JPH0567146B2 - - Google Patents

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JPH0567146B2
JPH0567146B2 JP13764486A JP13764486A JPH0567146B2 JP H0567146 B2 JPH0567146 B2 JP H0567146B2 JP 13764486 A JP13764486 A JP 13764486A JP 13764486 A JP13764486 A JP 13764486A JP H0567146 B2 JPH0567146 B2 JP H0567146B2
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adhesive
compound
formula
metal
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Ikuo Komura
Koichi Okada
Junichi Yamauchi
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、トリアジンチオール基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル〔本明細書において、
(メタ)アクリル酸エステルはアクリル酸エステ
ルまたはメタクリル酸エステルを表わす〕に関す
る。上記化合物をプライマーまたは接着剤の構成
成分として用いると、各種金属とりわけ貴金属ま
たは貴金属合金の表面にプライマー処理後に適用
される重合硬化型の接着剤が強固に接着するか、
上記化合物を合有する接着剤がかかる金属表面に
強固に接着するので、上記化合物は金属との接着
に際して用いられるプライマーまたは接着剤の構
成成分として利用される。 (従来の技術) アクリル系モノマー、エポキシ化合物等の重合
性単量体からなる重合硬化型の接着剤は、常温・
常圧で短時間に硬化させる事ができ、作業性に優
れている為、金属材料の接着に広汎に使用され、
接着剤分野において重要な位置を占めている。し
かしながら、この種の重合硬化型接着剤には、使
用用途によつては、大きな欠点が存在する。即
ち、接着界面を水と常時接触する環境下におく
と、接着力が急速に低下するので、耐水性が要求
される用途には使用できない。 近年、歯科材料分野においては、金属に対する
接着強度の耐水性が優れた重合硬化型接着剤を得
ようとする試みがなされ、成果をあげつつある。
例えば特開昭58−21607に開示されている、リン
酸エステル化合物を配合した歯科用接着剤は、
鉄、ニツケル、クロム、コバルト、スズ、アルミ
ニウム、銅、チタン等の卑金属およびこれ等の元
素を主成分とする卑金属合金に対しては、極めて
耐水性に優れた接着力を示し、歯科用接着剤とし
て実用段階にある。しかしながら、歯科用鋳造
体、例えばインレー、クラウン、ブリツジなどの
素材として主に使用されている貴金属合金(金、
白金、パラジウム、銀を主成分とする合金)に対
する該接着剤の接着強度の耐水性は卑金属合金と
比べると劣る為、貴金属合金を接着する場合に
は、接着強度の耐水性を確保する目的で該貴金属
合金の表面にスズメツキや酸化処理などの前処理
を行う必要があつた。 最近、N−(4−メルカプトフエニル)メタク
リルアミドをあらかじめ貴金属表面に塗布吸着
(プライマー処理)してから、MMA−TBB系接
着剤で接着すると、貴金属に対する接着強度の耐
水性が著しく改善される事が見い出され、歯科材
料・器械第5巻92−105頁(1986年)に発表され
ている。 (発明が解決しようとする問題点) 前述のように、特開昭58−21607号で開示され
ている接着剤で貴金属または貴金属合金製材科を
歯等に接着させる場合には、金属表面をスズメツ
キ等の前処理を行うことが必要であり、操作が繁
雑であることが問題である。この点、前述のN−
(4−メチルメルカプトフエニル)メタクリルア
ミドを含む接着剤では、かかる繁雑さが避けられ
るが、接着強度の耐水性が実用的になお不十分で
あることが問題である。 したがつて、発明が解決しようとする問題点
は、金属(とくに貴金属)物体を他の物体により
強固に接着させるために、接着剤塗布にさきだつ
て金属物体表面を処理するためのプライマー、ま
たは金属(とくに貴金属)物体と他の物体とを接
着するための接着剤の構成成分として有効な化合
物を見出すことである。 (問題点を解決するための手段) かかる問題点は、新規物質である、一般式
【化】 (式中、R1は水素またはメチル基を表わし、R2
およびR3は同一または異なり、それぞれ水素原
子、金属イオンまたはアンモニウムイオンを表わ
す。nは2〜20の自然数を表わす) で示される化合物を得て、かかる化合物をプライ
マーまたは接着剤の構成成分として用いることに
より解決される。 上記化合物は通常R2およびR3が水素原子であ
るが、2個の水素原子のうち少なくとも1個が金
属イオンまたはアンモニウムイオンで置換されて
いてもよい。金属イオンとしては、Li+,Na+
K+,などのアルカリ金属イオン、Mg2+,Ca2+
Sr2+などのアルカリ土類金属イオンが挙げられ
る。またアンモニウムイオンとしては、NH4 +
他、NH3R4 +,NH2R4R5 +,NHR4R5R6 +
NR4R5R6R7 +,(ただしR4,R5,R6およびR7は、
それぞれ炭素数が1から20までの1価の有機基)
で表現される第1級、第2級、第3級および第4
級アンモニウムイオンを挙げる事ができる。()
式で表現される化合物群において、nの値が大き
くなるにつれて接着強度の耐水性が向上する傾向
があるのでとくに耐水性が要求される用途には、
nが4以上の化合物を用いるのが好ましい。 上記一般式で示される化合物を例示すると下記
のようである。
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【化】
【化】
【化】 本発明の化合物は、以下に述べる方法により合
成される。 ステツプ1(n−ヒドロキシアルキレン(メタ)
アクリレートの合成) 1,n−アルキレンジオールと(メタ)アクリ
ル酸を原料とし、p−トルエンスルフオン酸等の
酸触媒存在下特開昭58−21687号に示される方法
で、n−ヒドロキシアルキレン(メタ)アクリレ
ートと1,n−アルキレンジオールジ(メタ)ア
クリルレートの混合物を得る。 ステツプ2(塩化シアヌルとの反応) n−ヒドロキシアルキレン(メタ)アクリレー
トの水酸基と塩化シアヌルを第3級アミン存在下
で縮合反応させることにより、下記の中間体を得
る。
【化】 該反応は、乾燥したエチルエーテル、アセト
ン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中で実施さ
れ、n−ヒドロキシアルキレン(メタ)アクリレ
ート1モルに対し、塩化シアヌルを0.5モルない
し2モル、好ましくは1モル以上、1.5モル以内
の量で使用する。通常はトリエチルアミン、ピリ
ジン等の第3級アミンを反応触媒として、また塩
化水素の中和剤として約1モル加える。反応は室
温以下でも進行する。 ステツプ3(メルカプト基の導入) ()式化合物の2個の塩素置換基をメルカプ
ト基に変換する。()式の化合物の溶液に水硫
化ナトリウムの水溶液を置換すべき塩素と等モル
量ないしやや過剰に加え、温浴上で反応を促進す
る。 ステツプ4(単離) 反応終了後、反応液を塩酸酸性水溶液中に注
ぎ、油状物を得た後、これを再結晶、クロマトグ
ラフイー等の方法で精製する。以上により()
式においてR2およびR3が水素原子である場合の
化合物が得られるが、さらに該化合物のメルカプ
ト基の水素を金属イオンまたはアンモニウムイオ
ンに置換するには、通常の中和反応、即ち、金属
水酸化物、水酸化アンモニウムまたはアミンを溶
液中で()式化合物と反応させる方法が採られ
る。 本発明の化合物は、下記の2通りの実施態様で
金属(とくに貴金属または貴金属合金)の接着に
供される。(1)本発明の化合物を揮発性有機溶剤
(エタノール、アセトン、酢酸エチルなど)また
は水の低濃度溶液(濃度0.0001〜10%)として金
属表面に塗布し、その上に別の公知な重合硬化型
の接着剤を塗布して、金属表面と他の物体とを接
着させる。本発明の化合物を金属と接着剤との接
着の仲立ち、即ち、プライマーの構成成分として
使用する。(2)従来から用いられている重合性単量
体と重合触媒からなる重合硬化型接着剤組成物中
に重合性単量体の一部として本発明の化合物を使
用する。この場合、メルカプト基は重合阻害作用
を有するので、添加量は、全重合性単量体に対し
5重量%以下とする事が望ましいが、本発明の化
合物にもとづく接着力向上効果を発揮させるため
には0.005重量%以上含有させておけばよい。 上記(1)の用途において、本発明の化合物の濃度
が極めて微量でも接着増強効果が発現するのは、
金属表面に該化合物が単分子吸着すれば効果が発
現する為である。更にプライマーを塗布した面を
溶剤で洗つても、その効果は減じないばかりか、
1%以上の高濃度のプライマーを塗布する場合に
はむしろ塗布面を積極的に溶剤で洗つたほうが好
結果が得られる。これは該化合物が重合阻害効果
を有している事に起因すると考えられる。 接着の対象となる金属は、金、白金、パラジウ
ム、銀、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イ
リジウムなどの貴金属の他に、鉄、ニツケル、コ
バルト、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、チタ
ン、パナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウ
ム、モリブデン、カドミウム、インジウム、アン
チモン等の広汎な卑金属も含まれる。更に酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の
金属酸化物およびこれ等の金属酸化物を含むセラ
ミツクス材料においても接着増強効果が現われ
る。 プライマーを塗布した面は公知の重合硬化型の
接着剤、特に好ましくはアクリル系モノマーを含
有する接着剤で接着される。接着強度は接着剤自
身の機械的強度にも依るが、通常は引張接着強度
で200Kg/cm2以上で、殆んどすべての例が接着剤
の凝集破壊かまたは被着体破壊である。接着界面
は極めて耐水性が優れ接着物を常温水中に保存す
る限り、数ケ月の期間では目立つた強度低下は起
きない。 本発明の化合物は上記(2)の用途に用いる場合、
即ち、(メタ)アクリル酸エステルなどの重合性
単量体を構成成分とする接着剤中に重合性単量体
の一部として用いる場合にも、対象となる被着体
はプライマーの場合と同じであるが、接着効果は
プライマーとして使用した場合よりも劣る傾向が
ある。 本発明の化合物を含有するプライマーおよび接
着剤は、とくに貴金属に対して耐水性の優れた接
着力を示す事から、歯科分野において好適に用い
られる。例えば、インレー、クラウン、ブリツジ
などの貴金属鋳造体を歯牙に接着固定する場合、
貴金属からなる歯科補綴物を作製する上での接着
作業、例えば、ブリツジと義歯の接着、分割鋳造
された補綴物の接着による組み立て等において従
来技術では得られなかつた性能および作業性の向
上が達成される。なお本発明化合物は歯科分野の
みならず、金属や金属酸化物の接着が必要とされ
るあらゆる産業分野において、プライマーまたは
接着剤の構成成分として用いられる。 (作 用) 本発明の化合物を含むプライマーまたは接着剤
組成物が金属表面に塗布されるとメルカプト基は
速やかに表面の金属原子または金属酸化物と反応
し、耐水性に優れた化学結合を形成し、しかる後
にメルカプト基とは反対側の分子末端にある(メ
タ)アクリロイル基が接着剤層中の他のモノマー
と共重合して硬化するものと推定される。この故
に接着剤層と被着体金属は化学結合によつて結ば
れ耐久性のある接着が得られるものと考えられ
る。 (効 果) 本発明により、前述の()式で示される新規
な(メタ)アクリル酸エステルが得られた。かか
る化合物は、金属とくに貴金属に対して優れた接
着性を有し、プライマーまたは接着剤を構成成分
として有用である。 (実施例) 実施例 1 撹拌翼、冷却管および滴下漏斗を付した1の
3つ口フラスコ乾燥窒素導入下塩化シアヌル46.1
g(0.25mol)をとり、ついで300mlの乾燥テト
ラヒドロフランを加え、塩化シアヌルを溶解し
た。これを氷浴にて冷却後、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートの蒸留精製したもの32.5g
(0.25mol)を加え、つぎにフラスコ内の溶液を
撹拌しながら、トリエチルアミン28.3g(0.28モ
ル)を150mlのテトラヒドロフランに溶解した溶
液を、滴下漏斗より1時間かけて滴下した。滴下
終了後氷浴をはずし、室温にて1時間撹拌した
後、再び反応容器を氷浴にて冷却し、反応混合物
へ70%水硫化ナトリウム40.0g(0.50mol)を120
mlの氷に溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴
下終了後さらに50℃の温浴で加熱しながら10分間
撹拌した。放冷後反応混合物を1N HCl水溶液
300mlに注ぎ、生じた油状物をエーテル150mlで3
回抽出した。有機層を合わせて水200mlで3回洗
浄した後、ヒドロキノンモノメチルエーテル(以
下MEHQ)15mgを加え溶媒を減圧下留去すると
黄色油状残渣を得た。ここへn−ヘキサン300ml
を加え、よく撹拌すると、残渣は容易に結晶化す
る。生じた固体を濾取し、n−ヘキサン/ベンゼ
ン1/1の混合溶媒でよく洗浄した後、乾燥する
と41gの淡黄色固体を得た(収率60%)。該化合
物が2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−
s−トリアジン−4,6−ジチオールであること
は、NMR,FD−MSおよび元素分析により確認
した。即ち、この固体をDMSO−d6溶液とし、1H
−NMR(90MHz)を測定するとδ=6.10ppmと
5.58ppmにエチレン性プロトンのシグナルを、δ
=1.92ppmにメチル基プロトンのシグナルを、δ
=4.43ppmと4.71ppmにメチレン鎖のプロトンに
相当する多重線を、δ=12.6ppmにメルカプト基
のプロトンに相当する一重線をいずれもそれぞれ
妥当な積分強度で観測した。FD−MSスペクト
ルでは相当する親イオンのピーク274=(M+1)+ 1
を観測した。また、元素分析はベンゼン−メタノ
ールより再結晶を繰り返したサンプルを用いる
と、C:39.38%、H:3.92%、N:15.70%、
O:17.31%、S:23.48%(計算値C:39.55%、
H:4.06%、N:15.37%、O:17.56%、S:
23.46%)の値を得た。融点は250℃以上で溶融前
に分解が起こつた。 実施例 2 撹拌翼、冷却管および滴下漏斗を付した13
つ口フラスコへ、乾燥窒素導入下塩化シアヌル
36.9g(0.20mol)をとり、ついで400mlの乾燥テ
トラヒドロフランを加え、塩化シアヌルを溶解し
た。これを氷浴にて冷却した後、10−メタクリロ
イルオキシデカン−1−オ−ルと1,10−ジメタ
クリロイルオキシデカンの混合物73g(10−メタ
クリロイルオキシデカン−1−オールを0.2mol
含有)を加え、引続きフラスコ内の溶液を撹拌し
ながら、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)を
100mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を、
滴下漏斗より45分間かけて滴下した。滴下終了後
氷浴をはずし、室温にてさらに1時間撹拌した。
反応容器を再び氷浴にて冷却し、この反応混合物
へ70%水硫化ナトリウム32.0g(0.40mol)を100
mlの氷に溶解した溶液を30分かけて滴下し、滴下
終了後50℃の温浴で加熱しながら、10分間撹拌し
た。放冷後反応混合物を1N HCl水溶液300mlに
あけ、生じた黄色油状物をエーテル200mlで3回
抽出した。有機層を合わせて、水200mlで3回洗
浄した後、ハイドロキノンモノメチルエーテル10
mgを加え、溶媒を減圧留去すると黄色油状残渣を
得た。これにn−ヘキサン500mlを加え、よく洗
浄すると、1,10−メタクリロイルオキシデカン
が抽出除去されて残渣が結晶化した。これを濾取
し、n−ヘキサンで十分洗浄し、さらにn−ヘキ
サン/ベンゼン(1/2)の混合溶媒100mlで洗
浄後乾燥すると39.3gの淡黄色固体(融点113〜
117℃)を得た。該化合物が2−(10−メタクリロ
イルオキシデシロキシ)−s−トリアジン−4,
6−ジチオールであることはNMR,FD−MSお
よび元素分析により確認した。即ち、この固体を
5%DMSO−d6溶液とし、1H−NMR(90MHz)を
測定するとδ=6.03ppmと5.50ppmにエチレン性
プロトンのシグナルを、δ=1.88ppmにメチル基
プロトンのシグナルを、δ=4.42ppmと4.06ppm
に、1,10位のメチレン鎖のプロトンに相当する
三重線(カツプリング定数はそれぞれ6.2Hz及び
6.0Hz)をδ=1.0〜1.9ppmに2〜9位のメチレン
鎖のプロトンに相当する多重線を、δ=12.1ppm
にメルカプト基に相当する一重線をそれぞれいず
れも妥当な積分強度で観測した。FD−MSスペ
クトルでは相当する親イオンのピーク386=(M+
1)+を観測した。また、ベンゼン−メタノールよ
り再結晶したサンプルを用いて元素分析を行い、
C:52.65%、H:6.77%、O:12.19%、N:
11.12%、S:16.88%(計算値C:52.96%、H:
7.06%、O:12.45%、N:10.90%、S:16.63
%)の値を得た。 実施例 3 実施例2における10−メタクリロイルオキシデ
カン−1−オ−ルとジメタクロイルオキシデカン
の混合物を、10−アクロイルオキシデカン1−オ
ールとジメタアクリロイルオキシデカンの混合物
75g(10−アクリロイルオキシデカン−1−オー
ルを0.2mol含有)に替えた以外は、実施例2と
全く同一の条件で実験を行い、43.1gの淡黄色固
体を得た(収率58%)。該化合物の元素分析結果
は、C:51.40%(51.73)、H:6.60%(6.78)、
N:11.55%(11.31)、O:12.77%(12.92)、
S:17.55%(17.26)〔ただし( )内は計算値〕
であり、またNMRおよびFD−MSの測定結果か
ら、該化合物が2−(10−アクリロイルオキシデ
シロキシ)−s−トリアジン−4,6−ジチオー
ルであることを確認した。 実施例 4 実施例2における10−メタクリロイルオキシデ
カン−1−オ−ルとジメタクリロイルオキシデカ
ンの混合物のかわりに、20−メタクリロイルオキ
シエイコサン−1−オールとジメタクリロイルオ
キシエイコサンの混合物111g(うち20−メタク
リロイルオキシエイコサン−1−オールを
0.2mol含有)を用いた以外は実施例1と全く同
一の条件で実験を行い、54.7g(収率52%)の淡
黄色固体を得た。該化合物の元素分析結果は、
C:61.41%(61.68)、H:9.00%(9.01)、N:
8.24%(7.99)、O:9.06%(9.13)、S:12.45%
(12.19)であり、また、NMR、FD−MSの測定
を行つた結果、該化合物が2−(20−メタクリロ
イルオキシエイコシルオキシ)−s−トリアジン
−4.6−ジチオールであることを確認した。 実施例 5 実施例2において合成した2−(10−メタクリ
ロイルオキシデシロキシ)−s−トリアジン−4,
6−ジチオール3.85g(0.01mol)を40c.c.のメタ
ノールに溶解し、この溶液に1N NaOHメタノー
ル溶液10c.c.を加えてしばらく撹拌した。その後メ
タノールを減圧溜去し、4.0gの吸湿性固体残渣
を得た。この化合物のNMRは、中和前のメルカ
プト基プロトン強度の1/2のメルカプト基プロト
ン強度を示し、この化合物が2−(10−メタクリ
ロイルオキシデシロキシ)−s−トリアジン−4,
6−ジチオール モノナトリウム塩である事を示
した。 実施例 6 実施例2において合成した2−(10−メタクリ
ロイルオキシデシロキシ)−s−トリアジン−4.6
−ジチオール3.85g(0.01mol)を40c.c.のメタノ
ールに溶解し、この溶液にトリエチルアミン1.01
g(0.01mol)を加えてしばらく撹拌した。その
後メタノールを減圧溜去し4.8gの2−(10−メタ
クリロイルオキシデシロキシ)−s−トリアジン
−4.6−ジチオール モノトリエチルアンモニウ
ム塩を得た。 実施例7−12および比較例1−2 実施例1−6で合成した化合物および前述の公
知の化合物N−(4−メルカプトフエニル)メタ
クリルアミドをそれぞれ用いて貴金属に対する接
着効果を調べた。これ等の化合物は1%アセトン
溶液(プライマー)とし、被着体である#1000の
シリコン・カーバイド研磨紙で磨いた純金板(10
×10×1mm、厚さ4mmのステンレス板で裏面を補
強したもの)と歯科用金−銀−パラジウム合金
「キヤストウエル」(而至社製、10×10×1mm、同
様に補強したもの)の表面にそれぞれ筆で塗布し
た。1分後に純アセトンで塗布面を洗い、表面に
吸着した分子のみが残るように表面調整を行つ
た。この面上に5mmφの穴を開けた粘着テープを
貼り付けて被着面とした。一方7mmφ×25mmの
SUS304製丸棒を準備し、棒端面を粒径50μmの
アルミナ砥粒でサンドプラストを行つた。この面
に、メタクリル酸エステル100重量部、スルフイ
ン酸ソーダーベンゾイルパーオキサイド−第三級
アミン系重合開始剤3重量部、シラン処理された
無機フイラー320重量部からなる歯科用接着剤
「パナビアEX 」(クラレ製)の練和ペーストを
盛り上げ、被着面に押しつけて接着を行つた。1
時間後に接着試験片を37℃水中に浸漬し、24時間
後に万能試験機(インストロン製)(クロス・ヘ
ツドスピード2mm/分)で引張接着強度を測定し
た。各々8個の試験片の測定値を平均し第1表に
結果を示した。
【表】 実施例12および比較例3 実施例2で合成した化合物の1%アセトン溶液
を調合し、実施例7−12の方法で準じて「キヤス
トウエル」を被着体として、該アセトン溶液を塗
布し、1分後に純アセトン塗布面を洗つた後「パ
ナビアEX」(クラレ製)でステンレス棒を接着し
接着試験片(実施例13)とした。一方比較対象と
して、該アセトン溶液を塗布せずに、直接パナビ
アEXで「キヤストウエル」とステンレス棒を接
着した試験片(比較例3)も作製した。これらの
試験片は耐水性を評価する目的で接着1時間後に
37℃水中に浸漬し、24時間経過後に70℃水中に移
し、10日間静置した。その後、実施例7−12の方
法で引張接着強度を測定したところ、実施例13の
平均接着強度が268Kg/cm2であるのに対し、比較
例3では31Kg/cm2であり、実施例2で得られた化
合物は接着強度の耐水性を向上させる上で顕著な
効果を有する事が実証された。 実施例14および比較例4 下記の組成A,Bからなる2ペースト混合型の
接着剤を調合した。 ペーストA Bis−GMA 12.5重量部 トリエチレングリコールジメタクリレート
12.5 実施例2で得られた化合物 0.1 N,N−ジエタノール−p−トルイジン
0.5 シラン処理した石英粉末 74.5 ペーストB Bis−GMA 12.5重量部 トリエチレングリコールジメタクリレート
12.5 ベンゾイルパーオキサイド 0.5 シラン処理した石英粉末 74.5 (注)Bis−GMA:2,2′ビス〔p−(γ−メ
タクリロキシ−β−ヒドロキシプロポキシ)
フエニル〕プロパン ペーストA・Bを練り合せた接着剤を用いて、
実施例7の要領で#1000のシリコン・カーバイド
研磨紙で磨いた歯科用金合金「ハラドールH」
(西独、ヘラウス社製;Au:79%、Pt:10%、
Pd:8%含有)にサンドブラスト処理を行つた
ステンレス棒を接着した。接着試料は37℃水中に
24時間浸漬した後、引張接着強度を測定したとこ
ろ、金合金と接着剤の界面で破壊を生じ平均強度
(n=8)は216Kg/cm2だつた(実施例14)。 一方、ペーストAの組成から実施例2の化合物
を取り除いた組成を有するペーストA′を調合し、
A′+Bの組み合せで実施例14と同様の接着を行
つた。金合金と接着剤の界面に破壊を生じ、平均
接着強度は106Kg/cm2だつた(比較例4)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 【式】 (式中、R1は水素またはメチル基を表わし、R2
    およびR3は同一または異なり、それぞれ水素原
    子、金属イオンまたはアンモニウムイオンを表わ
    す。nは2〜20の自然数を表わす) で示される化合物 2 一般式 【式】 (式中、R1は水素またはメチル基を表わし、R2
    およびR3は同一または異なり、それぞれ水素原
    子、金属イオンまたはアンモニウムイオンを表わ
    す。nは2〜20の自然数を表わす)で示される化
    合物を含有するプライマーまたは接着剤。
JP13764486A 1986-06-12 1986-06-12 トリアジンチオ−ル基を有する(メタ)アクリル酸エステル Granted JPS62292774A (ja)

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