JP3296476B2 - 金属表面処理剤 - Google Patents

金属表面処理剤

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JP3296476B2
JP3296476B2 JP34784996A JP34784996A JP3296476B2 JP 3296476 B2 JP3296476 B2 JP 3296476B2 JP 34784996 A JP34784996 A JP 34784996A JP 34784996 A JP34784996 A JP 34784996A JP 3296476 B2 JP3296476 B2 JP 3296476B2
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幹雄 木村
將之 相澤
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Tokuyama Corp
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TOKUYMA DENTAL CORPORATION
Tokuyama Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属に対して優れ
た接着性を発現させるために有用な金属表面処理剤に関
する。本発明は金属にレジンを接着する医療、電子材
料、精密機械および宝飾等多くの分野の利用が可能であ
るが、特に歯科分野において有用である。
【0002】
【従来の技術】鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ス
ズ、アルミニウム、銅、チタン等卑金属の接着剤とし
て、フタル酸無水物基、フタル酸基、マロン酸基及びリ
ン酸基等の種々の官能基を有するアクリルまたはメタク
リル系重合性単量体を含む接着剤が提案され実用化され
ている。しかしながら、金、白金、パラジウム、銀等の
貴金属に対しては充分な接着力を有する接着剤が開発さ
れていない。そのため、貴金属に対する接着は予め該貴
金属表面をスズメッキまたは酸化処理をするのが一般的
であった。これらの方法は操作が煩雑でかつ充分な接着
力が得られないため、貴金属用接着剤あるいは貴金属用
表面処理剤の開発が望まれてきた。
【0003】上記要望に応えて近年、チオリン酸基(特
開平1−138282号公報)、チオリン酸クロリド基
(特開平5−117595号公報)やトリアジンジチオ
ン誘導体(特開昭64−83254号公報)等の官能基
を有する接着性の重合性単量体が提案されている。これ
ら接着性重合性単量体を含む表面処理剤は予め貴金属面
に塗布し、次いで重合性レジンを硬化させることによ
り、貴金属に対する接着を可能にしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記表
面処理剤を用いる貴金属の接着においては、接着力ある
いは耐水性、耐久性が未だ充分でなく、さらに、接着性
重合性単量体が不安定で表面処理剤の保存安定性が悪
い、接着力が塗布量に影響される等の問題点がある。ま
た、上記表面処理剤の効果は貴金属の接着においてのみ
発現し、卑金属の接着においてはその効果は発現しな
い。そこで、本発明では、卑金属、貴金属いずれに対し
ても充分な初期接着力を有し、かつ接着耐久性、耐水性
及び保存安定性の良好な金属表面処理剤を提供すること
を目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討を行った結果、ラジカル重合性不飽和結合を
有するチオウラシル誘導体を主成分とする表面処理剤が
保存安定性、貴金属に対する接着強度、耐水性および耐
久性等に効果を有することを見出し、さらに、ラジカル
重合性不飽和結合を有するチオウラシル誘導体と酸性基
含有(メタ)アクリレート系単量体を含む表面処理剤が
卑金属、貴金属のいずれに対しても充分な接着強度を有
し、保存安定性、耐水性および耐久性が優れていること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式(1)または
(2)で示されるチオウラシル誘導体および有機溶媒を
含有してなる金属表面処理剤、並びに、さらに酸性基含
有(メタ)アクリレート系単量体含有してなる金属表
面処理剤である。
【0007】
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1、R2はそれぞれ水素原子また
はアルキル基であり、R1とR2の少なくとも一方は水素
原子であり、R3は水素原子、アルキル基またはフェニ
ル基であり、R4は炭素数1〜20の2価の有機残基で
あり、Zはラジカル重合性不飽和結合を有する有機基で
ある。) 上記一般式(1)および(2)において、R1、R2はそ
れぞれ水素原子またはアルキル基を表し、R1とR2の少
なくとも一方は水素原子である。アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が例示され
る。
【0010】また、上記一般式(1)および(2)にお
いて、R3は水素原子、アルキル基またはフェニル基を
表す。該アルキル基としては、上記R1、R2と同様のも
のが例示できる。
【0011】さらに、上記一般式(1)および(2)に
おいて、R4は炭素数1〜20の2価の有機残基であれ
ば何ら制限されない。従って、アルキレン基の様な2価
の鎖状または分枝を有する炭化水素基のみならず、主鎖
中にエーテル結合、エステル結合、シロキサン結合もし
くはフェニレン基を有する有機基も含まれる。
【0012】基R4を具体的に例示すれば、
【0013】
【化3】
【0014】等が挙げられる。
【0015】また、上記一般式(1)および(2)にお
いて、Zはラジカル重合性不飽和結合を有する有機基を
表す。Zはラジカル重合性不飽和結合を有する有機基で
あれば特に制限されず、具体的にはメタクリロイルオキ
シ基、アクリロイルオキシ基、4−ビニルベンジルオキ
シ基、スチリル基、アリルオキシ基およびアリル基等が
例示される。中でも、メタクリロイルオキシ基、アクリ
ロイルオキシ基が重合性及び取り扱い易さ等の点で好適
である。
【0016】一般式(1)または(2)で示されるチオ
ウラシル誘導体の中で代表的なものは、下記一般式
(3)または(4)で示される。
【0017】
【化4】
【0018】{式中、R5、R6はそれぞれ水素原子また
はアルキル基であり、R5とR6の少なくとも一方は水素
原子であり、R7は水素原子、アルキル基またはフェニ
ル基であり、R8は炭素数2〜12の2価の飽和炭化水
素基、−CH2−C64−CH2−または−(CH2O
Si(CH32OSi(CH32−(CH2P−(但
し、o及びpはそれぞれ独立に1〜5の整数である。)
であり、Yは、−COO−、−CH2O−または−C6
4−CH2O−であり、R9は水素原子またはメチル基で
ある。} 本発明で用いられるチオウラシル誘導体を具体的に例示
すれば下記のとおりである。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】前記一般式(3)および(4)で示される
チオウラシル誘導体の製造方法は特に限定されるもので
はなく、如何なる方法を採用してもよい。工業的に好適
な方法の一例を具体的に例示すれば次の通りである。
【0029】まず、一般式(3)で示されるチオウラシ
ル誘導体の製造方法について説明する。即ち下記一般式
(5)
【0030】
【化14】
【0031】(式中、R5、R6はそれぞれ水素原子また
はアルキル基であり、R5とR6の少なくとも一方は水素
原子である。)で示されるチオ尿素誘導体と、下記一般
式(6)
【0032】
【化15】
【0033】(式中、R7は水素原子、アルキル基また
はフェニル基である。)で示されるマロン酸誘導体を縮
合反応させ、下記一般式(7)
【0034】
【化16】
【0035】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボエトキ
シチオウラシル誘導体を得、その後に脱エステル化反応
により下記一般式(8)
【0036】
【化17】
【0037】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボキシチ
オウラシル誘導体を得た後、これと下記一般式(9)
【0038】
【化18】
【0039】{式中、R8は炭素数2〜12の2価の飽
和炭化水素基、−CH2−C64−CH2−または−(C
2O−Si(CH32OSi(CH32−(CH2P
−(但し、o及びpはそれぞれ独立に1〜5の整数であ
る。)であり、Yは、−COO−、−CH2O−または
−C64−CH2O−であり、R9は水素原子またはメチ
ル基である。}で示される重合性不飽和結合を有するア
ルコールを反応させることにより前記一般式(3)の重
合性不飽和結合を有するチオウラシル誘導体が得られ
る。
【0040】上記一般式(5)で示したチオ尿素誘導体
としては公知のものが制限なく用いられる。例えば、チ
オ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、プロピルチ
オ尿素、ブチルチオ尿素等が好適に用いられる。
【0041】上記一般式(6)で示したマロン酸誘導体
は、マロン酸ジエチルとオルト酸トリエチルの反応によ
り合成される。
【0042】オルト酸トリエチルとしては、オルトギ酸
トリエチル、オルト酢酸トリエチル、オルトプロピオン
酸トリエチル、オルト安息香酸トリエチル等が例示され
る。さらに具体的には、一般式(6)で示されるマロン
酸誘導体は、マロン酸ジエチル1モルとナトリウムエト
キシド2〜3モルを溶媒存在下で仕込み、オルト酸トリ
エチル1モルを徐々に滴下して反応させることにより得
られる。
【0043】上記一般式(9)で示した重合性不飽和結
合を有するアルコールとしては、Yが−COO−の場
合、(メタ)アクリル酸とグリコールとのエステル化反
応、(メタ)アクリル酸クロライドとグリコールのエス
テル化反応等により得られる。Yが−CH2O−の場合
にはアリルクロライドとグリコールとの反応等により得
られる。また、Yが−C64−CH2O−の場合には4
−ビニルベンジルクロライドとグリコールとの反応等に
より得られる。
【0044】グリコールとしてはエチレングリコール、
プロピレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、
デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオー
ル、、、パラ−キシレングリコール、1,3−ビス(ヒ
ドロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン等が例示
される。
【0045】さらに具体的には、一般式(9)において
Yが−COO−の場合、対応するアルコール(9)は、
(メタ)アクリル酸1モルに対し、グリコール1モル〜
4モルと酸触媒0.01〜0.1モルを仕込み、反応さ
せることにより得られる。酸触媒としてはp−トルエン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が好ましく用いられ
る。
【0046】あるいは、グリコール1〜4モルと脱ハロ
ゲン化水素剤として第三アミン1モルまたはモレキュラ
ーシーブ3Aを溶媒存在下で仕込み、(メタ)アクリル
酸クロライド1モルを徐々に滴下してエステル化反応す
ることでも得られる。第三アミンとしてはピリジン、ト
リエチルアミン等が好ましく用いられる。
【0047】また、一般式(9)においてYが−CH2
O−の場合、対応するアルコール(9)は、グリコール
1モル〜4モルと塩基性触媒1〜1.2モルを溶媒存在
下で仕込み、アリルクロライド1モルを徐々に滴下して
反応させることにより得られる。塩基性触媒としては水
素化ナトリウム等が好ましく用いられる。
【0048】さらに、一般式(9)においてYが−C6
4−CH2O−の場合、対応するアルコール(9)は、
グリコール1モル〜2モルと塩基性触媒1〜1.2モル
を溶媒存在下で仕込み、4−ビニルベンジルクロライド
1モルを徐々に滴下して反応させることにより得られ
る。塩基性触媒としては水素化ナトリウム等が好ましく
用いられる。
【0049】これらの場合、生成物として、モノ置換体
(9)とジ置換体が得られる。蒸留またはカラムクロマ
トグラフィーによりモノ置換体(9)を分離精製するこ
とができる。
【0050】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(6)のマロン酸誘導体との縮合反応において、一般
式(5)のチオ尿素誘導体に対する一般式(6)のマロ
ン酸誘導体の反応モル比は0.5〜1.5モルが好まし
い。
【0051】この時用いられる反応触媒としては公知の
ものが使用可能であり、ナトリウムエトキシド等が例示
され、その添加量は一般式(5)のチオ尿素誘導体に対
して0.5〜1.5倍モルが好ましい。
【0052】またこの反応に用いる溶媒としてはエタノ
ール等が挙げられる。反応の温度は40〜80℃の範囲
から選択することができ、好ましくは60〜80℃の範
囲である。反応時間は特に限定されることはなく一般的
には1〜10時間程度の範囲から選択できるが、反応温
度との関連で決定されればよい。
【0053】反応後は析出した塩を水に溶解させ、酸を
加えて溶液を酸性にすることにより、一般式(7)で示
されるカルボエトキシチオウラシル誘導体が得られる。
【0054】ただし、一般式(5)のチオ尿素におい
て、R5、R6のいずれかがアルキル基の場合、一般式
(7)のカルボエトキシチオウラシル誘導体はアルキル
基のN原子上の置換位置による異性体の混合物として得
られる。これらはカラムクロマトグラフィーにより分離
精製することができる。
【0055】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(6)のマロン酸誘導体との反応で得られる一般式
(7)のカルボエトキシチオウラシル誘導体の脱エステ
ル化反応において、用いられる脱エステル化剤としては
公知のものが使用できるが、カリウムターシャルブトキ
シドのジメチルスルホキシド溶液を用いるのが好まし
い。また、脱エステル化剤の添加量は上記カルボエトキ
シチオウラシル誘導体に対して6〜20倍モルの範囲が
好適であるが、12〜16倍の範囲がより好ましい。
【0056】反応の温度は室温〜80℃の範囲から選択
することができるが、好ましくは室温〜40℃の範囲で
ある。反応時間は特に限定されることはなく一般的には
1〜24時間程度の範囲から選択できるが、反応温度と
の関連で決定されればよい。
【0057】反応後は、反応混合液に水を添加して、さ
らに酸を加えて溶液を酸性にすることにより、一般式
(8)で示されるカルボキシチオウラシル誘導体が得ら
れる。
【0058】前記一般式(8)のカルボキシチオウラシ
ル誘導体と一般式(9)の重合性不飽和結合を有するア
ルコールとの反応において、一般式(8)のカルボキシ
チオウラシル誘導体に対する一般式(9)の重合性不飽
和結合を有するアルコールの反応モル比は1〜5の範囲
で反応させることができるが、1〜3の範囲がより好ま
しい。
【0059】この時用いられるエステル化反応のエステ
ル化触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド等が挙げられる。また、これら反応触媒の添加量は上
記カルボキシチオウラシル誘導体に対して0.1〜1倍
モルの範囲が好ましい。
【0060】またこの反応に用いる溶媒としてはテトラ
ヒドロフラン、アセトン、トルエン等が挙げられる。ま
た、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤を少量添
加することも好ましい。
【0061】反応の温度は室温〜80℃の範囲から選択
することができるが、好ましくは室温〜70℃の範囲で
ある。反応時間は特に限定されることはなく一般的には
1〜50時間程度の範囲から選択できるが、反応温度と
の関連で反応物が重合しない範囲で決定されればよい。
【0062】反応後は、析出物を濾過し、溶媒を減圧留
去後、その濃縮物を酢酸エチル等の不活性溶媒を展開溶
媒としてシリカゲルカラムを通過させて分離精製するこ
とにより純度の高い生成物が得られる。
【0063】次に、一般式(4)で示されるチオウラシ
ル誘導体の製造方法について説明する。
【0064】即ち下記一般式(5)
【0065】
【化19】
【0066】(式中、R5、R6は前記に同じ。)で示さ
れるチオ尿素誘導体と、下記一般式(10)
【0067】
【化20】
【0068】(式中、R7は水素原子、アルキル基また
はフェニル基である。)で示されるコハク酸誘導体を縮
合反応させ、下記一般式(11)
【0069】
【化21】
【0070】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボエトキ
シチオウラシル誘導体を得、その後に脱エステル化反応
により下記一般式(12)
【0071】
【化22】
【0072】(式中、R5、R6およびR7は上記一般式
における定義と同義である。)で示されるカルボキシチ
オウラシル誘導体を得た後、これと下記一般式(9)
【0073】
【化23】
【0074】{式中、R8は炭素数2〜12の2価の飽
和炭化水素基、−CH2−C64−CH2−または−(C
2o−Si(CH32OSi(CH32−(CH2p
−(但し、o及びpはそれぞれ独立に1〜5の整数であ
る。)であり、Yは、−COO−、−CH2O−または
−C64−CH2O−であり、R9は水素原子またはメチ
ル基である。}で示されるアルコールを反応させること
により前記一般式(4)の重合性不飽和結合を有するチ
オウラシル誘導体が得られる。
【0075】上記一般式(5)で示したチオ尿素誘導体
としては前記一般式(3)の製造の場合と同様に公知の
ものが制限なく用いられる。
【0076】上記一般式(10)で示したコハク酸誘導
体は公知のものが制限なく用いられる。例えば、2−オ
キソコハク酸ジエチル、2−メチル−2’−オキソコハ
ク酸ジエチル、2−エチル−2’−オキソコハク酸ジエ
チル、2−ブチル−2’−オキソコハク酸ジエチル等が
好適に用いられる。
【0077】上記一般式(9)で示した重合性不飽和結
合を有するアルコールとしては、前記一般式(3)の製
造の場合と同様のものが用いられる。
【0078】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(10)のコハク酸誘導体との縮合反応において、一
般式(5)のチオ尿素誘導体に対する一般式(10)の
コハク酸誘導体の反応モル比は0.5〜1.5モルが好
ましい。
【0079】この時用いられる反応触媒としては公知の
ものが使用可能であり、ナトリウムエトキシド等が例示
され、その添加量は一般式(5)のチオ尿素誘導体に対
して0.5〜1.0倍モルが好ましい。
【0080】またこの反応に用いる溶媒としてはエタノ
ール等が挙げられる。反応の温度は40〜80℃の範囲
から選択することができ、好ましくは60〜80℃の範
囲である。反応時間は特に限定されることはなく一般的
には1〜10時間程度の範囲から選択できるが、反応温
度との関連で決定されればよい。
【0081】反応後は析出した塩を水に溶解させ、酸を
加えて溶液を酸性にすることにより、一般式(11)で
示されるカルボエトキシチオウラシル誘導体が得られ
る。
【0082】ただし、一般式(5)のチオ尿素におい
て、R5、R6のいずれかがアルキル基の場合、一般式
(11)のカルボエトキシチオウラシル誘導体はアルキ
ル基のN原子上の置換位置による異性体の混合物として
得られる。これらはカラムクロマトグラフィーにより分
離精製することができる。
【0083】前記一般式(5)のチオ尿素誘導体と一般
式(10)のコハク酸誘導体との反応で得られる一般式
(11)のカルボエトキシチオウラシル誘導体の脱エス
テル化反応は、前記一般式(7)で示されるカルボエト
キシチオウラシル誘導体の場合と同様に行うことができ
る。
【0084】一般式(12)で示されるカルボキシチオ
ウラシル誘導体と一般式(9)の重合性不飽和結合を有
するアルコールとの反応は前記一般式(8)のカルボキ
シチオウラシル誘導体と前記一般式(9)の重合性不飽
和結合を有するアルコールとの反応と同様に行うことが
できる。
【0085】本発明の金属表面処理剤において、かかる
チオウラシル誘導体の濃度は特に限定されないが、接着
強度及び過剰使用防止の観点から0.001〜20重量
%の範囲内であることが好適である。上記チオウラシル
誘導体濃度のさらに好ましい濃度範囲は、0.005〜
10重量%である。
【0086】また、本発明で使用する有機溶媒は、チオ
ウラシル誘導体を溶解するものであれば、一般の有機溶
剤あるいは重合性単量体が何等制限なく使用できるが、
揮発性を有する有機溶媒を使用した場合には、チオウラ
シル誘導体濃度が低くても良好な接着が得られるので、
揮発性の有機溶媒を使用するのが好適である。
【0087】本発明で好適に使用できる上記有機溶剤を
具体的に例示すれば、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチルエーテ
ル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル類;酢酸エチル、蟻酸エチル等のエステル類;トル
エン、キシレン、ベンゼン等の芳香族系溶媒;ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のハイドロカーボ
ン系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン等の塩素系溶媒;トリフルオロエタノール等
のフッ素系溶媒等が挙げられる。これらの中で、溶解性
および保存安定性等の理由で、アセトン、トルエン、エ
タノール等が特に好ましく使用される。
【0088】また、本発明で有機溶媒として好適に使用
できる重合性単量体は、例えばラジカル重合性を示すも
のである。好適に使用できる重合性単量体を具体的に例
示すれば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の重合性の高いアクリルまたは
メタクリル系重合性単量体及びスチレン等が挙げられ
る。
【0089】上記の有機溶媒は1種又は2種以上を組み
合わせて使用することもできる。
【0090】本発明の金属表面処理剤においては、卑金
属に対する接着性をより高めるために、更に酸性基含有
(メタ)アクリレート系単量体を配合することもでき
る。この様な態様の金属表面処理剤を用いることによ
り、コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金等の卑金
属とレジン等を良好に接着することも可能となる。特
に、該態様の表面処理剤を卑金属と貴金属との合金に対
して使用した場合に得られる接合体の接着強度は、酸性
基含有(メタ)アクリレート系単量体を配合しない金属
表面処理剤を使用した場合より高くなる。卑金属と貴金
属との合金は、歯科用に使用されることが多いため、上
記態様の金属表面処理剤は、歯科用金属表面処理剤とし
て特に有効である。
【0091】前記の酸性基含有(メタ)アクリレート系
単量体は、分子中にカルボキシル基またはその無水物、
或はリン酸基等の酸性基を有する(メタ)アクリレート
系単量体であれば特に限定されず、公知の化合物を使用
できるが、下記一般式(13)で示される酸性基含有
(メタ)アクリレート系単量体が好適である。
【0092】
【化24】
【0093】(式中、R10は水素原子またはメチル基、
11はエーテル結合および/またはエステル結合を有し
てもよい2〜6価の炭素数1〜20の有機残基、Xはカ
ルボキシル基、無水カルボキシル基、リン酸基、リン酸
エステル基を含有する基を表す) 上記一般式中、Xはカルボキシル基、無水カルボキシル
基、リン酸基、リン酸エステル基を含有する基であり、
その構造は特に限定されることはないが、好ましい具体
例は次の通りである。
【0094】
【化25】
【0095】上記一般式中、R11の構造は特に制限され
ることはなく、公知のエーテル結合および/またはエス
テル結合を有してもよい2〜6価の炭素数1〜20の有
機残基が採用され得るが、具体的に例示すると下記の通
りである。
【0096】
【化26】
【0097】上記一般式で表される酸性基含有(メタ)
アクリレート系単量体の好ましい具体例を挙げると次の
通りである。
【0098】
【化27】
【0099】
【化28】
【0100】
【化29】
【0101】
【化30】
【0102】(但し、R10は水素原子またはメチル基で
ある。) 金属接着性の点から、上記具体例に例示した酸性基含有
(メタ)アクリレート系単量体の中でも、特にカルボキ
シル基、リン酸基を有するものが好適に使用される。
【0103】上記酸性基含有(メタ)アクリレート系単
量体は1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0104】酸性基含有(メタ)アクリレート系単量体
を含む金属表面処理剤において、チオウラシル誘導体
(a)、酸性基含有(メタ)アクリレート系単量体
(b)および有機溶媒(c)の配合割合は特に限定され
ないが、(a)、(b)および(c)の合計を100重
量部とした場合、(a)の配合量が0.001〜20重
量部、(b)の配合量が0.1〜15重量部、(c)が
残部であるとき卑金属、貴金属の両方に対して良好な接
着が得られる。より好適な配合割合は、(a)が0.0
05〜10重量部、(b)が1〜10重量部および
(c)が残部である。
【0105】本発明の金属表面処理剤においては、前記
一般式(1)または(2)で示されるチオウラシル誘導
体と、該チオウラシル誘導体を溶解し且つ揮発性を有す
る有機溶媒を組み合わせて使用するのが接着力、取扱の
容易さの点で好適である。さらに、卑金属に対する接着
性を高めたい場合には、該金属表面処理剤に前記一般式
(13)で示される酸性基含有(メタ)アクリレート系
単量体を配合して使用するのが好適である。
【0106】また、本発明の金属表面処理剤には接着力
を低下させない範囲で必要に応じて、重合触媒を添加す
ることもできる。添加可能な重合触媒としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジタ
ーシャルブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキ
サイド等の過酸化物系重合触媒;5−ブチルバルビツー
ル酸、5−ブチル−2−チオバルビツール酸等のバルビ
ツール酸系重合触媒;カンファーキノン、アセチルベン
ゾイル等のα−ジケトン;ベンゾインエチルエーテル等
のベンゾインアルキルエーテル;2−クロロチオキサン
ソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導
体;ベンゾフェノン、P,P’−メトキシベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン誘導体等の光重合触媒;及びジメ
チルアミノエチルメタクリレート、N,Nジメチルパラ
トルイジン、P−ジメチル安息香酸エチル等のアミン助
触媒等が挙げられる。これら重合触媒および助触媒は、
一種または必要に応じて2種以上を組合せて添加するこ
とができる。
【0107】更に必要に応じて、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、ハイドロキノン、4−ターシャルブチル
フェノール等の重合禁止剤を添加することもできる。
【0108】前記の各成分を混合し、金属表面処理剤を
調製する方法については特に制限がなく、例えば前記チ
オウラシル誘導体、有機溶媒および必要に応じて酸性基
含有(メタ)アクリレート系単量体、その他の任意成分
を所望の割合で容器に秤り採り、均一になるまで攪拌混
合すればよい。
【0109】本発明の金属表面処理剤の使用方法は特に
限定されないが、金属とレジン等を良好に接着するため
には、本発明の金属表面処理剤を金属表面に塗布した
後、該金属表面に重合性組成物を盛って、さらに該重合
組成物を硬化させる方法が好適に採用できる。また、上
記の重合性組成物の金属と接する面の反対側に別途レジ
ン、金属、セラミックス等を接着することにより、金属
とこれら物質を間接的に接着することも可能である。
【0110】上記方法において、処理後の金属表面に盛
られる重合性組成物としては、公知の重合性組成物が何
等制限なく使用できるが、重合性、取り扱い易さ等を考
慮すると、重合開始触媒を含んだアクリルまたはメタク
リル系重合性単量体を主体とするものが好適である。歯
科で一般的に用いられている重合性組成物、例えば義歯
床用レジン、即時重合レジン、硬質レジン、コンポジッ
トレジン、レジンセメント等は、アクリルまたはメタク
リル系重合性単量体と重合開始剤を必須成分として含ん
でいるので好適に使用することができる。
【0111】アクリルまたはメタクリル系重合性単量体
の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、メタクリロキシエチルプロピオネート等の
単官能重合性単量体;トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−(3−メタクリ
ロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多
官能重合性単量体;4−メタクリロキシエトキシカルボ
ニルフタル酸無水物、10−メタクリロキシデシルジハ
イドロジエンホスフェート、10−メタクリロキシデカ
メチレンマロン酸、2−メタクリロキシエチル3’−メ
タクリロキシ2’(3,4−ジカルボキシベンゾイルオ
キシ)プロピルサクシネート等の接着性重合性単量体等
が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の組合せで
使用される。
【0112】重合開始触媒の具体例としてはベンゾイル
パーオキサイド/N,Nジエタノール−P−トルイジン
の様なレドックス系開始剤;トリブチルボランの部分酸
化物等のアルキル金属化合物;n−ブチルバルビツール
酸/塩化銅のようなバルビツール酸系開始剤;カンファ
ーキノン/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト等の光重合開始触媒を挙げることができる。
【0113】本発明の金属表面処理剤は金、パラジウ
ム、白金、銀、もしくは銅等の純金属、または歯科用の
金合金、金銀パラジウム合金、もしくは銀合金等に対し
て使用したときにその効果が特に顕著である。
【0114】本発明の、前記一般式(1)または(2)
で示されるチオウラシル誘導体を含有する金属表面処理
剤を用いることにより、金属、特に貴金属とレジン等を
高接着強度で且つ高耐水性、高耐久性で接着することが
できる。また、酸性基含有(メタ)アクリレート単量体
をさらに配合した金属表面処理剤を用いた場合には、貴
金属、卑金属いずれの金属に対しても非常に優れた接着
性を発現させることができる。特に、該酸性基含有(メ
タ)アクリレート単量体を配合した金属表面処理剤を卑
金属と貴金属の合金に適用した場合には、有機溶媒にチ
オウラシル誘導体及び酸性基含有(メタ)アクリレート
単量体をそれぞれ単独で配合した金属表面処理剤からは
予想し得ない高い接着強度が得られる。さらに、これら
本発明の金属表面処理剤は、保存安定性が高く、取扱の
点でも非常に優れている。
【0115】上記のように優れた効果が発現する理由の
詳細は今のところ不明であるが、以下のように推定して
いる。即ち、まず金属表面にチオウラシル誘導体と有機
溶媒から成る金属表面処理剤を塗布すると、チオウラシ
ル分子中の硫黄原子が速やかに表面の金属原子または金
属酸化物と反応し、耐水性に優れた化学結合が形成され
る。次いで、その表面に重合性組成物が盛られると、チ
オウラシル誘導体の重合性不飽和結合が重合性組成物中
の重合性単量体と反応し、共重合・硬化して金属と強固
な結合が形成される。上記前段の反応は、特に貴金属表
面で起こりやすいため、結果として貴金属とレジン等の
良好な接着が可能となるものと推定している。
【0116】一方、酸性基含有(メタ)アクリレート単
量体は、その酸性基が卑金属原子またはその酸化物と反
応し、耐水性に優れた化学結合を形成する傾向が強いた
め、該単量体をさらに配合すると卑金属に対する接着強
度が高まるものと思われる。そして、卑金属と貴金属と
の合金に酸性基含有(メタ)アクリレート単量体を配合
した金属表面処理剤を適用した場合には、上記反応とチ
オウラシル誘導体による前記反応が併行して起こり、こ
の時の相乗効果により接着強度が向上したものと推定し
ている。
【0117】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。
【0118】製造例1 カリウム ターシャルブトキシド(43.7g、389
mmol)とジメチルスルホキシド(400ml)を2
リットルナス型フラスコに入れて溶解し、この溶液にエ
チル 2−チオウラシル−5−カルボキシレート(5.
0g,25.0mmol)をゆっくり滴下し、1時間室
温で反応させた。反応終了後、反応混合液にメタノール
(500ml)を添加し、析出した沈澱物を濾過した。
得られた沈澱物を水に溶解させ、この水溶液に塩酸を加
え、淡黄色固体5−カルボキシ−2−チオウラシル
(2.54g)を得た。
【0119】窒素雰囲気下、1、6−ヘキサンジオール
(47.3g、0.40mol)とモレキュラシーブ3
A粉末(40g)およびアセトニトリル(470ml)
の入った1リットルの3つ口フラスコに、メタクリル酸
クロリド(20.9g、0.2mol)のアセトニトリ
ル溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっく
り滴下した。滴下終了後、5時間加熱還流させた。その
後室温まで放冷し、反応混合物からモレキュラシーブ3
A粉末を濾過し、ろ液からアセトニトリルを減圧留去し
た。残査に塩化メチレン300mlを加え、その塩化メ
チレン溶液を水洗した。塩化メチレン層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。この残査からシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで無色透明液体6−
ヒドロキシヘキシルメタクリレート(33.3g)を分
離精製した。
【0120】6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート
(5.59g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72g、10
mmol)およびテトラヒドロフラン(50ml)を2
00ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温で3日間
攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生成する
が、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。得られたろ
液からテトラヒドロフランを減圧留去し、残査をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに添加した。酢酸エチ
ル、ヘキサンの混合溶媒を展開溶媒として用いることに
より、下記式化31で表される6−メタクリロイルオキ
シヘキシル 2−チオウラシル−5−カルボキシレート
[A](1.13g、3.3mmol)を得た。NMR
(d6DMSO)、MASSおよび元素分析の結果を以
下に示す。
【0121】
【化31】
【0122】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、−COO−CH (CH
CH−OCO−) 1.87(3H、-CH3 ) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2 -OCO-) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-) 7.94(1H、-N-CH=C-) 12.7(2H、-NH-) MASS(M+1)+=341 元素分析;C152025S C H N 計算値 52.93 5.92 8.23 実測値 52.96 5.92 8.25 製造例2 窒素雰囲気下、1、10−デカンジオール(34.9
g、0.20mol)とモレキュラシーブ3A粉末(2
0g)およびテトラヒドロフラン(350ml)の入っ
た1リットルの3つ口フラスコに、メタクリル酸クロリ
ド(10.5g、0.1mol)のテトラヒドロフラン
溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり
滴下した。滴下終了後、5時間加熱還流させた。その後
室温まで放冷し、反応混合物からモレキュラシーブ3A
粉末を濾過し、ろ液からテトラヒドロフランを減圧留去
した。残査に塩化メチレン300mlを加え、その塩化
メチレン溶液を水洗した。塩化メチレン層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。この残査から
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで無色透明液体1
0−ヒドロキシデシルメタクリレート(14.5g)を
分離精製した。
【0123】10−ヒドロキシデシルメタクリレート
(7.27g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72g、10
mmol)およびテトラヒドロフラン(50ml)を2
00ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温で3日間
攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生成する
が、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その後、製
造例1と同様の分離精製処理を行うことによって、下記
式化32で表される10−メタクリロイルオキシデシル
2−チオウラシル−5−カルボキシレート[B]
(1.15g、2.9mmol)を得た。NMR(d6
DMSO)、MASSおよび元素分析の結果を以下に示
す。
【0124】
【化32】
【0125】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.8(16H、-COO-CH2 (CH2)8 CH2-OCO-) 1.87(3H、-CH3 )、 4.08、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2)8 CH2 -OCO-) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-)、 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=397 元素分析;C192825S C H N 計算値 57.56 7.12 7.07 実測値 57.51 7.14 7.08 製造例3 窒素雰囲気下、1、6−ヘキサンジオール(47.3
g、0.40mol)とモレキュラシーブ3A粉末(4
0g)のアセトニトリル溶液(470ml)の入った1
リットルの3つ口フラスコに、アクリル酸クロリド(1
8.1g、0.2mol)のアセトニトリル溶液(30
ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。
滴下終了後、5時間加熱還流させた。反応後、製造例2
と同様の処理を行い、その後無色透明液体6−ヒドロキ
シヘキシルアクリレート(28.9g)を分離精製し
た。
【0126】6−ヒドロキシヘキシルアクリレート
(5.17g、30.0mmol)、N,N’−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(2.27g、11mmo
l)、5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72
g、10mmol)およびテトラヒドロフラン(50m
l)を200ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温
で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生
成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その
後、製造例1と同様の分離精製処理を行うことによっ
て、下記式化33で表される6−アクリロイルオキシヘ
キシル 2−チオウラシル−5−カルボキシレート
[C](1.01g、3.1mmol)を得た。NMR
(d6DMSO)、MASSおよび元素分析の結果を以
下に示す。
【0127】
【化33】
【0128】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2-OCO-) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2 -OCO-) 5.82、6.12、6.45(3H、CH2 =CH-)、 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.7(2H、-NH-) MASS(M+1)+=327 元素分析;C141825S C H N 計算値 51.52 5.56 8.58 実測値 51.56 5.57 8.57 製造例4 窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム(1.92g、
48mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20ml)
の入った300mlの3つ口フラスコに、1、6−ヘキ
サンジオール(4.72g、40mmol)のテトラヒ
ドロフラン溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室温
でゆっくり滴下した。引き続き、クロロメチルスチレン
(6.1g、40mmol)のテトラヒドロフラン溶液
(30ml)をゆっくり滴下した。滴下終了後、4時間
加熱還流させた。その後室温まで放冷し、反応混合物に
希塩酸を加えて反応を停止した。水層をエーテルで抽出
し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで1−ヒドロキシ−6−(p−ビニルベンジルオ
キシ)ヘキサン(7.97gを分離精製した。
【0129】1−ヒドロキシ−6−(p−ビニルベンジ
ルオキシ)ヘキサン(7.03g、30mmol)、
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.27
g、11mmol)、5−カルボキシ−2−チオウラシ
ル(1.72g、10mmol)およびテトラヒドロフ
ラン(50ml)を200ml三つ口フラスコに入れて
溶解し、室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白
色沈澱物が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾
過した。その後、製造例1と同様の分離精製処理を行う
ことによって、下記式化34で表される6−(p−ビニ
ルベンジルオキシ)ヘキシル 2−チオウラシル−5−
カルボキシレート[D](1.17g、3.0mmo
l)を得た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび
元素分析の結果を以下に示す。
【0130】
【化34】
【0131】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2-OCH2-) 3.49、4.1(4H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2 -OCH2-) 4.53(2H、-OCH2 -C6H4) 5.27、5.84、6.71(3H、CH2 =CH-)、 7.3〜7.4(4H、C6H4 ) 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.7(2H、-NH-) MASS(M+1)+=389 元素分析;C202424S C H N 計算値 61.84 6.23 7.21 実測値 61.81 6.27 7.24 製造例5 窒素雰囲気下、2、2−ジメチル−1、3プロパンジオ
ール(20.8g、0.2mol)とモレキュラシーブ
3A粉末(20g)およびテトラヒドロフラン(350
ml)の入った1リットルの3つ口フラスコに、メタク
リル酸クロリド(10.5g、0.1mol)のテトラ
ヒドロフラン溶液(30ml)を滴下ロートを用いて室
温でゆっくり滴下した。滴下終了後、4時間加熱還流さ
せた。反応後、実施例3と同様の処理を行い、3−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート(1
3.1g)を分離精製した。
【0132】3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
ルメタクリレート(5.18g、30mmol)、N,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.27g、
11mmol)、5−カルボキシ−2−チオウラシル
(1.72g、10mmol)およびテトラヒドロフラ
ン(50ml)を200ml三つ口フラスコに入れて溶
解し、室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色
沈澱物が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過
した。その後、製造例1と同様の分離精製処理を行うこ
とによって、下記式化35で表される3−メタクリロイ
ルオキシ−2,2−ジメチルプロピル 2−チオウラシ
ル−5−カルボキシレート[E](0.91g、2.8
mmol)を得た。NMR(d6DMSO)、MASS
および元素分析の結果を以下に示す。
【0133】
【化35】
【0134】 NMR(δ、ppm);0.91(6H、-CH2C(CH3)2 CH2-) 1.87(3H、CH2=C-CH3 )、 4.1、4.18(4H、-COO-CH2 C(CH3)2 CH2 -OCO-) 5.66,6.02(2H、CH2 =C-)、 7.93(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=327 元素分析;C141825S C H N 計算値 51.52 5.56 8.58 実測値 51.54 5.55 8.57 製造例6 窒素雰囲気下、パラ−キシレングリコール(55.2
g、0.40mol)とモレキュラシーブ3A粉末(4
0g)およびアセトニトリル(470ml)の入った1
リットルの3つ口フラスコに、メタクリル酸クロリド
(20.9g、0.2mol)のアセトニトリル溶液
(30ml)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下
した。滴下終了後、5時間加熱還流させた。その後室温
まで放冷し、反応混合物からモレキュラシーブ3A粉末
を濾過し、ろ液からアセトニトリルを減圧留去した。残
査に塩化メチレン300mlを加え、その塩化メチレン
溶液を水洗した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を減圧留去した。この残査からシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで白色固体(4−ヒドロキ
シメチル)ベンジルメタクリレート(34.8g)を分
離精製した。
【0135】4−ヒドロキシメチルベンジルメタクリレ
ート(6.48g、30mmol)、N,N’−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(2.27g、11mmo
l)、5−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72
g、10mmol)およびテトラヒドロフラン(50m
l)を200ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温
で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生
成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その
後、製造例1と同様の分離精製処理を行うことによっ
て、下記式化36で表される(4−メタクリロイルオキ
シメチル)ベンジル2−チオウラシル−5−カルボキシ
レート[F](0.91g、2.5mmol)を得た。
NMR(d6DMSO)、MASSおよび元素分析の結
果を以下に示す。
【0136】
【化36】
【0137】 NMR(δ、ppm);1.90(3H、-CH3 )、 5.17、5.23(4H、-COO-CH2 -C6H4-CH2 -OCO-) 5.70,6.07(2H、CH2 =C-)、 7.40(4H、-C6H4 -)、 8.00(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=361 元素分析;C171625S C H N 計算値 56.66 4.47 7.77 実測値 56.42 4.31 7.82 製造例7 窒素雰囲気下、1,3−ビス(ヒドロキシプロピル)テ
トラメチルジシロキサン(100g、0.40mol)
とモレキュラシーブ3A粉末(40g)およびアセトニ
トリル(470ml)の入った1リットルの3つ口フラ
スコに、メタクリル酸クロリド(20.9g、0.2m
ol)のアセトニトリル溶液(30ml)を滴下ロート
を用いて室温でゆっくり滴下した。滴下終了後、5時間
加熱還流させた。その後室温まで放冷し、反応混合物か
らモレキュラシーブ3A粉末を濾過し、ろ液からアセト
ニトリルを減圧留去した。残査に塩化メチレン300m
lを加え、その塩化メチレン溶液を水洗した。塩化メチ
レン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去
した。この残査からシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで無色透明液体1−(メタクリロイルオキシプロピ
ル)−3−(ヒドロキシプロピル)テトラメチルジシロ
キサン(46.2g)を分離精製した。
【0138】1−(メタクリロイルオキシプロピル)−
3−(ヒドロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン
(9.54、30mmol)、N,N’−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、5
−カルボキシ−2−チオウラシル(1.72g、10m
mol)およびテトラヒドロフラン(50ml)を20
0ml三つ口フラスコに入れて溶解し、室温で3日間攪
拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物が生成するが、
反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。その後、製造例
1と同様の分離精製処理を行うことによって、下記式化
37で表される化合物[G](1.13g、2.4mm
ol)を得た。NMR(d6DMSO)、MASSおよ
び元素分析の結果を以下に示す。
【0139】
【化37】
【0140】 NMR(δ、ppm);0.06(12H,-Si-CH3)、 0.51(4H、-Si-CH2 -CH2-CH2-OCO-)、 1.69(4H、-Si-CH2-CH2 -CH2-OCO-)、 1.87(3H、-CH3 )、 4.23(4H、-Si-CH2-CH2-CH2 -OCO-)、 5.67,6.03(2H、CH2 =C-)、 7.96(1H、-N-CH=C-)、 12.8(2H、-NH-) MASS(M+1)+=473 元素分析;C193226SSi2 C H N 計算値 48.28 6.82 5.93 実測値 48.35 6.74 5.73 製造例8 窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシド(13.6g、
0.2mol)のエタノール溶液(200ml)の入っ
た1リットルの3つ口フラスコにマロン酸ジエチル(1
6.0g、0.1mol)のエタノール溶液(50m
l)を滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。滴
下終了後、加熱還流させた。引き続きオルトプロピオン
酸トリエチル(17.6g、0.1mol)のエタノー
ル溶液(100ml)を滴下ロートを用いてゆっくり滴
下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。室温まで
放冷し、エタノールを減圧留去し、残査に200mlの
水を加えてエーテル抽出(3回)した。エーテル層を飽
和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し
た。残査を減圧蒸留し、1−エトキシ−1−エチルメチ
レンマロン酸ジエチル(17.2g)を得た。
【0141】窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシド
(3.4g、0.05mol)のエタノール溶液(50
ml)の入った500mlの3つ口フラスコに1−エト
キシ−1−エチルメチレンマロン酸ジエチル(12.2
g、0.05mol)のエタノール溶液(50ml)を
滴下ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。滴下終了
後、加熱還流させた。引き続き、チオ尿素(3.8g、
0.05mol)のエタノール溶液(50ml)を滴下
ロートを用いて室温でゆっくり滴下した。滴下終了後、
3時間加熱還流させた。室温まで放冷し、反応混合物を
水(200ml)の入ったビーカーに添加した。得られ
た溶液に濃塩酸を加えたところ、淡黄色固体が析出し
た。析出した固体をろ過することにより、エチル 6−
エチル−2−チオウラシル−5−カルボキシレート
(7.3g)を得た。
【0142】カリウム ターシャルブトキシド(43.
7g、389mmol)とジメチルスルホキシド(40
0ml)を2リットルナス型フラスコに入れて溶解し、
この溶液にエチル 6−エチル−2−チオウラシル−5
−カルボキシレート(5.70g、25.0mmol)
をゆっくり滴下し、1時間室温で反応させた。反応終了
後、反応混合液にメタノール(500ml)を添加し、
析出した沈澱物を濾過した。得られた沈澱物を水に溶解
させ、この水溶液に塩酸を加え、淡黄色固体5−カルボ
キシ−6−エチル−2−チオウラシル(3.10g)を
得た。
【0143】6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート
(5.59g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
5−カルボキシ−6−エチル−2−チオウラシル(2.
00g、10mmol)およびテトラヒドロフラン(5
0ml)を200ml三つ口フラスコに入れて溶解し、
室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色沈澱物
が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過した。
その後、製造例1と同様の分離精製処理を行うことによ
って、下記式化38で表される6−メタクリロイルオキ
シヘキシル 6−エチル−2−チオウラシル−5−カル
ボキシレート[H](1.14g、3.10mmol)
を得た。NMR(d6DMSO)、MASSおよび元素
分析の結果を以下に示す。
【0144】
【化38】
【0145】 NMR(δ、ppm);1.02(3H、-CH2 CH3 ) 1.3〜1.7(8H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2-OCO-) 1.87(3H、C=C-CH3 ) 2.05(2H、-CH2 CH3) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2 -OCO-) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-) 12.5(2H、-NH-) MASS(M+1)+=369 元素分析;C172425S C H N 計算値 55.42 6.57 7.60 実測値 55.42 6.59 7.63 製造例9 窒素雰囲気下、ナトリウムエトキシド(13.6g、
0.20mol)のエタノール溶液(200ml)の入
った1リットルの3つ口フラスコに2−メチル−2’−
オキソコハク酸ジエチル(40.4g、0.2mol)
のエタノール溶液(100ml)を滴下ロートを用いて
室温でゆっくり滴下した。滴下終了後、加熱還流させ
た。引き続き、メチルチオ尿素(18.0g、0.2m
ol)のエタノール溶液(100ml)を滴下ロートを
用いてゆっくり滴下した。滴下終了後、3時間加熱還流
させた。室温まで放冷し、反応混合物を水(500m
l)の入ったビーカーに添加した。得られた溶液に濃塩
酸を加えたところ、淡黄色固体が析出した。析出した固
体をろ過し、カラムクロマトグラフィーを用いて分離精
製することにより、エチル 3、5−ジメチル−2−チ
オウラシル−6−カルボキシレート(16.2g)を得
た。
【0146】カリウム ターシャルブトキシド(43.
7g、389mmol)とジメチルスルホキシド(40
0ml)を2リットルナス型フラスコに入れて溶解し、
この溶液にエチル 3、5−ジメチル−2−チオウラシ
ル−6−カルボキシレート(5.70g、25.0mm
ol)をゆっくり滴下し、1時間室温で反応させた。反
応終了後、反応混合液にメタノール(500ml)を添
加し、析出した沈澱物を濾過した。得られた沈澱物を水
に溶解させ、この水溶液に塩酸を加え、淡黄色固体6−
カルボキシ−3、5−ジメチル−2−チオウラシル
(2.88g)を得た。
【0147】6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート
(5.59g、30mmol)、N,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)、
6−カルボキシ−3、5−ジメチル−2−チオウラシル
(2.00g、10mmol)およびテトラヒドロフラ
ン(50ml)を200ml三つ口フラスコに入れて溶
解し、室温で3日間攪拌を続けた。反応するに従い白色
沈澱物が生成するが、反応終了後、該白色沈澱物を濾過
した。その後、製造例1と同様の分離精製処理を行うこ
とによって、下記式化39で表される6−メタクリロイ
ルオキシヘキシル3、5−ジメチル−2−チオウラシル
−6−カルボキシレート[I](1.13g、3.07
mmol)を得た。NMR(d6DMSO)、MASS
および元素分析の結果を以下に示す。
【0148】
【化39】
【0149】 NMR(δ、ppm);1.3〜1.7(8H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2-OCO-) 1.87(3H、CH2=C-CH3 ) 2.36(3H、C=C-CH3) 3.68(3H、N-CH3) 4.09、4.13(4H、-COO-CH2 (CH2)4 CH2 -OCO-) 5.65,6.01(2H、CH2 =C-) 12.3(1H、-NH-) MASS(M+1)+=369 元素分析;C172425S C H N 計算値 55.42 6.57 7.60 実測値 55.48 6.54 7.61 実施例1〜9および比較例1〜4 表1に示す9種のチオウラシル誘導体(A〜I)および
以下に示す公知の11−メタクリロキシ−1,1−ウン
デカンジカルボン酸[J]、10−メタクリロイルオキ
シデシルジハイドロジエンホスフエ−ト[K]、4−メ
タクリロイルオキシエチルトリメリテート無水物[L]
をそれぞれ用いて、歯科用貴金属に対する接着効果を調
べた。なお、チオウラシル誘導体の構造とその略号は先
に示した通りである。
【0150】
【化40】
【0151】これらの化合物を各々0.5重量%濃度の
アセトン溶液にして金属表面処理剤とした。被着体であ
る歯科用金−銀−パラジウム合金「金パラ12」(トー
ワ技研社製10×10×3mm)、純金板(10×10
×3mm)をそれぞれ#1500の耐水研磨紙で磨いた
後にサンドブラスト処理し、その処理面に接着面積を固
定するために4mmφの穴を開けた接着テープを貼り付
けた。この面に先に調製した金属表面処理剤をそれぞれ
筆で塗布し、アセトンを風乾させた。1分後、金属表面
処理剤で処理した面に歯科用接着剤「ビスタイトレジン
セメント」(トクヤマ製)の練和ペーストを盛り上げ
た。次いで、あらかじめサンドブラスト処理を行った8
mmφ×18mmのSUS304製丸棒を接着面に押し
つけて接着を行った。余剰のレジンセメントを除去し、
1時間後に接着試験片を37℃水中に浸漬した。24時
間後、島津製作所製オートグラフ(クロスヘッドスピー
ド10mm/分)を用いて引張接着強度を測定した。各
々6個の試験片の測定値を平均し、表1に測定結果を示
した。
【0152】
【表1】
【0153】実施例10〜18 表1の実施例1に示した化合物(A)を用いて、金属表
面処理剤に含有される接着成分の濃度効果について検討
した。すなわち、化合物(A)をアセトンに溶解して、
各々20、10、5、1、0.5、0.1、0.01、
0.005、0.001重量%濃度のアセトン溶液を調
製し、この溶液を金属表面処理剤として用いる以外は実
施例1〜9と同様にして歯科用金−銀−パラジウム合金
「金パラ12」、純金板に対する接着効果を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0154】
【表2】
【0155】実施例19および比較例5 実施例1で用いた化合物(A)の0.5%メチルメタク
リレート溶液を調製し、実施例1〜9の方法に準じて歯
科用貴金属合金である「金パラ12」に塗布し、1分後
に純アセトンで塗布面を洗った後、「ビスタイトレジン
セメント」(トクヤマ製)でステンレス棒を接着し、接
着試験片(実施例19)とした。一方、比較例として、
メチルメタクリレート単独を塗布した試験片(比較例
5)も作製した。実施例1〜9と同様に、これらの試験
片を37℃水中に1日浸漬したのち引張接着強度を測定
したところ、平均接着強度が23MPaであるのに対
し、比較例では10MPaであった。 実施例20〜28および比較例6 実施例1で用いた化合物Aの0.5%アセトン溶液を調
製し、実施例1〜9の方法に準じて歯科用貴金属合金で
ある「金パラ12」、および「純金板」に塗布し、風乾
後に「ビスタイトレジンセメント」(トクヤマ製)を用
いてステンレス棒を接着し、接着試験片(実施例20)
とした。同様に化合物B〜Iを用いて接着試験片(実施
例21〜28)とした。一方、比較対象として、純アセ
トン液単独を塗布し、ビスタイトレジンセメントで「金
パラ12」、および「純金板」とステンレス棒を接着し
た試験片(比較例6)も作製した。これらの試験片は接
着耐久性を評価する目的で接着1時間後に37℃水中に
浸漬し、24時間経過後4℃と60℃の恒温水槽中に1
分間ずつ交互に浸漬する熱サイクル試験を5000回行
い、引張接着強度を測定した。その結果を表3に示す。
【0156】
【表3】
【0157】いずれの金属表面処理剤を用いた場合(実
施例20〜28)にも、熱サイクル試験後の各種金属の
接着強度は初期の接着強度{表3中の()内の数値}に
比べて大きく低下することはなかった。これに対して比
較例6では接着強度の大きな低下が見られた。
【0158】実施例29〜37 実施例1で用いた化合物Aの0.5%アセトン溶液を調
製した後、プライマーの保存安定性を評価する目的で3
7℃の恒温室で2ヶ月間保存した。保存後のプライマー
を実施例1〜9の方法に準じて歯科用貴金属合金である
「金パラ12」および「純金板」に塗布し、風乾後に
「ビスタイトレジンセメント」(トクヤマ製)を用いて
ステンレス棒を接着し、接着試験片(実施例29)とし
た。同様に化合物B〜Iの0.5%アセトン溶液を調製
後、37℃で2ヶ月間保存し、それらを用いて接着を行
い、接着試験片(実施例30〜37)とした。これらの
試験片は接着1時間後に37℃水中に浸漬し、24時間
経過後、引張接着強度を測定した。その結果を表4に示
す。
【0159】
【表4】
【0160】37℃で2カ月間保存した金属表面処理剤
を用いた場合(実施例29〜37)にも、各種金属に対
する接着強度は初期の接着強度{表4中の()内の数
値}に比べて大きな低下は見られなかった。
【0161】実施例38 10−メタクリロイルオキシデシル 2−チオウラシル
−5−カルボキシレート[B]0.001g、11−メ
タクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸
[J]1.4g、アセトン18.599gを混合し均一
溶液を得た。これを金属表面処理剤とした。被着体であ
る歯科用金−銀−パラジウム合金「金パラ12」(ト−
ワ技研社製10×10×3mm)、歯科用コバルト−ク
ロム合金「ワクローム」(ト−ワ技研社製10×10×
3mm)、純金板(10×10×3mm)、純銅板(1
0×10×3mm)をそれぞれ#1500の耐水研磨紙
で磨いた後にサンドブラスト処理し、その処理面に接着
面積を固定するために4mmφの穴を開けた接着テープ
を貼り付けた。この面に先に調製した金属表面処理剤を
それぞれ筆で塗布し、アセトンを風乾させた。1分後、
金属表面処理剤で処理した面に歯科用接着剤「ビスタイ
トレジンセメント」(トクヤマ製)の練和ペーストを盛
り上げた。次いで、あらかじめサンドブラスト処理を行
った8mmφ×18mmのSUS304製丸棒を接着面
に押しつけて接着を行った。余剰のレジンセメントを除
去し、1時間後に接着試験片を37℃水中に浸漬した。
24時間後、島津製作所製オートグラフ(クロスヘッド
スピード10mm/分)を用いて引張接着強度を測定し
た。各々6個の試験片の測定値を平均し、表6に測定結
果を示した。
【0162】実施例39〜52 実施例38の方法に準じて表5記載の組成で金属表面処
理剤を調製し、同様に各種金属との接着強度を測定し
た。測定結果を表6に示す。なお、用いた酸性基含有
(メタ)アクリレート単量体の構造とその略号を下記に
示す。
【0163】
【化41】
【0164】
【表5】
【0165】
【表6】
【0166】実施例40、41、43、46および49
は異なる酸性基含有(メタ)アクリレート単量体を用い
た場合の結果を代表し、実施例39、41、42、4
4、45、47、48、50および51は異なるチオウ
ラシル誘導体を用いた場合の結果を代表し、さらに実施
例43、46、49および52は異なる溶媒を用いた場
合の結果を代表する。実施例38と52はチオウラシル
誘導体の含有量、実施例39、47は酸性基含有(メ
タ)アクリレート単量体の含有量について試験した範囲
を表している。実施例47は複数の有機溶媒を用いた
例、実施例44は複数の酸性基含有(メタ)アクリレー
ト単量体を用いた例である。以上全ての実施例におい
て、「金パラ12」、「ワクローム」、純金板、純銅板
に対する接着強度はいずれも良好な結果を示した。
【0167】また、実施例46と実施例2及び実施例4
8と実施例1の対比から明らかなように、卑金属と貴金
属との合金である「金パラ12」に対する接着強度は、
いずれも酸性基含有(メタ)アクリレート単量体を配合
しない場合よりも高くなっている。
【0168】実施例53〜54及び比較例7〜8 実施例38と同様の方法で表7に示す組成の金属表面処
理剤を調製し評価を行った。その結果を表8に示す。
【0169】
【表7】
【0170】
【表8】
【0171】比較例7はチオウラシル誘導体を含まない
例であり、「金パラ12」、純金板に対する接着強度に
問題を生じた。実施例53と54は酸性基含有(メタ)
アクリレート単量体の含有量が範囲から外れているため
に「ワクローム」、純銅板に対する接着強度が低下して
いる。比較例8は有機溶媒を含まず、チオウラシル誘導
体が酸性基含有(メタ)アクリレート単量体に溶解せ
ず、均一溶液が得られなかった。
【0172】実施例55〜61および比較例9 実施例48で使用した金属表面処理剤を実施例38の方
法に準じて歯科用合金である「金パラ12」、「ワクロ
ーム」および純金板、純銅板にそれぞれ塗布し、風乾後
に「ビスタイトレジンセメント」(トクヤマ製)を用い
てステンレス棒を接着し、接着試験片(実施例55)と
した。同様に実施例41、42、43、44、45およ
び46で使用した金属表面処理剤を用いて接着試験片
(実施例56〜61)を作製した。一方、比較対象とし
て、純アセトン液単独を塗布した場合の接着試験片(比
較例9)も作製した。これらの試験片は接着耐久性を評
価する目的で接着1時間後に37℃水中に浸漬し、24
時間経過後4℃と60℃の恒温水槽中に1分間ずつ交互
に浸漬する熱サイクル試験を5000回行い、引張接着
強度を測定した。その結果を表9に示す。
【0173】
【表9】
【0174】いずれの金属表面処理剤を用いた場合(実
施例55〜61)にも、熱サイクル試験後の各種金属の
接着強度は初期の接着強度{表9中の()内の数値}に
比べて大きく低下することはなかった。これに対して比
較例9では接着強度の大きな低下が見られた。
【0175】実施例62〜68 実施例48で使用した金属表面処理剤を37℃の恒温室
で2ヶ月間保存したものを実施例38の方法に準じて
「金パラ12」、「ワクローム」および純金板、純銅板
に塗布し、風乾後に「ビスタイトレジンセメント」(ト
クヤマ製)を用いてステンレス棒を接着し、接着試験片
(実施例62)とした。同様に実施例41、42、4
3、44、45および46で使用した金属表面処理剤を
37℃で2ヶ月間保存したものを用いて接着し、接着試
験片(実施例63〜68)とした。これらの試験片は接
着1時間後に37℃水中に浸漬し、24時間経過後、引
張接着強度を測定した。その結果を表10に示す。
【0176】
【表10】
【0177】37℃で2ヶ月間保存した金属表面処理剤
を用いた場合(実施例62〜68)にも、各種金属に対
する接着強度は初期の接着強度{表10中の()内の数
値}に比べて大きな低下は見られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/00 C09J 5/02 C09K 3/00 C07D 239/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)または(2)で示され
    チオウラシル誘導体 【化1】 (式中、R 1 、R 2 はそれぞれ水素原子またはアルキル基
    であり、R 1 とR 2 の少なくとも一方は水素原子であり、
    3 は水素原子、アルキル基またはフェニル基であり、
    4 は炭素数1〜20の2価の有機残基であり、Zはラ
    ジカル重合性不飽和結合を有する有機基である。)およ
    び有機溶媒を含有してなることを特徴とする金属表面処
    理剤。
  2. 【請求項2】 さらに酸性基含有(メタ)アクリレート
    系単量体を含有する請求項1記載の金属表面処理剤。
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