種々の方法により得られ
る。まず、アルキルリチウム化合物を開始剤としてブタ
ジエン、イソプレンまたはイソプレン−ブタジエンを逐
次重合させる方法によりA−Bの構造の共重合体が得ら
れ、またブタジエン、次いでイソプレンまたはイソプレ
ン−ブタジエン混合物を重合し、これをカップリング剤
によりカップリングする方法によりA−B−A又は(A
−B)nの構造の共重合体が得られる。
【0020】アルキルリチウム化合物の例としてはアル
キル残基の炭素原子数が1〜10のアルキル化合物があ
げられるが、とくにメチルリチウム、エチルリチウム、
ペンチルリチウム、及びブチルリチウムが好ましい。カ
ップリング剤としてジクロロメタン、ジブロモメタン、
ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジブロモベンゼン等
の2官能性のカップリング剤を使用した場合にはA−B
−Aの構造の共重合体が、四塩化スズ、四塩化チタン、
ジビニルベンゼン等の多官能性カップリング剤を使用し
た場合には(A−B)nの構造の共重合体が得られる。
【0021】重合時に使用される開始剤の使用量は、求
める分子量により決定される性質のものであるが、重合
に用いられる全モノマー100重量部に対し、概ね各開
始剤0.01〜0.2重量部、カップリング剤0.04
〜0.8重量部程度が適当である。
【0022】イソプレン、またはイソプレン−ブタジエ
ン混合物からなるブロック(B)のミクロ構造として
3,4結合及び1,2結合含有量が40%以上であり、
かつ−20℃以上にtanδの主分散のピークを持つよ
うにするためには、イソプレンまたはイソプレン−ブタ
ジエン混合物の重合の際に共触媒としてルイス塩基が用
いられる。ルイス塩基の例としてはジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル
類、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメ
チルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモル
ホリン等のアミン系化合物等があげられる。これらのル
イス塩基の使用量は重合触媒のリチウムのモル数に対し
概ね0.1〜1000倍の範囲が適当である。
【0023】重合の際には制御を容易にするために溶媒
を使用するのが好ましい。溶媒としては重合触媒に対し
不活性な有機溶媒が用いられる。特に炭素数が6〜12
の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましく用いられ
る。その例としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン等があげられ
る。重合はいずれの重合法を採用する場合も0〜80℃
の温度範囲で、0.5〜50時間の範囲で行われる。
【0024】得られたブロック共重合体は、公知の方法
により水添される。水添反応、水添触媒に対して不活性
な溶媒に溶解した状態で、公知の水添触媒により分子状
水素を反応させる方法が好ましく用いられる。使用され
る触媒としては、ラネーニッケル、あるいはPt、P
d、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、
珪藻土等の単体に担持させたもの等の不均一触媒、また
は遷移金属とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリ
チウム化合物等の組み合わせからなるチーグラー系の触
媒等があげられる。反応は、水素圧が常圧ないし200
kg/cm2 、反応温度が常温ないし250℃、反応時
間が0.1ないし100時間の範囲で行われる。反応後
のブロック共重合体は、反応液をメタノール等により凝
固させた後、加熱あるいは減圧乾燥させるか、反応液を
沸騰水中に注ぎ溶剤を共沸させ除去した後、加熱あるい
は減圧乾燥することにより得られる。
【0025】本発明のブロック共重合体は熱可塑性を有
し、ホットメルトによる成型加工が可能であり、優れた
加工性を有する。すなわち、ニーダー等により加熱下に
溶融混練し、溶融下にコーティングしたり、あるいはプ
レス等により成型する方法、または押出機により成型す
る方法等を採ることができる。これらのいずれの方法に
よっても、架橋等の反応を必要とせず、成型後冷却する
ことにより十分な強度的性質を示す成型物が得られる。
【0026】本発明のブロック共重合体は、必要に応じ
各種配合剤を配合して使用される。その例としては、ロ
ジン、テルペン、石油樹脂等の粘着付与樹脂、DOP、
DOA、プロセスオイル等の可塑剤、カーボンブラッ
ク、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、グラフ
ァイト等の補強剤、充填剤、着色剤等があげられる。こ
れらの内、特にマイカは制振性能を向上させることから
好ましく用いられる。これらの配合剤の使用量は、粘着
付与樹脂については10〜300重量部、補強剤、充填
剤については20〜250重量部、マイカについては2
0重量部以上の範囲が適当である。
【0027】また本発明のブロック共重合体は架橋する
ことなく十分な機械的強度を発現するが、場合により架
橋剤により架橋することも可能である。その場合架橋剤
としては有機過酸化物による方法が好ましく用いられ
る。
【0028】また、場合によっては本発明の趣旨を損な
わない程度に他のエラストマーをブレンドして使用する
ことも可能である。この場合、スチレン−エチレンブチ
レン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン
プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等がより好ましく用いられる。これらのポ
リマーのブレンド率は30重量%以下に抑えるのが好ま
しい。本発明のブロック共重合体及び組成物は、成型物
としてそのまま、または金属、プラスチック等の板に塗
布、挟む等の形で使用される。また、架橋剤により架橋
する方法を取り入れ、発泡剤で発泡させて使用すること
も可能である。
【0029】本発明のブロック共重合体は、これをベー
スとして使用されるほか、各種プラスチックにブレンド
して使用することも可能である。特に好ましいプラスチ
ックの例としては、ポリオレフィン、ポリアミド、スチ
レン系プラスチック、ポリエステル、ABS系プラスチ
ック、ポリカーボネートがあげられる。これらのプラス
チックへのブレンド率は、概ね50重量%以下にするの
が良い。これらのプラスチックとのブレンドは通常の方
法により行われる。本発明のブロック共重合体を各種プ
ラスチックにブレンドすることにより、それらに制振性
能を付与することが可能になり、筐体、各種部品等へ好
ましく使用される。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の各測定値は以下の方法によ
り求めた。分子量はGPCによった。
【0031】ミクロ構造はNMRスペクトルを測定し、
δ4.8ppm、δ5.8ppmの3,4結合及び1,
2結合のピークとδ5.3ppmの1,4結合のピーク
の比から3,4結合及び1,2結合の含有量を算出し
た。
【0032】水添率は、水添反応前後のブロック共重合
体のヨウ素価を測定し、その比より算出した。tanδ
のピーク温度は、レオバイブロン(オリエンテック社
製)により粘弾性スペクトルを測定することにより求め
た。
【0033】制振性能を示す損失係数(η)は、厚さ1
mmの鋼板に配合物を塗布した験体に、加振器により振
動を与え、験体の共振の度合いを測定するという共振法
によった。なお、測定周波数は500Hz、測定温度は
25℃で行った。
【0034】実施例1 乾燥し、窒素で置換された耐圧反応器に、溶媒としてシ
クロヘキサン500ml、重合触媒としてn−BuLi
1.3mmolを添加し、50℃に昇温した後ブタジエ
ンモノマー30gを添加して重合させ、ブタジエンの重
合が終了した後に、ビニル化剤としてTHF1.2m
l、イソプレンモノマー90gを添加しさらに重合させ
た。イソプレンの重合が終了した後に、ジブロモブタン
0.27gを加え、カップリング反応を行った。重合液
を大量のメタノールで処理することにより共重合体を回
収し、真空乾燥後、これをシクロヘキサン500mlに
溶解し、水添触媒としてPd−C(Pd 5%)を5%
添加し、水素圧20kg/cm2 で150℃で水添反応
を行った。反応後、濾過により触媒を除去した後真空乾
燥することにより、ブロック共重合体(I)を得た。
【0035】得られたブロック共重合体の水添率は9
1.5%であり、カップリングしたA−B−Aの構造の
共重合体が83%、A−Bの構造の共重合体が17%の
混合物であった。A−B−Aの形態の共重合体において
全体の平均分子量は98500、ポリブタジエンブロッ
クの平均分子量は12000、ポリイソプレンブロック
の平均分子量は73100、ポリイソプレンブロックの
3,4結合及び1,2結合の合計量は51.8%、ta
nδのピーク温度は5.8℃であった。
【0036】実施例2 ブタジエンモノマー、イソプレンモノマーの使用量をそ
れぞれ48g、110gに変えること以外は実施例1と
同様にして重合、カップリング反応、水添することによ
り、ブロック共重合体(II)を得た。
【0037】得られたブロック共重合体の水添率は8
6.5%であり、カップリングしたA−B−Aの構造の
共重合体が79%、A−Bの構造の共重合体が21%の
混合物であった。A−B−Aの形態の共重合体において
全体の平均分子量は165000、ポリブタジエンブロ
ックの平均分子量は19500、ポリイソプレンブロッ
クの平均分子量は113200、ポリイソプレンブロッ
クの3,4結合及び1,2結合の合計量は48.8%、
tanδのピーク温度は0.1℃であった。
【0038】実施例3 n−BuLiの量を1.0mmol、ビニル化剤として
のTHFの量を10mlとすること以外は実施例1と同
様にして重合、水添することにより、ブロック共重合体
(III)を得た。得られた共重合体は、カップリングした
A−B−Aの構造の共重合体が85%、A−Bの構造の
共重合体が15%の混合物であった。このものの分子量
は81000、ポリブタジエンブロックの分子量は98
00、ポリイソプレンブロックの分子量は56100、
3,4結合及び1,2結合の合計量は69.6%、水添
率は81.3%であった。tanδのピーク温度は1
5.7℃であった。
【0039】実施例4 実施例1〜3で得られたブロック共重合体(I)、(I
I)、(III)を用いて表1に示す処方により配合物を作
成し、得られた組成物の制振性能を評価するために、常
温での損失係数を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】これから明らかなように、本発明によるブ
ロック共重合体及びその組成物は、優れた制振性能を有
することが判る。
【0042】実施例5 実施例1で得られたブロック共重合体(I)と、ブタジ
エンの代わりにスチレンを用い実施例1と同様に重合、
水添することにより得たブロック共重合体(IV)[分子
量10100、ポリスチレンブロックの分子量1000
0、ポリイソプレンブロックの分子量76900、ビニ
ル結合量59.9%、水添率86.5%]とを用いて、
厚さ2mmのシートを作成し、これを常温でトルエンに
浸漬し、状態の変化を観察することにより耐溶剤性を評
価した。
【0043】表2に示した結果より、比較のスチレンブ
ロックを有するブロック共重合体(IV)は容易にトルエ
ンに溶解し耐溶剤性はまったくないが、本発明のブロッ
ク共重合体(I)では、殆ど変化しておらず、耐溶剤性
に優れることが判る。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明のブロック共重合体は、熱可塑性
を有しており、制振性に優れるうえに耐油性及び耐溶剤
性に優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタジエンからなり、1,4結合含有量
    が80%以上である数平均分子量が3000〜3000
    0のブロック(A)と、イソプレンまたはイソプレン−
    ブタジエン混合物からなり、3,4結合及び1,2結合
    含有量が40%以上であり、−20℃以上にtanδの
    主分散のピークを有する数平均分子量が30000〜2
    00000のブロック(B)からなり、ブロックの結合
    の形態がA−B−A又は(A−B)n(nは1以上の整
    数)で表される、その分子鎖中の炭素−炭素二重結合の
    80%以上が水添された分子量が40000〜3000
    00であるブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 ブタジエンからなり、1,4結合含有量
    が80%以上である数平均分子量が3000〜3000
    0のブロック(A)と、イソプレンまたはイソプレン−
    ブタジエン混合物からなり、3,4結合及び1,2結合
    含有量が40%以上であり、−20℃以上にtanδの
    主分散のピークを有する数平均分子量が30000〜2
    00000のブロック(B)からなり、ブロックの結合
    の形態がA−B−A又は(A−B)n(nは1以上の整
    数)で表される、その分子鎖中の炭素−炭素二重結合の
    80%以上が水添された分子量が40000〜3000
    00であるブロック共重合体を含有してなる組成物。
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JP (1) JPH06306128A (ja)

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