JPH09202756A - N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物 - Google Patents

N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物

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JPH09202756A
JPH09202756A JP1210296A JP1210296A JPH09202756A JP H09202756 A JPH09202756 A JP H09202756A JP 1210296 A JP1210296 A JP 1210296A JP 1210296 A JP1210296 A JP 1210296A JP H09202756 A JPH09202756 A JP H09202756A
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JP
Japan
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allyl
substituted
compound
methyltetrahydrophthalic acid
formula
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Pending
Application number
JP1210296A
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English (en)
Inventor
Atsushi Utsunomiya
淳 宇都宮
Kyoko Ono
恭子 小野
Yasuyoshi Watabe
恭吉 渡部
Toshihiko Takagi
斗志彦 高木
Masaru Tanabe
田邉  勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、可塑剤、耐熱性樹脂、潤滑
剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、分散剤、重合性界面活
性剤、セメント用混和剤などの原料として有用な新規な
N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミ
ド化合物を提供することである。 【解決手段】 式(1)で表されるN−アリル置換メチ
ルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物若しくはそ
の混合物、又はそれらの塩。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メチルテトラヒド
ロフタル酸ハーフアミド構造を持つ新規のアリル化合物
に関する。本発明のメチルテトラヒドロフタル酸ハーフ
アミド構造を持つ新規のアリル化合物は、有機溶媒に可
溶な疎水性化合物であるが、分子内にカルボキシル基と
アミド基を持つために、pH、温度条件等により水溶性
をあるいは水分散性を示す両親媒性の化合物である。更
に、本化合物は分子内に二重結合を有するため、無溶媒
系、水系あるいは有機溶媒系で種々のビニル化合物と重
合可能であり、合成樹脂原料として有用な化合物であ
る。本発明のN−アリル置換3−、又は4−メチルテト
ラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物及びその共重合体
の具体的な用途としては、可塑剤、耐熱性樹脂、潤滑
剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、分散剤、重合性界面活
性剤、セメント用混和剤などへの利用が例示される。
【0002】
【従来の技術】本発明による化合物は、従来全く報告さ
れていない新規な化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可塑
剤、耐熱性樹脂、潤滑剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、
分散剤、重合性界面活性剤、セメント用混和剤等の原料
として有用な新規なN−アリル置換メチルテトラヒドロ
フタル酸ハーフアミド化合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1)(化
2)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタ
ル酸ハーフアミド化合物若しくはその混合物、又はそれ
らの塩である。
【化2】 (式中、Rは水素原子又はアリル基を表す。)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の式(1)で表されるN−
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン又
はジアリルアミン(以下、アリルアミン類という)を反
応させ、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン類
の塩を形成させた後、加熱により脱水する方法やメチル
テトラヒドロフタル酸無水物を原料として、アリルアミ
ン類と反応する方法により得ることができる。これらの
方法の内、メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリル
アミン類を反応させる方法が、簡便であり容易に本発明
の化合物を製造することができるので好ましい。メチル
テトラヒドロフタル酸無水物は、メチル基の置換位置に
より3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテト
ラヒドロフタル酸無水物があり、これらは単独で用いる
ことができるが、混合物での使用することもできる。ま
た、メチルテトラヒドロフタル酸無水物が非対称化合物
であるため、アリルアミン類との反応物には、2つの位
置異性体が存在し、通常の反応条件下では、2種の混合
物になる。これらの存在比は、反応溶媒、反応温度、反
応濃度等の反応条件やメチル基の位置により決まるもの
と考えられるが、通常の使用目的では両者は分離するこ
となく使用して問題ない。
【0006】メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリ
ルアミン類の反応は、通常はメチルテトラヒドロフタル
酸無水物の有機溶媒溶液に、アリルアミン類を添加する
ことにより行われる。反応溶媒として利用可能な有機溶
媒の例として、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルア
ミン類を溶解させるものであればよく、アセトン、2−
ブタノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、クロロホルムなどが例示される。メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、メチセロソルブ、
エチルセロソルブ、2−エチルヘキサノール、シクロヘ
キサノール等のアルコール系の溶媒は、一部メチルテト
ラヒドロフタル酸との間でエステル化反応を生じる場合
もあるが、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン
類の反応性は高く、一般にエステルの生成量は小さくな
るため、エステル化物が混在しても大きな影響を与えな
いような用途に対してはアルコール系溶媒を使用するこ
とができる。
【0007】溶媒の使用量は、メチルテトラヒドロフタ
ル酸無水物の濃度が1〜90wt%となる量が好まし
い。1wt%未満となる量では、生産性に乏しく、90
wt%超となる量では、溶媒を添加した効果が無くな
る。アリルアミン類としてアリルアミン又はジアリルア
ミンを、単独でメチルテトラヒドロフタル酸無水物と反
応させることにより、それぞれ式(1)でRが水素原子
であるモノアリル化合物と、Rがアリル基であるジアリ
ル化合物を得ることができる。しかし、アリルアミン類
の製造法により、アリルアミンとジアリルアミンが混合
物として得られる場合がある。このアリルアミン混合物
を用いてもメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応
は可能であり、式(1)のRが水素原子の化合物とアリ
ル基の化合物の混合物として得ることができる。
【0008】アリルアミン類の使用量は、メチルテトラ
ヒドロフタル酸に対して0.8〜1.5当量、好ましく
0.9〜1.2当量用いる。0.8当量未満を用いた場
合には、目的物の収率低下を起こし好ましくない。1.
5当量を超える量を使用しても効果的な差はなく好まし
くない。アリルアミン類は、比較的揮発性の高い化合物
であるため、密閉式の反応器を使用することが好まし
い。解放系で反応を行う場合には、揮発したアリルアミ
ン類を冷却管などでトラップする必要があるが、そのよ
うな場合には予めトラップされるアリルアミン類の相当
量を過剰に添加するなどして、反応が完結するようにす
る。
【0009】メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリ
ルアミン類の反応は、常圧もしくは加圧下で、0〜15
0℃、好ましくは5〜130℃、さらに好ましくは10
〜100℃の温度範囲で行う。0℃未満では反応の進行
が遅く、150℃を越える温度で反応を行っても効果的
な差はない。反応中反応温度を一定に保つ必要はなく、
反応速度を制御するあるいは反応液の粘度を調整するな
どの目的で反応温度を適宜変えてもよい。反応時間は、
反応温度により異なるために一概に言えないが、30分
〜10時間反応することにより目的物である式(1)で
表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハ
ーフアミド化合物を得ることができる。
【0010】この様に製造した式(1)で表されるN−
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、過剰のアリルアミン類を除去する等の操作を加
えた後、後の所望の反応に反応液のまま使用することも
できるが、必要に応じて濾過、溶媒除去等の簡便な操作
を経て、分離し各種用途に用いることができる。しか
し、用途により純度の高い目的物が必要な場合は、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ト
ルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン等の溶媒を使用
して再結晶することができる。
【0011】また、式(1)で表されるN−アリル置換
メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は、更
に、水溶性を持たせる等の種々の目的から遊離カルボン
酸を各種塩基により中和することにより各種の塩に変換
することができる。塩の種類としては、ナトリウム塩、
カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモ
ニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩
等の有機塩基との塩を挙げることができる。本発明の方
法に於ける原料及び生成物は共に重合可能な二重結合を
有しており、製造工程において、それぞれの化合物の重
合を防止するために、必要に応じて重合禁止剤を使用す
ることは有効である。重合禁止剤としてはハイドロキノ
ン、メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェ
ノチアジン、チオ尿素、ヒドロキシキノリン、クペロ
ン、N−ニトロソジフェニルアミン等を挙げることがで
きるがこれらに限定されるものではない。
【0012】この様に製造した式(1)で表されるN−
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、種々のビニル化合物と重合可能である。式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物と共重合可能なビニル化合物
の例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化
合物、ジエン化合物、ビニルカルボン酸化合物、不飽和
カルボン酸アミド化合物、アルキルビニルエーテル化合
物、及びその他のビニル化合物からなる群より選択され
た一種類以上の化合物である。本発明の式(1)で表さ
れるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフ
アミド化合物と上記ビニル化合物の共重合方法に関して
は特に制限はなく、公知の方法で共重合することができ
る。通常はラジカル重合開始剤の存在下、所定温度に保
つことにより重合を行う。
【0013】重合溶媒としては上記のビニル化合物と式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物を均一に溶解させるものであ
ればよく、式(1)で表されるN−アリル置換メチルテ
トラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物と相溶性のある
ビニル化合物で、脱溶媒を必要とする用途については、
プロセスを簡略化する目的で無溶媒系での共重合が好ま
しい場合もある。式(1)で表されるN−アリル置換メ
チルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は分子内
にカルボキシル基を有しており、これをアルカリにより
中和すると水に可溶になる。水に不溶なpH条件でも、
界面活性剤の存在下で乳化重合することもできる。
【0014】重合開始剤としては一般の重合開始剤が使
用できる。また、必要に応じて連鎖移動剤や重合速度調
整剤を用いることができる。重合に供するモノマー類、
重合開始剤、溶媒、連鎖移動剤などは重合を開始する時
点で一度に反応容器に仕込んでもよいが、重合の進行に
応じて、1種類あるいはそれ以上の成分を、単独あるい
は溶媒などに混合したものを逐次添加していってもよ
い。本発明の式(1)で表されるN−アリル置換メチル
テトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物及びこれと他
のビニル化合物との共重合体は、可塑剤、耐熱性樹脂、
帯電防止剤、潤滑剤、塗料、接着剤、分散剤、界面活性
剤、セメント混和剤等の広い分野にわたって使用するこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを取り付けた
1lの四口セパラブルフラスコに3−及び4−メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物の混合物83.09g(0.
50モル)、トルエン300mlを加え、室温で溶解さ
せた。反応温度を25〜30℃に保ちながら、アリルア
ミン28.55g(0.50モル)を60分かけて滴下
した。6時間室温で攪拌した後、析出した白色結晶を濾
過により回収した。得られた結晶をアセトン溶媒で晶析
を行った。収量58.33g(収率52.2%) 元素分析値;C:64.55% H:7.68% N:6.27% (計算値:C1217NO3 ) C:64.12% H:7.75% N:6.52% (実測値) 融点: 144℃1 H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm):1.6(s,3H),2.0-2.5(m,4H),3.
1-3.3(m,1H),3.6-3.7(m,2H),4.9-6.0(m,5H),7.9(t,1H) 得られた結晶のIR分析を行ったところ、原料3−及び
4−メチルテトラヒドロフタル酸の1776cm-1及び1858cm
-1の酸無水物基に起因する特性吸収帯(C=O伸縮)が
消失し、代わって1725cm-1にカルボン酸(C=O伸
縮)、1650cm-1にアミド(C=O伸縮、N−H変角)に
由来する吸収帯が観測された。
【0016】実施例2 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを取り付けた
1lの四口セパラブルフラスコに3−及び4−メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物の混合物83.09g(0.
50モル)、アセトン250mlを加え、室温で溶解さ
せた。反応温度25℃〜30℃を保ちながら、ジアリル
アミン72.87g(0.75モル)を60分かけて滴
下した。一晩室温で攪拌した後、アセトン及び未反応ア
ミンを真空除去したところ、粘性のある液体が得られ
た。収量130.25g(収率98.9%) 元素分析値;C:68.42% H:8.04% N:5.32% (計算値:C1521NO3 ) C:68.88% H:8.02% N:5.05% (実測値)1 H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm):1.7(s,3H),2.0-2.6(m,4H),3.
1-3.2(m,1H),3.8-4.0(m,4H),5.0-5.8(m,8H),12.0(s,1H) 得られた生成物のIR分析を行ったところ、酸無水物の
特性吸収帯(1780cm-1と1850cm-1、C=O伸縮)が消失
し、1725cm-1にカルボン酸(C=O伸縮)、1650cm-1
アミド(C=O伸縮)に由来する吸収帯が観測された。
【0017】
【発明の効果】本発明の式(1)で表されるN−アリル
置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は
有機溶媒に可溶であるが、pHや温度条件等によって水
に対する溶解性に優れた両親媒性化合物である。この化
合物は、分子内に重合可能な二重結合をもつため、他の
ビニル化合物と共重合することができる。本発明の式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物およびこれらと共重合して得
られる共重合物は、可塑剤、耐熱性樹脂、帯電防止剤、
潤滑剤、塗料、接着剤、分散剤、界面活性剤、セメント
混和剤等の種々の用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 斗志彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 田邉 勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)(化1)で表されるN−アリル
    置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物若
    しくはその混合物、又はそれらの塩。 【化1】 (式中、Rは水素原子又はアリル基を表す。)
JP1210296A 1996-01-26 1996-01-26 N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物 Pending JPH09202756A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG105450A1 (en) * 1998-07-02 2004-08-27 Nat Starch Chem Invest Allylated amide compounds and die attach adhesives prepared therefrom
CN113388280A (zh) * 2021-08-03 2021-09-14 上海电动工具研究所(集团)有限公司 一种可紫外光固化的混合物
WO2022224778A1 (ja) * 2021-04-23 2022-10-27 公立大学法人大阪 温度応答性ポリマー及び水系温度応答性組成物

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