JPH09241307A - 新規なフッ素含有ポリマー - Google Patents

新規なフッ素含有ポリマー

Info

Publication number
JPH09241307A
JPH09241307A JP8477696A JP8477696A JPH09241307A JP H09241307 A JPH09241307 A JP H09241307A JP 8477696 A JP8477696 A JP 8477696A JP 8477696 A JP8477696 A JP 8477696A JP H09241307 A JPH09241307 A JP H09241307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
examples
fluorine
carbon atoms
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8477696A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Shiraki
一夫 白木
Nobutaka Shimamura
信孝 嶋村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP8477696A priority Critical patent/JPH09241307A/ja
Publication of JPH09241307A publication Critical patent/JPH09241307A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/04Azo-compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料用樹脂組成物等の用途に用いた場合には
撥水性、撥油性、耐熱性、耐候性、耐薬品性、防汚塵性
及び接着性等に優れた該組成物を提供し得、また、頭髪
化粧料用の基剤として用いた場合には、耐湿性、セット
力及び弾力性に優れ、櫛通りが良く、更にしなやかさを
有する基剤を提供し得る新規なフッ素含有ブロックポリ
マーの提供。 【解決手段】 フッ素含有マクロアゾイニシエーター由
来のセグメントと重合性モノマー単位とを構成成分とし
て含んで成るフッ素含有ブロックポリマー及びその製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば塗料用樹脂
として、或いは頭髪化粧料用基剤として極めて有用な新
規なフッ素含有ポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子材料の利用分野が多様化す
るに従い、種々の物性を持つポリマーが要求されるよう
になっている。特に、分子中にパーフルオロアルキル基
(Rf基)を有するポリマーは、Rf基の表面自由エネ
ルギーが低いことから、Rf基部分がポリマー表面に濃
縮され、優れた撥水性、撥油性、耐熱性、耐候性、滑り
特性等を発現することから、特に注目を集めている。
【0003】従来、Rf基を有するポリマーは、ブレン
ド等の方法で基剤への導入が試みられてきたが、未だ十
分な効果が得られるにはいたっていない。そこで、ポリ
マー中へのRf基を導入する試みが、種々検討されてい
る。例えば、リビングアニオン重合で得られたポリマー
とRf基を有するハロゲン化アルキルとを反応させるこ
とにより、Rf基を導入する方法が報告されている(Po
lymer Preprints Japan, 44 948 (1995)等)。また、フ
ッ素含有モノマーを用いて重合反応を行うことにより、
フッ素セグメントを有するポリマーを製造する方法も知
られている。しかしながら、ポリマーとRf基を有する
ハロゲン化アルキルとを反応させる方法に於いては、使
用できるポリマーに制約があり、そのため反応性が悪い
等の欠点を有していた。また、フッ素含有モノマーを用
いて重合反応を行う方法に於いては、ポリマー中の目的
の位置に、フッ素セグメントを導入することが困難であ
るという問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、ポリマー中の目的の位置
にフッ素セグメントを導入することにより、塗料用樹脂
組成物等の用途に用いた場合には撥水性、撥油性、耐熱
性、耐候性、耐薬品性、防汚塵性及び接着性等に優れた
該組成物を提供し得、また、頭髪化粧料用の基剤として
用いた場合には、耐湿性、セット力及び弾力性に優れ、
櫛通りが良く、更にしなやかさを有する、新規なフッ素
含有ポリマーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素含有ア
ゾ化合物由来のセグメントと重合性モノマー単位とを構
成成分として含んで成るフッ素含有ポリマー、の発明で
ある。
【0006】また、本発明は、フッ素含有アゾ化合物の
存在下に、重合性モノマーを重合反応させることを特徴
とするフッ素含有ポリマーの製造法、の発明である。
【0007】即ち、本発明者らは、末端にフッ素を含有
するセグメントを導入したアゾ化合物を用いることによ
り、種々のポリマー末端にフッ素セグメントを効率良く
導入したポリマーを得ることを見出し、本発明に到達し
た。
【0008】本発明のフッ素含有ポリマーは、例えば下
記一般式[1]
【0009】
【化1】
【0010】(式中、R1〜R4は夫々独立して、水素原
子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、A1及びA2
は夫々独立して、低級アルキレン基を表し、Zはエステ
ル結合またはアミド結合を表し、Wは二価の炭化水素基
または単結合を表し、Xはフッ素原子または含フッ素炭
化水素基を表す。)で示されるフッ素含有アゾ化合物の
存在下に、重合性モノマーを共重合することにより得ら
れる。
【0011】一般式[1]に於いて、R1〜R4で示され
る低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或い
は環状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアル
キル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n
-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ
ル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、te
rt-ペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル
基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。A1及びA2
示される低級アルキレン基としては、直鎖状でも分枝状
でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアルキレン
基が挙げられ、具体的にはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基
等が挙げられる。Zで示されるエステル結合としては、
−COO−又は−OCO−が挙げられる。Wで示される
二価の炭化水素基としては、例えばアルキレン基、二価
の芳香族基等が挙げられる。該アルキレン基としては、
直鎖状でも分枝状でも或いは環状でも何れにても良く、
また、芳香環を有していても良く、例えば炭素数1〜1
0のアルキレン基が好ましく挙げられる。これらの具体
例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基、2-メチルプロピレン基、ペンチレン
基、2,2-ジメチルプロピレン基、2-エチルプロピレン
基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2-エ
チルヘキシレン基、ノニレン、デシレン基、シクロプロ
ピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、
p-キシレン-α,α'-ジイル基等が挙げられる。二価の芳
香族基としては、例えばフェニレン基、ジフェニレン基
等が挙げられる。
【0012】また、一般式[1]に於いて、Xで示され
る含フッ素炭化水素基としては、炭化水素基の水素原子
の少なくとも1個がフッ素原子で置換されたものをい
い、全ての水素原子がフッ素原子で置換されているもの
を含む。これら含フッ素炭化水素基としては、例えば含
フッ素アルキル基、含フッ素アリール基等が挙げられ
る。含フッ素アルキル基のアルキル基としては、直鎖状
でも分枝状でも或いは環状でも何れにても良く、例えば
炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、具体的にはメ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル
基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、2-シクロヘキシルエチル基等が挙げら
れ、含フッ素アルキル基としては、前記アルキル基の水
素原子がフッ素化された炭素数1〜20のアルキル基が
挙げられ、具体的にはフルオロメチル基、フルオロエチ
ル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基、フルオ
ロペンチル基、フルオロヘキシル基、フルオロヘプチル
基、フルオロオクチル基、フルオロノニル基、フルオロ
デシル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、
フルオロシクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、3,
3,3-トリフルオロエチル基、3,3,3,4,4-ペンタフルオロ
エチル基、パーフルオロ-n-プロピル基、パーフルオロ
イソプロピル基、パーフルオロ-n-ブチル基、パーフル
オロイソブチル基、パーフルオロ-tert-ブチル基、パー
フルオロ-sec-ブチル基、パーフルオロペンチル基、パ
ーフルオロイソペンチル基、2-パーフルオロ-tert-ペン
チル基、パーフルオロ-n-ヘキシル基、パーフルオロイ
ソヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロ
オクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシ
ル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロオクタデ
シル基、パーフルオロシクロプロピル基、パーフルオロ
シクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシル基等が
挙げられる。含フッ素アリール基としては、例えば炭素
数1〜30のアリール基が挙げられ、具体的には4-フル
オロフェニル基、パーフルオロフェニル基、4'-フルオ
ロジフェニル基、4-(パーフルオロフェニル)フェニル
基、パーフルオロジフェニル基、4-(トリフルオロメチ
ル)フェニル基、4-(ペンタフルオロエチル)フェニル
基、4-(パーフルオロプロピル)フェニル基、4-(パーフ
ルオロブチル)フェニル基、4-(パーフルオロペンチル)
フェニル基、4-(パーフルオロヘキシル)フェニル基、4-
(パーフルオロヘプチル)フェニル基、4-(パーフルオロ
オクチル)フェニル基、4-(パーフルオロノニル)フェニ
ル基、4-(パーフルオロデシル)フェニル基等が挙げられ
る。これら含フッ素炭化水素基の好ましい例としては、
炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基が挙げられ
る。
【0013】重合性モノマーとしては、例えばエチレン
性炭化水素類、保護されていても良い反応性の官能基を
有するエチレン性化合物類、ジエン系化合物類等が挙げ
られる。尚、生成される重合物の使用目的等の点から、
保護されていても良い反応性の官能基を有するエチレン
性化合物類、ジエン系化合物類が好ましい。
【0014】エチレン性炭化水素類としては、例えばα
-オレフィン性芳香族炭化水素類、エチレン性脂肪族炭
化水素類等が挙げられる。また、保護されていても良い
反応性の官能基を有するエチレン性化合物類としては、
例えば脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基、ハロゲン
原子、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ホ
ルミル基、アミノ基、スルホン酸基等の官能基、又は、
例えばアルキルオキシカルボニル基、アシルオキシ基、
カルバモイル基等の保護された官能基を有している化合
物が挙げられ、その具体例としてはビニルエステル類、
含ハロゲンビニル化合物類、オレフィンカルボン酸化合
物類、ビニルスルホン酸類、ビニルアミン類、オレフィ
ンアルコール類等が挙げられる。
【0015】上記オレフィンカルボン酸化合物類として
は、例えばオレフィンカルボン酸類、オレフィンカルボ
ン酸エステル類、含シアノビニル化合物類、ビニル系ア
ミド化合物類、オレフィンアルデヒド類等が挙げられ
る。また、上記ビニルアミン類としては、例えばビニル
系脂肪族アミン類、ビニル系芳香族アミン類、ビニル系
脂肪族ヘテロ環状アミン類、ビニル系芳香族ヘテロ環状
アミン類等が挙げられる。
【0016】これら重合性モノマーの具体例としては、
例えば下記に示すものが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0017】α-オレフィン性芳香族炭化水素類として
は、例えば炭素数8〜20のα-オレフィン性芳香族炭化
水素類が挙げられ、具体的にはスチレン、4-メチルスチ
レン、4-エチルスチレン等が挙げられる。
【0018】エチレン性脂肪族炭化水素類としては、例
えば炭素数2〜20のエチレン性脂肪族炭化水素類が挙げ
られ、具体的にはエチレン、プロピレン、ブチレン、イ
ソブチレン等が挙げられる。
【0019】ビニルエステル類としては、例えば炭素数
3〜20のビニルエステル類が挙げられ、具体的にはギ酸
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸イソプ
ロペニル等が挙げられる。
【0020】含ハロゲンビニル化合物類としては、例え
ば炭素数2〜20の含ハロゲンビニル化合物類が挙げら
れ、具体的には塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデン等が挙げられる。
【0021】オレフィンカルボン酸類としては、例えば
炭素数3〜20のオレフィンカルボン酸類が挙げられ、具
体的にはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢
酸、ビニル安息香酸等が挙げられる。尚、前記オレフィ
ンカルボン酸類は、例えばナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩であっても良い。
【0022】オレフィンカルボン酸エステル類として
は、例えば炭素数4〜20のオレフィンカルボン酸エステ
ル類が挙げられ、具体的にはメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ステアリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、イタコン
酸メチル、イタコン酸エチル、マレイン酸メチル、マレ
イン酸エチル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、クロ
トン酸メチル、クロトン酸エチル、3-ブテン酸メチル等
が挙げられる。
【0023】含シアノビニル化合物類としては、例えば
炭素数3〜20の含シアノビニル化合物類が挙げられ、具
体的にはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、シア
ン化アリル等が挙げられる。
【0024】ビニル系アミド化合物類としては、例えば
炭素数3〜20のビニル系アミド化合物類が挙げられ、具
体的にはアクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げら
れる。
【0025】オレフィンアルデヒド類としては、例えば
炭素数3〜20のオレフィンアルデヒド類が挙げられ、具
体的にはアクロレイン、クロトンアルデヒド等が挙げら
れる。
【0026】ビニルスルホン酸類としては、例えば炭素
数2〜20のビニルスルホン酸類が挙げられ、具体的には
ビニルスルホン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸等が挙
げられる。
【0027】ビニル系脂肪族アミン類としては、例えば
炭素数2〜20のビニル系脂肪族アミン類が挙げられ、具
体的にはビニルアミン、アリルアミン等が挙げられる。
【0028】ビニル系芳香族アミン類としては、例えば
炭素数8〜20のビニル系芳香族アミン類が挙げられ、具
体的にはビニルアニリン等が挙げられる。
【0029】ビニル系脂肪族ヘテロ環状アミン類として
は、例えば炭素数5〜20のビニル系脂肪族ヘテロ環状ア
ミン類が挙げられ、具体的にはN-ビニルピロリドン、
ビニルピペリジン等が挙げられる。
【0030】ビニル系芳香族ヘテロ環状アミン類として
は、例えば炭素数5〜20のビニル系芳香族ヘテロ環状ア
ミン類が挙げられ、具体的にはビニルピリジン、1-ビニ
ルイミダゾール等が挙げられる。
【0031】オレフィンアルコール類としては、例えば
炭素数3〜20のオレフィンアルコール類が挙げられ、具
体的にはアリルアルコール、クロチルアルコール、4-ビ
ニルフェノール等が挙げられる。
【0032】ジエン系化合物類としては、例えば炭素数
4〜20のジエン系化合物類が挙げられ、具体的にはブタ
ジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0033】尚、これら重合性モノマーは夫々単独で用
いても、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても
良い。
【0034】上記重合性モノマーを一般式で示すとする
と、例えば下記一般式[2]
【0035】
【化2】
【0036】(式中、R5は水素原子、低級アルキル
基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基また
はホルミル基を表し、R6は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子を表し、R7は水素原子、アルキル
基、ハロアルキル基、アリール基、置換基を有するアリ
ール基、脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基、ハロゲ
ン原子、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、アシ
ルオキシ基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、
ホルミル基、アミノ基、アミノアルキル基、カルバモイ
ル基、ヒドロキシアルキル基を表す。)で示すことがで
きるが、上記一般式[2]に限定されるものではない。
【0037】一般式[2]に於いて、R5で示される低
級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにて
も良く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、
具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル
基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert
-ペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、
イソヘキシル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボ
ニル基としては、例えば炭素数2〜20のアルキルオキ
シカルボニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜
7のアルキルオキシカルボニル基が挙げられ、具体的に
はメチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル
基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボ
ニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシ
カルボニル基等が挙げられる。R6で示される低級アル
キル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良
く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体
的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロ
ピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、
sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペ
ンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソ
ヘキシル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フ
ッ素、塩素、臭素、沃素が挙げられる。R7で示される
アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或いは環状
でも何れにても良く、また、二重結合を有していても良
く、例えば炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、具
体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプ
ロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル
基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert
-ペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、
イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、
ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル
基、オクテニル基等が挙げられる。ハロアルキル基とし
ては、例えば上記アルキル基がハロゲン化(例えばフッ
素化、塩素化、臭素化、沃素化等。)された炭素数1〜
20のハロアルキル基が挙げられ、具体的にはクロロメ
チル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2-ク
ロロエチル基、3-クロロプロピル基、3-ブロモプロピル
基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1,2,2-テトラヒ
ドロパーフルオロオクチル基、パーフルオロオクチル
基、1-クロロデシル基、1-クロロオクタデシル基等が挙
げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ト
リル基、キシリル基等が挙げられる。置換基を有するア
リール基の置換基としては、例えばアミノ基、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基等が挙げられ、その具体例とし
ては、アミノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カル
ボキシフェニル基等が挙げられる。脂肪族ヘテロ環基と
しては、例えば5員環又は6員環の脂肪族ヘテロ環基が
好ましく、異性原子として1〜3個の例えば窒素原子、
酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいるものが
挙げられ、その具体例としては、例えばピロリジル-2-
オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基
等が挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては、例えば5
員環又は6員環の芳香族ヘテロ環基が好ましく、異性原
子として1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原
子等のヘテロ原子を含んでいるものが挙げられ、その具
体例としては、例えばピリジル基、イミダゾリル基、チ
アゾリル基、フラニル基、ピラニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素が挙
げられる。アルキルオキシカルボニル基としては、例え
ば炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基が好ま
しく、具体的にはメチルオキシカルボニル基、エチルオ
キシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチ
ルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、
ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニ
ル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカル
ボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシ
カルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等が挙
げられる。アシルオキシ基としては、カルボン酸由来の
例えば炭素数1〜20のアシルオキシ基が好ましく、具
体的にはアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイル
オキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ
基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ベンゾ
イルオキシ基等が挙げられる。カルボキシアルキル基と
しては、上記した如きアルキル基の水素原子がカルボキ
シル基に置換されたものが挙げられ、具体的にはカルボ
キシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピ
ル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カ
ルボキシヘキシル基、カルボキシヘプチル基、カルボキ
シオクチル基、カルボキシノニル基、カルボキシデシル
基、カルボキシドデシル基、カルボキシオクタデシル基
等が挙げられる。アミノアルキル基としては、上記した
如きアルキル基の水素原子がアミノ基に置換されたもの
が挙げられ、具体的にはアミノメチル基、アミノエチル
基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチ
ル基、アミノヘキシル基、アミノヘプチル基、アミノオ
クチル基、アミノノニル基、アミノデシル基、アミノド
デシル基、アミノオクタデシル基等が挙げられる。ヒド
ロキシアルキル基としては、上記した如きアルキル基の
水素原子がヒドロキシル基に置換されたものが挙げら
れ、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒド
ロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシ
ヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル
基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒド
ロキシオクタデシル基等が挙げられる。
【0038】本発明に係る、フッ素含有アゾ化合物の存
在下に重合性モノマーを重合反応に付して得られるフッ
素含有ポリマーに於ける、フッ素含有アゾ化合物由来の
セグメントの構成率としては、特に限定されるものでは
ないが、通常1〜99重量%、好ましくは5〜95重量
%、より好ましくは10〜90重量%の範囲から適宜選
択される。
【0039】また、重合性モノマー単位の構成率として
は、特に限定されるものではないが、通常1〜99重量
%、好ましくは5〜95重量%、より好ましくは10〜
90重量%の範囲から適宜選択される。
【0040】本発明に係る一般式[1]で示されるフッ
素含有アゾ化合物は、例えば本発明者らが開発した下記
製造法に従って容易に製造することができる。即ち、例
えば下記一般式[3]
【0041】
【化3】
【0042】(式中、DはCOOH,OHまたはNH2
を表し、W及びXは前記に同じ。)で示されるカルボン
酸,アルコール又はアミン類と、一般式[4]
【0043】
【化4】
【0044】(式中、Yは夫々独立して、COOH,O
HまたはNH2を表し、R1〜R4,A1及びA2は前記に
同じ。)で示されるアゾ基含有ジカルボン酸,ジオール
又はジアミン化合物とを適当な溶媒中、必要であれば塩
基性触媒の存在下、脱水剤を用いて反応させることによ
って得ることができる。
【0045】尚、Dは、YがCOOHの時はOHまたは
NH2であることを要し、OHの時はCOOHであるこ
とを要し、NH2の時はCOOHであることを要す。
【0046】上記製造方法は塩基性触媒の存在下で行う
のが好ましいが、塩基性触媒の具体例としては、例えば
トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピペリジ
ン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、1,5-ジアザ
ビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ-7-エン、トリ-n-ブチルアミン等の
有機アミン類、例えば水素化ナトリウム、n-ブチルリ
チウム等のアルカリ性金属化合物類等が挙げられる。
【0047】本発明で用いられる脱水剤としては、脱水
縮合剤として用いられるものであれば特に限定されない
が、例えば濃硫酸、五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無
機脱水剤類、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、
ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジ
イミド類、ポリリン酸、無水酢酸、カルボニルジイミダ
ゾール、p-トルエンスルホニルクロライド等が挙げられ
る。
【0048】また、反応溶媒としては、例えばジエチル
エーテル,ジイソプロピルエーテル,テトラヒドロフラ
ン,ジオキサン,ジメトキシエタン等のエーテル類、例
えば四塩化炭素,クロロホルム,塩化メチレン,二塩化
エタン,トリクレン等のハロゲン化炭化水素類、例えば
n-ヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシレン等の炭化
水素類、例えば酢酸エチル,酢酸ブチル,プロピオン酸
メチル等のエステル類、アセトニトリル、N,N-ジメチル
ホルムアミド等が挙げられる。これらは夫々単独で用い
ても、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても良
い。
【0049】一般式[3]で示されるカルボン酸,アル
コール又はアミン類と、一般式[4]で示されるアゾ基
含有ジカルボン酸,ジオール又はジアミン化合物との使
用割合は特に限定されず適宜決定されるが、両者をほぼ
等モル量用いることが好ましい。
【0050】脱水剤の使用量としては特に限定されない
が、少ないと反応が遅くなり、多すぎると経済的でない
ため、相当する一般式[3]で示されるカルボン酸,ア
ルコール又はアミン類に対して通常1〜5倍モル、好ま
しくは2〜3倍モルの範囲から適宜選択される。また、
塩基性触媒の使用量としては一般式[4]で示される原
料化合物或いは脱水剤に対して通常0.5〜5倍モル、好
ましくは1〜2倍モルの範囲から適宜選択される。
【0051】反応温度は、特に限定されないが、高すぎ
るとアゾ基が分解し、低すぎると反応速度が遅くなり製
造に時間を要するため、通常−10〜60℃の範囲から適宜
選択される。また、反応温度は低温から段階的に反応温
度を上昇させる方法をとっても良い。反応時間は製造方
法により異なるが、通常1〜60時間の範囲から適宜選択
される。
【0052】目的物の単離は、用いた原料、塩基性触
媒、脱水剤、溶媒等の種類や量並びに反応液の状態等に
応じて適宜行えばよく、例えば粘稠な反応液の場合に
は、反応液を適当な溶媒で希釈した後、濾過或いは水洗
等の操作により不純物を除いた後、溶媒を除去すること
により目的のフッ素含有アゾ化合物を得ることができ
る。
【0053】本発明のフッ素含有ポリマーを製造するに
は、例えば下記の如くして行えば良い。即ち、上記の如
くして得たフッ素含有アゾ化合物と、前記した如き重合
性モノマーとを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要であ
れば不活性ガス雰囲気下で常法に従って重合反応を行え
ば良い。反応後の後処理等はこの分野に於いて通常行わ
れる後処理法に準じて行えば良い。
【0054】尚、重合反応を行う際に、必要に応じて連
鎖移動剤(例えばラウリルメルカプタン、オクチルメル
カプタン、ブチルメルカプタン、2-メルカプトエタノー
ル、チオグリコール酸ブチル等。)を添加し、分子量の
調節を行っても良い。
【0055】上記重合反応の方法としては、例えば溶液
重合、懸濁重合等が挙げられる。この際フッ素含有アゾ
化合物と通常のラジカル重合開始剤(例えばアゾビスイ
ソブチロニトリル等)とを併用しても良い。
【0056】フッ素含有アゾ化合物及び重合性モノマー
の重合反応時の濃度としては、両者の合計が通常5〜10
0重量%(無溶媒)、好ましくは10〜100重量%(無溶
媒)の範囲となるよう適宜選択される。
【0057】重合反応は、有機溶媒存在下で行うのが好
ましい。有機溶媒としては、例えばトルエン,キシレ
ン,ベンゼン,シクロヘキサン,n-ヘキサン,n-オク
タン等の炭化水素類、例えば二塩化エタン,トリクレン
等のハロゲン化炭化水素類、例えば酢酸エチル,酢酸n
-ブチル,プロピオン酸メチル等のエステル類、例えば
アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等の
ケトン類類、例えばメタノール,エタノール,n-プロ
パノール,イソプロパノール,n-ブタノール,イソブ
タノール,tert-ブタノール等のアルコール類、N-メチ
ルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド等が挙げられる。これらは夫々単独で用いて
も、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても良
い。尚、本発明のフッ素含有ポリマーを化粧料用基剤と
して用いる場合にはエタノール、イソプロパノール等の
アルコール類を溶媒として用いると、残存溶媒の人体へ
の影響や反応後にそのまま基剤として使用できる等の点
で好ましい。
【0058】重合反応は、また、不活性ガス雰囲気下で
行うことが望ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素
ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
【0059】重合温度は特に限定されないが、低すぎる
とアゾ基の分解が少ないため重合の進行が遅くなり、高
すぎるとアゾ基の分解が多くなりすぎ重合の制御が困難
となるため通常20〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲
から適宜選択される。反応時間としては、反応温度や反
応させるフッ素含有アゾ化合物及び重合性モノマーの種
類、或いは濃度等の反応条件により異なるが、通常2〜
24時間の範囲から適宜選択される。
【0060】本発明に係るフッ素含有ポリマーの分子量
は、特に限定されるものではないが、数平均分子量とし
て、通常3千以上、好ましくは5千〜200万、より好
ましくは1万〜150万のものが挙げられる。
【0061】また、フッ素含有ポリマー中のフッ素含有
量としては、通常0.01〜50%、好ましくは0.1〜30%の
範囲から適宜選択される。
【0062】このようにして得られたフッ素含有ポリマ
ーは、撥水性、撥油性、耐熱性、耐候性、耐薬品性、防
汚塵性及び接着性等に優れた効果を有するため、例えば
塗料用樹脂組成物、被覆用樹脂組成物等の樹脂組成物、
例えば頭髪化粧料用基剤(例えばセット剤、トリートメ
ント剤等)、基礎化粧料用基剤等の化粧料用基剤等とし
て、或いは、離型剤、コーティング剤、表面改質剤、医
療材料、付着防止剤、防臭剤等として広くその用途が期
待できる。
【0063】本発明のフッ素含有ポリマーは、重合性モ
ノマーが油溶性の化合物である場合には、得られるフッ
素含有ポリマーが撥水性等に富むため、例えば油溶性塗
料等の用途に効果的に使用し得る。また、重合性モノマ
ーが水溶性の化合物である場合には、得られる本発明の
フッ素含有ポリマーは水溶性となり得ることから、例え
ば水溶性塗料等の用途に効果的に使用し得る。
【0064】本発明のフッ素含有ポリマーを例えば塗料
用或いは被覆用の樹脂組成物に使用する際の溶媒として
は、例えばベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭
化水素類、例えばアセトン,メチルエチルケトン等のケ
トン類、例えばジエチルエーテル,ジイソプロピルエー
テル,テトラヒドロフラン,ジオキサン,ジメトキシエ
タン等のエーテル類、例えばメタノール,エタノール,
n-プロパノール,イソプロパノール,ブタノール,sec
-ブタノール等の低級アルコール類、例えば酢酸エチ
ル,酢酸ブチル,プロピオン酸メチル等のエステル類等
が挙げられる。
【0065】本発明のフッ素含有ポリマーを上記樹脂組
成物として用いる場合、必要に応じて他の成分を添加し
ても良い。添加可能な成分としては、例えば顔料、充填
剤、骨材、消泡剤、可塑剤、防錆剤、造膜助剤、紫外線
吸収剤等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0066】本発明のフッ素含有ポリマーの内のあるも
のは、また、水及びエタノールに対する溶解性に優れて
おり、これを頭髪化粧料用基剤として用いた場合には、
耐湿性、セット力、弾力性、フレーキング性、風合い等
頭髪化粧料用基剤として必要な各種機能に優れた基剤と
なり得る可能性を有している。
【0067】本発明のフッ素含有ポリマーを親水性有機
溶媒に溶解して化粧料用基剤として用いる際の親水性有
機溶媒としては、各種低級アルコール類やグライム類等
が挙げられるが、人体への影響等を考慮すると例えばエ
タノール等がより好ましいものとして挙げられる。
【0068】本発明のフッ素含有ポリマーを化粧料用基
剤として用いる場合、その機能を損なわない範囲で他の
化粧品成分を添加しても良い。添加可能な成分として
は、例えば界面活性剤、油脂類、糖類、酸、塩基、緩衝
剤、塩類、水、アルコール類、蛋白質誘導体、生薬、噴
射剤、防腐殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属イ
オン封鎖剤、酸化剤、還元剤、色素、香料等が挙げられ
が、これらに限定されるものではない。
【0069】本発明のフッ素含有ポリマーは、フッ素セ
グメントが分子の両末端に導入されているフッ素含有ア
ゾ化合物の存在下に、重合性モノマーを重合反応させる
ため、該ポリマーの末端にフッ素セグメントが導入され
ている、という特徴を有するものである。これにより、
従来の方法では、目的の位置にフッ素セグメントを導入
することが困難であったが、本発明方法によれば、選択
的にポリマーの末端にフッ素セグメントが導入できる、
という効果を奏するものである。また、フッ素セグメン
トのフッ素含有量が多い場合には、得られるフッ素含有
ポリマーはブロックポリマーとなる。以下に参考例及び
実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明
はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0070】
【実施例】
参考例1.2-(パーフルオロオクチル)エタノール 10.1
g、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC) 4.4
g、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 1.3g及
び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 3.0gを乾燥ア
セトニトリル 40mlに溶解し、20〜25℃で8時間攪拌反
応させた。一夜放置後、析出した結晶を濾取し、塩化メ
チレン 700mlに溶解させた。不溶物約5gを濾去し、濾
液を減圧下に濃縮乾固した。残渣をメタノールで洗浄し
て、目的とする殆ど白色の結晶のフッ素含有アゾ化合物
8.3g(収率70.8%)を得た。以下これを開始剤−1と
略記する。m.p. 76.5℃(dec.)。1 H-NMR δppm(CDCl3):1.69(s,3H,CH 3)、
1.73(s,3H,CH 3)、2.35〜2.6(m,12H,N-C-CH 2CH 2-CO,O
-CH2CH 2)、4.42(t,2H,O-CH 2CH2)。
【0071】実施例1.参考例1で得られた開始剤−1
1.0g、メチルメタクリレート 100g(以下、MMA
と略記する。)及びトルエン 300mlを混合し、窒素気流
中、70℃で5時間重合反応させた。反応終了後、反応液
をメタノール 4L中に注いで晶析させた。析出したポ
リマーを濾取した後、乾燥して目的とする白色塊状のフ
ッ素含有ポリマー 52.8g(収率52.3%)を得た。GP
C測定結果から、このものの数平均分子量は 85,900、
重量平均分子量は 139,000、また、分散度は 1.62のフ
ッ素含有ポリマーであった。以下これをポリマーF1と
略記する。
【0072】実施例2.実施例1に於いて、MMA 100
gの代わりにMMA 30gを用いた以外は実施例1と全
く同様にして重合反応を行い、目的とする白色塊状のフ
ッ素含有ポリマー 20.8g(収率67.2%)を得た。GP
C測定結果から、このものの数平均分子量は 40,800、
重量平均分子量は 66,000、また、分散度は 1.62のフッ
素含有ポリマーであった。以下これをポリマーF2と略
記する。
【0073】実施例3.実施例1に於いて、MMA 100
gの代わりにメタクリル酸2-ヒドロキシエチル100gを
用いた以外は実施例1と全く同様にして重合反応を行
い、目的とする白色塊状のフッ素含有ポリマー 99.1g
(収率98.1%)を得た。以下これをポリマーF3と略記
する。
【0074】実験例1.実施例1で得られたポリマーF
1 1gをメスフラスコにとり、クロロホルムを加えて
溶解し、全量を10mlとした。次に、得られた溶液をガラ
スシャーレにキャストして得たフィルムを減圧乾燥した
後、FACE CONTACT-ANGLE METER CA-D[協和界面科学
(株)製。]を用いて対水接触角を測定した。結果を表1
に示す。
【0075】実験例2.実験例1に於いて、ポリマーF
1の代わりにポリマーF2を用いた以外は実験例1と全
く同様にしてキャストした後対水接触角を測定した。結
果を表1に示す。
【0076】比較例1.実施例1に於いて、参考例1で
得られたパーフルオロ開始剤 1.0gの代わりにアゾビス
イソブチロニトリル(AIBN) 0.14gを用いた以外
は実施例1と全く同様にして重合反応を行い、白色塊状
のポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略記す
る。) 43.7g(収率 43.6%)を得た。GPC測定結果
から、このものの数平均分子量は 68,000、重量平均分
子量は 121,000、また、分散度は1.77であった。得られ
たPMMA 1gをメスフラスコにとり、クロロホルム
を加えて溶解し、全量を10mlとした。次に、得られた溶
液をガラスシャーレにキャストした後、FACE CONTACT-A
NGLE METER CA-D[協和界面科学(株)製。]を用いて対
水接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0077】
【表1】 1)成膜性は、各ガラスシャーレ表面に均一に成膜されているか否かを目視 で評価した。
【0078】以上の結果から、実験例1及び2に於い
て、ガラスシャーレにキャストして得たフィルムの対水
接触角は、ガラス自体のそれに比べ何れも向上している
ので、本発明のフッ素含有ポリマーによりガラスの撥水
性を向上させることができることが判る。また、比較例
1に於けるPMMAをキャストしたフィルムに比べ、実
験例1及び2に於ける本発明のフッ素含有ポリマーをキ
ャストしたフィルムは、何れも対水接触角が大きく、撥
水性が高くなっていることから、本発明のフッ素含有ポ
リマーは、PMMAよりも例えば塗料等の樹脂組成物或
いは化粧料用基剤等として明らかに優れたものであるこ
とが判る。
【0079】実験例3.実験例1に於いて、ポリマーF
1の代わりにポリマーF3を用いた以外は実験例1と全
く同様にしてキャストした後対水接触角を測定した。そ
の結果、実験例1と同様の良好な結果が得られた。
【0080】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、例えば塗
料用樹脂組成物や、頭髪化粧料用基剤等の用途への効果
的な使用が期待できる新規なフッ素含有ポリマーを提供
するものであり、斯業に貢献するところ大なる発明であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】エチレン性炭化水素類としては、例えばα
-オレフィン性芳香族炭化水素類、エチレン性脂肪族炭
化水素類等が挙げられる。また、保護されていても良い
反応性の官能基を有するエチレン性化合物類としては、
例えば脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基、ハロゲン
原子、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ホ
ルミル基、アミノ基、スルホン酸基等の官能基、又は、
例えばアルキルオキシカルボニル基、アシルオキシ基、
カルバモイル基等の保護された官能基を有している化合
物が挙げられ、その具体例としてはビニルエステル類、
含ハロゲンビニル化合物類、オレフィンカルボン酸化合
物類、ビニルスルホン酸類、ビニルアミン類、オレフィ
ンアルコール類、4−ビニルフェノール等が挙げられ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】オレフィンアルコール類としては、例えば
炭素数3〜20のオレフィンアルコール類が挙げられ、具
体的にはアリルアルコール、クロチルアルコール等が挙
げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】一般式[2]に於いて、R5で示される低
級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにて
も良く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、
具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル
基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert
-ペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、
イソヘキシル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボ
ニル基としては、例えば炭素数2〜20のアルキルオキ
シカルボニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜
7のアルキルオキシカルボニル基が挙げられ、具体的に
はメチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル
基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボ
ニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシ
カルボニル基等が挙げられる。R6で示される低級アル
キル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良
く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体
的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロ
ピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、
sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペ
ンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソ
ヘキシル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フ
ッ素、塩素、臭素、沃素が挙げられる。R7で示される
アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或いは環状
でも何れにても良く、また、二重結合を有していても良
く、例えば炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、具
体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプ
ロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル
基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert
-ペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、
イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、
ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル
基、オクテニル基等が挙げられる。ハロアルキル基とし
ては、例えば上記アルキル基がハロゲン化(例えばフッ
素化、塩素化、臭素化、沃素化等。)された炭素数1〜
20のハロアルキル基が挙げられ、具体的にはクロロメ
チル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2-ク
ロロエチル基、3-クロロプロピル基、3-ブロモプロピル
基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1,2,2-テトラヒ
ドロパーフルオロオクチル基、パーフルオロオクチル
基、1-クロロデシル基、1-クロロオクタデシル基等が挙
げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ト
リル基、キシリル基等が挙げられる。置換基を有するア
リール基の置換基としては、例えばアミノ基、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基等が挙げられ、その具体例とし
ては、アミノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カル
ボキシフェニル基等が挙げられる。脂肪族ヘテロ環基と
しては、例えば5員環又は6員環の脂肪族ヘテロ環基が
好ましく、異性原子として1〜3個の例えば窒素原子、
酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいるものが
挙げられ、その具体例としては、例えばピロリジル-2-
オン基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基
等が挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては、例えば5
員環又は6員環の芳香族ヘテロ環基が好ましく、異性原
子として1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原
子等のヘテロ原子を含んでいるものが挙げられ、その具
体例としては、例えばピリジル基、イミダゾリル基、チ
アゾリル基、フラニル基、ピラニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素が挙
げられる。アルキルオキシカルボニル基としては、例え
ば炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基が好ま
しく、具体的にはメチルオキシカルボニル基、エチルオ
キシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチ
ルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、
ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニ
ル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカル
ボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシ
カルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等が挙
げられる。アシルオキシ基としては、カルボン酸由来の
例えば炭素数〜20のアシルオキシ基が好ましく、具
体的にはアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイル
オキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ
基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ベンゾ
イルオキシ基等が挙げられる。カルボキシアルキル基と
しては、上記した如きアルキル基の水素原子がカルボキ
シル基に置換されたものが挙げられ、具体的にはカルボ
キシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピ
ル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カ
ルボキシヘキシル基、カルボキシヘプチル基、カルボキ
シオクチル基、カルボキシノニル基、カルボキシデシル
基、カルボキシドデシル基、カルボキシオクタデシル基
等が挙げられる。アミノアルキル基としては、上記した
如きアルキル基の水素原子がアミノ基に置換されたもの
が挙げられ、具体的にはアミノメチル基、アミノエチル
基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチ
ル基、アミノヘキシル基、アミノヘプチル基、アミノオ
クチル基、アミノノニル基、アミノデシル基、アミノド
デシル基、アミノオクタデシル基等が挙げられる。ヒド
ロキシアルキル基としては、上記した如きアルキル基の
水素原子がヒドロキシル基に置換されたものが挙げら
れ、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒド
ロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシ
ヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル
基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒド
ロキシオクタデシル基等が挙げられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有アゾ化合物由来のセグメント
    と重合性モノマー単位とを構成成分として含んで成るフ
    ッ素含有ポリマー。
  2. 【請求項2】 フッ素含有アゾ化合物の存在下に、重合
    性モノマーを重合反応させることを特徴とするフッ素含
    有ポリマーの製造法。
JP8477696A 1996-03-13 1996-03-13 新規なフッ素含有ポリマー Withdrawn JPH09241307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8477696A JPH09241307A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 新規なフッ素含有ポリマー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8477696A JPH09241307A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 新規なフッ素含有ポリマー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241307A true JPH09241307A (ja) 1997-09-16

Family

ID=13840092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8477696A Withdrawn JPH09241307A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 新規なフッ素含有ポリマー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241307A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109694A (ja) * 1998-08-04 2000-04-18 Jsr Corp 光硬化性樹脂組成物および硬化膜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000109694A (ja) * 1998-08-04 2000-04-18 Jsr Corp 光硬化性樹脂組成物および硬化膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
PL181723B1 (pl) Pochodne iminowe PL PL PL
EP0418118B1 (fr) Polymères à groupements disulfure de thiurame et leur préparation
EP0779318B1 (en) Silicon-containing block copolymer
JPH09241307A (ja) 新規なフッ素含有ポリマー
JP3666156B2 (ja) シリコン含有ブロックコポリマー
JPH1192461A (ja) ジスルフィド化合物および金属表面処理剤
US6201082B1 (en) Fluorine-containing macroazo compound
US5847091A (en) Fluorine-containing azo compounds
JPH101473A (ja) チオウラシル誘導体
JP3296476B2 (ja) 金属表面処理剤
JPH1067837A (ja) 新規なフッ素含有アゾ化合物
JPH09249630A (ja) フッ素含有アゾ化合物の新規な製造法
JPH1060027A (ja) 新規なフッ素含有マクロアゾ化合物
JP3180818B2 (ja) 1−置換エチルメタクリレート類の製造法
JP3937496B2 (ja) 新規なアゾアミド化合物
JP5106751B2 (ja) マレイン酸と、無水マレイン酸と、アルキルビニルエーテルの三元重合体
JP4784028B2 (ja) 新規なアゾアミジン化合物
JP4348800B2 (ja) 新規なカルボキシル基含有アゾアミド化合物
JP3269135B2 (ja) フルオロアルキル基含有重合体及びその製造方法
JP2003012784A (ja) 粉末アゾ化合物
JPH11310565A (ja) 新規なアゾアミジン化合物
JP2001172310A (ja) 新規な重合方法
JP3446264B2 (ja) アンモニウムホスフェイト誘導体および製造方法
JPS61271246A (ja) 5−フレオロアラキドン酸誘導体およびその製造法
JPH01115906A (ja) 側鎖にローダニン環を有する高分子の合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030603