JP3937496B2 - 新規なアゾアミド化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合開始剤等として有用な、油溶性で且つ高温活性のアゾ化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物及び有機過酸化物が知られている。
有機過酸化物は、衝撃、加温等に対し総じて不安定であり、自己誘導分解等が起こり、火災や爆発等の危険性を有している。
他方、アゾ化合物は、活性が高いわりに、物理的化学的に比較的安定なため、重合反応のコントロールが容易であるという利点を有しており、漸次多用されるに伴い、目的に応じて種々の活性を有するアゾ系の重合開始剤が求められている。特に、スチレンを重合する際の残存するモノマーの処理、また、架橋重合を行う際等に、高温活性を有するアゾ系重合開始剤が望まれている状況にある。
【0003】
高温活性を有するアゾ系重合開始剤としては、例えば1,1-アゾビス(1-シアノシクロヘキサン)や2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等が知られている。しかしながら、1,1-アゾビス(1-シアノシクロヘキサン)は、分子内にシアノ基が存在するため、このシアノ基に起因する毒性が発現する可能性を有していたり、また、2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)は融点が常温付近にあり取扱いが不便である等の問題点を有している。
【0004】
また、アミド系のアゾ化合物は一般に高温活性を有するものが多いが、例えば2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス(2-メチル-N-メチル-プロピオンアミド)及び2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(ヒドロキシメチル)-プロピオンアミド]等[特公平6-78288号公報、Makromol.Chem.,193 2843(1992)、特開平2-149551号公報等]の公知のアゾアミド化合物は何れも水溶性であるため、油溶性のモノマーの重合を溶液重合で行いたい場合に、溶媒として用いる有機溶媒には溶解性が悪く、溶液重合による重合反応には用い難いという問題点を有していた。そのため、油溶性で高温活性を有するアゾアミド化合物が望まれていた。
このような点を改善することを目的として、アミノ基にアリル基を導入した2,2'-アゾビス(2-メチル-N-アリル-プロピオンアミド)が報告されている(特開平2-149551号公報等)。しかしながら、活性温度は多少改善されたものの、重合反応中にアリル基の連鎖移動により重合反応が停止するため、多量に添加しなければならず、この点についても改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、高温活性を有し、有機溶媒への溶解性に優れ、融点が高い新規なアゾアミド化合物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式[1]
【0007】
【化2】
Figure 0003937496
【0008】
(式中、R3は炭素数3〜6の直鎖飽和アルキル基を表す。)で示される、アゾアミド化合物、の発明である。
【0009】
また、本発明は、上記アゾアミド化合物を用いることを特徴とするモノマーの重合方法、の発明である。
【0010】
更に、本発明は、上記アゾアミド化合物を含んで成る重合開始剤、の発明である。
【0011】
本発明の上記一般式[1]で示されるアゾアミド化合物は、例えば一般式[2]
【0012】
【化3】
Figure 0003937496
【0013】
(式中、R4は低級アルキル基を表し、R1及びR2メチル基を表す。)で示される アゾジカルボン酸ジエステル化合物と一般式[3]
【0014】
【化4】
Figure 0003937496
【0015】
(式中、R3は前記に同じ。)で示されるアミン化合物とを、適当な溶媒中或いは無溶媒で、アルカリ性有機金属化合物の存在下で反応させることにより得られる。
【0016】
一般式[1]及び[3]に於いて、R3で示される炭素数3〜6の直鎖飽和アルキル基としては、n-プロピル基n-ブチル基、n -ペンチル基n-ヘキシル基等が挙げられる。一般式[2]に於いて、R4で示される低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
【0017】
本発明のアゾアミド化合物を製造する際に用いられるアルカリ性有機金属化合物としては、例えばナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド,カリウムメトキシド,カリウムエトキシド,カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類、例えばn-ブチルリチウム,tert-ブチルリチウム等の有機リチウム化合物類等が挙げられる。
【0018】
また、反応溶媒としては、例えばトルエン,キシレン,ベンゼン,シクロヘキサン,n-ヘキサン,n-オクタン等の炭化水素類、例えばメタノール,エタノール,n-プロパノール,イソプロパノール,n-ブタノール,イソブタノール,tert-ブタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても良い。
【0019】
本発明のアゾアミド化合物を製造する際のアゾジカルボン酸ジエステル化合物とアミン化合物の使用量としては、使用するアミン化合物の種類によっても異なるが、アゾジカルボン酸ジエステル化合物に対してアミン化合物を通常1.5〜10倍モル、好ましくは2〜5倍モルの範囲から適宜選択される。
【0020】
また、アルカリ性有機金属化合物の使用量としては、アミン化合物の種類によっても異なるが、アゾジカルボン酸ジエステル化合物に対して通常0.05〜3当量、好ましくは0.1〜0.5当量の範囲から適宜選択される。
【0021】
反応温度は、特に限定されないが、高すぎるとアゾ基が分解し、低すぎると反応速度が遅くなり製造に時間を要するため、通常0〜40℃の範囲から適宜選択される。
また、反応時間はアゾジカルボン酸ジエステル化合物やアミン化合物の種類により異なるが、通常1〜24時間の範囲から適宜選択される。
【0022】
尚、本発明に係るアゾジカルボン酸ジエステル化合物及びアミン化合物は、市販品を用いても或いは製造したものを用いても何れにても可である。
【0023】
本発明のアゾアミド化合物は、加熱又は光照射によって容易にアゾ基が分解し窒素ガスの発生と共にラジカル種を生じるため、重合開始剤や発泡剤等として有効に使用できる。その際に、各種のモノマーが存在すれば速やかに重合を起こす。
【0024】
本発明のアゾアミド化合物を重合開始剤として用いて、モノマーを重合或いは共重合させるには、例えば下記の如くして行えば良い。
即ち、上記の如くして得たアゾアミド化合物と、モノマーとを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要であれば不活性ガス雰囲気下で常法に従って重合反応を行えば良い。
反応後の後処理等はこの分野に於いて通常行われる後処理法に準じて行えば良い。
【0025】
モノマーとしては、例えばスチレン,4-メチルスチレン,4-エチルスチレン,ジビニルベンゼン等の炭素数8〜20のα-オレフィン性芳香族炭化水素類、例えばギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酢酸イソプロペニル等の炭素数3〜20のビニルエステル類、例えば塩化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン,テトラクロロエチレン等の炭素数2〜20の含ハロゲンビニル化合物類、例えばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸,フマル酸,クロトン酸,シトラコン酸,メサコン酸,ビニル酢酸,アリル酢酸,ビニル安息香酸等の炭素数3〜20のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸類(これら酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等、塩の形になっているものでも良い。)、例えばメタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸2-エチルヘキシル,メタクリル酸ステアリル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2-エチルヘキシル,メタクリル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル,イタコン酸メチル,イタコン酸エチル,マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,フマル酸メチル,フマル酸エチル,クロトン酸メチル,クロトン酸エチル,シトラコン酸メチル,シトラコン酸エチル,メサコン酸メチル,メサコン酸エチル,3-ブテン酸メチル等の炭素数4〜20のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル類、例えばアクリロニトリル,メタクリロニトリル,シアン化アリル等の炭素数3〜20の含シアノビニル化合物類、例えばアクリルアミド,メタクリルアミド等の炭素数3〜20のビニル系アミド化合物類、例えばアクロレイン,クロトンアルデヒド等の炭素数3〜20のα,β-エチレン性不飽和アルデヒド類、例えばビニルスルホン酸,4-ビニルベンゼンスルホン酸等の炭素数2〜20のビニルスルホン酸類(これら酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩等、塩の形になっているものでも良い。)、例えばビニルアミン,アリルアミン等の炭素数2〜20のビニル系脂肪族アミン類、例えばビニルアニリン等の炭素数8〜20のビニル系芳香族アミン類、例えばN-ビニルピロリドン,ビニルピペリジン等の炭素数5〜20のビニル系脂肪族ヘテロ環状アミン類、例えばビニルピリジン,1-ビニルイミダゾール等の炭素数5〜20のビニル系芳香族ヘテロ環状アミン類、例えばアリルアルコール,クロチルアルコール等の炭素数3〜20のα,β-エチレン性不飽和アルコール類、例えば4-ビニルフェノール等の炭素数8〜20のオレフィン系フェノール類、例えばブタジエン,イソプレン等の炭素数4〜20のジエン系化合物類等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても良い。
【0026】
尚、重合反応を行う際に、必要に応じて連鎖移動剤(例えばラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸ブチル等。)を添加し、分子量の調節を行っても良い。
【0027】
上記重合反応の方法としては、例えば溶液重合、バルク重合、懸濁重合又は乳化重合等が挙げられる。この際本発明のアゾアミド化合物と通常のラジカル重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル,2,2'-アゾビスイソ酪酸ジメチル等)を併用して用いても良い。
【0028】
溶液重合で用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム,塩化メチレン,1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、n-ヘキサン,石油エーテル,トルエン,ベンゼン,キシレン等の炭化水素類、メタノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコール類、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は夫々単独で用いても、二種以上適宜組合せて用いても何れにても可である。
【0029】
重合反応は、また、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
【0030】
上記重合反応に於ける本発明のアゾアミド化合物とモノマーとの使用割合は、使用する本発明化合物の種類によっても変動するが、一般に広い範囲から選択することができ、モノマーに対して通常0.01〜100重量%、好ましくは0.05〜50重量%の範囲から適宜選択される。
【0031】
モノマーの重合反応時の濃度としては、モノマーの種類によっても異なるが通常5〜100重量%(無溶媒)、好ましくは10〜60重量%の範囲となるよう適宜選択される。
【0032】
重合温度は特に限定されないが、低すぎるとアゾ基の分解が少ないため重合の進行が遅くなり、高すぎるとアゾ基の分解が多くなりすぎ重合の制御が困難となるため通常20〜150℃、好ましくは50〜130℃の範囲から適宜選択される。尚、本発明のアゾアミド化合物は高温活性を有しているので、例えば90〜150℃、より実際的には90〜120℃の、高温での重合反応に於いても効果的に使用可能である。
【0033】
また、重合反応時間としては、反応温度や反応させるアゾアミド化合物及びモノマーの種類、或いは濃度等の反応条件により異なるが、通常2〜24時間の範囲から適宜選択される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
比較例1.2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)の合成
シクロヘキシルアミン 47.3g及びジメチル 2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート) 50gを混合し、これに攪拌下、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 20gを滴下後、室温で6時間攪拌反応させた。一夜放置後、反応液に水 100mlを加えた後、10℃に冷却して結晶を析出させた。これを濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)の黄色結晶59.4g(収率 81%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 116℃。
1H-NMR δppm(CDCl3):1.2〜2.0(m,20H,シクロヘキシル基)、1.33(s,12H,=N-C(CH 3)2)、3.87(m,2H,シクロヘキシル基(NH-CH))、6.7(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3344(NH),1645(C=O)。
【0035】
比較例2.2,2'-アゾビス[N-(2-メチルプロピル)-2-メチルプロピオンアミド]の合成
イソブチルアミン 34.9g及び2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート) 50gを混合し、これに攪拌下、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 10gを滴下後、室温で6時間攪拌反応させた。一夜放置後、反応液に水 100mlを加えた後、10℃に冷却して結晶を析出させた。これを濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス[N-(2-メチルプロピル)-2-メチルプロピオンアミド]の淡黄色結晶 56.4g(収率 83%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 100℃。
1H-NMR δppm(CDCl3):0.92(m,12H,CH(CH 3)2)、1.35(s,12H,=N-C(CH 3)2)、1.82(m,2H,CH(CH3)2)、3.2(m,4H,NH-CH 2)、6.9(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3336(NH),1660(C=O)。
【0036】
実施例.2,2'-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)の合成
n-ブチルアミン 34.9g及び2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート) 50gを混合し、これに攪拌下、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 10gを滴下後、室温で6時間攪拌反応させた。一夜放置後、反応液に水 100mlを加えた後、10℃に冷却して結晶を析出させた。これを濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス[N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド]の淡黄色結晶 58.0g(収率 85.5%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 65℃。
1H-NMR δppm(CDCl3):0.94(t,6H,CH2CH 3)、1.3〜1.6(m,8H,CH 2CH 2)、1.34(s,12H,=N-C(CH 3)2)、3.5(m,4H,NH-CH 2)、6.85(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3331(NH),1660(C=O)。
【0037】
比較.2,2'-アゾビス[N-(2-メチルエチル)-2-メチルプロピオンアミド]の合成
イソプロピルアミン 28.2g及び2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート) 50gを混合し、これに攪拌下、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 20gを滴下後、室温で6時間攪拌反応させた。一夜放置後、反応液に水 100mlを加えた後、10℃に冷却して結晶を析出させた。これを濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス[N-(2-メチルエチル)-2-メチルプロピオンアミド]の淡黄色結晶 41.5g(収率 67%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 103℃。
1H-NMR δppm(CDCl3):1.8(d,12H,CH(CH 3)2)、1.33(s,12H,=N-C(CH 3)2)、4.15(m,2H,NH-CH(CH3)2)、6.85(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3388(NH),1664(C=O)。
【0038】
実施例.2,2'-アゾビス(N-ヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)の合成
n-ヘキシルアミン 28.2g及び2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート) 50gを混合し、これに攪拌下、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 20gとメタノール 10mlを順次加え、室温で6時間攪拌反応させた。一夜放置後、反応液に水 100mlを加えた後、n-ヘキサン 100mlで抽出した。ヘキサン層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、目的とする2,2'-アゾビス(N-ヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)の黄色半融晶 76.3g(収率 95%)を得た。溶解度を表1に示す。
1H-NMR δppm(CDCl3):0.88(m,6H,CH2CH 3)、1.3(m,12H,NH-CH2CH2CH 2CH 2CH 2CH3)、1.34(s,12H,=N-C(CH 3)2)、1.55(m,4H,NH-CH2CH 2CH2CH2CH2CH3)、3.35(m,4H,NH-CH 2CH2CH2CH2CH2CH3)、6.85(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3340(NH),1647(C=O)。
【0039】
実施例.2,2'-アゾビス(N-プロピル-2ーメチルプロピオンアミド)の合成
n-プロピルアミン 28.3g及び2,2'ーアゾビス(2ーメチルプロピオネート) 50gを混合し、これに攪拌下、メタノール 10mlとナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 10gを順次加え、室温で6時間攪拌反応させた。一夜放置後、反応液に水 100mlを加えた後、5℃に冷却して結晶を析出させた。これを濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス(Nープロピル-2-メチルプロピオンアミド)の微黄色結晶 54.0g(収率87%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 65℃。
1H-NMR δppm(CDCl3):0.94(t,6H,-NH-CH2CH2CH 3)、1.34(s,12H,=N-C(CH 3)2)、1.57(m,4H,NH-CH2CH 2CH3)、3.32(q,4H,NH-CH 2CH2CH3)、6.85(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3335(NH),1653(C=O)。
【0040】
比較例.2,2'-アゾビス(N-エチル-2ーメチルプロピオンアミド)の合成
2,2'ーアゾビス(2ーメチルプロピオネート) 50gとメタノール 50mlを混合し、これにエチルアミン塩酸塩39gを投入懸濁し、次いで5℃でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 133gを滴下後、室温で6時間攪拌反応を行った。一夜放置後、反応液に水 200mlを加えた後、減圧でメタノールを留去して結晶を析出させた。5℃に冷却して結晶を濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス(N-エチル-2ーメチルプロピオンアミド)の微黄色結晶 16.6g(収率 30%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 98℃。
1H-NMR δppm(CDCl3):1.18(t,6H,NH-CH2CH 3,)、1.34(s,12H,=N-C(CH 3)2)、3.39(m,4H,NH-CH 2CH3)、6.8(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3394(NH),1667(C=O)。
【0041】
比較例.2,2'-アゾビス(N-メチル-2-メチルプロピオンアミド)の合成
2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート) 50g及び40%メチルアミンのメタノール溶液 37.1gを混合し、これに攪拌下、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 10gを加え、室温で7時間攪拌反応させた。一夜放置後、5℃に冷却して結晶を析出させた。これを濾取し、乾燥して目的とする2,2'-アゾビス(N-メチル-2-メチルプロピオンアミド)の微黄色結晶 37.2g(収率 75%)を得た。溶解度を表1に示す。
m.p. 153℃
1H-NMR δppm(CDCl3):1.35(s,12H,=N-C(CH 3)2)、2.92(s,6H,NH-CH 3)、6.9(br,2H,CONH)。
IR(KBr錠)νcm-1:3393(NH),1665(C=O)。
【0042】
【表1】
Figure 0003937496
*)25℃に於ける溶媒100gに対する各アゾアミド化合物の溶解度。
【0043】
重合開始剤は、一般に、2%以上、好ましくは5%以上の溶解度を有するものが実用性が高く、表1の結果から、本発明のアゾアミド化合物は何れも有機溶媒を用いる重合反応に好適なものであることが判る。これに対して、比較例1〜5で得られた2,2'-アゾビス(N-メチル-2-メチルプロピオンアミド)は、実施例1〜3で得られた本発明のアゾアミド化合物と比較して酢酸エチル及びトルエンへの溶解度が低く、このような溶媒を使用する重合反応への実用性が低いことが判る。
【0044】
実験例1.半減期試験
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られたアゾアミド化合物の各1%(W/W)エチルベンゼン溶液を調製し、得られた試料を所定温度の恒温槽中で、単位時間毎の各試料中のアゾアミド化合物の濃度を測定し、各温度に於ける分解速度定数を求め、その分解速度定数から、アレニウスの式に従って、各アゾアミド化合物の10時間半減期温度を算出した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003937496
【0046】
以上の結果から、実施例1〜に於いて、10時間半減期温度は何れも110℃以上であることから、本発明のアゾアミド化合物は何れも高温活性を有していることが判る。
【0047】
実験例2.
比較例1、実施例1、及び実施例3で得られたアゾアミド化合物を4×10-4mol/l含有するスチレン溶液各5mlを硝子アンプルに仕込み、脱気操作を行った後、減圧下封印した。110℃に調整した恒温槽に各アンプルを投入し重合を開始させ、一定時間毎にアンプルを恒温槽から取り出し、直ちに氷水中で冷却し重合を停止させた。次いでアンプルの重合液をメタノール中に入れポリマーを析出させた。これを濾取し、60℃で8時間減圧乾燥を行った後、得られたポリマー量を計量した。仕込み時のスチレン量と生成したポリマー量から重合率を求めた。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003937496
【0049】
表3から明らかな如く、本発明に係る油溶性のアゾアミド化合物はスチレンの重合に於て高い重合活性を持つことが判る。
【0050】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明は、高温活性を有し、有機溶媒への溶解性に優れ、融点が高く、更に重合能が大きい新規なアゾアミド化合物を提供するものである点に顕著な効果を奏するものである。

Claims (3)

  1. 一般式[1]
    Figure 0003937496
    (式中、R3は炭素数3〜6の、直鎖飽和アルキル基を表す。)で示される、アゾアミド化合物。
  2. 請求項1に記載のアゾアミド化合物を用いることを特徴とするモノマーの重合方法。
  3. 請求項1に記載のアゾアミド化合物を含んで成る重合開始剤。
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