JPH09202756A - N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物 - Google Patents
N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物Info
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- JPH09202756A JPH09202756A JP1210296A JP1210296A JPH09202756A JP H09202756 A JPH09202756 A JP H09202756A JP 1210296 A JP1210296 A JP 1210296A JP 1210296 A JP1210296 A JP 1210296A JP H09202756 A JPH09202756 A JP H09202756A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、可塑剤、耐熱性樹脂、潤滑
剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、分散剤、重合性界面活
性剤、セメント用混和剤などの原料として有用な新規な
N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミ
ド化合物を提供することである。 【解決手段】 式(1)で表されるN−アリル置換メチ
ルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物若しくはそ
の混合物、又はそれらの塩。 【化1】
剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、分散剤、重合性界面活
性剤、セメント用混和剤などの原料として有用な新規な
N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミ
ド化合物を提供することである。 【解決手段】 式(1)で表されるN−アリル置換メチ
ルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物若しくはそ
の混合物、又はそれらの塩。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メチルテトラヒド
ロフタル酸ハーフアミド構造を持つ新規のアリル化合物
に関する。本発明のメチルテトラヒドロフタル酸ハーフ
アミド構造を持つ新規のアリル化合物は、有機溶媒に可
溶な疎水性化合物であるが、分子内にカルボキシル基と
アミド基を持つために、pH、温度条件等により水溶性
をあるいは水分散性を示す両親媒性の化合物である。更
に、本化合物は分子内に二重結合を有するため、無溶媒
系、水系あるいは有機溶媒系で種々のビニル化合物と重
合可能であり、合成樹脂原料として有用な化合物であ
る。本発明のN−アリル置換3−、又は4−メチルテト
ラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物及びその共重合体
の具体的な用途としては、可塑剤、耐熱性樹脂、潤滑
剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、分散剤、重合性界面活
性剤、セメント用混和剤などへの利用が例示される。
ロフタル酸ハーフアミド構造を持つ新規のアリル化合物
に関する。本発明のメチルテトラヒドロフタル酸ハーフ
アミド構造を持つ新規のアリル化合物は、有機溶媒に可
溶な疎水性化合物であるが、分子内にカルボキシル基と
アミド基を持つために、pH、温度条件等により水溶性
をあるいは水分散性を示す両親媒性の化合物である。更
に、本化合物は分子内に二重結合を有するため、無溶媒
系、水系あるいは有機溶媒系で種々のビニル化合物と重
合可能であり、合成樹脂原料として有用な化合物であ
る。本発明のN−アリル置換3−、又は4−メチルテト
ラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物及びその共重合体
の具体的な用途としては、可塑剤、耐熱性樹脂、潤滑
剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、分散剤、重合性界面活
性剤、セメント用混和剤などへの利用が例示される。
【0002】
【従来の技術】本発明による化合物は、従来全く報告さ
れていない新規な化合物である。
れていない新規な化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可塑
剤、耐熱性樹脂、潤滑剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、
分散剤、重合性界面活性剤、セメント用混和剤等の原料
として有用な新規なN−アリル置換メチルテトラヒドロ
フタル酸ハーフアミド化合物を提供することである。
剤、耐熱性樹脂、潤滑剤、帯電防止剤、塗料、接着剤、
分散剤、重合性界面活性剤、セメント用混和剤等の原料
として有用な新規なN−アリル置換メチルテトラヒドロ
フタル酸ハーフアミド化合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1)(化
2)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタ
ル酸ハーフアミド化合物若しくはその混合物、又はそれ
らの塩である。
2)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタ
ル酸ハーフアミド化合物若しくはその混合物、又はそれ
らの塩である。
【化2】 (式中、Rは水素原子又はアリル基を表す。)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の式(1)で表されるN−
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン又
はジアリルアミン(以下、アリルアミン類という)を反
応させ、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン類
の塩を形成させた後、加熱により脱水する方法やメチル
テトラヒドロフタル酸無水物を原料として、アリルアミ
ン類と反応する方法により得ることができる。これらの
方法の内、メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリル
アミン類を反応させる方法が、簡便であり容易に本発明
の化合物を製造することができるので好ましい。メチル
テトラヒドロフタル酸無水物は、メチル基の置換位置に
より3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテト
ラヒドロフタル酸無水物があり、これらは単独で用いる
ことができるが、混合物での使用することもできる。ま
た、メチルテトラヒドロフタル酸無水物が非対称化合物
であるため、アリルアミン類との反応物には、2つの位
置異性体が存在し、通常の反応条件下では、2種の混合
物になる。これらの存在比は、反応溶媒、反応温度、反
応濃度等の反応条件やメチル基の位置により決まるもの
と考えられるが、通常の使用目的では両者は分離するこ
となく使用して問題ない。
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン又
はジアリルアミン(以下、アリルアミン類という)を反
応させ、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン類
の塩を形成させた後、加熱により脱水する方法やメチル
テトラヒドロフタル酸無水物を原料として、アリルアミ
ン類と反応する方法により得ることができる。これらの
方法の内、メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリル
アミン類を反応させる方法が、簡便であり容易に本発明
の化合物を製造することができるので好ましい。メチル
テトラヒドロフタル酸無水物は、メチル基の置換位置に
より3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテト
ラヒドロフタル酸無水物があり、これらは単独で用いる
ことができるが、混合物での使用することもできる。ま
た、メチルテトラヒドロフタル酸無水物が非対称化合物
であるため、アリルアミン類との反応物には、2つの位
置異性体が存在し、通常の反応条件下では、2種の混合
物になる。これらの存在比は、反応溶媒、反応温度、反
応濃度等の反応条件やメチル基の位置により決まるもの
と考えられるが、通常の使用目的では両者は分離するこ
となく使用して問題ない。
【0006】メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリ
ルアミン類の反応は、通常はメチルテトラヒドロフタル
酸無水物の有機溶媒溶液に、アリルアミン類を添加する
ことにより行われる。反応溶媒として利用可能な有機溶
媒の例として、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルア
ミン類を溶解させるものであればよく、アセトン、2−
ブタノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、クロロホルムなどが例示される。メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、メチセロソルブ、
エチルセロソルブ、2−エチルヘキサノール、シクロヘ
キサノール等のアルコール系の溶媒は、一部メチルテト
ラヒドロフタル酸との間でエステル化反応を生じる場合
もあるが、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン
類の反応性は高く、一般にエステルの生成量は小さくな
るため、エステル化物が混在しても大きな影響を与えな
いような用途に対してはアルコール系溶媒を使用するこ
とができる。
ルアミン類の反応は、通常はメチルテトラヒドロフタル
酸無水物の有機溶媒溶液に、アリルアミン類を添加する
ことにより行われる。反応溶媒として利用可能な有機溶
媒の例として、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルア
ミン類を溶解させるものであればよく、アセトン、2−
ブタノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、クロロホルムなどが例示される。メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、メチセロソルブ、
エチルセロソルブ、2−エチルヘキサノール、シクロヘ
キサノール等のアルコール系の溶媒は、一部メチルテト
ラヒドロフタル酸との間でエステル化反応を生じる場合
もあるが、メチルテトラヒドロフタル酸とアリルアミン
類の反応性は高く、一般にエステルの生成量は小さくな
るため、エステル化物が混在しても大きな影響を与えな
いような用途に対してはアルコール系溶媒を使用するこ
とができる。
【0007】溶媒の使用量は、メチルテトラヒドロフタ
ル酸無水物の濃度が1〜90wt%となる量が好まし
い。1wt%未満となる量では、生産性に乏しく、90
wt%超となる量では、溶媒を添加した効果が無くな
る。アリルアミン類としてアリルアミン又はジアリルア
ミンを、単独でメチルテトラヒドロフタル酸無水物と反
応させることにより、それぞれ式(1)でRが水素原子
であるモノアリル化合物と、Rがアリル基であるジアリ
ル化合物を得ることができる。しかし、アリルアミン類
の製造法により、アリルアミンとジアリルアミンが混合
物として得られる場合がある。このアリルアミン混合物
を用いてもメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応
は可能であり、式(1)のRが水素原子の化合物とアリ
ル基の化合物の混合物として得ることができる。
ル酸無水物の濃度が1〜90wt%となる量が好まし
い。1wt%未満となる量では、生産性に乏しく、90
wt%超となる量では、溶媒を添加した効果が無くな
る。アリルアミン類としてアリルアミン又はジアリルア
ミンを、単独でメチルテトラヒドロフタル酸無水物と反
応させることにより、それぞれ式(1)でRが水素原子
であるモノアリル化合物と、Rがアリル基であるジアリ
ル化合物を得ることができる。しかし、アリルアミン類
の製造法により、アリルアミンとジアリルアミンが混合
物として得られる場合がある。このアリルアミン混合物
を用いてもメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応
は可能であり、式(1)のRが水素原子の化合物とアリ
ル基の化合物の混合物として得ることができる。
【0008】アリルアミン類の使用量は、メチルテトラ
ヒドロフタル酸に対して0.8〜1.5当量、好ましく
0.9〜1.2当量用いる。0.8当量未満を用いた場
合には、目的物の収率低下を起こし好ましくない。1.
5当量を超える量を使用しても効果的な差はなく好まし
くない。アリルアミン類は、比較的揮発性の高い化合物
であるため、密閉式の反応器を使用することが好まし
い。解放系で反応を行う場合には、揮発したアリルアミ
ン類を冷却管などでトラップする必要があるが、そのよ
うな場合には予めトラップされるアリルアミン類の相当
量を過剰に添加するなどして、反応が完結するようにす
る。
ヒドロフタル酸に対して0.8〜1.5当量、好ましく
0.9〜1.2当量用いる。0.8当量未満を用いた場
合には、目的物の収率低下を起こし好ましくない。1.
5当量を超える量を使用しても効果的な差はなく好まし
くない。アリルアミン類は、比較的揮発性の高い化合物
であるため、密閉式の反応器を使用することが好まし
い。解放系で反応を行う場合には、揮発したアリルアミ
ン類を冷却管などでトラップする必要があるが、そのよ
うな場合には予めトラップされるアリルアミン類の相当
量を過剰に添加するなどして、反応が完結するようにす
る。
【0009】メチルテトラヒドロフタル酸無水物とアリ
ルアミン類の反応は、常圧もしくは加圧下で、0〜15
0℃、好ましくは5〜130℃、さらに好ましくは10
〜100℃の温度範囲で行う。0℃未満では反応の進行
が遅く、150℃を越える温度で反応を行っても効果的
な差はない。反応中反応温度を一定に保つ必要はなく、
反応速度を制御するあるいは反応液の粘度を調整するな
どの目的で反応温度を適宜変えてもよい。反応時間は、
反応温度により異なるために一概に言えないが、30分
〜10時間反応することにより目的物である式(1)で
表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハ
ーフアミド化合物を得ることができる。
ルアミン類の反応は、常圧もしくは加圧下で、0〜15
0℃、好ましくは5〜130℃、さらに好ましくは10
〜100℃の温度範囲で行う。0℃未満では反応の進行
が遅く、150℃を越える温度で反応を行っても効果的
な差はない。反応中反応温度を一定に保つ必要はなく、
反応速度を制御するあるいは反応液の粘度を調整するな
どの目的で反応温度を適宜変えてもよい。反応時間は、
反応温度により異なるために一概に言えないが、30分
〜10時間反応することにより目的物である式(1)で
表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハ
ーフアミド化合物を得ることができる。
【0010】この様に製造した式(1)で表されるN−
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、過剰のアリルアミン類を除去する等の操作を加
えた後、後の所望の反応に反応液のまま使用することも
できるが、必要に応じて濾過、溶媒除去等の簡便な操作
を経て、分離し各種用途に用いることができる。しか
し、用途により純度の高い目的物が必要な場合は、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ト
ルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン等の溶媒を使用
して再結晶することができる。
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、過剰のアリルアミン類を除去する等の操作を加
えた後、後の所望の反応に反応液のまま使用することも
できるが、必要に応じて濾過、溶媒除去等の簡便な操作
を経て、分離し各種用途に用いることができる。しか
し、用途により純度の高い目的物が必要な場合は、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ト
ルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン等の溶媒を使用
して再結晶することができる。
【0011】また、式(1)で表されるN−アリル置換
メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は、更
に、水溶性を持たせる等の種々の目的から遊離カルボン
酸を各種塩基により中和することにより各種の塩に変換
することができる。塩の種類としては、ナトリウム塩、
カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモ
ニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩
等の有機塩基との塩を挙げることができる。本発明の方
法に於ける原料及び生成物は共に重合可能な二重結合を
有しており、製造工程において、それぞれの化合物の重
合を防止するために、必要に応じて重合禁止剤を使用す
ることは有効である。重合禁止剤としてはハイドロキノ
ン、メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェ
ノチアジン、チオ尿素、ヒドロキシキノリン、クペロ
ン、N−ニトロソジフェニルアミン等を挙げることがで
きるがこれらに限定されるものではない。
メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は、更
に、水溶性を持たせる等の種々の目的から遊離カルボン
酸を各種塩基により中和することにより各種の塩に変換
することができる。塩の種類としては、ナトリウム塩、
カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモ
ニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩
等の有機塩基との塩を挙げることができる。本発明の方
法に於ける原料及び生成物は共に重合可能な二重結合を
有しており、製造工程において、それぞれの化合物の重
合を防止するために、必要に応じて重合禁止剤を使用す
ることは有効である。重合禁止剤としてはハイドロキノ
ン、メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェ
ノチアジン、チオ尿素、ヒドロキシキノリン、クペロ
ン、N−ニトロソジフェニルアミン等を挙げることがで
きるがこれらに限定されるものではない。
【0012】この様に製造した式(1)で表されるN−
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、種々のビニル化合物と重合可能である。式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物と共重合可能なビニル化合物
の例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化
合物、ジエン化合物、ビニルカルボン酸化合物、不飽和
カルボン酸アミド化合物、アルキルビニルエーテル化合
物、及びその他のビニル化合物からなる群より選択され
た一種類以上の化合物である。本発明の式(1)で表さ
れるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフ
アミド化合物と上記ビニル化合物の共重合方法に関して
は特に制限はなく、公知の方法で共重合することができ
る。通常はラジカル重合開始剤の存在下、所定温度に保
つことにより重合を行う。
アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化
合物は、種々のビニル化合物と重合可能である。式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物と共重合可能なビニル化合物
の例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化
合物、ジエン化合物、ビニルカルボン酸化合物、不飽和
カルボン酸アミド化合物、アルキルビニルエーテル化合
物、及びその他のビニル化合物からなる群より選択され
た一種類以上の化合物である。本発明の式(1)で表さ
れるN−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフ
アミド化合物と上記ビニル化合物の共重合方法に関して
は特に制限はなく、公知の方法で共重合することができ
る。通常はラジカル重合開始剤の存在下、所定温度に保
つことにより重合を行う。
【0013】重合溶媒としては上記のビニル化合物と式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物を均一に溶解させるものであ
ればよく、式(1)で表されるN−アリル置換メチルテ
トラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物と相溶性のある
ビニル化合物で、脱溶媒を必要とする用途については、
プロセスを簡略化する目的で無溶媒系での共重合が好ま
しい場合もある。式(1)で表されるN−アリル置換メ
チルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は分子内
にカルボキシル基を有しており、これをアルカリにより
中和すると水に可溶になる。水に不溶なpH条件でも、
界面活性剤の存在下で乳化重合することもできる。
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物を均一に溶解させるものであ
ればよく、式(1)で表されるN−アリル置換メチルテ
トラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物と相溶性のある
ビニル化合物で、脱溶媒を必要とする用途については、
プロセスを簡略化する目的で無溶媒系での共重合が好ま
しい場合もある。式(1)で表されるN−アリル置換メ
チルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は分子内
にカルボキシル基を有しており、これをアルカリにより
中和すると水に可溶になる。水に不溶なpH条件でも、
界面活性剤の存在下で乳化重合することもできる。
【0014】重合開始剤としては一般の重合開始剤が使
用できる。また、必要に応じて連鎖移動剤や重合速度調
整剤を用いることができる。重合に供するモノマー類、
重合開始剤、溶媒、連鎖移動剤などは重合を開始する時
点で一度に反応容器に仕込んでもよいが、重合の進行に
応じて、1種類あるいはそれ以上の成分を、単独あるい
は溶媒などに混合したものを逐次添加していってもよ
い。本発明の式(1)で表されるN−アリル置換メチル
テトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物及びこれと他
のビニル化合物との共重合体は、可塑剤、耐熱性樹脂、
帯電防止剤、潤滑剤、塗料、接着剤、分散剤、界面活性
剤、セメント混和剤等の広い分野にわたって使用するこ
とができる。
用できる。また、必要に応じて連鎖移動剤や重合速度調
整剤を用いることができる。重合に供するモノマー類、
重合開始剤、溶媒、連鎖移動剤などは重合を開始する時
点で一度に反応容器に仕込んでもよいが、重合の進行に
応じて、1種類あるいはそれ以上の成分を、単独あるい
は溶媒などに混合したものを逐次添加していってもよ
い。本発明の式(1)で表されるN−アリル置換メチル
テトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物及びこれと他
のビニル化合物との共重合体は、可塑剤、耐熱性樹脂、
帯電防止剤、潤滑剤、塗料、接着剤、分散剤、界面活性
剤、セメント混和剤等の広い分野にわたって使用するこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを取り付けた
1lの四口セパラブルフラスコに3−及び4−メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物の混合物83.09g(0.
50モル)、トルエン300mlを加え、室温で溶解さ
せた。反応温度を25〜30℃に保ちながら、アリルア
ミン28.55g(0.50モル)を60分かけて滴下
した。6時間室温で攪拌した後、析出した白色結晶を濾
過により回収した。得られた結晶をアセトン溶媒で晶析
を行った。収量58.33g(収率52.2%) 元素分析値;C:64.55% H:7.68% N:6.27% (計算値:C12H17NO3 ) C:64.12% H:7.75% N:6.52% (実測値) 融点: 144℃1 H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm):1.6(s,3H),2.0-2.5(m,4H),3.
1-3.3(m,1H),3.6-3.7(m,2H),4.9-6.0(m,5H),7.9(t,1H) 得られた結晶のIR分析を行ったところ、原料3−及び
4−メチルテトラヒドロフタル酸の1776cm-1及び1858cm
-1の酸無水物基に起因する特性吸収帯(C=O伸縮)が
消失し、代わって1725cm-1にカルボン酸(C=O伸
縮)、1650cm-1にアミド(C=O伸縮、N−H変角)に
由来する吸収帯が観測された。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを取り付けた
1lの四口セパラブルフラスコに3−及び4−メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物の混合物83.09g(0.
50モル)、トルエン300mlを加え、室温で溶解さ
せた。反応温度を25〜30℃に保ちながら、アリルア
ミン28.55g(0.50モル)を60分かけて滴下
した。6時間室温で攪拌した後、析出した白色結晶を濾
過により回収した。得られた結晶をアセトン溶媒で晶析
を行った。収量58.33g(収率52.2%) 元素分析値;C:64.55% H:7.68% N:6.27% (計算値:C12H17NO3 ) C:64.12% H:7.75% N:6.52% (実測値) 融点: 144℃1 H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm):1.6(s,3H),2.0-2.5(m,4H),3.
1-3.3(m,1H),3.6-3.7(m,2H),4.9-6.0(m,5H),7.9(t,1H) 得られた結晶のIR分析を行ったところ、原料3−及び
4−メチルテトラヒドロフタル酸の1776cm-1及び1858cm
-1の酸無水物基に起因する特性吸収帯(C=O伸縮)が
消失し、代わって1725cm-1にカルボン酸(C=O伸
縮)、1650cm-1にアミド(C=O伸縮、N−H変角)に
由来する吸収帯が観測された。
【0016】実施例2 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを取り付けた
1lの四口セパラブルフラスコに3−及び4−メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物の混合物83.09g(0.
50モル)、アセトン250mlを加え、室温で溶解さ
せた。反応温度25℃〜30℃を保ちながら、ジアリル
アミン72.87g(0.75モル)を60分かけて滴
下した。一晩室温で攪拌した後、アセトン及び未反応ア
ミンを真空除去したところ、粘性のある液体が得られ
た。収量130.25g(収率98.9%) 元素分析値;C:68.42% H:8.04% N:5.32% (計算値:C15H21NO3 ) C:68.88% H:8.02% N:5.05% (実測値)1 H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm):1.7(s,3H),2.0-2.6(m,4H),3.
1-3.2(m,1H),3.8-4.0(m,4H),5.0-5.8(m,8H),12.0(s,1H) 得られた生成物のIR分析を行ったところ、酸無水物の
特性吸収帯(1780cm-1と1850cm-1、C=O伸縮)が消失
し、1725cm-1にカルボン酸(C=O伸縮)、1650cm-1に
アミド(C=O伸縮)に由来する吸収帯が観測された。
1lの四口セパラブルフラスコに3−及び4−メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物の混合物83.09g(0.
50モル)、アセトン250mlを加え、室温で溶解さ
せた。反応温度25℃〜30℃を保ちながら、ジアリル
アミン72.87g(0.75モル)を60分かけて滴
下した。一晩室温で攪拌した後、アセトン及び未反応ア
ミンを真空除去したところ、粘性のある液体が得られ
た。収量130.25g(収率98.9%) 元素分析値;C:68.42% H:8.04% N:5.32% (計算値:C15H21NO3 ) C:68.88% H:8.02% N:5.05% (実測値)1 H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm):1.7(s,3H),2.0-2.6(m,4H),3.
1-3.2(m,1H),3.8-4.0(m,4H),5.0-5.8(m,8H),12.0(s,1H) 得られた生成物のIR分析を行ったところ、酸無水物の
特性吸収帯(1780cm-1と1850cm-1、C=O伸縮)が消失
し、1725cm-1にカルボン酸(C=O伸縮)、1650cm-1に
アミド(C=O伸縮)に由来する吸収帯が観測された。
【0017】
【発明の効果】本発明の式(1)で表されるN−アリル
置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は
有機溶媒に可溶であるが、pHや温度条件等によって水
に対する溶解性に優れた両親媒性化合物である。この化
合物は、分子内に重合可能な二重結合をもつため、他の
ビニル化合物と共重合することができる。本発明の式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物およびこれらと共重合して得
られる共重合物は、可塑剤、耐熱性樹脂、帯電防止剤、
潤滑剤、塗料、接着剤、分散剤、界面活性剤、セメント
混和剤等の種々の用途に利用できる。
置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物は
有機溶媒に可溶であるが、pHや温度条件等によって水
に対する溶解性に優れた両親媒性化合物である。この化
合物は、分子内に重合可能な二重結合をもつため、他の
ビニル化合物と共重合することができる。本発明の式
(1)で表されるN−アリル置換メチルテトラヒドロフ
タル酸ハーフアミド化合物およびこれらと共重合して得
られる共重合物は、可塑剤、耐熱性樹脂、帯電防止剤、
潤滑剤、塗料、接着剤、分散剤、界面活性剤、セメント
混和剤等の種々の用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 斗志彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 田邉 勝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 式(1)(化1)で表されるN−アリル
置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物若
しくはその混合物、又はそれらの塩。 【化1】 (式中、Rは水素原子又はアリル基を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1210296A JPH09202756A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1210296A JPH09202756A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09202756A true JPH09202756A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11796215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1210296A Pending JPH09202756A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | N−アリル置換メチルテトラヒドロフタル酸ハーフアミド化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09202756A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG105450A1 (en) * | 1998-07-02 | 2004-08-27 | Nat Starch Chem Invest | Allylated amide compounds and die attach adhesives prepared therefrom |
CN113388280A (zh) * | 2021-08-03 | 2021-09-14 | 上海电动工具研究所(集团)有限公司 | 一种可紫外光固化的混合物 |
WO2022224778A1 (ja) * | 2021-04-23 | 2022-10-27 | 公立大学法人大阪 | 温度応答性ポリマー及び水系温度応答性組成物 |
-
1996
- 1996-01-26 JP JP1210296A patent/JPH09202756A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG105450A1 (en) * | 1998-07-02 | 2004-08-27 | Nat Starch Chem Invest | Allylated amide compounds and die attach adhesives prepared therefrom |
WO2022224778A1 (ja) * | 2021-04-23 | 2022-10-27 | 公立大学法人大阪 | 温度応答性ポリマー及び水系温度応答性組成物 |
CN113388280A (zh) * | 2021-08-03 | 2021-09-14 | 上海电动工具研究所(集团)有限公司 | 一种可紫外光固化的混合物 |
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