JP2677994B2 - 接着剤 - Google Patents

接着剤

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JP2677994B2 JP62251846A JP25184687A JP2677994B2 JP 2677994 B2 JP2677994 B2 JP 2677994B2 JP 62251846 A JP62251846 A JP 62251846A JP 25184687 A JP25184687 A JP 25184687A JP 2677994 B2 JP2677994 B2 JP 2677994B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属とくに貴金属に対して優れた接着性を
有する接着剤に関する。本発明において、「接着剤」な
る語は、金属材料を他の材料に接着するにあたつて用い
られるプライマーを包含する用語として用いられる。と
くに、本発明の接着剤は歯科分野において有用である。 (従来の技術) アクリル系モノマー、エポキシ化合物等の重合性単量
体からなる重合硬化型の接着剤は、常温・常圧で短時間
に硬化させる事ができ、作業性に優れている為、金属材
料の接着に広汎に使用され、接着剤分野において重要な
位置を占めている。しかしながら、この種の重合硬化型
接着剤では、用途によつては、大きな欠点が顕在化す
る。即ち、接着界面を水と常時接触する環境下におく
と、接着力が急速に低下するので、耐水性が要求される
用途には使用できない。 近年、歯科材料分野においては、金属に対する接着強
度の耐水性が優れた重合硬化型接着剤を得ようとする試
みがなされ、成果をあげつつある。例えば特開昭58−21
607号に開示されている、リン酸エステル化合物を配合
した歯科用接着剤は、鉄、ニッケル、クロム、コバル
ト、スズ、アルミニウム、銅、チタン等の卑金属および
これ等の元素を主成分とする卑金属合金に対しては、極
めて耐水性の優れた接着力を示し、歯科用接着剤として
実用化されている。しかしながら、歯科用鋳造体、例え
ばインレー、クラウン、ブリツジなどの素材として主に
使用されている貴金属合金(金、白金、パラジウム、銀
を主成分とする合金)に対する該接着剤の接着強度の耐
水性は卑金属合金と比べると劣る為、貴金属合金を被着
体とする場合には、接着強度の耐水性を確保する目的で
該貴金属合金の表面にスズメツキや酸化処理などの表面
処理を行う必要があつた。 最近、N−(4−メルカプトフエニル)メタクリルア
ミドをあらかじめ貴金属表面に塗布して吸着(プライマ
ー処理)させてから、MMA−トリブチルボラン系接着剤
をその表面に塗布すると、貴金属に対する接着強度の耐
水性が著しく改善される事が見い出され、歯科材料・器
械第5巻92−105頁(1986年)に発表されている。 (発明が解決しようとする問題点) 前述のように、特開昭58−21607号で開示されている
接着剤で貴金属または貴金属合金製材料を歯等に接着さ
せる場合には、金属表面にスズメッキ等の表面処理を施
すことが必要であり、操作が煩雑であることが問題であ
る。この点、前述のN−(4−メルカプトフエニル)メ
タクリルアミドを含む接着剤を用いると、かかる煩雑さ
が避けられるが、接着強度の耐水性が実用的になお不十
分であることが問題である。 したがつて、本発明の目的は、金属(とくに貴金属)
物体同士あるいは金属物体を他の物体に強固に接着させ
るために、接着剤塗布にさきだつて金属物体表面を処理
するためのプライマー(本発明においては「接着剤」と
呼ばれる)を見い出すことである。 (問題点を解決するための手段) かかる目的は、下記に述べる本発明の接着剤(1)に
よつて達成される。 (1)(a) 飽和炭素と結合したメルカプト基または
ポリスルフイド基を少なくとも1個有し、かつ、オレフ
イン性二重結合を少なくとも1個有する化合物および (b) 該化合物とは共重合性を有しない溶剤からなる
接着剤 本発明は接着性成分として飽和炭素と結合したメルカ
プト基またはポリスルフイド基を少なくとも1個有し、
かつ、オレフイン性二重結合を少なくとも1個有する化
合物(a)を用いることに特徴を有する。本発明におい
て用いられる化合物(a)を例示すると、 これらの化合物のなかでも、下記〔I〕式で表わされ
るチオール化合物または下記〔II〕式で表わされるポリ
スルフイド化合物が好ましく用いられる。 〔上記式において、R1は水素またはメチル基を表わし、
R2は炭素数1〜40の有機基 および/またはメルカプト基を有していてもよい)を表
わし、R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜40の有機基 および/またはメルカプト基を有していてもよい)、水
素、メルカプト基またはハロゲンを表わし、R3および/
またはR4が有機基の場合は、R2、R3およびR4の少なくと
も2つは互いに結合して環状構造を形成していてもよ
く、Xは−COO−、−OOC−、−CONH−、−COS−、−SOC
−、−S−または を表わし、lは0または1を表わす〕 〔上記式において、R1、lおよびXはそれぞれ上記にお
ける定義と同じ、R2′は炭素数1〜40の有機基 基および/またはポリスルフイド基を有していてもよ
い)を表わし、R3′およびR4′はそれぞれ炭素数1〜40
の有機基 および/またはポリスルフイド基を有していてもよ
い)、水素、メルカプト基またはハロゲンを表わし、
R3′および/またはR4′が有機基の場合は、R2′、R3
およびR4′の少なくとも2つは互いに結合して環状構造
を形成していてもよく、R5、R6およびR7はそれぞれ炭素
数1〜40の有機基 および/またはポリスルフイド基を有していてもよ
い)、水素、メルカプト基またはハロゲンを表わし、
R5、R6およびR7の少なくとも2つが有機基の場合、これ
らは互いに結合して環状構造を形成していてもよく、n
は2〜6の整数を表わす。〕 さらに、上記〔I〕式および〔II〕式で表わされる化
合物のなかでも (上記式において、R1は前記と同じ、mは6〜20の整数
を表わす)で表わされる化合物および (上記式において、R1は前記と同じ、R1′はR1と同義、
qおよびq′はそれぞれ2〜20の整数を表わす)で表わ
される化合物がとくに実用的である。 本発明において接着性成分として用いられる前述の化
合物(a)は、新実験化学講座第14巻(丸善、1977年−
8年刊)、The chemistry of the thiol group(John W
iley&Sons,1974年刊)、Comprehensive Organic chemi
stry Vol.3(Pergamon Press,1979年刊)などを参考に
して合成できる。 例えば〔I〕式化合物の合成経路の具体例として下記
の3方法を挙げることができる。 (i) 〔I〕式の化合物のメルカプト基のかわりに、
水酸基、アミノ基、またはハロゲンを有する化合物を出
発原料とし、この水酸基、アミノ基、またはハロゲンを
メルカプト基に置換することにより〔I〕式の化合物を
得る方法。 (ii) (メタ)アクリル酸クロリドまたは(メタ)ア
クリル酸無水物と下記の化合物 (ただし、R2、R3、R4、はlは〔I〕式の定義と同じ
で、Yはメルカプト基、水酸基またはアミノ基を表わ
す)とを縮合させる方法。 (iii) nが2である〔II〕式の化合物のジスルフイ
ド結合を還元的に開裂する方法。 なお、方法(i)を電子吸引基が置換したオレフイン
性二重結合を有する化合物に適用する場合、公知の方法
に従つて合成を行うと中間体として生成するメルカプチ
ドイオン が二重結合に極めて付加しやすく、〔I〕式化合物を得
ることは困難である。この困難を回避するために、Z
n2+、Pb2+、Ag+、Hg2+などの重金属イオンを反応系に大
過剰に加えておき、生成してくるメルカプチドイオン
〔VI〕を不溶性金属塩として速やかに反応系外に除いて
回収した後、該金属塩を塩酸などの強酸で処理し〔I〕
式化合物を遊離させる方法が有効である。 また、〔II〕式の化合物の合成経路は下記の2通りに
大別される。 (i) オレフイン性2重結合を有するチオール化合物
〔I〕を合成してからこれを縮合させてポリスルフイド
とする方法。 (ii) ポリスルフイド結合を有する化合物を出発原料
とし、これにオレフイン性2重結合を導入する方法。 本発明の接着剤は、上記の化合物(a)を用いて下記
(1)のように構成される。 (1) 化合物(a)を溶剤に溶解して接着剤を製造す
る。溶剤としては沸点250℃以下の揮発性有機溶剤(メ
タノール、エタノール、2−エチルブタノール、アセト
ン、メチルエチルチトン、ジエチルケトン、エチルエー
テル、n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、オクタン、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロルエタンなど)、水またはこ
れらの混合物が用いられる。上記化合物は濃度0.0001〜
50重量%(対該化合物+溶剤)に溶解される。さらに必
要により、後述の如き重合開始剤、共重合単量体および
フィラーなどを加えることができる。共重合単量体は化
合物(a)と等量以下、フィラーは接着剤が塗布面から
垂れないような適度な粘度を付与する量が好ましい。得
られた接着剤はプライマーとして金属表面に塗布され、
さらに、その上に常法で用いられている接着剤またはコ
ンポジツトレジンが塗布され、金属表面同士あるいは金
属表面と他の物体表面とが接着される。 上記(1)の場合において、化合物(a)の量が極め
て微量でも接着増強効果が発現するのは、金属表面に該
化合物が単分子吸着すれば効果が発現する為である。更
にプライマーを塗布した面を溶剤で洗つても、その効果
は減じない。 本発明の接着剤はプライマーとして用いられるが、プ
ライマーを塗布した面には前述のように公知の重合硬化
型の接着剤、特に好ましくはアクリル系モノマーを含有
する接着剤がさらに塗布され、接着が行われる。接着強
度は接着剤自身の機械的強度にも依るが、通常は引張接
着強度で200kg/cm2以上で、殆んどすべての例が接着剤
の凝集破壊かまたは被着体破壊である。接着界面は極め
て耐水性が優れ、接着物を常温水中に保存する限り、数
ケ月の期間では目立つた強度低下は起きない。 本発明の接着剤に用いられる共重合性単量体として
は、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、メチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
エチレングリコール ジメタクリレート、トリエチレン
グリコール ジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ル ジメタクリレート、2,2−ビス〔4−(3−メタク
リロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フエニ
ル〕プロパン(Bis−GMAと称する。)、2,2−ビス(メ
タクリロイルオキシエトキシフエニル)プロパン、トリ
メチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、4−(2−メタクリロイルオ
キシエチル)トリメリテート、4−メタクリロイルオキ
シエチルトリメリテート無水物、ビス(2−メタクリロ
イルオキシエチル)ハイドロジエンホスフエート、2−
メタクリロイルオキシエチルフエニル ハイドロジエン
ホスフエート、6−メタクリロイルオキシヘキシル
ジハイドロジエン ホスフエート、10−メタクリロイル
オキシデシルジハイドロジエンホスフエート、トリス
(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフエート、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸 エステルが用いられる。 前述のように本発明の接着剤には通常使用される重合
開始剤を加えることができる。重合開始剤としてはベン
ゾイルパーオキサイド−芳香族第3級アミン系、クメン
ハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、トリブチルボ
ラン、芳香族スルフイン酸(またはその塩)−芳香族第
2級または第3級アミン−アシルパーオキサイド系など
が挙げられる。更にカンフアーキノン、カンフアーキノ
ン−第3級アミン系、カンフアーキノン−アルデヒド
系、カンフアーキノン−メルカプタン系などの光重合開
始剤を挙げることができる。なお、本発明の接着剤をプ
ライマーとして使用し、さらにその上に別の接着剤が塗
布される場合には、本発明の接着剤には重合開始剤が加
えられていなくても、他の接着剤中の重合開始剤が移行
してきて重合硬化が行われる。 また、本発明の接着剤には、石英、ガラス、ヒドロキ
シアパタイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、酸化ジルコニウム等の無機フイラー、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のポ
リマー粉末などが必要に応じて添加される。 接着の対象となる金属は、金、白金、パラジウム、
銀、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムな
どの貴金属の他に、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜
鉛、スズ、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロ
ム、マンガン、ジルコニウム、モリブデン、カドミウ
ム、インジウム、アンチモン等の広汎な卑金属も含まれ
る。更に酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニ
ウム等の金属酸化物およびこれ等の金属酸化物を含むセ
ラミツクス材料においても接着増強効果が現われる。 (発明の効果) 本発明の接着剤は、とくに貴金属に対して耐水性の優
れた接着力を示す事から、歯科分野において好適に用い
られる。例えば、インレー、クラウン、ブリツジなどの
貴金属鋳造体を歯牙に接着固定する場合、貴金属からな
る歯科補綴物を作製する上での接着作業、例えば、ブリ
ツジと義歯の接着、分割鋳造された補綴物の接着による
組み立て等において従来技術では得られなかつた性能お
よび作業性の向上が達成される。なお本発明の接着剤は
歯科分野のみならず、金属や金属酸化物の接着が必要と
されるあらゆる産業分野において用いられる。 次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。 (実施例) チオール化合物の製造例 製造例1 500cc3つ口フラスコに10−ヒドロキシデシルメタクリ
レートと1,10−ジメタクリロイルオキシデカンの混合物
(10−ヒドロキシデシルメタクリレートを59%含有)を
50g加え、氷浴にて冷却した。p−トルエンスルホニル
クロリド30gをピリジン60ccに溶解し、滴下ロートに入
れ3つ口フラスコに接続し、フラスコ内を撹拌しなが
ら、p−トルエンスルホニルクロリドのピリジン溶液を
ゆつくり滴下した。滴下終了後2時間は0℃に保ち、そ
の後室温まで昇温し、2時間撹拌を継続した後、フラス
コ内容物を6NHClで中和し、遊離してきた有機物を塩化
メチレンで抽出した。水洗を数回行つた後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.1gを加えて40℃以下で塩化メチレンを減圧留去し、
10−ヒドロキシデシルメタクリレートのp−トルエンス
ルホネートと1,10−ジメタクリロイルオキシデカンの混
合物79gを得た。 この混合物とチオ尿素11g、2,2′−メチレンビス(4
−エチル−6−tert−ブチルフエノール)0.4gをエタノ
ール150ccに溶かし、加熱して30分間還流を行つた後、
エタノールを減圧留去した。残留物からアセトニトリル
にてイソチウロニウム塩を抽出し、アセトニトリルを減
圧留去することにより、イソチウロニウム塩の粗生成物
を得た。この粗生物を多量のn−ヘキサンで洗浄し、1,
10−ジメタクリロイルオキシデカンを除去することによ
つて高純度のイソチウロニウム塩を得た。このイソチウ
ロニウム塩48gと塩化亜鉛40gをメタノールに溶かし、激
しく撹拌しながら、水酸化ナトリウムのメタノール溶液
を滴下すると、10−メルカプトデシルメタクリレートの
亜鉛塩が白色沈殿として生じた。沈殿が新たに生じなく
なるまで水酸化ナトリウム溶液を加えた。塩を別し
て、メタノール、水で洗浄を行つた後、乾燥し31gの塩
を得た。この塩20gにメタノール200mlを加えると懸濁状
態になるが希塩酸を加えていくと塩が溶解し、10−メル
カプトデシルメタクリレートが遊離してきた。該化合物
をn−ヘキサンにて抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、n−ヘキサンを減圧留去したところ無色透明液体の
10−メルカプトデシルメタクリレート12gを得た。 該化合物を10%CDCl3溶液として室温で90MHz NMRの測
定を行つたところ、δ=5.35〜5.00および5.90〜6.05に
メタクリロイル基のエチレン性プロトンのシグナルをδ
=1.75〜1.85にメタクリロイル基のメチルプロトンのシ
グナルをδ=3.90〜4.10に酸素原子に隣接するメチレン
のプロトンシグナルをδ=2.15〜2.60にイオウ原子に隣
接するメチレンのプロトンシグナルをδ=0.8〜1.7に残
りのメチレンプロトンおよびメルカプト基のプロトンの
シグナルを観測した。またマススペクトロスコピーで測
定を行つたところ、分子イオンピークをm/e 258に観測
し、該化合物が10−メルカプトデシルメタクリレートで
あることを確認した。 ジスルフイド化合物の製造例 製造例2 10−メルカプトデシルメタクリレート10gをエタノー
ル200mlに溶解し、これを激しく撹拌しながら、ヨウ素
のエタノール溶液を滴下した。ヨウ素の色が消えなくな
るまでヨウ素のエタノール溶液を加えた後、エタノール
を溜去した。残留物にメタノール200mlを加え、ヘキサ
ンにて有機物を抽出した。ヘキサンを溜去し残留物中の
主成分をカラムクロマトグラフイー〔ワコーゲルC−20
0(和光純薬工業製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチ
ル〕にて分離したところ、無色透明液体6.2gを得た。該
化合物を液体クロマトグラフイーにて分析したところ、
原料の10−メルカプトデシルメタクリレートのピークは
観測されず、異なる溶出時間に主ピーク(95.5%)が観
測された。また該化合物を10%CDCl3溶液として室温で9
0MHz NMRの測定を行つたところδ=5.00〜5.35および5.
90〜6.05にメタクリロイル基のエチレン性プロトンのシ
グナルを、δ=1.75〜1.85にメタクリロイル基のメチル
プロトンのシグナルを、δ=3.90〜4.10に酸素原子に隣
接するメチレンプロトンのシグナルを、δ=2.15〜2.60
に硫黄原子に隣接するメチレンプロトンのシグナルを、
δ=0.8〜1.7に残りのメチレンプロトンのシグナルを観
測し、該化合物がビス(10−メタクリロイルオキシデシ
ル)ジスルフイドであることを確認した。 接着剤の例 実施例1〜13および比較例1〜2 第1表に示した13種の化合物および前述の公知の化合
物N−(4−メルカプトフエニル)メタクリルアミドを
それぞれ用いて、貴金属に対する接着効果を調べた。こ
れ等の化合物は1重量%濃度のアセトン溶液(プライマ
ー)とし、被着体である1000gritのシリコン・カーバイ
ト研磨紙で磨いた純金板(10×10×1mm、厚さ4mmのステ
ンレス板で裏面を補強したもの)、歯科用金−銀−パラ
ジウム合金「キヤストウエル」(而至社製、10×10×1m
m、同様に補強したもの)歯科用金−白金−パラジウム
合金「デグデントユニバーサル」(三菱金属社製、10×
10×1mm、同様に補強したもの)の表面にそれぞれ筆で
塗布した。1分後に純アセトンで塗布面を洗い、表面に
吸着した分子のみが残るように表面調整を行つた。この
面上に5mmφの穴を明けた粘着テープを貼り付けて被着
面とした。一方、7mmφ×25mmのSUS 304製丸棒を準備
し、棒端面を粒径50μmのアルミナ砥粒でサンドブラス
トを行つた。この面に、メタクリル酸エステル100重量
部、スルフイン酸ソーダーベンゾイルパーオキサイド−
第三級アミン系重合開始剤3重量部、シラン処理された
無機フイラー320重量部からなる歯科用接着剤「パナビ
アEX 」(クラレ製)の練和ペーストを盛り上げ、被着
面に押しつけて接着を行つた。1時間後に接着試験片を
37℃水中に浸漬し、24時間後に万能試験機(インストロ
ン製)(クロス・ヘツドスピード2mm/分)で引張接着強
度を測定した。各々8個の試験片の測定値を平均し、第
1表に測定結果を示した。 実施例14〜27 第2表に示した14種の化合物をそれぞれ用いて、実施
例1〜13と同様にして、純金板、歯科用合金「デクデン
トユニバーサル」に対する接着効果を調べた。結果を第
2表に示す。 実施例28〜29および比較例3 実施例5で用いた化合物の1%アセトン溶液を、実施
例1〜13の方法に準じて「キヤストウエル」に塗布し、
1分後に純アセトンで塗布面を洗つた後、「パナビアE
X」(クラレ製)でステンレス棒を接着し、接着試験片
(実施例28)とした。また、同様にして実施例19で用い
た化合物を用いて接着試験片(実施例29)とした。一
方、比較対象として、該アセトン溶液を塗布せずに、直
接パナビアEXで「キヤストウエル」とステンレス棒を接
着した試験片(比較例3)も作製した。これらの試験片
は耐水性を評価する目的で接着1時間後に37℃水中に浸
漬し、24時間経過後に70℃水中に移し、10日間静置し
た。その後、実施例1〜13の方法で引張接着強度を測定
したところ、実施例28の平均接着強度が280Kg/cm2であ
り、実施例29の平均接着強度が165Kg/cm2であるのに対
し、比較例3では31Kg/cm2であつた。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.(a)飽和炭素と結合したメルカプト基またはポリ
    スルフィド基を少なくとも1個有し、かつ、オレフィン
    性二重結合を少なくとも1個有する化合物および (b)該化合物とは共重合性を有しない溶剤からなる接
    着剤。 2.該化合物が一般式 [上記式において、R1は水素またはメチル基を表し、R2
    は炭素数1〜40の有機基 および/またはメルカプト基を有していてもよい)を表
    し、R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜40の有機基 および/またはメルカプト基を有していてもよい)、水
    素、メルカプト基またはハロゲンを表し、R3および/ま
    たはR4が有機基の場合は、R2、R3およびR4の少なくとも
    2つは互いに結合して環状構造を形成していてもよく、
    Xは−COO−、−OOC−、−CONH−、−COS−、−SOC−、
    −S−またはフェニレン基を表し、lは0または1を表
    す]で表される化合物である特許請求の範囲第1項記載
    の接着剤。 3.該化合物が一般式 (上記式において、R1は水素またはメチル基を表し、m
    は6〜20の整数を表す)で表される化合物である特許請
    求の範囲第2項記載の接着剤。 4.該化合物が一般式 [上記式において、R1は水素またはメチル基を表し、
    R2′は炭素数1〜40の有機基 および/またはポリスルフィド基を有していてもよい)
    を表し、R3′およびR4′はそれぞれ炭素数1〜40の有機
    および/またはポリスルフィド基を有していてもよ
    い)、水素、メルカプト基またはハロゲンを表し、R3
    および/またはR4′が有機基の場合は、R2′、R3′およ
    びR4′の少なくとも2つは互いに結合して環状構造を形
    成していてもよく、R5、R6およびR7はそれぞれ炭素数1
    〜40の有機基 および/またはポリスルフィド基を有していてもよ
    い)、水素、メルカプト基またはハロゲンを表し、R5
    R6およびR7の少なくとも2つが有機基の場合、これらは
    互いに結合して環状構造を形成していてもよく、Xは−
    COO−、−OOC−、−CONH−、−COS−、−SOC−、−S−
    またはフェニレン基を表し、lは0または1を表し、n
    は2〜6の整数を表す。]で表される化合物である特許
    請求の範囲第1項記載の接着剤。 5.該化合物が一般式 (上記式において、R1およびR1′はそれぞれ水素または
    メチル基を表し、qおよびq′はそれぞれ2〜20の整数
    を表す)で表される化合物である特許請求の範囲第4項
    記載の接着剤。
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